JP3118097B2 - パリソンの肉厚調整のためのダイ - Google Patents

パリソンの肉厚調整のためのダイ

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JP3118097B2 JP04265444A JP26544492A JP3118097B2 JP 3118097 B2 JP3118097 B2 JP 3118097B2 JP 04265444 A JP04265444 A JP 04265444A JP 26544492 A JP26544492 A JP 26544492A JP 3118097 B2 JP3118097 B2 JP 3118097B2
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  • Processing And Handling Of Plastics And Other Materials For Molding In General (AREA)
  • Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Blow-Moulding Or Thermoforming Of Plastics Or The Like (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ブロー成形のパリソン
押出過程において、パリソンの押出方向及び円周方向に
おける肉厚分布を制御するパリソンの肉厚調整のための
ダイに関する。
【0002】
【従来の技術】ブロー成形は、射出吹込成形に比べて、
低コストで成形品が得られるため、洗剤びんをはじめ工
業薬品用缶、自動車のガソリンタンクなどの各種容器や
パレット、シートパック、エアロパーツ、ダクト類など
多くの分野に使用されつつあり、その用途は多種多様に
わたっている。
【0003】しかしながら、ブロー成形ではダイリング
とコアとの間に形成されたスリットから溶融樹脂を押し
出して成形した円筒形のパリソンを金型内にはさんで、
内部に空気等を吹き込むことにより圧力をかけてパリソ
ンを金型内面に密着、冷却して成形品を得る方法である
ため、金型に溶融樹脂を注入して得たパリソンを使用す
る射出吹込成形に比べて肉厚分布の均一性が劣り、しか
も肉厚分布の差から成形品にブロー成形時の応力が残留
し易く、この残留応力によってゆがみが発生し、これが
原因で成形品の寸法安定性や耐環境応力亀裂性(ESC
R)などの物性に、悪影響を及ぼすことが多かった。
【0004】特に近年、ブロー成形品の大型化、複雑化
にともない、製品の肉厚分布の均一化の技術が重要にな
りつつある。該成形品の肉厚分布は、パリソンの肉厚分
布と成形品の形状変化により決まるため、パリソンの肉
厚分布を成形品の形状に合わせて制御することが必要に
なる。
【0005】そこでブロー成形では、パリソンコントロ
ールと称せられている方法を用いて、パリソンの肉厚調
整を行っている。従来より行われている方法としては、
(1)テーパー構造のダイリングとコアを用い、ダイリ
ング内側のテーパー角度とコアのテーパーの角度を変え
て、コアもしくはダイリングをパリソンの押出にあわせ
て相対的に上下させて、リップギャップを変えて、パリ
ソンの肉厚を変化させる方法、(2)ダイリングを弾性
リングもしくは円弧状の板の組み合わせで構成し、ダイ
リングを外側から油圧等によって変形させ、リップギャ
ップを変える方法、(3)コアもしくはダイリングの断
面形状を変形させ、リップギャップを変えることにより
パリソンの肉厚を円周方向を部分的に制御する方法(特
開昭60−56515、特開昭62−66907等)等
の提案がある。
【0006】しかしながら、前記方法のうち(1)ダイ
リングとコアのテーパーの角度を変えてリップギャップ
を変える方法は、軸方向はともかくパリソンの円周方向
の肉厚を部分的に制御できないという問題があり、
(2)の油圧によりダイを変形させる方法は、ダイ全部
の形状の変更のため、パリソンの全体にわたる複雑な肉
厚分布の制御が不可能であるという問題があった。
(3)のダイリングもしくはコアの断面形状を変形し、
ダイリングとコアの位置を相対的に軸方向に移動させる
方法は、複雑な軸方向及び円周方向の部分的な肉厚分布
にも対応できるが、パリソンの肉厚分布の制御をダイリ
ングもしくはコアの形状変化で行うため、製品形状にあ
った最適形状の決定が非常に困難である上に、パリソン
に肉厚分布の変更を行う場合は、ダイリングもしくはコ
アの形状を切削その他の方法で変えなければならないた
め、容易に変更できず実用的でなかった。
【0007】特に樹脂の流れ指数、押出圧力、押出温度
などの相異により流れの状況が変わったり、製品切替な
どにおいてはダイ、コアを取り替えるか、新たに切削な
どの手段により断面形状を変更しなければならず、その
対応は工数及び時間的にも大変なものである。
【0008】またパリソンの各部分での肉厚を調整する
場合、ダイリングの形状とそこから得られるパリソンが
目的とする成形品に適合しているか否かは多くの場合一
義的に定まらないため、実際には成形し、その結果を見
てダイリングの削り込みなど形状を変える必要を生ず
る。これらの手段は実際的には困難なため行われていな
いものと思われる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ダイリング
