JP3118900B2 - 車両の限界判定装置 - Google Patents
車両の限界判定装置Info
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Description
り、特に車両のスリップ等の走行不安定状態を検出する
と共に、所定の不安定状態を越えているかを判定して運
転者に報知する車両の限界判定装置に関する。
の如く、車両の走行不安定状態(例えばスリップ)を検
出し、この信号を処理して車両の走行状態を自動的に安
定化させる制御装置が一般的に知られている。一般にこ
の種の制御装置においては、車両の走行状態を検出する
検出手段と、この検出手段によって得られた値と比較す
ることにより車両の走行状態が不安定状態であるかを判
定する所定のしきい値とを有している。そして、車両の
走行状態が上記しきい値を越えるとその車両が走行不安
定状態であると判定し、車両の走行状態を安定化させる
と共に、警報音響または警告ランプ等の表示手段によ
り、車両の運転者に車両が走行不安定状態であることを
所定時間に亘って報知する。運転者はこの表示手段を確
認することにより運転上の注意を行う。
て、上記表示手段を作動させるためのしきい値は、上述
した車両の走行不安定状態を判定して車両の走行状態を
安定化させる制御(以下、車両安定化制御という)に用
いられるしきい値と同一のものが使用されている。従っ
て、表示手段の作動は、車両安定化制御と同一タイミン
グで行われる。このため、車両安定化制御が実際に行わ
れる程度の危険度の高い走行不安定状態にならないと表
示手段が作動せず、この場合、運転者の注意が遅れて危
険な状態となる。また逆に、走行状態がしきい値を一時
的に越えただけでも表示手段がすぐに作動してしまい、
例えば、通常の路面上に一箇所だけスリップする場所が
あり、全体の走行には影響しないような場合であって
も、そのスリップのみを検出して表示手段が作動し、運
転者に対して余計な不安を抱かせてしまう。このように
従来の表示手段の作動方法は、実際の車両運転に効果的
に適合していない。
ので、従来のしきい値よりも低いしきい値を設定し、こ
のしきい値を越える状態を累積し、この累積値がこの累
積値に対する第2のしきい値を越えた場合に表示手段を
作動させる方法とすることにより、車両運転時に運転者
に対して、車両の走行状態または路面状態に合った的確
な情報の供与を行うことができる車両の限界判定装置を
提供することを目的とする。
る本発明の原理構成図を示す。同図に示すように本発明
は、車両1の走行状態を検出する走行状態検出手段2
と、前記走行状態検出手段2によって検出された検出値
と所定の第1のしきい値とを比較することにより、前記
走行状態が所定の基準走行状態よりも不安定状態である
かどうかを判定する走行状態判定手段3と、前記走行状
態が前記基準走行状態よりも不安定状態である場合に、
カウンタ値を累積するカウンタ値累積手段4と、前記カ
ウンタ値累積手段4によって累積された前記カウンタ値
が、所定の第2のしきい値を越えた場合に、前記車両1
の運転者6に報知するカウンタ値判定手段5とを備え、
前記第1のしきい値は、車両が走行不安定状態の時に安
定化制御を行う際に使用される第3のしきい値よりも車
両の安定側の値とした構成からなる車両の限界判定装置
である。
状態検出手段2によって検出された検出値と所定の第1
のしきい値とを比較して、車両1の走行状態が所定の基
準走行状態よりも不安定状態であるかどうかを判定す
る。カウンタ値累積手段4は、走行状態が基準走行状態
よりも不安定状態である場合にカウンタ値を累積し、カ
ウンタ値判定手段5は、上記累積されたカウンタ値と所
定の第2のしきい値とを比較し、カウンタ値が第2のし
きい値を越えた場合に車両1の運転者6に報知する。し
かも、第1のしきい値は、車両が走行不安定状態の時に
安定化制御を行う際に使用される第3のしきい値よりも
車両の安定側の値である。このため、安定化制御が行わ
れるような危険度の高い不安定状態に比べて若干安定側
の走行状態であっても、この走行状態が頻繁に発生する
場合にはカウンタ値が増加して第2のしきい値を越える
ため、運転者6はカウンタ値判定手段5により報知され
