JP3118329U - 離着桟業務支援装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 主に大型船が離着桟する離着桟業務において、離着桟を行なう大型船を押し曳きして離着桟の支援動作を行なうタグボートなどにおいて、離着桟を行なう大型船の離着桟状況を画面上で容易に確認できる離着桟業務支援装置を提供すること。
【解決手段】 大型船においての搭載が義務化され普及が進んでいる自動船舶識別装置(AIS)より出力される周囲の船舶情報に基づき、周囲の船舶情報の中から離着桟する船舶を指定することで、該当船舶の船首尾横移動速力や船体中央の移動時方向・速力を演算し画面表示する離着桟業務支援装置とした。また、予め電子地図画面上で離着桟を行なう岸壁を示す線分を作図しておくことで、該船舶の岸壁側の側面から岸壁を示す線分までの直距離を演算し画面表示する離着桟業務支援装置とした。
【選択図】 図1
【解決手段】 大型船においての搭載が義務化され普及が進んでいる自動船舶識別装置(AIS)より出力される周囲の船舶情報に基づき、周囲の船舶情報の中から離着桟する船舶を指定することで、該当船舶の船首尾横移動速力や船体中央の移動時方向・速力を演算し画面表示する離着桟業務支援装置とした。また、予め電子地図画面上で離着桟を行なう岸壁を示す線分を作図しておくことで、該船舶の岸壁側の側面から岸壁を示す線分までの直距離を演算し画面表示する離着桟業務支援装置とした。
【選択図】 図1
Description
この考案は、離着桟を行なう船舶(対象船)を押し曳きして離着桟の支援動作を行なうタグボートなどにおいて、自動船舶識別装置(AIS)より出力される周囲の船舶情報に基づき、周囲の船舶情報の中から対象船を指定することで、対象船の離着桟状況を画面上で容易に確認できる離着桟業務支援装置に関するものである。
従来、対象船を押し曳きして離着桟の支援動作を行なうタグボートにおいては、該対象船の操船判断を行ない対象船自体の舵、エンジンやタグボートに対して操船動作号令を与えるパイロットよりのトランシーバーによる、対象船の舷側から岸壁までの距離や横移動速力の問合せに対して、岸壁までの距離はタグボートのレーダーによる計測もしくは目測で、横移動速力はタグボートのGPS(Global Positioning System)の表示部に表示された速力表示よりの読取りで受け答えしている。
また、タグボートの船長としては、現在の該対象船と岸壁の距離や横移動速力を感知しておくことで、対象船側のパイロットよりのタグボート押曳操船動作号令がある程度予測できるようになるため、咄嗟の押曳操船動作号令にも確実に対応することができ、このことは特に一瞬の遅れや間違いが大事故につながりかねない大型船の着桟時には非常に重要なことである。
近年、対象船側のパイロットにおいては、離着桟時の操船判断を支援するためのパーソナルコンピュータと携帯型のGPSを組合せた表示装置(実願2004−000960)などがあり、対象船から岸壁までの距離や横移動速力についてもある程度の情報を得られるようになっているが、大型船の着桟間際においてはそのような表示装置を常時注視している訳にはいかず、ウィングといわれるブリッジの外側の露天部とブリッジを行き来しつつ、もっぱら自身の目視により岸壁までの距離や横移動速力、船首方位、風や潮など周囲のあらゆる状況を確認しながら操船号令を行なっている。
しかし、全長200メートルを超すような巨大船になると着桟前は横移動速力10cm/秒以下というような極低速であるため動きを感じにくく、ブリッジの百数十メートルも先に有るような船首の動きや岸壁までの距離は目視や経験に基づく推定のみではいつも正確に判断することは困難であるため、トランシーバーを用いて船首や船尾部のタグボートに岸壁までの距離や横移動速力を問合せることでパイロット自身の操船判断を確認している。
