JP3117874B2 - ラミネート板における樹脂フィルムの結晶配向度の検出方法および装置 - Google Patents

ラミネート板における樹脂フィルムの結晶配向度の検出方法および装置

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JP3117874B2
JP3117874B2 JP06148688A JP14868894A JP3117874B2 JP 3117874 B2 JP3117874 B2 JP 3117874B2 JP 06148688 A JP06148688 A JP 06148688A JP 14868894 A JP14868894 A JP 14868894A JP 3117874 B2 JP3117874 B2 JP 3117874B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はラミネート板における樹
脂フィルムの結晶配向度の検出方法・装置およびそれら
を情報記録に応用したラミネート板への情報記録方法・
装置、情報記録ラミネート板、ならびに情報読み取り方
法・装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、金属薄板に合成樹脂フィルムをラ
ミネートしたラミネート板に、送り量のフィードバック
のためのマーク、あるいはそのラミネート板の金属また
は樹脂フィルムの材質・厚さなどを示す記号などの情報
を記録する場合、金属板の特定部位を磁化する磁気マー
クを入れるか、あるいはインクジェットによりマークを
入れる方法が採用されている。しかし磁気マークを入れ
る場合は、書き込み用あるいは読み出し用の磁気ヘッド
およびその周辺機器などの装置が大型化し、大きいスペ
ースが必要である。また取り扱い途中で磁気マークは消
失するおそれがある。インクジェットマークの場合は、
インクを用いるため、衛生面で問題がある。とくに食
缶、飲料缶等の缶用材料は食品衛生上、その取り扱いを
慎重にする必要があるので、衛生的なマーキングが要求
される。さらに、インクの溶剤として速乾性のメチルエ
チルケトン等の薬品を用いるので、健康上および公害上
の問題もある。そして、ランニングコスト上の問題もあ
る。また上記いずれの方法も、設備費が高価である。他
方、本出願人は製缶用のラミネート板に、缶の底部近辺
の加工度が低い部位における樹脂フィルムの結晶配向度
(BO値)をあらかじめ高くしておき、それにより缶成
形後の樹脂フィルムの結晶配向度を全体的に高くする方
法を提案している(特願平5−213470号公報参
照)。またそれに伴い、ラミネート板における樹脂フィ
ルムの特定領域の結晶配向上を高くするため、ラミネー
ト直前の金属板に部分的な温度差を与える方法も提案し
ている。しかし得られたラミネート板の結晶配向度の分
布状態はX線回析を利用するフィルム結晶配向度測定器
などで測定しているので、設備費が高価なものになり生
産ライン中に迅速に結晶配向度の分布パターンを検出す
ることはできなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記従来のマ
ーキング方法の問題を解消し、第1に大きな設備やスペ
ースを要せず、衛生的であり、しかも安価なラミネート
板のマーキング方法および装置を提供することを課題と
している。さらに本発明は上記課題を解決する手段を広
く適用できる、ラミネート板における樹脂フィルムの結
晶配向度の分布を検出する方法および装置を提供するこ
とを課題としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明のラミネート板に
おける樹脂フィルムの結晶配向度の検出方法は、金属板
に結晶配向性を有する合成樹脂フィルムをラミネートし
たラミネート板における、樹脂フィルムの結晶配向度の
分布状態を検出する方法であって、ラミネート板上の樹
脂フィルムに偏光した光を前記樹脂フィルムに対し斜め
方向に進入させ、その反射光を前記樹脂フィルムに対し
反射角θで所定の偏光角の偏光フィルタを透して受け
て、光の明暗が変化する情報や、輪郭強調処理、カラー
