JP3118801U - アスベストの飛散防止装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】建築物に吹き付けたアスベストを強制的に剥離、解体することなくアスベストを密閉空間内に閉じ込めて長期的に安定化させ、粉塵の発生を防止する技術を提供することを目的とするものである。
【解決手段】この目的を達成するために、屋根や天井、外壁、内外装材等の建築物の構築面1に吹き付けたアスベスト2に飛散抑制剤3を浸透、硬化させるとともに飛散抑制剤3の表面を耐火性を有する被覆材4で被覆するものである。更に、被覆材4中に保持部材5、12を埋め込み、被覆材4を補強してアスベスト2を完全に閉じ込めるものである。また、アスベスト2面を遮蔽板16で囲んで密閉し、アスベスト2を閉じ込める。
【選択図】図1

Description

本考案は、建築物に使用されるアスベストの飛散防止装置に関し、特に、建築物の屋根や天井面、壁面等の構築面に吹き付けたアスベストを閉じ込めることにより剥離、崩落を防止し、アスベストを長期的に安定化させるためのアスベストの飛散防止装置に関するものである。
天然に産する繊維状ケイ酸塩鉱物を主成分とするアスベストは、耐熱性、耐摩耗性、耐酸性、吸音性、絶縁性等に優れ、かつ、機械的強度を有し、建築物の内装材、外装材、吸音断熱材、耐火被覆材等の建材として広く使用されている。特に、セメント、プラスチック、ゴム等の材料と組み合わせた建材の他に壁面や天井面等の建物構築面にアスベストを吹き付けることが行われている。
アスベストは1970年から1990年にかけて大量に輸入され建築物に使用されているが、建築物の老巧化あるいは経年経過による劣化、更には地震の揺れにともないアスベストの一部あるいは全体が構築面から剥離、崩落し、粉塵として飛散する現象が生じている。アスベストは微小な針状結晶組織のため人が吸引した場合、体内に残留し石綿肺、肺がん、胸膜・腹膜の中皮腫等の健康障害を引き起こし、大きな社会問題となっている。
アスベストは、現在は使用が禁止されているが、古くは体育館、講堂、倉庫、公会堂、駅舎等の不特定多数が集合する大型な建築物に広く使用され、近年では病院や集合住宅、一般住宅にも使用されていることが判明し、使用者や住人の健康問題を考慮して建築物からアスベストを除去する作業が行われている。
前記のようにアスベスト粉塵は健康に悪影響を与えるために、アスベストの除去に際しては除去現場をビニールシートで完全に覆い、外部から隔離してアスベスト粉塵が周辺に飛散することを防止する。その後、アスベスト面に水を噴霧して湿潤させ、防塵マスクや保護衣を着用した作業員がヘラのような工具を使用して削り取っていた。
しかし、この除去手段では作業員の健康問題、多額の経費の必要性、多量のアスベストが排出されることから起きる処理場確保の問題、不法投棄、環境問題等大きな課題が山積している。
効率よく機械的にアスベストを除去する具体的な手段としては特開平11−193643号に示されるアスベスト除去装置を使用する技術が開示されている。この技術は、除去ヘッド12のブラシシール35をアスベスト面に押し当て、泡を噴射しつつ除去ヘッド12を移動させ、回転する切削部材39によりアスベストを削り取るものである。削り取ったアスベストは回収するようになっている。
特開平11−193643号公報
しかし、機械的にアスベストを削り取り、回収するとしても天井面と壁面のような直角状の境界面に切削部材39をあてがうことができず、この部分のアスベストを削り取ることができないものであった。また、天井面に段差がある箇所のアスベストも削り取ることができないものであった。しかも、機械的に処理するために天井面や壁面をも傷つけることがあった
更に、従来、特開2000−79380に示されるアスベストを無害化処理したり、特開2001−317713に示されるアスベストを溶融処理する技術が提供されているが、その前段階としてアスベストを建築物から除去する必要があり、アスベストを周辺に飛散させることなくいかにして建築物から取り去るかに苦慮していた。いずれにしても従来技術ではアスベストを剥離、解体することを前提としており、アスベストの飛散を完全に防止することはできないものであった。
