JP3120354U - ダイキャストアダプタ - Google Patents

Abstract

【課題】製造が簡単で低製造コストの金属製アダプタの提供。
【解決手段】アダプタは、第２ポートと軸方向に整列した第１ポートを画定する金属製ハウジングを具備する。各ポートは、筒状フェルールを有する各光プラグを受容するよう構成される。ポート間に設けられた接合部は、第１ポートに隣接する第１端及び第２ポートに隣接する第２端を有する。接合部は、ポート間に軸方向の筒状通路を画定する。接合部の第１端は内側に延びる突条部を有し、第１端における通路の直径を制限する。通路内に整列スリーブが配置される。整列スリーブは、フェルール内に収容されるファイバを光結合するために、各光プラグのフェルールを受容し軸方向に整列させる内径を有する。接合部は金属製ハウジングと一体成形され、接合部の第２端に端キャップが固定される。端キャップは、内側に延びて第２端で通路の直径を制限する突条部を有し、整列スリーブを通路内に固定する。
【選択図】図１

Description

本発明は光コネクタの分野に関し、より特定すると堅牢で電磁障害に対して保護するプラグ受容アダプタに関する。

光ファイバの分野において、１本のファイバの光伝送経路を他のファイバの光伝送経路に接続する必要がある。このような接続は、各ファイバ端部を光プラグに終端し、次に両プラグをアダプタに挿入することにより行われることことが多い。プラグは、１本以上のファイバ端部を保持し精度高く位置決めするフェルール又は他の手段を収容するハウジングを具備するのが代表的である。アダプタは一般的に、２個のポートを有するハウジングを有する。各ポートは、プラグのハウジングを受容し保持し、各プラグを他のプラグとの光結合を容易にするよう構成されている。本明細書での説明の目的で、プラグがアダプタに挿入されると、アダプタ及びプラグは「嵌合状態」と称される。同様に、プラグがアダプタに挿入されていないと、アダプタ及びプラグは「非嵌合状態」と称される。アダプタは、種々の用途（例えば、バックプレーン及びシャーシを貫通する相互接続）で使用するために、種々の構成（例えば、単方向（simplex）、双方向（duplex）、四重（quad））を有してもよい。

光コネクタにおける、及び電気通信相互接続における最近の傾向は、バックプレーン、シャーシ、及び「ポート密度」を増加することによる他の経路（routing）装置を小型化することが一般的である。ポート密度を増加することは、小さな空間に多数の相互接続を可能にするので、小型化を容易にする。この目的のために、当業界は、光軸に直交する平面内でコネクタが占める空間又は面積（以下「パネル面積」という）が最小であるコネクタ用の「スモールフォームファクタ」設計に移行した。アダプタの設計に言及する場合、「スモールフォームファクタ」の用語の背後にある今日的理解は、双方向の実施形態が従来のＳＣアダプタと同じパネル面積を占める設計である。従来のＳＣアダプタは当業界で周知である。スモールフォームファクタアダプタを提供するコネクタシステムの例には、ＬＣコネクタシステム、ＭＵコネクタシステム及びＭＴＲＪコネクタシステムがある。

スモールフォームファクタコネクタシステムは近年、多大な成功を収めたが、本発明者等は多数の欠点を発見した。特に、本発明者等は、ＬＣアダプタ等のスモールフォームファクタアダプタがＳＣコネクタ用のパネル切欠きに嵌まるよう構成される場合、アダプタの壁が非常に小さくなる傾向があることを観察した。これら薄い壁は、特にアダプタに挿入されたケーブルアセンブリに荷重が印加される際に、強度の問題を露呈する。さらに、作動周波数が増加すると、電磁障害（ＥＭＩ）に関連した問題も露呈する。光は、ＥＭＩにより影響を受けるという点及びＥＭＩを発生するという点に関してＥＭＩに免疫があるが、パネル切欠きにおけるアダプタ及びパネル間の間隙は、他の部品が発生するＥＭＩをパネルから漏らしてしまう原因であることが多い。この状況を改善するために、多数の対処が用いられてきた。特に、導電性シール及び他の「ＥＭＩガスケット」がアダプタ及びパネル間に配置されることが多い。最近では、ＥＭＩを阻止するためにプラスチックアダプタに金属製インサートが配置されている。これらの対処はＥＭＩをある程度制御したが、実施するには高価であり、その装置の設置が負担になる傾向があり、一般的に実施意欲を減退させる。従って、十分な横荷重強度を与えると共にＥＭＩを減衰させるスモールフォームファクタアダプタに対するニーズがある。本発明者等は、このニーズが金属製スモールフォームファクタアダプタに合致するだろうと認識している。
米国特許第６０２７２５２号明細書