リング処理を行うことによって、前記樹脂フィルムの結
晶配向度の分布を検出する、ラミネート板における樹脂
フィルムの結晶配向度の検出をすることを特徴とする。
このような方法においては、投射される光が、偏光フィ
ルタを透した光であることが望ましい。また、前記光が
単色光又は白色光であることが望ましい。本発明の検出
装置は、ラミネート板に対して斜め方向に光を投射する
投光器と、その投光器の前面に設けた第1偏光フィルタ
と、反射してくる光を検出する光学素子と、その光学素
子の前面に設けた第2偏光フィルタとを有し、前記第1
偏光フィルタによる偏光角度と第2偏光フィルタによる
偏光角度とのなす角度が、ほぼ0度又は90度の関係に
おかれているラミネート板の結晶配向度の分布を検出す
ることを特徴とする。
【0005】本発明のラミネート板への情報記録方法
は、金属板に結晶配向性を有する合成樹脂フィルムをラ
ミネートしたラミネート板に情報を記録する方法であっ
て、その樹脂フィルムの特定の部位の結晶配向度を周囲
の結晶配向度と変えることを特徴とする。
【0006】このような方法は、金属板を加熱し、その
上に樹脂フィルムを圧着してラミネートするとき、金属
板に周囲と異なる温度に加熱した部位を設けておき、そ
の部位と圧着される樹脂フィルムの結晶配向度を周囲と
異ならせることにより実施しうる。また、このような方
法は、金属板に樹脂フィルムを圧着してラミネートした
後、樹脂フィルムを局部的に加熱または冷却して、その
部位の結晶配向度を周囲と異ならせることにより実施し
うる。また、このような方法は、金属板に樹脂フィルム
を圧着したラミネート板の前記樹脂フィルムにレーザを
特定の軌跡で照射して加熱し、特定形状の結晶配向度が
低い部位を形成することにより実施しうる。また、この
ような方法は、樹脂フィルムとラミネートする金属板を
加熱ロールで加熱するとき、その加熱ロールの表面に特
定形状の凹凸を形成しておき、押圧力の大小により金属
板の加熱温度を局部的に変えることにより実施しうる。
【0007】本発明の情報記録ラミネート板は、金属板
とその上にラミネートされた結晶配向性を有する合成樹
脂フィルムとからなり、樹脂フィルムに、所定の情報を
表す部位の結晶配向度が周囲と異なっていることを特徴
としている。前記情報は、位置を示す位置マークであっ
てもよく、あるいはバーコード、文字などの記号として
もよい。
【0008】本発明のラミネート板の記録読み取り方法
は、ラミネート板の情報記録部に、ある角度に偏光した
光を投射し、その反射光を前記角度に対して所定の偏光
角を有する偏光フィルタを透すことにより、前記結晶配
向度の局部的な変化を明暗または色の変化により検出す
ることを特徴としている。
【0009】本発明の情報記録ラミネート板の製造装置
は、金属板を加熱する加熱ロールと、加熱した金属板と
樹脂フィルムとを圧着する一対のラミネートロールとを
有し、前記加熱ロールに所定の情報を表す形状の凹凸が
形成されていることを特徴としている。
【0010】さらに本発明の製造装置の第2の態様は、
金属板を均一に加熱する加熱ロールと、加熱した金属板
に当接され、所定の形状の部位の温度を上昇または低下
させる情報転写ロールと、部分的に加熱または冷却した
金属板に樹脂フィルムを圧着する一対のラミネートロー
ルとから構成されている。
【0011】
【作用】一般にラミネート板の合成樹脂フィルムに局部
的に結晶配向度の差がある場合でも、肉眼では見えず、
カメラ等を用いても検出が困難である。そのため従来
は、熱などによる配向度の差を利用したマーキング法な
どの情報書き込みおよび読み取りはまったく考えられて
いない。本発明は以下の原理により、配向度の局部的な
変化を検知するものであり、またそれを用いて新たな情
報記録方法を提案するものである。
【0012】図9に示すように、2枚の偏向板のうち一
方を固定して他方を回転させていくと、光源6の光はあ
る角度で観察者Kからは見えなくなる。しかし、それら
の偏向板1,2の間に一方向に引っ張った樹脂フィルム
3を入れ、その樹脂フィルム3を回転させると、ある角
度で前記他方の偏光板2まで光の一部が透過するように
なる。そして光の強さは樹脂フィルム3を90゜回転さ
