JP3120706B2 - 稠密な被覆を施した部材の検査方法 - Google Patents
稠密な被覆を施した部材の検査方法Info
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Description
面に本来通気性のないはずの稠密な層を被覆した部材、
特に高純度を要求される半導体製造用の治具に好適に用
いられる稠密な被覆を施した部材にピンホールやクラッ
クといった通気性を有する欠陥が有るか否かの検査方法
に関するものである。
べり治具においては、摩耗を減ずることを目的に、金属
材料やセラミックスの表面に硬質な金属あるいはセラミ
ックス層を被覆することが行われている。そして、これ
らの被覆膜の検査には、主に目視と染色浸透液や蛍光浸
透探傷液を用いた浸透液による微小欠陥の検出が行われ
ている。
スにおいては、上記した治具と異なり、基材から不純物
元素の放出を抑え、ウエハーの欠陥発生を防止する観点
から、黒鉛やセラミックスの表面に通気性のない稠密で
非常に高純度なセラミックス層を形成した治具が用いら
れている。これらの代表的なものは、シリコン等の半導
体物質の単結晶ウエハー上にシリコンをエピタキシャル
成長をさせる際に、ウエハーの置き台として用いられる
エピタキシャル成長用サセプターや、ウエハーの拡散工
程で用いられるウエハー保持用治具(拡散炉用ボート)
などである。
黒鉛の表面に SiC被覆を行ったエピタキシャル成長用サ
セプターについては、サセプターを酸化雰囲気中で加熱
し、黒鉛と雰囲気酸素の反応の有無により SiC被覆層の
ピンホールまたはクラックの有無を検査する手法が提案
されている(例えば特開昭51−31279号、以下、
この手法を「酸化法」という)。
浸透液による手法にあっては、ウエハーを支持する複雑
な形状部分では加工端面の微小亀裂の発生を十分な感度
で検出することができず、また微小なピンホールの検出
が難しい等、検出感度の点で問題があった。
いて用いられる治具は、不純物がppm オーダー以下の非
常に高純度であることが要求される。このため、従来の
稠密な硬質被覆を施した加工具において適用されてきた
染色浸透液や蛍光浸透探傷液を用いた浸透液による微小
欠陥の検出法では、浸透液により表面を汚染するので適
用できない。
は、純度の問題はある程度解決できるが、以下の問題が
ある。すなわち、後者の酸化法は、サセプター基材の黒
鉛の酸化の有無で SiC被覆層のピンホールまたはクラッ
クの有無を検査する手法であるから、基本的には破壊を
伴う検査手法である。また、この酸化法ではピンホール
またはクラックの有無の検出方法として、排出ガスの
成分を分析し、CO2 を検出する方法、サセプターの重
量変化を検出する方法、局所の外的変化を肉眼で検出
する方法、が挙げられているが、いずれの手法でも、欠
陥を十分に検出できなかった場合には、欠陥を最初の状
態より大きくしてしまうおそれがある。
具では数ミクロンオーダーの欠陥でも問題となるので、
重量変化でこれを検出することは不可能である。また、
やの方法では、酸素が流れ込みにくい微小なピンホ
ールや、開口の小さい或いは口を閉じた微細なクラック
を検出することは困難である。つまり、いずれの手法で
も検出感度に問題がある。
酸化する材料で、かつ被覆膜が酸化されないセラミック
スの場合しか適用できないので、適用範囲が限定される
という問題もある。
なされたものであり、簡便な非破壊検査により、本来通
気性のないはずの稠密な被覆層に存在する微細な欠陥を
感度良く検出することができ、かつ部材への不純物汚染
を防止することができる検査方法及びこの検査方法に適
用する検査装置を提供することを目的としている。
ために、本発明の稠密な被覆を施した部材の検査方法
は、密閉容器中に、開気孔を含む基材の表面に稠密な層
