JP3117923B2 - 内張りライニング用反転装置 - Google Patents

内張りライニング用反転装置

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JP3117923B2
JP3117923B2 JP08347329A JP34732996A JP3117923B2 JP 3117923 B2 JP3117923 B2 JP 3117923B2 JP 08347329 A JP08347329 A JP 08347329A JP 34732996 A JP34732996 A JP 34732996A JP 3117923 B2 JP3117923 B2 JP 3117923B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガス管等の既設配
管に対して保全目的から行われる反転内張りライニング
工法に用いられる反転装置に関する。
【0002】
【従来の技術】既設配管を敷設状態のまま非開削により
更生修理する技術は、これまでに種々の工法が開発提案
されている。例えば、可撓性チューブを管内に引き入れ
て管内面に貼り付ける内張りライニング工法が知られて
いる。現在この工法は、すでに既設管路の老朽化に対す
る有効な修理技術として実用化されている。
【0003】また、内張りライニング工法の一つとして
は、反転内張りライニング工法も応用されている。反転
内張りライニング工法では、既設配管に対し、管内径と
ほぼ等しい外径を有し接着剤を封入した可撓性内張りチ
ューブを、その内面が外面となるように反転させながら
管内に導入し、上記接着剤により内張りチューブを既設
配管の内面に反転接着させる。
【0004】具体的には、まず接着剤を予め可撓性内張
りチューブに封入し、そして該内張りチューブの一端を
折り返して既設配管の一端開口部に環状固定する。その
後、形成された折り返し部に対して後部から管路の他端
へ加圧するように流体圧力を作用せしめ、内張りチュー
ブを内面が外面となるように管内へ反転導入させる。こ
のように、折り返し部分を管内に沿って管路の一端から
他端に向かって漸次進行せしめ、流体圧力および接着剤
により該内張りチューブを既設配管の全長に亘って管内
面に圧着させる。
【0005】また、他の反転内張りライニング工法とし
て、内張りチューブの一端を折り返して既設配管の一端
開口部に環状固定した後、管路の他端開口部に吸引ポン
プを連通させ、管路内に負圧を生起させてチューブを管
路内に反転導入させ、接着剤により該内張りチューブを
既設配管の全長に亘って管内面に圧着させる。そして最
後に、反転後の内張りチューブ内に加熱流体(液体)を
循環させて接着剤の硬化を促進することで、内張りチュ
ーブを既設配管の内面に確実に接着させる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の方法では、次に述べるような問題点があった。
【0007】すなわち、加圧型の反転内張りライニング
工法では、大きくて重たい反転器を必要としている。接
着剤封入後の内張りチューブは、リールに偏平状に巻回
されて反転器に収納されており、また反転器には、施工
対象管の一端に連通接続される連通接続管が付いてお
り、反転器内に収納されている内張りチューブは、流体
圧力により該連通管を通じて管路内に反転導入される。
【0008】このような反転器は、大きくて重たいた
め、管路の更生修理現場まで運ぶのは不便である。また
現場で作業するときも、このような反転器は体積が大き
いことから、スペースが足りなくて配置できないことが
しばしば派生する。
【0009】また、吸引型の反転内張りライニング工法
では、施工対象管に腐食孔がある場合に、該腐食孔より
空気が流入してチューブが潰れてしまう問題点が派生す
る。
【0010】本発明は、上記のような課題を解決するた
めになされたものであり、加圧併用の吸引内張り反転ラ
イニング工法において、小型で簡易に取り扱え、且つ内
張りチューブに適正な吸引・加圧作用が行える内張りラ
イニング用反転装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために本発明は、既設管路の一端開口部より、管路内に
