JP3117205U - 縫着構造体並びにこの縫着構造体を備える被服及び布製身の回り品 - Google Patents
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Abstract
【課題】規則的な模様の中に、ある程度不規則な模様が含まれているといういわゆる乱尺な模様を表現する縫着構造体並びにこの縫着構造体を備える被服及び布製身の回り品を提供する。
【解決手段】縫着構造体10は基布23の一部を曲げてループ状にしたループ部24とループ部24の一端側21から他端側22へループ部24の表面側を覆うようにし、且つ、ループ部24の長手方向に移動しつつ複数回往復させた撚糸40と撚糸40を基布23に係止する係止糸51、52とからなり、撚糸40は、仮撚加工糸41、42を撚り合せる。また、被服及び布製身の回り品は縫着構造体10を備える。
【選択図】 図1
【解決手段】縫着構造体10は基布23の一部を曲げてループ状にしたループ部24とループ部24の一端側21から他端側22へループ部24の表面側を覆うようにし、且つ、ループ部24の長手方向に移動しつつ複数回往復させた撚糸40と撚糸40を基布23に係止する係止糸51、52とからなり、撚糸40は、仮撚加工糸41、42を撚り合せる。また、被服及び布製身の回り品は縫着構造体10を備える。
【選択図】 図1
Description
本考案は、縫着構造体並びにこの縫着構造体を備える被服及び布製身の回り品に関する。更に詳しくは、基布のループ部に乱尺な模様を形成する縫着構造体並びにこの縫着構造体を備える被服及び布製身の回り品に関する。
被服又は布製身の回り品(以下「被服等」という。)の製作に際しては、被服等の袖、裾又は衿等の端縁部のほつれを防ぐ必要があり、そのために、通常、この端縁部を内側に折り曲げてかがる端処理をする方法が一般的である。
また、別の方法では、端縁部を裏面に巻き込んで細かくかがる、いわゆる巻きロックという処理方法がある。後者の方法によれば、端縁部を丈夫且つ美しく仕上げる事ができる。
さらに、基布と異なる色で巻きロックを施すことにより、被服の裾端等を、基布に対して際立たせることができる。
さらにまた、複数の色の異なる糸を撚って、巻きロックを施せば、端縁部に規則的な模様を付すことができ、被服等について、その端縁部の処理と同時に意匠的効果を高めることができる。
ここで、2種類の繊維を撚り合わせた複合糸及びそれを用いた布帛が知られている(例えば特許文献1)。この複合糸は、材質の異なる2種の繊維を撚り合わせることにより製造され、発色性、染色性等において優れている。
また、別の方法では、端縁部を裏面に巻き込んで細かくかがる、いわゆる巻きロックという処理方法がある。後者の方法によれば、端縁部を丈夫且つ美しく仕上げる事ができる。
さらに、基布と異なる色で巻きロックを施すことにより、被服の裾端等を、基布に対して際立たせることができる。
さらにまた、複数の色の異なる糸を撚って、巻きロックを施せば、端縁部に規則的な模様を付すことができ、被服等について、その端縁部の処理と同時に意匠的効果を高めることができる。
ここで、2種類の繊維を撚り合わせた複合糸及びそれを用いた布帛が知られている(例えば特許文献1)。この複合糸は、材質の異なる2種の繊維を撚り合わせることにより製造され、発色性、染色性等において優れている。
しかし、規則的な模様は美しいながらも単調で飽きやすいという面があるのも否めない。
一方、規則的な模様の中に、ある程度不規則な模様が含まれていれば、変化に富み、リズミカルであり、被服等を看る者を楽しませることができる。
上述の通り、通常の異色の複数の縫製糸を撚って縫着したのでは、撚った糸が重なり合い難く、順々に逢着されていくため結局規則的な模様となり、不規則な模様を出すことが困難である。また、単色の糸で縫着した後、その上からさらに別の色の糸で逢着するのは、糸の上に更に別の糸が重なり、まだらな模様が出来上がるのみで乱雑なだけとなる。
