JP3121973B2 - ポリウレタン弾性体及びその製造方法 - Google Patents

ポリウレタン弾性体及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、弾性回復率及び破断伸
度に優れた熱可塑性ポリウレタン弾性体、及びこれを製
造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来よりポリウレタン弾性体は、高分子
ポリオールとポリイソシアナートを原料とし、また所望
によっては更に活性化水素を2個以上有する低分子化合
物を原料としている。エーテル系ポリオールとしては、
活性水素をもつ開始剤とアルキレンキサイドの反応によ
って生成されるポリオキシアルキレンポリオール(PP
G)と、THFのカチオン重合によって得られるポリテ
トラメチレングリコール(PTMG)と、これらのポリ
オールを変性したポリエーテルグリコール変性体などが
使用されている。特開昭57−185313号公報にポ
リカプロラクトンポリオールの分子量分布を特定したポ
リウレタンが弾性回復率と低粘度で作業性に優れている
ことが開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一般にポリエーテルグ
リコールを用いたポリウレタン弾性糸は、他のエステル
系やカーボネート系のグリコールを使用したポリウレタ
ン弾性糸に比べて耐光性が劣るものの、優れた弾性性能
をもつことが知られている。しかし、溶融紡糸により得
られるポリウレタン弾性糸は他の紡糸方法によって得ら
れるものに比べて、糸の均一性に優れるものの弾性回復
性や破断伸度は低下する。弾性回復率を優れたものにす
る方法としてポリウレタンに分子間架橋構造を導入する
方法があるが、こうして得られたポリウレタン弾性糸の
場合、その分子間架橋構造により、著しく伸度が低下し
てしまう。本発明は、溶融紡糸法においても低温雰囲気
下で高弾性回復率、高破断伸度を同時に満足させるため
の重合組成と重合方法を提案することにある。
【0004】
【問題点を解決するための手段及び作用】本発明者ら
は、上記の問題点を解決するために鋭意検討した結果、
下記のような限定された方法において本発明の目的を達
成しうるポリウレタン弾性体を製造できることを見いだ
した。
【0005】即ち本発明のポリウレタン弾性体は、低分
子ジオールとして1,6ヘキサンジオールを使用した
熱可塑性ポリウレタン弾性体であって、重量平均分子量
が1800から2800の範囲内にあり、さらに該数平
均分子量に対する重量平均分子量の比が1.15以下で
あるポリエーテルグリコールを使用することを特徴とす
る。本発明のポリウレタン弾性体は、優れた破断伸度と
伸張回復率を示す。
【0006】本発明のポリウレタン弾性体の製造方法
は、重量平均分子量が1800から2800の範囲内に
あり、さらに該数平均分子量に対する重量平均分子量の
比が1.15以下であるポリエーテルグリコールと有機
ジイソシアナートを反応させてプレポリマーを生成さ
せ、次いで、1,6ヘキサンジオールと反応させた後
固相重合することを特徴とする。
【0007】本発明では高分子ジオールとして、重量平
均分子量(Mw)が1800から2800の範囲にあ
り、かつ数平均分子量に対する重量平均分子量の比(M
比)が1.15以下であるポリエーテルグリコールを使
用する。重量平均分子量が1800未満であると、ポリ
ウレタン弾性体の破断伸度が低くなり、一方重量平均分
子量が2800を越えると、ポリエーテルグリコール自
身の結晶性が上がることから物性が低下する。更に前記
のM比が1.15を越えると糸物性が安定しなくなる。
またプレポリマー生成時、ポリエーテルグリコールの全
水酸基のモル数に対するイソシアナート基のモル数が
1.8から2.2になるようにイソシアナート基を加え
ること、及び、2種以上のポリエーテルグリコールを使
用する場合、最も重量平均分子量が小さいポリエーテル
グリコールに対する他のものの重量平均分子量の比が
1.5以下であることが好ましく、これらにより極めて
伸張回復率が良くなる。
【0008】低分子ジオールとしては分子量500未満
のエチレングリコール、1,4ブタンジオール、1,
ヘキサンジオール、ジメチルヘキサンジオール、キ
シレングリコール、カテコール、ネオペンチルグリコー
ル、1,4ビスヒドロキシエトキシベンゼンなどの脂
肪族、芳香族ジオールが挙げられる。本発明では1,6
ヘキサンジオールを通常低分子ジオールとして80モ
ル%以上用いる。90モル%以上用いて製造したポリウ
レタン弾性体は高伸度となり好ましい。
【0009】また本発明に使用されるポリイソシアナー
トとしては、イソシアナート基を分子中に2個以上含有
する公知の脂肪族、脂環族及び芳香族有機ポリソシアナ
ート、特に4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナー
ト、p−フェニレンジイソシアナート、トルイレンジイ
ソシアナート、1,5ナフチレンジイソシアナート等
が挙げられる。
【0010】ポリウレタン弾性体の重合方法として、ワ
ンショット法と呼ばれるものがあるが、この方法を用い
た場合、高分子ジオールと低分子ジオールの混合物と有
機ジイソシアナートを一度に反応させるので、高分子ジ
オールと低分子ジオールの反応性の差異から均質のポリ
ウレタン弾性体が得られない。しかしながら、本発明で
は有機ジイソシアナートと高分子ジオールをあらかじめ
反応させておくプレポリマー法をとるので、均質なポリ
ウレタン弾性体が得られ易い。またプレポリマーと低分
子ジオールとの重合は、例えばスクリュー型押出機を用
いて塊状溶融重合させる。次いで、必要によりペレット
状で窒素気流中70〜100℃で5〜30時間固相重合
させることもできる。
【0011】本発明のポリウレタンの重量平均分子量
(Mw)は一般に5万〜50万であり、好ましくは20
万〜45万の範囲にあるものが溶融紡糸など成型し易
い。重量平均分子量が20万程度以下のものは、必要に
応じて固相重合して30〜50万程度に上げて溶融紡糸
などの溶融押出成形に供する。
【0012】また、高分子ジオール、低分子ジオール及
び有機ジイソシアナートの使用割合は全ポリオールの水
酸基に対するイソシアナート基のモル比(K比)が1.
