JP3122039B2 - 全方向移動車両の操舵入力装置 - Google Patents

全方向移動車両の操舵入力装置

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JP3122039B2
JP3122039B2 JP15414396A JP15414396A JP3122039B2 JP 3122039 B2 JP3122039 B2 JP 3122039B2 JP 15414396 A JP15414396 A JP 15414396A JP 15414396 A JP15414396 A JP 15414396A JP 3122039 B2 JP3122039 B2 JP 3122039B2
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茂 広岡
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、全方向車におい
て、操縦者の操舵感覚に近い状態で操舵を入力すること
ができ、作業能率を高めかつ運転の安全性の向上を図り
うる全方向移動車両の操舵入力装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えばリーチ型フォークリフトなどワー
クの運搬を伴い、かつ駆動用のホイールと、荷重を負担
しつつ被動走行するロード用のホイールを具えた車両に
おいて、図10(A)に示すように、車体中心線lと同
じ方向、又は図10(B)、(C)に示すように車体中
心線lと異なる方向に車体中心線lを略一定に保持しつ
つ直線的に移動する同位相移動と、図10(D)、
(E)、(F)に示すように回転中心oを車体aの外
側、又は車体中心線lの内側、さらには車体中心線l上
に位置させつつ車体中心線lの方向を変化させて旋回す
る旋回運動とをともになしうる全方向移動車両cが知ら
れている。
【0003】このような全方向移動車両を操舵するに
は、走行方向を設定するためx軸方向、y軸方向及び回
転角αの3要素と速度要素との入力を必要とするため、
図11(A)、(B)に示すような3次元ジョイントス
ティックj、又はこの中で回転角α要素を別に設けたポ
テンションメータを用いて入力し、車両の走行を制御す
る方法が用いられていた。
【0004】前記3次元ジョイントスティックjは、例
えば図11(A)、(B)に示すように旋回可能な円板
dの周縁近傍に傾倒可能なグリップeを設けるととも
に、このグリップeを把持して円板dを回動することに
より、x軸、y軸方向のポテンションを設定することが
できる。又図11(B)に示すように、グリップeを倒
すことによって、その倒れ角γに応じて車体の走行速度
が設定される一方、グリップeを自転させることによ
り、回転角αの設定を行えるよう形成されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】車両が緩速度で走行す
る場合には前記構成のジョイントステックjによって操
舵は可能であるが、搬送車のように走行時に動揺が烈し
く、かつ高速で走行する車両にあっては、グリップeの
倒し角度γを大きくした場合にはグリップe自体が外に
大きく傾くことによってグリップeを自転させる操作が
やりづらく、特にグリップeに小さな入力角を与える場
合には車両に対して回転角を定め難いという問題があ
る。
【0006】さらにグリップeを握持し円板dを回転さ
せ方向角を設定する際には、図12に実線で示すように
グリップeの向きは不変であるべきところ、グリップe
を握持し回動させることによって同図に一点鎖線で示す
ようにグリップeは自転することによって、車両に対し
て正確な進行角が入力出来ず操舵が不安定となるという
問題がある。
【0007】なお、例えば図13に示す如く、グリップ
eの柄部e1を平行リンク機構に形成することも考えら
れるが、この構造のものでは傾動させたとき先端の把部
e2は円板dに対して常に平行を保持でき、操作性は若