を被覆した部材を収納した後、前記密閉容器内を真空引
きし、真空引きした際の密閉容器内の到達圧力の 高低及
び/又は所定圧力に到達するまでの時間の長短により、
前記被覆層にピンホールやクラックといった通気性を有
する欠陥が有るか否かを判定したり、また、減圧下の密
閉容器中に、開気孔を含む基材の表面に稠密な層を被覆
した部材を収納した後、前記密閉容器内の圧力の戻りの
有無により、前記被覆層にピンホールやクラックといっ
た通気性を有する欠陥が有るか否かを判定したり、ま
た、密閉容器中に、開気孔を含む基材の表面に稠密な層
を被覆した部材を収納した後、前記密閉容器内を真空引
きし、次に空気以外の気体を密閉容器内に充填してその
状態を保持し、その後、前記充填した空気以外の気体と
は異なる雰囲気の密閉容器内に前記部材を収納し、その
密閉容器内を減圧引きして前記部材の前記被覆層より放
出される気体の有無により、前記被覆層にピンホールや
クラックといった通気性を有する欠陥が有るか否かを判
定するのである。
に稠密な SiC層を被覆したエピタキシャル成長用サセプ
ターを例として説明する。しかし、本発明はこの例に限
定されるものではない。第1の本発明方法は、図1に示
す第1の装置を用いて次のように実施する。すなわち、
密閉容器1中に、黒鉛基材2aの表面に稠密な薄い SiC
層2bを被覆したサセプター2を収納した後、この密閉
容器1内を減圧ポンプ3で減圧引きし、減圧引きした際
の密閉容器1内の到達圧力及び/又は所定圧力に到達す
るまでの時間を圧力計4や圧力記録計を用いて測定し、
この測定結果より SiC層2bの欠陥の有無を以下のよう
に判定する(減圧法)。なお、図1中の5は切り換えバ
ルブである。
微細なピンホールやクラック等の欠陥がなく、通気性が
ない場合には、所定時間減圧した際の到達圧力は、密閉
容器1内にサセプター2を入れない状態で所定時間減圧
した際の到達圧力(ブランクでの到達圧力)と同じか若
干低くなる。これは、サセプター2の体積分だけ密閉容
器1の容積が減少するからである。
ない黒鉛基材2aだけの場合には、所定時間減圧した際
の到達圧力は、ブランクでの到達圧力とほぼ同じか若干
高くなる。これは、黒鉛基材2a内部の開気孔に内在す
る気体が気孔を通じて抜ける際にやや抵抗があるためで
ある。但し、この場合には、サセプター2の全表面から
気孔内の気体を抜くことができるので、ブランクでの到
達圧力と比較してその変化は非常に小さい。
層2bのごく一部に微細なピンホールやクラック等の欠
陥がある場合には、黒鉛基材2aの開気孔内の気体がこ
のピンホールやクラックを通って抜けることになるの
で、気体が抜ける際の抵抗が非常に大きくなる。従っ
て、サセプター2内の気体を全て抜くことができないの
で、所定時間減圧した際の到達圧力は、ブランクでの到
達圧力よりも高くなる。
層2bの欠陥の有無を判別することができる。以上の説
明は所定の時間減圧引きを行った際の到達圧力で欠陥の
有無を判別する方法を示したが、同様に所定圧力まで減
圧引きする際に要する時間を比較することでも、 SiC層
2bの欠陥の有無を判別することができる。これは、サ
セプター2表面の SiC層2bのごく一部に微細なピンホ
ールやクラック等の欠陥がある場合には、気体が抜ける
際の抵抗が非常に大きくなるので、所定圧力まで減圧引
きする際に要する時間が、欠陥のないサセプター2の場
合よりも長くなるためである。
置を用いて次のように実施する。すなわち、減圧下の密
閉容器1中に、黒鉛基材2aの表面に稠密な薄い SiC層
2bを被覆したサセプター2を収納した後、この密閉容
器1内の圧力の戻りを圧力計4や圧力記録計を用いて測
定し、この測定結果より SiC層2bの欠陥の有無を以下
のように判定する(減圧保持法)。
行い、その後切り換えバルブ5を閉じて、密閉容器1内