可撓性の内張りチューブを折返して反転しながら導入
し、該チューブと管路内壁面との間に介在する接着剤を
硬化させてチューブを管路内面に貼着する内張りライニ
ングに使用する反転装置であって、上記反転装置は、装
置の前段に配設されて既設管路の一端開口部に装置を固
定する機能を有し、気密部材の胴体部と接合する外周位
置にフランジ部を具備する円筒筒状の固定部材と、装置
の中段に、上記固定部材が気密部材の胴体部と接合する
端部位置に嵌挿されるように配設され、チューブを折り
返してその先端部を固定するリング部材及び壁部を有す
る反転部材と、装置の後段に配設され、チューブに加圧
流体を作用させる加圧流体導入口及び前記固定部材のフ
ランジ部と接合するフランジ部を有し、かつ後方より送
込まれるチューブをシールしながら装置内に導入する気
密部材とで構成され、上記気密部材には、前後2個のシ
ール部材が設けられており、前記加圧流体が外部に流出
せずに適正にチューブに作用するように構成してなるこ
とを特徴とするものである。
【0012】また、上記シール部材は円柱状の弾性部材
の略中央部に、径方向の切欠を設けて形成したことを特
徴とするものである。
【0013】さらに、上記シール部材は、上記気密部材
内において前後2カ所に前記切欠を同方向にして設けて
あることを特徴とするものである。
【0014】
【作用】上記のように構成された本発明によれば、内張
り反転ライニング施工時に、内張りチューブを反転部材
により装置内に反転して固定し、また、固定部材により
装置を管路の一端開口部に適正に装着することができ
る。また、気密部材により、加圧流体導入時には、内張
りチューブを後方より装置内に導入しているにも拘わら
ず、シール部材により加圧流体を外部に漏らすことなく
内張りチューブに作用させることができる。
【0015】請求項2記載の本発明は、シール部材を円
柱状の弾性部材の略中央部に、切欠を設けて形成したこ
とにより、シール部材を安価に作成することができ、装
置価格を低減することができる。
【0016】請求項3記載の本発明は、上記シール部材
を、気密部材内において前後2カ所に設けたことによ
り、より確実なシール作用を実現することができ、特に
チューブの後端部に挿通紐を設けて、チューブと紐の形
状の異なるものがシール部材を通過した場合にも、確実
に内部の加圧をシールすることができる。
【0017】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の一実施例を説
明する。図1は、本発明における反転装置の分解図で、
図2はその組立図である。図に示すように、本発明の反
転装置1は、装置の前段に配設される固定部材2と、装
置の中段に配設される反転部材3と、装置の後段に配設
される気密部材とで構成されている。
【0018】上記固定部材2は、ある程度の強度を有す
ると共に樹脂が付着しにくいプラスチック材例えばポリ
エチレンまたはテフロン(登録商標)で作られており、
或いは同じ特性を有する他の材料で作られている。また
該固定部材2は、外周面にフランジ部21を有した円筒
状となっており、内周面は、内径d1及びd2を有する
ように段が設けられている。また、壁部22には、複数
の貫通孔23が形成されており、これらの貫通孔23に
より、後述する内張りチューブの繊維層に侵入した液状
流体が繊維層から外へ排出可能となっている。さらに壁
部24の内面にリング状のシール材25を設けており、
そして壁部24を貫通して複数個のネジ孔26が形成さ
れている。
【0019】上記反転部材3は、本体31とカバー部材
32とで構成されている。前記本体31は、所要の強度
を有する金属材料例えば真鍮で作られている。また、該
本体31は、比較的薄い壁部33と比較的厚い壁部34
とを有しており、その内周面がテーパー状となってい
る。壁部33は、上記固定装置2の一端内に装着できる
ようになっている。また、壁部34の外周面にネジ部3
4aが形成されている。リング部材35は、弾力性を有
するプラスチック材で作られており、その壁部がテーパ
ー状となっている。なお、リング部材35の大きさは、
そのテーパー状の外周面が本体31のテーパー状内周面
とほぼ係合できる程度としている。さらに上記カバー部