干改良されるものの前記方向角を入力する際にグリップ
eの自転を防ぐことは出来ず、本願の課題を解決するに
は採用し得ない。
【0008】なお又、回転角の制御を別の操作具を用い
て行うことについては、フォークリフトなどのように一
人の運転者によって操舵と荷役をともに扱う車両にあっ
ては、運転者が操作しうるのは両手と片足の3点に限ら
れており操作具を追加しても操縦不能となるため、すべ
ての全方向車両に採用しうるものではない。
【0009】他方、同位相移動と、旋回運動とをともに
なしうる全方向車にあっては、両者の操舵を電気制御を
介して行うの構成が簡易であるが、電気制御が介在する
ことにより、操舵の応答が鈍くなることが避けられな
い。殊に旋回運動は使用頻度が高いため運転者よりハン
ドルの切れの良いことが要求される。
【0010】なお同位相移動と旋回運動とを個別のハン
ドルで操作するようにすれば本件の問題点は解決するの
であるが、ハンドルを使い分けて操舵せねばならず操作
性は改善されない。このように操作性の向上と操舵の切
れの良さとは二律背反の関係にある。
【0011】本発明は、同位相移動時においては、運転
者が把持するグリップを平面で移動させることにより車
体の進行角を制御するとともに、旋回運動時において
は、前記グリップを回動することにより車体の回転角を
制御でき、しかも車輪とは機械的な係合により操舵の切
れを保持しうることによって、フォークリフトのような
荷役作業を伴う全方向車であっても操縦者の操舵感覚に
近い状態で操舵を入力することができ、作業能率を高め
かつ運転の安全性の向上を図りうる全方向移動車両の操
舵入力装置の提供を目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、少なくとも3
つの操舵用のホイールを具えることにより、車体中心線
を一定に保持しつつ車体中心線と同じ又は異なる方向に
移動する同位相移動と、車体中心線の方向を変化させる
旋回運動とをなしうる全方向移動車両の操舵入力装置で
あって、仮想の座標面を有する基枠と、移動体と、基枠
に設けられるとともに前記座標面の原点からこの座標面
と平行にしかも向き不変に前記移動体を摺動可能に保持
する保持手段と、前記移動体に回動可能に取付けられ、
操舵者が把持するグリップとを具えるとともに、移動体
が原点から移動した移動点と前記座標面の原点とを結ぶ
線が座標面の座標軸に対して傾く角度から前記同位相移
動の向きを算出し、それぞれの操舵用のホイールに回転
角度を指示する同位相移動向き設定手段と、前記グリッ
プの前記移動体に対する回動角度により前記ホイールの
少なくとも1つに機械伝動具からなる舵切り伝動機構を
介して前記旋回運動の舵切り角度を指示する旋回運動設
定手段とを具えたことを特徴とする全方向移動車両の操
舵入力装置である。
【0013】本発明の装置を用いて座標面の原点におい
てグリップを回転させた場合には、車両は旋回運動を行
い、他方、グリップを回転させることなく座標面を移動
させた場合には、その座標面におけるグリップの移動角
度を車両の進行角として同位相移動をさせることが出来
る。
【0014】このように座標面上を移動する移動体を用
いて車体の同位相移動の向きを算出するよう構成されて
いるため、前記同位相移動の向きが精度よくかつ容易に
設定することが出来る。又移動体が前記の如く平面移動
するため、移動体に取付くグリップの姿勢も安定してお
り、グリップを小角度で回動させる場合であっても角度
設定が容易にでき、又、同位相移動においては、同位相
移動の進行角を大きく変向した場合であっても、既に入
力された公転角度が加算されるので車体の姿勢角は変化
することなく、車体の旋回運動の舵切り角度を高精度に
算出、設定しうるとともに運転の安定性を高めうる。
【0015】しかも、旋回運動設定手段は、操舵のため
のホイールの少なくとも一つに機械的に係合される伝動
具からなる舵切り伝動機構によって伝達指示されるた
め、操舵時における応答が迅速、即ちハンドルの切れが