てこの走行状態を認識することができる。また、カウン
タ値判定手段5では、不安定状態である場合のカウンタ
値が第2のしきい値を越える大きさまで累積しないと運
転者6に報知しないため、パルス的に上記安定化制御が
行われるような危険度の高い不安定状態となった場合に
は運転者6への報知は行われない。更に、カウンタ値判
定手段5では、カウンタ値が第2のしきい値を越えた状
態から下回った場合に、所定時間だけ運転者6への報知
が継続するため、運転者6は、危険な状態が終了した
後、落ち着いた状態でそれまでの危険な状態の度合い
を、ランプの点灯継続時間に基づいて学習することがで
きる。
定装置を適用した4輪操舵車のシステム構成図を示す。
10は前記車両1に該当するものであり、左右前輪FW
1,FW2を操舵する前輪操舵装置20と、左右後輪R
W1,RW2を操舵する後輪操舵装置30と、車両の走
行不安定状態を運転者に警告する表示装置50を作動さ
せると共に、後輪操舵装置30を電気的に制御する電気
制御装置40とを備えている。
に固定した操舵軸22を備えている。操舵軸22の下端
はステアリングギヤボックス23内にて軸方向に変位可
能に支持されたラックバー24に接続されていて、同バ
ー24はハンドル21の回動に応じて軸方向に変位す
る。ラックバー24の両端にはタイロッド25a,25
b及びナックルアーム26a,26bを介して左右前輪
FW1,FW2が接続されていて、左右前輪FW1,F
W2はラックバー24の軸方向の変位に応じて操舵され
る。
クチュエータ31を備え、同アクチュエータ31は軸方
向に変位可能に設けたリレーロッド32を軸方向に駆動
する。リレーロッド32の両端にはタイロッド33a,
33b及びナックルアーム34a,34bを介して左右
後輪RW1,RW2が接続されていて、左右後輪RW
1,RW2はリレーロッド32の軸方向の変位に応じて
操舵される。
タ41,42を備えている。
3,5,6のフローチャートに対応したプログラムを記
憶していて、同プログラムの実行により、車両の走行状
態を検出して車両の走行不安定状態を運転車に警告する
車両走行状態の限界判定を行う。また、このマイクロコ
ンピュータ41はROMにより構成されたテーブルを有
し、同テーブルには前記プログラムの実行時に利用され
る各種係数及び評価値GB0,GB1,Tr,Lx,LY ,
γ0 ,a,b,Lz(図7〜15参照)が記憶されてい
る。
輪操舵角センサ43、車輪速センサ44a〜44d、ヨ
ーレートセンサ45、前後加速度センサ46及び横加速
度センサ47が接続されている。
けられ、同軸22の回転角を検出することにより前輪操
舵角θを検出して、同操舵角θを表す検出信号を出力す
る。車輪速センサ44a〜44dは各輪FW1,FW
2,RW1,RW2の近傍に設けられ、各輪FW1,F
W2,RW1,RW2の回転速度VFL, VFR,VRL,V
RRを検出して、同回転速度VFL, VFR,VRL,VRRを表
す検出信号をそれぞれ出力する。ヨーレートセンサ45
は車体の重心位置に固定され、垂直軸回りの車体の回転
角速度を検出することによりヨーレートγを検出して、
同ヨーレートγを表す検出信号を出力する。前後加速度
センサ46も車体に固定され、車両の前後方向の加速度
Gxを検出して同加速度Gxを表す検出信号を出力す
る。横加速度センサ47も車体に固定され、車両の横方
向の加速度GY を検出して同加速度G Y を表す検出信号
を出力する。
は表示制御回路48とランプ49とからなる表示装置5
0が接続されている。このランプ49には例えば「走行
不安定状態」と記されており、表示制御回路48により
点灯、消灯が制御される。従って、運転車はランプ49
の点灯により車両が走行不安定状態であることを認識す
ることができる。
グラムに従い左右後輪RW1 ,RW 2 の操舵を制御し
て、4WS(4 Wheel Steering System=四輪操舵装
置)を構成する。マイクロコンピュータ42の入力に
は、上記マイクロコンピュータ41、ヨーレートセンサ
45および後輪操舵角センサ51が接続されている。後
輪操舵角センサ51はリレーロッド32の近傍に設けら
れ、同ロッド32の変位量を検出することにより後輪操