なお、上記文献1の複合糸は、2種類の極細繊維を合撚、加熱することにより製造されたものであり、2種類の糸を模様として肉眼で見分ける程度の作用をするものではない。
今後被服等の業界においては、ますますデザインの重要性が増し、被服等について、多種多様の変化に富んだ模様を付したいという要請が高まるものと予想される。
一方、規則的な模様の中に、ある程度不規則な模様が含まれていれば、変化に富み、リズミカルであり、被服等を看る者を楽しませることができる。
上述の通り、通常の異色の複数の縫製糸を撚って縫着したのでは、撚った糸が重なり合い難く、順々に逢着されていくため結局規則的な模様となり、不規則な模様を出すことが困難である。また、単色の糸で縫着した後、その上からさらに別の色の糸で逢着するのは、糸の上に更に別の糸が重なり、まだらな模様が出来上がるのみで乱雑なだけとなる。
なお、上記文献1の複合糸は、2種類の極細繊維を合撚、加熱することにより製造されたものであり、2種類の糸を模様として肉眼で見分ける程度の作用をするものではない。
今後被服等の業界においては、ますますデザインの重要性が増し、被服等について、多種多様の変化に富んだ模様を付したいという要請が高まるものと予想される。
本考案は、上記実情に鑑みてなされたものであって、規則的な模様の中にある程度不規則な模様が含まれているといういわゆる乱尺な模様を表現する縫着構造体並びにこの縫着構造体を備える被服及び布製身の回り品を提供することを目的とする。
本考案は以下の通りである。
1.基布の一部を曲げてループ状にしたループ部と、該ループ部の一端側から他端側へ該ループ部の表面側を覆うようにし、且つ、該ループ部の長手方向に移動しつつ複数回往復させた撚糸と、該撚糸を該ループ部に係止する係止糸と、からなり、該撚糸は、長繊維の化学繊維を、加撚、熱固定及び解撚した加工糸(以下「仮撚加工糸」ともいう。)を複数撚り合せたものであることを特徴とする縫着構造体。
2.上記複数の加工糸のうちの少なくとも1本の色が、基布の色と補色関係にある上記1.に記載の縫着構造体。
3.上記複数の加工糸のうちの少なくとも2本の色が補色関係にある上記1.又は2.に記載の縫着構造体。
4.上記加工糸の数が、2〜6である上記1.乃至3.のうちのいずれかに記載の縫着構造体。
5.上記加工糸の数が、2又は3である上記4.に記載の縫着構造体。
6.上記撚糸は、1メートルにつき2本の加工糸を20回〜60回撚り合わせたものである上記1.乃至5.のうちのいずれかに記載の縫着構造体。
7.上記加工糸の材質は、ポリエステル及び/又はナイロンである上記1.乃至6.のうちのいずれかに記載の縫着構造体。
8.上記1.乃至7.のうちのいずれかに記載の縫着構造体を備えることを特徴とする被服。
9.上記被服が、ショール、スカーフ、ティーシャツ、ブラウス又は社交ダンス用衣装である上記8.に記載の被服。
10.上記1.乃至7.のうちのいずれかに記載の縫着構造体を備えることを特徴とする布製身の回り品。
11.上記布製身の回り品が、ハンカチ、タオル、ふくさ又は、ふろしきである上記10.に記載の布製身の回り品。
1.基布の一部を曲げてループ状にしたループ部と、該ループ部の一端側から他端側へ該ループ部の表面側を覆うようにし、且つ、該ループ部の長手方向に移動しつつ複数回往復させた撚糸と、該撚糸を該ループ部に係止する係止糸と、からなり、該撚糸は、長繊維の化学繊維を、加撚、熱固定及び解撚した加工糸(以下「仮撚加工糸」ともいう。)を複数撚り合せたものであることを特徴とする縫着構造体。
2.上記複数の加工糸のうちの少なくとも1本の色が、基布の色と補色関係にある上記1.に記載の縫着構造体。
3.上記複数の加工糸のうちの少なくとも2本の色が補色関係にある上記1.又は2.に記載の縫着構造体。
4.上記加工糸の数が、2〜6である上記1.乃至3.のうちのいずれかに記載の縫着構造体。