または内部コアなどの削り込みをせずに、パリソンの軸
方向及び円周方向の各部分での肉厚分布を部分的に容易
にかつ確実に制御できるパリソンの肉厚調整のためのダ
イの開発を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、ダイリング内
に先細のテーパーを有する内部コアがリングに対し、相
対的に上下動可能に設けられたダイであって、該内部コ
アの先端にアタッチメントコアが着脱自在に取りつけら
れ、該アタッチメントコアは内部コアとは逆のテーパー
を有し、外周面の少なくとも一部分のテーパーの角度を
他の部分の外周面とは異なる角度とし、内部コア及びア
タッチメントコアのリングに対し相対的な上下動により
部分的にリップギャップを調整し、パリソンの軸方向肉
厚の連続的変化及び円周方向断面を異形な成形を可能と
したことを特徴とするパリソンの肉厚調整のためのダイ
を開発することにより上記の目的を達成した。
【0011】以下、図面を参照して本発明を詳細に説明
する。即ち、本発明は中心部に位置するテーパー部を有
する内部コア1と外部に位置するダイリング2の間のス
リット(リップギャップ4)から熱可塑性樹脂を押し出
してパリソンを形成するブロー成形機用ダイに関し、ダ
イリングとコアのテーパー角度が異なるダイ、コア構造
で、更にそのコアの先端にテーパー構造を有し、円周方
向の一部を部分的にテーパーの角度を変えて、軸方向に
垂直な断面が希望する形状に変形した構造のコア先端部
(アタッチメントコア3)を容易に取りはずせる手段で
取りつけた構造を持つブロー成形用ダイである。そして
このダイを用いパリソンの押出過程で、ダイもしくはコ
アを軸方向に相対的に移動することで、パリソンの軸方
向及び円周方向の肉厚分布を制御することができる、パ
リソン肉厚調整のためのダイに関する。
【0012】本発明に用いるブロー成形用ダイは、リン
グ2とテーパー部を有する内部コア1とを軸方向に相対
的に軸方向に移動可能にしたものであり、内部コア1ま
たはダイリング2の何れかを上下動できるようにしてあ
れば良い。そして更に内部コア1の下面はリング2の中
にある程度(アタッチメントコア下面がダイリング面と
ほぼ同一面に来る程度)没入できることが必要である。
【0013】アタッチメントコア3は、図1に示すごと
く内部コア1の先端にボルト等の固定手段により固定さ
れる。このアタッチメントコア3の断面の一例を示すと
図2のごとく、内部コア1とは逆のテーパー角度xを有
しているが、その外周辺の一部、例えば図3に示すごと
く角度zの間のテーパーはxより鋭角の角度yとなって
いる。
【0014】このアタッチメントコア3がテーパー部を
有する内部コア1に取りつけられてリング2とその相対
的に軸方向に油圧などを利用して上下に移動するに従
い、テーパー部を有するコア1とリング2のスリットの
間隔4並びに肉厚調整用ヘッド3とダイのスリットの間
隔4は、ダイ円周にわたりあるいは更に円周の部分的に
その距離が変化し、パリソンの軸方向及び円周方向の肉
厚分布を調整する。
【0015】溶融樹脂は、例えば図示していない溶融樹
脂溜からアキュムレーター等の圧力により高圧で押し出
され、樹脂流路5を経てリップギャップ4から押し出さ
れパリソンを形成する。この際溶融樹脂は、ダイ出口に
おいてスウェルによりその径を10〜20%大となるた
めアタッチメントコア3の外径がダイ口径より若干大き
くとも問題はない。
【0016】要求されるパリソンの肉厚分布は例えば図
4に示す。即ちパリソン上部のA−Aにおいては断面が
真円の肉厚パリソンであり、中部のB−Bにおいては断
面が真円の薄肉のパリソンであり、C−Cにおいては円
周方向において肉厚が非対称形のパリソンである場合、
A−Aの部分においてはダイとコアの関係はリングの下
面は内部コアの下面(アタッチメントコア接続部近辺)
に、B−Bの部分においてはリングの下面は内部コアが
相当に太くなる比較的上部に、C−Cの部分においては
リングの下面はアタッチメントコアの中段の位置におい
てパリソンを押し出せば良いことになる。
【0017】実際はパリソンが大形であると押出の間に
自重により上部においてはパリソンが伸び、下部におい
ては縮む傾向があるので肉厚をリップギャップの間隔を
計算だけで調整しても不十分であり、樹脂の種類並びに
流れ特性、押出圧力、温度、サイクル時間などによりそ
の都度調整することが必要となる。
【0018】本発明のアタッチメントコア3はそのリッ
プギャップをアタッチメントコア3のテーパーを変える
ことによりリップギャップ4を変えようとしているので
リップギャップは連続してその間隔を変えられるため、
単にその上下動だけで微調整が可能となっている。
【0019】またこのアタッチメントコア3は取りはず
しが容易であり、このアタッチメントコアを各種備えて
おくことも容易であり、内部コアは特殊な場合を除き一
定のテーパー部を備えて肉厚は変えられても均一な真円
のパリソンが得られるようにしておき、円周方向の肉厚
分布の調整はもっぱらこのアタッチメントコアに任せる
ときは操作も容易であり、安価に多種類の製品を製造で
きる利点がある。
【0020】
【作用】本発明においてはダイリングに対し相対的に上
下移動可能なテーパー部を有する内部コアに、内部コア
とは逆のテーパーを有し、かつその外周辺の少なくとも
一部が他の部分と異なるテーパーとすることにより断面
