JP3121456B2 - プロトロンビン時間テストへの使用に適した培養細胞からのトロンボプラスチン試薬の製法 - Google Patents

プロトロンビン時間テストへの使用に適した培養細胞からのトロンボプラスチン試薬の製法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は臨床血液学の分野、特に
ヒト血漿の凝固因子のモニタリングに関する。
【0002】
【従来の技術】プロトロンビン時間テスト プロトロンビン時間(PT)テストは、フィブリン塊を
形成するのに必要な時間に基づいて結果が得られるいく
つかの臨床血液学的アッセイの1つである。PTテスト
は、組織因子経路(以前は外因系凝固経路として知られ
ていた;Rapaport、1991)に関与する凝固因子、すなわ
ち因子I、II、III、V、VII及びXの開存性ま
たは機能の統合性に関する診断上有用な情報を提供す
る。PTテストは経口抗凝固剤療法を受けている患者を
モニターするのにも有用である。実際に、このテストは
凝固因子V、VII及びXの濃度及び/または活性に最
も感受性である。
【0003】上記の凝固因子の1つ以上が不足または欠
如している血漿は一般に正常の血漿サンプル群から得ら
れる平均PTより20%以上PTが長くなる。従って、
プロトロンビン時間は凝固因子の不足を検出し、経口抗
凝固剤レベルをモニターするための有用な手段である。
【0004】トロンボプラスチン PTテストでは凝固反応を開始するために「トロンボプ
ラスチン」が必要である。トロンボプラスチンは一般に
血餅誘導特性または活性を有する物質と定義される。P
Tテストにおいては、特に、トロンボプラスチンが凝固
因子VIIの活性化に必須のコファクターである組織因
子(凝固因子III)を実質的な量含有している(Neme
rson、1988)。活性化された因子VIIが生成され
るとフィブリン塊が形成されるようになる別の反応のカ
スケードが始まる。このような塊は、可視的検査により
手動的に、または溶液の粘度または不透明度をモニター
するように設計した機器を使用して自動的に検出でき
る。
【0005】これまで、多くの研究所ではヒトまたは動
物の組織からそれ自身のトロンボプラスチンを製造して
いた。この結果、正常な血漿の平均凝固時間が約11〜
20秒となる非常に変動の大きな試薬が得られていた。
これらの研究所で製造されたトロンボプラスチンはカル
シウムを含有していなかったため、1段階PTテストが
実際には(1)クエン酸添加した正常の血漿0.1ml
をトロンボプラスチン0.1mlと混合し、(2)37
℃に温めた後、0.025MのCaCl2 を0.1ml
加えて凝固反応を開始する2ステップ法であった(Bigg
s, 1976; p.330; p.677 )。
【0006】過去20年の間に市販のトロンボプラスチ
ンが広く使用されるようになった。その結果、非常に多
くの臨床血液学研究所が独自でトロンボプラスチンを製
造することをやめ、PTテストの従来の方法にいくつか
の変更が行われた。特に、(1)全ての市販のトロンボ
プラスチンが今ではカルシウムを含有しているので、元
来の「2ステップ」法はクエン酸添加した正常の血漿
0.1mlをカルシウムの豊富なトロンボプラスチン
0.2mlと合わせる「1ステップ」または真の1段階
アッセイに取って代わられた;(2)市販のトロンボプ
ラスチンは従来のトロンボプラスチンと比べて一般に変
動が少なく、より活性が高いために、正常な血漿の凝固
時間の許容範囲が約10〜14秒に短縮され、平均正常
プロトロンビン時間は約11〜13秒となった。
【0007】従来法で処方し、2ステップ法で使用する
トロンボプラスチンと、カルシウムを含有し、1ステッ
プ法で使用する現在市販されているトロンボプラスチン
との違いをはっきりさせるために、本出願人らは後者を
「トロンボプラスチン試薬」と呼ぶ。
【0008】1ステップ/1段階PTテスト及び、本発
明の主題を特に定義し且つこれと関係するカルシウムの
豊富なトロンボプラスチン試薬の現在の処方の定義は次
の通りである:PTテストへの使用に適したトロンボプ
ラスチン。
【0009】プロトロンビン時間テストの現在の仕様 PTテストに適した新規で有用なトロンボプラスチン試
薬は、この目的で現在臨床検査に使用されている市販の
トロンボプラスチンの性能特性に合致しまたはこれを超
