JP3120005B2 - 鍛造による金属形材の造形方法 - Google Patents

鍛造による金属形材の造形方法

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JP3120005B2
JP3120005B2 JP22847394A JP22847394A JP3120005B2 JP 3120005 B2 JP3120005 B2 JP 3120005B2 JP 22847394 A JP22847394 A JP 22847394A JP 22847394 A JP22847394 A JP 22847394A JP 3120005 B2 JP3120005 B2 JP 3120005B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、鍛造による金属形材
の造形方法に関する。
【0002】この発明は、鋼、アルミニウム合金、銅合
金その他の金属材料よりなるH形材、軌条などを金属形
材の粗造形または中間造形に利用される。
【0003】
【従来の技術】従来、金属形材たとえば形鋼の粗圧延で
は、長方形断面の素材から、複数のカリバーを有する水
平ロール対を持つ、1台の圧延機で、複数パスのリバー
ス圧延により、断面長辺側の長さ(ウェブ高さ)を圧下
し、短辺側の長さ(フランジ幅)を広げ、短辺側中央部
の厚さ(ウェブ厚み)を圧下する加工をしている。
【0004】鍛造による金属粗形片の製造方法として、
特開昭56−1236号公報には、長方形断面の素材を
垂直方向と水平方向から同時に圧下する方法が開示され
ている。この加工により、素材厚みにより大きなフラン
ジ幅の粗形鋼片を得ることができる。また、第118回
日本鉄鋼協会講演大会Vol.2(1989)、1571頁
に開示されているように長方形断面の素材の長辺側を上
下の金敷により拘束し、短辺側を左右の金敷で所定の寸
法まで圧下して、素材厚よりも大きなフランジ幅を製造
する鍛造加工法が開示されている。
【0005】さらに、熱延板を製造する際、スラブの幅
を圧下する方法として、特開平2−52104号公報に
はスラブ短辺側を左右の金型により圧下と送りを同時に
作用させて加工する方法が示されている。また、特開昭
60−127002号公報には、スラブ短辺側に左右の
金型により圧下する方法が示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の金属形材の粗圧
延による方法で、各種製品サイズに応じて多数のウェブ
高さ、フランジ幅を粗造形するには、一般に、素材断面
として、長辺長さが10種類以上、粗造形の圧延パス数
も20前後必要であり、素材集約と圧延能率の点から効
率的ではない。鍛造による粗形鋼片の製造方法として、
特開昭56−1236号公報に開示されている方法で
は、ウェブ高さとウェブ厚を所定の寸法にした場合、フ
ランジ幅はほぼ一定の値に限定され、各種の製品サイズ
に対応する粗造形鋼片の各種のフランジ幅をサイズフリ
ーに製造することは困難である。また、第118回日本
鉄鋼協会講演大会Vol.2(1989)、1571頁に開
示されている方法で、鍛造により、ウェブ高さを所定の
寸法に圧下した場合も、同様に、各種のフランジ幅をサ
イズフリーに製造することは困難である。さらに、特開
平2−52104号公報あるいは特開昭60−1270
02号公報にあるように、鍛造により熱延板の幅方向の
圧下と材料送りを同時に作用させて、あるいは圧延によ
り幅方向の圧下を作用させて、熱延板を所定のスラブ幅
寸法に圧下した場合、幅広がり(ドッグボーンとよぶ)
形状はほぼ一定の寸法になる。
【0007】すなわち、従来の形鋼の粗圧延法、鍛造に
よる形鋼の粗加工法、あるいは熱延板のスラブ幅圧下法
では、長方形断面の素材から粗造形工程におけるウェブ
高さ、およびフランジ幅を数パス以下で効率的にサイズ
フリーに製造することは困難である。
【0008】この発明は、1〜数パスで、所定のウェブ
厚さおよびウェブ高さに対し、フランジ幅の大きい大形
H形材や軌条を粗造形あるいは中間造形加工することが
でき、またフランジ幅の調整範囲が大きな金属形材をサ
イズフリーに加工することができる鍛造による金属形材
の造形方法を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明の鍛造による金
属形材の造形方法は、四角形断面の素材をパスラインに
沿って送りながら、上下に対向する上下ダイスおよび左
右に対向する左右ダイスで素材を圧下する鍛造により、
ウエブおよびフランジからなる金属形材を造形する方法
において、パスラインに平行な垂直面内で一定の閉曲線
を描くように上下ダイスを周期的に駆動するとともに、
水平面内で一定の閉曲線を描くように左右ダイスを周期
的に駆動し、素材および鍛造後の金属形材の形状および
寸法に基づいて、ウエブ厚を上下ダイスの圧下率で調整
し、ウエブ高さを左右ダイスの圧下率で調整し、フラン
ジ幅を複数パスのうちの前半パスでダイス作業面の上下
方向の中心にパスライン方向に沿って延びる凸部をもつ
左右ダイスを用いて上下ダイスと左右ダイスの圧下率で
調整し、さらに後半パスでダイス作業面がフラットな左
右ダイスを用いて上下ダイスと左右ダイスの圧下率で調
整するとともにフランジ外側形状を成形する。
【0010】上下ダイスおよび左右ダイスが描く閉曲線