本考案は、建築物に吹き付けたアスベストを強制的に剥離、解体することなくアスベストを長期的に閉じ込め、アスベスト粉塵が屋内外に飛散することを防止する技術を提供することを目的とするものである。
上記する目的を達成するために本考案アスベストの飛散防止装置は、建築物の屋根や天井、外壁等の構築面1に吹き付けたアスベスト2面を飛散抑制剤3で硬化処理するとともに構築面1に打ち込んだ固定部材6に垂直状に連結するボルト7の下部に、アスベスト2に対して間隔を設けて平行状に配設した金属線を方形状に組み合わせた保持部材5を支持板10を介して連結し、飛散抑制剤3に吹き付けた耐火性を有する被覆材4内に保持部材5を埋め込んだことを特徴とする。
また、本考案アスベストの飛散防止装置は、建築物の屋根や天井、外壁等の構築面1に吹き付けたアスベスト2面を飛散抑制剤3で硬化処理するとともに構築面1に打ち込んだ固定部材6に垂直状に連結するボルト7の下部に、アスベスト2に対して間隔を設けて平行状に配設した金属材を井桁状に組み合わせた保持部材12を連結し、飛散抑制剤3に吹き付けた耐火性を有する被覆材4内に保持部材12を埋め込んだことを特徴とする。
更に、本考案アスベストの飛散防止装置は、建築物の屋根や天井、外壁等の構築面1に吹き付けたアスベスト2に対して全面を密に閉じることが可能な遮蔽板16を設置し、アスベスト2を密閉空間17内に閉じ込めることを特徴とする。
更にまた、本考案アスベストの飛散防止装置は、建築物の屋根や天井等の高所および外壁の低所に位置する構築面1に吹き付けたアスベスト2に対して全面を密に閉じることが可能な遮蔽板16で覆い、アスベスト2を密閉空間17内に封じ込めることを特徴とする。
本考案によれば建築物の天井や壁、内外装材等の構築面1に吹き付けられたアスベスト2を吹き付け状態のままで長期間にわたって閉じ込めることが可能である。特に、飛散抑制剤3によってアスベスト2が安定化するのでアスベスト2が構築面1から剥離したり崩落して粉塵が飛散することがなく、人の健康を損ねることがない。更に、飛散抑制剤3の表面を耐火性を有する被覆材4で覆うので火災時の防火に効果がある。
更に、建築物の屋根や天井、側壁等の全ての構築面1に吹き付けたアスベスト2を遮蔽板16で囲んだ密閉空間17内に密に閉じ込めることができるので、アスベスト2が剥離あるいは崩落しても遮蔽板16で受け止めることができ、粉塵は屋内外に飛び散ることはなく、粉塵を吸引することによる人の健康を損ねることがない。
また、建築物の視認できる範囲のアスベスト2を完全に被覆することで目につくことがなくなり、建築物の利用者や住人にいたずらに不安感を与えることがない。更には、通常は目につかない天井裏や屋根内面、内外装材の内面等に吹き付けたアスベストを安定化処理することで建築物全体のアスベスト2を安定化でき、安全な生活環境を維持することができる。
本考案の処理技術は、すでにアスベスト2が吹き付けられた構築面1を有する既存の建築物に利用可能であるから、劣化して剥離あるいは崩落の危険性を有するアスベスト2に対して封じ込め処理をすることで安心して建築物を利用することができ、また、住まうことができるものである。
アスベスト2の密閉化処理に際して既設のアスベスト2を飛散抑止剤3を使用して効果処理することでいたずらに粉塵を発生することがなく、環境に優しく、作業の安全性を確保でき、作業期間中も多くの人の出入りが可能であり、アスベスト2の危険性から回避できるものである。
アスベスト2を被覆する被覆材4を保持部材5、12を使用して保持することで被覆材4の厚さを充分に厚くすることができて防火対策が完全となり、一度、本発明の処理技術を施すことで長期にわたって既設のアスベスト2を安定化させることができる。
総じて本考案のように建築物に吹き付けた既設のアスベストを取り除くことなく安定させ、飛散を防止する特殊な技術は開示されておらず、健康を維持するためには極めて重要性を有するものである。特に、本発明処理技術は、特殊な技術を要することなく建築業者、リフォーム業者が容易に作業することができ、時間を短縮し、少ない費用で既存の多くの建築物に対処することができる。