5.上記加工糸の数が、2又は3である上記4.に記載の縫着構造体。
6.上記撚糸は、1メートルにつき2本の加工糸を20回〜60回撚り合わせたものである上記1.乃至5.のうちのいずれかに記載の縫着構造体。
7.上記加工糸の材質は、ポリエステル及び/又はナイロンである上記1.乃至6.のうちのいずれかに記載の縫着構造体。
8.上記1.乃至7.のうちのいずれかに記載の縫着構造体を備えることを特徴とする被服。
9.上記被服が、ショール、スカーフ、ティーシャツ、ブラウス又は社交ダンス用衣装である上記8.に記載の被服。
10.上記1.乃至7.のうちのいずれかに記載の縫着構造体を備えることを特徴とする布製身の回り品。
11.上記布製身の回り品が、ハンカチ、タオル、ふくさ又は、ふろしきである上記10.に記載の布製身の回り品。
本考案の縫着構造体に係る撚糸は、異色の2以上の仮撚加工糸を撚り合わせたものであるため、この撚糸を、基布のループ部の一端側から他端側へループ部の表面側を覆うように往復させて連続して縫着していくと、撚り合わせられた糸が基布平面に対して平行に横並びに1本ずつ交互に模様として縫い込まれていく部分もあるが、撚り合せた糸同士が基布平面に対して上下に重なる場合も生ずる。
この上下に重なる部分が連続することによって一色の糸のみが上になる場合が連続すると、この上になった糸のみの色が基布表面上の連続した一色として模様に関与する。そうすると、この上下に重なる部分が生ずる頻度は特に制限されることなくランダムに現れるため、模様としては規則的に同一模様を反復する部分と、反復しない部分とが生じ全体として乱尺模様を形成することになる。
この横並びと、上下の重なりとは、必ずしも明確に区別されるものでなくその中間のものもありうる。すなわち仮撚加工糸は細かい繊維が複雑にからみあって形成されているため、撚り合わせた隣り合う糸との境界が必ずしも明確でない場合も生ずるのがその原因である。
さらに、上下に重なっている場合であっても、上の糸がまばらとなって下の糸が透けて見えるいわゆる霜降り状の模様となる場合も生ずる。
すなわち、仮撚加工糸を撚り合わせて模様を形成していけば通常の縫製糸によっては得られない変化に富んだ模様を醸し出すことができる。
この上下に重なる部分が連続することによって一色の糸のみが上になる場合が連続すると、この上になった糸のみの色が基布表面上の連続した一色として模様に関与する。そうすると、この上下に重なる部分が生ずる頻度は特に制限されることなくランダムに現れるため、模様としては規則的に同一模様を反復する部分と、反復しない部分とが生じ全体として乱尺模様を形成することになる。
この横並びと、上下の重なりとは、必ずしも明確に区別されるものでなくその中間のものもありうる。すなわち仮撚加工糸は細かい繊維が複雑にからみあって形成されているため、撚り合わせた隣り合う糸との境界が必ずしも明確でない場合も生ずるのがその原因である。
さらに、上下に重なっている場合であっても、上の糸がまばらとなって下の糸が透けて見えるいわゆる霜降り状の模様となる場合も生ずる。
すなわち、仮撚加工糸を撚り合わせて模様を形成していけば通常の縫製糸によっては得られない変化に富んだ模様を醸し出すことができる。
また、上記複数の仮撚加工糸のうちの少なくとも1本の色が、基布の色と補色関係にあれば模様を基布に対して一段と際立たせることができ美しい模様となる。
さらに、上記複数の仮撚加工糸の少なくとも2本の色が補色関係にある場合も一段と際立った美しい模様となる。
また、上記複数は、2〜6である場合は、美しい乱尺模様を出すことができる。
さらに、仮撚加工糸の数が2又は3である場合はさらに美しい乱尺模様を出すことができる。特に、仮撚加工糸の数が2である場合は、特に美しい乱尺模様を出すことができる。
また、上記撚糸は、1メートルにつき2本の仮撚加工糸を20回乃至60回撚り合わせたものであることが好ましく、こうであれば美しい乱尺模様を出すことができる。