える必要があるということが本発明の前提として重要で
あり、非常に適切なものである。すなわち、(i)上記
のよう、1ステップ/1段階の凝固をベースとするアッ
セイでなければならない;(ii)正常血漿の凝固時間
が約10〜14秒であり、平均正常PTが約11〜13
秒でなければならない;(iii)一般に受け入れられ
ている方法(下記)を使用して、国際標準(internation
alreference) トロンボプラスチンと正常の且つクマジ
ンで抗凝固処理した血漿サンプルのパネルを比較したと
きに、凝固時間の対数の点図表が高い正の相関を示さな
ければならない;及び(iv)有用なトロンボプラスチ
ン試薬は通常の使用条件下で安定である。PTテストへ
の使用に適したトロンボプラスチンの方法及び性能に関
する上記の特性及びその他の情報は、市販のトロンボプ
ラスチン試薬Simplastin(登録商標)(Organon Teknika
Corp., Durham, NC); Dade Thromboplastin C (Baxter
Healthcare Corp., Dade Division, Miami, FL); Orth
o ウサギ脳組織トロンボプラスチン(Ortho Diagnostic
s Systems, Raritan, NJ);及びThromborel(登録商
標)S(Behringwerke AG, Marburg, ドイツ)の添付文書
にも記載されており、これらも参考として本明細書に含
むものとする。
【0010】トロンボプラスチン製造法 PTテスト用のトロンボプラスチンの従来の製法は最初
にQuick らが述べている(1935;1938 )。Quick のトロ
ンボプラスチン(Quick 、1938)は、(1)細かく切っ
た組織をアセトンで繰り返し洗った後、37℃で乾かし
て、脱水し、部分的に脱脂し;(2)「0.1ccの蓚
酸ナトリウムを含む塩化ナトリウムの生理溶液5cc」
(すなわち、約0.15MのNaClと0.002Mの
Na2 2 4 を含有する水溶液5ml)にアセトン粉
末(0.3g)を再構成し;(3)この懸濁液を45℃
で10分間インキュベートし;そして(4)3分間低速
で遠心分離して大きな粒子を除去するステップを含む方
法により細かく切ったウサギの脳から製造した。トロン
ボプラスチン活性は「乳状の上清液」中に残る。
【0011】Quick らの初めの方法を少し変更したもの
(Biggs, 1976; pp. 663-664)が現在のトロンボプラス
チン製法の基礎となった。別な方法も知られている:例
えば、Biggs (1976; p.664 )は、脳全体を「約2分
間、ワーニング(Warning )ブレンダー中で、温めた
0.85%の食塩水で」破壊することを含む方法を教示
している。この方法はQuick の方法を僅かに変更しただ
けのものであるが、アセトン抽出/脱水ステップがない
のが特徴である。第2の例としては、Hvatum及びPrydz
(1966)が、ヒトの脳のミクロソーム画分を洗剤で抽出
した後、緩衝食塩溶液に対して透析して組織因子活性を
阻害する洗剤を除去する方法を教示している。この方法
では、高速で遠心分離してミクロソームを調製し、また
透析で洗剤を除去する必要があるため、市販の用途に必
要とされる大量のトロンボプラスチンを製造するには面
倒であり、適していない。
【0012】要約すると、PTテストへの使用に適した
トロンボプラスチンの(ヒトまたは動物の組織からの)
製造に関する業界の現状では、(1)高いトロンボプラ
スチン(組織因子)活性を持つ適当な組織の選択(例え
ば、ウサギ、ウシ、またはヒトの脳;ヒトの胎盤;また
はウサギまたはウシの肺);(2)次に室温または高温
で乾燥させてアセトン粉末を得てから、アセトン粉末を
適当な希釈剤で再構成すること含む、細かく切った組織
のアセトンでの脱水及び部分的脱脂、または組織の破
壊;及び(3)遠心による大きな粒子の除去を含んでい
る。トロンボプラスチンは上記のステップ2及び3を変
更しても処方することができる。
【0013】トロンボプラスチンの評価法 市販のトロンボプラスチン試薬には一般に2つの種類、
即ち、異種トロンボプラスチン例えば動物組織(例え
ば、ウサギの脳またはウシの肺)由来のもの及び同種ト
ロンボプラスチン例えばヒトの組織(例えば、ヒトの胎
盤)由来のものがある。Kirkwood(Thromb. Haemostas.