せるごとに周期的に変化する。このような現象は樹脂フ
ィルム3に引っ張られた方向に結晶が揃う結晶配向性が
あり、さらにフィルムが引っ張られた方向では屈折率が
高く、それに垂直な方向では屈折率が低くなるという、
いわゆる複屈折の性質を有するためである。すなわち第
1の偏光板1を透過した光は縦方向の振動波のみを通す
が、樹脂フィルム3内を通るときに引っ張られた方向の
成分Y1とこれに直角方向の成分Y2に分かれて進み、
この2つの光Y1,Y2は速度が異なることにより位相
差を生じ、その合成波は振動方向を変えながら樹脂フィ
ルムを通過するからである。
【0013】なお、前記2枚の偏光板1,2の間にセッ
トしたフィルム3を角度θだけ回転したときの光の強度
I(θ)は、 I(θ)=IMAX・Sin2θ・Sin2(δ/2)…(1) と表すことができる。この式(1)はつぎのように書き
かえることができる。 I(θ)=IMAX・Sin2θ・Sin2{πd(n2−n1)/λ0…(2) ここでIMAXは2枚の偏向板の偏光角度を平行にした
時の光の強さであり、δは2つの光Y1,Y2の位相差
であり、n2,n1は光路長、λ0は波長を示している。
そして上記位相差δは樹脂フィルムの引っ張り伸ばした
(延伸)程度、すなわち結晶配向度の大きさ(BO値)
に依存するので、1枚の樹脂フィルム3に結晶配向度が
部分的に異なっていれば、その分布に応じて第2の偏光
板2まで透過する光の位相が異なり、明暗として観察で
きる。本発明のラミネート鋼板の結晶配向度の検出方法
は上記の方法を応用したものであり、この場合は図2に
示すように、樹脂フィルム3を通過した光L1が原板5
の表面で反射し、戻ってきたものが第2の偏光板2を通
過し、その通過した光を検出することになる。そしてそ
の光を直接観察したり、光学的−電子的処理をすること
により、結晶配向度の局部的変化(分布)を検出するこ
とができる。
【0014】
【実施例】つぎに図面を参照しながら本発明の検出方
法、検出装置、情報記録方法、情報記録ラミネート板、
読み取り方法および製造装置の実施例を説明する。図1
は本発明の検出装置の一実施例を示す概略側面図、図2
は本発明の方法の原理を示す説明図、図3および図4は
それぞれ本発明の情報記録装置の一実施例を示す概略側
面図、図5aおよび図5bはそれぞれ本発明の情報記録
装置に用いるロールの実施例を示す要部斜視図、図6は
本発明の情報記録装置の他の実施例を示す概略側面図、
図7a〜7cはそれぞれ本発明の情報記録ラミネート板
の要部平面図、図8は本発明の読み取り方法の一実施例
を示す説明図、図9は本発明の方法の基本原理を示す概
略斜視図である。
【0015】図1において4はラミネート板であり、そ
のラミネート板4は薄鋼板などの原板5と、その上にラ
ミネートされた合成樹脂フィルム3とからなる。さらに
図1の6は白色光又は単色光の光源であり、7はカメラ
である。カメラ7にはマイコンなどのイメージ処理装置
8およびモニタ9が接続されている。前記光源6の前に
は第1の偏光板1が設けられている。またカメラ7の前
には偏光フィルタ2aが設けられている。カメラ7は光
源6から出た光L1がラミネート板4の原板5の表面に
よって反射され、その反射された光L2を偏光フィルタ
2aを通して検出できるように光軸が合わせられてい
る。ラミネート板4の原板5としては薄鋼板、とくにテ
ンフリースチール、ぶりき、ニッケルメッキ鋼板、亜鉛
メッキ鋼板、あるいはクロムメッキ鋼板などの金属板が
あげられる。しかし原板は必ずしも上記のものに限定さ
れず、その表面で光を反射させることができるものであ
ればよい。例えば、合成樹脂シートなどに金属蒸着した
ものも原板と成り得る。
【0016】合成樹脂フィルム3としては、ポリエチレ
ン,ポリプロピレン,エチレンープロピレン共重合体,
エチレンー酢酸ビニル共重合体,エチレンーアクリルエ
ステル共重合体,アイオノンマー等のオレフィン系樹脂
フィルム、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステ
ルフィルム、もしくはナイロン6,ナイロン6・6,ナ
イロン11,ナイロン12等のポリアミドフィルム、ポ
