JP3121816B1 - 金属蒸留装置および方法 - Google Patents

金属蒸留装置および方法

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JP3121816B1 JP2000030318A JP2000030318A JP3121816B1 JP 3121816 B1 JP3121816 B1 JP 3121816B1 JP 2000030318 A JP2000030318 A JP 2000030318A JP 2000030318 A JP2000030318 A JP 2000030318A JP 3121816 B1 JP3121816 B1 JP 3121816B1
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Abstract

【要約】 【課題】 蒸留時にライザーチューブに蒸気が凝縮せ
ず、冷却後にるつぼとるつぼ蓋が固着しない金属蒸留装
置を提供する。 【解決手段】 ライザーチューブ3の周囲にライザーチ
ューブ用ヒーター11を備え、るつぼ1とるつぼ蓋2の
接合部に内側に向かって傾斜を付けるとともに接合部外
側に密着させて断熱材12を配置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は金属の蒸留装置に関
し、特に原子炉使用済燃料の再処理に際してウラン及び
プルトニウムの精製に用いる金属蒸留装置とその使用方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、原子炉使用済燃料の再処理の主工
程であるウラン(U)、プルトニウム(Pu)等の核燃
料物質の抽出工程には主にリン酸トリブチルを用いた湿
式のピューレックス法が用いられている。しかし、ピュ
ーレックス法はプロセス安定性に優れている反面、高燃
料率燃料へ適用するには減速材である水を使用するため
臨界管理が難しい点や含塩廃液をはじめとする廃棄物処
理費等に課題を持っており、他の方法の研究開発も行わ
れている。
【0003】ピューレックス法に代わるウラン、プルト
ニウム等抽出法として例えば乾式電解法が開発されてい
る。この方法は、350〜400℃に熱した塩化リチウ
ム(LiCl)及び塩化カリウム(KCl)の混合溶融
塩を電解浴とし液体カドミウム(Cd)を陰極とした電
解装置を用いて、破砕した使用済燃料を電気分解し、陰
極の液体カドミウム内に析出する金属ウラン及びプルト
ニウムを回収する方法である。この方法によって回収さ
れるU、PuはCd、LiCl及びKCl、核分裂生成
物塩化物などの不純物を含んでおり、これらからU、P
uを精製する必要がある。
【0004】UやPuは沸点が3200℃以上であるの
に対し、Cdの沸点は30Torrで約500℃、Li
ClとKClの混合塩の沸点は1Torrで約900℃
であるため、蒸留によって上記のU、Puを精製するこ
とができる。乾式電解法で析出したU、Puを蒸留精製
する蒸留装置として例えば図5に示したような金属蒸留
装置が用いられている。
【0005】この金属蒸留装置はるつぼ、高周波加熱装
置、ライザーチューブ、るつぼ蓋、コレクター、コンデ
ンサー、からなっている。容器内をアルゴン雰囲気に置
換して所定の圧力値まで真空を引き高周波加熱装置を加
熱源として陰極に得られる物質を加熱するとU、Puに
混合している不純物が蒸発するので、精製されたU、P
uからなる残渣を製品として回収する。なお、蒸発した
不純物はライザーチューブを通過し、コンデンサーで冷
却されてコレクターに集められる。るつぼとるつぼ蓋は
カギ状にかみ合って蒸気の漏出を防いでおり、るつぼ及
びコレクターの周りには断熱材が配してある。
【0006】この金属蒸留装置では高周波加熱している
ためるつぼ内の温度上昇が早いのに対し、ライザーチュ