49: 238-244, 1983)及びHirsh ら(Chest95: 5S-11S, 1
989)が概説しているように、トロンボプラスチン試薬
が経口抗凝固剤で誘導した凝固因子活性の低下を検出す
る能力はさまざまである。同種トロンボプラスチンは異
種トロンボプラスチンに比べて凝固因子活性の変化に対
する感受性が高いことは一般に認められている。この高
活性は次の理由から望ましい:(i)抗凝固剤療法をよ
り良く調整し、そのために抗凝固作用の過剰による異常
出血の危険性を減らす;(ii)組織因子経路の凝固因
子のわずかな異常に対する試薬の感受性を高める。
【0014】トロンボプラスチンの質または感受性の1
つの尺度は「国際感受性指数](ISI)であり、(Ki
rkwood及びHirsh らが概説したように)これは標準トロ
ンボプラスチンに対するテストトロンボプラスチンの直
交回帰(orthogonal regression )から計算する。この
ようなテストの実施法の例を次に示す:ISIが公知の
標準トロンボプラスチンを得る。この標準トロンボプラ
スチン及びテストトロンボプラスチンを使用して、正常
の且つクマジンで抗凝固処理した血漿のサンプルでPT
を測定する。結果を、標準トロンボプラスチン(縦座
標)とテストトロンボプラスチン(横座標)のプロトロ
ンビン時間の対数としてプロットする。直交最小二乗回
帰分析(orthogonal least squares regression analys
is)を使用してデータに最も合う直線の傾きを求める。
テストトロンボプラスチンのISIは標準トロンボプラ
スチンのISIに回帰直線の傾きを掛けて計算する。
【0015】Kirkwoodが特記したように、テストトロン
ボプラスチンのISIを計算する上記方法は、PTテス
トに使用するためのトロンボプラスチン試薬の好適性を
決定するために一般に受け入れられている方法である。
このようなテストを使用して本発明の有効性及び有用性
を示した。この方法の最近の応用例はvan den Besselaa
r 及びBertina の論文(1991)記載されている。
【0016】培養細胞からのトロンボプラスチン Quick らがPTテストに適したトロンボプラスチンの製
法について述べたときには、その基礎となる機構や反応
に関してほとんど知られていなかった。今では、動物の
組織例えば脳、肺及び胎盤から調製したトロンボプラス
チンの活性の本質は、「組織因子」または因子IIIと
して知られている、膜を貫通する、脂質を含む糖蛋白質
である(Nemerson & Bach, 1982; Spicer ら, 1987; Ne
merson,1988)ことが広く認められている。(Nemerson
& Bach, 1982 及びDrake ら, 1989に概説されているよ
うに)、ほとんど全ての血管外組織(すなわち、内皮細
胞または血液細胞以外の全ての組織)が組織因子を含ん
でいることも広く知られている。さらに、(Nemerson及
びBach, 1982に概説されているように)、血管外組織か
らの正常細胞または形質転換細胞を培養下に増殖する
と、組織因子/トロンボプラスチン活性が発現され、ま
た種々の化学物質または生物学的物質によりinvitroで
内皮細胞または白血球細胞を誘導して組織因子を発現さ
せることができる。
【0017】現在、当業界では、(動物組織とは異な
る)培養細胞からトロンボプラスチンを製造する方法及
びこのようなトロンボプラスチンのPTテストへの使用
の好適性が注目されている。最近の文献の総説には次の
ことが開示されている: (1)Naito ら(1983)は、「凍結融解及び音波処理」に
より細胞溶解物を得、次に「生理食塩水」で抽出して、
トロンボプラスチン活性の高い溶液を得ることを含む方
法により、ヒトの胃癌培養細胞の8つのセルラインから
トロンボプラスチンを製造した。「血漿のカルシウム再
添加時間(recalcification time)」を使用して組織因子
活性を検出し、21.1〜77.4秒の凝固時間が報告
されている。細胞溶解手順以外は、このトロンボプラス
チンは上記の従来の方法で製造した。しかし、正常の血
漿のPTが10〜14秒の範囲ではなかったので、Nait
oら(1983)はPTテストへの使用に適したトロンボプラ
スチン試薬の製法は教示していなかった。
【0018】(2)Silverbergら(1989)は、2つのヒト
膵臓癌セルラインで組織因子を同定しており、「全細
胞、凍結融解細胞、マイクロベシクル、及び膜調製物」
からトロンボプラスチン活性を有する溶液を調製した。
この文献では、製法は特定されておらず、参考文献も引
用もされていない。トロンボプラスチン活性は2段階の
カルシウム再添加時間テストで測定し、17秒と短い凝
固時間が報告された。本発明のPTアッセイ法は使用さ
れておらず、また正常な血漿のPTが10〜14秒の範
囲ではなかったため、SilverbergらはPTテストへの使
用に適したトロンボプラスチン試薬の製法を教示しては
いなかった。
【0019】(3)Andoh ら(1990)は、白血病細胞で組
織因子活性を検出する「1段階法」として述べたものを
教示している。実際には、これは、(i)白血病細胞の
ホモジェネートをヒトの血漿と共に3分間インキュベー
トし、その後、(ii)CaCl2 を加えて凝固を開始
させる2ステップのPTテストであった。正常の血漿の
凝固時間は54秒以上であると報告されている。正常な