対象船側のパイロットにおいて離着桟時の操船判断を支援するためのパーソナルコンピュータと携帯型のGPSを組合せた表示装置があるのであれば、パイロットの仲間や大型船の乗組員に該表示装置の情報を読み取らせてウィングのパイロットに知らせるようにさせれば良さそうなものであるが、パイロットは1名で乗船しての業務が多く、また着桟という失敗の許されない時々刻々の操船判断が要求される局面においては、パイロットが必要な情報を良く理解し着桟業務全体の流れを熟知した者よりの阿吽の呼吸による情報が必要であるため、初対面の場合が多い対象船の乗組員にこれを任せることは現実的には難しいのである。
その他に対象船の岸壁までの距離や横移動速力を正確に計測しその情報をパイロットが得られるものとして、3〜4人がかりでなければ対象船に設置して使用できないような離着桟操船支援装置と言われる高性能で大掛かりな装置や接岸速度計と言われる岸壁側に設ける装置があるが、これらは相当高価で大掛かりであるため、限られた一部の岸壁のみでの使用に限られており、大多数の岸壁ではこのような装置は使用されていない。
従来、一般的にタグボートにおいて、横移動速力はタグボートのGPS表示部に表示された速力表示よりの読取りで確認しているが、着桟時に岸壁に向けて対象船を押している状況では、タグボートの直前に対象船の側壁がそびえ立ってしまい、GPS衛星からの電波を対象船の側壁が反射したり遮ったりするため、GPSが測定不能状態となることが多く、GPS表示部に表示された速力表示は精度が低い状態となりがちである。そのため、タグボートの乗員は目視による周囲の海面に対する船の動きや経験に基づき横移動速力を推定してパイロットからの問合せに受け答えする、もしくは精度が疑わしいと感じながらやむを得ずGPS表示部に表示された速力表示をそのまま読取って受け答えしているのが実状である。
また従来、一般的にタグボートにおいて、岸壁までの距離はタグボートのレーダーによる計測もしくは目測で確認しているが、着桟時に岸壁に向けて対象船を押している状況では、タグボートの直前に対象船の側壁がそびえ立ってしまいレーダー電波を強く反射するため、タグボートのレーダーでは岸壁までの正確な距離を計測することは困難である。そのため、タグボートの乗員は周囲の風景や対象船からレーダー反射の影響を受けない方向の目標物までのレーダー計測距離などから、経験に基づき岸壁までの距離を推定してパイロットなどからの問合せに受け答えしているのが実状である。
以上述べたように、従来の方法では対象船側のパイロットがタグボートから得られる岸壁までの距離や横移動速力の重要情報は、タグボート乗員の経験による部分が多く、経験には個人差があるため、該情報は高い精度とは言えない。
また、従来対象船側の船体中央部の移動方向・速力をタグボート側で得られる手段はなかった。もし仮に船体中央部の移動方向・速力をタグボート側で得られる手段が有ったとした場合は、移動方向を北方向を0度とする通常の表現でそのままタグボートからパイロットに伝えても、例えば船首方向が南を向くような岸壁で着桟している状況で100度方向に移動と言われても、咄嗟に方向を逆方向に取り違えてしまう可能性が有り直感的でなく分かりにくい。
しかし、該対象船の操船判断を行ないタグボートに押曳操船動作号令を与える対象船側のパイロットにとっては、岸壁に向けてタグボートを押させている状態での、船首尾の横移動速力、船体中央部の移動方向・速力や船首尾の岸壁までの距離が最も必要な情報であり、これらがある程度正確でないと重要な操船判断を誤りかねない。また、操船判断の誤りを極力避けるためにもタグボートからパイロットへの情報の受渡しは直感的に分かりやすいものであることが望ましい。着桟中の対象船にての操船判断の誤りは、船体や岸壁の破損という事故に直接関わる問題であり、ましてや危険物を搭載した大型船における操船判断の誤りは周囲の環境まで破壊してしまうような大惨事につながりかねない。