上記仮撚加工糸の材質は、ポリエステル及び/又はナイロンであることが好ましく、これらの材質であれば、美しい乱尺模様を出すことができる。
さらに、上記複数の仮撚加工糸の少なくとも2本の色が補色関係にある場合も一段と際立った美しい模様となる。
また、上記複数は、2〜6である場合は、美しい乱尺模様を出すことができる。
さらに、仮撚加工糸の数が2又は3である場合はさらに美しい乱尺模様を出すことができる。特に、仮撚加工糸の数が2である場合は、特に美しい乱尺模様を出すことができる。
また、上記撚糸は、1メートルにつき2本の仮撚加工糸を20回乃至60回撚り合わせたものであることが好ましく、こうであれば美しい乱尺模様を出すことができる。
上記仮撚加工糸の材質は、ポリエステル及び/又はナイロンであることが好ましく、これらの材質であれば、美しい乱尺模様を出すことができる。
また、本考案の縫着構造体は、被服又は布製身の回り品に用いることが好ましく、こうであればこの縫着構造体の商品としての利用価値を高めることができる。
さらに、被服としては、ショール、スカーフ、ティーシャツ、ブラウス、又は社交ダンス用衣装、布製身の回り品としては、ハンカチ、タオル、ふくさ又は、ふろしきであることが更に好ましく、こうであれば、更に商品としての利用価値を高めることができる。
さらに、被服としては、ショール、スカーフ、ティーシャツ、ブラウス、又は社交ダンス用衣装、布製身の回り品としては、ハンカチ、タオル、ふくさ又は、ふろしきであることが更に好ましく、こうであれば、更に商品としての利用価値を高めることができる。
以下、本考案の縫着構造体を図1乃至図5を用いて詳しく説明する。
ここで、本考案に係る「仮撚加工糸」とは長繊維の化学繊維に加撚後、熱固定をし、さらに解撚の加工を施し製造される。仮撚加工糸は、バネのような伸縮性、毛糸のような嵩高性、保温性、吸湿性を有するという特長があり、通称「ウーリー糸」と呼ばれる。仮撚加工糸の材質は、ポリエステル、ナイロンのうちの少なくとも1種であり、2種を用いてもよい。好ましくは、ポリエステルである。また、撚糸40を構成する仮撚加工糸41、42の色は互いに異なる色であれば特に制限はない。
図3に示すように、この撚糸40は、色の異なる仮撚加工糸41、42を1メートルあたり略40回撚り合わせたものを用いる。
ここで、本考案に係る「仮撚加工糸」とは長繊維の化学繊維に加撚後、熱固定をし、さらに解撚の加工を施し製造される。仮撚加工糸は、バネのような伸縮性、毛糸のような嵩高性、保温性、吸湿性を有するという特長があり、通称「ウーリー糸」と呼ばれる。仮撚加工糸の材質は、ポリエステル、ナイロンのうちの少なくとも1種であり、2種を用いてもよい。好ましくは、ポリエステルである。また、撚糸40を構成する仮撚加工糸41、42の色は互いに異なる色であれば特に制限はない。
図3に示すように、この撚糸40は、色の異なる仮撚加工糸41、42を1メートルあたり略40回撚り合わせたものを用いる。
図1に示すように縫着構造体10は、基布23の端を他端側22へ巻き込んでループ部24を形成し、撚糸40を縫着することにより乱尺模様11を形成する。
その縫着の構造の一態様を図5により説明する。図5(a)は、基布23の一端側21のループ部24近傍、図5(b)は、基布23の他端側22のループ部24近傍を示している。
ここで、「ループ部」とは図1に示すように、基布23の平面の曲がり始めから曲がり終わりまでをいう。