良く、操縦者は操舵感覚に近い状態で車両を操縦するこ
とが出来、全方向移動車における操縦性を高めうる。
【0016】このように同位相移動と、旋回運動とが一
つのグリップの操作でなしうるため、操舵作業が片手
で、しかも格別の操作用具を用いて切換える必要がない
ため、従来のものに比べて操舵が容易かつ誤作動の発生
を防止しうる。
【0017】又移動体の移動点の原点からの距離によ
り、同位相移動の速さを設定する同位相移動速さ設定手
段を設けた請求項2の場合には、操作用具を別設するこ
となく速度を入力できるため、運転が一層容易となる。
【0018】又、旋回運動設定手段は、駆動用のホイー
ルに機械的に係合した舵切り伝動機構を介して旋回運動
を伝達しうるよう形成した場合には、この駆動用のホイ
ール旋回運動の中心的な役割をなすことによって、操舵
の切れを一層高めることが出来る。
【0019】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態の一例を
全方向移動車両が荷役に用いるフォークリフトトラック
である場合を例にとり図面に基づき説明する。
【0020】図1〜6において、全方向移動車両の操舵
入力装置1(以下操舵入力装置1という)は、全方向移
動車両Cに搭載される。
【0021】全方向移動車両Cは、本例では前記した如
くリーチ型のフォークリフトトラックであって、図1に
示す如く車体20に1個の駆動用のホイール21と、そ
の前方に車体中心線lから略等距離を隔てて対設され荷
重を負担する2ケのロード用のホイール22、23とか
らなる3つのホイール8を具える。
【0022】駆動用のホイール21は、原動機24を係
合しており、その原動機24は、本例ではバッテリを電
源とする直流電動機である。又この駆動用のホイール2
1及び2つのロード用のホイール22、23には、それ
ぞれホイール向き換え装置25、26、27が個別に設
けられる。
【0023】なお、前記車体20には、前記操舵入力装
置1に加えてブレーキ用レバー28等の運転操作用機器
が併設される。
【0024】従って、車体20は、駆動用のホイール2
1、及び2つのロード用のホイール22、23のそれぞ
れに係合する各ホイール向き換え装置25、26、27
を整一して作用させることにより、車体中心線lを略一
定に保持しつつ前記車体中心線lと同じ向きに(図10
(A)に示す)又は異なる向きに(図10(B),
(C)に示す)移動する同位相移動で移動でき、又各ホ
イール21、22、23を個別にかつそれぞれ異なる向
きに向けることにより車体中心線lを変化させる(図9
(D),(E),(F)に示す旋回運動を行うことがで
き、これらの走行モードは操作の選択により切換えう
る。
【0025】操舵入力装置1は、平面上に設定される仮
想の座標面2を上面に設定しうる基枠3と、この基枠3
内に配される移動体4と、この座標面2と平行に移動体
4を摺動可能に保持する保持手段5と、前記移動体4に
回動可能に取付くグリップ6とを具える。
【0026】基枠3は、本例では図2、3に示す如く、
枠材3a…を矩形に囲んでなる周囲枠の底部に底板3b
を添着した容器状をなし、この基枠3内部に前記保持手
段5が設けられる。
【0027】保持手段5は、図4に示す如く、例えばX
軸方向にのびる1対の平行なレール31、31にY軸方
向に向く走行体11を、前記レール31、31に、かつ
該レール31、31に沿って平行移動可能に架け渡され
る。
【0028】この走行体11は両端部にレール31、3
1に外嵌される摺動部11a、11aを具え、この2つ
の摺動部11a、11aの間は平行に配される2本の棒
状体32、32によって結ばれている。
【0029】移動体4は、前記2本の棒状体32、32
をガイドとしてY軸方向に摺動しうる基片34と、この
基片34には、X軸、Y軸がなす平面に対して直角の向
きに枢支されかつ前記グリップ6を具えたハンドル体1
5が設けられる。
【0030】従って、移動体4は、X軸方向に摺動可能
な走行体11にY軸方向に対して摺動可能に保持されか
