JP3122085U - 転動体ねじ装置 - Google Patents

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丹羽 宏
明正 吉田
荘志 宮原
憲昭 近本
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Abstract

【課題】リターンパイプ内でボールの循環が阻害されたときにも、リターンパイプがナットから浮き上がるのを防止できるボールねじを提供する。
【解決手段】ボールねじのリターンパイプ10は、ボール戻し通路の中心線に沿って二分割されてなる一対のリターンパイプ本体10a,10bと、ボール戻し通路を挟んでリターンパイプ本体10a,10bに一体に設けられると共に、ねじ挿入孔16が形成される一対の延出部11aと、を有する。ねじ挿入孔16及びねじ22が、各延出部11aの二箇所に設けられると共に、リターンパイプ10がナット本体8に取り付けられたナットの平面図において、ねじ22がナット本体8の中心線24からリターンパイプ10の一対の脚部12側にずらして配置される。
【選択図】図6

Description

本考案は、ねじ軸とナットとの間に転がり運動可能に転動体を介在させ、該転動体をリターンパイプによって循環させる転動体ねじ装置に関する。
ねじ軸とナットとの間に転がり運動可能にボールを介在させたボールねじは、ねじ軸とナットと間に発生する摩擦を低減できるので、工作機械、射出成形機、半導体・液晶製造装置の位置決め機構、送り機構、あるいは自動車のステアリングギヤ等の様々な機械に組み込まれている。
ナットに対してねじ軸を相対的に回転させると、ねじ軸のボール転走溝及びナットの負荷ボール転走溝の間の負荷ボール転走路をボールが転がる。ナットの負荷ボール転走溝の一端まで転がったボールは、ナットに設けられたリターンパイプによって掬い上げられ、リターンパイプ内の無負荷ボール戻し通路を経由した後、負荷ボール転走溝の他端に戻される。
ボールを循環させるリターンパイプは、金属製のパイプをプレスで折り曲げて製造されるのが一般的であった。しかし近年、ボールの円滑な循環、低騒音化、製造の容易さ等を目的として、リターンパイプを樹脂成形する考案が提案されている(例えば特許文献1参照)。リターンパイプを樹脂成形する場合、円筒形のリターンパイプを金型で一度に成形するのは困難なので、無負荷ボール戻し通路の中心線に沿って二分割した分割リターンパイプを樹脂成形し、そして樹脂成形した一対の分割リターンパイプを結合していた。
図9に示されるように、樹脂製のリターンパイプ1には、リターンパイプ1をナット2に取り付けるための一対の延出部1aが一体に成形される。延出部1aをリターンパイプ1に一体に成形できることが樹脂成形の利点の一つである。各延出部1aには、ねじ挿入孔3が一箇所形成される。このねじ挿入孔3にねじ4を挿入し、ねじ4をナット2の側面にねじ込むことで、リターンパイプ1がナット2に取り付けられる。リターンパイプ1が取り付けられたナット2の平面図(図9)において、これらねじ4及びねじ挿入孔3は、ナット2の中心線2a上に配置されていた。
特開2003−232421号公報
ところで、過負荷がかかる状況でボールねじを使用すると(例えば、射出成形機に使用されるボールねじには、樹脂の充填時に過負荷がかかる)、負荷ボール転走路でのボールの弾性変形量が規定値以上に大きくなり、負荷ボール転走路も狭くなる。こうなると、図10に示されるように、ボール6が負荷ボール転走路5aに入りにくくなり、ボール6の循環が阻害される。一方、リターンパイプ1の反対側の負荷ボール転走路5bからは次々とボール6が入ってくるので、リターンパイプ1内で詰まったボール6が蛇行してリターンパイプ1の内壁を押す。
リターンパイプ1を押さえているのは、図9に示されるようにナット2の中心線2a上に配置されるねじ4だけなので、ボール6の循環が阻害されてリターンパイプ1に図10に示される力Fがかかった場合、リターンパイプ1にねじ4の位置を中心にしたモーメント荷重がかかり、リターンパイプ1がナット2から浮き上がるおそれがある。このリターンパイプ1の浮き上がりはリターンパイプ1の破損に繋がる。