基布23の他端側22において、図5(b)に示すように、撚糸40は、まずループ部24を巻き込むように(A)から矢印に沿ってループ部24に当接しつつループ部24の頂部25である(B)へ上昇する。(B)からは図5(a)に示すように、ループ部24に当接しつつ、基布23の一端側21を矢印に沿って下降する。撚糸40はループ部24を下降しきった後再び上昇し、ループ部24に沿って(C)へ向かう。(C)から図5(b)に示す他端側22において、ループ部24を下降し、その後再び上昇して(D)へ向かう。以後この繰り返しにより(E)、(F)へと続き、ループ部24が撚糸40によって全て覆われる。そして図5(a)に示すように、一端側21においては第1係止糸51によって撚糸40を1組ずつ固定する。一方、図5(b)に示すように、他端側22においては、第2係止糸52によって撚糸40を1組ずつ固定する。そして、さらに第2係止糸52は、第1係止糸51によって固定される。即ち、第1係止糸51は一端側21で撚糸40の固定、他端側22で第2係止糸52の固定を交互に繰り返す。
その縫着の構造の一態様を図5により説明する。図5(a)は、基布23の一端側21のループ部24近傍、図5(b)は、基布23の他端側22のループ部24近傍を示している。
ここで、「ループ部」とは図1に示すように、基布23の平面の曲がり始めから曲がり終わりまでをいう。
基布23の他端側22において、図5(b)に示すように、撚糸40は、まずループ部24を巻き込むように(A)から矢印に沿ってループ部24に当接しつつループ部24の頂部25である(B)へ上昇する。(B)からは図5(a)に示すように、ループ部24に当接しつつ、基布23の一端側21を矢印に沿って下降する。撚糸40はループ部24を下降しきった後再び上昇し、ループ部24に沿って(C)へ向かう。(C)から図5(b)に示す他端側22において、ループ部24を下降し、その後再び上昇して(D)へ向かう。以後この繰り返しにより(E)、(F)へと続き、ループ部24が撚糸40によって全て覆われる。そして図5(a)に示すように、一端側21においては第1係止糸51によって撚糸40を1組ずつ固定する。一方、図5(b)に示すように、他端側22においては、第2係止糸52によって撚糸40を1組ずつ固定する。そして、さらに第2係止糸52は、第1係止糸51によって固定される。即ち、第1係止糸51は一端側21で撚糸40の固定、他端側22で第2係止糸52の固定を交互に繰り返す。
図3に示すように縫着構造体10は、色の異なる2本の仮撚加工糸41、42を撚り合わせた撚糸40であるため、連続して縫着していくと、図1に示すように仮撚加工糸41、42がループ部24の表面に対して平行に横並びに一本ずつ交互に模様として縫い込まれる場合もあるが、撚り合せた仮撚加工糸41、42同士が基布23の表面に対して上下に重なる場合も生ずる。この上下に重なる部分が連続することによって一色の糸のみが上になる場合が連続すると、この上になった糸のみの色が基布表面上の連続した一色として模様に関与する。そうすると、この上下に重なる部分が生ずる頻度は特に制限されることなくランダムに現れ不規則な模様13が現れる。
このため、図1に示すように模様としては規則的な模様12と、不規則な模様13とが生じ全体として乱尺模様11を形成することになる。
図2は規則的な模様12のみからなる縫着構造体を示す。
このため、図1に示すように模様としては規則的な模様12と、不規則な模様13とが生じ全体として乱尺模様11を形成することになる。
図2は規則的な模様12のみからなる縫着構造体を示す。
図4を用いて模式的に説明すると、(a)に示すように、2本の仮撚加工糸41、42が交互に平行に横並びに縫い込まれていき、上下に重なることがない場合には、仮撚加工糸41又42のいずれか一方が2本連続することはあっても、3本以上連続することはない。このため、規則的な模様となって現れる。仮撚加工糸でなく、通常の縫製糸であれば、異なる色の2本の糸によって、縫い込んでいけば上下に2本の糸が重なることなく横並びに縫い込まれていくため、(a)に示す規則的な模様のみが現れる場合が多い。