は、それぞれ圧下方向および材料送り方向の運動成分を
含んでいる。これら閉曲線の形状は、ダイス駆動1周期
での圧下率、送り量、およダイス駆動周期を考慮して、
理論的にあるいは実験によって決める。上下ダイスおよ
び左右ダイスの圧下率は、素材および鍛造後の金属形材
の形状、寸法によって決める。上下ダイス駆動周期と左
右ダイス駆動周期は同じであってもよく、あるいは異な
っていてもよい。
【0011】上下ダイスおよび左右ダイスを一定の閉曲
線を描くように駆動するには、偏心軸、偏心カム、ある
いはリンク機構などを組み合わせたダイス駆動装置を電
動モータ、油圧または空気圧アクチュエータで駆動す
る。
【0012】パスの前半での圧下率は、パス全体の圧下
率の10〜75%程度である。左右ダイスの凸部の垂直
方向の寸法(幅)は素材高さに対し0.75以下が、ま
た水平方向の寸法(突出高さ)は上記幅に対し0.35
以下が適当である。さらに、突部の底部の幅に対する頂
部の幅の比は、0.5以下が適当である。
【0013】上記金属形材の造形方法において、前記前
パスおよび後半パスの各パスで、素材および鍛造後の
金属形材の形状および寸法に基づいて、フランジ幅を
下ダイスのパスライン方向の速度と左右ダイスのパスラ
イン方向の速度との速度差により調整するようにしても
よい。
【0014】上下ダイスのパスライン方向の速度(材料
送り速度)と左右ダイスのパスライン方向の速度(材料
送り速度)との速度差を調整するには、上下ダイス駆動
周期と左右ダイス駆動周期とが等しい場合、ダイス駆動
1周期当たりの送り量(以下、送り変位振幅という)を
互いに独立して調整する。送り変位振幅が等しい場合、
上下ダイス駆動周期と左右ダイス駆動周期とを互いに独
立して調整する。
【0015】材料を複数パスで造形する場合、パスごと
に上下ダイスおよび左右ダイスが描く閉曲線を設定す
る。このとき必要に応じて、上下ダイス駆動周期および
左右ダイス駆動周期も設定する。
【0016】上下ダイスと左右ダイスとの速度差を調整
するには、 材料送り速度調整装置により上下ダイスあるいは左
右ダイスの減速機の減速比を調整する、 偏心カムの切替え機構によりカムの形状を切り替え
る、 材料送り用モータを上下ダイスと左右ダイスで別々
に設置して、回転数を相対的に変化して調整する、 などによる。
【0017】
【作用】この発明では、上下ダイスおよび左右ダイスに
より、四角形断面の材料は、垂直および水平方向から鍛
造加工され、所要形状の金属形材に造形される。材料
は、ダイスの動きにより垂直方向および水平方向から同
時に周期的に連続して鍛造され、かつ、ダイスの送り方
向の動きにより材料の長手方向に周期的に連続して送ら
れる。その際、左右ダイスの間隙を調整することにより
ウェブ高さが調整され、上下ダイスの間隙を調整するこ
とによりウェブ厚さが調整される。
【0018】左右ダイスの圧下により、フランジ部の材
料は左右ダイスと上下ダイスとの間隙に沿って上下に伸
びる。上下ダイスの圧下によってもフランジは上下に伸
びるが、左右ダイスによる伸びよりも小さい。
【0019】特に前半のパスでは、フランジ外側形状の
成形上の制約は少ないので、上下方向の中心にダイス作
業面に凸部を持つ左右ダイスを用いることができる。そ
の場合、ダイス面がフラットな左右ダイスを用いた場合
に比較して、凸部によりフランジの上下方向中心部の材
料が排除されるため、フランジ幅が大きくなる。また、
後半のパス(少なくとも最終パス)では、フランジ外側
形状を成形する必要があるため、ダイス作業面がフラッ
トな左右ダイスを用いる必要がある。前半のパスで凸部
を持つ左右ダイスにより加工した材料を、後半のパスで
フラットな左右ダイスで加工すると、前半のパスでフラ
ットな左右ダイスで加工した材料を、後半のパスでフラ
ットな左右ダイスで加工する場合に比較して、前半パス
出側のフランジ幅が大きいことにより、後半パス出側の
フランジ幅は大きくなる。
【0020】この結果、1〜数パスで、所定のウェブ厚
さ、ウェブ高さに対してフランジ幅の大きい大形H形材
の粗造形あるいは中間造形加工ができ、またフランジ幅
の調整範囲が大きな金属形材をサイズフリーに加工する
ことが可能となる。
【0021】上下ダイスと左右ダイスの材料送り速度の
差(相対速度)を調整した場合、フランジ幅は更に大き
く調整される。そのメカニズムは次の通りである。
【0022】上下ダイスの材料送り速度が左右ダイスの
材料送り速度より大きい場合は、上下ダイスおよび左右
ダイスの材料送り速度が等しい場合に比較して、フラン
ジに作用する材料進行方向応力が引張側に増加し、フラ
ンジ幅は減少する。反対に、上下ダイスの材料送り速度
が左右ダイスの材料送り速度より小さい場合は、上下ダ
イスおよび左右ダイスの材料送り速度が等しい時に比較
して、フランジに作用する材料進行方向応力が圧縮側に
増加し、フランジ幅は増加する。これにより、左右ダイ
スの圧下率が一定、すなわちウェブ高さが一定で、かつ
上下ダイスの圧下率が一定、すなわちウェブ厚さが一定
の場合でも、上下ダイスと左右ダイスの材料送りの相対
速度の調整により、フランジ幅が調整される。
【0023】
【実施例】金属形材がH形鋼片である場合を例として、
この発明の実施例を説明する。
【0024】図1および図2は、この発明の造形方法を
実施する形鋼鍛造装置の一例を示すもので、図1は上記
鍛造装置の正面図、および図2は側面図である。