金属製スモールフォームファクタアダプタは望ましいが、本発明者等は、このようなアダプタを製造する従来の対処法は不十分になる傾向があることを見出した。特に、アダプタの重要な側面はアダプタが収容する筒状スリーブである。スリーブは、アダプタ内に挿入されたプラグのフェルールを受容し整列させるよう作用する。この部品は、ダイキャスト成形では実現できない程度の精度を必要とする。従って、金属製アダプタはなんらかの方法で個別の筒状整列スリーブを収容しなければならないと一般的には認識されている。従って、多くの従来技術の対処法は、部品間にスリーブが配置され、次にリベット又はねじによって部品が結合される２部品設計を採用している。このような対処法は役に立つことが判明したが、多部品を使用するという設計の性質上、製造が複雑であり、在庫が増加してしまう。さらに、２個の半体を結合させなければならないので、スモールフォームファクタコネクタシステムに要求される精度のレベルで整列が必要であり、煩わしくなるおそれがある。このため、これらの従来技術は、製造時間、屑、及び究極的にはコストを増加させる傾向がある。

これら従来の対処法とは別に、本発明者等は、スモールフォームファクタアダプタ設計用に特許文献１に記載された製造方法を適用することを試みた。この設計はＳＣアダプタの製造には非常に有効であることが証明されたが、本明細書で考慮するスモールフォームファクタの側面は、この対処法をより望ましくないものにする。特に、この対処法は、アダプタ内の種々の部品をピン止めするための二股部を受容するよう側面にスロットを容易にする金型を必要とする。このような金型は特に複雑になる傾向がある。プラグを固定するための弾性ラッチのような他の部品が（特許文献１に記載されているような）一体成形アダプタに一体化される場合、この程度の複雑さは保証されるが、本明細書で考慮するコネクタシステムにはあまりに複雑すぎる。例えば、弾性ラッチ機構がアダプタではなくプラグ上に配置されているので、ＬＣコネクタ用のアダプタ設計は簡単である。このため、特許文献１で与えられる能力及び柔軟性は、ＬＣコネクタ等のスモールフォームファクタアダプタでは最適化されない。

従って、金属製であるが製造が簡単で製造コストが低いスモールフォームファクタアダプタに対するニーズがある。

本発明の２個のプラグを嵌合させるアダプタは、第２ポートと軸方向に整列した第１ポートを画定する金属製ハウジングを具備する。各ポートは、筒状フェルールを有する各光コネクタプラグを受容するよう構成される。ポート間に設けられた接合部は、第１ポートに隣接する第１端及び第２ポートに隣接する第２端を有する。接合部は、ポート間に軸方向の筒状通路を画定する。接合部の第１端は内側に延びる突条部を有するので、第１端における通路の直径を制限する。通路内に整列スリーブが配置される。整列スリーブは、フェルール内に収容されるファイバを光結合するために、各光コネクタプラグのフェルールを受容しフェルールを軸方向に整列させるのに適する内径を有する。接合部は金属製ハウジングと一体成形され、接合部の第２端に端キャップが固定される。端キャップは、内側に延びて第２端で通路の直径を制限する突条部を有するので、整列スリーブを通路内に固定する。

図１を参照すると、本発明のアダプタ１００が図示されている。アダプタ１００は一体成形された金属製ハウジング１０１を具備する。ハウジング１０１は、軸方向に整列されると共に各々が筒状フェルールを有する光コネクタプラグを受容するよう構成される第１ポート１０２及び第２ポート１０３を画定する。ハウジング１０１は、ポート１０２，１０３の間の接合部１０４と、第１ポート１０２に隣接する第１端１０４ａと、第２ポート１０３に隣接する第２端１０４ｂとを有する。接合部１０４は、第１ポート１０２及び第２ポート１０３間に各プラグのフェルールを受容する軸方向の筒状通路１０５を画定する。接合部１０４の第１端１０４ａは内側に延びる突条部１０６を有することにより、第１端１０４における通路１０５の直径を制限する。通路１０５内には整列スリーブ１０７がある。整列スリーブ１０７は、プラグが収容するファイバを光結合するために、各光コネクタプラグのフェルールを受容すると共にプラグを軸方向に整列させるのに適する内径を有する。通路１０５の第２端１０４ｂに配置されるのは端キャップ１０８である。端キャップ１０８は接合部１０４と係合し、第２端１０４ｂで通路１０５の直径を制限してスリーブ１０７を通路１０５内に固定する。これら部品の各々及びそれらの組立体については、以下で詳細に説明する。

図１及び図３を参照して、本発明のアダプタ１００のハウジング１０１を詳細に説明する。ハウジングの主機能は、プラグを受容し保持し、プラグのフェルール及びプラグ内に収容されたファイバを整列することである。この目的のために、ハウジング１０１はプラグ（図示せず）を受容する第１ポート１０２及び第２ポート１０３を画定する。図３を参照すると、例えばプラグのラッチがキャビティ１１１内に受容されてもよい。これは周知の接続機構であり、本明細書では詳細に説明しない。