しかし、仮撚加工糸の場合は、毛糸のような嵩高性を有しているため2本の仮撚加工糸が絡み合い、(b)に示すように一方の仮撚加工糸42が他方の仮撚加工糸41の上に部分的に覆いかぶさる場合が生ずる。そのため、表面から見ると仮撚加工糸42の色が幅広く観察されるのである。さらに、(c)に示すように一方の仮撚加工糸42が他方の仮撚加工糸41に完全に覆いかぶさる場合も生ずる。この場合は、表面から見ると仮撚加工糸42の色のみが広範囲に観察されることになる。また、(b)、(c)のような場合であっても、仮撚加工糸42がまばらとなって仮撚加工糸41が透けて見えるいわゆる霜降り状の模様となる場合も生ずる。
図1に示すように、規則的な模様12の中に不規則な模様13を含んだ乱尺模様11であれば、模様が変化に富み、リズミカルであり、看る者を楽しませることができる。
しかし、仮撚加工糸の場合は、毛糸のような嵩高性を有しているため2本の仮撚加工糸が絡み合い、(b)に示すように一方の仮撚加工糸42が他方の仮撚加工糸41の上に部分的に覆いかぶさる場合が生ずる。そのため、表面から見ると仮撚加工糸42の色が幅広く観察されるのである。さらに、(c)に示すように一方の仮撚加工糸42が他方の仮撚加工糸41に完全に覆いかぶさる場合も生ずる。この場合は、表面から見ると仮撚加工糸42の色のみが広範囲に観察されることになる。また、(b)、(c)のような場合であっても、仮撚加工糸42がまばらとなって仮撚加工糸41が透けて見えるいわゆる霜降り状の模様となる場合も生ずる。
図1に示すように、規則的な模様12の中に不規則な模様13を含んだ乱尺模様11であれば、模様が変化に富み、リズミカルであり、看る者を楽しませることができる。
仮撚加工糸41又は42のうちのいずれかの色が基布の色と補色関係にあれば、基布に対して一段と際立った模様となる。例えば、赤色の基布に対して仮撚加工糸の一方を青緑色にした場合、黄色の基布に対して仮撚加工糸の一方を青紫色にした場合は、基布に対して一段と際立った美しい模様となる。また、仮撚加工糸41、42が互いに補色関係にある場合も一段と際立った美しい模様となる
図6のハンカチ60はその端全周にわたって、縫着構造体61を備えている。この縫着構造体61は、前記縫着構造体10とその構成は同様であり、その説明は省略する。
前記縫着構造体10と異なる作用効果は以下の通りである。
ハンカチ60の構成であれば、ハンカチの縁のほつれを防止すると同時に、縫着構造体61の乱尺模様により、変化に富み、リズミカルなデザインを有するハンカチとなる。また、縫着構造体61は上記の仮撚加工糸を素材としているため、使用に際しては、ソフトな肌触りであると共に、滑りにくい。そのため、ポケット或いはバッグ等から滑り落ちるのを防ぐことができる。又吸水性にも優れているため、汗を拭ったり、水でぬれても端部が乾きやすく気持ちよく使用することができる。
なお、ハンカチ以外にも、タオル、ふくさ、ふろしき等にも利用可能である。
前記縫着構造体10と異なる作用効果は以下の通りである。
ハンカチ60の構成であれば、ハンカチの縁のほつれを防止すると同時に、縫着構造体61の乱尺模様により、変化に富み、リズミカルなデザインを有するハンカチとなる。また、縫着構造体61は上記の仮撚加工糸を素材としているため、使用に際しては、ソフトな肌触りであると共に、滑りにくい。そのため、ポケット或いはバッグ等から滑り落ちるのを防ぐことができる。又吸水性にも優れているため、汗を拭ったり、水でぬれても端部が乾きやすく気持ちよく使用することができる。
なお、ハンカチ以外にも、タオル、ふくさ、ふろしき等にも利用可能である。
図7において、(a)に示すブラウス80は、衿82に取り付けたフリル83の縁に、縫着構造体81を備えている。縫着構造体81は、縫着構造体10とその構成は同様であり、その説明は省略する。
