JP3116008B2 - 開止め機構付き環状フック - Google Patents

開止め機構付き環状フック

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JP3116008B2 JP09009935A JP993597A JP3116008B2 JP 3116008 B2 JP3116008 B2 JP 3116008B2 JP 09009935 A JP09009935 A JP 09009935A JP 993597 A JP993597 A JP 993597A JP 3116008 B2 JP3116008 B2 JP 3116008B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主にチェンなどに
組付けて使用する開止め機構付き環状フックの改良に係
り、さらに詳しくは、環状フックの開放部を開閉する開
閉部材に対してロック機能を付加した開止め機構付き環
状フックに関する。
【0002】
【従来の技術】チェンなどに組付けて使用する開止め付
き環状フックとして、所定長さの線材を2個所でU状に
彎曲させて線材両端間に開放部を形成し、一方の端部に
開閉部材の基端を枢着すると共に、枢軸部にばねを介装
して開閉部材を閉じ方向に付勢し、開閉部材の遊端を対
応する他方の端部に係脱させて開放部を開閉する構成の
環状フックが実用されている。
【0003】この種の開止め付き環状フックは、例え
ば、2つのチェンの連結に使用してこれがチェンの中に
存在することが気にならずに取扱われ、チェンの分離連
結は環状フックの開閉部材をばねに抗して押圧操作する
だけで簡単にできてチェンの使用を便利にするものであ
る。
【0004】ところが、上記するように、枢軸部にばね
を介装して開閉部材を閉じ方向に付勢した構成の開止め
付き環状フックをチェンの連結などに使用した場合、チ
ェンの取り扱い上から何らかの原因で開閉部材が開かれ
てチェンが不用意に外れるようなことが起こる可能性が
あり、信頼性に欠ける面がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、簡
単な操作で開閉部材を閉じ位置にロックできるロック部
材を、フック本体に形設した枢着部と、この枢着部に添
接させた開閉部材の側板に設けたく字状の屈曲長孔に移
動自在に配装し、人為的操作でロック部材をく字状の屈
曲長孔の一方の端部に移動させて確実に保持した状態で
のみ開閉部材が開かれるようにした信頼性の高い開止め
付き環状フックを提供することを目的としたものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のうち請求項1記載の開止め機構付き環状フ
ックは、フック本体に形設した枢着部にフック本体の開
放部を開閉する開閉部材を枢軸を介して枢着し、開閉部
材に形設した側板を枢着部面に添接させ、枢軸後方で側
板と枢着部のそれぞれに、開閉部材が閉じ位置で合致す
るく字状の屈曲長孔を設け、該屈曲長孔の中程屈曲部か
ら孔上端に掛けての上側長孔部を枢軸を中心とする円弧
線上に設定し、屈曲長孔の中程屈曲部から孔下端に掛け
ての下側長孔部は枢軸までの距離を漸進的に変えて設定
し、該屈曲長孔に枢軸に平行する棒状のロック部材を移
動自在に挿設し、該ロック部材を屈曲長孔の端部に保持
する弾性部材を枢着部の屈曲長孔内に配装したことを特
徴とする。
【0007】ここで、開閉部材が閉じ位置にある状態で
ロック部材を屈曲長孔の上端部に移動させた状態では、
屈曲中孔の上側長孔部は、枢軸を中心とする円弧線上に
設定してあるので、開閉部材は枢軸を軸とする開動でロ
ック部材は開閉部材の側板の上側長孔部を移動して開閉
部材は開閉できる。また、開閉部材が閉じ位置にある状
態でロック部材を屈曲長孔の下端部に移動させた状態で
は、屈曲長孔の下側長孔部は、枢軸からの距離を漸進的
に変えて設定してあるので、屈曲長孔の下端部にロック
部材が存在しては開閉部材は動きがとれずに閉じ位置に
ロックされる。
【0008】このようにロック部材は、開閉部材が閉じ
位置にある状態で屈曲長孔を移動させ、屈曲長孔の上端
部又は下端部に保持すること、つまり、落ちつかせるこ
とが求められる。ここで、ロック部材を屈曲長孔の端部
に保持する弾性部材としては、請求項2記載の発明のよ
うに、枢着部の屈曲長孔全面にほぼ添接する薄い2折り
屈曲バネ板で構成し、屈曲長孔の上端部では屈曲バネ板
の切り離された両端部のバネ力がロック部材を挟み込む