更に、本考案が安定化処理後に重要性を有することは、アスベスト2を飛散抑制剤3によって硬化可能であるから、建築物自体あるいはアスベスト2そのものを解体処理する場合でもアスベスト2は塊の状態で構築面1から引き剥がすことができ、粉塵が発生することがなく、解体作業を容易に行うことができる。しかも、解体後のアスベスト塊はそのまま産業廃棄物として廃棄処分ができる利点を有している。
以下図面に従って本考案の実施形態を詳細に説明する。
図1は、建築物に吹き付けたアスベストを飛散防止処理するための本考案の第一の実施形態を示すものであり、図において符号1は既設の建築物の構築面であり、例えば、コンクリート製天井構築面の場合を示している。また、符号2は、構築面1に対して吹き付けたアスベストを示している。
経年経過による材質の劣化、あるいは地震の揺れ等が原因でアスベスト2が剥離あるいは崩落する危険があるが、本実施形態の考案は事前にアスベスト2を閉じ込めて安定化させ、剥離や崩落を防止するものである。このため、本発明においては、アスベスト2全面に例えば有機質系接着剤あるいは無機質系接着剤等のすでに建築施工現場で使用されている接着剤からなる飛散抑制剤3を吹き付けあるいは注入する。
このようにアスベスト2面に飛散抑制剤3を付着させることにより、アスベスト2内に
飛散抑制剤3が浸透する。次に、飛散抑制剤3が硬化した後、飛散抑制剤3の表面に例えばセメントやロックウール、軽量モルタル等の耐火性を有する材質からなる被覆材4を吹き付けて全面を被覆するが、被覆材4中に堅牢性を有する金属材からなる保持部材5を埋め込むことで補強している。
このため、コンクリート製天井構築面1にアスベスト2を通して固定部材6を打ち込み、固定し、この固定部材6に垂直状に連結するボルト7に堅牢性を有する金属線を方形状に組み合わせた保持部材5を水平状に取り付け、アスベスト2の下面にセメントやロックウール、軽量モルタル等の耐火性を有する材質からなる被覆材4を吹き付け塗布して全面を被覆することに特徴を有している。
固定部材6は、コンクリートに打ち込み可能な鋲8の下部にボルト7を捻じ込み可能な筒状のアンカー9を一体に連結した従来公知のスタッドであり、鋲打ち銃によって鋲8をコンクリートに打ち込み、固定するものである。コンクリートに孔あけ作業をすることなく打ち込むことにより500Kgf以上の引抜耐力を有しており、簡単に抜け落ちることはない。
構築面1に固定したアンカー9にボルト7の上端部を捻じ込み、鋲8とボルト7とを上下直線状に連結する。アスベスト2の下方に突出するボルト7に、アスベスト2と平行状に配設した保持部材5を連結するが、図2に示すように、保持部材6の下側に長方形状の金属製支持板10をあてがい、ボルト7の下部を支持板10に貫通させ、支持板10の下方からボルト7にナット11を締め付けて支持板10を固定する。これにより、保持部材5はアスベスト2に対して相対する空間を有して張設されることになる。
その後、保持部材5を内部に埋め込む厚さにセメントやロックウール、軽量モルタル等の耐火性を有する材質からなる被覆材4を吹き付けて全面を被覆すればよい。尚、飛散抑制剤3は、固定部材6を打ち込む前あるいは打ち込んだ後で吹き付けてもよい。
保持部材5は、支持板10によりアスベスト2の下方に間隔をおいて水平状に保持され、また、保持部材5は鉄骨材の役目をはたして被覆材4内に埋め込まれ、厚い被覆材4を保持している。更に、保持部材5は支持板10を介してボルト7に連結し、ボルト7自体は構築面1に固定した鋲8に連結しているので被覆材4は安定しており、アスベスト2は完全に防護されることになる。従って、長期的に剥離や崩落の恐れはないものである。
尚、前記の説明では支持板10は長方形体とした場合であるが、これに限定するものではない。例えば、図示しないが大きな正方形板として広い面で保持部材5の下面を支持するようにしてもよい。これにより保持部材5は補強され、鉄骨材として被覆材4の加重を支えることができる。尚、ボルト7や固定部材8の本数は、アスベスト2の面積に応じて選択することができる。