そこで本考案は、リターンパイプ内でボールの循環が阻害されたときにも、リターンパイプがナットから浮き上がるのを防止できる転動体ねじ装置を提供することを目的とする。
以下、本考案について説明する。なお、本考案の理解を容易にするために添付図面の参照番号を括弧書きにて付記するが、それにより本考案が図示の形態に限定されるものでない。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の考案は、外周面に螺旋状の転動体転走溝(7a)が形成されたねじ軸(7)と、内周面に前記転動体転走溝(7a)に対向する螺旋状の負荷転動体転走溝(8a)が形成されたナット本体(8)と、中央部(11)と中央部(11)に対して折り曲げられた一対の脚部(12)を有し、前記ナット本体(8)の前記負荷転動体転走溝(8a)の一端と他端を繋ぐ転動体戻し通路が形成されるリターンパイプ(10,30)と、前記リターンパイプ(10,30)を前記ナット本体(8)の側面に固定する締結部材(22)と、前記ねじ軸(7)の前記転動体転走溝(7a)と前記ナット本体(8)の前記負荷転動体転走溝(8a)との間の負荷転動体転走路、及び前記リターンパイプ(10,30)の前記転動体戻し通路で構成される転動体循環路に配列されて、前記ねじ軸(7)の前記ナット本体(8)に対する相対的な回転に伴って循環する複数の転動体(9)と、を備える転動体ねじ装置において、前記リターンパイプ(10,30)は、前記転動体戻し通路の中心線に沿って二分割されてなる一対のリターンパイプ本体(10a,10b,30a,30b)と、前記転動体戻し通路を挟んで前記リターンパイプ本体(10a,10b,30a,30b)に一体に設けられると共に、前記締結部材(22)が挿入される締結部材挿入部(16)が形成される一対の延出部(11a)と、を有し、前記締結部材挿入部(11a)及び前記締結部材(22)が、各延出部(11a)の少なくとも二箇所に設けられると共に、前記リターンパイプ(10,30)が前記ナット本体(8)に取り付けられたナットの平面図において、前記締結部材(22)が前記ナット本体(8)の中心線から前記一対の脚部(12)側にずらして配置されることを特徴とする。
請求項2に記載の考案は、請求項1に記載の転動体ねじ装置において、前記ナットの平面図において、前記各延出部(11a)は、前記少なくとも二箇所の前記締結部材挿入部(16)にわたって伸びると共に前記リターンパイプ(10,30)の前記中央部(11)の中心線(17)に平行な一辺(18)、この一辺(18)の両端と前記リターンパイプ本体(10a,10b,30a,30b) を接続する一対の対辺(19,20)と、を有する略四角形に形成され、前記締結部材(22)の中心は、前記各延出部(11a)の前記一辺(18)よりも内側に配置されることを特徴とする。
請求項3に記載の考案は、請求項1又は2に記載の転動体ねじ装置において、前記締結部材挿入部(16)及び前記締結部材(22)は、前記各延出部(11a)の二箇所に、すなわち一つのリターンパイプ(10,30)に対して合計四箇所設けられることを特徴とする。
請求項4に記載の考案は、請求項1ないし3いずれかに記載の転動体ねじ装置において、前記リターンパイプ(10)は、前記転動体戻し通路の中心線を挟んで前記ナット本体(8)の中心線(24)方向の一方の側と他方の側とに二分割される一対の横割りリターンパイプ本体(10a,10b)からなり、前記一対の延出部(11a)は、前記一対の横割りリターンパイプ本体(10a,10b)に設けられることを特徴とする。
請求項5に記載の考案は、請求項1ないし3いずれかに記載の転動体ねじ装置において、前記リターンパイプ(30)は、前記転動体戻し通路の中心線を挟んで前記転動体戻し通路の内周側と外周側とに二分割される一対の縦割りリターンパイプ本体(30a,30b)からなり、前記一対の延出部(11a)は、外周側の前記縦割りリターンパイプ本体(30a)に一体に設けられることを特徴とする。