ーブ部の温度は不純物蒸気による熱及びるつぼ内からの
放射熱でしか上昇しないためライザーチューブ部への蓄
熱に著しく時間がかかり、ライザーチューブの温度が十
分に上昇しないうちに多量の不純物が蒸発してくるの
で、不純物蒸気がライザーチューブで凝縮、固化しライ
ザーチューブが詰まることがある。これを防ぐには例え
ば蒸発しない圧力下でライザーチューブが十分暖まるま
で予熱しなければならず、蒸留を開始する前に多大な時
間が必要となる。また、るつぼとるつぼ蓋の接触部がカ
ギ型になっているため、蒸発した不純物が接触部の隙間
に浸入し、冷却後に凝固してるつぼとるつぼ蓋が固着す
ることがある。るつぼとるつぼ蓋が固着するとるつぼ内
に残った精製U、Puを回収することができなくなるた
め、U、Pu回収時に固着した不純物を取り除くなど何
らかの操作をする必要がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明が解決し
ようとする課題は、原子炉使用済燃料を溶融塩を用いて
電気分解した際に陰極に得られる物質を蒸留する金属蒸
留装置において、ライザーチューブ部を暖めるための長
時間の予熱を必要とせず、冷却時のるつぼとるつぼ蓋の
固着を防ぎ速やかに精製物を回収することができるよう
にして、蒸留工程に要する時間を大幅に短縮することが
できる金属蒸留装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の金属蒸留装置はライザーチューブの外側に
ヒーターを備えることを特徴とする。また、るつぼの縁
を面取りしてるつぼとるつぼ蓋との接触面積を減らすと
ともに、るつぼとるつぼ蓋の接触部分の外側に断熱材を
密着させて配することを特徴とする。さらに、コンデン
サー上部に真空ポンプからの配管接続口を設け、コンデ
ンサーが複数の平板を配し不純物蒸気の冷却面積を広げ
真空配管までの蒸気流路を長くすることで真空ポンプに
蒸気が到達しないようにしたものであることを特徴とす
る。
【0009】本発明の金属蒸留装置はるつぼ、るつぼ加
熱ヒーター、ライザーチューブ、るつぼ蓋、コレクタ
ー、コンデンサーからなる。該蒸留装置は真空容器に収
納されている。真空ポンプが真空容器及びコンデンサー
の上部に接続されており、真空容器全体の気圧を下げる
とともにるつぼ及びコレクター内に対しても直接真空を
引けるように設計されている。
【0010】本発明の金属蒸留装置のるつぼには、液体
Cdを陰極としLiCl−KCl混合溶融塩を電解浴と
して原子炉使用済燃料を電気分解する乾式電解法により
陰極に得られる物質を装荷する。該陰極物質には析出し
たU及びPuの他に不純物として液体Cd、LiCl−
KCl混合塩、核分裂生成物塩化物等が含まれている。
【0011】内部をAr雰囲気に置換し、ライザーチュ
ーブを予熱して好ましくは蒸発物の凝縮温度以上に制御
した上で、るつぼ加熱ヒーターで加熱するとともに真空
ポンプで内部を減圧させると、30Torr500℃程
度に達した時点でCdが蒸発し始める。Cdを蒸発させ
た後、再加熱、減圧して1Torr900℃程度にしL
iCl−KClを蒸発させる。陰極を取り出す際に混入
する核分裂生成物塩化物もそれぞれの沸点にしたがって
加熱、減圧に伴って蒸発する。なお、ライザーチューブ
の温度は凝縮温度より低くても、蒸留操作中に成分がラ
イザーチューブ内に凝固してチューブを閉塞しない程度
であれば十分で、たとえばコンデンサー部分より高い温
度に保持すればよい。蒸発した不純物はコンデンサーで
冷却され、凝縮してコレクターに集められる。十分加熱
し不純物を蒸発させ終えた後は蒸留装置全体を冷却し、
残渣として残った精製U、Puを回収する。
【0012】なお、蒸留操作中におけるコンデンサー部
位の温度変化を観察すると、るつぼの加熱に伴って蒸発
物の量が増加し、この凝縮熱によりコンデンサーも温度
