JP3116927B2 - アレイ導波路格子 - Google Patents

アレイ導波路格子

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JP3116927B2 JP34260698A JP34260698A JP3116927B2 JP 3116927 B2 JP3116927 B2 JP 3116927B2 JP 34260698 A JP34260698 A JP 34260698A JP 34260698 A JP34260698 A JP 34260698A JP 3116927 B2 JP3116927 B2 JP 3116927B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアレイ導波路格子
(AWG)に関する。
【0002】
【従来の技術】アレイ導波路格子は、高密度波長多重光
ファイバ通信システムに用いられる波長選択フィルタ又
はアッドドロップマックス(ADM)フィルタとして重要
であり、また、波長ルーティングデバイスとしての応用
も検討されており、内外で盛んに研究開発が行われてい
る。
【0003】アレイ導波路格子は多入力多出力型のフィ
ルタデバイスであり、波長多重された信号をある一つの
入力端に導入した場合、多重化された信号を複数の出力
端の各々に分離する機能を有している。また、その逆の
動作を行わせることも可能である。
【0004】また、アレイ導波路格子は石英導波路を用
いて構成することにより、光ファイバとの結合に優れ、
挿入損失が数dB程度の低い挿入損失動作を実現するこ
とができる。
【0005】これまでに、アレイ導波路格子について多
くの提案がなされている。
【0006】例えば、特開平8−334638号公報に
は、出力用チャネル導波路の近傍に出力用チャネル導波
路のクラッドの屈折率よりも大きい屈折率を有する材料
からなる部材が配置されている光波長合分波器を提案し
ている。
【0007】また、特開平9−297228号公報は、
入力用チャネル導波路のコアをパラボラ形状とすること
により、フラットな光周波数特性を実現するアレイ導波
路格子を提案している。
【0008】また、特開平10−177114号公報
は、出力導波路に波長選択フィルタ膜を挿入することに
より、アレイ導波路の波長損失特性を低下させずに、各
出力導波路から出射される漏話光を低減させることがで
きる光波長合分波器を提案している。
【0009】アレイ導波路格子の一例として、1996
年電子情報学会エレクトロニクスソサイエティ大会講演
論文集1、C−3、162頁に記載されているアレイ導
波路格子を図7に示す。図7はこのアレイ導波路格子の
平面図である。
【0010】図7に示すように、アレイ導波路格子は、
数本の入力導波路1と、入力導波路1の一端に連結さ
れ、入力導波路1を介して光信号が入射される入力側ス
ラブ導波路2と、入力導波路1とは反対側の端部におい
て入力側スラブ導波路2に取り付けられた複数の導波路
よりなるアレイ導波路3と、入力側スラブ導波路2とは
反対側の端部においてアレイ導波路3に取り付けられた
出力側スラブ導波路4と、アレイ導波路3とは反対側の
端部において出力側スラブ導波路4に取り付けられた数
本の出力導波路5と、からなっている。
【0011】入力導波路1から入射した光信号は入力側
スラブ導波路2に入射し、多数の導波路からなるアレイ
導波路3に等位相で入射する。
【0012】アレイ導波路3の入力端と入力導波路1の
出力端とは異なる円の円周上にそれぞれ配置されてお
り、アレイ導波路3の入力端が配置される円の半径は入
力導波路1の出力端が配置される円の半径の2倍であ
り、アレイ導波路3の入力端が配置される円の中心は入
力導波路1の出力端が配置される円の円周上に配置され
ている。
【0013】アレイ導波路3を構成しているそれぞれの
導波路は、入射された光信号に等間隔の位相差を付与す
るように調整されている。
【0014】アレイ導波路3の他端には出力側スラブ導
波路4が配置されている。アレイ導波路3、出力側スラ
ブ導波路4及び出力導波路5の配置は入力側と同様であ