【0025】形鋼鍛造装置は、主としてハウジング1
0、ダイス保持装置20、ダイス40およびダイス駆動
装置50とからなっている。
【0026】ハウジング10は、全体として箱形に構成
されている。すなわち、ハウジング10は四角形フレー
ム状の架台11の4隅にそれぞれ支柱12が設けられて
いる。4本の支柱12は頂部に頂部フレーム14が取り
付けられており、また上側中間フレーム15および下側
中間フレーム16が上下に間隔をおいて取り付けられて
いる。
【0027】ダイス保持装置20は、上ダイス保持装置
21、下ダイス保持装置、左ダイス保持装置31および
右ダイス保持装置とからなっている。下ダイス保持装置
は、上ダイス保持装置21と同様に構成され、作用す
る。また、右ダイス保持装置も左ダイス保持装置31と
同様に構成され、作用する。したがって以下、上ダイス
保持装置21について説明し、下ダイス保持装置は図面
で上ダイス保持装置21と同一の参照符号を付け、その
説明は省略する。同様に、左ダイス保持装置31につい
て説明し、右ダイス保持装置は図面で左ダイス保持装置
31と同一の参照符号を付け、その説明は省略する。
【0028】上ダイス保持装置21は上側中間フレーム
15の上面に、下ダイス保持装置21は下側中間フレー
ム16の上面にそれぞれ支持されている。また、左ダイ
ス保持装置31および右ダイス保持装置31は、上側中
間フレーム15と下側中間フレーム16上の支持ビーム
17とによりそれぞれ支持されている。
【0029】上ダイス保持装置21は、上ダイス送り案
内板22がパスラインP(図6参照)の方向に沿って水
平に延びており、またパスラインPの両側にあって互い
に向かい合い、対となっている。上ダイス送りブロック
23の案内溝24が上ダイス送り案内板22にはめ合っ
ており、上ダイス送りブロック23はパスラインPの方
向に沿って進退可能である。上ダイス送りブロック23
には、後述の上ダイス送り偏心機構91が上ダイス送り
アーム93を介して連結されている。上ダイス送りブロ
ック23に設けられた案内穴25に、円筒状の上ダイス
圧下ブロック26が上下動可能にはめ合っている。上ダ
イス圧下ブロック26の先端部(下端部)に上ダイス保
持部材28が取り付けられており、後端部に後述の上ダ
イス圧下偏心機構95が上ダイス圧下アーム97を介し
て連結されている。また、上ダイス41が上ダイス保持
部材28の下端に着脱可能に取り付けられている。
【0030】上側中間フレーム15の下面および支持フ
レーム17の上面にそれぞれ、左ダイス送り案内板32
が固定されている。左ダイス送り案内板32は、パスラ
インPの方向に沿って水平に延びており、またパスライ
ンPの両側にあって互いに向かい合い、対となってい
る。左ダイス送りブロック33の溝部34が左ダイス送
り案内板32にはめ合っており、左ダイス送りブロック
33はパスラインPの方向に沿って進退可能である。左
ダイス送りブロック33には、後述の左ダイス送り偏心
機構137が連結されている。左ダイス送りブロック3
3に設けられた案内穴35に、円筒状の左ダイス圧下ブ
ロック36がパスラインPに対し直角方向に進退可能に
はめ合っている。左ダイス圧下ブロック36の先端部
(右端部)に左ダイス保持部材38が取り付けられてお
り、後端部に後述の左ダイス圧下偏心機構141が左ダ
イス圧下アーム143を介して連結されている。左ダイ
ス45が、左ダイス保持部材38の先端に着脱可能に取
り付けられている。
【0031】図3〜図5は、H形鋼の造形においてパス
の前半で用いられるダイス40を示している。ダイス4
0は、上ダイス、下ダイス、左ダイス、および右ダイス
からなっている。上、下ダイス41のダイス作業面42
はダイス幅方向の中央部が高くなっており、また材料進
行方向にダイス間隙が減少するように勾配がつけられて
いる。左、右ダイス45のダイス作業面46に凸部47
が設けられており、また材料進行方向にダイス間隙が減
少するように勾配がつけられている。凸部47は、ダイ
ス作業面46の上下方向の中心に沿ってパスライン方向
に延びている。左、右ダイス45のダイス作業面46
は、上、下ダイス41のダイス作業面42よりも材料入
り口側(上流側)に長く延びている。したがって、材料
が進行するにつれて圧下率が増加し、初め左、右ダイス
45のみで長方形断面に造形され、造形途中で上下ダイ
ス41と左右ダイス46との両者により造形される。
【0032】パスの後半で用いられるダイスは、図3お
よび図4に示す左右ダイスで凸部がない、ダイス作業面
がフラットなダイスである。したがって、パスの後半で
用いられるダイスで形成されるカリバーの断面形状は前
半が長方形で、後半がH形となっている。材料が進行す
るにつれて圧下率が増加し、初め左、右ダイスのみで長
方形断面に造形され、造形途中で上下ダイスと左右ダイ
スとの両者によりH形に造形される。なお、この実施例
ではダイスが形成するカリバーの断面はH形であるが、
製品の形状および寸法に対応したカリバー形状とする。
この発明の方法によれば、ウェブ高さ、ウェブ厚さおよ
びフランジ幅をサイズフリーに粗造形できるが、鍛造造
形装置で粗造形したのち、後段の圧延で所定の製品形状
を製造するためには、粗造形における所定のフランジ厚
さを確保する必要がある。したがって、種々のサイズの
幅を持った上下ダイスが必要となる。このような場合に
対応するには、ウェブ高さのある範囲ごとに、上下ダイ