このように、現在、タグボートにおいて離着桟を行なう対象船の離着桟状況を画面上で容易に確認することが可能な離着桟業務支援装置は存在しない。
本考案は、前記の課題を解決し、タグボートにおいて離着桟を行なう対象船の離着桟状況を画面上で容易に確認することが可能な離着桟業務支援装置を提供するものである。
前記の課題を解決するために請求項1の考案においては、自動船舶識別装置2から入力された周囲の船舶の中の指定した船舶について、自動船舶識別装置2から入力された該指定した船舶の地球座標上の位置センサアンテナ位置座標・船首方位・速力・進行方向・船体座標上の位置センサアンテナ位置情報に基づき、該指定した船舶の船首・船尾の真横移動速力を演算し画面表示する離着桟業務支援装置とした。
請求項2の考案においては、自動船舶識別装置2から入力された周囲の船舶の中の指定した船舶について、自動船舶識別装置2から入力された該指定した船舶の地球座標上の位置センサアンテナ位置座標・船首方位・速力・進行方向・船体座標上の位置センサアンテナ位置情報に基づき、該該指定した船舶の船体中央部の移動方向・速力を演算し、速力とともに該移動方向を、船首の方向を12時、右舷の方向を3時とする時計の時方向で画面表示する離着桟業務支援装置とした。
また、請求項3の考案においては、自動船舶識別装置2から入力された周囲の船舶の中の指定した船舶が離着桟を行なう岸壁を示す線分(岸壁法線)を、画面表示された電子海図または地図上に作図しておくことで、自動船舶識別装置2から入力された該指定した船舶の地球座標上の位置センサアンテナ位置座標・船首方位・速力・進行方向・船体座標上の位置センサアンテナ位置情報と該岸壁法線の座標情報(岸壁法線の両端点の緯度・経度)に基づき、該指定した船舶の側面から岸壁法線までの直距離を演算し画面表示する離着桟業務支援装置とした。
本考案の請求項1では、自動船舶識別装置2から入力された周囲の船舶の中の指定した船舶について、自動船舶識別装置2から入力された該指定した船舶の地球座標上の位置センサアンテナ位置座標・船首方位・速力・進行方向・船体座標上の位置センサアンテナ位置情報に基づき、該指定した船舶の船首・船尾の真横移動速力を演算し画面表示する離着桟業務支援装置とした。これにより、タグボートの乗員は画面の各表示値を読み取ることで、容易に該指定した船舶の船首・船尾の真横移動速力を確認できトランシーバーでパイロットに知らせることができる。
請求項2では、自動船舶識別装置2から入力された周囲の船舶の中の指定した船舶について、自動船舶識別装置2から入力された該指定した船舶の地球座標上の位置センサアンテナ位置座標・船首方位・速力・進行方向・船体座標上の位置センサアンテナ位置情報に基づき、該指定した船舶の船体中央部の移動方向・速力を演算し、速力とともに該移動方向を、船首の方向を12時、右舷の方向を3時とする時計の時方向で画面表示する離着桟業務支援装置とした。これにより、タグボートの乗員は画面の時方向を読み取りトランシーバーでパイロットに知らせることで、パイロットは船体中央部の運動状態を直感的に把握ができるため、移動方向の取り違えが防止できる。
また、請求項3では自動船舶識別装置2から入力された周囲の船舶の中の指定した船舶が離着桟を行なう岸壁を示す線分(岸壁法線)を、画面表示された電子海図または地図上に作図しておくことで、自動船舶識別装置2から入力された該指定した船舶の地球座標上の位置センサアンテナ位置座標・船首方位・速力・進行方向・船体座標上の位置センサアンテナ位置情報と該岸壁法線の座標情報に基づき、該指定した船舶の側面から岸壁法線までの直距離を演算し画面表示する離着桟業務支援装置とした。これにより、タグボートの乗員は画面の各表示値を読み取ることで、容易に該指定した船舶の船首や船尾部から岸壁までの距離を確認できトランシーバーでパイロットに知らせることができる。