アスベスト2全面に対する飛散抑制剤3の吹き付けや注入、被覆材4による被覆等の安定化処理によってアスベスト2の組織を結合させ剥離、崩落を防止することが可能であり、粉塵の発生による不特定多数の建築物使用者や住民の健康を損なうことがない。しかも、被覆材4は保持部材5で補強され、厚さが厚くなっているので、アスベスト2の保護、防火対策に十分である。尚、天井構築面は、コンクリート製に限らず金属製、木製、スレート製であってもよい。
更に、本考案の処理装置は、天井に限らず壁面のような構築面や折板構造の金属製屋根のような建築物の目につく露出面に吹き付けたアスベスト、更には、天井裏や内装材の内側、外装材内面等の外部からは目に見えない構築面に吹き付けたアスベスト2に応用することができる。
前記の飛散抑制剤3として使用する接着剤は一例を示したものであり他の接着剤を使用可能であり、更に、接着剤に変えて公知の硬化剤を飛散抑制剤3として使用可能である。 構築面1や飛散抑制剤3、被覆材4等の材質は以下の実施形態においても同じ物を使用できる。
図3は、本考案飛散防止のための第二の実施形態を示すものであり、前記の実施形態と同じ部分は同じ符号を使用している。
この実施形態においては前記の金属線からなる保持部材5に変えて井桁状に組み合わせたチャンネル構造体を保持部材12として使用することに特徴を有している。この保持部材12は、図4に示すように、公知のCチャンネル型桁材を井桁状に組み合わせたものであり、アスベスト2全面を覆うことのできる大きさを有している。
保持部材12は、図3に示すように、アスベスト2の全面に平行状にあてがい、前記の実施形態と同じく固定部材6に連結したボルト7の下部を保持部材12に貫通させ、保持部材12の下面からナット11を締め付けることで固定可能である。
その後、飛散抑制剤3をアスベスト2面に塗布して浸透させ、2点鎖線で示すように被覆材4を吹き付け塗布することで保持部材12は被覆材4内に埋め込まれ、鉄骨材として被覆材4を安定して保持することになり、アスベスト2は閉じ込められ、長期的に安定することになる。
チャンネル型桁材を井桁状に組み合わせることで被覆材4との接触面積が大きくなり、被覆材4は安定して保持される。尚、保持部材12は、アスベスト2面に接触させることなく、前記の実施形態の保持部材5と同じくアスベスト2に相対して適当な間隔の空間を形成してもよい。また、ボルト7は、桁材の交差部に連結することが望ましい。
前記の各実施形態でアスベスト2と保持部材5、12とは、ボルト7に対するナット11の締め付け間隔を変えることで相対する位置間隔を変えることができ、これにより被覆材4の厚さも自由に変更することができる。更に、保持部材12としてはCチャンネル型桁材に変え長形帯状金属板を平面状に配置して井桁状に組み合わせたものでも利用可能である。
また、構築面1は、金属製の屋根や天井等の場合でも固定部材6の鋲8は打ち込み可能であり、前記と同じ引抜耐力を有する。更に、構築面1が金属材の場合には、固定部材6を使用することなく溶接によっても連結、固定することは可能である。
図5は、本考案の第三の実施形態を示し、折板構造の金属板を使用して構築した屋根や天井、階上床、デッキプレート等の構築面に吹き付けたアスベストのような高所に位置するアスベストの飛散を防止するために遮蔽板を設置したことに特徴を有しており、前記の各実施形態と同じ部分は同じ符号を使用している。
図5において構築面1を構成する屋根板13は、複数本のH形鋼の支持梁14やこの支持梁14に直交状態で連結したC型チャンネル鋼からなる複数本の横梁15で水平状態で支持されており、屋根板13の下面全面、支持梁14および横梁15等の全面も吹き付けたアスベスト2で覆われている。尚、横梁15の側面のアスベストは、図面が複雑となるので省略してある。
このような構築面1に対して間隔をおいて平行状に遮蔽板16を設置し、構造物1と遮蔽板16とによって密閉した空間17を形成する。