スの幅、すなわち図4の上下ダイス41の寸法bを変更
すればよい。
【0033】図1、図2および図6に基づいて、ダイス
駆動装置50について説明する。なお、ダイス駆動装置
50で、下ダイス送り装置および下ダイス圧下装置の装
置・部材は、上ダイスのものと同じである。したがっ
て、下ダイス送り装置および下ダイス圧下装置の装置・
部材については、上ダイスのものと同一の参照符号を付
け、その説明は省略する。同様に、右ダイス送り装置お
よび右ダイス圧下装置についての説明も省略する。
【0034】無段変速機付きのモータ51が、ハウジン
グ10の架台11に固定されている。上下ダイス原動ベ
ルト車61および左右ダイス原動マイタ歯車101が、
モータ51の出力軸52に取り付けられている。一方、
上下ダイス原動軸62が、ハウジング10の支柱12に
軸受63を介してモータ出力軸52に平行に取り付けら
れている。また、左右ダイス原動軸102が、ハウジン
グ10の支柱12に軸受103を介してモータ出力軸5
2に直角に取り付けられている。上下ダイス原動軸62
に上下ダイス従動ベルト車65、上ダイス原動歯車6
7、および下ダイス原動ベルト車68が取り付けられて
いる。前記上下ダイス原動ベルト車61と上下ダイス従
動ベルト車65との間に、タイミングベルト66が懸け
渡されている。
【0035】ダイス駆動装置50は、上下ダイス駆動装
置60および左右ダイス駆動装置100を備えている。
まず、上下ダイス駆動装置60について説明する。
【0036】上ダイス原動軸70が、ハウジング10の
支柱12に軸受71を介してモータ出力軸52に平行に
取り付けられている。上ダイス原動歯車67にかみ合う
上ダイス従動歯車73および上ダイス原動ベルト車74
が、上ダイス原動軸70に固着されている。上ダイス従
動軸76が、軸受77を介してハウジング10の頂部フ
レーム14に取り付けられている。上ダイス従動ベルト
車78、および上ダイス送り原動ベルト車80が、上ダ
イス従動軸76に固着されている。
【0037】上ダイス原動ベルト車74と上ダイス従動
ベルト車78との間に、タイミングベルト79が懸け渡
されている。上ダイス中間軸82がハウジング10の頂
部フレーム14に軸受83を介して取り付けられてい
る。上ダイス中間軸82に上ダイス送り従動ベルト車8
4および上ダイス送り原動マイタ歯車86が固着されて
いる。上ダイス送り原動ベルト車80と上ダイス送り従
動ベルト車84との間に、タイミングベルト85が懸け
渡されている。上ダイス送り駆動軸88がハウジング1
0に軸受89を介して垂直に支持されている。上ダイス
送り駆動軸88に上ダイス送り従動マイタ歯車90およ
び上ダイス送り偏心機構91が設けられている。上ダイ
ス送り偏心機構91は偏心カム(図示しない)を備えて
いる。偏心カムの形状は、圧下と送りにより材料を加工
する際に、ダイス入口側より出口側で送り速度が大きく
なるように、指数曲線にしてある。これにより、圧延加
工と同様に、ダイスと材料接触領域における材料送り方
向のダイス速度と材料速度の差を小さくして、滑りを減
らすことにより摩擦力を減らして滑らかな加工が可能に
なっている。上ダイス送り従動マイタ歯車90は上記上
ダイス送り原動マイタ歯車86にかみ合っている。上ダ
イス送り偏心機構91には上ダイス送りアーム93が連
結されており、上ダイス送りアーム93は前記上ダイス
送りブロック23が連結されている(図7参照)。
【0038】上ダイス圧下偏心機構95が、上ダイス従
動軸76に固着されている。上ダイス圧下偏心機構95
は、偏心リング(図示しない)を備えている。上記上ダ
イス圧下偏心機構95には上ダイス圧下アーム97が連
結されており、上ダイス圧下アーム97の下端は、前記
上ダイス圧下ブロック26が連結されている。
【0039】なお、上ダイス41側の上ダイス従動軸7
6と同様の下ダイス従動軸76が架台11に軸受77を
介して取り付けられている。下ダイス従動ベルト車78
が下ダイス従動軸76に取り付けられている。前記上下
ダイス原動軸62に固着された下ダイス原動ベルト車6
8と下ダイス従動ベルト車78との間に、タイミングベ
ルト79が懸け渡されている。
【0040】つぎに、左右ダイス駆動装置100につい
て説明する。
【0041】ハウジング10の支柱12に軸受103を
介して支持された前記左右ダイス原動軸102の上端
に、左右ダイス従動マイタ歯車104が、下端に左右ダ
イス原動ベルト車105がそれぞれ取り付けられてい
る。左右ダイス従動マイタ歯車104は、前記左右ダイ
ス原動マイタ歯車101にかみ合っている。また、左右
ダイス従動軸107が、ハウジング10の支柱12に軸
受(図示しない)を介して左右ダイス原動軸102に平
行に取り付けられている。左右ダイス従動軸107の下
端部に左右ダイス従動ベルト車110が、また上端部に
左ダイス原動歯車112がそれぞれ固着されている。左
右ダイス原動ベルト車105と左右ダイス従動ベルト車
110との間に、タイミングベルト111が懸け渡され
ている。
【0042】左ダイス原動軸115が、ハウジング10
の支柱12に軸受(図示しない)を介して左右ダイス原
動軸102に平行に取り付けられている。左ダイス原動
軸115の上端部に左ダイス従動歯車118が、また下
端部に左ダイス原動ベルト車119がそれぞれ固着され
ている。左ダイス従動歯車118は、上記左ダイス原動
歯車112にかみ合っている。左ダイス従動軸121