る。すなわち、アレイ導波路3の出力端、出力導波路5
の入力端はそれぞれ異なる円の円周上に配置されてお
り、アレイ導波路3の出力端が配置される円の半径は出
力導波路5の入力端が配置される円の半径の2倍であ
り、アレイ導波路3の出力端が配置される円の中心は出
力導波路5の入力端が配置される円の円周上に配置され
ている。
【0015】入力導波路1から入力側スラブ導波路2へ
入射した光は、回折により、入力側スラブ導波路2内を
広がりながら伝播し、アレイ導波路3の入力部へ到達し
た後、アレイ導波路3を構成する各導波路に同位相で分
配される。
【0016】アレイ導波路3を構成する各導波路を互い
に等間隔の位相差を付与されて伝播した光はアレイ導波
路3の出力端に到達するが、波長分散があるために、波
長により等位相面が傾く。この結果、出力側スラブ導波
路4を伝播した後に、光が集光される位置は波長毎に異
なる。この現象を利用して、任意の位置に出力導波路5
を配置すれば、出力導波路5の各導波路に任意の波長の
光信号を取り出すことができる。
【0017】図7に示したアレイ導波路格子において、
入力導波路1が入力側スラブ導波路2に接続される部分
及び出力導波路5が出力側スラブ導波路4に接続される
部分では、隣接する入力又は出力導波路間の間隔が極め
て小さい。このため、隣接する入力又は出力導波路との
間で光結合が生じ、その結果、隣接チャネルクロストー
クが劣化する現象が起こっていた。
【0018】これを改善する方法として、入力側及び出
力側スラブ導波路2、4の伝播距離を長くすることによ
り、入力導波路1及び出力導波路5における隣接する導
波路間の間隔を広げることができる。
【0019】この場合、入力導波路1及び出力導波路5
と入力側及び出力側スラブ導波路2、4との結合部にお
ける隣接導波路間の間隔をd1、アレイ導波路3と入力
側及び出力側スラブ導波路2、4との結合部における隣
接導波路間の間隔をd2、入力側及び出力側スラブ導波
路2、4の焦点距離をfとすると、これらの関係は次式
で表される。
【0020】(d1×d2)/f=一定 入力導波路1及び出力導波路5を構成する各導波路間の
間隔を広げる場合、入力側及び出力側スラブ導波路2、
4からの見込み角度が大きくなるため、入力導波路1、
出力導波路5の中心部に配置された導波路と周辺部に配
置された導波路との間の回折効率差が大きくなる。これ
に起因して、波長毎の損失差が大きくなり、特に、周辺
部に配置された導波路における挿入損失が増大するとい
う問題が生じていた。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の
アレイ導波路格子においては、入力側及び出力側スラブ
導波路の近傍において生じる光結合に起因して、低い隣
接クロストークと回折効率の向上を両立すること困難で
あった。
【0022】本発明はこのような従来のアレイ導波路格
子における問題点に鑑みてなされたものであり、低い隣
接チャネルクロストークレベルと高い回折効率を同時に
実現することができるアレイ導波路格子を提供すること
を目的とする。
【0023】
【問題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明に係るアレイ導波路格子は、入力側及び出力
側スラブ導波路の近傍の入力導波路及び出力導波路にお
いて、スポットサイズを縮小することにより隣接導波路
への光結合を低減し、あるいは、隣接導波路のスポット
サイズ径を相互に異なるものにすることにより隣接導波
路への光結合を低減し、もって、低い隣接チャネルクロ
ストークレベルを実現するものである。
【0024】具体的には、本発明のうち、請求項1は、
少なくとも1本の入力導波路と、入力導波路を介して光
信号が入射される入力側スラブ導波路と、入力導波路と
は反対側の端部において入力側スラブ導波路に取り付け
られた複数の導波路よりなるアレイ導波路と、入力側ス
ラブ導波路とは反対側の端部においてアレイ導波路に取
り付けられた出力側スラブ導波路と、アレイ導波路とは
反対側の端部において出力側スラブ導波路に取り付けら
れた少なくとも1本の出力導波路と、からなるアレイ導