リ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ピニリデンフィルム等
の熱可塑性樹脂フィルムなどの、一軸延伸ないし二軸延
伸フィルムなど、延伸されたフィルムがあげられる。原
板と前記フィルムとの積層の際に接着剤を用いる場合
は、ウレタン系接着剤,エポキシ系接着剤,酸変性オレ
フィン樹脂系接着剤,コポリアミド系接着剤,コポリエ
ステル系接着剤等が好ましく用いられる。フィルムの厚
さは特に特定するものでないが、食缶や飲料缶等の缶用
材料として用いる場合には1μm〜100μm程度が好
ましい。樹脂フィルム3は透明なものが好ましいが、透
光性を有するものであれば半透明であってもよい。
【0017】前記カメラ7は、たとえばCCDラインセ
ンサーカメラ、エリアセンサーカメラなど、光学的に得
たイメージをアナログないしデジタル情報に変換できる
ものが好ましい。ただしカメラ7に代えて、直接目視に
より観察することもできる。
【0018】前記偏光板1は鉱物結晶の複屈折を調べる
装置におけるポラライザー(偏光子)と同じであり、前
記「作用」の項で説明した第1の偏光板に相当する。こ
のものは市販の偏光フィルムなどを採用しうる。またカ
メラ7の前の偏光フィルタ2aはアナライザと同じもの
であり、第2の偏光板である。このものには市販のカメ
ラ用偏光フィルタなどを用いることができる。偏光板1
と偏光フィルタ2aとは、図2に示すように偏光角が直
角にされている。すなわち、樹脂フィルム3を介さずに
直接原板5で反射したとすれば偏光フィルタ2aを通し
て光L2が出てこない向きで組み合わされている。な
お、上記偏光板1と偏光フィルタ2aとは、偏光角が平
行であってもよい。
【0019】上記のごとく構成させる検出装置Aにより
ラミネート板4の樹脂フィルム3の結晶配向度を検出す
る方法は以下の通りである。光源6から単色の光が出さ
れると、その光は偏光板1を通り、図2に示すように、
たとえば横方向の振動面を有する光L1となる。その光
L1は樹脂フィルム3に対し、入射角θで進入し、金属
原板5の表面で反射する。さらにその反射光は樹脂フィ
ルム3から出て、反射角θで偏光フィルタ2に入る。こ
のとき樹脂フィルム3内で、振動面が回転し、偏光フィ
ルタ2には縦方向の成分を有する光が入ってくる。その
ためその一部が偏光フィルタ2を通過し、カメラ7で検
出され、イメージ処理装置8によって増幅処理などが行
われ、モニタ9で観察できる。その場合、観察している
範囲で結晶配向度が一様に分布していれば、モニタ9で
観察されるのは一様な明るさの画面である。そのためそ
の場合は結晶配向度が一様に分布していることがわか
る。樹脂フィルム3の結晶配向度が部分的に異なってい
れば濃淡を生じる。この濃淡は、周期性のある相対的な
ものであって、必ずしも結晶配向度が高い部分が明るく
低い部分が暗くなるものではない。この相対的な濃淡を
モニタ9を通じて検出することによって、結晶配向度の
分布を容易に把握することができる。なおカメラ7によ
る検出範囲を、たとえばラミネート板4を走行させ、か
つカメラ7をそれと直角に往復動させるなどして、適切
な走査を行ったり、カメラ台数を増やすことで広い範囲
について結晶配向度の分布を検出し、アナログまたはデ
ジタルのデータをうることができる。また、そのデータ
をさらに加工し、たとえば輪郭強調処理、カラーリング
処理を行うことにより、結晶配向度の分布を一層わかり
やすいイメージにすることもできる。
【0020】上記結晶配向度の検出は、たとえばラミネ
ート板の製造工程において自然に生じた結晶配向度の分
布を検出することにより、ラミネーションの欠陥などを
検出することができる。さらに、製缶用のラミネート板
の場合、加工程度の高い缶側壁に相当するリング状の領
域を、あらかじめ、結晶配向度が低くなるように処理す
ることがあるが、(本出願人による特願平5−2134
70号参照)本発明の方法はその場合の処理が正確に行
われているかどうかを検査するためにも利用することが
できる。
【0021】さらにラミネート板の一部に、結晶配向度
が周囲と異なる領域を特定の形状で形成することによ
り、ラミネート板に、位置マークやバーコードなどの情
報を記録し、かつ前記検出方法でその情報を読み取らせ