が、ハウジング10の支柱12に軸受122を介して左
右ダイス原動軸102に平行に取り付けられている。左
ダイス従動軸121の下端部に左ダイス従動ベルト車1
23が、中間部に左ダイス送り原動ベルト車125がそ
れぞれ取り付けられている。また、左ダイス中間軸12
6が、ハウジング10の支柱12に軸受127を介して
左右ダイス原動軸102に平行に取り付けられている。
【0043】左ダイス中間軸126に左ダイス送り従動
ベルト車128および左ダイス送り原動マイタ歯車13
0が固着されている。左ダイス送り原動ベルト車125
と左ダイス送り従動ベルト車128との間に、タイミン
グベルト129が懸け渡されている。左ダイス送り駆動
軸132がハウジング10に軸受(図示しない)を介し
て垂直に支持されている。左ダイス送り駆動軸132に
左ダイス送り従動マイタ歯車135および左ダイス送り
偏心機構137が設けられている。左ダイス送り偏心機
構137は偏心カム(図示しない)を備えている。上ダ
イス送り偏心機構91と同様に偏心カムの形状を指数曲
線とし、滑らかに加工できるようにしている。左ダイス
送り従動マイタ歯車135は上記左ダイス原動マイタ歯
車130にかみ合っている。左ダイス送り偏心機構13
7には左ダイス送りアーム139が連結されており、左
ダイス送りアーム139は前記左ダイス送りブロック3
3が連結されている。
【0044】左ダイス従動軸121の上端部に左ダイス
圧下偏心機構141が取り付けられている。左ダイス圧
下偏心機構141は、偏心リング(図示しない)を備え
ている。左ダイス圧下偏心機構141には左ダイス圧下
アーム143が連結されており、左ダイス圧下アーム1
43の先端に、前記左ダイス圧下ブロック36が連結さ
れている。
【0045】なお、前記左右ダイス従動軸107の中間
部に、右ダイス原動ベルト車113が固着されている。
右ダイス従動ベルト車123が、右ダイス従動軸121
に取り付けられている。上記右ダイス原動ベルト車11
3と右ダイス従動ベルト車123との間に、タイミング
ベルト124が懸け渡されている。
【0046】上記のように構成された形鋼鍛造装置によ
りH形鋼を鍛造粗造形する方法を、図6を参照して説明
する。
【0047】長方形断面の素材1の寸法および造形する
製品(H形鋼)3の寸法に基づいて、上、下ダイス41
および左、右ダイス46の送り変位振幅、ダイス駆動1
周期当りの圧下量およびダイス駆動周期をあらかじめ設
定する。送り変位振幅は、上下および左右ダイス送り偏
心機構91、137の偏心カムの形状により調整する。
偏心カムは複数の形状のものを準備しておき、送り変位
振幅に応じて適当なものを選択する。ダイス駆動1周期
当りの圧下量は、上下および左右ダイス圧下偏心機構9
5、141の偏心リングの偏心量により調整する。ダイ
ス駆動周期は、ダイス駆動装置50の歯車伝動装置ある
いはベルト伝動装置の減速比により調整する。この実施
例では、上下ダイス送り偏心機構91の偏心カムの形状
と左右ダイス送り偏心機構137の偏心カムの形状とを
適当に選択して、上下ダイス41の送り速度と左右ダイ
ス45の送り速度との間の速度差を調整している。
【0048】モータ51を駆動すると、上下ダイス原動
ベルト車61および同従動ベルト車65、上ダイス原動
歯車67および同従動歯車73、ならびに上ダイス原動
ベルト車74および同従動ベルト車78を介して上ダイ
ス従動軸76が回転する。上ダイス従動軸76の回転に
より、上ダイス送り原動ベルト車74および同従動ベル
ト車78、ならびに上ダイス送り原動マイタ歯車86お
よび同従動マイタ歯車90を介して上ダイス送り偏心機
構91が駆動される。上ダイス送り偏心機構91の駆動
により、上ダイス41が送り方向に往復動する。また、
上ダイス圧下偏心機構95が駆動され、上ダイス41が
上下動する。上ダイス41の送り方向の往復動と上下動
とにより、上ダイス41は閉曲線を描くように運動す
る。一方、下ダイス原動ベルト車68および同従動ベル
ト車78を介して下ダイス従動軸76が回転駆動され
る。これにより、上ダイス41と同様にして、下ダイス
45がダイス送り方向に往復動するとともに、上下動
し、上ダイス41と同じ閉曲線を描くように運動する。
【0049】モータ51の駆動により、左右ダイス原動
マイタ歯車101および同従動マイタ歯車104、左右
ダイス原動ベルト車105および同従動ベルト車110
を介して左右ダイス従動軸107が回転する。そして、
上、下ダイス41と同様に左、右ダイス45が閉曲線を
描くように運動する。上、下ダイス41および左、右ダ
イス45は1台のモータ51で、上下ダイス駆動装置6
0および左右ダイス駆動装置100により駆動されるの
で、すべてのダイス41、45は同調して所定の閉曲線
を描くように運動する。
【0050】運動する上、下ダイス41、および左、右
ダイス45が形成するカリバーに、長方形断面の素材1
がローラテーブル145により供給される。素材1は
上、下ダイス41および左右ダイス45で送られなが
ら、繰り返し圧下され、H形形状に造形される。
【0051】2パス以上で造形する場合、H形に成形さ
れカリバーを通過した材料3をローラテーブル145で
後退させる。また、上、下ダイス41および左、右ダイ
ス45の送り量および圧下量を設定しなおす。そして、
上、下ダイス41、および左、右ダイス45が形成する
カリバーに、前パスでH形に成形した材料3をローラテ