を密閉した場合においては、サセプター2の表面の SiC
層2bのごく一部に微細なピンホールやクラック等の欠
陥がある場合には、減圧引きの際に引ききれず、黒鉛基
材2aに残った気体が徐々に放出されるので、密閉容器
1内の圧力が上昇する圧戻り現象が発生する。一方、サ
セプター2の表面の SiC層2bに欠陥がない場合には、
黒鉛基材2a内部からの気体の放出はなく、このような
圧戻り現象は発生せず、ブランクの場合と同様に密閉容
器1内はほぼ一定の圧力で保持される。このような圧戻
り現象の有無により、 SiC層2bの欠陥の有無を判別す
ることができる。
法に適用する第1の装置を構成する密閉容器1は、密閉
容器1からの気体の放出をなくすという観点から開気孔
のほとんどないもの、例えば真空容器に用いられる鉄,
ステンレス等の金属材料やガラス等を用いることが望ま
しい。そして、検出感度を高める観点からは、サセプタ
ー2の体積に対する密閉容器1の容積は小さい方が望ま
しい。
2(黒鉛基材2a)内の気体が全て放出される前に、密
閉容器1内の気体をすばやく引き去るという観点から、
比較的排気容量の大きい油圧回転式ポンプ等を使用する
ことが望ましい。欠陥が微小になるほど、黒鉛基材2a
内部からの気体放出抵抗は大きくなるので、特に減圧保
持での圧戻りを検出する第2の本発明方法で欠陥検出感
度を向上するには、より圧力の低いところ(高真空)ま
で減圧する必要がある。これには、油圧回転式ポンプに
加え、ターボ分子ポンプや油拡散ポンプ等のより高真空
引き用の減圧ポンプを使用すればよい。
空)で感度のよい、ピラニー真空計や電離真空計を用い
ることが望ましい。
置を用いて次のように実施する。すなわち、密閉容器1
又は1a中に、黒鉛基材2aの表面に稠密な薄い SiC層
2bを被覆したサセプター2を収納した後、この密閉容
器1又は1a内を減圧ポンプ3で減圧引きし、次に空気
以外の気体を密閉容器1又は1a内に充填してその状態
を保持し、その後、前記充填した空気以外の気体とは異
なる雰囲気の密閉容器1内に前記サセプター2を収納
し、その密閉容器1内を減圧ポンプ3で減圧引きしてサ
セプター2より放出される気体を元素検出器6を用いて
検出し、この検出結果より、 SiC層2bの欠陥の有無を
以下のように判定する(元素検出法)。
に、欠陥検出に用いる密閉容器1とは別の密閉容器1a
内にサセプター2を収納し、この密閉容器1a内で真空
脱気を十分に行った後、空気以外の所定の気体を密閉容
器1a内に充填してその状態を保持し、 SiC層2bにあ
る欠陥から黒鉛基材2a内部の開気孔に空気以外の所定
の気体を浸透させる。そしてその後、図2(b)に示す
ように、欠陥検出に用いる密閉容器1内にサセプター2
を収納し、この密閉容器1内を減圧ポンプ3で減圧引き
してサセプター2より放出される気体を元素検出器6を
用いて分析する。なお、図2(a)(b)に示すよう
に、所定の気体をサセプター2内に充填する密閉容器1
aと、欠陥を検査するための密閉容器1は、必ずしも分
離する必要はなく、図2(c)に示すように、一つの密
閉容器1で前記した2工程を行ってもよい。
部に微細なピンホールやクラック等の欠陥がある場合に
は、所定の元素が欠陥を通じて比較的長時間にわたって
放出され、検出される。一方、表面の SiC層2bに欠陥
のないサセプター2の場合には、所定の元素は表面に付
着しているもののみであるから、短時間で検出されなく
なる。このような、所定の元素の検出の有無により、微
細な SiC層2bの欠陥を検出することができる。
密閉容器1又は1a内に充填して保持する際、加圧状態
で保持することにより、検出感度をより向上することが
できる。また、この場合には、密閉容器1内にサセプタ
ー2を収納した後、減圧しなくても所定の元素を検出す
ることができる。
元素は、密閉容器1内の雰囲気と異なるものであれば、