図1はこの考案の実施の形態を示す離着桟業務支援装置のブロック図である。図1において1は離着桟業務支援装置の範囲を示す線、2は自動船舶識別装置、3は接続した自動船舶識別装置2との通信を行い周囲の船舶の地球座標上の位置センサアンテナ位置座標・船首方位・速力・進行方向・船体座標上の位置センサアンテナ位置情報などを入力する周囲船舶情報入力部、4はマウス・キーボードなどの操作機器、5は前記操作機器4の操作信号に基づき画面上のボタン操作や文字入力などの操作入力を取込む操作入力部、6は操作入力部5の操作情報に基づき各種設定値の変更や画面ボタン操作動作を行なう設定操作部、7は周囲船舶情報入力部3よりの対象船データを用いて対象船の船首尾横移動速力を演算する船首尾横速力演算部、8は周囲船舶情報入力部3よりの対象船データを用いて対象船の船体中央部の移動時方向を演算する中央移動時方向演算部、9は周囲船舶情報入力部3よりの対象船データ及び設定操作部6よりの岸壁法線データを用いて対象船の船首尾における岸壁までの距離を演算する船首尾岸壁距離演算部、10は地形や地図を位置(緯度・経度)データまたは画像データとして電子化した電子地図データベース部、11は電子地図データベース部10より電子地図データを読み出し表示及び周囲船舶情報入力部3よりの周囲船舶データに基づく船舶マークやその他の情報を電子地図上に重畳表示または別枠表示する画面表示部、12は画面表示部11よりの画像データを表示する表示器である。
図2は請求項1の実施例における船首、船尾横移動速力の演算に関連する船体座標での対象船の各符号を示す図である。
図3は請求項2の実施例における船首、船尾の岸壁までの距離を示す図である。
図4は周囲の船舶の中から対象船を指定するフローチャートである。ステップ31では電子地図データベース部10より電子地図データを読み出し、画面表示部11に電子地図を表示する。ステップ32では周囲船舶情報入力部3で、自動船舶識別装置2からの各周囲船舶の船名・位置センサアンテナ位置O(緯度、経度)・船体上の位置センサアンテナ位置a,b,c,d・速力V・進行方向φ・船首方位θ・回頭角速度Rデータを入力する。ステップ33では画面表示部11に表示した電子地図上に、位置センサアンテナ位置O(緯度、経度)による周囲の各船舶を示す船名付きマーク(船舶マーク)を重畳表示する。ステップ34ではマウスなどの操作入力機器4を操作し、画面表示部11に表示された船舶マークの中から離着桟状況を画面表示したい対象船を指定する。このような方法で、予め自動船舶識別装置2より入力された周囲の船舶の中から、離着桟状況を画面表示したい対象船を指定する。
自動船舶識別装置2から入力された周囲の船舶の中から対象船を指定する方法は、自動船舶識別装置2から入力された周囲の船舶情報に含まれる船名や船舶固有番号から容易に各船舶を識別できるため、例えば画面に船名や船舶固有番号一覧を表示してマウス操作などで指定する方法でも、電子地図上に船名または船舶固有番号付きの船舶マークを重畳表示してマウス操作などで上記船舶マークを指定する方法などでもよい。
図5は船首尾の岸壁までの距離を算出するために必要な岸壁法線を設定するフローチャートである。ステップ41では電子地図データベース部10より電子地図データを読み出し、画面表示部11に電子地図を表示する。ステップ42ではマウスなどの操作入力機器4を操作し、画面表示部11に対象船が離着桟する岸壁付近の電子地図を表示する。ステップ43では対象船が右舷で着桟するのか左舷で着桟するのかにより、着桟時の対象船の船首方位方向となるように、マウスなどの操作入力機器4を操作し、画面表示部11に対象船が離着桟する岸壁の電子地図に合せて岸壁法線βを画面上に作図する。ステップ44では岸壁法線βを作図した操作情報から設定操作部6で、岸壁法線βの線分両端点の座標(緯度、経度)を求め、岸壁法線βの線分の式を求める。ステップ45ではキーボードなど4を操作し、作図した岸壁法線βに名称(または記号)などを付加しておく。このような方法で、予め対象船が離着桟する岸壁の岸壁法線を設定する。