形状を変更したアタッチメントコアを取りはずしが自由
なように取付け、リップギャップを調整することにより
パリソンコントロールをするものである。
【0021】このアタッチメントコアは断面積の形状変
更をテーパーの変更により行うため、パリソンコントロ
ールで最も困難な成形中のパリソンの伸長及び収縮の影
響を連続的に制御ができること、更に該アタッチメント
コアは取りはずしが容易であるので多数準備しておくこ
とも容易であることである。
【0022】これらアタッチメントコアは肉厚は変更可
能であるが、均一な肉厚の円形パリソン製造に適した内
部コアに取りつけることによりその利用性は格段に広範
なものとなり、大型でかつ異形のボトル、非対称製品な
どの製造に極めて適合性の高いものである。
【0023】
【実施例】日本製鋼所NB−30ブロー成形機(25点
パリソンコントローラー付)を使用して非対称な形状の
容量40リットルのタンク(図5〜図7参照)を成形し
た。ダイリング径は160mm、コア径は152mm
で、アタッチメントコアは図8〜図10に示す構造とし
た。樹脂としては、高密度ポリエチレン(昭和電工
(株)製 ショウレックス4551H)を使用した。パ
リソン押出時の樹脂温度は210℃で、アキュムレータ
ーの圧力は、射出時80Kg/cm2 で行った。内部コ
アの移動は最大ストローク20mmのパリソンコントロ
ーラーで行った。押し出したパリソンの上部断面D−
D、中部断面E−E、下部断面F−Fの円周方向の肉厚
分布を測定した結果を図11に示す。パリソン上部が真
円に厚く、中央部が真円に薄く、下部の肉厚分布が円周
方向に制御されていることが分かる。
【0024】図7におけるブロー成形製品と図8におけ
るアタッチメントコアの対応はa,b,c,d,e及び
fがそれぞれ対応する。またこの押し出されたパリソン
の位置の対応も図11に示す。
【0025】図12に成形したタンクの横断面(下部断
面F−Fに対応する)の円周方向の肉厚分布Kを示す。
この部分は、図11のパリソン下部断面図F−Fが成形
された部位になる。肉厚の測定は、超音波による方法及
び成形後の切断によりパーティングラインを開始点とし
て行った。比較のためパリソンコントロールを使用しな
いで成形した場合(均一肉厚のパリソン)からブローし
て成形した製品の同一箇所の横断面の肉厚分布Lを示し
た。本発明によるタンクは円周方向の肉厚制御によって
製品肉厚が均一になっていることが分かる。
【0026】
【発明の効果】本発明によって、パリソンの軸方向及び
円周方向の肉厚分布を制御し、ブロー成形品の肉厚分布
を均一にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いるダイリング、内部コア及びアタ
ッチメントコアの説明図。
【図2】アタッチメントコアの断面図の1例。
【図3】図2のアタッチメントコアの上面図。
【図4】肉厚調整したパリソンの断面の一例。
【図5】実施例において成形したガソリンタンクの側面
図。
【図6】実施例において成形したガソリンタンクの正面
図。
【図7】実施例において成形したガソリンタンクの下面
図。
【図8】実施例に用いた肉厚調整用ヘッドの下部平面
図。
【図9】図8のイ−イの断面図。
【図10】図8のロ−ロの断面図。
【図11】実施例において成形したパリソンの上部、中
部及び下部における断面の肉厚の状態。
【図12】実施例で成形したガソリンタンクの下部(F
−F)の肉厚(K)と均一肉厚のパリソンから成形した
同形のガソリンタンクの下部(F−F)の肉厚(L)の
状態。
【符号の説明】
1 テーパー部を有する内部コア。 2 ダイリング 3 アタッチメントコア 4 リップギャップ 5 樹脂流路 6.パーティングライン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29B 11/10 B29C 47/22 B29C 49/00 - 49/80

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ダイリング内に先細のテーパーを有する
    内部コアがリングに対し、相対的に上下動可能に設けら
    れたダイであって、該内部コアの先端にアタッチメント
    コアが着脱自在に取りつけられ、該アタッチメントコア
    内部コアとは逆のテーパーを有し、外周面の少なくと
    も一部分のテーパーの角度を他の部分の外周面とは異な
    る角度とし、内部コア及びアタッチメントコアのリング
    に対し相対的な上下動により部分的にリップギャップを
    調整し、パリソンの軸方向肉厚の連続的変化及び円周方
    向断面を異形な成形を可能としたことを特徴とするパリ
    ソンの肉厚調整のためのダイ。
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DE102006027254B4 (de) * 2006-06-09 2009-01-15 Kautex Textron Gmbh & Co. Kg Verfahren zur Herstellung von Hohlkörpern aus thermoplastischem Kunststoff durch Extrusionsblasformen
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