JP3124646U - 紙製種子育成筒 - Google Patents

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Abstract

【課題】紙製種子育成筒を地中に植え込むだけで種子を肥料と共に埋設できるので作業性が良く、また雑草の繁殖による影響を少なくすると共に、表土の流出によっても種子の露出や流出を防止して当初の位置に種子を確保することができ、且つ長期間に亘って筒内の肥料が徐々に溶け出して草木の育成をはぐくむことができ、更に、根が成長する頃には紙筒が腐ってそれ自身堆肥化して土に戻る紙製種子育成筒を提供するものである。
【解決手段】上端部及び下端部を開放した0.5〜1.5mm厚、5〜20mm径の長尺で且つ硬質の水溶性紙製筒を形成し、該筒内に、下端部側に該筒内詰め込み物が脱落することのない硬めの土又は肥料混入土を詰め込んで下端の開放部を閉塞し、その上方部に種子を混入した肥沃土或いは肥料混入土よりなる種子混入育成手段を詰め込んでなることを特徴とする紙製種子育成筒。
【選択図】図2

Description

本考案は、菜園や花壇及び比較的広範囲にわたる家庭農園或いは公的な場所となる公園の花壇、道路・路線の法面やグリーンベルト等における草木の種子及びその育成肥料を同時に植設することが可能な紙製種子育成筒に関するものである。
家庭の菜園や花壇、小規模な農園或いは公的な場所となる公園の花壇、道路・路線の法面やグリーンベルト等の場所において草木を育成するには、地中に苗や種を植え付け、それらに合った肥料を施しているが、この場合、固形肥料を土に混ぜて元肥としたり、地面に散布して追肥をしたりしている。しかし、土を掘って固形肥料を混ぜる手段は、広い範囲に行なうには手間がかかる問題があるし、地面に散布する手段は、その肥料が都合よく草木に行き渡ることがなく、予定通りに育たなかったり、それら肥料が溶けて地中に浸透するまでに長時間を必要としていた。また、特に傾斜のある法面などでは、それら肥料が雨で流されて効果が少ない現象も生じていた。
特開平8−34691号公報
本考案は上記欠点を解決し、本考案の紙製種子育成筒を地中に植え込むだけで種子を肥料と共に埋設できるので作業性が良く、また雑草の繁殖による影響を少なくすると共に、表土の流出によっても種子の露出や流出を防止して当初の位置に種子を確保することができ、且つ長期間に亘って筒内の肥料が徐々に溶け出して草木の育成をはぐくむことができ、更に、根が成長する頃には紙筒が腐ってそれ自身堆肥化して土に戻る紙製種子育成筒を提供するものである。
本考案は、上記課題を解決したもので、上端部及び下端部を開放した0.5〜1.5mm厚、5〜20mm径の長尺で且つ硬質の水溶性紙製筒を形成し、該筒内に、下端部側に該筒内詰め込み物が脱落することのない硬めの土又は肥料混入土を詰め込んで下端の開放部を閉塞し、その上方部に種子を混入した肥沃土或いは肥料混入土よりなる種子混入育成手段を詰め込んでなる紙製種子育成筒を特徴とする。
また、上端部及び下端部を開放した硬質の0.5〜1.5mm厚で5〜20mm径の水溶性紙製筒の筒内に、下方側に該筒内配置物が脱落することのないように紙製の柔らかい水溶性紙片を詰め込んで下端の開放部を閉塞し、その上方部に柔軟で肥料が混入した土に種子を混入した種子混入育成手段を配置してなる紙製種子育成筒を特徴とする。
更に、トウモロコシ・マメ科等の種子類の粉末或いは窒素・リン酸・カリを多く含む植物の粉末を紙成分に混入してなる紙製種子育成筒を特徴とする。
本考案は、種子を地中に植え付けるにあたって紙製種子育成筒を使用し、該紙製種子育成筒内に肥料や土壌と共に種子を混入しているので、種子を植え付ける間隔が種子の成長する位置とすることができると同時に、該種子に合った肥料や土壌及び水分の量を調節することが容易となった。
また、種子育成筒として水溶性の紙或いは肥料混入紙を使用しているので、地中に植え付けた後、該紙は水分により溶解し、肥料を提供することができると同時に自然に戻すことができ、環境上、極めて優れた種子育成筒を提供することが可能となった。
更に、両端を開口した所定厚で所定の長さの硬質の紙筒としているので、種子、肥料及び土壌或いは紙片等を詰め込む作業が簡単で取り扱いが容易である。
以下、本考案の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本考案の紙製種子育成筒1の斜視図を示しているが、その上端部2及び下端部3は開放状態とされ、該紙製種子育成筒1は、その使用する場所及び選択する種子により筒厚、筒径及びその長さはそれに適合したものを選択できるが、該筒長は30〜200mm、筒径は5〜20mmとする。また、紙筒を構成する紙はダンボール紙等のようなもの或いは種子類の乾燥粉末或いは植物の葉や茎等の乾燥粉末を紙成分に混入したもので、水分を吸収し易く、且つ水溶性のものが選定され、その厚さは0.5〜1.5mm厚のものが使用される。以下、それらのものを含めて紙製或いは紙筒という。