舵角を表す検出信号を出力する。また、マイクロコンピ
ュータ42の出力には駆動回路52が接続されており、
同回路52はアクチュエータ31の駆動を制御する。
作について説明する。
ュータ41内に記憶された図3,5,6のフローチャー
トに対応したプログラムに従い、前記した走行状態検出
手段2、走行状態判定手段3、カウンタ値累積手段4、
およびカウンタ値判定手段5を実現し、車両の走行状態
を検出して車両の走行不安定状態を運転車に警告する車
両走行状態の限界判定を行う。
いて図3に示すフローチャートをもとに説明する。図3
は本発明の主要部である車両の限界判定処理のフローチ
ャートを示す。
入されると、マイクロコンピュータ41は同図に示すス
テップ100にてプログラムの実行を開始し、ステップ
102にて限界判定カウンタKG を0(ゼロ)に初期化
する。この限界判定カウンタKG は前記カウンタ値累積
手段4によって累積されるカウンタ値に該当するもので
ある。このステップ102を行った後、ステップ104
〜126からなる循環処理をΔtc秒毎にて繰り返し実
行する。
の推定を行う。この車両走行状態L MAX は、図5,6に
おいて後述するように、車両の前後方向の車輪の滑り量
に対応した第1評価値LX ,同横方向の車輪の滑り量に
対応した第2評価値LY ,車両の重心を通る垂直軸回り
の車輪の滑り量に対応した第3評価値LZ 夫々のベクト
ル和であり、車両全体としての滑り量に相当した値であ
る。このように、このステップ104は前記走行状態検
出手段2に該当し、上記車両走行状態LMAX は、前記走
行状態検出手段2によって検出される検出値に該当す
る。
MAX と、前記第1のしきい値に該当するしきい値LLIM
との比較を行い、車両の走行状態がしきい値LLIM で規
定された所定の基準走行状態よりも不安定状態であるか
どうかを判定する。従って、このステップ106は、前
記走行状態判定手段3に該当する。
定の基準走行状態よりも不安定状態であると判定された
場合、即ちLMAX ≧LLIM の場合、ステップ108にて
フラグセットを行いステップ110に進む。このステッ
プ110では、上記限界判定カウンタKG に2を加算し
てカウンタKG のカウントアップを行う。従って、この
ステップ110は前記カウンタ値累積手段4に該当し、
上記加算される数字2は累積されるカウンタ値に相当す
る。
定の基準走行状態よりも安定状態であると判定された場
合、即ちLMAX <LLIM の場合、ステップ112にてフ
ラグクリアを行いステップ114に進む。このステップ
114では、上記限界判定カウンタKG が0(ゼロ)で
あるかどうかを判定し、ここでKG ≠0の場合にはステ
ップ116に進む。ステップ116では、限界判定カウ
ンタKG から1を減算してカウンタKG のカウントダウ
ンを行う。ステップ114にてKG =0の場合にはカウ
ントダウンを行わずにそのまま次のステップへ進む。即
ち、ステップ114は、限界判定カウンタKG が0(ゼ
ロ)以下となることを防止する作用をしている。
0,116にて車両の走行状態に応じてカウントアップ
またはカウントダウンされた限界判定カウンタKG と、
前記第2のしきい値に該当するカウンタしきい値KL と
の比較を行う。そして、限界判定カウンタKG がカウン
タしきい値KL を越えている場合、即ちKG ≧KL の場
合にはステップ120に進み、ステップ120では上記
表示制御回路48に対してランプ49を点灯させる信号
を送る。従って、上記ステップ118,120が前記カ
ウンタ値判定手段5に該当しする。
きい値KL を越えていない場合、即ちKG <KL の場合
にはステップ122に進む。ステップ122におけるT
は、ステップ120のように限界判定カウンタKG がカ
ウンタしきい値KL を越えてランプ49が点灯した状態
から、それ以降のルーチンにおいてカウンタKG がカウ
ントダウンされ、カウンタKG がしきい値KL を下回っ
た時点(この時点をT S とする)に始動するタイマの経
過時間を表している。従って、ステップ122において
は、経過時間T=0の時は上記タイマが作動していない
状態を示し、T≠0の場合にはタイマが作動している状
態を示している。
の時はステップ124に進む。このステップ124にお