波路格子において、入力導波路及び出力導波路は入力側
スラブ導波路及び出力側スラブ導波路に接続する接続部
分において、該接続部分以外の部分よりも小さいスポッ
トサイズを有していることを特徴とするアレイ導波路格
子を提供する。
【0025】接続部分のスポットサイズを他の部分より
も小さくすることは種々の方法により達成することがで
きる。
【0026】例えば、導波路の各々が、基板と、基板上
に形成された下層クラッド層と、下層クラッド層上に形
成されたコアと、コアを覆って下層クラッド層上に形成
された上層クラッド層と、からなるものであるばあい、
請求項2に記載されているように、下層クラッド層又は
上層クラッド層の屈折率を少なくとも部分的に下げる
か、あるいは、コアの屈折率を上げることにより、接続
部分のスポットサイズを他の部分よりも小さくすること
ができる。
【0027】あるいは、請求項3に記載されているよう
に、コアの幅又は高さを少なくとも部分的に大きくする
ことによっても、接続部分のスポットサイズを他の部分
よりも小さくすることができる。
【0028】さらには、請求項4に記載されているよう
に、接続部分は、下層クラッド層又は上層クラッド層の
屈折率を少なくとも部分的に下げ、又は、コアの屈折率
を上げるとともに、コアの幅又は高さを少なくとも部分
的に大きくすることによっても、接続部分のスポットサ
イズを他の部分よりも小さくすることができる。
【0029】請求項5は、少なくとも1本の入力導波路
と、入力導波路を介して光信号が入射される入力側スラ
ブ導波路と、入力導波路とは反対側の端部において入力
側スラブ導波路に取り付けられた複数の導波路よりなる
アレイ導波路と、入力側スラブ導波路とは反対側の端部
においてアレイ導波路に取り付けられた出力側スラブ導
波路と、アレイ導波路とは反対側の端部において出力側
スラブ導波路に取り付けられた少なくとも1本の出力導
波路と、からなるアレイ導波路格子において、入力導波
路及び出力導波路は入力側スラブ導波路及び出力側スラ
ブ導波路に接続する接続部分において、隣接する入力導
波路又は出力導波路とは伝播定数が異なることを特徴と
するアレイ導波路格子を提供する。
【0030】請求項6に記載されているように、入力導
波路及び出力導波路が接続部分において等しいスポット
サイズを有しており、このスポットサイズは光信号の入
射方向及び出射方向において変化するものであり、入力
導波路及び出力導波路のうち隣接する導波路の伝播定数
が異なるように設定されていることが好ましい。
【0031】隣接する導波路の伝播定数を相互に異なる
ものにすることは種々の方法により行うことができる。
【0032】例えば、請求項7に記載されているよう
に、導波路の各々が、基板と、基板上に形成された下層
クラッド層と、下層クラッド層上に形成されたコアと、
コアを覆って下層クラッド層上に形成された上層クラッ
ド層と、からなるものである場合、隣接する導波路の等
価屈折率を変化させることにより、これら隣接する導波
路の伝播定数を異なるものとすることができる。
【0033】あるいは、請求項8に記載されているよう
に、下層クラッド層又は上層クラッド層の屈折率を変化
させ、あるいは、コアの幅又は高さを変化させることに
よっても、隣接する導波路の伝播定数を異なるものとす
ることができる。
【0034】あるいは、請求項9に記載されているよう
に、コア又は下層クラッド層もしくは上層クラッド層の
屈折率を光信号の伝播方向において変化させることによ
っても、隣接する導波路の伝播定数を異なるものとする
ことができる。
【0035】
【発明の実施の形態】本発明の第一の実施形態に係るア
レイ導波路格子を図1乃至図3に示す。図1は本実施形
態に係るアレイ導波路格子の平面図であり、図2は本実
施形態に係るアレイ導波路格子の断面図であり、図3は
本実施形態に係るアレイ導波路格子の特性図である。
【0036】図1に示すように、本実施形態に係るアレ
イ導波路格子は、数本の入力導波路11と、入力導波路
11の一端に連結され、入力導波路11を介して光信号
が入射される入力側スラブ導波路12と、入力導波路1
1とは反対側の端部において入力側スラブ導波路12に
