JP3115938B2 - ねじ締め工具 - Google Patents
ねじ締め工具Info
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- JP3115938B2 JP3115938B2 JP04104974A JP10497492A JP3115938B2 JP 3115938 B2 JP3115938 B2 JP 3115938B2 JP 04104974 A JP04104974 A JP 04104974A JP 10497492 A JP10497492 A JP 10497492A JP 3115938 B2 JP3115938 B2 JP 3115938B2
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- JP
- Japan
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- output shaft
- shaft side
- side member
- screw tightening
- tightening tool
- Prior art date
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電動ドライバーや電動レ
ンチのようなねじ締め工具、殊に出力軸のロックによっ
て手締め作業を可能としているねじ締め工具に関するも
のである。
ンチのようなねじ締め工具、殊に出力軸のロックによっ
て手締め作業を可能としているねじ締め工具に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】電動ドライバーや電動レンチのようなね
じ締め工具において、出力軸の回転をロックできるよう
にしておくことは、手まわし式としての使用を可能と
し、手の感覚による締め付けや電動力では締まりきらな
い場合の補助締め付けを手締めで行なえるようになるた
めに、非常に有用である。そしてこのようなロック機能
を持たせるにあたっては、特開平3−251374号公
報に示されているように、同軸上に位置する入力軸側部
材と出力軸側部材とに所定角度内の遊びをもって連結さ
れる動力伝達用の連結部を設けるともに、出力軸側部材
を囲む回転不能なリング体の内周面と出力軸側部材の外
周面との間にロック部材の噛み込みと遊動とを許す楔状
空間部を形成し、入力軸側部材には上記ロック部材を楔
状空間部における遊動領域側に押し出すリリース部材を
形成することで、ロック状態にある時にモータを回転さ
せると自動的にロックの解除がなされるオートリリース
と、モータを停止させれば自動的にロックがかかるオー
トロックとがなされるようにしておくことが使い勝手の
上で好ましい。
じ締め工具において、出力軸の回転をロックできるよう
にしておくことは、手まわし式としての使用を可能と
し、手の感覚による締め付けや電動力では締まりきらな
い場合の補助締め付けを手締めで行なえるようになるた
めに、非常に有用である。そしてこのようなロック機能
を持たせるにあたっては、特開平3−251374号公
報に示されているように、同軸上に位置する入力軸側部
材と出力軸側部材とに所定角度内の遊びをもって連結さ
れる動力伝達用の連結部を設けるともに、出力軸側部材
を囲む回転不能なリング体の内周面と出力軸側部材の外
周面との間にロック部材の噛み込みと遊動とを許す楔状
空間部を形成し、入力軸側部材には上記ロック部材を楔
状空間部における遊動領域側に押し出すリリース部材を
形成することで、ロック状態にある時にモータを回転さ
せると自動的にロックの解除がなされるオートリリース
と、モータを停止させれば自動的にロックがかかるオー
トロックとがなされるようにしておくことが使い勝手の
上で好ましい。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の工具に
おいては、入力軸側部材に形成したリリース部材が動力
伝達用の連結部を兼ねていることから、工具本体をもっ
て回す時、出力軸が正逆両回転方向について常にロック
されてしまうために、ねじの手締めによる締め付けある
いは緩める時、工具本体をもってある角度だけ回すと、
いったん離して持ち替えるか、いったんドライバービッ
トをねじから外して手のねじれを戻してからまたドライ
バービットをねじに合わせて回さなくてはならず、いわ
ゆるラチェット機能をもたないために、手作業の際の操
作性が良くない。
おいては、入力軸側部材に形成したリリース部材が動力
伝達用の連結部を兼ねていることから、工具本体をもっ
て回す時、出力軸が正逆両回転方向について常にロック
されてしまうために、ねじの手締めによる締め付けある
いは緩める時、工具本体をもってある角度だけ回すと、
いったん離して持ち替えるか、いったんドライバービッ
トをねじから外して手のねじれを戻してからまたドライ
バービットをねじに合わせて回さなくてはならず、いわ
ゆるラチェット機能をもたないために、手作業の際の操
作性が良くない。
【0004】本発明はこのような点に鑑み為されたもの
であり、その目的とするところはオートロック及びオー
トリリース機能を備えていることはもちろん、手回しで
作業する際の操作性も優れているねじ締め工具を提供す
るにある。
であり、その目的とするところはオートロック及びオー
トリリース機能を備えていることはもちろん、手回しで
作業する際の操作性も優れているねじ締め工具を提供す
るにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】しかして本発明は、同軸
上に位置する入力軸側部材と出力軸側部材とに所定角度