8から2.2の範囲であり、かつプレポリマー中に残っ
たイソシアナート基に対する低分子ジオールのモル比
L比)が0.49から0.51の範囲内にあることが
好ましい。前記K比L比がこの範囲外にあるとき生成
ポリウレタン弾性体は満足できる物性が得られにくい。
【0013】
【実施例】以下実施例より本発明を詳細に説明する。用
いた低分子ジオールは略号で表1に示した。
【0014】
【表1】
【0015】得られたポリウレタンは以下の方法で評価
した。 分子量 Waters社製710型全自動サンプルプロセッサ
ー、Waters社製590型多目的ポンプ、Wate
rs社製481型波長可変紫外部検出器、昭和電工製K
−80M及びKD−802型充填カラムを装備したゲル
パーミネーションクロマトグラフィーを用い、ジメチル
ホルムアミドを溶媒とし、0.35重量%、カラム温度
50℃、紫外280nmでの吸収強度を測定する。標準
試料にはポリスチレン(重量平均分子量=1,951、4,
000、20,800、33,000、111,000、22
5,300、498,000、867,000、2,610,00
0)を用いた。測定された試料の数平均分子量、重量平
均分子量は標準ポリスチレン相当である。 破断伸度 オリエンテック製のテンシロンRTA−100を用いて
引張物性の測定をした。室温23℃、湿度65%の雰囲
気下で、試料長5cm、引張速度20mm/minで測
定した。本発明では、ポリウレタン弾性体を200デニ
ールの繊維とした場合(耐熱剤,架橋剤など改質剤は添
加しない)、950%以上であることが好ましい。 伸張回復率 ポリウレタン弾性繊維の100%伸縮を2度繰り返し行
い、2度目において50%伸長時の応力に対する伸長率
50%の回復時の応力を測定することにより評価した。
本発明では、ポリウレタン弾性体を200デニールの繊
維とした場合(耐熱剤,架橋剤など改質剤は添加しな
い)、80%以上であることが好ましい。 耐熱水性 100%伸張した200デニールの繊維を100℃の熱
水中に30分間浸漬したときの伸びで評価する。本発明
では45%以下であることが好ましい。
【0016】実施例1〜5、比較例1〜3 高分子ジオールとしてPTMG、低分子ジオールとして
HDを使用し、表2の如くPTMGの重量平均分子量を
変えてポリウレタン弾性体を製造した(K比2.0、L
比0.5)。まず、PTMGとMDIを高速ミキサーで
混合した後、攪拌機付き調整槽で、窒素雰囲気下90℃
で1時間反応させる。このあとHDを添加し、45mm
φ二軸スクリュー型押出機で重合し、平均滞留時間4分
で2.4mmφの2ホール口金から吐出し、水中ペレタ
イザーでペレットにした。尚、実施例4,5では重量平
均分子量の異なるPTMGを等モル量使用した。
【0017】固相重合したポリマーを常法に従い、20
時間真空乾燥させ水分率を80ppm以下とした後、紡
糸機で紡糸速度100m/minで溶融紡糸し200デ
ニールのポリウレタン弾性繊維を得た。このポリウレタ
ン弾性繊維の諸物性を測定し、結果を表2に示した。
【0018】
【表2】
【0019】実施例6,7、比較例4,5 高分子ジオールとしてMw/M比=2000/1.12
のPTMGを用い、低分子ジオールを変える以外、実施
例2と同様にしてポリウレタン弾性体及びその繊維を製
造した。その結果を表3に示す。尚、実施例は耐熱水
性を改善する目的でBHEBを10モル%併用した。
【0020】
【表3】
【0021】実施例8〜11 全ポリオールの水酸基に対するイソシアナート基のモル
比(K比)とプレポリマー中に残ったイソシアナート基
に対する低分子ジオールのモル比(L比)を変える以
外、実施例6と同様にしてポリウレタン弾性体及びその
繊維を製造した。その結果を表4に示す。
【0022】
【表4】
【0023】
【発明の効果】以上の結果から明らかなように、本発明
により、優れた伸張回復率と破断伸度を有するポリエー
テルポリウレタン弾性体及びその繊維を得ることができ
る。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 18/48,18/66 D01F 6/70

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 低分子ジオールとして1,6ヘキサン
    ジオールを使用した熱可塑性ポリウレタン弾性体であっ
    て、重量平均分子量が1800から2800の範囲内に
    あり、さらに該数平均分子量に対する重量平均分子量の
    比が1.15以下であるポリエーテルグリコールを使用
    することを特徴とするポリウレタン弾性体。
  2. 【請求項2】 重量平均分子量が1800から2800
    の範囲内にあり、さらに該数平均分子量に対する重量平
    均分子量の比が1.15以下であるポリエーテルグリコ
    ールと有機ジイソシアナートを反応させてプレポリマー
    を生成させ、次いで、1,6ヘキサンジオールと反応
    させた後固相重合することを特徴とするポリウレタン弾
    性体の製造法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のポリエーテル弾性体から
    なるポリウレタン弾性繊維。
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