ーブル145で送り込み、鍛造造形する。
【0052】図1の鍛造装置を用いた形鋼粗造形工程に
おける鍛造加工例を説明する。
【0053】表1に鍛造条件を示す。入側材料温度11
00℃で、幅1200mm×厚さ250mm×長さ1000
0mmの熱間鋼の素材から2パスでウェブ厚さ110mm、
ウェブ高さ650〜865mmに圧下して、所定のウェブ
厚さ、ウェブ高さ、フランジ幅に加工した。圧下振幅
は、上下ダイスで±33mm、左右ダイスで±16.5mm
である。送り変位振幅は、上下ダイス、左右ダイスとも
±16.5〜49.5mmである。 鍛造の際の上下ダイ
スおよび左右ダイスの変位の周波数は1.63Hzであ
る。
【0054】
【表1】
【0055】図8に実施例の上下ダイスの圧下振幅±3
3mmと送り変位振幅±16.5mmの場合の上下ダイスの
2次元の変位の軌跡を示す。左右ダイスの変位の軌跡は
圧下変位が上下ダイスの1/2になる以外は同様であ
る。図中の角度は、偏心軸の回転角度である。
【0056】図9に実施例の上下ダイスの圧下振幅±3
3mmと送り変位振幅±49.5mmの場合の上下ダイスの
2次元の変位の軌跡を示す。なお、左右ダイスの変位の
軌跡は圧下変位が上下ダイスの1/2になる以外は同様
である。図中の角度は、偏心軸の回転角度である。
【0057】それぞれの場合について、この発明の効果
を把握するために、この実施例では幅の異なる3種類の
上下ダイスを使用した。
【0058】粗造形に必要なパス数は、1〜数パスであ
る。1パスの場合、造形可能であるが、鍛造荷重が大き
くなり、大規模の鍛造設備が必要となる。また、3パス
以上の多パスにした場合、負荷は小さくなり、小規模の
鍛造設備で加工できるが、生産能率が低下する。
【0059】したがって、この実施例では、生産能率と
設備規模が適切な2パスで所定の形状を造形する例につ
いて、以下に説明する。
【0060】ウェブ厚さ圧下率は、第1パスでは17
%、第2パスでは40%、全圧下率は50%で加工し
た。この実施例では、幅の異なる3種類の上下ダイスを
用いた。ウェブ高さ圧下率は、ダイスの幅に応じて以下
の3水準条件とした。
【0061】(1)幅b=364 mm (図4のb)の上
下ダイスを用いた場合、ウェブ高さ圧下率は第1パスで
24%、第2パスで33%、全圧下率は49%である。 (2)幅b=466 mm の上下ダイスを用いた場合、ウ
エブ高さ圧下率は第1パスで22%、第2パスで29
%、全圧下率は45%である。 (3)幅b=586 mm の上下ダイスを用いた場合、ウ
エブ高さ圧下率は第1パスで17%、第2パスで23
%、全圧下率は36%である。 1種類の幅の凸型の上下ダイスに対し、第1パスではフ
ラットなおよび凸部をもった2種類の左右ダイス、第2
パスではフラットな1種類の左右ダイスを使用した。上
下ダイス、左右ダイスの送り変位振幅は、第1パスで
は、±16.5mmである。第2パスでは、±16.5〜
49.5mmの範囲で調整して、上下ダイスにより圧下さ
れるウェブと左右ダイスで圧下されるフランジの間で相
互に作用する応力を調整することにより、フランジ幅を
制御した。
【0062】図10に材料断面形状を示す。図10
(a)に素材断面形状を示す。素材幅B0 は1350 m
m 、素材高さH0 は250 mm である。図10(b)に
幅b=364 mm の凸型の上下ダイスとフラットな左右
ダイスを用いて、ウェブ高さBw11020mmに鍛造した
場合の第1パス出側の材料断面形状を示す。フランジ幅
さBf1は280 mm であり、ウエブ厚tw1は210 mm
である。図10(c)に凸型の上下ダイスと凸部を持つ
左右ダイスを用いて、ウェブ高さBw11010mmに鍛造
した場合の第1パス出側の材料断面形状である。フラン
ジ幅Bf1は360 mm であり、ウエブ厚tw1は210 m
m である。図10(d)に図10(b)の断面の材料を
素材として凸型の上下ダイスとフラットな左右ダイスを
用いて、ウェブ高さBw2680mmに鍛造した場合の第2
パス出側の材料断面形状を示す。フランジ幅Bf2は40
0 mm であり、ウエブ厚tw2は100 mm である。図1
0(e)に図10(c)の断面の材料を素材として凸型
の上下ダイスとフラットな左右ダイスを用いて、ウェブ
高さBw2680mmに鍛造した場合の第2パス出側の材料
断面形状を示す。フランジ幅Bf2は470 mm であり、
ウエブ厚tw2は140 mm である。図10(b)と図1
0(c)とを比較すると、凸部を持つ左右ダイスを使用
すると、フラットな左右ダイスを使用する場合に比べて
フランジ幅が拡大しているのがわかる。2パス目では左
右ダイス形状をフラットにすることにより外形形状がフ
ラットに整形された粗形鋼片が得られる。
【0063】図11に、幅b=364mm、466 mm 、
586 mm の凸型の上下ダイスと、フラットなおよび凸
部を持つ左右ダイスを用いて、表1に示した条件で鍛造
した場合の第1,第2パス出側のウェブ高さとフランジ
幅の関係を示す。
【0064】幅b=364 mm の凸型の上下ダイスを用
いた場合の関係は、以下の通りである。 (1)フラットな左右ダイスを用い、上下ダイスと左右
ダイスの送り変位振幅が等しく、±16.5mmの場合、
第1パス出側のウェブ厚さは210mm、ウェブ高さは1
020mm、フランジ幅は280mmである。 (2)凸部を持つ左右ダイスを用い、上下ダイスと左右