上昇するが、やがてそれまでの昇温より若干急な温度上
昇をし、その後蒸留装置内の蒸発物が全て凝縮すると温
度が降下してピークを形成する。このように温度変化に
ピークが出現する理由はまだ明確でないが、るつぼ内の
蒸発成分が蒸発しきって過熱蒸気となるとそれに伴って
コンデンサー部位の温度も上昇し、蒸発物が存在しなく
なるとコンデンサー部位の入熱は輻射熱と真空ガスとの
熱交換に限られるようになるためと考えられる。発明者
らはこのピークの出現前にるつぼの加熱を停止すると未
蒸発物がるつぼに残留し、ピークの出現後に停止しても
全て回収できることを確認している。上記のように回収
部の温度変化に蒸発終了の指標となるピークが存在する
ことから、回収部温度を観察していてピークの発現をも
って蒸留操作を終了することができる。このような指標
を用いることにより、成分分析など高度な測定技術によ
らず、付与的な加熱を必要とせず簡単で確実な蒸留操作
を行うことが可能となる。
【0013】本発明の金属蒸留装置ではライザーチュー
ブの周囲にヒーターが設けられているため、るつぼ加熱
ヒーターによってるつぼを加熱するとともにライザーチ
ューブ用ヒーターによってライザーチューブを加熱する
ことで、るつぼから蒸発した不純物蒸気をライザーチュ
ーブ内で凝縮させることなくコンデンサーへ送ることが
できる。また、ライザーチューブを直接加熱することで
ライザーチューブへの蓄熱に必要だった長時間の予熱が
必要なくなると同時にライザーチューブの温度条件をよ
り正確に設定することができるようになる。
【0014】るつぼの加熱と同時にコンデンサー上方に
配された真空配管からも減圧するが、本発明の金属蒸留
装置に設けられたコンデンサーは蒸気が蛇行しコンデン
サーとの接触面積が大きくなるとともに蒸気流路が長く
なるよう平板を複数枚配列してあり、コンデンサーへ送
られた不純物蒸気を真空配管に達する前に完全に凝縮し
不純物蒸気による真空ポンプの損傷や不純物蒸気の拡散
を防ぐことができる。平板は熱遮蔽板の役割も持ってお
り、上部フランジがるつぼからの放射熱によって損傷す
るのを防いでいる。また、Cd蒸発工程からLiCl−
KCl蒸発工程に移行する際も特別な操作を必要とせず
そのまま真空引きが行えるため、工程の移行をスムーズ
にすることができる。
【0015】蒸留が終了しるつぼ内に残ったU、Puを
回収する際、るつぼからるつぼ蓋を取り外す必要があ
る。本発明の金属蒸留装置に用いるるつぼは、るつぼの
縁を大きく面取りしてるつぼ縁とるつぼ蓋の接触面積を
小さくしてあるため、蒸留装置冷却後るつぼとるつぼ蓋
の接触部に不純物が凝着してもるつぼとるつぼ蓋が固着
することが無く、るつぼからるつぼ蓋を容易にはずすこ
とができる。また、蒸留時にるつぼとるつぼ蓋の接触部
分から不純物蒸気が漏出しても、本発明ではるつぼとる
つぼ蓋の接触部の外側でるつぼ外壁及びるつぼ蓋下面に
断熱材が密着させてあるため、るつぼから漏れ出た蒸気
を断熱材とるつぼ及びるつぼ蓋との接面でトラッピング
することができる。なお、断熱材とるつぼ及びるつぼ蓋
との密着性をよくするため断熱材は弾力性を持つ材質の
ものを用いるのが好ましい。
【0016】したがって本発明の金属蒸留装置によれ
ば、ライザーチューブへの蓄熱のための予熱を必要とせ
ず、蒸発工程の移行を速やかに行うことができ、蒸留終
了後スムーズに残渣として精製U、Puを回収すること
ができるため、蒸留工程に掛かる時間を大幅に短縮する
ことができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明について実施例に基
づき図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の1
実施例における金属蒸留装置の概略図である。中心にる
つぼ1を備えており、その上部にるつぼ蓋2、ライザー