つその走行体11はX軸方向に摺動可能であることによ
り、この座標面2と平行にかつ該移動体10自体の向き
が変わることなく、平面移動することが出来る。
【0031】ハンドル体15は、前記基片34に仮想の
座標面2に対して直角方向に立上がりかつ該基片34に
枢支される回転軸35の先端に円板36を固着するとと
もに、この円板36の周縁近傍に操舵者が把持しうるグ
リップ6を具えている。
【0032】このグリップ6は、回転軸35を中心とし
て前記円板36自体を正逆に回動させることが出来、又
グリップ6自体を把持したまま移動体4の全体を仮想の
座標面2に平行に面移動させることが出来る。
【0033】前記移動体4は、基枠3の四隅から均等条
件に設定された3本以上、本例では4本の引張りバネ1
2…により基枠3の中心部に向かって付勢され、移動体
4に外力を加えない自然状態においては基枠3の中心に
静止する。この移動体4の静止する位置が仮想の座標面
2の原点Oに設定される。
【0034】なお本例では、移動体4に該移動体4が前
記O点に精度よく位置しうるよう基片34及び走行体1
1の前記摺動部11a、11aのそれぞれに位置決め用
のノブ37a、37bを設けている。又前記回転軸35
には、該回転軸35を常時においては回転不能に締付け
るとともにグリップ6を押下げた場合のみ回転軸35を
回動可能に解放しうるブレーキ39が設けられている。
【0035】従って、グリップ6を用いて移動体4全体
を座標面2の向きに面移動させる場合には、グリップ6
を押下げることなく操作することによって、ハンドル体
15が誤動作により自転するのを防止することが出来
る。
【0036】さらに、前記移動体4には、グリップ6の
操作によって回動される回転軸35の回転角度を中立位
置を基準として計測しうる角度ポテンションメータS1
が設けられる。又この回転軸35は、後述する舵切り伝
動機構13に係合する。
【0037】又、走行体11の一方の端部には、移動体
4に接続する巻掛伝動具41を介して係合し、該移動体
4の走行体11に沿ってY軸方向に移動する原点Oから
の移動量を計測しうるY軸ポテンションメータS2が設
けられる。なお前記巻掛伝動具41は、Y軸ポテンショ
ンメータS2に滑りが生じることなくポテンションを精
度よく伝達するためチェーン、又は歯付ベルト伝動を用
いるのが好ましい。
【0038】他方、前記レール31の一端には、走行体
11と巻掛伝動具42を介して接続され、かつ前記走行
体11の原点Oを通るY軸線を起点として走行体11の
X軸方向への移動量を計測しうるX軸ポテンションメー
タS3が取付けられる。
【0039】前記保持手段5の下方には図5に示す如
く、舵切り伝動機構13が設けられる。舵切り伝動機構
13は、移動体4下方に配され、前記ポテンションメー
タS1を貫通する回転軸35に係合する第1の傘歯車伝
動具56と、この第1の傘歯車伝動具56から出力され
走行体11と平行にのびるX軸スプライン軸55によっ
て入力され、かつ走行体11の摺動部11a下方に取付
く第2の傘歯車伝動具60と、この第2の傘歯車伝動具
60から出力されレール31に沿ってのびるY軸スプラ
イン軸59の一端に設けられ、かつ垂直な出力軸61を
設けた第3の傘歯車伝動具62と、この第3の傘歯車伝
動具62と、駆動用のホイール21の向きを変える操舵
軸63との間を結ぶ回動伝動具64とを具える。
【0040】前記第1の傘歯車伝導具56は、クラッチ
57を介してX軸スプライン軸55に係合しており、グ
リップ6を回動させ旋回運動を指示した場合に限りクラ
ッチ57による第1の傘歯車伝導具56とX軸スプライ
ン軸55との係合が行われる。従って、グリップ6を回
動することによって、X軸スプライン軸55は回転し、
旋回の指示を操舵軸63に伝達することが出来る。なお
前記クラッチ57の解放時にあっても、第1の傘車伝導
具56はX軸スプライン軸55をその軸方向に摺動する
ことが出来る。又クラッチ57の係合時には、駆動用の
ホイール21に接続するホイール向き換え装置25は操