前記縫着構造体10と異なる作用効果は以下の通りである。縫着構造体81をフリルに用いることにより、縫着構造体81を構成する1本の仮撚加工糸の色をフリル83の色と補色関係或いは、仮撚加工糸の2本の色が補色関係にある場合の他、例えば、1本の仮撚加工糸の色と、ブラウス80の基布84の色とを補色関係にあるものとすることもでき、デザインのバリエーションが広がる。また、フリル83は、衿82にボタン等で着脱可能であれば、種々の色のブラウス80に対して種々の色の異なる縫着構造体81を備えるフリルを組合せることにより、その組合せを楽しむことができる。(b)に示すブラウス85はフリル86が衿としての機能も有しており、その端に縫着構造体81を備えている。フリル部分が大きいため、縫着構造体81の模様も一段と際立ち、縫着構造体81はブラウス全体のデザインの中心的役割を果たすことができる。なお、縫着構造体81の色とブラウス85の基布87の色と組合せによりデザインのバリエーションが広がる点、フリル86をブラウス85に着脱可能とすることもできる点は(a)と同様である。
なお、フリル以外にもスカーフ、ショール、ネクタイ等に使用可能である。スカーフ又はショールに用いれば上記の特徴のほか結んだ時に解けにくいという利点もある。
前記縫着構造体10と異なる作用効果は以下の通りである。縫着構造体81をフリルに用いることにより、縫着構造体81を構成する1本の仮撚加工糸の色をフリル83の色と補色関係或いは、仮撚加工糸の2本の色が補色関係にある場合の他、例えば、1本の仮撚加工糸の色と、ブラウス80の基布84の色とを補色関係にあるものとすることもでき、デザインのバリエーションが広がる。また、フリル83は、衿82にボタン等で着脱可能であれば、種々の色のブラウス80に対して種々の色の異なる縫着構造体81を備えるフリルを組合せることにより、その組合せを楽しむことができる。(b)に示すブラウス85はフリル86が衿としての機能も有しており、その端に縫着構造体81を備えている。フリル部分が大きいため、縫着構造体81の模様も一段と際立ち、縫着構造体81はブラウス全体のデザインの中心的役割を果たすことができる。なお、縫着構造体81の色とブラウス85の基布87の色と組合せによりデザインのバリエーションが広がる点、フリル86をブラウス85に着脱可能とすることもできる点は(a)と同様である。
なお、フリル以外にもスカーフ、ショール、ネクタイ等に使用可能である。スカーフ又はショールに用いれば上記の特徴のほか結んだ時に解けにくいという利点もある。
図8のティーシャッ70は、衿72、袖73、ポケット74及び裾75に縫着構造体71を備えている。縫着構造体71は、上記縫着構造体10とその構成は同様であり、その説明は省略する。前記縫着構造体10と異なる作用効果としては前記ブラウス80と同様の作用効果が挙げられる。
さらに、衿72又は袖73は直接肌に触れる部分でもあり、縫着構造体71をこれらの部分に備えていれば肌触りがよく、吸湿性にも優れているため着心地がよい。なお、縫着構造体71は衿72、袖73、ポケット74及び裾75のすべての箇所に備えている必要はなく、1箇所のみ、又は2箇所以上に備えるものであってもよい。なお、ティーシャツ以外にもポロシャツ、ワイシャツ、ワンピース、ツーピース、ブラウス、エプロン等にも応用可能である。
さらに、衿72又は袖73は直接肌に触れる部分でもあり、縫着構造体71をこれらの部分に備えていれば肌触りがよく、吸湿性にも優れているため着心地がよい。なお、縫着構造体71は衿72、袖73、ポケット74及び裾75のすべての箇所に備えている必要はなく、1箇所のみ、又は2箇所以上に備えるものであってもよい。なお、ティーシャツ以外にもポロシャツ、ワイシャツ、ワンピース、ツーピース、ブラウス、エプロン等にも応用可能である。
図9の社交ダンス用衣装90は、カフス92、衿93、裾94及び衣装前面95に縫着構造体91を備えている。縫着構造体71は、上記縫着構造体10とその構成は同様であり、その説明は省略する。前記縫着構造体10と異なる作用効果としては前記ブラウス80と同様の作用効果があり、さらにそれ以外の効果としては以下の点が挙げられる。