材32は、上記本体31と同じ真鍮材料で作られてい
る。該カバー部材32は、開口部36を有すると共に、
その内周面にネジ部32aが形成されている。本体31
の外周面に形成されたネジ部34aとカバー部材32の
内周面に形成されたネジ部32aとによって、カバー部
材32を本体31に螺合させることができる。
【0020】上記気密部材4は、略円筒状の胴体部41
と,第1シール部材42と,円筒状の連結部43と,第
2シール部材44を備えたキャップ45とで構成されて
いる。前記胴体部41は、その内径が上記カバー部材3
2の外径より若干大きく、内部に上記反転部材3を収容
できるようになっている。そしてフランジ部46が前記
固定装置2のフランジ部21と当接することで一体に構
成される。また胴体部41には、その円周上に気体導入
口47と、液体導入口48と、圧力検知口(図示せず)
を有しており、後端開口部に第1シール部材42が嵌合
している。さらに胴体部41の後部には、連結部43が
螺合結合可能になっており、さらに連結部43の後部に
は第2シール部材44を備えたキャップ45が螺合結合
可能に構成されている。
【0021】また、前記第1,第2シール部材42,4
4は、ゴム等の弾性体を円筒状に形成し、その中央部に
チューブが挿通できるように切欠が設けられている。
【0022】次に、本発明の反転装置1の組立状態を図
2を用いて説明する。まず、固定装置2を施工対象とな
る管路Pの一端に装着する。この際、管路Pの開口端面
が固定装置2内の段差部27に当接する。
【0023】次にリング部材35を反転内張りチューブ
Lに装着する。詳しくは、リング部材35を図2に示す
向きで反転内張りチューブLを所要長さ(リング部材3
5の幅とほぼ同じ)通しておく。そして、反転チューブ
Lの先端内部に図示省略のリングセッターのツメを入れ
て、チューブLの先端部をひろげ、前記所要長さに相当
する部分のチューブを折り返してリング部材35の外面
にかぶせる。そして該リング部材35を、前記本体31
の内部に装着する。その際、リング部材35の弾力性に
より、内張りチューブLの一端が折り返し状態で本体3
1内に環状固定されるようになる。そして、カバー部材
32を本体31に螺合させることで、反転内張りチュー
ブLの一端とリング部材35が外へ抜けないように止め
られる。
【0024】最後に、気密部材4を上記固定部材2と結
合させる。結合する際に、チューブLを第1シール部材
42に挿通し、さらに第2シール部材44に挿通させ、
キャップ45を連結部43の後部に螺合結合する。そし
て、固定部材2のフランジ部21と気密部材4のフラン
ジ部46を互いに結合させる。
【0025】次に本発明の反転装置1の使用形態を図3
を用いて説明する。まず、地中に埋設されている施工対
象管5の一端開口部51より管路5内に遮液ピグ6及び
樹脂Aを導入する。次に、本発明の反転装置1を前記管
路5の一端開口部51に装着し、該反転装置1の気体導
入口47に小型の加圧ポンプ7を連通する。また、管路
5の他端開口部52に樹脂回収タンク8を介在させて吸
引ポンプ9を連通させる。
【0026】そして前記吸引ポンプ9を稼働させ、さら
には、補助的に加圧ポンプ7を稼働させることで、遮液
ピグ6及び樹脂Aを管路5一端開口部51から他端開口
部52へ搬送すると共に、内張りチューブLを管路5内
に反転貼着していく。そしてこの際、加圧ポンプ7の加
圧流体は、第1シール部材42,第2シール部材44に
より確実にシールされ、加圧流体が反転装置1外へ流出
することなく適正に内張りチューブLに作用する。その
ため、管路5に仮に腐食孔があった場合でも、前記加圧
ポンプ7の加圧作用により、内張りチューブLが潰れる
ことはない。さらに、内張りライニング終了間際に、第
1シール部材42,第2シール部材44を挿通するもの
が内張りチューブLから挿通紐に変化した場合にも、シ
ール部材が2段で配設されているため、加圧流体が流出
することはない。
【0027】そして内張りライニング施工後の硬化作業
時に、温水を液体導入口48より導入した際にも、シー
ル部材42,44により温水が反転装置外へ流出するこ
となく、適正に管路5内に流入するようになる。
【0028】
【発明の効果】上記のように構成された本発明の反転装