ることもできる。以下、図3〜6を参照しながら特定形
状の結晶配向度が変化した領域からなる情報の記録方法
を説明する。図3において符号10は金属製の原板5を
ラミネーションに必要な温度の前後まで加熱する加熱ロ
ールであり、符号12は原板5に情報を表す特定のパタ
ーンで高温部ないし低温部を形成するためのパターンロ
ールである。さらに一対のロール13、14は上記加熱
処理およびパターン処理された原板5に結晶配向性を有
する樹脂フィルムを3を圧着させるためのラミネートロ
ールである。
【0022】上記パターンロール11、12はたとえば
図5aに示すパターンロール15のように、ロールの表
面の端部近辺に細長状の凹部16を形成し、その凹部で
は原板5と接触しないようにしたものである。なお、符
号17は前述の配向度が低い部分を形成するための凹部
である。この様なパターンロール15は、たとえば加熱
ロール10である温度まで予熱された原板5に対し、さ
らに高い温度に加熱するために使用することができ、そ
の場合は前記特定のパターンの温度が低い領域と、それ
以外の高温の領域の、いわば2分されたパターンで原板
5を加熱する。そして樹脂フィルム3のうち高温領域に
圧着される部分は、高温に加熱された結果、結晶配向度
が低下し、凹部16、17と対応する低温加熱の領域で
は結晶配向度が低下しない。したがって、図3のように
ラミネートロール13、14を通すことにより、一定の
パターンの、結晶配向度が高い部分を有するラミネート
板4をうることができる。また上記とは逆に、図5aの
一定パターンの凹部16を有するパターンロール15を
いくらか低温に維持し、あらかじめ加熱された原板5の
熱を部分的に奪うようにすることもできる。その場合は
ラミネート板4に特定パターンの結晶配向度が低い領域
を形成することができる。他方、図5bに示すパターン
ロール18は表面に、樹脂フィルム3に強く圧接される
特定のパターンの凸部19を形成したものであり、この
ものも高温に維持するか、あるいは低温に維持するかに
より、特定パターンの結晶配向度の低い領域、あるいは
高い領域を形成することができる。
【0023】図4は上記パターンロール11を一方のラ
ミネートロール14の表面に押し当てるように構成した
ものであり、ラミネートロール14の表面に特定パター
ンの高温または低温領域を形成し、それにより樹脂フィ
ルム3に特定情報を表すパターンの結晶配向度の分布を
与えることができる。なお、図4の想像線20、21は
上記パターンロール11、12と同じものであり、ラミ
ネートロール13、14から出てきた圧着直後のラミネ
ート板5に加熱または冷却を行うものである。このよう
にすることにより、事後的に情報を記録することもでき
る。なお、場合により、ラミネートロール13、14自
体に図5a、図5bに示すような凹凸を形成し、情報を
記録することもできる。さらに、凹凸によらず、特定の
部位に熱伝導度の高い材質あるいは低い材質のコーティ
ングないし埋め込みを施し、あるいは特定形状のヒータ
を埋め込んでおくことにより、それぞれその部位と接す
る樹脂シートや金属板の温度をコントロールして、結晶
配向度の異なる領域パターンを生じさせて情報を記録す
るようにしてもよい。
【0024】図6は、ラミネートロール13、14によ
って形成されたラミネート板5の樹脂フィルム3の側に
レーザを用いたパターン加熱装置22を設けたものであ
る。このものはレーザビームを所定のパターンに走査し
ながら照射することができる。そしてそれにより樹脂フ
ィルムに特定の形状の結晶配向度の低いパターンからな
る情報を書き込むことができる。このものはたとえばド
ットパターンによる文字あるいはバーコードなどの情報
を書き込むのに適する。
【0025】図7aは前記図5aのパターンロール15
を用いて製造した情報記録ラミネート板31を示してお
り、ラミネート板31の側縁に沿って、位置マーク32
が形成されている。この位置マーク32は結晶配向度が
周囲よりも高い(あるいは低い)領域であり、本実施例
ではラミネート板31の走行方向(長手方向)に対して
直角に設けられたある幅wをもった細長状の形態を有す
る。そしてその先端側32aは、リング状の結晶配向度