血漿のPTが10〜14秒の範囲ではなかったため、An
doh らはPTテストへの使用に適したトロンボプラスチ
ン試薬の製法を教示してはいなかった。
【0020】(4)Rehemtullaら(1991)は、ヒトの組織
因子遺伝子を齧歯動物のセルラインにトランスフェクト
し、発現された組換えヒト組織因子蛋白質が本来のヒト
組織因子蛋白質と同様の物理化学的、生物学的特性を有
することを示した。トロンボプラスチンの製造法を述べ
ている:「TBS(20mMトリス、150mM Na
Cl、pH7.4)中の1x106 細胞/mlの細胞懸
濁液を3回、ドライアイス/エタノール浴で凍らせ、3
7℃で融解し、この溶解物0.1mlを使用し、標準の
1段階アッセイでプロコアギュラント活性を測定し
た。」使用した実際のPTテストを特定しておらず、筆
者はこれらの組換え細胞の凍結/融解溶解物から得たト
ロンボプラスチンを2つの異なる2ステップPT法(Le
vy & Edgington, 1980; Tsaoら, 1984)で測定したと述
べていた。この例では、実際に、10〜14秒の範囲の
正常血漿凝固時間が得られている。しかし、このアッセ
イのプロトコールは通常PTテストに認められている方
法から著しく逸脱しているため、凍結/融解法を使用し
て好適なトロンボプラスチンが製造されたかを決めるこ
とはできない。さらに、Rehemtullaらの例のトロンボプ
ラスチンの原料はヒト組織因子を普通以上に発現してい
る齧歯動物の組換え細胞から製造された。従って、従来
技術のこの例から、このトロンボプラスチン製造法が本
発明の主題である非組換え培養細胞に適しているかを決
めることはできない。本出願人は、Rehemtullaらの方法
で非組換え培養細胞からトロンボプラスチン試薬を製造
した。第1表に示すこの実験の結果は、この方法では満
足のいく試薬は得られないことを明らかに示している。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】有用なプロトロンビン
時間テストは、ほぼ中性のpHで生理的イオン強度の組
織因子を十分含む膜調製物と濃度約20〜30mMのカ
ルシウムの両方を含有するトロンボプラスチン試薬を使
用して1ステップ/1段階法で実施しなければならな
い。動物組織からトロンボプラスチンを製造する方法が
いくつかある:古典的なQuick ら(Biggs, 1974, p.66
3)のアセトン抽出/脱水法;食塩水抽出法(Biggs, 19
74, p.664);及び市販の用途では実施不能な洗剤抽出
法(Hvatum & Prydz, 1966)。これらの方法で製造した
トロンボプラスチンと、カルシウムを加えた1ステップ
/1段階法で使用できる「トロンボプラスチン試薬」と
は区別される。ヒトの組織から製造したトロンボプラス
チンは同種トロンボプラスチンであり、このような同種
トロンボプラスチンは異種トロンボプラスチンと比べて
ヒトの凝固因子に対する感受性が高いため、有用で好ま
しい。血管外起源のヒトの培養細胞はヒトの組織因子を
含有しており、トロンボプラスチンはこのような細胞か
ら作られることはよく知られている。しかし、ヒトの培
養細胞から製造したトロンボプラスチンにはPTテスト
への使用に適したものはなかった。従って、本発明の目
的は、ヒトの培養した非組換え細胞を使用して、1ステ
ップ/1段階プロトロンビン時間テストへの使用に適し
たトロンボプラスチン試薬の製造法を開発することであ
る。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明は、PTテストへ
の使用に適したトロンボプラスチン試薬を製造する、ヒ
トの培養細胞からのトロンボプラスチン試薬の製法であ
って、(i)アッセイが1ステップ/1段階(one-step/
one-stage)法であり;(ii)正常のヒトの血漿が通常
約10〜14秒で凝固し、平均の正常なPTが約11〜
13秒であり;(iii)結果は国際標準トロンボプラ
スチン試薬からの結果と高い相関を示し;及び(iv)
トロンボプラスチン試薬は液体の形態で、37℃では少
なくとも8時間、4℃では少なくとも5日間安定である
方法を提供する。
【0023】図1は、種々のテストトロンボプラスチン
の、正常な血漿中でのプロトロンビン時間を示してい
る。本質的にQuick (1938)の方法で製造した3つの市
販のトロンボプラスチンも比較のために含める。Thr-S
:Thromborel(登録商標)-S(Behringwerke AG, Marb
urg, ドイツ)はヒトの胎盤から製造した。Spl-XLS 及
びSpl-XL:Simplastin(登録商標) Excel-S及びSimpla
stin(登録商標) Excel(Organon Teknika Corp., Dur
ham, NC )はウサギの脳から製造した。次のヒトのセル
ラインを評価した:H4 (ATCC HTB 148) :ヒトの脳の神
経膠腫;U-87 MG (ATCC HTB 14) :グレードIIIのヒ
トの膠芽腫、星状細胞腫;Hs683 (ATCC HTB138):ヒト
の神経膠腫;WI-38 (ATCC CCL 75) :ヒトの肺由来;WI
-38 VA13サブライン2RA (ATCC CCL 75.1) :SV40ウィル
スで形質転換したヒトの肺;SK-LU-1(ATCC HTB 57):ヒ
トの肺の腺癌;Calu-1 (ATCC HTB-54):エピデルモイド