遮蔽板16は、構築面1のアスベスト2面を全て覆うことのできる平面積の大きさを有しており、例えば、天井構築に使用している耐火性を有する天井下地板を使用することができる。
このような遮蔽板16は、支持梁14や横梁15から垂設した複数本のボルト7によって水平状態で吊り下げて設置し、遮蔽板16の外周面は外壁18のような壁面や間仕切り壁に密に接することでアスベスト2の下面には密閉空間17が形成される。
ボルト7は、前記する固定部材6を使用して支持梁14や横梁15に連結する。即ち、固定部材6の鋲8は支持梁14や横梁15の下部に打ち込み、アンカー9とボルト7とを捻じ込み固定すればよく、また、ボルト7と遮蔽板16とは野縁19を介して連結する。
遮蔽板16の上面に設置して固定した野縁19にボルト7の下部を挿し込み、下側からナット20を締め付けることで支持梁14や横梁15と遮蔽板16とが密閉空間17を形成して連結される。
尚、遮蔽板16の下面にプラスターボード、プラスチックシート、プラスターボード等を順次に積層して補強することは可能である。尚、遮蔽板16を構築する前にアスベスト2に前記した飛散抑制剤3を吹き付けあるいは注入して浸透させ、アスベスト2自体を硬化処理するようにしてもよい。
また、ボルト7は、固定部材6を使用して各梁14、15に連結することはない。例えば、図5に示すようにボルト7の上端を各梁14、15に挿通させ、ボルト7の上下にナットを締め付けることでボルト7と各梁14、15とを連結、固定することができる。その他に溶接で固定することも可能である。尚、ボルト7の本数は、遮蔽板16の大きさや重量によって選択することができる。
尚、ボルト7と野縁19とを直接連結した場合について説明したが、これに限定するものではない。例えば、図6に示すように間隔をおいて平行状に設置した複数本の野縁19を、野縁19と直行する野縁受け21に連結し、ボルト7と野縁受け21とを適宜連結金具を使用して連結するようにしてもよい。図6ではプスターボード、プラスチックシート等は省略してある。
経年経過による材質の劣化、あるいは地震の揺れ等が原因でアスベスト2が自然崩落あるいは剥離する危険があるが、アスベスト2の下面は遮蔽板16で密に閉じているので崩落あるいは剥離したアスベスト塊や粉塵は遮蔽板16で受け止められ、屋内外に飛び散ることがない。
図4は、本考案の第四の実施形態を示すものであり、前記の各実施形態と同じ部分は同じ符号を使用している。前記の実施形態では屋根や天井等の高所の構築物1にアスベスト2が吹き付けてある場合である。しかし、図7に示すように、外装壁18のような低所の構築面1にアスベスト2が吹き付けられていることがある。尚、図7では屋根や天井等の高所に位置するアスベスト2を覆う遮蔽板16は省略してある。
低所に位置するアスベスト2に対しては、例えば、図8に示すような金属製間仕切り22をアスベスト2の全面を覆うように間隔をおいて立設し、間仕切り22に前記と同じ遮蔽板16を張り付け、遮蔽板16によりアスベスト2の間に密閉空間17を形成すればよい。尚、この遮蔽板16の表面にもプスターボード、プラスチックシート、プラスターボード等を積層してもよい。
間仕切り22は、上面を前記した水平状遮蔽板16の下面に密に接するか屋根板や天井板に接する高さとし、両側面は支柱22壁面、間仕切り等に接し、底面は図示しない床面に接するように設置すれば、構築面1と立設した遮蔽板16との間の密閉空間17内にアスベスト2が位置することになり、外装壁18に吹き付けたアスベスト2が剥離、崩落しても外部に飛び散ることはない。外装壁壁面18に吹き付けたアスベスト2に対しても前記した飛散抑制剤3を吹き付けあるいは注入して浸透、硬化させてもよい。
上記のように建築物の上方に位置する構築物1や側面に位置する構築物1を間隔をおいて遮蔽板16で密に閉じることでアスベスト2は密閉空間17内に封じ込められ、屋内外に粉塵が飛び散ることがなく、アスベスト2の危険性から回避することが可能となる。また、アスベスト2は、飛散抑制剤3を浸透させ、被覆することで剥離や崩落の危険性が少なくなり、建築物全体の安全性を高めることができる。