特に限定されない。また、密閉容器1を、図2(a)
(b)のように、所定の気体をサセプター2内に充填す
る密閉容器1aと、欠陥を検査するための密閉容器1に
分離する場合には、密閉容器1内の雰囲気はサセプター
2を収納する際に一度大気に曝される可能性があるの
で、気体元素は空気を構成する元素以外のものとする。
但し、微細な欠陥から気体を黒鉛基材2a内に浸透させ
るという観点からは、元素は分子量の小さい物のほうが
好ましく、水素やヘリウムあるいはメタン等を用いるこ
とが好ましい。特にヘリウムは引火性がないことから特
に好ましい。
の装置は、図1に示す第1の装置に加え、 SiC層2bを
通って黒鉛基材2aから放出される気体を検出する元素
検出器6が加えられている。なお、第2の装置では、圧
力計4は必ずしも必須ではない。
グラフ検出器や、質量分析計型分析器等、種々の分析器
が使用できる。検出感度の点からは、特に質量分析計型
分析器を用いることが好ましい。
SiC層2bを被覆したサセプター2について説明した
が、本発明の検査方法は黒鉛基材2aの表面全体に SiC
層2bを被覆したサセプター2にのみ限定されるもので
はない。図3に、基材7aの表面の一部に稠密な層7b
を被覆した部材7における、前記稠密な層7bの欠陥を
検査する方法を説明する。
放の容器9を、例えばOリング10等の密閉を維持でき
るシール部材を介して、基材7aの表面の稠密な層7b
に密着させる。これにより、片側開放の容器9と欠陥検
査の対象となる部材7との間に、広い意味での密閉容器
を構成することになり、上記説明したものと同様の方法
で、基材7aの表面の一部に稠密な層7bを被覆した部
材7の、稠密な層7bの欠陥を検査することが可能とな
る。
むものであれば良い。開気孔率は数%程度であっても欠
陥を検出することができる。なお、高純度を要求される
半導体製造用の治具としては、ウエハーに悪影響を及ぼ
す金属元素を含まず、高温での使用に耐えることができ
る、 SiC等のセラミックス基材や、黒鉛基材が好適であ
る。
密な層としては、めっき等により形成される稠密な金属
層や、セラミックス層,炭素層が挙げられる。半導体製
造用治具としては、セラミックス層として、 SiC,窒化
珪素,窒化アルミニウム,サイアロン,窒化チタン,窒
化ホウ素等が挙げられ、その純度は不純物濃度が1ppm
以下のものが好ましい。
限定されるものではないが、容易に高純度な被覆層を形
成することが可能である点から、原料ガスの熱分解等に
よりセラミックス膜を析出させるCVD法が好ましい。
また、半導体製造用治具としては、炭素層として、メタ
ンやプロパン等を熱分解して析出させる熱分解炭素層
や、樹脂等を塗付けたり、また含浸した後、炭素化して
形成されるガラス状カーボン層等の稠密な炭素質層が好
ましい。
なものについては、基材と被覆層との熱膨張を合わせる
ことにより、被覆層の剥離やクラック発生等の欠陥の発
生を防止できる。このような観点から、基材と被覆層は
同一材質であれば特に問題はない。また、黒鉛基材は S
iCと熱膨張をほぼ同じに調整できるので、黒鉛基材表面
に稠密な CVD−SiC 層を形成した部品を容易に得ること
ができる。
査方法の実施例及び比較例について説明する。先ず、検
査に用いた図4に示す試験片を作成した。試験片として
は、CVD法により厚さ150μmの稠密な SiCを被覆
した円盤状のエピタキシャル成長用サセプター11を用
いた。また、このサセプター11を構成する基材11a
としては、高純度黒鉛材:開気孔率13%、高純度
SiC 焼結体:開気孔率5%、の2種類を用いた。
m,厚さ15mmで、中央部に開口11bを有し、開口
11bの周囲にシリコンウエハー12を収容する直径1
03mmの穴11cが4個形成されている(図4参
照)。これらのサセプター11を専用のビニール袋内に