けるTL は、点灯ディレイタイマ値であり、これは、カ
ウンタKG がしきい値KL を下回った上記時点TS で、
すぐにランプ49を消灯せず、点灯ディレイタイマ値T
L の時間だけランプ49の消灯を遅らせるための設定値
である。従って、ステップ124では、T≧TL を判定
することにより、経過時間Tが点灯ディレイタイマ値T
L の設定時間に達せず、ランプ49を遅らせて点灯して
おくか、経過時間Tが点灯ディレイタイマ値TL の設定
時間に達してランプ49を消灯するかの判断を行ってい
る。経過時間Tが点灯ディレイタイマ値TL の設定時間
に達していない場合、即ちT<TL の場合には、上記ス
テップ120に進み、表示制御回路48に対して信号を
送りランプ49の点灯を継続させる。また、経過時間T
が点灯ディレイタイマ値TL の設定時間に達している場
合、即ちT≧TL の場合には、ステップ126に進み、
ステップ126では表示制御回路48に対してランプ4
9を消灯させる信号を送る。
動していない状態、即ち経過時間T=0の時は、点灯デ
ィレイタイマ値TL は関係なくなるため、上記ステップ
126に直接進みランプ49を消灯させる。尚、ステッ
プ122においてT=0の時は、その前のルーチンでカ
ウンタKG がしきい値KL を越えた状態ではないためラ
ンプ49は消灯された状態であり、よってステップ12
2からステップ126へ直接ステップする過程では、ラ
ンプ49の消灯状態を維持する動作となる。
120,126までの間において、1回のルーチンが終
了し、このルーチンが繰り返し実行される。
た車両の限界判定処理の動作例を説明する。図4は実際
に車両を運転した場合における本実施例の車両の限界判
定処理を説明するタイミングチャートを示す。尚、下記
説明中に示されるステップは、図3のフローチャートの
ステップに夫々対応している。
た車両全体としての滑り量に相当した車両走行状態を示
す値(詳細は後述する)であり、時間の経過に伴って大
小に変動している。また、図中、下方には限界判定カウ
ンタKG のグラフが図示されている。
限界判定カウンタKG はステップ102により0(ゼ
ロ)に初期化される。車両が徐々に不安定状態となり車
両走行状態LMAX がしきい値LLIM を越えると
(T1 )、次にLMAX がしきい値LLIM を下回るまでの
間、ステップ110により限界判定カウンタKG が2づ
つカウントアップされ、カウンタKG の値が増大する。
車両が安定側に移行し、LMAX がしきい値LLIM を下回
ると(T2 )、今度は逆に次にLMAX がしきい値LLIM
を再び越えるまでの間、ステップ116により限界判定
カウンタKG が1づつカウントダウンされ、カウンタK
G の値が減少する。
がしきい値LLIM を再び越えると、それ以降、同様にカ
ウンタKG が増大する。LMAX がしきい値LLIM を越え
ている時間が長く、これによってカウンタKG がカウン
タしきい値KL を越えてしまうと(T4 )、ステップ1
18,120により上記の如くランプ49の点灯信号が
表示制御回路48に出力されてランプ49が点灯する。
タイミング(T5 )において、LMAX がしきい値LLIM
を再び下回ると、上記と同様に次にLMAXがしきい値L
LIM を再び越えるまでの間、カウンタKG が1づつカウ
ントダウンされてカウンタKG の値が減少する。そし
て、その間にカウンタKG がカウンタしきい値KL を下
回った時(上記TS )から、上記タイマが作動し、ステ
ップ124によりタイミングTsから点灯ディレイタイ
マ値TL の時間、ランプ49の点灯が継続される(図
中、ハッチングで示す)。
LIM を越えるタイミング(T6 )まで減少し、LMAX が
しきい値LLIM を越えている間(タイミング(T6 )〜
(T 7 )において、カウンタKG は上記同様に増大す
る。そして、タイミング(T7 )においてLMAX がしき
い値LLIM を再び下回りこの状態がしばらくの間継続さ
れると、即ち、車両が安定側の状態で走行していると、
カウンタKGは、KG =0となるまで減少する。
れたしきい値LL3は、車両が走行不安定状態の時に車両
の安定化制御(例えば、トラクションコントロールや、