岸壁法線を設定する方法は、予め岸壁法線の線分の両端の座標(緯度、経度)が分かっていれば、岸壁法線の線分の両端の座標(緯度、経度)を数値入力することで設定してもよい。
図6は本考案の請求項1の船首、船尾の横移動速力を算出するフローチャートである。ステップ51では周囲船舶情報入力部3で、自動船舶識別装置2からの対象船の位置センサアンテナ位置O(緯度、経度)・船体上の位置センサアンテナ位置a,b,c,d・速力V・進行方向φ・船首方位θ・回頭角速度Rデータを入力する。ステップ52では船体上の位置センサアンテナ位置a,b,c,dから対象船の全長Lと幅Bを計算し、対象船を縦がLと横がBの直方体Qとして扱う。ステップ53では位置センサアンテナ位置Oの進路φと速力V、船首方位θから、位置センサアンテナ位置Oの船体座標X,Y軸方向別の単位時間あたりの移動量Xv,Yvを算出する。ステップ54では船体の前後・左右の中央を重心Gと仮定し、回頭角速度Rと位置センサアンテナ位置a,b,c,dから、位置センサアンテナ位置Oの回頭角速度による船体座標X,Y軸方向別の単位時間あたりの移動量XR,YRを算出する。ステップ55では移動量Xv,Yvから移動量XR,YRを差引き、回頭角速度Rの影響を受けない重心GのX,Y軸方向別の単位時間あたりの移動量XG,YGを算出する。ステップ56では回頭角速度Rのみによる、船首部の船体座標X軸方向の単位時間あたりの移動量XRbと船尾部の船体座標X軸方向の単位時間あたりの移動量XRsを算出する。ステップ57では直方体Qを剛体と仮定して、船首部移動量XRbに移動量XGを加え船首部の単位時間あたりのX軸方向移動量Xbを算出し、船尾部移動量XRsに移動量XGを加え船尾部の単位時間あたりのX軸方向移動量Xsを算出する。ステップ58では船首部の単位時間あたりのX軸方向移動量Xbを“船首部の横移動速力Vb“とし、船尾部の単位時間あたりのX軸方向移動量Xsを”船尾部の横移動速力Vs“として算出する。このような方法で船首、船尾の横移動速力を算出する。
なお、図6のステップ55で算出した重心GのX,Y軸方向別の単位時間あたりの移動量XG,YGは、船体中央のX,Y軸方向別の速力のことであるので、これから船体中央の移動方向・速力は容易に算出できる。上記算出した北方向を0度とする移動方向(真進路)から船首方位θを差引いた値を相対進路Tとすると、相対進路Tを図8の対応表に当てはめて、移動方向を船首の方向を12時、右舷の方向を3時とする時計の時方向として算出する。
図7は本考案の請求項3の船首、船尾の岸壁距離を算出するフローチャートである。ステップ61では予め作図している岸壁法線βから、対象船が離着桟を行なう岸壁の岸壁法線βをマウスなど4を操作して選択し、画面表示部11に表示しておく。ステップ62では周囲船舶情報入力部3で、自動船舶識別装置2からの対象船の位置センサアンテナ位置O(緯度、経度)・船体上の位置センサアンテナ位置a,b,c,d・速力V・進行方向φ・船首方位θ・回頭角速度Rデータを入力する。ステップ63では船首尾岸壁距離演算部9で船体上の位置センサアンテナ位置a,b,c,dから対象船の全長Lと幅Bを計算し、対象船を縦がLと横がBの直方体Qとして扱う。ステップ64では船首尾岸壁距離演算部9で位置センサアンテナ位置Oと船体上の位置センサアンテナ位置a,b,c,dと船首方位θから、直方体Qの4つの角の座標(緯度、経度)を求める。ステップ65では船首尾岸壁距離演算部9で、図3に示すように予め選択した岸壁法線βに近い方の直方体Qの船首側の角から岸壁法線βまでの垂線距離を“船首岸壁距離Lb”として算出し、もう一方の船尾側の角から岸壁法線βまでの垂線距離を“船尾岸壁距離Ls”として算出する。このような方法で、船首、船尾の岸壁距離を算出する。