グレードIIIの肺癌;Hs888Lu (ATCC CCL 211):ヒト
肺由来;JA(登録商標)(ATCCHTB 144):ヒトの胎盤絨
毛癌;WISH (ATCC CCL 25):ヒトの羊膜由来;FHC:TAC
及びFHC:KEN :2つの組織内(in-house)組織球腫。2
つの組織内セルライン以外はすべてATCC, Rockville, M
D から入手した。
【0024】図2は、オランダのライデンを基盤とする
国際標準研究所RELAC で行ったISI測定の点図表を示
す。培養細胞からのトロンボプラスチンは国際標準物質
(BCT/253 )に対して較正し、直交最小二乗回帰分析か
ら、ISIは1.09(標準偏差 0.019; N=80)であ
り、平均の正常PTが12.6秒(標準偏差 0.7秒; N=
20)であることを示した。
【0025】図3は、本発明にしたがって実施したIS
I測定の点図表を示しており、培養細胞からのトロンボ
プラスチン(実線;黒い三角)を市販のヒトの胎盤から
製造したトロンボプラスチン(Thromborel(登録商標)
-S; Behringwerke AG, Marburg, ドイツ)(破線;白い
丸)と比較した。結果は高い相関を示し(r=0.99
5)、従って、培養細胞からのトロンボプラスチンのP
Tテストへの使用への好適性が示された。
【0026】図4は、6つの正常な血漿サンプル(各々
2回測定)のパネルについて得られた平均PTを(BC
Aで増強した蛋白質アッセイで測定した、下記参照)ト
ロンボプラスチン蛋白質濃度に対して示している。誤差
棒は6つのサンプルの平均PTからの標準偏差を示して
いる。
【0027】好適実施態様の説明 培養したヒトの細胞からのトロンボプラスチンの製造法 細胞の増殖と採取 ヒトのセルライン、好ましくはトロ
ンボプラスチン/組織因子活性の構成的な発現が高いセ
ルラインを最適培養条件で高いまたは最高の細胞密度ま
で増殖し、慣用法で採取する。推奨細胞培養条件はATC
C、Rockville, MDがATCC Catalogue of Cell Lines and
Hybridomas 第7版 (1992) に提供しており、これも参
考として本明細書に含むものとする。一般に哺乳類のセ
ルラインを最高に増殖させるためには固体支持体に結合
させることが必要であるため、採取には一般に、トリプ
シン及び/またはエチレンジアミン四酢酸(EDTA)
で培養物を処理して細胞を培養培地に懸濁することを含
んでいる。しかし、十分な組織因子を発現する細胞系を
懸濁培養で増殖させ、採取することにより、支持体から
の細胞の脱着の必要性をなくすことも可能であり、これ
も本発明の範囲である。細胞を遠心分離により濃縮して
ペレットにし、上清媒質を捨てた。次に、細胞を(Dulb
eccoの燐酸塩緩衝塩水溶液;D−PBS;細胞ペレット
に対して約3〜5容過剰なD−PBS)に再懸濁させ、
再度遠心分離して残留した微量の培地、トリプシン及び
EDTAを取り除いた。上記のように、細胞ペレットを
D−PBSに再懸濁し、もう1回遠心した。上清を捨
て、細胞ペレットを1〜2容過剰のD−PBSに再懸濁
させ、混合物を−20から−70℃で凍結させた。
【0028】細胞の溶解及びトロンボプラスチン希釈剤
での再構成 凍結した細胞を融解し、D−PBS(細胞湿潤重量0.
1g当り約1.5ml)を加え、約10,000×gで
30分間遠心分離してペレットとした。NaHCO
3 (10mM)、NaEDTA(2mM)及びウシ血清
アルブミン(BSA;0.5mg/ml)を含有する低
張バッファ溶液に、細胞湿潤重量0.1g当りバッファ
約1.5mlの濃度で細胞を再懸濁した。懸濁液をよく
混合し、上記のように10,000×gで遠心分離し
た。細胞を低張バッファ溶液に再度懸濁し、混合し、上
記のように10,000×gで遠心分離した。低張溶解
が本発明方法に好ましいが、細胞を破壊する任意の物理
的手段が使用できる。
【0029】最終的な細胞ペレットを、ポリエチレング
リコール1450(1.5%)、NaCl(103m
M)、Ca−グルコネート(30mM)、NaN
3 (0.025%)、BSA(0.25mg/ml)及
びイミダゾール(10mM、pH7.2)を含有するト
ロンボプラスチン希釈剤に、細胞湿潤重量0.05g当
りバッファ約1mlの濃度で懸濁させた。
【0030】試薬を、クエン酸添加(citrated)した正常
の血漿に試薬対血漿の容量比約2:1で加えたときに、
1段階正常プロトロンビン時間約10〜15秒、平均正
常プロトロンビン時間約11〜13秒となる限り、この
希釈剤の各成分の概算濃度を変化させることも本発明の
範囲に含まれる。変動の好適範囲は±50%であるが、
上記のようにプロトロンビン時間に関する活性だけが限
定要因である。また、Ca−グルコネートの代わりに、
同等のイオン強度を提供する任意の他の可溶性カルシウ
ム塩を使用することができ、NaClの代わりに同等の
イオン強度を提供できる任意の他の塩を使用できる。希
釈剤の組成は約0.1〜0.25の概算生理的イオン強
度及び約6.8〜7.8の概算pH範囲が得られる範囲
で変化させてよい。BSAの代わりに、他のアルブミン
例えばヒト血清アルブミン(HSA)を使用してもよ
い。これらの変更はすべて本発明に含まれる。
【0031】蛋白質濃度はBCAで増強した蛋白質アッ
セイ(Pierce Chemical Co., Rockford, IL )で測定