請求項6に記載の考案は、請求項5に記載の転動体ねじ装置において、外周側の前記縦割りリターンパイプ本体(30a)には、前記転動体戻し通路の中心線に沿って伸びる補強リブ(31)が一体に設けられることを特徴とする。
請求項1に記載の考案によれば、締結部材をリターンパイプの脚部の近傍に配置できるので、リターンパイプ内でボールの循環が阻害されてリターンパイプに力がかかったときに、リターンパイプに働くモーメント荷重を低減することができる。よってリターンパイプがナット本体から浮き上がるのを防止できる。
請求項2に記載の考案によれば、締結部材をリターンパイプの中央部の近傍に配置することができるので、リターンパイプに働くモーメント荷重を低減することができる。しかも各延出部が略四角形に形成されるので、延出部の強度も強くすることができる。
請求項3に記載の考案によれば、リターンパイプの脚部の近傍に配置する締結部材の個数を最小にすることができる。
リターンパイプは、請求項4に記載の考案のように、横方向に二分割されていてもよいし、請求項5に記載の考案のように、縦方向に二分割されていてもよい。
請求項6に記載の考案によれば、リターンパイプの強度を強くすることができる。
図1は、本考案の一実施形態における転動体ねじ装置としてのボールねじを示す。このボールねじは、外周面に螺旋状のボール転走溝7aが形成されたねじ軸7と、内周面にボール転走溝7aに対向する負荷ボール転走溝8aが形成されたナット本体8との間に、転がり運動可能に複数のボール9を介在させたものである。複数のボール9間には、必要に応じてボール9同士の接触を防止するスペーサ14が介在される。
ねじ軸7の外周には所定のリードを有する螺旋状のボール転走溝7aが加工される。ボール転走溝7aの断面形状は、単一の円弧からなるサーキュラーアーク溝に加工されるか、2つの円弧を組み合わせたゴシックアーチ溝に加工される。ねじ軸7のボール転走溝7a上をボール9が転がり運動するので、ボール転走溝7aはその表面が硬化処理される。ねじには、一条ねじ、二条ねじ、三条ねじ等様々なものを用いることができる。
ねじ軸7が貫通するナット本体8の内周面には、ねじ軸7のボール転走溝7aに対向する螺旋状の負荷ボール転走溝8aが加工される。負荷ボール転走溝8aの断面も、単一の円弧からなるサーキュラーアーク溝に加工されるか、2つの円弧を組み合わせたゴシックアーチ溝に加工される。負荷ボール転走溝8a上をボール9が転がり運動するので、負荷ボール転走溝8aもその表面が硬化処理される。ナット本体8の側面には平らに平面部8bが削られ、この平面部8bにリターンパイプ10の脚部12が挿入される嵌合孔8cが空けられる。嵌合孔8cはナット本体8の内周面まで貫通し、ナット本体8の内周面の負荷ボール転走溝8aに繋がる。
ナット本体8の平面部8bには、ねじ軸7のボール転走溝7aとナット本体8の負荷ボール転走溝8aとの間の負荷ボール転走路を転がるボール9を循環させるリターンパイプ10が設けられる。リターンパイプ10には、ナット本体8の負荷ボール転走溝8aの一端と他端とを接続する転動体戻し通路としてのボール戻し通路が形成される。これら負荷ボール転走路及びボール戻し通路で構成されるボール循環路に、複数のボール9が配列・収容される。ボール戻し通路の内径は、ボール9の直径よりも若干大きい。無負荷ボール戻し通路では、前方のボール9は後続のボール9に押されながら移動する。
リターンパイプ10は、ナット本体8の平面部8bに取り付けられる中央部11と、中央部11に対して約90度折り曲げられた一対の脚部12とを有し、全体が門形状に形成される。脚部12の先端には、負荷ボール転走路を転がるボール9を掬い上げ、リターンパイプ10のボール戻し通路へ導き、またリターンパイプ10のボール戻し通路を移動するボール9を負荷ボール転走路へ戻す掬い部12a(図3参照)が設けられる。
図2(A)に示されるように、リターンパイプ10の一対の脚部12は、ねじ軸の軸線方向からみて、負荷ボール転走路13の中心線の接線方向から僅かな角度α傾けて配置される。そして、図2(B)に示されるように、ねじ軸7の側面方向からみて、負荷ボール転走路13のリード角方向から僅かな角度β傾けて配置される。螺旋状の負荷ボール転走路13の接線方向に近い角度でボール9を掬い上げ且つ戻すならば、ボール9に無理な力が働かない。
