JP3125267U - Discharge tube - Google Patents
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Abstract
【課題】暗中において使用した場合の初期放電開始電圧の上昇を抑制することができると共に、早期点弧の発生を抑制することのできる長寿命な放電管を実現する。
【解決手段】ケース部材12の両端開口部を、放電電極を兼ねた一対の蓋部材14,14で気密に封止することによって気密外囲器16を形成すると共に、該気密外囲器16内に放電ガスを封入し、また、上記蓋部材14,14の放電電極部18,18間に放電間隙22を形成すると共に、ケース部材12の内壁面24に、その両端が、蓋部材14,14と微小放電間隙26を隔てて配置された複数のトリガ放電膜28を形成し、さらに、上記放電電極部18の表面に、ホウ化チタンが含有された被膜30を形成した。
【選択図】図1
An object of the present invention is to provide a long-life discharge tube capable of suppressing an increase in initial discharge start voltage when used in the dark and capable of suppressing the occurrence of early firing.
An airtight envelope 16 is formed by hermetically sealing the opening portions at both ends of a case member 12 with a pair of lid members 14 and 14 that also serve as discharge electrodes, and the inside of the airtight envelope 16 is formed. In addition, a discharge gas 22 is sealed in, and a discharge gap 22 is formed between the discharge electrode portions 18 and 18 of the lid members 14 and 14, and both ends of the inner wall 24 of the case member 12 are covered with the lid members 14 and 14. A plurality of trigger discharge films 28 arranged with a small discharge gap 26 therebetween are formed, and a film 30 containing titanium boride is formed on the surface of the discharge electrode portion 18.
[Selection] Figure 1
Description
この考案は放電管に係り、特に、プロジェクターや自動車のメタルハライドランプ等の高圧放電ランプやガス調理器等の着火プラグに、点灯用又は着火用の定電圧を供給するためのスイッチングスパークギャップとして、或いは、サージ電圧を吸収するためのガスアレスタ(避雷管)として好適に使用できる放電管に関する。 The present invention relates to a discharge tube, in particular, as a switching spark gap for supplying a constant voltage for lighting or ignition to a high-pressure discharge lamp such as a projector or a metal halide lamp of an automobile, or an ignition plug of a gas cooker, or The present invention relates to a discharge tube that can be suitably used as a gas arrester for absorbing surge voltage.
この種の放電管として、本出願人は、先に特開2003−7420号を提案した。この放電管60は、図9に示すように、両端が開口した絶縁材よりなる円筒状のケース部材62の両端開口部を、放電電極を兼ねた一対の蓋部材64,64で気密に封止することによって気密外囲器66を形成し、該気密外囲器66内に、所定の放電ガスを封入してなる。
As this type of discharge tube, the present applicant has previously proposed Japanese Patent Application Laid-Open No. 2003-7420. As shown in FIG. 9, this
上記蓋部材64は、気密外囲器66の中心に向けて大きく突き出た平面状の放電電極部68と、ケース部材62の端面に接する接合部70を備えており、両蓋部材64,64の放電電極部68,68間には、所定の放電間隙72が形成されている。
また、上記ケース部材62の内壁面74の円周方向に、微小放電間隙76を隔てて対向配置された一対のトリガ放電膜78,78が、複数組形成されている。一対のトリガ放電膜78,78の内、一方のトリガ放電膜78は、一方の放電電極部68と電気的に接続され、他方のトリガ放電膜78は、他方の放電電極部68と電気的に接続されている。
The
A plurality of pairs of
上記放電電極部68の表面には、放電開始電圧の安定に効果的なアルカリヨウ化物が含有された絶縁性の被膜80が形成されている。このアルカリヨウ化物としては、ヨウ化カリウム(KI)、ヨウ化ナトリウム(NaI)、ヨウ化セシウム(CsI)、ヨウ化ルビジウム(RbI)等のアルカリヨウ化物の単体又は混合物が該当する。
上記気密外囲器66内に封入する放電ガスとしては、例えば、アルゴン、ネオン、ヘリウム、キセノン等の希ガスあるいは窒素ガス等の不活性ガスの単体又は混合ガスが該当する。また、希ガスあるいは不活性ガスの単体又は混合ガスと、ハロゲンを含む気体やO2等の負極性ガスとの混合ガスが該当する。