舵軸63との係合が外れた状態となる。
【0041】従ってグリップ6を回動することによっ
て、操舵軸63も回動し、駆動用のホイール21を操舵
することが出来る。他方ロード用のホイール22、23
は、グリップ6の回動角度αを角度ポテンションメータ
S1によって検知し、かつ車体20に設ける例えば制御
器16によって演算され、電気的な出力信号を介してロ
ード用ホイール22、23に付設されたホイール向き換
え装置26、27を作動し、ロード用のホイール22、
23を操舵する。
【0042】なお旋回運動に際しては、主となる操舵は
駆動用のホイールであり、ロード用のホイール22、2
3は従として作用するため、駆動用のホイール21を前
記構成の機械的に構成された伝動具からなる舵切り伝動
機構13を用いて機械的に伝動し回動させることによ
り、鋭な操舵ができ、操縦者の操舵感覚に近い状態で車
両を運転することが出来る。
【0043】このように、操舵入力装置1は、前記回動
角度αによって車体20の旋回運動における舵切り角度
を算出しうる旋回運動設定手段9を具えている。
【0044】他方、同位相移動時にあっては、前記グリ
ップ6を、押圧することなく、即ちブレーキ39を作動
させた状態を保持させて該グリップ6を移動体4に対し
て回動不能に固定するとともに、移動体4を原点Oを起
点として仮想の座標面2上を移動させる。
【0045】例えば図6において、移動体4を原点Oか
らP1の位置に移動させたとき、その移動に対してY軸
方向への移動量Y1はY軸ポテンションメータS2によ
って検知でき、又移動体4が取付く前記走行体11のX
軸方向への移動量X1はX軸ポテンションメータS3に
よって検知することが出来る。
【0046】これらのX軸方向の移動量X1及びY軸方
向の移動量Y1を検知することにより、座標面2におけ
る原点Oと移動体4が原点Oから移動した移動点P1と
を結ぶ線M1が座標面2のX軸に対する傾き角度θ1
は、下記(1)式により導くことが出来る。 θ1=tan -1(Y1/X1) (1) 又この傾き角度θ1の算出は前記制御器16において演
算することによって求めることが出来る。
【0047】同様に、移動体4が原点Oから図6に示す
P2の位置に移動した場合には、線M2のX軸に対する
傾き角度θ2は、 θ2=tan -1(−Y2/−X2) (2) で求めることが出来る。
【0048】このように操舵入力装置1は、移動点P1
又はP2と座標面2の原点Oとを結ぶ線M1又はM2が
座標面2の座標軸に対して傾く傾き角度θ1又はθ2か
ら車体20の同位相移動の向きを算出しうる直線向き設
定手段7を具えている。
【0049】さらに前記原点Oと移動点P1との間の移
動距離L1は前述のX軸方向の移動量X1及びY軸方向
の移動量Y1の計測値より L1=√{(X1)2 +(Y1)2 } (3) によって容易に算出できる。同様に移動点P2において
は L2=√{(−X2)2 +(−Y2)2 } (4) によって前記移動距離L2を算出できる。
【0050】この移動した距離L1、L2を制御器16
によって演算することにより、車体20の同位相移動す
る時の速さを設定することが出来る。このように本例で
は、操舵入力装置1には移動体4の移動点P1又はP2
の原点Oから距離L1又はL2により車体20の同位相
移動の速さを算出しうる同位相移動設定手段10を具え
ている。
【0051】なお本例では、図6に示す如く、移動体4
が原点O又は移動点P1、P2から移動する際において
原点O、又は移動点P1、P2を中心としてその周囲に
移動体4に小距離の移動があってもX軸、Y軸の各ポテ
ンションメータS1、S2による距離の検出が行われな
い不感域17…を設定している。又旋回運動設定手段9
においても同様にグリップ6の回動に際して回動角度に
不感の角度域を設けている。
【0052】このような不感域、不感の角度域を設ける
ことにより、車体20の振動、又は操舵者の揺動によっ
て操縦が乱れるのを防止している。
【0053】なお、移動体4の座標面2で移動するに際