取り付けられた複数の導波路よりなるアレイ導波路13
と、入力側スラブ導波路12とは反対側の端部において
アレイ導波路13に取り付けられた出力側スラブ導波路
14と、アレイ導波路13とは反対側の端部において出
力側スラブ導波路14に取り付けられた数本の出力導波
路15と、からなる。
【0037】図2に示すように、各導波路は、基板16
と、基板16上に形成された下層クラッド層17と、下
層クラッド層17上に形成され、下層クラッド層17よ
り高い屈折率を有するコア18と、コア18を覆うよう
に下層クラッド層17上に形成され、コア18より低い
屈折率を有する上層クラッド層19と、からなってい
る。
【0038】図3は、下層クラッド層17及び上層クラ
ッド層19の屈折率がともに1.475であり、コア1
8の幅及び高さが4μmに設定されている石英導波路に
おいて、比屈折率差を0.7%から1.3%まで変化さ
せることにより、出力導波路15の出力側スラブ導波路
14の近傍におけるスポットサイズを2.5μmから
3.1μmまで変化させた場合の光結合の特性図であ
る。この特性図は、出力導波路15の導波路分離角度が
0.0027rad、入力導波路11及び出力導波路1
5における各導波路間の間隔が12μmである場合に、
BPMを用いて計算を行って得られたものである。
【0039】スポットサイズの制御は、導波路の幅を変
化させることにより行ったが、導波路の高さを変化させ
ることによっても可能である。
【0040】また、屈折率を制御するためのドーパント
濃度を変えたり、紫外線を照射することによりガラスの
屈折率が変化する紫外線照射屈折率変化等で代表される
屈折率制御を用いて比屈折率差を制御したり、それと同
時に、コアの形状を変化させることによっても、スポッ
トサイズの制御は可能である。
【0041】図3によると、出力導波路15のスポット
サイズを小さくすることにより、隣接する導波路への光
結合は小さくなっていることがわかる。これは各出力導
波路15のモードの重なりが小さくなったためであり、
この性質を利用して、導波路分離角度や導波路間隔など
のパラメータを変えることなく、出力導波路15の光結
合を小さくすることができる。
【0042】以上は入力導波路11と入力側スラブ導波
路12との境界面においても同様である。
【0043】このように、本実施形態に係るアレイ導波
路格子によれば、回折効率を一定に保ったまま、入力導
波路11及び出力導波路15の光結合を低減でき、隣接
チャネルクロストークレベルを改善できる。
【0044】ただし、スポットサイズを小さくすると光
ファイバとの結合効率が増加してしまうため、隣接する
導波路の間隔が十分大きく、従って、光結合が小さくな
った領域においてスポットサイズの変換を行うことが望
ましい。
【0045】基板16としては、シリコン基板、ガラス
基板、セラミック基板等が一般的に用いられる。これら
の基板の中では、コストが低く、容易に異方性エッチン
グによるファイバガイドが形成でき、電気回路のハイブ
リッド化に適しているシリコン基板が適している。
【0046】コア18、下層クラッド層17及び上層ク
ラッド層19の材料としては、リン、ゲルマニウム、チ
タン、ボロン、フッ素等を石英に添加した材料を用い
る。光信号が通過するコア18は下層クラッド層17及
び上層クラッド層19よりも高い屈折率を有するように
調整されている。
【0047】コア18、下層クラッド層17及び上層ク
ラッド層19の成膜方法としては常圧CVD法、火炎堆
積法、スパッタ法、スピンコート法、電子ビーム蒸着法
等が用いられる。
【0048】コア18は次のようにして形成される。
【0049】先ず、基板16上に下層クラッド層17及
びコア層を成膜する。その後、フォトリソグラフィーを
用いて、所定のパターンをコア層に転写し、反応性イオ
ンエッチング(RIE)装置や反応性イオンビームエッチ
ング(RIBE)装置等を用いるドライエッチング法によ
りコア層をエッチングする。これにより、コア18が形
成される。
【0050】なお、電子ビームやレーザー直描によって
も、アレイ導波路格子のパターンを形成することができ
る。