プラグのフェルールを整列させるために、ハウジング１０１は第１ポート１０２及び第２ポート１０３間に配置された接合部１０４を具備する。接合部１０４は筒形状をなし、整列スリーブ１０７を受容する寸法に設定された通路１０５を画定する。接合部１０４は第１端１０４ａ及び第２端１０４ｂを有し、接合部１０４をハウジング１０１の残余部分に接続するよう作用するフランジ１１０を具備する。接合部１０４の第１端１０４ａは突条部１０６を具備する。

突条部１０６は２つの目的で機能する。第一に、整列スリーブ１０７が第１端１０４ａを通って接合部１０４から抜け出るのを阻止する停止部として作用する。第二に、突条部１０６は、整列スリーブ１０７内にプラグのフェルールを案内するよう作用する導入部１０６ａを具備する。導入部１０６ａの機能及び構成は当業界で周知であり、本明細書では詳細に説明しない。あえて言うなら、導入部は精度よく寸法が設定された円錐形状の表面であり、これら表面は、一端ではフェルールを「捕捉」するには十分に広く、他端では整列スリーブ１０７内にフェルールを導くには十分に狭くなければならない。

接合部１０４の第２端１０４ｂを参照すると、突条部１０６に類似する構造は現れていないことは明白である。逆に、突条部１０６よりむしろ、第２端１０４ｂは端キャップ１０８を受容するよう構成された環状凹部１０９を画定する。このため、環状凹部１０９に端キャップ１０８を配置する前に、接合部１０４の第２端１０４ｂは整列スリーブ１０７を受容するのに十分な開口を画定する。

整列スリーブ１０７は、各コネクタシステムの標準的なアダプタで使用されるのと同じ整列スリーブであることが好ましい。すなわち、本発明において整列スリーブ１０７の構成に特に必要な事項はないので、標準的な整列スリーブを本発明に使用することができる。このことは、在庫を必要性を低減しコストを低減するので、本発明の別の利点である。

整列スリーブ１０７は、端キャップ１０８により整合部１０４の孔内に保持される。図２を参照すると、端キャップ１０８の斜視図が示される。端キャップ１０８は、壁部２０１、導入部２０２、環状突部２０３及び突条部２０６を具備する。図１に戻ると、壁部２０１は環状凹部１０９内に受容されるよう構成される。導入部２０２は、上述した導入面１０６ａと同じ機能を提供する導入面２０２ａを具備する。実際、好適な一実施形態において、導入面２０２ａの形状は導入面１０６ａの形状と同じである。突条部２０６は内側に突出し、接合部１０４の通路１０５の直径を縮小することにより、整列スリーブ１０７を所定位置に保持する。従って、端キャップ１０８は整列スリーブを所定位置に保持するよう作用するのみならず、プラグのフェルールを整列スリーブ１０７内に案内する。

突部２０３の機能は、接合部１０４の第２端１０４ｂの一部と係合して端キャップ１０８を所定位置に固定することである。好適な一実施形態において、この相互係合は、整列スリーブ本体１０７及び端キャップ１０８が整合部１０４内に一旦配置されると、突部２０３上に第２端１０４ｂの一部を「圧延（rolling）」し又は変形することにより生ずる。第２端１０４ｂを圧延又は変形することにより、第２端１０４ｂの突起（図示せず）が突部２０３に被り、接合部１０４からの端キャップ１０８の抜去を防止する。

端キャップ１０８の周囲で接合部１０４を変形するのが好適であるが、本発明の別の実施形態も可能である。例えば、端キャップ１０８は、第２端１０４ｂの構造と係合する弾性部を有して端キャップ１０８を所定位置に保持してもよい。可能ではあるけれども、この方法は好適でない。というのは、導入面２０２ａの整列及び形状が重要であり、接合部１０４に端キャップを固定するのに要するいかなる変形も、端キャップよりむしろ導入面２０２ａより重要でない寸法を有する接合部１０４上で行われるのが好適であることが判明したからである。

好適な実施形態において、端キャップ１０８は頑丈で強度の高い材料で形成されるのが好適である。端キャップの周囲で変形する第２端１０４ｂの一部を有する力に耐えねばならないので、高強度の材料が好適である。適当な材料には、例えば鋼、アルミニウム、高強度ポリマ、及び補強ポリマ等の複合材料が挙げられる。好適には材料は鋼であり、より好適にはステンレス鋼である。ハウジング１０１は、ダイキャストすることができる任意の公知材料で形成されてもよい。適当な材料には、例えば鋼、亜鉛、アルミニウム、銅又は公知の合金が挙げられる。ダイキャスト成形での使用が一般的であり周知であるので、好適には材料は亜鉛である。