方向に作用するように形成するのが好ましい。このよう
に構成すると、ロック部材が屈曲長孔の上端部側への移
動には屈曲バネ板の切り離された両端部のバネ力が強ま
っていくので、この漸進的に強まるバネ力に抗してのロ
ック部材の移動は人為的によってのみ可能となる。そし
て、ロック部材を屈曲長孔の上端部へ移動させた後は手
を離してもロック部材は屈曲長孔の上端部に保持され
る。
【0009】一方、ロック部材を屈曲長孔の下端部側に
保持するために、請求項3記載の発明のように、屈曲長
孔の下端部では屈曲バネ板の中間2折り部に丸味を付け
て保持部を形成し、該保持部に対してロック部材が出入
りする部分に、内向きにバネ力が強めに作用する歪み部
を形成し、さらに、請求項4記載の発明のように、ロッ
ク部材が屈曲長孔の下端部に移動する時に、屈曲バネ板
のバネ力に抗して乗り越える山形小突部を側板の屈曲長
孔の枢軸側縁下部に設けるのが好ましい。このように構
成すると、開閉部材が閉じ位置にある状態でロック部材
を屈曲長孔の下端部に移動させる時に、ロック部材はバ
ネ板の内向きにバネ力が強めに作用する歪み部を通り、
また、この歪み部に対応して側板の屈曲長孔の孔幅を狭
めた山形小突起を乗り越えていって屈曲長孔の下端部に
落ち着いて保持される。
【0010】また、この種の開止め機構付き環状フック
としては、一般的には、2つのチェンを連結するのに、
一方のチェン端に組付けた状態でチェン相互の連結など
に使用されるが、チェン端などに取着して単なるフック
として使用することもある。そこで、請求項5記載の発
明のように、フック本体の枢着部後方に、開放部を有す
るフック状連結部を形設し、該フック状連結部に形成し
た棒状湾曲部の遊端部を外側から槌打することにより湾
曲を深めて変形し、開放部を閉塞可能にするのが好まし
い。このように構成すると、開閉部材付きのフック本体
部分にチェン端環を連結し、フック状連結部を掛け外し
自在なフックとして使用できるばかりでなく、2つのチ
ェンを連結するのに、一方のチェン端に組付けた状態で
チェン相互の分離連結に使用できて便利なものである。
【0011】さらに、一般的なチェン構造からすると、
撚り戻し機能はほとんどないものであるが、請求項6記
載の発明のように、フック本体とフック状連結部を別体
構成にし、フック本体の枢着部後方に向けて突設した結
合軸を、フック状連結部に形成した不変形基部に回動自
在に貫通結合すると、フック本体とフック状連結部との
結合部において自由に回転して撚り戻し機能が発揮され
て連結したチェンの使用を一層便利にする。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の一例
を図面に基づいて説明する。
【0013】図面において、図1は本発明の開止め付き
環状フックの分解斜視図、図2は開閉部材の開閉動可能
な状態を示す部分断面正面図、図3は開閉部材が閉じ作
置にロックされた状態を示す部分断面正面図、図4は弾
性部材の斜視図である。
【0014】各図面において、1はフック本体で、この
フック本体1は線材を2個所でU状に彎曲させてなり、
フック本体1の内側に枢着部2を設け、この枢着部2と
フック本体1の一方の端部1aとの間に開放部3を形成
している。
【0015】4は枢着部2に基端を枢軸5を介して枢着
され、遊端をフック本体1の端部1aに係脱させて開放
部3を開閉する開閉部材で、この開閉部材4は板材の成
型加工によって断面コ字状に折曲してなり、フック本体
1内側に向けて開閉動されるもので、枢軸5は、開閉部
材4に形設した側板4aを枢着部2上に添接させてこの
側板4aから枢着部2に掛けて穿設した軸孔に挿設して
いる。また、開閉部材4内にあって枢軸5部にばね6を
介装して開閉部材4を閉じ方向に付勢している。
【0016】7は枢軸5後方で、側板4aと枢着部2に
対してそれぞれに穿設したく字状の屈曲長孔で、この側
板4aと枢着部2に穿設した両方のく字状の屈曲長孔
は、開閉部材4が閉じ位置にある時に合致するようにし
たもので、屈曲長孔7の中程屈曲部から孔上端に掛けて
の上側長孔部7aを、枢軸5を中心とする円弧線上に設
定し、屈曲長孔7の中程屈曲部から孔下端に掛けての下
側長孔部7bは枢軸5までの距離を漸進的に変えて設定
している。
【0017】8は屈曲長孔7に移動自在に挿設したロッ
ク部材で、実施の形態のロック部材8は枢軸5に平行す
る棒状体で構成し、その両端を開閉部材4の側板4a面
に突出させて丸味を付けた摘み頭部8aを形設し、この