4輪操舵コントロール等)を行う際に使用されるしきい
値であり、前記第3のしきい値に該当する。従来の場
合、上述の如く表示装置の制御を上記しきい値LL3によ
って行っていたため、車両走行状態LMAX がしきい値L
L3を越えると同時にランプが点灯し(T8 )、LMAX が
しきい値LL3を下回るタイミング(T9 )から点灯ディ
レイタイマ値TWRN を加算した時間までの間ランプが点
灯する(図中、ハッチングで示す)。
状態であるものの、タイミング(T 10,T11)間のよう
にパルス的に上記しきい値LL3を越える不安定状態とな
る場合に、従来においてはその都度ランプが点灯してし
まうものの、本実施例の限界判定装置においては、上記
の如く、限界判定カウンタKG がカウンタしきい値K L
を越える大きさまで累積されないとランプ49を点灯し
ない。このため、本実施例では上記のようなパルス的な
不安定状態に対してはランプ49は点灯せず、全体の走
行状態または路面状態に合った警告ができ、運転車に対
して余計な不安を抱かさせてしまうことが防止される。
は、しきい値LLIMを安定化制御のためのしきい値LL3
よりも安定側に設定しているため、安定化制御が行われ
るような危険度の高い不安定状態に比べて安定側の走行
状態であっても、この状態が頻繁に発生する場合には、
限界判定カウンタKG が増加してカウンタしきい値KL
を越えるため、ランプ49が点灯する。このため、車両
が極めて危険な不安定状態の限界を越えることが無くて
も、限界近くの危険な状態で運転されていることを早く
警告することができ、運転者は上記のような車両の走行
状態、または路面状態を早く認識し、事前に注意するこ
とができる。
は、更に以下に示す効果を得ることができる。
危険な状態の連続時間の長さに応じて限界判定カウンタ
KG のカウントダウンが終了するまで、ランプ49の点
灯が継続されるため、運転者は今までの状態を返り見る
ことができる。即ち、運転者は、危険な状態が終了した
後、落ち着いた状態でそれまでの危険な状態の度合い
を、ランプ49の点灯継続時間によって学習することが
でき、その後同じ道路を再び通過する場合に事前に注意
することができる。
ップ時に2が加算され、カウントダウン時には1が減算
される。このため、ランプ49は点灯し易い傾向とな
り、運転者にとって安全側である。
を下回った時点で、限界判定カウンタKG を0(ゼロ)
にリセットする方法ではなく、カウントダウンする方法
であるため、限界判定カウンタKG は、危険な状態が終
了しても、それまでの危険な状態が反映された値となっ
ており、運転者にとって安全側である。
を下回ってもランプ49の点灯時間が点灯ディレイタイ
マ値TL 分保持されるため、運転者は落ち着いた状態で
ランプ49の点灯を認識することができる。
ウンタKG はリセットされずカウントアップ・ダウンが
継続されるが、カウンタKG の最大値を設けてもよい。
その理由は、危険な状態が非常に長時間に亘って継続し
た場合、最大値を設けていないとカウンタKG は無制限
に増大しまう。この場合、危険な状態が終了した後、ラ
ンプ49が長時間点灯したままの状態となり、その状態
の間は表示装置50の機能が作用しなくなってしまう。
車両走行状態LMAX の推定方法について説明する。図
5,6は車両走行状態LMAX を推定する処理のフローチ
ャートを示す。
投入されると、マイクロコンピュータ41は、図5のス
テップ200にてプログラムの実行を開始し、ステップ
202にて各種変数を初期値に設定する初期設定処理を
実行した後、ステップ204〜234からなる循環処理
をΔtd秒毎にて繰り返し実行する。
にて前輪操舵角センサ43、車輪速センサ44a〜44
d、ヨーレートセンサ45、前後加速度センサ46及び
横加速度センサ47から前輪操舵角θ、車輪回転速度V
FL, VFR,VRL,VRR、ヨーレートγ、前後加速度Gx
及び横加速度GY を表す各検出信号をそれぞれ入力する
と共に、ステップ206にて車速Vに基づいて係数
GBO,GB1,Tγをテーブル(図7〜9参照)から読み
出す。この場合、車速Vとしては、最初はステップ20
2にて初期設定された値「0」が利用されるが、その後