し、トロンボプラスチン最終濃度は約0.5から1〜2
mg/mlに調整した。
【0032】トロンボプラスチン製造用ヒトセルライン
の比較 上記のヒトトロンボプラスチン製造法の一般的な適用性
を、種々のヒトのセルラインからトロンボプラスチンを
製造することにより示した。図1から明らかなように、
3つの市販のトロンボプラスチンのプロトロンビン時間
は約12ー14秒である。試験する6つのセルライン
(U−87MG、Hs683、WI−38VA13、C
alu−1及びHs888Lu)から調製したトロンボ
プラスチンは10〜14秒の正常凝固時間を示し、従っ
て、好適なヒトトロンボプラスチンの規準に合致した。
これは一般に方法の用途及び有用性を示す。残りのセル
ライン(H4、SK−LU−1、JAR、WISH、F
HC:TAC及びFHC:KEN)の凝固時間はより長
く、これは恐らく組織因子発現が少ないことを反映して
いると思われる。これらの後者のトロンボプラスチンは
PTテストへの使用に適していない。
【0033】Quick(1938) の原法による培養細胞からの
トロンボプラスチン試薬の製造:プロトロンビン時間テ
ストへの好適性の欠如 図1に示すセルラインの1つであるWI-38 VA13サブライ
ン2RAを原料として用いて、Quick の原法(1938)に
準じてトロンボプラスチンを製造した。この原法は、上
述したようなアセトン抽出、乾燥、及び塩水溶液中での
再構成の各段階を包含する。このトロンボプラスチン
は、プールした正常血漿(本明細書中では、20人の健
常ドナーから採取したクエン酸含有抗凝固処理血漿を含
有するヒト血漿調製物と定義する)中で、28.9秒の
凝固時間を与えた。上述したように、PTテストへの使
用に適したトロンボプラスチンは、正常血漿を約10〜
14秒で凝固させねばならず、従って、このトロンボプ
ラスチンはPTテストへの使用に不適であった。
【0034】培養細胞からのトロンボプラスチンと国際
標準トロンボプラスチンとの比較 図1に示すセルラインの1つであるWI-38 VA13サブライ
ン2RA を選択してヒトトロンボプラスチンを大量に製造
した。本発明について上記した採取、細胞溶解及び再構
成手順に従ってこのトロンボプラスチンを製造した。確
立された、一般に認められている方法で、国際標準研究
所RELAC によりヒトの脳の国際標準トロンボプラスチン
(BCT/253 )に対して較正すると、図2に示す結果が得
られた。20個の正常血漿サンプル及び60個の長期に
抗凝固処理した血漿サンプルから得たこれらのデータを
要約すると、培養細胞から製造したトロンボプラスチン
は正常な血漿の凝固時間12.6±0.7秒、ISI
1.09±0.019(平均±標準偏差)を示した。従
って、このヒトトロンボプラスチンはPTテストへの使
用に適したトロンボプラスチンに関する上記仕様に適合
する。
【0035】培養細胞由来のトロンボプラスチンと市販
のヒトトロンボプラスチンの比較 ISI測定法を使用して、本発明に従って培養細胞から
製造したトロンボプラスチンとヒトの胎盤から製造され
た市販のトロンボプラスチン(Thromborel(登録商標)
-S; Behringwerke AG, Marburg, ドイツ)を比較した。
この実施例では、血漿サンプルは凍結したばかりの正常
血漿、2つの凍結乾燥した異常な血漿調製物(Verify A
bnormal I; Verify Abnormal II; Organon Teknika Cor
p., Durham, NC)及び3つの長期に経口抗凝固剤を服用
している患者からの血漿サンプルからなった。結果(図
3)は、高い相関関係を示し(r=0.995)、その
ため、PTテストへの使用に培養細胞からのトロンボプ
ラスチンが適していることが示された。
【0036】本発明方法で製造したトロンボプラスチン
試薬と、Biggs(1976)pp.663-664 に記載のアセトン抽出
/脱水または塩水抽出法及びRehemtullaら(1991)の凍結
−融解細胞溶解法で製造したトロンボプラスチン試薬の
比較 組織のアセトンまたは塩水抽出または培養細胞の凍結−
融解溶解を含む上記に参照した方法は従来技術のトロン
ボプラスチン製造法を表している。これらの3つの方法
の各々を使用して、培養した、非組換え、ヒト肺細胞か
らトロンボプラスチンを製造した。認められた方法(Bi
ggs, 1976; p. 677 )に従って、各トロンボプラスチン
を塩化カルシウム中で25mMとして上記のようなトロ
ンボプラスチン試薬を作製した。3つの従来技術の方法
に従って製造したトロンボプラスチン試薬についてのP
Tテストの結果を、本発明方法に従って製造したトロン
ボプラスチン試薬についての結果と比較した。
【0037】4つのトロンボプラスチン試薬の各々につ
いて0.5〜3.0mg/mlの蛋白質濃度(上記参照
方法で測定)で評価した。各蛋白質濃度でのプロトロン
ビン時間を第1表及び図4に示す。この結果は、従来技
術で開示された方法で製造したトロンボプラスチンは、
正常な血漿でのPTの結果が許容範囲である10〜14
秒を超えるため、PTテストへの使用に適していないこ
とを示している。
【0038】
【表1】
【0039】表1から、アッセイした蛋白質濃度範囲で
は、本発明方法に従って製造したトロンボプラスチン試
薬でのプロトロンビン時間は全て13秒以下であり、従
って、このトロンボプラスチン試薬はプロトロンビン時