On the surface of the
As the discharge gas sealed in the
上記構成を備えた放電管60の放電電極部68,68間に、当該放電管60の放電開始電圧以上の電圧が印加されると、トリガ放電膜78,78間の微小放電間隙76に電界が集中し、これにより微小放電間隙76に電子が放出されてトリガ放電としての沿面コロナ放電が発生する。次いで、この沿面コロナ放電は、電子のプライミング効果によってグロー放電へと移行する。そして、このグロー放電が放電電極部68,68間の放電間隙72へと転移し、主放電としてのアーク放電に移行するのである。
ところで、アルカリヨウ化物、特にヨウ化カリウム(KI)が含有された上記被膜80は、仕事関数が小さく電子放出特性に優れているため放電開始電圧を低下させる作用を有しているものである。
しかしながら、上記放電管60を暗中において使用すると、初期放電開始電圧が徐々に上昇して放電遅れが発生すると共に、短い周期で繰り返し動作させた場合には早期点弧が発生して放電開始電圧が不安定化し、遂には使用に適さなくなる事態を生じることがあった。
尚、暗中において初期放電開始電圧が徐々に上昇して放電遅れが発生するのは、暗中で放電管60が長時間放置されると、気密外囲器66内の放電の種火としての電子やイオンが減少するためである。
By the way, the
However, when the
Note that the initial discharge start voltage gradually increases in the dark and the discharge delay occurs. When the
この考案は、従来の上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、暗中において使用した場合の初期放電開始電圧の上昇を抑制することができると共に、早期点弧の発生を抑制することのできる長寿命な放電管を実現することにある。 The present invention has been made in view of the above-described conventional problems, and the object of the invention is to suppress an increase in initial discharge start voltage when used in the dark and to prevent early firing. The object is to realize a long-life discharge tube that can be suppressed.
本考案者らは、放電電極の表面に形成する被膜の構成材料について種々検討を試みた結果、ホウ化チタンを含有する被膜が、暗中において使用した場合の初期放電開始電圧の上昇及び早期点弧の発生を効果的に防止できることを見出し、本考案を完成するに至ったものである。
すなわち、本考案に係る放電管は、複数の放電電極を放電間隙を隔てて配置すると共に、これを放電ガスと共に気密外囲器内に封入してなる放電管において、上記放電電極の表面に、ホウ化チタンが含有された被膜を形成したことを特徴とする。
As a result of various investigations on the constituent materials of the coating film formed on the surface of the discharge electrode, the present inventors have found that a coating film containing titanium boride has an increased initial discharge start voltage and early ignition when used in the dark. As a result, the inventors have found that it is possible to effectively prevent the occurrence of the above, and have completed the present invention.
That is, the discharge tube according to the present invention is a discharge tube in which a plurality of discharge electrodes are arranged with a discharge gap and sealed in a hermetic envelope together with a discharge gas, on the surface of the discharge electrode, A film containing titanium boride is formed.
上記放電電極の表面に凹部を形成すると共に、該凹部内面に、上記被膜を形成するようにしても良い。 A recess may be formed on the surface of the discharge electrode, and the coating may be formed on the inner surface of the recess.
上記被膜中のホウ化チタンの含有割合は、0.01〜50重量%と成すのが好ましい。 The content ratio of titanium boride in the coating is preferably 0.01 to 50% by weight.
ホウ化チタンの含有された上記被膜中に、モリブデン酸カリウム及び/又はチタンを添加するようにしても良い。
ホウ化チタンの含有された上記被膜中に、モリブデン酸カリウム及びチタンを添加する場合、ホウ化チタン、モリブデン酸カリウム及びチタンの配合割合は、ホウ化チタンが1〜70重量%、モリブデン酸カリウムが1〜70重量%、チタンが1〜70重量%成すのが好ましい。
You may make it add potassium molybdate and / or titanium in the said film | membrane in which the titanium boride contained.