ロック部材8の両端の摘み頭部8aに指先を外側から当
てて摘み、枢軸5に平行を保つようにしてロック部材8
は操作されてようにしている。
【0018】9はフック本体1の枢着部2の屈曲長孔7
内に配装した弾性部材で、実施の形態の弾性部材9は、
屈曲長孔7内にほぼ全面的に添接する薄い2折り屈曲バ
ネ板で構成しており、屈曲長孔7の上端部では図4に示
すように、切り離されたバネ板両端9cのバネ力が対向
的にロック部材8に作用するようにし、屈曲長孔7の下
端部に対応する屈曲バネ板の中間2折り部には、丸味を
付けて保持部9aを形成し、この保持部9aに対してロ
ック部材8が出入りする部分に、内向きにバネ力が強め
に作用するように歪み部9bを形成している。また、こ
の歪み部9bに対応してロック部材8が側板4aの屈曲
長孔7の下端部に移動する時の出入口として側板4aの
屈曲長孔7の枢軸側縁下部に山形小突部10を設け、こ
こでは屈曲長孔7の孔幅を狭め、ロック部材8はこの山
形小突部10を乗り越えて移動できるようにしている。
【0019】11はフック本体1の枢着部2後方に形設
したフック状連結部で、フック本体1後部に棒状湾曲部
11aを延設し、この棒状湾曲部11aの遊端部11b
をフック本体1後部に近接させて開放部12を形成して
いる。
【0020】上記構成において、開閉部材4を開閉動さ
せるときは、開閉部材4が閉じ位置にある状態でロック
部材8を屈曲長孔7の上端部、すなわち、上側長孔部7
aの端部に移動させた状態で行う。ここで、上側長孔部
7aは、枢軸5を中心とする円弧線上に設定してあるの
で、開閉部材4をばね6に抗して開き方向に押圧する
と、開閉部材4は枢軸5を軸とする開動でロック部材8
は開閉部材4の側板4aの上側長孔部7aを移動して開
閉部材4は図2に破線で示すように開らかれる。
【0021】開閉部材4を閉じ位置にロックするとき
は、開閉部材4が閉じ位置にある状態でロック部材8を
屈曲長孔7の下端部、すなわち、下側長孔部7bの端部
に移動させる。ここで、ロック部材8はバネ板の内向き
にバネ力が強めに作用する歪み部9bを通り、また、こ
の歪み部9bに対応して側板4aの屈曲長孔7の孔幅を
狭めた山形小突部10を乗り越えて屈曲長孔7の下側長
孔部7bの端部に移動し、屈曲バネ板に形成した保持部
9a内に落ち着く。こうして、ロック部材8が枢軸5か
らの距離を漸進的に変えて設定した下側長孔部7bの端
部に存在すると、開閉部材4は動きがとれず、図3に示
すように閉じ位置にロックされたままになる。従って、
ロック部材8が人為的に操作されない限り開閉部材4の
開動はないものとなる。
【0022】なお、上記する実施の形態では、フック状
連結部11をフック本体1後部に一体的に形設している
が、図5及び図6に示すように、フック本体1とフック
状連結部11を別体構成にし、フック本体1の枢着部2
後方に向けて結合軸13を突設し、この結合軸13をフ
ック状連結部11に形成した不変形基部11cに穿設し
た軸孔に回動自在に貫通結合した構成にしてもよい。こ
のように構成すると、フック本体1とフック状連結部1
1とが相対的に回転を自由にするから、撚り戻し機能を
発揮する。また、上記するいずれの実施の形態において
も、フック状連結部11に形成した棒状湾曲部11aの
遊端部11bを外側から槌打することによりこの棒状湾
曲部11aは湾曲を深めて変形し、開放部12を閉塞
(図6参照)させることも可能なものである。
【0023】
【発明の効果】本発明は、以上説明したような形態で実
施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0024】ロック部材をく字状の屈曲長孔の一方の端
部に移動させて開閉部材の開閉動を自由にし、他方の端
部に移動させて弾力的に保持して開閉部材を閉じ位置に
ロックするから、環状フックの使用中に開閉部材が不用
意に開かれるようなことがなくなり、開止め付き環状フ
ックの信頼性が高くなる。
【0025】また、ロック部材は枢軸と平行状に設けら
れ、その移動には、ロック部材両端を指先で摘んで枢軸
に平行を保ち、屈曲長孔内に配装した弾性部材のバネ力
に抗して人為的に操作しない限りは移動ができないか
ら、特に、開閉部材を閉じ位置にロックしてフック使用
中にロック部材が勝手に移動したりすることがなく、安
全性が高い。
【0026】また、ロック部材を屈曲長孔の端部に弾力
的に保持する弾性部材を薄い屈曲バネ板で構成し、これ
を枢着部の屈曲長孔に挿入して長孔全面にほぼ添接する
に配装し、屈曲長孔の端部でそのバネ力をロック部材に