チューブ3を介してコレクター4及びコンデンサー5が
設置されている。コンデンサー5は数枚の平板を備えて
おり、その上部に真空配管6及びコレクター4内の温度
を測定する熱電対7が配されている。真空配管6および
真空容器8に接続する真空配管9は図示しない真空ポン
プに繋がっている。
【0018】るつぼ1の周囲にはるつぼ用ヒーター10
が備わっており、ライザーチューブ3の周囲にはライザ
ーチューブ用ヒーター11が配置されている。るつぼ1
とるつぼ蓋2との接触部には断熱材12が配されてお
り、るつぼ台15にはるつぼ1の底面の温度を測定する
熱電対13が備えられている。真空容器8には内側に断
熱材14が張られている。また、るつぼ1はるつぼ台1
5に支持されている。
【0019】ライザーチューブ用ヒーター11は、ライ
ザーチューブ3を暖めることでライザーチューブ3で不
純物蒸気が凝縮、凝固してライザーチューブ3が閉塞す
るのを防いでいる。ライザーチューブ3部の温度を調節
するためにライザーチューブ3に熱電対等の温度センサ
ーを備えてライザーチューブ用ヒーター11を制御して
もよいし、ライザーチューブ用ヒーター11の温度を測
定してライザーチューブ用ヒーター11を制御してもよ
い。ライザーチューブ用ヒーター11を備えることで、
ライザーチューブ3部の蓄熱のための長時間の予熱が必
要無くなり速やかに蒸留を開始することができるように
なる。また、ライザーチューブ3の温度を正確に設定す
ることができるようになる。なお、るつぼ用ヒーター1
0は高周波加熱装置であるのが好ましい。
【0020】乾式電解法によって陰極に得られる物質を
るつぼ1に装荷し、内部を図示しないアルゴンガス供給
系によってアルゴン雰囲気に置換し、ライザーチューブ
を温度調整して蒸留対象物の凝縮温度より高温に保持し
た状態で、るつぼ用ヒーター10で加熱し真空配管6及
び9で減圧して蒸留する。なお、例えば約30Torr
500℃のCd蒸発工程及び約1Torr900℃のL
iCl−KCl蒸発工程の2工程を設けるなど対象物質
に応じて蒸留工程を複数段階設け、各段階ごとに対象物
質の沸点に合わせた温度値、圧力値に加熱、減圧しそれ
ぞれの段階において特定の対象物質のみを蒸発させるの
が便利である。
【0021】Cd等の不純物はそれぞれに応じた蒸留工
程で蒸発し、ライザーチューブ3を通ってコンデンサー
5に上昇し、冷却され滴下してコレクター4に集められ
る。ライザーチューブ3はライザーチューブ用ヒーター
11で暖められているため、不純物蒸気はライザーチュ
ーブ3で凝縮することなくコンデンサー5に到達する。
蒸留を続け、不純物が十分蒸発した後はるつぼ蓋2を取
り外しるつぼ1に残った精製U、Puを回収する。な
お、蒸留操作中におけるコンデンサー部位の温度は、る
つぼの加熱に伴って上昇し蒸発物の凝結が終わるとピー
クを打って降下し始めるので、このピークが出現したと
きに蒸留の終点に達したとして、次段の操作を開始す
る。
【0022】図2は本実施例の金属蒸留装置に用いるコ
ンデンサーの斜視図であり、図3は前記コンデンサーの
側面断面図である。図2ではコンデンサー壁は省略し
た。コンデンサーには数枚の円形の平板20が間隔をあ
けてほぼ水平に設置されており、平板20はコンデンサ
ー壁に囲まれ左右どちらかの端が交互に切り落とされて
いる。これにより下部から浸入する不純物蒸気を蛇行さ
せて蒸気とコンデンサーとの接面積を大きくするととも
に蒸気流路を長くし効率よく不純物蒸気を凝縮させて不
純物蒸気が上部に接続された真空配管に達するのを防ぐ
ことができる。なお、平板20の最下段は凝縮した不純
物が効率よくコレクター4へ滴下するよう傾斜を付けて
設置するのが便利である。
【0023】したがって、コレクター内に蒸気が存在し
ても真空ポンプに蒸気を到達させずに減圧することがで
きるため、例えばコレクターに溜まったCdを取り出す