上記筒厚及び筒径並びに筒長の紙筒であれば柔らかい土壌或いは硬い土壌であっても該土壌中に植え付けることが可能である。
該紙製種子育成筒1内には、図2に示すように、その下端部側に硬めの土又は肥料混入土等の硬質育成土4を詰め込んで下端部3の開放端を閉塞し、その上方部に肥沃土又は肥料混入土に種子を混入した種子混入育成手段5を詰め込んでいる。また、細い筒径のものであれば土や肥料混入土を強く押し付けることにより筒1内から脱落することのない閉塞手段を得ることができる。
上記硬質育成土4は、水によって柔らかくなる土を乾燥や無機系の接着手段等により固めたものが好ましく、該紙製種子育成筒1内の下端部3に留まり、且つ上方部に詰め込む種子混入育成手段5の圧力及び該紙製種子育成筒1を運搬するときの移動や振動に対しても固定状態が維持できるようにしている。
上記硬質育成土4の上方部には肥沃土や肥料が混入した土に種子を混ぜ合わせた種子混入育成手段5を詰め込んで完成する。
上記紙製種子育成筒1の保存や運搬等は、試験管を立設する井枠組体のような部材の空間に挿入立設したり或いはその多数を束ねた状態で立設することにより、上方端2より筒内の種子混入育成手段5が筒内から脱落することを防止することができる。
上記紙製種子育成筒1は、紙製であるが筒厚があり、且つ筒状としているので、それ自体に強度を有し、使用者はそれをもって土壌中に押し付けて植え付けることが可能となる。上記植え付ける寸前に、該紙製種子育成筒1に予め水分を付与しておくことが可能であるし、植え付けた後に水分を付与すること或いはそれらを併用すること等ができる。
また、上記紙製種子育成筒1は、その数本を束ねた状態で土壌に植え付けることも可能である。この場合、それらの種子が集中した状態で成長することになる。
紙製種子育成筒1は、硬質ダンボール紙の他、トウモロコシ・マメ科等の種子類を乾燥し粉末状にしたものや、窒素・リン酸・カリ等を多く含む植物の葉、茎、根等を乾燥し粉末状にしたもの或いは植物油かすを紙成分に混入或いは浸透させて固めたものを使用することができる。また、紙を製造する工程中において無機系の材料をバインダーとして使用することによりそれらは土壌中に還元されても土壌環境を悪化するおそれがないものである。
更に、それら紙製種子育成筒1を構成する材料は水溶性のため、植え付けた後、土壌中の水分により徐々に溶解し、草木の成長に合わせて土壌に戻ることになり、その間、該種子及び成長草木に栄養分を補給する役割を成すことができる。
実施例2は、下端部3に水溶性の紙片或いは多種の肥料成分を含む水溶性紙片を塊状にしたもの或いは束ねたものを脱落しないように詰め込んだものである。
上記同様、該紙製種子育成筒1内の下端部3に留まり、且つ上方部に詰め込む種子混入育成手段5の圧力及び該紙製種子育成筒1を運搬するときの移動や振動に対しても固定状態が維持できるようにしている。
また、土壌中に植設された紙製種子育成筒1は、種子の成長とともに水溶性の紙片及び該筒自身が溶解し、その下方側或いは側方側の土壌と一体化していくことになる。
本考案の紙製種子育成筒の斜視図。 本考案の紙製種子育成筒の縦中央断面図。
符号の説明
1 紙製種子育成筒
2 上端部
3 下端部
4 硬質育成土
5 種子混入育成手段

Claims (3)

  1. 上端部及び下端部を開放した0.5〜1.5mm厚、5〜20mm径の長尺で且つ硬質の水溶性紙製筒を形成し、該筒内に、下端部側に該筒内詰め込み物が脱落することのない硬めの土又は肥料混入土を詰め込んで下端の開放部を閉塞し、その上方部に種子を混入した肥沃土或いは肥料混入土よりなる種子混入育成手段を詰め込んでなることを特徴とする紙製種子育成筒。
  2. 上端部及び下端部を開放した0.5〜1.5mm厚、5〜20mm径の長尺で且つ硬質の水溶性紙製筒を形成し、該筒内に、下端部側に該筒内詰み込み物が脱落することのないように紙製の柔らかい水溶性紙片を詰め込んで下端の開放部を閉塞し、その上方部に種子を混入した肥沃土或いは肥料混入土よりなる種子混入育成手段を詰め込んでなることを特徴とする紙製種子育成筒。
  3. トウモロコシ・マメ科等の種子類の粉末或いは窒素・リン酸・カリを多く含む植物の粉末を紙成分に混入してなることを特徴とする請求項1又は2に記載の紙製種子育成筒。
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