ナット本体8に対してねじ軸7を相対的に回転させると、負荷ボール転走路13をボール9が転がり運動する。負荷ボール転走路13の一端まで転がったボール9はリターンパイプ10内に掬い上げられ、リターンパイプ10の無負荷ボール戻し通路を経由した後、数巻き手前の負荷ボール転走路13の他端に戻される。ナット本体8に対してねじ軸7が回転している間、ボール9は負荷ボール転走路13及び無負荷ボール戻し通路により構成されるボール循環経路を無限循環する。
図3に示されるように、リターンパイプ10は、横方向に二分割される一対の横割りリターンパイプ本体からなる。すなわち、リターンパイプ10は、ボール戻し通路の中心線を挟んでナット本体8の中心線の方向の一方の側と二分割される一対の横割りリターンパイプ本体10a,10bからなる。リターンパイプ10は、この横割りリターンパイプ本体10a,10bを接着、溶着、ねじ等で結合してなる。上述したように、リターンパイプ10の脚部12の先端には、掬い部12a(図3参照)が設けられる。脚部12の先端まで分割してしまうと、複雑な形状の掬い部12aが分割されることになるので、掬い部12aの形状の連続性が妨げられる。このため、この実施形態では脚部12の先端を分割していない。ただし、掬い部12aに僅かなずれが生じてもよいのなら、脚部の先端まで分割することも可能である。二つの横割りリターンパイプ本体10a,10bで金型を共通化できるように、横割りリターンパイプ本体10a,10bの形状は同一にされる。
横割りリターンパイプ本体10a,10bは、樹脂を射出成形することで製造される。脚部12はスライド金型を使用して製造される。具体的には、金型内に脚部の先端を形作るスライド金型を挿入し、金型内のキャビティに樹脂を射出成形し、金型を開いた後、スライド金型を脚部12の中心線方向にスライドさせて、脚部12を成形する。
横割りリターンパイプ本体10a,10bには、ボール戻し通路を挟んで一対の延出部11aが一体に設けられる。この実施形態では、一対の横割りリターンパイプ本体10a,10bに一対の延出部11aが設けられる。各延出部11aには、締結部材挿入部としてねじ挿入孔16が形成される。ねじ挿入孔16は、リターンパイプ10の中央部11の中心線方向に間隔を空けて二箇所空けられる。すなわち、一つのリターンパイプ10に対してねじ挿入孔16が合計四箇所空けられる。
図4のリターンパイプ10の平面図に示されるように、各延出部11aは、二箇所のねじ挿入孔にわたって伸びると共にリターンパイプ10の中央部11の中心線17に平行な一辺18と、この一辺18の両端と横割りリターンパイプ本体10a,10bを接続する一対の対辺19,20と、を有する略四角形の板状に形成される。ねじ挿入孔16は延出部11aの一辺18から横割りリターンパイプ本体10a,10bに向かうU字溝状に空けられる。延出部11aは横割りリターンパイプ本体10a,10bから片持ち状に突出しているので、ブラケット21で補強されている。ブラケット21は、一つのねじ挿入孔16に対して二つ設けられ、横割りリターンパイプ本体10a,10bと延出部11aとに結合される。
リターンパイプ10は以下のようにしてナット本体8に取り付けられる。まず、ナット本体8の側面の嵌合孔8c(図1参照)に結合させた横割りリターンパイプ本体10a,10bの一対の脚部12を挿入する。ナット本体8には、リターンパイプ10の延出部11aのねじ挿入孔16に対応する位置に雌ねじが予め加工されている。延出部11aのねじ挿入孔16にねじ22を挿入し、このねじ22をナット本体8の雌ねじにねじ込むことで、リターンパイプ10がナット本体8に取り付けられる。
図6は、リターンパイプ10をナット本体8に取り付けたナットの平面図を示す。このナットの平面図において、ねじ挿入孔16及びねじ22は、ナット本体8の中心線24から一対の脚部12側にずらして(所定の間隔L1,L2を空けて)配置される。そして、ねじ22の中心は、各延出部11aの一辺よりも内側(リターンパイプの中心線17側)に配置される。この例では、ねじ22の中心のみならず、ねじ22の頭部の全体が一辺18よりも内側に配置される。