置を使用することによって、内張り反転ライニング施工
時に、内張りチューブを反転部材により装置内に反転し
てリング部材に固定し、また、固定部材により装置を管
路の一端開口部に適正に装着することができる。また、
気密部材により、加圧流体導入時には、内張りチューブ
を後方より装置内に導入しているにも拘わらず、2個の
シール部材により加圧流体を外部に漏らすことなく内張
りチューブに作用させることができる。
【0029】また請求項2記載の本発明によれば、シー
ル部材を円柱状の弾性部材の略中央部に、径方向の切欠
を設けて形成したことにより、シール部材を安価に作成
することができ、装置価格を低減することができる。
【0030】さらに請求項3記載の本発明によれば、上
記シール部材を、気密部材内において前後2カ所に前記
切欠を同方向にして設けたことにより、より確実なシー
ル作用を実現することができ、特にチューブの後端部に
挿通紐を設けて、チューブと紐の形状の異なるものがシ
ール部材を通過した場合にも、確実に内部の加圧をシー
ルすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による反転装置の分解図である。
【図2】 本発明による反転装置の組立図である。
【図3】 反転装置の使用説明図である。
【符号の説明】
1 反転装置 2 固定部材 21 フランジ部 22 壁部 23 貫通孔 24 壁部 25 シール材 26 ネジ孔 3 反転部材 31 本体 32 カバー部材 32a ネジ部 33 壁部 34 壁部 34a ネジ部 35 リング部材 36 開口部 4 気密部材 41 胴体部 42 第1シール部材 43 連結部 44 第2シール部材 45 キャップ 5 既設管路 51 一端開口部 52 他端開口部 6 遮液ピグ 7 加圧ポンプ 8 樹脂回収タンク 9 吸引ポンプ L 反転内張りチューブ
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−38757(JP,A) 実開 昭56−3620(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 63/00 - 63/84 F16L 1/00 F16L 55/16 F16L 58/10

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 既設管路の一端開口部より、管路内に可
    撓性の内張りチューブを折返して反転しながら導入し、
    該チューブと管路内壁面との間に介在する接着剤を硬化
    させてチューブを管路内面に貼着する内張りライニング
    に使用する反転装置であって、 上記反転装置は、装置の前段に配設されて既設管路の一
    端開口部に装置を固定する機能を有し、気密部材の胴体
    部と接合する外周位置にフランジ部を具備する円筒筒状
    の固定部材と、 装置の中段に上記固定部材が気密部材の胴体部と接合
    する端部位置に嵌挿されるように配設されチューブを
    折り返してその先端部を固定するリング部材及び壁部
    有する反転部材と、 装置の後段に配設され、チューブに加圧流体を作用させ
    る加圧流体導入口及び前記固定部材のフランジ部と接合
    するフランジ部を有し、かつ後方より送込まれるチュー
    ブをシールしながら装置内に導入する気密部材とで構成
    され、 上記気密部材には、前後2個のシール部材が設けられて
    おり、前記加圧流体が外部に流出せずに適正にチューブ
    に作用するように構成してなることを特徴とする内張り
    ライニング用反転装置。
  2. 【請求項2】 上記シール部材は円柱状の弾性部材の略
    中央部に、径方向の切欠を設けて形成したことを特徴と
    する請求項1記載の内張りライニング用反転装置。
  3. 【請求項3】 上記シール部材は、上記気密部材内にお
    いて前後2カ所に前記切欠を同方向にして設けてあるこ
    とを特徴とする請求項1又は2記載の内張りライニング
    用反転装置。
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