図9は本考案の第五の実施形態を示し、前記の各実施形態と同じ部分は同じ符号を使用している。この実施形態においては高所のアスベスト2を密閉する水平状に設置した遮蔽板16と低所のアスベスト2を密閉する立設した遮蔽板16とを連結し、構築物1に吹き付けた全てのアスベスト2を密閉することに特徴を有している。
このために、外壁18に面する立設状態の間仕切り22は、図9に示すように、上面を前記した水平状の遮蔽板16の下面に密に接し、両側面や底面は前記と同じように支柱23や床面に接するように設置すれば、屋根や天井等の高所のアスベスト2と外壁18のような側面に位置するアスベスト2とを水平および立設して組み立てた遮蔽板16を使用して連続して覆い、全面を同時に封じ込めることが可能である。
上記する間仕切り22の構造は一例を示すものであり、遮蔽板16を立設して張設することができ、側面に位置するアスベスト2を密閉空間17内に閉じ込めることができれば構造を問うものではない。また、遮蔽板16やプラスターボード等は装飾材を使用することで屋内装飾を兼ねることができる。
本考案のアスベスト処理技術を使用することで既存の全ての建築物に吹き付け処理されたアスベストを長期間閉じ込めて安定化させることができ、かつ、経済的な処理が可能であり、利用価値が高いものである。処理技術は簡単であるから、建築業界やリフォーム業界を活性化することができる。
本考案の第一の実施形態を示す構築面に対するアスベストの密閉状態を示すの断面図である。 図1において使用する保持部材の底面図である。 本考案の第二の実施形態を示す構築面に対するアスベストの密閉状態を示すの断面図である。 図3において使用する保持部材の斜視図である。 本考案の第三の実施形態を示す構築面に対するアスベストの密閉状態を示すの断面図である。 遮蔽板を取り付けた野縁の他支の持状態を示す斜視図である。 本考案の第四の実施形態を示す構築面に対するアスベストの密閉状態を示すの断面図である。 図7において使用する間仕切りの一例を示す斜視図である。 本考案の第五の実施形態を示す構築面に対するアスベストの密閉状態を示すの断面図である。
符号の説明
1 屋根、天井、壁等の構築面
2 アスベスト
3 飛散抑制剤
4 被覆材
5 保持部材
6 固定部材
7 ボルト
8 鋲
9 アンカー
10 支持板
11 ナット
12 保持部材
13 屋根板
14 支持梁
15 横梁
16 遮蔽板
17 密閉空間
18 外装壁
19 野縁
20 ナット
21 野縁受け
22 間仕切り
23 支柱



Claims (4)

  1. 建築物の屋根や天井、外壁等の構築面1に吹き付けたアスベスト2面を飛散抑制剤3で硬化処理するとともに構築面1に打ち込んだ固定部材6に垂直状に連結するボルト7の下部に、アスベスト2に対して間隔を設けて平行状に配設した金属線を方形状に組み合わせた保持部材5を支持板10を介して連結し、飛散抑制剤3に吹き付けた耐火性を有する被覆材4内に保持部材5を埋め込んだことを特徴とするアスベストの飛散防止装置。
  2. 建築物の屋根や天井、外壁等の構築面1に吹き付けたアスベスト2面を飛散抑制剤3で硬化処理するとともに構築面1に打ち込んだ固定部材6に垂直状に連結するボルト7の下部に、アスベスト2に対して間隔を設けて平行状に配設した金属材を井桁状に組み合わせた保持部材12を連結し、飛散抑制剤3に吹き付けた耐火性を有する被覆材4内に保持部材12を埋め込んだことを特徴とするアスベストの飛散防止装置。
  3. 建築物の屋根や天井、外壁等の構築面1に吹き付けたアスベスト2に対して全面を密に閉じることが可能な遮蔽板16を設置し、アスベスト2を密閉空間17内に閉じ込めることが可能なアスベストの飛散防止装置。
  4. 建築物の屋根や天井等の高所および外壁の低所に位置する構築面1に吹き付けたアスベスト2に対して全面を密に閉じることが可能な遮蔽板16で覆い、アスベスト2を密閉空間17内に封じ込めることが可能なアスベストの飛散防止装置。
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