When potassium molybdate and titanium are added to the film containing titanium boride, titanium borate, potassium molybdate and titanium are mixed in an amount of 1 to 70% by weight of titanium boride and potassium molybdate. It is preferable that 1 to 70% by weight and titanium is 1 to 70% by weight.
本考案に係る放電管にあっては、放電電極の表面に、ホウ化チタンが含有された被膜を形成したことにより、暗中において使用した場合の初期放電開始電圧の上昇を抑制することができると共に、早期点弧の発生を抑制することのできる長寿命な放電管を実現することができる。 In the discharge tube according to the present invention, by forming a film containing titanium boride on the surface of the discharge electrode, an increase in the initial discharge start voltage when used in the dark can be suppressed. Thus, a long-life discharge tube capable of suppressing the occurrence of early ignition can be realized.
また、放電電極の表面に凹部を形成すると共に、該凹部内面に上記被膜を形成した場合には、短い周期で繰り返し動作させた場合においても常に安定した放電開始電圧が得られる周波数特性に優れた放電管を実現することができる。 In addition, when the concave portion is formed on the surface of the discharge electrode and the coating film is formed on the inner surface of the concave portion, excellent frequency characteristics are obtained that can always provide a stable discharge starting voltage even when the operation is repeated in a short cycle. A discharge tube can be realized.
ホウ化チタンの含有された上記被膜中にモリブデン酸カリウムを添加すると、モリブデン酸カリウムは耐スパッタ性に優れているため、被膜のスパッタが防止され、初期放電開始電圧の上昇の抑制に寄与する。
また、ホウ化チタンの含有された上記被膜中にチタンを添加すると、チタンはイオン化傾向が極めて大きいことから、該チタンが放電ガス分子をイオン化させ、その結果、気密外囲器内に放電の種火となるイオンを多量に供給でき、初期放電開始電圧の上昇の抑制に寄与する。
When potassium molybdate is added to the film containing titanium boride, since the potassium molybdate is excellent in sputtering resistance, the film is prevented from being sputtered and contributes to the suppression of an increase in the initial discharge start voltage.
In addition, when titanium is added to the above-described coating containing titanium boride, since titanium has a very high ionization tendency, the titanium ionizes discharge gas molecules, and as a result, discharge species are contained in the hermetic envelope. A large amount of fire ions can be supplied, contributing to the suppression of the initial discharge start voltage.
本考案に係る放電管10は、図1及び図2に示すように、両端が開口した絶縁材としてのセラミックよりなる円筒状のケース部材12の両端開口部を、放電電極を兼ねた一対の蓋部材14,14で気密に封止することによって気密外囲器16を形成してなる。
As shown in FIGS. 1 and 2, a
上記蓋部材14は、気密外囲器16の中心に向けて大きく突き出た平面状の放電電極部18と、ケース部材12の端面に接する接合部20を備えており、両蓋部材14,14の放電電極部18,18間には、所定の放電間隙22が形成されている。
放電電極部18と接合部20を備えた上記蓋部材14は、無酸素銅や、無酸素銅にジルコニウム(Zr)を含有させたジルコニウム銅で構成されている。尚、ケース部材12の端面と蓋部材14の接合部20とは、銀ろう等のシール材(図示せず)を介して気密封止されている。
The
The
また、上記ケース部材12の内壁面24には、その両端が、放電電極を兼ねた上記蓋部材14,14と微小放電間隙26を隔てて配置された線状のトリガ放電膜28が複数形成されている。図1及び図2においては、トリガ放電膜28を、ケース部材12の内壁面24の円周方向に、45度間隔で8本形成した場合が例示されている。
上記トリガ放電膜28は、カーボン系材料等の導電性材料で構成されている。このトリガ放電膜28は、例えば、カーボン系材料より成る芯材を擦り付けることにより形成することができる。
In addition, a plurality of linear
The
上記放電電極部18の表面には、ホウ化チタン(TiB2)が含有された被膜30が形成されている。
この被膜30は、ホウ化チタンの粉末を、珪酸ナトリウム溶液と純水よりなるバインダーに添加したものを、放電電極部18表面に塗布することによって形成することができる。
この場合、ホウ化チタンの粉末を、珪酸ナトリウム溶液と純水よりなるバインダーに添加して形成した被膜30中のホウ化チタンの含有割合は、0.01〜50重量%と成すのが、高温環境下における初期放電開始電圧の上昇を効果的に防止する上で好ましい。
尚、バインダー中の珪酸ナトリウム溶液と純水との配合割合は、珪酸ナトリウム溶液が0.01〜70重量%、純水が99.99〜30重量%の配合割合で混合される。
A
The
In this case, the content ratio of titanium boride in the
The mixing ratio of the sodium silicate solution and pure water in the binder is such that the sodium silicate solution is 0.01 to 70% by weight and the pure water is 99.99 to 30% by weight.