においては前回の循環処理のステップ212にて計算さ
れた値が利用される。次に、ステップ208にて前記読
み出した係数GBO,GB1,Tγ及び前記入力したヨーレ
ートγを用いて、下記数1に基づく演算の実行により車
両のスリップ角βを計算する。
F(s)はヨーレートγと車両のスリップ角βとの関係
を表す伝達関数である。
各車輪回転速度VFL, VFR,VRL,VRR、ヨーレートγ
及び前記算出したスリップ角βに基づく下記数式の演算
の実行により、旋回軌跡差による各輪FW1,FW2,
RW1,RW2の車輪回転速度成分を除去した各輪FW
1,FE2,RW1,RW2の補正車輪回転速度V1 ,
V2,V3 ,V4 を計算する。
ベースである。
説明を加えると、補正車輪回転速度V1 ,V2 ,V3 ,
V4 は、各輪FW1,FW2,RW1,RW2の各車輪
回転速度VFL, VFR,VRL,VRRを、車両の重心Cc回
りのヨーレートγと車両のスリップ角βを用いて、左右
前輪FW1,FW2の中心位置CF の車輪回転速度に換
算したものである。これにより、旋回軌跡差による各輪
FW1,FW2,RW1,RW2の回転速度差成分が除
去される。
後加速度GX に基づいて、下記〜の条件に従って車
速Vを決定する。 前後加速度GX が「0」以上かつ絶対値の小さな正の
所定値G0 (例えば、約1.0m/s2 〜約5.0m/
s2 )以下であるとき(0≦GX ≦G0 )、車速Vは各
補正車輪回転速度V1 ,V2 ,V3 ,V4 の最小値MI
N(V1 ,V2 ,V3 ,V4 )に設定される。 前後加速度GX が絶対値の小さな負の所定値−G
0 (例えば、約−5.0m/S2 〜約−1.0m/
s2 )以上かつ「0」未満であるとき(−G0 ≦GX ≦
0)、車速Vは各補正車輪回転速度V1 ,V2 ,V3 ,
V4 の最大値MAX(V1 ,V2 ,V3 ,V4 )に設定
される。 前後加速度GX が前記負の所定値−G0 未満又は前記
正の所定値G0 より大きいとき(GX <−G0 orGX
>G0 )、車速Vは下記数式の演算の実行により計算さ
れる。
X <−G0 orGX >G 0 )を満たす直前の補正車速V
である。
増速又は減速走行状態にあれば、すなわち各輪FW1,
FW2,RW1,RW2がほとんどスリップしていない
場合には、最もスリップ率の低い車輪の補正車輪回転速
度V1 ,V2 ,V3 ,V4 が車速として決定される。ま
た、車両が増速又は減速走行状態にあれば、すなわち各
輪FW1,FW2,RW1,RW2がスリップしている
場合には、車体の前後加速度GX を用いた積分演算によ
り車速Vが決定される。その結果、車速Vは、旋回軌跡
誤差及びスリップ誤差を含まない正確な値に設定される
ことになる。
転速度V1 ,V2 V3 ,V4 を用いた下記数2の演算の
実行により、各輪FW1,FW2,RW1,RW2の最
大スリップ率Xを計算する。
車輪回転速度V1 ,V2 ,V3 ,V 4 の平均値を計算す
ることを意味する。
16にて前記計算した最大スリップ率Xに基づいて第1
評価値LX をテーブル(図10参照)から読み出す。こ
の場合、最大スリップ率Xは各輪FW1,FW2,RW
1,RW2と路面との進行方向すなわち前後方向の最大
の滑り量を表すので、第1評価値LX は最大値を「1」
に正規化した車輪の前後方向の滑り量を表している。
ヨーレートγ及び前記計算した車速Vに基づく下記数式
の演算の実行により、基準横加速度GY * を計算する。
す下記数式において、車両のスリップ角βの変化率dβ
/dtが「0」である場合に対応しており、これにより
基準横加速度GY * は、車両が理想的な状態で旋回をし
ていて各輪FW1,FW2,RW1,RW2の路面に対
する横方向の滑り量が「0」に近い場合の車両の横加速
度を表している。
記計算した基準横加速度GY * と前記入力した横加速度
GY とに基づく下記数式の演算の実行により、車輪の路
面に対する横方向の滑り量Yを計算し、ステップ222
にて前記計算した滑り量Yに基づいて第2評価値LY を
テーブル(図11参照)から読み出す。
の滑り量が第2評価値L Y として計算されたことにな
る。
て係数Tr,γ0 ,a,bをテーブル(図9,12,1