入れた後、シリコンウエハー12を収容する穴11cの
うちの1個について、穴11cの中央部及び端部を先端
の尖った木製のハンマーを用いて強さを変えて打ち、 S
iC層11dに目視でかろうじて判別できる欠陥を加工し
た。また、このような欠陥加工を行わないものも各1枚
ずつ作成した。
を、図5に示すエピタキシャル成長用装置13にセット
して加熱し、シリコンウエハー12にSi薄膜をエピタキ
シャル成長させ、シリコンウエハー12の色の変化、転
位の発生等の異常を観察した。なお、基材11aとして
高純度黒鉛材を使用したサセプター11は、図5に示す
ような、サセプター11の下に設けたコイル14に通電
することにより高周波加熱を行ったが、基材11aとし
て高純度SiC 焼結体を使用したサセプター11は、高周
波加熱ができないので、サセプター11の上に設けたラ
ンプ(図示省略)で加熱した。
したサセプターについて、それぞれ数枚のエピタキシャ
ル成長を行ったものから、シリコンウエハーに異常が起
こらなかったもの(サセプターA,D)、シリコンウエ
ハーに微細な異常が認められたもの(サセプターB,
E)、シリコンウエハーに明らかな異常が数カ所認めら
れたもの(サセプターC,F)を選んだ。
回収した後に、エピタキシャル成長用装置の容器内に付
着したSiを除去するために、高温HCl 雰囲気でのエッチ
ング処理を行い、本発明の実施例による欠陥検査を行っ
た。表1に示す実施例1では、減圧法により、所定時間
の減圧を行う方法で欠陥検査を行った。減圧時間は20
分とし、到達圧力を計測した。なお、試験装置は図1に
示すものを使用した。この試験装置を構成する密閉容器
はステンレス製で、容器の内径は350mm、深さは2
0mmのものを使用した。また、減圧ポンプは排気速度
120リットル/分の油圧回転式真空ポンプを使用し、
圧力計はピラニ真空計(20〜1×10-3 Torr 測定
用)を用いた。
所定圧力までの減圧を行う方法で欠陥検査を行った。到
達圧力は0.015Torrとし、到達圧力に達するまでの
時間を計測した。なお、試験装置は実施例1と同様のも
のを使用した。
り、欠陥検査を行った。試験装置は実施例1と同様のも
のを使用した。減圧を20分行った後、バルブを閉めて
密閉容器内を密閉し、20分保持した後の炉内圧力の戻
りを計測した。実施例3では、微小な欠陥をもつと考え
られるサセプターBについて、欠陥を加工したシリコン
ウエハー保持用の穴を含むように、直径120mm、厚
さ12mmに切りだし、片面のみが SiC層を持つ試験片
を加工した。これを図3に示す治具を用いて、同様に欠
陥検査を行った。
り、欠陥検査を行った。試験装置は図2(a)(b)に
示すものを使用した。検出元素はヘリウムを用いた。ヘ
リウム検出器には島津製ヘリウムディテクター(MSC-CA
RRY )を用いた。先ず密閉容器にサセプターを置き、1
時間真空引きを行った後、雰囲気をヘリウムに置換して
大気圧に戻して1時間保持した。その後、密閉容器にサ
セプターを移し、先ず油圧回転式真空ポンプで減圧した
後、ヘリウム検出器に付属するターボ分子ポンプで減圧
しながら、ヘリウム検出器の元素分析管が使用できる1
×10-3Torrまで減圧し、減圧引きを継続しながら、ヘ
リウム検出を行った。減圧時間は10分とした。また、
実施例4では実施例3と同様に、片面 SiC層試験片を作
成し、同様に欠陥検査を行った。
よれば、減圧法,減圧保持法,元素検出法ともに、 SiC
層に欠陥のないサセプターA,Dは、容器のみの場合と
比較してほぼ同じ挙動を示すのに対し、欠陥のあるサセ
プターB,E及びC,Fでは、減圧法の場合には到達圧
力が高くなったり、所定の到達圧力になるのに減圧時間
が多く必要となる。また、減圧保持法の場合には圧の戻
りが大きくなる。また、元素検出法の場合には、ヘリウ