ねじ挿入孔16及びねじ22をこのように配置することで、ねじ22を一対の脚部12の近傍に、すなわち、図4に示されるリターンパイプ10の平面図において、中央部11の中心線17に直交し、且つ脚部12の中心を通る線26からねじ22までの距離a1,a2,並びに中央部11の中心線17からのねじ22までの距離b1,b2をいずれも小さくすることができる。それゆえ、たとえリターンパイプ10内でボール9の循環が阻害され、リターンパイプ10に図5に示される力Fが働いたとしても、リターンパイプ10に働くモーメント荷重を低減することができる。
なお図6において、ナット本体8の中心線24から、該中心線24を挟んだ一対のねじまで22の距離L1,L2を一定にすると、複数のねじ22をナット本体8の中心線24に平行な一直線上に配置することができる。
図7及び図8は、リターンパイプ10の他の例を示す。この例のリターンパイプ30は、ボール戻し通路の中心線を挟んで内周側と外周側とに二分割される一対の縦割りリターンパイプ本体30a,30bからなる。そして、一対の延出部11aは、外周側の縦割りリターンパイプ本体30aのみに一体に設けられる。延出部11aの構造は、ブラケット21及びねじ挿入孔16を有する点で上記横割りリターンパイプ本体10a,10bと同一なので、同一の符号を附してその説明を省略する。
外周側の縦割りリターンパイプ本体30aには、ボール戻し通路の中心線に沿って伸びる補強リブ31が一体に設けられる。この補強リブ31は、循環が阻害されたボール9が外周側の縦割りリターンパイプ本体30aを押したときに、縦割りリターンパイプ本体30aが変形するのを防止する。外周側の縦割りリターンパイプ本体30aの両端には、内周側の縦割りリターンパイプ本体30bに係合する突起32が設けられる。
リターンパイプ10の脚部12の先端には掬い部12aが設けられるので、リターンパイプ10は脚部12の先端まで分割されていない。すなわち、内周側の縦割りリターンパイプ本体には、脚部12の先端となる円筒部34が一体に設けられる。円筒部34には、外周側の縦割りリターンパイプ本体30aの突起32に係合する凹み35が形成される。また、内周側の縦割りリターンパイプ本体30bの中央部には、平らな底面を有する複数の取付け座33が設けられる。
縦割りリターンパイプ本体30a,30bは、以下のようにしてナット本体8に取り付けられる。まず、図8に示されるように、外周側の縦割りリターンパイプ本体30aの突起32と内周側の縦割りリターンパイプ本体30bの凹み35が係合するように、外周側の縦割りリターンパイプ本体30aに内周側の縦割りリターンパイプ本体30bを嵌める。そして、嵌め合わせたリターンパイプ30の脚部12をナット本体8の嵌合孔8cに挿入する。最後に、延出部11aのねじ挿入孔16にねじ22を挿入し、このねじ22をナット本体8の雌ねじにねじ込むことで、リターンパイプ30がナット本体8に取り付けられる。
この例の縦割りのリターンパイプ30によれば、内周側の縦割りリターンパイプ本体30bが外周側の縦割りリターンパイプ本体30aとナット本体8との間に挟まれるので、内周側の縦割りリターンパイプ本体30bと外周側の縦割りリターンパイプ本体30aとを接着等で結合する必要がない。また、内周側のリターンパイプ本体30bの取付け座33がナット本体8の平面部8bに着座するので、内周側のリターンパイプ本体30bを安定させることもできる。
なお、本考案は上記実施形態に限られることなく、本考案の要旨を変更しない範囲で様々に変更可能である。ねじ及びねじ挿入孔の個数は各延出部に対して三箇所以上設けられてもよい。さらに転動体としてはボールの替わりにローラも使用することができる。
本考案の一実施形態におけるボールねじを示す斜視図(一部断面図を含む) 上記ボールねじの断面図(図(A)はねじ軸の軸線に直交する断面図を示し、図(B)はねじ軸に沿った断面図を示す) リターンパイプの分解斜視図 リターンパイプの平面図 リターンパイプの側面図 リターンパイプを取り付けたナットの平面図 リターンパイプの他の例の分解斜視図 リターンパイプの他の例の断面図 従来のリターンパイプを取り付けたナットの平面図 ボールの循環が阻害された状態を示す模式図