【0051】最後に、コア18を覆うようにして下層ク
ラッド層17上に上層クラッド層19を成膜する。これ
により、埋め込み型導波路によるアレイ導波路格子が得
られる。
【0052】スポットサイズの制御は導波路の高さ又は
幅を光の伝播方向に対して変化させるという方法が最も
簡単であるが、コア18又はクラッド層17、19の屈
折率を伝播方向に対して変化させることによっても可能
である。
【0053】本発明の第二の実施形態に係るアレイ導波
路格子を図4及び図5に示す。図4は本実施形態に係る
アレイ導波路格子の平面図であり、図5は本実施形態に
係るアレイ導波路格子の特性図である。
【0054】図4に示すように、本実施形態に係るアレ
イ導波路格子は、数本の入力導波路21と、入力導波路
21の一端に連結され、入力導波路21を介して光信号
が入射される入力側スラブ導波路22と、入力導波路2
1とは反対側の端部において入力側スラブ導波路22に
取り付けられた複数の導波路よりなるアレイ導波路23
と、入力側スラブ導波路22とは反対側の端部において
アレイ導波路23に取り付けられた出力側スラブ導波路
24と、アレイ導波路23とは反対側の端部において出
力側スラブ導波路24に取り付けられた数本の出力導波
路25と、からなる。
【0055】各導波路は、図2に示したように、基板1
6と、下層クラッド層17と、コア18と、上層クラッ
ド層19と、からなる。
【0056】本実施形態に係るアレイ導波路格子におい
ては、図4に示すように、出力導波路25aとそれに隣
接する出力導波路25bとは相互に伝播定数が異なるよ
うに形成されている。
【0057】同様に、入力導波路21aとそれに隣接す
る入力導波路21bとは相互に伝播定数が異なるように
形成されている。
【0058】伝播定数の異なる出力導波路25a、25
bを得るためには、導波路の等価屈折率を変化させれば
よい。導波路の等価屈折率は、コアの幅又は高さを変化
させるか、あるいは、コア、下層クラッド層及び上層ク
ラッド層の屈折率を変化させることにより、変化させる
ことができる。
【0059】図5は、下層クラッド層17及び上層クラ
ッド層19の屈折率が1.475、比屈折率差が0.7
%であり、出力導波路25aの伝播定数をβ1=5.9
85356e6としたときに、出力導波路25aの伝播
定数(β1)と出力導波路25bの伝播定数(β2)との差
(Δβ=β1−β2)を、コア18の幅と高さを3.5μ
mから6μmまで変化させることにより、変化させた場
合の光結合によるクロストークの特性図である。図5に
おいては、出力導波路の導波路分離角度を約0.002
7rad、導波路間隔を12μmとして計算を行った。
【0060】図5によると、出力導波路25aの伝播定
数(β1)と出力導波路25bの伝播定数(β2)との差Δ
βの絶対値が大きくなるほど、光結合に起因するクロス
トークは小さくなることが分かる。
【0061】これは入力導波路21a、21bと入力側
スラブ導波路22との境界面においても同様である。
【0062】この結果より、互いに隣接する入力導波路
21a、21b及び出力導波路25a、25bの入力側
スラブ導波路22及び出力側スラブ導波路24近傍にお
ける伝播定数を変えることにより、入力導波路21a、
21b及び出力導波路25a、25bにおける隣接導波
路への光結合を小さくすることができる。
【0063】このように、本実施形態に係るアレイ導波
路格子によれば、従来と同じ導波路間隔を保ちながら隣
接クロストークレベルを低減することができる。
【0064】本発明の第三の実施形態に係るアレイ導波
路格子を図6に示す。図6は本実施形態に係るアレイ導
波路格子の平面図である。
【0065】図6に示すように、本実施形態に係るアレ
イ導波路格子は、数本の入力導波路31と、入力導波路
31の一端に連結され、入力導波路31を介して光信号
が入射される入力側スラブ導波路32と、入力導波路3
1とは反対側の端部において入力側スラブ導波路32に
取り付けられた複数の導波路よりなるアレイ導波路33
と、入力側スラブ導波路32とは反対側の端部において
アレイ導波路33に取り付けられた出力側スラブ導波路