尚、上記被膜30中にモリブデン酸カリウム(K2MoO4)を添加すると、モリブデン酸カリウムは耐スパッタ性に優れているため、被膜30のスパッタが防止され、初期放電開始電圧の上昇の抑制に寄与する。
また、上記被膜30中にチタン(Ti)を添加すると、チタンはイオン化傾向が極めて大きいことから、該チタンが放電ガス分子をイオン化させ、その結果、気密外囲器内に放電の種火となるイオンを多量に供給でき、初期放電開始電圧の上昇の抑制に寄与する。
ホウ化チタンの含有された上記被膜30中にモリブデン酸カリウム及びチタンを添加する場合には、ホウ化チタン、モリブデン酸カリウム及びチタンの配合割合は、ホウ化チタンが1〜70重量%、モリブデン酸カリウムが1〜70重量%、チタンが1〜70重量%と成すのが好ましい。
また、珪酸ナトリウム溶液と純水よりなるバインダーに対する、ホウ化チタン、モリブデン酸カリウム及び/又はチタンの混合物の配合割合は、0.01〜50重量%と成すのが好ましい。
In addition, when potassium molybdate (K 2 MoO 4 ) is added to the
Further, when titanium (Ti) is added to the
When potassium molybdate and titanium are added to the
Moreover, it is preferable that the mixture ratio of the mixture of titanium boride, potassium molybdate, and / or titanium with respect to the binder which consists of a sodium silicate solution and a pure water is 0.01-50 weight%.
上記気密外囲器16内には、所定の放電ガスが封入されている。この放電ガスとしては、例えば、アルゴン、ネオン、ヘリウム、キセノン等の希ガスあるいは窒素ガス等の不活性ガスの単体又は混合ガスが該当する。また、希ガスあるいは不活性ガスの単体又は混合ガスと、ハロゲンを含む気体やO2等の負極性ガスとの混合ガスが該当する。
A predetermined discharge gas is sealed in the
本考案の上記放電管10にあっては、放電電極を兼ねた上記一対の蓋部材14,14間に、当該放電管10の放電開始電圧以上の電圧が印加されると、トリガ放電膜28の両端と蓋部材14,14間の微小放電間隙26に電界が集中し、これにより微小放電間隙26に電子が放出されてトリガ放電としての沿面コロナ放電が発生する。次いで、この沿面コロナ放電は、電子のプライミング効果によってグロー放電へと移行する。そして、このグロー放電が放電電極部18,18間の放電間隙22へと転移し、主放電としてのアーク放電に移行するのである。
In the
而して、本考案の放電管10にあっては、放電電極部18の表面に、ホウ化チタンが含有された被膜30を形成したことにより、暗中において使用した場合の初期放電開始電圧の上昇を抑制することができると共に、早期点弧の発生を抑制することができる長寿命な放電管10を実現することができる。
尚、初期放電開始電圧は、放電管を繰り返し動作させた場合における初回の放電開始電圧のことをいい、この初期放電開始電圧に続く2回目以降の放電開始電圧を追随放電開始電圧という。
また、早期点弧とは、規定の電圧より低い電圧で放電してしまうことをいう。
Thus, in the
The initial discharge start voltage refers to the first discharge start voltage when the discharge tube is repeatedly operated, and the second and subsequent discharge start voltages subsequent to the initial discharge start voltage are referred to as follow-up discharge start voltages.