などの操作をすることなく約30Torr500℃のC
d蒸発工程から約1Torr900℃のLiCl−KC
l蒸発工程に速やかに移行することができる。さらに、
平板20は放射熱を遮断し上部フランジが熱で損傷する
のを防ぐ役割を果たす。なお、平板20はステンレス鋼
製であることができる。
【0024】図4はるつぼとるつぼ蓋の接触部の拡大図
である。るつぼ縁21はるつぼ内側に向かって傾斜が付
けられており、るつぼ縁21とるつぼ蓋2との接触面積
が小さくなるよう設計してある。これにより蒸留が終了
しるつぼを冷却した際に接触部分で凝固する不純物蒸気
量を減少させ、冷却時にるつぼとるつぼ蓋が固着して、
るつぼ内の残渣を容易に回収できなくなるのを防ぐこと
ができる。
【0025】蒸留中にCd蒸気などの不純物蒸気がるつ
ぼとるつぼ蓋の接触部分から真空容器に漏出して真空容
器が汚染されるおそれがあるが、本実施例の金属蒸留装
置ではるつぼ縁21とるつぼ蓋2の接触部分の外側にる
つぼ縁21とるつぼ蓋2に密着するように断熱材12を
配し不純物蒸気の漏出を防止することで真空容器汚染を
回避している。断熱材12は弾力性を持つ材質からなる
のが好ましい。なお、図4にはではるつぼ縁の内側を面
取りした場合について図示したが、るつぼ縁の外側を面
取りしもしくは内側と外側の両方を面取りしてるつぼ蓋
との接触面積を小さくすることもできる。
【0026】以上のように本実施例の金属蒸留装置で
は、蒸留時にるつぼと同時にライザーチューブを暖める
ことでライザーチューブへの蓄熱のための予熱が必要な
くなり、コンデンサーに複数の平板を配したことで装置
を停止することなく減圧して蒸留条件を変更することが
でき、るつぼとるつぼ蓋との接触面積を小さくしたこと
で蒸留終了後スムーズにるつぼとるつぼ蓋を取り外すこ
とができる。したがって、本実施例の金属蒸留装置によ
れば蒸留工程に必要な時間を大幅に短縮することができ
る。
【0027】なお、本実施例ではライザーチューブの周
囲にライザーチューブ用ヒーターを備え、コンデンサー
に平板を備え、るつぼ縁を面取りしたものを例示した
が、それぞれいずれかの要件のみを備える金属蒸留装置
でも蒸留工程に要する時間を短縮することができる。ま
た、本実施例ではU、Puを精製の対象としたが、それ
以外のものでも高沸点の金属であれば本発明の金属蒸留
装置によって蒸留精製することができる。
【0028】
【発明の効果】以上説明した通り本発明の金属蒸留装置
によれば、乾式電解法によって粗精製したウランとプル
トニウムを蒸留する際、ライザーチューブへの蓄熱のた
めに長時間の予熱をする必要が無く、蒸留中に速やかに
蒸留条件の移行を行うことができ、蒸留終了、冷却後に
スムーズにるつぼからるつぼ蓋を外して精製ウラン、プ
ルトニウムを回収できる大幅に蒸留工程に要する時間を
短縮し得る金属蒸留装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例における金属蒸留装置の概略
図である。
【図2】本発明の1実施例におけるコンデンサーの斜視
図である。
【図3】本発明の1実施例におけるコンデンサーの側面
断面図である。
【図4】本発明の1実施例におけるるつぼとるつぼ蓋の
接触部の拡大図である。
【図5】従来型の金属蒸留装置の概略図である。
【符号の説明】