して、原点Oから移動点P1又はP2に向かって線M1
又はM2上を直進させて移動してもよいが、X軸方向と
Y軸方向とにに2段階に分けてL字状の軌跡で操作して
もよい。
【0054】又保持手段5はその構成に際して、図4の
構成とは逆に走行体をY軸に対して平行に移動するよう
形成してもよい。さらに同位相移動する向きを算出する
に際してX軸の基準に代えてY軸を基準として設定して
もよい。
【0055】前記基枠3には、この基枠3の内部に設け
られる前記保持手段5を覆うカバー体19が設けられ
る。このカバー体19は、移動体4の動き追従してX軸
方向移動でき、該移動体4を覆う主カバー43と、その
X軸方向両側に配される1対の伸縮カバー44、44と
からなり、又前記主カバー43には、主カバー43がY
軸方向に動くことなく、移動体4のみが移動しうるよう
小巾の長孔43aがY軸方向に穿設される。
【0056】図7は移動体4をバネにより付勢する他の
態様を示す。本例においては、基枠3の周囲枠の各枠材
3a…のそれぞれに、一端が摺動可能に係止される4個
の押圧片45…を有し、この押圧片45…に原点Oに向
かって付勢するバネ12A…が取付けられる。従って移
動体4はこれらの押圧片45…を介してバネ12A…に
より原点Oに向かって付勢されるよう形成されている。
本例では押圧片45が移動体4を原点Oをこえて更に押
圧するのを防止するためストッパー46…が枠材3a…
に設けられており、これによって移動体4の原点Oへの
位置決め精度を高めている。
【0057】なお、移動体の原点への付勢は前記構成の
バネの他、空気圧機器、油圧機器なども採用しうる。
【0058】図8に移動体4Aを保持する保持手段5A
の他の実施の形態を示す。本例においては保持手段5A
は、平行リンク体からなり互いに連節された第1のアー
ム体51、第2のアーム体52によって形成され、この
2つの平行リンク体によって移動体4Aは向き不変で座
標面を移動しうる。
【0059】移動体4の移動点P3、P4に移動したと
きのその方向線の傾き角度θ3、θ4及び原点Oから移
動点P3、P4に至る距離L3、L4は、X軸、Y軸の
一方の軸、本例ではX軸に対する第1のアーム体51の
傾き角度κ1の変化量及び第2のアーム体52の前記第
1のアーム体51に対する交差角κ2の変化量をそれぞ
れ角度ポジョンメータS3、S4を用いて計測しかつ演
算することにより算出でき、これにより同位相移動時に
おける移動の向きと、同位相移動する際の車体の速さと
を設定することが出来る。
【0060】このように本例においても操舵入力装置1
は直線向き設定手段7と、同位相移動速さ設定手段10
とを具えている。又、移動体4Aには、図9に示す舵切
り伝動機構13Aを有する旋回運動設定手段が設けられ
る。
【0061】図9に舵切り伝動機構13Aの他の実施の
形態を示す。本例では、移動体4Aの前記回転軸35に
取付く駆動鎖車71と、駆動用のホイール21の前記操
舵軸63に取付く被動鎖車72との間にチェーン73を
周回させている。駆動鎖車71は移動体4Aとともに座
標面2の面方向に移動するため、チェーン73は、ばね
式のテークアップ具74と複数の遊車75、75によっ
て、弛みが生じるのを常時防いでいる。従って回転軸3
5の回動動作はチェーン73を介して操舵軸63に伝達
され、グリップ6による旋回運動の指示を機械的に構成
された舵切り伝動機構13Aを介して伝達することが出
来る。このように本発明は種々な形態のものに変形でき
る。
【0062】
【発明の効果】叙上の如く本発明の操舵入力装置は、前
記構成に係る座標面と平行にかつ向き不変に移動体を保
持する保持手段を具えるとともに、この移動体の原点か
らの同位相移動の向きを算出する同位相移動向き設定手
段と、移動体に取付くグリップの回動角度より旋回運動
の舵切り角度を設定しかつ機械的な動作によってホイー
ルに指示する旋回運動設定手段とを具えることを要旨と
したため、車体が同位相移動を行う際のその向きが精度
よく、かつ容易に設定できるとともに、移動体が平面移