4参照)から読み出し、ステップ226にて前記読み出
した係数Tr,γ0 ,a,b及び前記入力した前輪操舵
角θを用いて、下記数3に基づく演算の実行により基準
ヨーレートγ* を計算する。
想的な状態で旋回している場合の前輪操舵角とヨーレー
トとの関係を表す伝達関数であり、sはラプラス演算子
である。これにより、各輪FW1,FW2,RW1,R
W2の路面に対する垂直軸回りの滑り量が「0」に近い
状態における車両のヨーレートが基準ヨーレートγ* と
して計算されたことになる。
28にて、前記計算された基準ヨーレートγ* と前記入
力したヨーレートγとに基づく下記数式の演算の実行に
より、車輪の路面に対する重心位置垂直軸回りの滑り量
Zを計算し、ステップ230にて前記計算した滑り量Z
に基づいて第3評価値LZ をテーブル(図15参照)か
ら読み出す。
置垂直軸回りの滑り量が第3評価値LZ として計算され
たことになる。
第1〜第3評価値LX ,LY ,LZ に基づく下記数4の
演算の実行により、前記各評価値LX ,LY ,LZ のベ
クトル和を計算して上記車両走行状態LMAX を求める。
行状態LMAX を求める方法としては、各評価値LX ,L
Y ,LZ の最大値をLMAX とする方法が一般的であっ
た。本実施例においては、数4に示すように各評価値L
X,LY ,LZ のベクトル和をLMAX としている。この
ようにすることにより、車両全体としての不安定な運動
を1つの数値で得ることができる。また、上記各評価値
LX ,LY ,LZ が車両の走行不安定状態に影響する度
合いは各評価値LX ,LY ,LZ 夫々で異なる。このた
め、上記数4においては、これらの影響率を考慮して係
数k1 ,k2 ,k 3 を夫々かけあわせている。従って、
数4で得られる車両走行状態LMAX は車両全体としての
不安定な運動が更に正確に反映された数値となる。
上記の如く0〜1の値であり、仮に係数k1 ,k2 ,k
3 夫々を1とすると、LMAX は0<LMAX<√3とな
る。このため、図3におけるステップ106に示される
しきい値LLIM は 0.6程度の値が適当である。そして、
上記の如く係数k1 ,k2 ,k3 が適当な値を有する場
合には、しきい値LLIM はその時のLMAX の最大値の1
/3程度の値が適当である。
で計算した車両走行状態LMAX を図3に示すフローチャ
ートのステップ104に出力する。
速度VFL, VFR,VRL,VRR、ヨーレートγ及び前後加
速度GX を利用して車速Vを検出するようにしたが(ス
テップ204〜212)、別の方法、例えば変速機の出
力軸の回転速度に基づいて検出するようにしてもよい。
のステップ204〜234の循環処理間隔であるΔtd
は、一般に8msec程度とされる。従って、図3に示され
るフローチャートのステップ104では、8msec程度ご
とに車両走行状態LMAX が更新される。このため、図3
に示されるフローチャートのステップ104〜126の
循環処理間隔であるΔtcも同様に8msec程度とされ
る。
状態LMAX は、ステップ234にて他方のマイクロコン
ピュータ42へも出力される。マイクロコンピュータ4
2では、上述したように、車両走行状態LMAX の値を用
いて所定のプログラムに従い左右後輪RW1 ,RW2 の
操舵を制御して上記4WS(4輪操舵装置)を駆動する
ことにより、車両の走行不安定状態時における安定化制
御を行う。
WSにより車両の安定化制御を行っている車両について
説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものでは
なく、エンジン制御やブレーキ制御によるトラクション
コントロール、あるいは4WD(4 Wheel Drive=四輪
駆動)車の各輪へのトルク配分制御(トルクスプリット
4WD)等により車両の安定化制御を行っている車両に
も適用でき、この場合にも上記実施例と同様の効果を得
ることができる。
いて危険な状態が終了しても所定時間ランプの点灯が継
続されるため、運転者は、危険な状態が終了した後、落
ち着いた状態でそれまでの危険な状態の度合いを、ラン
プの点灯継続時間に基づいて学習することができる。こ
れにより、運転者は、再び同じ道路を通過する場合に事