間テストへの使用に適していることが判った。しかし、
同じヒトの培養肺細胞から従来技術に開示の方法に従っ
て製造したトロンボプラスチンのプロトロンビン時間の
中には14秒以下のものはなかった。従って、これらの
トロンボプラスチン試薬はPTテストへの使用に適さな
いであろう。この実験から、従来技術は、PTテストへ
の使用にも適した、ヒト培養細胞からトロンボプラスチ
ン試薬を製造する実施可能な方法を開示していないと結
論された。
【0040】この結論は、上記4つのトロンボプラスチ
ン試薬を6つの正常な血漿サンプルのパネルに対するP
Tテストで評価した第二の実験の結果が支持している。
この実験では、5つの蛋白質濃度の各々で、各トロンボ
プラスチンについて平均の正常のPTを与えた。上記の
ように、有用なトロンボプラスチン試薬の平均の正常P
Tは約11〜13秒である。本発明方法に従って製造し
たトロンボプラスチンの平均正常PTを、上記3つの従
来技術の方法で製造したトロンボプラスチン試薬につい
て得られた対応の値と比較した。結果(図4)は、
(i)各蛋白質濃度で、本発明方法で製造したトロンボ
プラスチン試薬は他の方法で製造したトロンボプラスチ
ン試薬と比べて有意に短いPT(p<0.001;Stud
ent t検定)を示した;また、(ii)本発明方法に従
って製造したトロンボプラスチン試薬での平均正常PT
は11.6〜13.7秒であったが、他の3つのトロン
ボプラスチンでは蛋白質濃度が最高(3mg/ml)の
ときに14.3秒、最低(0.5mg/ml)のときに
45秒であったことを示した。従来技術に従って製造
し、約3mg/mlの蛋白質濃度(BCA蛋白質測定
法)で処方したトロンボプラスチン試薬がPTテストへ
の使用に適している可能性もある。しかし、このような
処方は本発明の範囲及び特許請求の範囲には含まれてい
ない。要約すると、この実験から、0.5〜3.0mg
/mlのトロンボプラスチン濃度では、本発明方法に従
って処方したトロンボプラスチン試薬では従来技術の開
示する方法に従って処方したトロンボプラスチン試薬に
比べプロトロンビン時間が有意に短い(p<0.00
1)ことが示されている。このようにプロトロンビン時
間が短いため、本発明の培養細胞からの新規で有用なト
ロンボプラスチン試薬が可能となる。
【0041】培養細胞からのトロンボプラスチンの安定
上記のように処方したときに、ヒトの培養細胞からのト
ロンボプラスチンは37℃で1〜3日間、4℃の液体の
形態で少なくとも3カ月間安定である。安定性は、指示
した間隔で、正常及び異常な血漿のサンプルの凝固時間
を測定して評価した。これらの条件下でのこのトロンボ
プラスチンの安定性は、これがPTテストへの使用に適
しているという結論を支持している。
【0042】下記に本明細書中で引用した参考文献を列
挙する:Ando, K., Sadakata, H., Uchiyama, T., Nara
hara, N., Tanaka, H., Kobayashi, N.,及びMaekawa,
T. (1990),散在性血管内凝固について述べた白血病細
胞の組織因子活性アッセイの1段階法, Amer. J. Cli
n. Pathol. 93: 679-684 。
【0043】Biggs, R. (1976) 「Human Blood Coagul
ation, Haemostasis and Thrombosis」、第2版、Black
well Scientific Publications 、ロンドン。
【0044】Drake, T.A., Morrissey, J.H.及びEdgint
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細胞発現, Am. J. of Pathol. 134: 1087-1097 。
【0045】Hirsh, J., Poller, L., Deykin, D., Lev
ine, M.,及びDalen, J.E. (1989),経口抗凝固剤の最適
な治療範囲, Chest 95: 5S-11S 。
【0046】Hvatum, M., Prydz, H. (1966),組織トロ
ンボプラスチンの研究。I.デオキシコール酸ナトリウ
ムでの可溶化, Biochim. Biophys, Acta 130: 92-101
【0047】Kirkwood, T.B.L. (1983) ,標準トロンボ
プラスチンの較正及びプロトロンビン時間比の標準化,
Thromb. Hemostas. 49: 238-244 。
【0048】Levy, G.A.及びEdgington, T.S. (1980)
マクロファージのプロコアギュラント活性を増幅させる
ためにはリンパ球の共同作用が必要である, J. Exp. M
ed. 151: 1232-1244。
【0049】Naito, S., Inoue, S., Kinjo, M.,及びTa
naka, K. (1983) ,培養したヒトの胃癌セルラインのト
ロンボプラスチン活性及び繊維素溶解活性, Gann 74:
240-247 。
【0050】Nemerson Y. (1988) 組織因子及びヘモス
タシス,Blood 71: 1-8 。
【0051】Nemerson Y., Bach, R. (1982),再来組織
因子,Hemostas. Thromb. 6: 237-261。
【0052】Quick, A.J., Stanley-Brown, M., Bandro