Moreover, early ignition means discharging at a voltage lower than a specified voltage.
図3及び図4は、本考案に係る放電管10の第1の変形例を示すものであり、該放電管10の第1の変形例は、放電電極部18の表面に凹部32を形成し、該凹部32内面に、ホウ化チタンが含有された上記被膜30を形成した点に特徴を有するものであり、その他の構成は、上記放電管10と実質的に同一である。
而して、本考案の放電管10がスイッチングスパークギャップとして用いられる場合には、少なくとも周波数200Hz(5ms)間隔で繰り返し動作させた場合でも安定した放電開始電圧が得られることが求められるが、更にその用途によっては400Hz(2.5ms)の間隔で繰り返し動作させた場合でも安定した放電開始電圧が得られることが要求される。
本考案の放電管10の第1の変形例は、放電電極部18の表面に凹部32を形成すると共に、該凹部32内面に上記被膜30を形成したことにより、周波数特性に優れた放電管10を実現することができる。すなわち、本考案の放電管10の第1の変形例にあっては、放電電極部18表面に形成した凹部32内面に、上記被膜30を形成したことにより、放電電極部18表面の凹部29内面のみに放電が生成することとなる。その結果、早期点弧や続流の発生が抑制され、短い周期で繰り返し動作させた場合においても、規定電圧で安定的に放電生成が可能になると考えられるのである。
FIGS. 3 and 4 show a first modification of the
Thus, when the
A first modification of the
図5は、本考案に係る上記放電管10の第2の変形例を示す要部拡大断面図であり、該放電管10の第2の変形例は、放電電極部18の上記凹部32内面に、有底の穴部34を多数形成すると共に、上記凹部32及び穴部34内面にホウ化チタンを含有した上記被膜30を形成した点に特徴を有するものである。
而して、この放電管10の第2の変形例にあっては、放電電極部18の凹部32内面に多数の穴部34を形成し、凹部32及び穴部34内面に被膜30を形成したことにより、被膜30と放電電極部18との密着力が向上し、放電時の衝撃による被膜30のスパッタが抑制される。その結果、スパッタに起因する被膜30の仕事関数の変化が防止され、初期放電遅れを抑制する効果を奏する。
FIG. 5 is an enlarged cross-sectional view of a main part showing a second modification of the
Thus, in the second modification of the
以下において、本考案に係る放電管10と、従来の放電管60に関して行った実験結果を示す。
図6は、ホウ化チタンを含有した被膜30を放電電極部18の表面に形成して成る本考案の放電管(A)10、ホウ化チタン、モリブデン酸カリウム及びチタンを含有した被膜30を放電電極部18の表面に形成して成る本考案の放電管(B)10、比較例としてヨウ化カリウム(KI)の含有された被膜80を放電電極部68の表面に形成した従来の放電管(C)60に関して、暗中において動作させた場合の放電回数と初期放電開始電圧との関係を示すグラフである。これら放電管は、何れも放電開始電圧が800Vに設定されているものを用いており、この場合、初期放電開始電圧が1000Vを越えると使用に適さないものとなる。
尚、本考案の放電管10は、「放電電極部18の凹部32内面に穴部34を多数形成して成る」上記第2の変形例のものを用いた。
実験で用いた本考案の放電管(A)10は、上記バインダー20グラム(珪酸ナトリウム溶液:純水=2グラム:18グラム)に対してホウ化チタンを0.2グラム(含有割合は1重量%)含有させて被膜30を形成して成る。
また、本考案の放電管(B)10は、上記バインダー20グラムに対してホウ化チタンを0.2グラム、モリブデン酸カリウムを1グラム、チタンを2グラム含有させて被膜30を形成して成る。従って、ホウ化チタン、モリブデン酸カリウム及びチタンの配合割合は、ホウ化チタンが6.25重量%、モリブデン酸カリウムが31.25重量%、チタンが62.5重量%と成されている。また、バインダーに対する、ホウ化チタン、モリブデン酸カリウム及びチタンの混合物の配合割合は16重量%である。
In the following, results of experiments performed on the
FIG. 6 shows a discharge tube (A) 10 according to the present invention formed by forming a
As the
The discharge tube (A) 10 of the present invention used in the experiment is composed of 0.2 g of titanium boride (content ratio is 1 weight) with respect to 20 g of the binder (sodium silicate solution: pure water = 2 g: 18 g). %) To form a