前に注意することができる。
車両の走行状態または路面状態に合った的確な情報の供
与を行うことができる。
対応するクレーム対応図である。
適用した4輪操舵車のシステム構成図である。
ローチャートである。
車両の限界判定処理を説明するタイミングチャートであ
る。
れるプログラムに対応したフローチャートの一部であ
る。
の部分である。
ていて演算に利用される係数G B0の特性グラフである。
ていて演算に利用される係数G B1の特性グラフである。
ていて演算に利用される係数Trの特性グラフである。
れていて最大スリップ率Xに対する第1評価値LX の変
化特性を示すグラフである。
れていて横方向の滑り量Yに対する第2評価値LY の変
化特性を示すグラフである。
れていて演算に利用される係数γ 0 の特性ブラフであ
る。
れてい演算に利用される係数aの特性グラフである。
ていて演算に利用される係数bの特性グラフである。
れていて車両重心位置垂直回りの滑り量Zに対する第3
評価値LZ の変化特性図を示すグラフである。
車輪回転速度V1 〜V4 、ヨートレートγ及びスリップ
角βの関係を示す説明図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 車両の走行状態を検出する走行状態検出
手段と、 前記車両が走行不安定状態の時に安定化制御を行う際に
使用される第3のしきい値よりも安定側の値である所定
の第1のしきい値と走行状態検出手段によって検出され
た検出値とを比較することにより、前記走行状態が所定
の基準走行状態よりも不安定状態であるかどうかを判定
する走行状態判定手段と、 前記走行状態が前記基準走行状態よりも不安定状態であ
る場合に、カウンタ値を累積するカウンタ値累積手段
と、 該カウンタ値累積手段によって累積された前記カウンタ
値が、所定の第2のしきい値を越えた場合に、前記車両
の運転者に報知するカウンタ値判定手段と、を備える車
両の限界判定装置において、 前記カウンタ値判定手段は、前記カウンタ値が前記所定
の第2のしきい値を越えた状態から下回った場合に、所
定時間だけ運転者への報知を継続するこ とを特徴とする
車両の限界判定装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26412391A JP3118900B2 (ja) | 1991-10-11 | 1991-10-11 | 車両の限界判定装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26412391A JP3118900B2 (ja) | 1991-10-11 | 1991-10-11 | 車両の限界判定装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0599057A JPH0599057A (ja) | 1993-04-20 |
JP3118900B2 true JP3118900B2 (ja) | 2000-12-18 |
Family
ID=17398802
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26412391A Expired - Lifetime JP3118900B2 (ja) | 1991-10-11 | 1991-10-11 | 車両の限界判定装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3118900B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5755003B2 (ja) * | 2011-03-29 | 2015-07-29 | 本田技研工業株式会社 | 自動二輪車 |
-
1991
- 1991-10-11 JP JP26412391A patent/JP3118900B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0599057A (ja) | 1993-04-20 |
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