ft, F.W. (1935) ,血友病及び黄疸における凝固障害の
研究,Am. J. Med. Sci. 190: 501-511 。
【0053】Quick, A.J. (1938) 黄疸での出血の性
質,J. Am. Med. Assoc. 110: 1658-1662 。
【0054】Rapaport, S.I. (1991) 組織因子経路の
制御,Ann. NY Acad. Sci. 614: 63-75 。
【0055】Rehemtulla, A., Pepe, M., Edgington,
T.S. (1991),ヒトのトロンボプラスチンとしてのチャ
イニーズハムスター卵巣細胞での組換えヒト組織因子の
高レベル発現,Thromb. Haemostas. 65: 521-527。
【0056】Silverberg, J.M., Gordon, S., 及びZuck
er, S. (1989) ,2つのヒト膵臓癌セルライン中の組織
因子の同定,Cancer Res. 49: 5443-5447 。
【0057】Spicer, E.K., Horton, R., Bloem, L., B
ach, R., Williams, K.R., Guha, A.,Kraus, J., Lin,
T-C, Nemerson, Y.及び Konigsberg, W.H. (1987),ヒ
トの組織因子をコードするcDNAの単離:蛋白質及び
cDNAの一次構造,Proc. Natl. Acad. Sci., USA 8
4: 5148-5152 。
【0058】Tsao, B.P., Fair, D.S., Curtiss, L.K.
及びEdington, T.S. (1984) ,単球をリポ多糖で誘発し
たTリンパ球で誘導して機能性因子VII/VIIaプ
ロテアーゼ活性を発現することができる,J. Exp. Med.
159: 1042-1057 。
【0059】Van den Besselaar, A.M.H.P. 及びBertin
a, R.M. (1991),CRM149Rとしてコードされたウ
サギの純粋なトロンボプラスチン用第二標準物質の多中
心検量,Thromb. Haemostas. 65: 263-267。
【図面の簡単な説明】
【図1】種々のテストトロンボプラスチンの、正常な血
漿中でのプロトロンビン時間を示す。
【図2】国際標準研究所RELAC(オランダ)が実施
したISI測定の点図面である。
【図3】本発明に準じて実施したISI測定の点図面で
ある。
【図4】トロンボプラスチン蛋白質濃度に対する正常な
血漿サンプルの平均プロトロンビン時間を示す。
フロントページの続き (72)発明者 ラフアエル・ペドロ・バルデス−カミン アメリカ合衆国、メリーランド・20874、 ジヤーマンタウン、ホツテインガー・サ ークル・19307 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12Q 1/56 G01N 33/86

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒトの培養細胞からトロンボプラスチン
    試薬を製造する方法であって、等張塩水溶液で細胞を洗
    い、EDTA及びアルブミンを含有する緩衝溶液中で細
    胞を溶解し、溶解した細胞から膜物質を単離し、単離し
    た膜物質を約0.1〜0.25の範囲のおおよその生理
    的イオン強度を有する水性希釈剤に再懸濁するステップ
    を包含する方法。
  2. 【請求項2】 細胞を低張ショックで溶解する請求項1
    記載の方法。
  3. 【請求項3】 単離した膜物質をポリエチレングリコー
    ル、カルシウム塩、血清アルブミン及びイミダゾールを
    含有する希釈剤に再懸濁する請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 希釈剤が約0.5〜2.5重量%の量の
    ポリエチレングリコール、約50〜150mMの濃度の
    NaCl、約10〜50mMの濃度のグルコン酸カルシ
    ウム、約0.01〜約0.1重量%の濃度のNaN3
    約0.1〜10mg/mlの濃度のウシ血清アルブミ
    ン、及び約5〜75mMの濃度のイミダゾールを含有
    し、希釈剤のpHが6.8から7.8である請求項3記
    載の方法。
  5. 【請求項5】 等張塩水溶液でヒトの培養細胞を洗い、
    EDTA及びアルブミンを含有する緩衝溶液中で細胞を
    物理的に溶解し、溶解した細胞から膜物質を単離し、単
    離した膜物質を再懸濁することにより製造し、添加した
    アルブミンを除いたトロンボプラスチン蛋白質濃度が約
    0.5〜3.0mg/mlの範囲であるトロンボプラス
    チン試薬。
  6. 【請求項6】 クエン酸添加した正常の血漿に試薬対血
    漿の容量比約2:1で加えたときに、約10〜15秒の
    1段階プロトロンビン時間を与え、平均の正常なプロト
    ロンビン時間が約11〜13秒である請求項5記載のト
    ロンボプラスチン試薬。
  7. 【請求項7】 37℃で少なくとも8時間及び4℃で少
    なくとも5日間安定である請求項6記載のトロンボプラ
    スチン試薬。
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