効かせるようにしたから、構造的にも簡単で安価に提供
できる。
【0027】また、フック本体の枢着部後方にフック状
連結部を形設したから、フック本体部分にチェン端環を
連結した状態では、掛け外し自在な単なるフックとして
使用できて便利なものである。
【0028】さらに、このフック状連結部はフックとし
ての開放部を閉塞可能にすることもでき、しかも、フッ
ク本体に対して結合軸を介して回動自在に貫通結合する
ことも可能で、両者間において自由に回転して撚り戻し
機能が発揮されて連結したチェンの使用を一層便利にす
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の開止め付き環状フックの分解斜視図で
ある。
【図2】開閉部材の開閉動可能な状態を示す部分断面正
面図である。
【図3】開閉部材が閉じ作置にロックされた状態を示す
部分断面正面図である
【図4】弾性部材の斜視図である。
【図5】他の実施の形態を示す開閉部材の開閉動可能な
状態を示す部分断面正面図である。
【図6】図5に示す実施の形態においてフック状連結部
の棒状湾曲部が変形して開放部を閉塞した状態を示す部
分断面正面図である。
【符号の説明】
1 フック本体 2 枢着部 3 開放部 4 開閉部材 4a 側板 5 枢軸 7 屈曲長孔 7a 上側長孔部 7b 下側長孔部 8 ロック部材 9 弾性部材 9a 保持部 9b 歪み部 9c バネ板両端 10 山形小突部 11 フック状連結部 11a 棒状湾曲部 11b 遊端部 11c 不変形基部 12 開放部 13 結合軸
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16G 15/00 F16G 17/00 F16B 21/00 - 21/20 F16B 45/00 - 47/00 F16F 1/00 - 6/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フック本体に形設した枢着部にフック本体
    の開放部を開閉する開閉部材を枢軸を介して枢着し、開
    閉部材に形設した側板を枢着部面に添接させ、枢軸後方
    で側板と枢着部のそれぞれに、開閉部材が閉じ位置で合
    致するく字状の屈曲長孔を設け、該屈曲長孔の中程屈曲
    部から孔上端に掛けての上側長孔部を枢軸を中心とする
    円弧線上に設定し、屈曲長孔の中程屈曲部から孔下端に
    掛けての下側長孔部は枢軸までの距離を漸進的に変えて
    設定し、該屈曲長孔に枢軸に平行する棒状のロック部材
    を移動自在に挿設し、該ロック部材を屈曲長孔の端部に
    保持する弾性部材を枢着部の屈曲長孔内に配装したこと
    を特徴とする開止め機構付き環状フック。
  2. 【請求項2】弾性部材を、枢着部の屈曲長孔全面にほぼ
    添接する薄い2折り屈曲バネ板で構成し、屈曲長孔の上
    端部では屈曲バネ板の切り離された両端部のバネ力がロ
    ック部材を挟み込む方向に作用するようにしたことを特
    徴とする請求項1記載の開止め機構付き環状フック。
  3. 【請求項3】屈曲長孔の下端部では屈曲バネ板の中間2
    折り部に丸味を付けて保持部を形成し、該保持部に対し
    てロック部材が出入りする部分に、内向きにバネ力が強
    めに作用する歪み部を形成したことを特徴とする請求項
    2記載の開止め機構付き環状フック。
  4. 【請求項4】ロック部材が屈曲長孔の下端部に移動する
    時に、屈曲バネ板のバネ力に抗して乗り越える山形小突
    部を側板の屈曲長孔の枢軸側縁下部に設けた特徴とする
    請求項2又は3記載の開止め機構付き環状フック。
  5. 【請求項5】フック本体の枢着部後方に、開放部を有す
    るフック状連結部を形設し、該フック状連結部に形成し
    た棒状湾曲部の遊端部を外側から槌打することにより棒
    状湾曲部は湾曲を深めて変形し、開放部を閉塞可能にし
    たことを特徴とする請求項1記載の開止め機構付き環状
    フック。
  6. 【請求項6】フック本体とフック状連結部を別体構成に
    し、フック本体の枢着部後方に向けて突設した結合軸
    を、フック状連結部に形成した不変形基部に回動自在に
    貫通結合したことを特徴とする請求項5記載の開止め機
    構付き環状フック。
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