ダイスの送り変位振幅が等しく、±16.5mmの場合、
第1パス出側のウェブ厚さは210mm、ウェブ高さは1
010mm、フランジ幅は360mmである。 (1)、(2)の結果から、凸部を持つ左右ダイスを用
いた場合、フラットな左右ダイスを用いた場合に比較し
て、フランジ幅を大きくできることがわかる。
【0065】(3)第1パス、第2パスいずれもフラッ
トな左右ダイスを用いる場合は以下の通りである。 第1パス、第2パスの上下ダイスと左右ダイスの送
り変位振幅が等しく、±16.5mmの場合、第2パス出
側のウェブ厚さは100mm、ウェブ高さは680mm、フ
ランジ幅は400mmである。 第1パス、第2パスの上下ダイスの送り速度が左右
ダイスの送り速度より大きく、各々の送り変位振幅が±
49.5mm、±16.5mmの場合、第2パス出側のウェ
ブ厚さは125mm、ウェブ高さは670mm、フランジ幅
は360mmである。フランジに作用する材料進行方向応
力は、上下ダイスと左右ダイスの送り速度が等しい場合
に比較して、引張側に増加し、フランジ幅は40mm減少
する。 第1パス、第2パスの上下ダイスの送り速度が左右
ダイスの送り速度より小さく、各々の送り変位振幅が±
16.5mm,±49.5mmの場合、第2パス出側のウェ
ブ厚さは125mm、ウェブ高さは670mm、フランジ幅
は440mmである。フランジに作用する材料進行方向応
力は、上下ダイスと左右ダイスの送り速度が等しい場合
に比較して、圧縮側に増加し、フランジ幅は40mm増加
する。
【0066】(4)第1パスで凸部を持つカリバー、第
2パスでフラットな左右ダイスを用いる場合は以下の通
りである。 第1パス、第2パスの上下ダイスと左右ダイスの送
り変位振幅が等しく、±16.5mmの場合、第2パス出
側のウェブ厚さは110mm、ウェブ高さは680mm、フ
ランジ幅は470mmである。 第1パス、第2パスの上下ダイスの送り速度が左右
ダイスの送り速度より大きく、各々の送り変位振幅が±
49.5mm,±16.5mmの場合、第2パス出側のウェ
ブ厚さは110mm、ウェブ高さは690mm、フランジ幅
は420mmである。フランジに作用する材料進行方向応
力は、上下ダイスと左右ダイスの送り速度が等しい場合
に比較して、引張側に増加し、フランジ幅は50mm減少
する。 第1パス、第2パスの上下ダイスの送り速度が左右
ダイスの送り速度より小さく、各々の送り変位振幅が±
16.5mm,±49.5mmの場合、第2パス出側のウェ
ブ厚さは100mm、ウェブ高さは670mm、フランジ幅
は520mmである。フランジに作用する材料進行方向応
力は、上下ダイスと左右ダイスの送り速度が等しい場合
に比較して、圧縮側に増加し、フランジ幅は50mm増加
する。
【0067】このように、第1パスでフラットな左右ダ
イスに代えて凸部を持つ左右ダイスにすることにより、
第2パス出側のフランジ幅を70mm増加することができ
る。また、第1パス、第2パスで、上下ダイスの送り速
度と左右ダイスの送り速度の相対値を変化すると、相対
速度が0の場合に比較して、フランジ幅を±40〜50
mm変化させることができる。幅b=466 mm 、586
mm の凸型の上下ダイスを用いた場合の関係も図11に
示されている通り、幅b=364 mm の凸型の上下ダイ
スを用いた場合と同様である。
【0068】この実施例では、送り変位振幅が±16.
5〜49.5mm、周波数が1.63Hzで、比較的小さい
ため、材料送り速度も小さく、2パス加工での生産能率
(時間当たりの加工材料重量)は、100ton/hで、従
来の圧延加工の1/2程度であるが、例えば、送り変位
振幅を5倍、周波数を2倍にすれば、生産能率は、10
00ton/hで、圧延加工の5倍に向上し、高能率加工が
可能になる。
【0069】以上のように、この実施例では、1種類の
長方形断面の素材から、幅とカリバー形状が3種類の凸
型の上下ダイス、およびフラットなおよび凸部を持つ左
右ダイスの2種類の左右ダイスを用いて、18種類のウ
ェブ厚さ、ウェブ高さ、フランジ幅の組み合わせのサイ
ズフリー加工が可能である。
【0070】また、この発明の加工方法により、所定の
長方形断面の素材から2パスで、フランジ幅の大きい大
形形鋼の製造が可能であることがわかる。
【0071】言うまでもなく、上下ダイスの幅の種類
を、必要に応じて多く揃えれば、より多くのウェブ厚
さ、ウェブ高さとそれに対応するフランジ幅のサイズフ
リー加工が可能である。
【0072】一方、従来の水平ロールによる粗造形の圧
延法は、数種類の断面寸法の素材を用いて、10種類以
上の粗造形用ロールを用いて、前半のパスでは、素材断
面の長辺側を垂直方向にして不安定な姿勢で長辺側を圧
下して、ウェブ高さとフランジ幅の調整をした後、後半
のパスでウェブ厚さを調整して合計約20パスで造形す
る。したがって、この発明の方法では、従来の圧延法に
比較して、少ない工具でサイズフリー加工および大形形
鋼の粗造形加工が実現され、さらにダイスの振幅と周波
数を増加することにより容易に高能率加工が可能であ
る。また、素材断面の長手方向を水平にした安定な姿勢
で加工されるため、寸法精度を目標値に調整することも
操業上、容易である。
【0073】
【発明の効果】この発明により、一般に、1〜2の少な
い種類の長方形断面の素材から、前半パスでは、凸型の
上下ダイスと凸部を持つ左右ダイスとを用いて、後半パ