ムの検出量が多くなったり、分析可能な圧力まで減圧で
きなくなる。従って、これらの変化より SiC層の欠陥を
検出することができる。
探傷液(タセト社製N−4P)を用いて蛍光浸透探傷を
行った。その結果、サセプターC,Fでは欠陥を探傷す
ることができたが、サセプターB,Eでは、欠陥はシリ
コンウエハー収容用の穴の端面にできているようであ
り、穴端面と欠陥の区別がつかないので、欠陥を探傷す
ることはできなかった。
時間大気中で酸化し、酸化時の重量減少と目視観察によ
る欠陥検査を行った。サセプターCについては目視によ
り欠陥を明らかにすることができたが、サセプターBに
ついては、欠陥を目視では検出できなかった。また、重
量変化はサセプターB,CともサセプターAと変化な
く、検出不可能であった。サセプターD〜Fについて
は、基材が酸化しないので、酸化による手法ではまった
く欠陥を検出することははできなかった。
ると、従来法よりも微細な欠陥を検査できるばかりでな
く、高純度を要求される半導体製造用治具の検査にも適
用することが可能となる。なお、欠陥検出感度は、実施
例を比較して明らかなように、元素分析法,減圧保持
法,減圧法の順に良好である。特に元素分析法では、減
圧法で検出感度の低い微小な欠陥を、明確に検出できる
ことが判る。但し、元素分析法ではあまり大きな欠陥の
検査には検出装置の問題から適用できない場合があるの
で、本発明に示す方法を組み合わせて欠陥検査を行うこ
とが望ましいことは当然である。
孔を持つ基材から稠密な被覆層の欠陥を通って放出され
る気体を、減圧下の密閉容器内の圧力変化を検出した
り、放出される元素を分析することによって、稠密な被
覆層の欠陥の有無を従来以上に感度良く検出できるもの
であるから、稠密な被覆を施した部材の出荷検査に適用
した場合には、不良品を感度良く排除することができ
る。また、本発明は浸透液を用いないので、高純度を要
求される半導体製造用治具の検査にも好適に用いること
ができる。
する検査装置の構成を示す概念図である。
査装置の構成を示す概念図であり、(a)(b)は第1
の例、(c)は第2の例を示す図である。
の検査方法を示す概念図である。
サセプターを示す図であり、(a)は平面図、(b)は
(a)のA−A断面図である。
図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 密閉容器中に、開気孔を含む基材の表面
に稠密な層を被覆した部材を収納した後、前記密閉容器
内を真空引きし、真空引きした際の密閉容器内の到達圧
力の高低及び/又は所定圧力に到達するまでの時間の長
短により、前記被覆層にピンホールやクラックといった
通気性を有する欠陥が有るか否かを判定することを特徴
とする稠密な被覆を施した部材の検査方法。 - 【請求項2】 減圧下の密閉容器中に、開気孔を含む基
材の表面に稠密な層を被覆した部材を収納した後、前記
密閉容器内の圧力の戻りの有無により、前記被覆層にピ
ンホールやクラックといった通気性を有する欠陥が有る
か否かを判定することを特徴とする稠密な被覆を施した
部材の検査方法。 - 【請求項3】 密閉容器中に、開気孔を含む基材の表面
に稠密な層を被覆した部材を収納した後、前記密閉容器
内を真空引きし、次に空気以外の気体を密閉容器内に充
填してその状態を保持し、その後、前記充填した空気以
外の気体とは異なる雰囲気の密閉容器内に前記部材を収
納し、その密閉容器内を減圧引きして前記部材の前記被
覆層に存在するピンホールやクラックといった通気性を
有する欠陥より放出される気体の有無により、前記被覆
層に通気性を有する欠陥が有るか否かを判定することを
特徴とする稠密な被覆を施した部材の検査方法。
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