34と、アレイ導波路33とは反対側の端部において出
力側スラブ導波路34に取り付けられた数本の出力導波
路35と、からなる。
【0066】各導波路は、図2に示したように、基板1
6と、下層クラッド層17と、コア18と、上層クラッ
ド層19と、からなる。
【0067】前述の第二の実施形態においては、入力導
波路21a、21bと出力導波路25a、25bとはそ
れぞれ伝播定数が異なるように設定されている。このよ
うに、入力導波路21a、21bと入力側スラブ導波路
22との境界及び出力側スラブ導波路24と出力導波路
25a、25bとの境界において伝播定数が異なると、
その点におけるスポットサイズが各チャネル毎に異なる
ことになる一方、出力側スラブ導波路24の出口におけ
るスポットサイズはチャネルによらず一定であるため、
両者のオーバーラップ積分と一致する結合効率がチャネ
ル毎に異なり、チャネル間の挿入損失のばらつきが発生
することとなる。
【0068】本実施形態に係るアレイ導波路格子におい
ては、この問題を解決するために、出力側スラブ導波路
34と出力導波路35との境界において出力導波路35
を構成する全導波路のスポットサイズを等しく保ちつ
つ、隣接する導波路の伝播定数を不等となるように調整
している。この場合、チャネル間の結合効率の劣化は存
在しない。
【0069】伝播定数を不等とする制御は導波路の幅を
光の伝播方向に対して変化させるという方法が最も簡単
であるが、コア18の屈折率やクラッド層17、19の
屈折率を伝播方向に対して変化させることによっても可
能である。
【0070】この際、急激な伝播定数の変化を起こすと
損失が増加するため、適度に緩やかなテーパとすること
により、損失を低減させることができる。
【0071】
【発明の効果】以上のように、本発明に係るアレイ導波
路格子によれば、従来のアレイ導波路格子よりもクロス
トークが低く、かつ、回折効率が高いアレイ導波路格子
を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の第一の実施形態に係るアレイ導
波路格子の平面図である。
【図2】図2は本発明の第二の実施形態に係るアレイ導
波路格子の断面図である。
【図3】図3は第一の実施形態に係るアレイ導波路格子
の特性図である。
【図4】図4は本発明の第二の実施形態に係るアレイ導
波路格子の平面図である。
【図5】図5は第二の実施形態に係るアレイ導波路格子
の特性図である。
【図6】図6は本発明の第三の実施形態に係るアレイ導
波路格子の平面図である。
【図7】図7は従来のアレイ導波路格子の平面図であ
る。
【符号の説明】
1、11、21、31 入力導波路 2、12、22、32 入力側スラブ導波路 3、13、23、33 アレイ導波路 4、14、24、34 出力側スラブ導波路 5、15、25、35 出力導波路 16 基板 17 下層クラッド層 18 コア 19 上層クラッド層
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 6/12 - 6/14 G02B 6/28 - 6/293 JICSTファイル(JOIS)

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1本の入力導波路と、 前記入力導波路を介して光信号が入射される入力側スラ
    ブ導波路と、 前記入力導波路とは反対側の端部において前記入力側ス
    ラブ導波路に取り付けられた複数の導波路よりなるアレ
    イ導波路と、 前記入力側スラブ導波路とは反対側の端部において前記
    アレイ導波路に取り付けられた出力側スラブ導波路と、 前記アレイ導波路とは反対側の端部において前記出力側
    スラブ導波路に取り付けられた少なくとも1本の出力導
    波路と、 からなるアレイ導波路格子において、 前記入力導波路及び前記出力導波路は前記入力側スラブ
    導波路及び前記出力側スラブ導波路に接続する接続部分
    において、該接続部分以外の部分よりも小さいスポット
    サイズを有していることを特徴とするアレイ導波路格
    子。
  2. 【請求項2】 前記導波路の各々は、基板と、前記基板