Further, the discharge tube (B) 10 of the present invention is formed by forming a
図6のグラフに示される通り、従来の放電管(C)60の場合(図6のグラフC)には、放電回数が約60万回程度で初期放電開始電圧が1000Vを越えて使用に適さなくなっている。
これに対し、本考案の放電管(A)10の場合(図6のグラフA)には、放電回数が100万回となっても初期放電開始電圧が900V以下を保っており、従って、暗中において動作させた場合に放電遅れを生じることがなく長寿命化が実現されている。
さらに、本考案の放電管(B)10の場合(図6のグラフB)には、放電回数が100万回となっても初期放電開始電圧が殆ど上昇することなく一定であり、従って、暗中において動作させた場合に放電遅れを生じることがなく長寿命化が実現されている。
As shown in the graph of FIG. 6, in the case of the conventional discharge tube (C) 60 (graph C of FIG. 6), the number of discharges is about 600,000 times, and the initial discharge start voltage exceeds 1000 V and is suitable for use. It is gone.
On the other hand, in the case of the discharge tube (A) 10 of the present invention (graph A in FIG. 6), the initial discharge start voltage is maintained at 900 V or less even when the number of discharges reaches 1 million times. In the case of the operation, the life is extended without causing a delay in discharge.
Further, in the case of the discharge tube (B) 10 of the present invention (graph B in FIG. 6), even when the number of discharges reaches 1 million, the initial discharge start voltage is almost constant and does not increase. In the case of the operation, the life is extended without causing a delay in discharge.
図7は、従来の放電管60を、周波数200Hz(5ms)間隔で動作させた場合の放電開始電圧の推移を示すチャート、図8は、本考案に係る放電管(A)10を、周波数200Hz(5ms)間隔で動作させた場合の放電開始電圧の推移を示すチャートである。
図7のチャートに示される通り、従来の放電管60は、早期点弧が発生し放電開始電圧が不安定化している。これに対し、図8のチャートに示される通り、本考案の放電管10は、早期点弧が発生することなく放電開始電圧が800Vで安定していることがわかる。
FIG. 7 is a chart showing the transition of the discharge start voltage when the
As shown in the chart of FIG. 7, in the
10 放電管
12 ケース部材
14 蓋部材
16 気密外囲器
18 放電電極部
22 放電間隙
26 微小放電間隙
28 トリガ放電膜
30 被膜
32 凹部
34 穴部
10 discharge tube
12 Case material
14 Lid member
16 Airtight envelope
18 Discharge electrode
22 Discharge gap
26 Micro discharge gap
28 Trigger discharge membrane
30 coating
32 recess
34 hole
Claims (5)
In the coating film containing titanium boride, potassium molybdate and titanium are added. The proportion of titanium boride, potassium molybdate and titanium is 1 to 70% by weight of titanium boride and potassium molybdate. The discharge tube according to claim 4, wherein 1 to 70% by weight of titanium and 1 to 70% by weight of titanium are formed.
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