スでは、凸型の上下ダイスとフラットな左右ダイスを用
い、さらに上下ダイスと左右ダイスの送り速度の相対値
を変化させて、圧下と送りの2次元の周期的変位をする
4ダイスを用いた2〜数パスの連続鍛造加工により、所
定のウェブ厚さ、ウェブ高さに対し、フランジ幅の大き
い大形金属形材の粗造形あるいはフランジ幅の制御範囲
が大きな金属形材粗造形のサイズフリー加工が実現され
る。また、圧下振幅と周波数の調整により高速高能率加
工が可能である。したがって、素材の集約による上流側
の材料鍛造工程での経済的効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の造形方法を実施する形鋼鍛造装置の
一例を示す正面図である。
【図2】図1に示す形鋼鍛造装置の側面図である。
【図3】上記形鋼鍛造装置に装着された上、下ダイスお
よび左、右ダイスの一例を示す平面図である。
【図4】上記上、下ダイスおよび左、右ダイスの正面図
である。
【図5】上記上、下ダイスの側面図である。
【図6】上記形鋼鍛造装置のダイス駆動装置を模式的に
示す図面である。
【図7】上、下ダイスの保持部材および駆動部を示す平
断面図である。
【図8】圧下振幅が±33mm、送り変位振幅が±16.
5mmである場合の上下ダイス(左右ダイス)の軌跡図で
ある。
【図9】圧下振幅が±33mm、送り変位振幅が±49.
5mmである場合の上下ダイス(左右ダイス)の軌跡図で
ある。
【図10】素材、第1パス出側の粗造形材、および第2
パス出側の粗造形材の断面図である。
【図11】ダイス形状、上下ダイス幅、および送り変位
振幅をパラメータとし、第1および第2パス出側におけ
る材料のウェブ高さとフランジ幅との関係を示す線図で
ある。
【符号の説明】
1 長方形断面素材 3 加工された粗形鋼片材料 10 ハウジング 11 架台 12 支柱 20 ダイス保持部材 21 上(下)ダイス保持装置 22 上(下)ダイス送り案内板 23 上(下)ダイス送りブロック 26 上(下)ダイス圧下ブロック 28 上(下)ダイス保持部材 31 左(右)ダイス保持装置 32 左(右)ダイス送り案内板 33 左(右)ダイス送りブロック 36 左(右)ダイス圧下ブロック 28 左(右)ダイス保持部材 40 ダイス 41 上下ダイス 45 左右ダイス 47 左右ダイスの凸部 50 ダイス駆動装置 51 モータ 60 上下ダイス駆動装置 62 上下ダイス原動軸 70 上(下)ダイス原動軸 76 上(下)ダイス従動軸 82 上(下)ダイス中間軸 88 上(下)ダイス送り駆動軸 91 上(下)ダイス送り偏心機構 93 上(下)ダイス送りアーム 95 上(下)ダイス圧下偏心機構 97 上(下)ダイス圧下アーム 100 左右ダイス駆動装置 102 左右ダイス原動軸 107 左(右)ダイス従動軸 126 左(右)ダイス中間軸 132 左(右)ダイス送り駆動軸 137 左(右)ダイス送り偏心機構 139 左(右)ダイス送りアーム 141 左(右)ダイス圧下偏心機構 143 左(右)ダイス圧下アーム 145 ローラテーブル P パスライン
フロントページの続き (72)発明者 渡辺 和夫 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株 式会社 技術開発本部内 (56)参考文献 特開 平8−90130(JP,A) 特開 平6−190492(JP,A) 特開 昭61−140304(JP,A) 特開 平5−123701(JP,A) 特公 昭61−37020(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21J 1/04,13/02 B21B 1/08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 四角形断面の素材をパスラインに沿って
    送りながら、上下に対向する上下ダイスおよび左右に対
    向する左右ダイスで素材を圧下する鍛造により、ウエブ
    およびフランジからなる金属形材を造形する方法におい
    て、パスラインに平行な垂直面内で一定の閉曲線を描く
    ように上下ダイスを周期的に駆動するとともに、水平面
    内で一定の閉曲線を描くように左右ダイスを周期的に駆
    動し、素材および鍛造後の金属形材の形状および寸法に
    基づいて、ウエブ厚を上下ダイスの圧下率で調整し、
    エブ高さを左右ダイスの圧下率で調整し、フランジ幅を
    複数パスのうちの前半パスでダイス作業面の上下方向の
    中心にパスライン方向に沿って延びる凸部をもつ左右ダ
    イスを用いて上下ダイスと左右ダイスの圧下率で調整
    し、さらに後半パスでダイス作業面がフラットな左右ダ
    イスを用いて上下ダイスと左右ダイスの圧下率で調整す
    るとともにフランジ外側形状を成形することを特徴とす
    る鍛造による金属形材の造形方法。
  2. 【請求項2】 前記前半パスおよび後半パスの各パス
    で、素材および鍛造後の金属形材の形状および寸法に基
    づいて、フランジ幅を上下ダイスのパスライン方向の速
    度と左右ダイスのパスライン方向の速度との速度差によ
    り調整する請求項1記載の鍛造による金属形材の造形方
    法。
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