なお、もちろん本考案による離着桟業務支援装置は陸上の離着桟状況監視事務所や港湾管理を行なう事務所などに設置して、離着桟を行なう船舶の離着桟状況を表示することも可能であり、多いに役立つ物である。
そして、もちろん、装置と言う形ではなく、上記の横移動速力や岸壁までの距離を演算・表示する機能を有するソフトウェアの形として作製・販売し、それを使用者が市販のパーソナルコンピュータなどに組込んで使用することでもよい。
以上のように、請求項1や請求項2の考案によれば、タグボートにおいて、離着桟を行なう対象船の離着桟状況を画面上で容易に確認することが可能となり、対象船側で操船判断を行うパイロットや船長に対して、船首尾の横移動速力、船体中央部の移動方向・速力や船首尾の岸壁までの距離という最も重要な情報を、トランシーバーなどによるパイロットや船長からの問い合わせに対していつでも即座に受け答えすることが可能となる。
また、船体中央部の移動方向の受け答えを船首の方向を12時、右舷の方向を3時とする時計の時方向として行なうことで、パイロットは船体中央部の運動状態を直感的に把握ができるため、移動方向の取り違えが防止できる。
なお、船首尾の横移動速力、船体中央部の移動方向・速力や船首尾の岸壁までの距離などは単に数値表示するのみでなく、例えば電子地図上に船体形状を示す図を表示し、その図に船首尾の横移動速力、船体中央部の移動方向・速力を示すベクトルや、船首尾の岸壁までの距離を図示する表示を行なうことで、より取り違えの無い直感的に分かりやすい表示とできる。
これにより、パイロットや船長の操船判断はより正確になり、また、タグボート側でも次の操船号令に対してある程度予測できるようになるため、咄嗟の操船号令に確実に対応できるようになるので、離着桟時の安全性が大きく向上される。
1…離着桟業務支援装置の範囲を示す線
2…自動船舶識別装置
3…周囲船舶情報入力部
4…マウス・キーボードなどの操作機器
5…操作入力部
6…設定操作部
7…船首尾横速力演算部
8…中央移動時方向演算部
9…船首尾岸壁距離演算部
10…電子地図データベース部
11…画面表示部
12…表示器
2…自動船舶識別装置
3…周囲船舶情報入力部
4…マウス・キーボードなどの操作機器
5…操作入力部
6…設定操作部
7…船首尾横速力演算部
8…中央移動時方向演算部
9…船首尾岸壁距離演算部
10…電子地図データベース部
11…画面表示部
12…表示器
Claims (3)
- 自動船舶識別装置2と連接し、接続した自動船舶識別装置2との通信を行い周囲の船舶の地球座標上の位置センサアンテナ位置座標・船首方位・速力・進行方向・船体座標上の位置センサアンテナ位置情報などを入力する周囲船舶情報入力部3、マウス・キーボードなどの操作機器4、前記操作機器4の操作信号に基づき画面上のボタン操作や文字入力などの操作入力を取込む操作入力部5、操作入力部5の操作情報に基づき各種設定値の変更や画面ボタン操作動作などを行なう設定操作部6、周囲船舶情報入力部3よりの対象船データを用いて対象船の船首尾横移動速力を演算する船首尾横速力演算部7、地形や地図を位置(緯度・経度)データまたは画像データとして電子化した電子地図データベース部10、電子地図データベース部10より電子地図データを読み出し表示及び周囲船舶情報入力部3よりの周囲船舶データに基づく船舶マークやその他の情報を電子地図上に重畳表示または別枠表示する画面表示部11、画面表示部11よりの画像データを表示する表示器12により構成され、自動船舶識別装置2から入力された周囲の船舶の中の指定した船舶について自動船舶識別装置2から入力された該指定した船舶の地球座標上の位置センサアンテナ位置座標・船首方位・速力・進行方向・船体座標上の位置センサアンテナ位置情報に基づき、該指定した船舶の船首・船尾の真横移動速力を演算し画面表示することを特徴とする船舶の離着桟業務支援装置。