本発明のアダプタの構成は種々の用途に適し、多数の構成で形成することができる。図３を参照すると、アダプタは、上壁３０１、下壁３０２及び両側壁３０３ａ，３０３ｂを有する直方体であるのが好適である。（本明細書における上下は例示目的であり、本発明の範囲を限定することを意図したものではない。実際、本明細書で上壁３０１と称していたものが下側になるようにアダプタを反転してもよいことが予想される。）特定実施形態は、ＳＣコネクタ用の切欠きに嵌まるのに適する双方向ＬＣコネクタである。横壁強度が増大するので、本発明のアダプタは特にＳＣコネクタ用の切欠き用の双方向アダプタに適するが、本発明はそのような構成に限定されない。例えば、本発明は単方向アダプタ、双方向アダプタ、及び四重スモールフォームファクタアダプタで実施することができる。

図３に示されるように、アダプタ１００は、パネルの端面への接続を容易にするために各側面に耳３０４を具備する。これらの耳３０４は、アダプタ１００をパネル面板に固定する固定具を受容するために固定具孔３０５を画定する。このような耳３０４は当業界では周知である。

別の好適な実施形態において、アダプタ１００は、プラグの光軸に直交するハウジング１０１の周囲にわたって延びるフランジ（図示せず）を具備する。このような実施形態は、ＥＭＩを低減する目的のために好適である。特に、フランジは、パネル面板の切欠きの周囲とアダプタの壁との間の間隙を覆うよう作用する。好適な一実施形態において、フランジは、ハウジング１０１の端部１０１ｂでクリップと組み合わせて使用される。特にこのクリップは複数の弾性部材を有する。弾性部材は、アダプタ１００がパネル切欠き内に挿入されると内側に変形し、弾性部材の自由端がパネル切欠きの縁を一旦越えると外側に撥ねる。この結果、パネルはフランジ及びクリップの弾性部材間に挟まれ、アダプタをパネル内に保持する。このようなクリップ機構は当業界で公知である。

本発明によるアダプタの断面図である。 図１のアダプタに使用される端キャップの斜視図である。 図１のアダプタの斜視図である。

符号の説明

１０１ 金属製ハウジング
１０２ 第１ポート
１０３ 第２ポート
１０４ 接合部
１０４ａ 第１端
１０４ｂ 第２端
１０５ 通路
１０６ 突条部
１０７ 整列スリーブ
１０８ 端キャップ
１０９ 環状凹部
２０１ 壁部
２０２ 突条部

Claims (3)

1. ２個のプラグを嵌合させるアダプタであって、第２ポート（１０３）と軸方向に整列した第１ポート（１０２）を画定する金属製ハウジング（１０１）を具備し、前記ポート（１０２，１０３）の各々は、筒状フェルールを有する各光コネクタプラグを受容するよう構成され、前記ポート（１０２，１０３）間に設けられた接合部（１０４）が、前記第１ポートに隣接する第１端（１０４ａ）及び前記第２ポート（１０３）に隣接する第２端（１０４ｂ）を有し、前記接合部（１０４）は、前記ポート（１０２，１０３）間に軸方向の筒状通路（１０５）を画定し、前記接合部（１０４）の第１端（１０４ａ）は内側に延びる突条部（１０６）を有することにより、前記第１端（１０４ａ）における前記通路（１０５）の直径を制限し、前記通路（１０５）内に整列スリーブ（１０７）が配置され、該整列スリーブは、前記フェルール内に収容されるファイバを光結合するために、前記光コネクタプラグの各々の前記フェルールを受容し該フェルールを軸方向に整列させるのに適する内径を有するアダプタにおいて、
   前記接合部（１０４）は前記金属製ハウジング（１０１）と一体成形され、
   前記接合部の前記第２端（１０４ｂ）に端キャップ（１０８）が固定され、
   該端キャップは、内側に延びて前記第２端（１０４ｂ）で前記通路（１０５）の直径を制限する突条部（２０２）を有することにより、前記整列スリーブ（１０７）を前記通路（１０５）内に固定することを特徴とするアダプタ。
2. 前記接合部（１０４）は筒状をなし、外表面及び内表面を画定し、
   前記通路（１０５）は前記内表面により画定され、
   前記内表面及び前記第２端（１０４ｂ）は環状凹部（１０９）を画定して前記端キャップ（１０８）の壁部（２０１）を受容することを特徴とする請求項１記載のアダプタ。
3. 前記接合部（１０４）の前記第２端（１０４ｂ）の一部は内側に突出して前記端キャップ（１０８）を保持することを特徴とする請求項２記載のアダプタ。

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