JP3125084B2 - 耐熱または耐腐食性収音マイクロホンおよびこれを使用した消音装置 - Google Patents
耐熱または耐腐食性収音マイクロホンおよびこれを使用した消音装置Info
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Description
腐食性ガスの排気ダクトで使用される耐熱または耐腐食
性収音マイクロホンならびにこの耐熱または耐腐食性収
音マイクロホンを使用した消音装置に関するものであ
る。
例で、排気ガスは例えば500Hz以上の高音域用消音
器(マフラー)3および例えば80Hz〜500Hzの
低音域用消音器(マフラー)4を経て排気ダクト5から
排出される。これによって排気音は大幅に低減される。
ところで、高音域用消音器3の容積は高々1m3 程度で
あるが、低音域用消音器4の容積は数百〜数千m3 にも
達し、限られたスペースに設置する場合に、上記低音域
用消音器4の大きさが問題になる。高音域用消音器3の
寸法が、直径0.6m、長さ2m、従って容積が約0.
57m3 程度であれば、低音域用消音器4の寸法は、直
径5m、長さ30m、従って容積は約589m3 にもな
ることがある。
消音器を使用せずに低音域の排気音を低減する装置とし
て図8に示すような電子消音装置がある。図8の装置で
は、排気ダクト51に1次マイクロホン(検知マイクロ
ホン)6、2次マイクロホン(エラーマイクロホン)
8、消音用スピーカ9及びコントローラ7からなる電子
消音システムを設けている。1次マイクロホン6で得ら
れた騒音信号を、コントローラ7で制御し、2次マイク
ロホン8で得られる騒音レベルが最小になるように消音
用スピーカ9に加える入力を調整する。なお、コントロ
ーラ7では、スピーカ9から発せられる音が消音すべき
排気ダクト中の低音域の排気音と実質的に等大で逆相関
係になるように調整され、そのため、1次マイクロホン
6からの騒音信号の移相を変化させる移相回路や、この
1次マイクロホン6で収音された騒音信号の振幅レベル
を調整する可変利得増幅器、これら移相回路及び可変利
得増幅器を、2次マイクロホン8での騒音レベルに応じ
て制御する制御回路等を備えていることは言う迄もな
い。上記は、常温ガスまたは腐食性のないガスの排気ダ
クトに関するものであるが、ガスが高温で、かつ、S0
2 、N0X 等の腐食性ガスを含む場合には、通常のマイ
クロホン、スピーカをそのまま使用することができな
い。
めの、1次マイクロホン6及び2次マイクロホン8に
は、高温、腐食性ガスに耐え得る材料を、振動板及びマ
イクロホン筐体に使用する必要があり、高価なマイクロ
ホン161を必要とした。また、その場合でも、マイク
ロホン161に接続されたマイクロホン・プリアンプ1
62が、マイクロホン筐体の温度上昇による破損を防ぐ
ため、例えば図9に示すような水冷装置163を使用せ
ざるを得ず、手数がかかり、高価であり、かつ使用可能
な場所に制限があった。
点は、高温または腐食性ガスの収音には、振動板、マイ
クロホン筐体に耐熱または耐腐食性材料を使った高価な
マイクロホン及びマイクロホン・プリアンプ冷却用の高
価な水冷装置を使用せざるを得ず、使用に大きな制限を
受けるという点である。
食性収音マイクロホンは、高温または腐食性ガスが流通
するガス通路に結合される側が耐熱または耐腐食性の金
属薄板で閉塞された緩衝空間形成用の筒状体と、該筒状
体の上該ガス通路に結合される側とは反対側に設けられ
たマイクロホン本体とを有し、上記筒状体内の上記耐熱
または耐腐食性の金属薄板とマイクロホン本体との間に
緩衝空間が形成されている。金属薄板としては所要の周
波数の音域、例えば80Hz〜500Hzを可及的に減
衰することなく上記マイクロホン本体に伝達し得る材料
が使用される。上記金属薄板が設けられた筒状体を細管
を介して上記ダクトに結合してもよいし、またマイクロ
ホン本体を細管を介して上記筒状体に結合してもよい。
さらに、上記細管の部分に放熱用冷却器を設けてもよ
い。
では、マイクロホン本体と高温または腐食性ガスが流通
するガス通路との間に少なくとも耐熱または耐腐食性の
金属薄板と緩衝空間とが存在するから、マイクロホン本
体が高温ガスまたは腐食性ガスに曝されることはなく、
またマイクロホン本体が高温または腐食に曝されるのを
阻止することができる。
考例を示し、10は例えば高温または腐食性の排気ガス
が矢印のように流通するダクトで、その側壁には収音マ
イクロホン61が結合されている。マイクロホン61は
ダクト10に結合された筒状体11を有し、該筒状体1