が低い領域32cの中心と対応させている。図7bはラ
ミネート板31に太い線33aと細い線33bとを組み
合わせて配列したバーコード33の情報を記録したもの
である。このようにバーコード33を用いれば、単なる
位置情報のほか、原板5や樹脂フィルム3のそれぞれの
厚さ、ロット番号など、種々の情報を書き込むことがで
きる。図7cはバーコードに代えて、文字34を情報と
して書き込んだものである。例えば、原板やフィルムに
関する情報などを記録することができる。このような文
字あるいは記号を用いると、モニターで観察している操
作者が直ちに情報を認識することができる。なお、前記
位置情報やバーコードついても、イメージ処理装置(図
1の符号8)によって数値データや文字情報に読みかえ
てモニター9に表示させることができる。
【0026】図8は前記位置マーク32の中心位置を正
確に求めるためのイメージ処理装置の作用を示してい
る。すなわち矢印方向に進行しているラミネート板31
の側方にカメラ7を設置し、そのカメラ7で位置マーク
32を含む一定領域Gのイメージ画像を検出させる。そ
うするとP1に示すように位置マーク32の幅wに応じ
て明るさが大きい部位36が検出される。さらにそのよ
うにしてえられたラミネート板31の長手方向の位置と
明るさの関係を示すグラフを微分処理することにより、
エッジ部37、38を強調させ(P2)、ついでエッジ
部37、38の中間位置39を決定する(P3)。これ
により幅wが広い位置マーク32を用いて、読み取り、
書き込みをスムーズに行えると共に、精度の高い情報の
読み書きを可能とすることができる。前記ラミネート板
31の走行が早いときは、光源をストロボライトとした
り、あるいは高速シャッターを有するカメラ7でイメー
ジ入力すればよい。
【0027】
【発明の効果】本発明の検出方法および検出装置によれ
ば、通常は目視不可能なフィルム結晶配向度の変化を容
易に観察ないし測定することができる。本発明の情報記
録方法・読み取り方法によれば、食品缶の素材ラミネー
ト板などに衛生的なマーキングやバーコード情報を記録
し、読み取ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の検出装置の一実施例を示す概略側面図
である。
【図2】本発明の方法の原理を示す説明図である。
【図3】本発明の情報記録装置の一実施例を示す概略側
面図である。
【図4】本発明の情報記録装置の他の実施例を示す概略
側面図である。
【図5】図5aおよび図5bはそれぞれ本発明の情報記
録装置に用いるパターンロールの実施例を示す要部斜視
図である。
【図6】本発明の情報記録装置のさらに他の実施例を示
す概略側面図である。
【図7】図7a〜図7bはそれぞれ本発明の情報記録ラ
ミネート板の要部平面図である。
【図8】本発明の読み取り方法の一実施例を示す説明図
である。
【図9】本発明の方法の基本原理を示す概略斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 偏光板 2 偏光板 2a 偏光フィルタ 3 合成樹脂フィルム 4 ラミネート板 5 原板 6 光源 7 カメラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−229911(JP,A) 特開 平3−256742(JP,A) 特開 平5−209823(JP,A) 特開 平9−48103(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 21/00 - 21/01 G01N 21/17 - 21/61 B32B 31/20 JICSTファイル(JOIS)

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属板に結晶配向性を有する合成樹脂フ
    ィルムをラミネートしたラミネート板における、樹脂フ
    ィルムの結晶配向度の分布状態を検出する方法であっ
    て、ラミネート板上の樹脂フィルムに偏光した光を前記
    樹脂フィルムに対し斜め方向に進入させ、その反射光を
    前記樹脂フィルムに対し反射角θで所定の偏光角の偏光