    上に形成された下層クラッド層と、前記下層クラッド層
    上に形成されたコアと、前記コアを覆って前記下層クラ
    ッド層上に形成された上層クラッド層と、からなり、 前記接続部分は、前記下層クラッド層又は前記上層クラ
    ッド層の屈折率を少なくとも部分的に下げるか、あるい
    は、前記コアの屈折率を上げることにより、形成されて
    いるものであることを特徴とする請求項1に記載のアレ
    イ導波路格子。
  3. 【請求項3】 前記導波路の各々は、基板と、前記基板
    上に形成された下層クラッド層と、前記下層クラッド層
    上に形成されたコアと、前記コアを覆って前記下層クラ
    ッド層上に形成された上層クラッド層と、からなり、 前記接続部分は、前記コアの幅又は高さを少なくとも部
    分的に大きくすることにより得られるものであることを
    特徴とする請求項1に記載のアレイ導波路格子。
  4. 【請求項4】 前記導波路の各々は、基板と、前記基板
    上に形成された下層クラッド層と、前記下層クラッド層
    上に形成されたコアと、前記コアを覆って前記下層クラ
    ッド層上に形成された上層クラッド層と、からなり、 前記接続部分は、前記下層クラッド層又は前記上層クラ
    ッド層の屈折率を少なくとも部分的に下げ、又は、前記
    コアの屈折率を上げ、かつ、前記コアの幅又は高さを少
    なくとも部分的に大きくすることにより得られるもので
    あることを特徴とする請求項1に記載のアレイ導波路格
    子。
  5. 【請求項5】 少なくとも1本の入力導波路と、 前記入力導波路を介して光信号が入射される入力側スラ
    ブ導波路と、 前記入力導波路とは反対側の端部において前記入力側ス
    ラブ導波路に取り付けられた複数の導波路よりなるアレ
    イ導波路と、 前記入力側スラブ導波路とは反対側の端部において前記
    アレイ導波路に取り付けられた出力側スラブ導波路と、 前記アレイ導波路とは反対側の端部において前記出力側
    スラブ導波路に取り付けられた少なくとも1本の出力導
    波路と、 からなるアレイ導波路格子において、 前記入力導波路及び前記出力導波路は前記入力側スラブ
    導波路及び前記出力側スラブ導波路に接続する接続部分
    において、隣接する前記入力導波路又は前記出力導波路
    とは伝播定数が異なることを特徴とするアレイ導波路格
    子。
  6. 【請求項6】 前記入力導波路及び前記出力導波路は前
    記接続部分において等しいスポットサイズを有してお
    り、前記スポットサイズは光信号の入射方向及び出射方
    向において変化するものであり、前記入力導波路及び前
    記出力導波路のうち隣接する導波路の伝播定数が異なる
    ように設定されていることを特徴とする請求項5に記載
    のアレイ導波路格子。
  7. 【請求項7】 前記導波路の各々は、基板と、前記基板
    上に形成された下層クラッド層と、前記下層クラッド層
    上に形成されたコアと、前記コアを覆って前記下層クラ
    ッド層上に形成された上層クラッド層と、からなり、 隣接する導波路の等価屈折率を変化させることにより、
    これら隣接する導波路の伝播定数を異なるものとしてい
    ることを特徴とする請求項6に記載のアレイ導波路格
    子。
  8. 【請求項8】 前記下層クラッド層又は前記上層クラッ
    ド層の屈折率を変化させ、あるいは、前記コアの幅又は
    高さを変化させることにより、隣接する導波路の伝播定
    数を異なるものとすることを特徴とする請求項7に記載
    のアレイ導波路格子。
  9. 【請求項9】 前記コア又は前記下層クラッド層もしく
    は前記上層クラッド層の屈折率を光信号の伝播方向にお
    いて変化させることにより、隣接する導波路の伝播定数
    を異なるものとすることを特徴とする請求項7に記載の
    アレイ導波路格子。
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