1 るつぼ 2 るつぼ蓋 3 ライザーチューブ 4 コレクター 5 コンデンサー 6 真空配管 7 熱電対 8 真空容器 9 真空配管 10 るつぼ用ヒーター 11 ライザーチューブ用ヒーター 12 断熱材 13 熱電対 14 断熱材 15 るつぼ台 20 平板 21 るつぼ縁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北脇 慎一 茨城県那珂郡東海村村松4番地33 核燃 料サイクル開発機構 東海事業所内 (72)発明者 佐藤 史紀 茨城県那珂郡東海村村松4番地33 核燃 料サイクル開発機構 東海事業所内 (72)発明者 福嶋 峰夫 茨城県那珂郡東海村村松4番地33 核燃 料サイクル開発機構 東海事業所内 (72)発明者 明珍 宗孝 茨城県那珂郡東海村村松4番地33 核燃 料サイクル開発機構 東海事業所内 (72)発明者 亀代 直樹 茨城県那珂郡東海村村松4番地33 核燃 料サイクル開発機構 東海事業所内 原 子力技術株式会社所属 (56)参考文献 特開 昭58−124999(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G21C 19/44 G21C 19/46 G21C 3/60

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 核燃料となる金属の精製に用いる金属蒸
    留装置であって、るつぼ、るつぼ加熱ヒーター、ライザ
    ーチューブ、るつぼ蓋、コレクター、コンデンサーから
    なり、前記ライザーチューブの周囲にライザーチューブ
    用ヒーターが設けられていることを特徴とする金属蒸留
    装置。
  2. 【請求項2】 核燃料となる金属の精製に用いる金属蒸
    留装置であって、るつぼ、るつぼ加熱ヒーター、ライザ
    ーチューブ、るつぼ蓋、コレクター、コンデンサーから
    なり、前記るつぼの縁を面取りして前記るつぼ蓋との接
    触面積を小さくしてあり、接触部分の外側にるつぼ及び
    るつぼ蓋に密着させて断熱材が配されていることを特徴
    とする金属蒸留装置。
  3. 【請求項3】 核燃料となる金属の精製に用いる金属蒸
    留装置であって、るつぼ、るつぼ加熱ヒーター、ライザ
    ーチューブ、るつぼ蓋、コレクター、コンデンサーから
    なり、前記コレクターの上部に設けられた前記コンデン
    サーがほぼ水平に取り付けられた複数の平板を備えたも
    のであり、該複数の平板はコンデンサー壁に囲まれそれ
    ぞれ交互に左右どちらか一端を欠いて曲折した蒸気流路
    を形成するものであり、該複数の平板上方に真空配管接
    続口が配されていることを特徴とする金属蒸留装置。
  4. 【請求項4】 核燃料となる金属の精製に用いる金属蒸
    留装置であって、るつぼ、るつぼ加熱ヒーター、ライザ
    ーチューブ、るつぼ蓋、コレクター、コンデンサーから
    なり、前記ライザーチューブの周囲にライザーチューブ
    用ヒーターが設けられており、前記るつぼの縁を面取り
    して前記るつぼ蓋との接触面積を小さくしてあり接触部
    の外側にるつぼ及びるつぼ蓋に密着させて断熱材が設け
    られており、上部に設けられた前記コンデンサーがほぼ
    水平に取り付けられた複数の平板を備えたものであり、
    該複数の平板はコンデンサー壁に囲まれそれぞれ交互に
    左右どちらか一端を欠いて曲折した蒸気流路を形成する
    ものであり、該複数の平板上方に真空配管接続口が配さ
    れていることを特徴とする金属蒸留装置。
  5. 【請求項5】 核燃料となる金属を精製する金属蒸留方
    法であって、加熱ヒーターを備えたるつぼ、周囲にライ
    ザーチューブ用ヒーターを備えたライザーチューブ、る
    つぼ蓋、コレクター、コンデンサーを備える金属蒸留装
    置を用いて、金属を含む陰極物質をるつぼに装荷し、ラ
    イザーチューブを蒸発物が凝固しない温度以上に保持
    し、所定の真空状態にして、るつぼを加熱し、コンデン
    サー部分の温度が上昇した後ピークを形成したときに蒸
    留操作を終了することを特徴とする金属蒸留方法。
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