1のダクト側とは反対側の閉塞端にはマイクロホン本体
12が設けられている。筒状体11のダクト側は排気ガ
ス遮蔽用の金属薄板13で閉塞されている。金属薄板1
3とマイクロホン本体12との間の空間14は緩衝空間
として作用する。
Hzの低音域の排気音を緩衝空間14を経てマイクロホ
ン本体12に伝達できるものが使用され、一例として厚
さが0.05mm程度のチタン薄膜が使用される。チタ
ンの他にステンレス薄膜等、任意の金属薄板を使用する
ことができる。要はダクト10を通過する高温ガスまた
は腐食性ガスに耐えることができ、しかも目的とする音
域の音を許容範囲内の減衰量でマイクロホン本体12に
伝達し得るものであれば、どのような金属薄板でも使用
することができる。この構造によれば、マイクロホン本
体12は金属薄板13と緩衝空間14とにより高温また
は腐食性の排気ガスならびに熱または腐食から保護され
る。
参考例で、高温または腐食性の排気ガスが流通するダク
ト20の側壁に収音マイクロホン62が結合されてい
る。21はマイクロホン62を構成する筒状体、22は
マイクロホン本体、23は筒状体21内の適当な位置に
設けられた図1と同様な耐熱、耐ガス製の排気ガス遮断
用金属薄板、24は緩衝空間である。筒状体21の金属
薄板23で分離された一方の側は細管25を介してダク
ト20に結合されている。この参考例では筒状体21と
ダクト20との間に細管25が介在しているから、マイ
クロホン本体22に伝達される熱や腐食性ガスはさらに
少なくなり、マイクロホン本体22をダクト20を流通
する高温または腐食性ガスの熱や腐食から一層効果的に
保護することができる。さらに、細管25に冷却器を取
り付けてもよい。冷却器は放熱用フィンを備えた空冷式
のものでもよいし、水冷式のものでもよい。また、細管
25そのものを図4に示すような放熱フィン付きの構造
としてもよい。緩衝空間24によりマイクロホン本体2
2が高温または腐食性のガスに直接に曝されることがな
いので、水冷式の冷却器を取り付ける場合であっても、
規模の小さなもので足り、冷却水循環器等の設置スペー
スもそれほど問題とはならない。
で、高温または腐食性の排気ガスが流通するダクト30
の側壁に収音マイクロホン63が結合されている。図2
と同様に、この収音マイクロホン63は筒状体31を有
し、その内部に金属薄板33が設けられて緩衝空間34
が形成されている。この筒状体31の金属薄板33で分
離された一方の側は細管35を介してダクト30に結合
されている。マイクロホン本体32はマイクロホン本体
容器36内に収容されており、該マイクロホン本体容器
36は細管37を介して上記筒状体31の他方の側に結
合されている。細管37には冷却器38が設けられてい
るが、細管35にも冷却器を設けてもよい。また、冷却
器38としては、空冷式、水冷式のいずれのものも採用
でき、また、細管35、37を図4のような放熱フィン
付きの構造としてもよいという点については、図2の場
合と同様である。
とダクトとの間に細管35、37が介在しているから一
層の断熱効果や耐腐食性が得られ、マイクロホン本体3
2を一層確実に排気ガスの熱や腐食から保護することが
できる。細管35、37の存在のみで充分の断熱効果や
耐腐食性が得られるのであれば、各細管35、37に冷
却器を設ける必要はない。
理図である。図5で、40は例えば内径が26mm、長
さが50mmのパイプ(筒状体)で、図示の例ではその
右端の閉塞端に第1のマイクロホン41が設置されてお
り、左端は金属薄膜42によって閉塞されている。
で、金属薄板42として厚さが0.05mm、直径が2
6mmのチタン薄膜を使用した場合の音響伝達の周波数
特性を測定した結果を示したものであり、本装置を使用
しないマイクロホン自体の音圧感度を0dBとしてい
る。この線図からは明らかなように、今問題としている
80Hz〜500Hzの低音域では減衰度は10dB以
下で、充分に使用し得ることが示されている。このよう
に金属薄膜42で閉塞された筒状体40を介しても特定
の周波数以下の範囲においては、音波は充分に伝達され
る。
ンは、図8に示した電子消音装置の1次マイクロホン及
び(または)2次マイクロホンとして使用する。
食性収音マイクロホンは、マイクロホン本体と高温ガス
または腐食性のガスが流通するガス通路との間に少なく
とも金属薄板と緩衝空間が介在するから、上記マイクロ
ホン本体が高温または腐食性のガスに曝されることはな
く、また熱がマイクロホン本体に伝達されるのが防止さ
れ、高温または腐食性のガスに起因するマイクロホン本