社交ダンスにおいてはダンスを引き立てるため煌びやかな衣装が用いられる。社交ダンス用衣装90の衣装本体95は特に目を引く部分であるため、縫着構造体91の模様を備えることにより、一段と輝かしい衣装となる。縫着構造体91として金色、銀色等の鮮やかな色の仮撚加工糸からなる撚糸を用いることもできる。また、裾94は社交ダンスの足の動きに合わせて大きく動き、目を引く部分であるため縫着構造体91を備えることにより、ダンスを引き立てることになる。裾94の裏側もダンスの動きによって見える部分となるため、その端部に縫着構造体91を用いることにより美しい裾を見せることができる。さらに本考案に係る縫着構造体91を用いることにより、タイツに裾94が纏わりつきにくくなるという利点もある。なお、縫着構造体91はカフス92、衿93、裾94及び衣装前面95のすべての箇所に備えている必要はなく、1箇所のみ、又は2箇所以上に備えるものであってもよい。
社交ダンスにおいてはダンスを引き立てるため煌びやかな衣装が用いられる。社交ダンス用衣装90の衣装本体95は特に目を引く部分であるため、縫着構造体91の模様を備えることにより、一段と輝かしい衣装となる。縫着構造体91として金色、銀色等の鮮やかな色の仮撚加工糸からなる撚糸を用いることもできる。また、裾94は社交ダンスの足の動きに合わせて大きく動き、目を引く部分であるため縫着構造体91を備えることにより、ダンスを引き立てることになる。裾94の裏側もダンスの動きによって見える部分となるため、その端部に縫着構造体91を用いることにより美しい裾を見せることができる。さらに本考案に係る縫着構造体91を用いることにより、タイツに裾94が纏わりつきにくくなるという利点もある。なお、縫着構造体91はカフス92、衿93、裾94及び衣装前面95のすべての箇所に備えている必要はなく、1箇所のみ、又は2箇所以上に備えるものであってもよい。
23、84、87;基布、24;ループ部、21;一端側、22;他端側、40;撚糸、10、61、71、81、91;縫着構造体、41、42;仮撚加工糸、60;ハンカチ、70;ティーシャツ、80、85;ブラウス、83、86;フリル、90;社交ダンス用衣装、11;乱尺模様
Claims (11)
- 基布の一部を曲げてループ状にしたループ部と、該ループ部の一端側から他端側へ該ループ部の表面側を覆うようにし、且つ、該ループ部の長手方向に移動しつつ複数回往復させた撚糸と、該撚糸を該ループ部に係止する係止糸と、からなり、該撚糸は、長繊維の化学繊維を、加撚、熱固定及び解撚した複数の加工糸を撚り合せたものであることを特徴とする縫着構造体。
- 上記複数の加工糸のうちの少なくとも1本の色が、基布の色と補色関係にある請求項1に記載の縫着構造体。
- 上記複数の加工糸のうちの少なくとも2本の色が、補色関係にある請求項1又は2に記載の縫着構造体。
- 上記加工糸の数が、2〜6である請求項1乃至3のうちのいずれか1項に記載の縫着構造体。
- 上記加工糸の数が、2又は3である請求項4に記載の縫着構造体。
- 上記撚糸は、1メートルにつき2本の加工糸を20回〜60回撚り合わせたものである請求項1乃至5のうちのいずれか1項に記載の縫着構造体。
- 上記加工糸の材質は、ポリエステル及び/又はナイロンである請求項1乃至6のうちのいずれか1項に記載の縫着構造体。
- 上記請求項1乃至7のうちのいずれか1項に記載の縫着構造体を備えることを特徴とする被服。
- 上記被服が、ショール、スカーフ、ティーシャツ、ブラウス又は社交ダンス用衣装である請求項8に記載の被服。
- 上記請求項1乃至7のうちのいずれか1項に記載の縫着構造体を備えることを特徴とする布製身の回り品。
- 上記布製身の回り品が、ハンカチ、タオル、ふくさ又はふろしきである請求項10に記載の布製身の回り品。
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