動するため移動体に取付くグリップの姿勢も一定であ
り、旋回運動時にあっても舵切り角度の設定が容易にな
る。
【0063】従って全方向移動車両において、同位相移
動と、旋回運動とを操縦者の操舵感覚に近い状態で、し
かも片手による操作でその操舵を入力することが出来、
作業能率を向上しかつ運転の安全性を高めうるため、操
舵に加えて荷役を行うフォークリフトトラックなどの荷
役用の全方向移動車両に好適に採用しうる。
【0064】又請求項2に記載するように同位相移動速
さ設定手段を設けることにより操舵は一層容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の装置を用いた全方向移動車両の一例を
示す平面図である。
【図2】本発明の実施の形態の一例を示す平面図であ
る。
【図3】そのA−A線断面図である。
【図4】その保持手段を移動体とともに示す斜視図であ
る。
【図5】舵切り伝動機構を示す斜視図である。
【図6】保持手段の作用を示す平面図である。
【図7】移動体付勢用のバネの他の形態を示す平面図で
ある。
【図8】保持手段の他の形態を示す平面図である。
【図9】他の舵切り伝動機構を示す平面図である。
【図10】(A)〜(F)は全方向車両の各走行モード
を示す平面図である。
【図11】従来技術を示し(A)は平面図、(B)はそ
の側面図である。
【図12】その作用を示す平面図である。
【図13】従来技術を示す正面図である。
【符号の説明】
2 仮想の座標面 3 基枠 4、4A 移動体 5、5A 保持手段 6 グリップ 7 同位相移動向き設定手段 9 旋回運動設定手段 10 同位相移動速さ測定手段 11 走行体 13、13A 舵切り伝動機構 21 駆動用のホイール C 全方向移動車両 L 距離 l 車体中心線 O 座標面の原点 P 移動点 X X軸 Y Y軸 α 回転角度 θ 傾き角度
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B62D 7/14 B62D 9/00 B62D 15/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも3つの操舵用のホイールを具え
    ることにより、車体中心線を一定に保持しつつ車体中心
    線と同じ又は異なる方向に移動する同位相移動と、車体
    中心線の方向を変化させる旋回運動とをなしうる全方向
    移動車両の操舵入力装置であって、 仮想の座標面を有
    する基枠と、移動体と、基枠に設けられるとともに前記
    座標面の原点からこの座標面と平行にしかも向き不変に
    前記移動体を摺動可能に保持する保持手段と、前記移動
    体に回動可能に取付けられ、操舵者が把持するグリップ
    とを具えるとともに、 移動体が原点から移動した移動点と前記座標面の原点と
    を結ぶ線が座標面の座標軸に対して傾く角度から前記同
    位相移動の向きを算出し、それぞれの操舵用のホイール
    に回転角度を指示する同位相移動向き設定手段と、前記
    グリップの前記移動体に対する回動角度により前記ホイ
    ールの少なくとも1つに機械伝動具からなる舵切り伝動
    機構を介して前記旋回運動の舵切り角度を指示する旋回
    運動設定手段とを具えたことを特徴とする全方向移動車
    両の操舵入力装置。
  2. 【請求項2】移動体の移動点の原点からの距離により、
    同位相移動の速さを設定する同位相移動速さ設定手段を
    具えたことを特徴とする請求項1記載の全方向移動車両
    の操舵入力装置。
  3. 【請求項3】前記操舵用のホイールは、一つの駆動用の
    ホイールを含むとともに、旋回運動設定手段は、この駆
    動用のホイールに前記舵切り伝動機構を介して舵切り角
    度を指示することを特徴とする請求項1又は2記載の全
    方向移動車両の操舵入力装置。
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