符号の説明
7a…ボール転走溝(転動体転走溝)
7…ねじ軸
8…ナット本体
8a…負荷ボール転走溝(負荷転動体転走溝)
9…ボール(転動体)
10,30…リターンパイプ
10a,10b…横割りリターンパイプ本体(リターンパイプ本体)
11a…延出部
11…中央部
12…脚部
13…負荷ボール転走路
16…ねじ挿入孔(締結部材挿入部)
17…中央部11の中心線
18…一辺
19,20…対辺
24…ナット本体の中心線
30a,30b…縦割りリターンパイプ本体(リターンパイプ本体)

Claims (6)

  1. 外周面に螺旋状の転動体転走溝が形成されたねじ軸と、内周面に前記転動体転走溝に対向する螺旋状の負荷転動体転走溝が形成されたナット本体と、中央部と中央部に対して折り曲げられた一対の脚部を有し、前記ナット本体の前記負荷転動体転走溝の一端と他端を繋ぐ転動体戻し通路が形成されるリターンパイプと、前記リターンパイプを前記ナット本体の側面に固定する締結部材と、前記ねじ軸の前記転動体転走溝と前記ナット本体の前記負荷転動体転走溝との間の負荷転動体転走路、及び前記リターンパイプの前記転動体戻し通路で構成される転動体循環路に配列されて、前記ねじ軸の前記ナット本体に対する相対的な回転に伴って循環する複数の転動体と、を備える転動体ねじ装置において、
    前記リターンパイプは、前記転動体戻し通路の中心線に沿って二分割されてなる一対のリターンパイプ本体と、前記転動体戻し通路を挟んで前記リターンパイプ本体に一体に設けられると共に、前記締結部材が挿入される締結部材挿入部が形成される一対の延出部と、を有し、
    前記締結部材挿入部及び前記締結部材が、各延出部の少なくとも二箇所に設けられると共に、前記リターンパイプが前記ナット本体に取り付けられたナットの平面図において、前記締結部材が、前記ナット本体の中心線から前記一対の脚部側にずらして配置されることを特徴とする転動体ねじ装置。
  2. 前記ナットの平面図において、前記各延出部は、前記少なくとも二箇所の前記締結部材挿入部にわたって伸びると共に前記リターンパイプの前記中央部の中心線に平行な一辺、この一辺の両端と前記リターンパイプ本体を接続する一対の対辺と、を有する略四角形に形成され、前記締結部材の中心は、前記各延出部の前記一辺よりも内側の前記リターンパイプの中心線側に配置されることを特徴とする請求項1に記載の転動体ねじ装置。
  3. 前記締結部材挿入部及び前記締結部材は、前記各延出部の二箇所に、すなわち一つのリターンパイプに対して合計四箇所設けられることを特徴とする請求項1又は2に記載の転動体ねじ装置。
  4. 前記リターンパイプは、前記転動体戻し通路の中心線を挟んで前記ナット本体の中心線方向の一方の側と他方の側とに二分割される一対の横割りリターンパイプ本体からなり、
    前記一対の延出部は、前記一対の横割りリターンパイプ本体に設けられることを特徴とする請求項1ないし3いずれかに記載の転動体ねじ装置。
  5. 前記リターンパイプは、前記転動体戻し通路の中心線を挟んで前記転動体戻し通路の内周側と外周側とに二分割される一対の縦割りリターンパイプ本体からなり、
    前記一対の延出部は、外周側の前記縦割りリターンパイプ本体に一体に設けられることを特徴とする請求項1ないし3いずれかに記載の転動体ねじ装置。
  6. 外周側の前記縦割りリターンパイプ本体には、前記転動体戻し通路の中心線に沿って伸びる補強リブが一体に設けられることを特徴とする請求項5に記載の転動体ねじ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2018066664A1 (ja) * 2016-10-07 2018-04-12 日本精工株式会社 循環部品押さえ具及びボールねじ

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