- 自動船舶識別装置2と連接し、接続した自動船舶識別装置2との通信を行い周囲の船舶の地球座標上の位置センサアンテナ位置座標・船首方位・速力・進行方向・船体座標上の位置センサアンテナ位置情報などを入力する周囲船舶情報入力部3、マウス・キーボードなどの操作機器4、前記操作機器4の操作信号に基づき画面上のボタン操作や文字入力などの操作入力を取込む操作入力部5、操作入力部5の操作情報に基づき各種設定値の変更や画面ボタン操作動作などを行なう設定操作部6、周囲船舶情報入力部3よりの対象船データを用いて対象船の船体中央部の移動時方向を演算する中央移動時方向演算部8、地形や地図を位置(緯度・経度)データまたは画像データとして電子化した電子地図データベース部10、電子地図データベース部10より電子地図データを読み出し表示及び周囲船舶情報入力部3よりの周囲船舶データに基づく船舶マークやその他の情報を電子地図上に重畳表示または別枠表示する画面表示部11、画面表示部11よりの画像データを表示する表示器12により構成され、自動船舶識別装置2から入力された周囲の船舶の中の指定した船舶について自動船舶識別装置2から入力された該指定した船舶の地球座標上の位置センサアンテナ位置座標・船首方位・速力・進行方向・船体座標上の位置センサアンテナ位置情報に基づき、該指定した船舶の船体中央部の移動方向を演算し、該移動方向を、船首の方向を12時、右舷の方向を3時とする時計の時方向で画面表示することを特徴とする船舶の離着桟業務支援装置。
- 自動船舶識別装置2と連接し、接続した自動船舶識別装置2との通信を行い周囲の船舶の地球座標上の位置センサアンテナ位置座標・船首方位・速力・進行方向・船体座標上の位置センサアンテナ位置情報などを入力する周囲船舶情報入力部3、マウス・キーボードなどの操作機器4、前記操作機器4の操作信号に基づき画面上のボタン操作や文字入力などの操作入力を取込む操作入力部5、操作入力部5の操作情報に基づき各種設定値の変更や画面ボタン操作動作などを行なう設定操作部6、周囲船舶情報入力部3よりの対象船データ及び設定操作部6よりの岸壁法線データを用いて対象船の船首尾における岸壁までの距離を演算する船首尾岸壁距離演算部9、地形や地図を位置(緯度・経度)データまたは画像データとして電子化した電子地図データベース部10、電子地図データベース部10より電子地図データを読み出し表示及び周囲船舶情報入力部3よりの周囲船舶データに基づく船舶マークやその他の情報を電子地図上に重畳表示または別枠表示する画面表示部11、画面表示部11よりの画像データを表示する表示器12により構成され、自動船舶識別装置2から入力された周囲の船舶の中の指定した船舶が離着桟を行なう岸壁を示す線分を予め設定しておくことで、自動船舶識別装置2から入力された該指定した船舶の地球座標上の位置センサアンテナ位置座標・船首方位・速力・進行方向・船体座標上の位置センサアンテナ位置情報と該指定した船舶が離着桟を行なう岸壁を示す線分の座標情報に基づき、該指定した船舶の側面から岸壁を示す線分までの直距離を演算し画面表示することを特徴とする船舶の離着桟業務支援装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2020070841A1 (ja) * | 2018-10-03 | 2020-04-09 | 株式会社日本海洋科学 | 船舶の係留施設に対する衝突の防止を支援するためのシステム及びプログラム |
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