    フィルタを透して受けて、光の明暗が変化する情報や、輪郭強調処理、カラーリング処理を行うことによって、
    前記樹脂フィルムの結晶配向度の分布を検出する、ラミ
    ネート板における樹脂フィルムの結晶配向度の検出方
    法。
  2. 【請求項2】 前記投射される光が、偏光フィルタを透
    した光である請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記光が単色光又は白色光である請求項
    1または2記載の方法。
  4. 【請求項4】 ラミネート板に対して斜め方向に光を投
    射する投光器と、その投光器の前面に設けた第1偏光フ
    ィルタと、反射してくる光を検出する光学素子と、その
    光学素子の前面に設けた第2偏光フィルタとを有し、前
    記第1偏光フィルタによる偏光角度と第2偏光フィルタ
    による偏光角度とのなす角度が、ほぼ0度又は90度の
    関係におかれているラミネート板の結晶配向度の分布を
    検出する検出装置。
  5. 【請求項5】 金属板に結晶配向性を有する合成樹脂フ
    ィルムをラミネートしたラミネート板に情報を記録する
    方法であって、その樹脂フィルムの特定の部位の結晶配
    向度を周囲の結晶配向度と変えることを特徴とするラミ
    ネート板への情報記録方法。
  6. 【請求項6】 金属板を加熱し、その上に樹脂フィルム
    を圧着してラミネートするとき、金属板に周囲と異なる
    温度に加熱した部位を設けておき、その部位と圧着され
    る樹脂フィルムの結晶配向度を周囲と異ならせる請求項
    5記載の方法。
  7. 【請求項7】 金属板に樹脂フィルムを圧着してラミネ
    ートした後、樹脂フィルムを局部的に加熱または冷却し
    て、その部位の結晶配向度を周囲と異ならせる請求項5
    記載の方法。
  8. 【請求項8】 金属板に樹脂フィルムを圧着したラミネ
    ート板の前記樹脂フィルムにレーザを特定の軌跡で照射
    して加熱し、特定形状の結晶配向度が低い部位を形成す
    る請求項5記載の方法。
  9. 【請求項9】 樹脂フィルムとラミネートする金属板を
    加熱ロールで加熱するとき、その加熱ロールの表面に特
    定形状の凹凸を形成しておき、押圧力の大小により金属
    板の加熱温度を局部的に変える請求項6記載の方法。
  10. 【請求項10】 金属板とその上にラミネートされた結
    晶配向性を有する合成樹脂フィルムとからなり、樹脂フ
    ィルムに、所定の情報を表す部位の結晶配向度が周囲と
    異なっている情報記録ラミネート板。
  11. 【請求項11】 前記情報が位置を示す位置マークであ
    る請求項10記載のラミネート板。
  12. 【請求項12】 前記情報がバーコード記号、または文
    字などの記号である請求項10記載のラミネート板。
  13. 【請求項13】 請求項10、11または12のラミネ
    ート板の情報を読み取る方法であって、ラミネート板の
    情報記録部に、ある角度に偏光した光を投射し、その反
    射光を前記角度に対して所定の偏光角を有する偏光フィ
    ルタを透すことにより、前記結晶配向度の局部的な変化
    を明暗または色の変化により検出するラミネート板の記
    録読み取り方法。
  14. 【請求項14】 金属板を加熱する加熱ロールと、加熱
    した金属板と樹脂フィルムとを圧着する一対のラミネー
    トロールとを有し、前記加熱ロールに所定の情報を表す
    形状の凹凸が形成されている情報記録ラミネート板の製
    造装置。
  15. 【請求項15】 金属板を均一に加熱する加熱ロール
    と、加熱した金属板に当接され、所定の形状の部位の温
    度を上昇または低下させる情報転写ロールと、部分的に
    加熱または冷却した金属板に樹脂フィルムを圧着する一
    対のラミネートロールとからなる情報記録ラミネート板
    の製造装置。
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