体の劣化がなく、長寿命の耐熱または耐腐食性収音マイ
クロホンを得ることができるという効果がある。特に、
細管や冷却器を設けると、この効果が顕著となる。ま
た、本発明の収音マイクロホンを、図8に示すような電
子消音装置に適用したところ、マイクロホン本体が直接
排気ダクトに結合された従来の低音域用消音器と同じ消
音効果が得られ、しかも著しく長寿命の消音装置を得る
ことができた。
略断面図である。
略断面図である。
面図である。
とができる放熱フイン付き細管の一例を示す斜視図であ
る。
ス遮断用装置の原理を示す図である。
性を示す線図である。
である。
図である。
ホンの1例を示す概略図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 内部が耐熱、耐腐食性金属薄板で分離さ
れた筒状体と、該筒状体の一方の側を高温ガスまたは腐
食性ガスの流通路に結合する第1の細管と、マイクロホ
ン本体を収容するマイクロホン本体容器と、該マイクロ
ホン本体容器を上記筒状体の他方の側に結合する第2の
細管とを有し、上記筒状体内の上記金属薄板とマイクロ
ホン本体との間に緩衝空間が形成されており、上記金属
薄板は所要の周波数音域にある音響を許容範囲内の減衰
度で上記マイクロホン本体に伝達することができる金属
材料で作られていることを特徴とする耐熱または耐腐食
性収音マイクロホン。 - 【請求項2】 第1の細管、第2の細管の少なくとも一
方に冷却器が設けられていることを特徴とする請求項1
記載の耐熱または耐腐食性収音マイクロホン。 - 【請求項3】 ガス通路に結合されていて、所要周波数
音域の音を収音する収音マイクロホンと、該収音マイク
ロホンの出力電気信号を制御する制御手段と、この制御
手段の出力信号により駆動されて上記ガス通路に音響を
送り込むスピーカとを具備し、上記制御手段は、上記ス
ピーカから上記ガス通路に送り込まれる音響の位相およ
び振幅が上記所要周波数音域の音を打ち消すのに必要な
位相および振幅となるように上記出力電気信号を制御
し、上記収音マイクロホンが請求項1または2に記載の
耐熱または耐腐食性収音マイクロホンからなることを特
徴とする消音装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06060314A JP3125084B2 (ja) | 1994-03-04 | 1994-03-04 | 耐熱または耐腐食性収音マイクロホンおよびこれを使用した消音装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP06060314A JP3125084B2 (ja) | 1994-03-04 | 1994-03-04 | 耐熱または耐腐食性収音マイクロホンおよびこれを使用した消音装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH07245797A JPH07245797A (ja) | 1995-09-19 |
JP3125084B2 true JP3125084B2 (ja) | 2001-01-15 |
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Family Applications (1)
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Country | Link |
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JP (1) | JP3125084B2 (ja) |
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JP2010209936A (ja) * | 2009-03-06 | 2010-09-24 | Kyowa Kako Kk | 消音ユニット及び消音ユニット用の騒音検出ユニット |
JP6889036B2 (ja) * | 2017-06-01 | 2021-06-18 | 株式会社巴川製紙所 | マイクロホン |
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1994
- 1994-03-04 JP JP06060314A patent/JP3125084B2/ja not_active Expired - Fee Related
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