内の遊びをもって連結される動力伝達用の連結部を設け
るともに、工具本体に対して回転不能に固定されて出力
軸側部材を囲んでいるリング体の内周面と出力軸側部材
の外周面との間に、ロック部材の噛み込みと遊動とを許
す楔状空間部を形成し、入力軸側部材には上記ロック部
材を楔状空間部における遊動領域側に押し出すリリース
部材を形成したねじ締め工具において、リリース部材と
出力軸側部材との間に両者を所定の負荷内において一体
的に結合する保持部材を設けていることに特徴を有して
いる。
上に位置する入力軸側部材と出力軸側部材とに所定角度
内の遊びをもって連結される動力伝達用の連結部を設け
るともに、工具本体に対して回転不能に固定されて出力
軸側部材を囲んでいるリング体の内周面と出力軸側部材
の外周面との間に、ロック部材の噛み込みと遊動とを許
す楔状空間部を形成し、入力軸側部材には上記ロック部
材を楔状空間部における遊動領域側に押し出すリリース
部材を形成したねじ締め工具において、リリース部材と
出力軸側部材との間に両者を所定の負荷内において一体
的に結合する保持部材を設けていることに特徴を有して
いる。
【0006】
【作用】本発明によれば、電動によるねじ締め作業に続
いて手締め作業を行う時、ロック部材を楔状空間部にお
ける遊動領域側に押し出すリリース部材が、出力軸側部
材と共に回転するために、工具本体を逆方向に回した時
のロック部材の噛み込み領域側への移動を阻止して、工
具本体に対して出力軸をフリーとするために、ラチェッ
ト機能を得ることができる。
いて手締め作業を行う時、ロック部材を楔状空間部にお
ける遊動領域側に押し出すリリース部材が、出力軸側部
材と共に回転するために、工具本体を逆方向に回した時
のロック部材の噛み込み領域側への移動を阻止して、工
具本体に対して出力軸をフリーとするために、ラチェッ
ト機能を得ることができる。
【0007】
【実施例】以下本発明を図示の実施例に基づいて詳述す
ると、図示のねじ締め工具は、図7に示すように、出力
軸7の先端に設けたビットホルダー8にドライバービッ
ト9が取り付けられる電動ドライバーであって、その工
具本体1は前部ハウジング1aと前部ハウジング1aの
後端に回動自在に連結された後部ハウジング1bとから
なるものとして形成され、前部ハウジング1a内にモー
タ2等の駆動機構が、後部ハウジング1bには電池パッ
ク13が配設されている。図7中の12は回転方向切換
スイッチハンドルである。
ると、図示のねじ締め工具は、図7に示すように、出力
軸7の先端に設けたビットホルダー8にドライバービッ
ト9が取り付けられる電動ドライバーであって、その工
具本体1は前部ハウジング1aと前部ハウジング1aの
後端に回動自在に連結された後部ハウジング1bとから
なるものとして形成され、前部ハウジング1a内にモー
タ2等の駆動機構が、後部ハウジング1bには電池パッ
ク13が配設されている。図7中の12は回転方向切換
スイッチハンドルである。
【0008】前部ハウジング1a内には、図1に示すよ
うに、モータ2の出力軸に固着された太陽ギア31と、
ギアケース6b内面に固定されたインターナルギア33
と、この両者に噛み合う複数個の遊星ギア32、そして
各遊星ギア32を支持する軸35を備えたキャリア34
とからなる遊星機構が減速手段として設けられており、
この遊星機構におけるキャリア34と、チャック8を備
えた出力軸7とが軸方向に同軸上で並べられている。図
中61は出力軸を受ける滑り軸受け、62はスラスト
板,63は止め輪、64,65,66はスラスト軸受け
を構成する鋼球とリテーナである。
うに、モータ2の出力軸に固着された太陽ギア31と、
ギアケース6b内面に固定されたインターナルギア33
と、この両者に噛み合う複数個の遊星ギア32、そして
各遊星ギア32を支持する軸35を備えたキャリア34
とからなる遊星機構が減速手段として設けられており、
この遊星機構におけるキャリア34と、チャック8を備
えた出力軸7とが軸方向に同軸上で並べられている。図
中61は出力軸を受ける滑り軸受け、62はスラスト
板,63は止め輪、64,65,66はスラスト軸受け
を構成する鋼球とリテーナである。
【0009】軸方向スライド自在に保持されるとともに
スラスト板62とスラスト軸受との間に配されたコイル
ばね67によって工具本体1前端から突出する方向に付
勢されている出力軸7は、そのキャリア34側の端部外
周面に、ロック板40とリリース部材37とが取り付け
られている。ここにおけるロック板40は、図2に示す
ように、複数本の突起41が放射状に且つ等間隔に突設
されたもので、出力軸7における異形断面部70に装着
されることで、出力軸7と一体に回転するようにされて
いる。
スラスト板62とスラスト軸受との間に配されたコイル
ばね67によって工具本体1前端から突出する方向に付
勢されている出力軸7は、そのキャリア34側の端部外
周面に、ロック板40とリリース部材37とが取り付け
られている。ここにおけるロック板40は、図2に示す
ように、複数本の突起41が放射状に且つ等間隔に突設
されたもので、出力軸7における異形断面部70に装着
されることで、出力軸7と一体に回転するようにされて
いる。
【0010】またリリース部材37は、出力軸7に対し
て軸回りの回転が自在となるように取り付けられている
とともに、ロック板40との間に配した波ワッシャーか
らなる保持部材42と、リリース部材37の抜け止めを
行う止め輪43とによって、所定の負荷内では摩擦抵抗
によりロック板40と一体的に結合された状態にあっ
て、リリース部材37がフリー状態であれば、出力軸7
及びロック板40の回転に伴ってリリース部材37も同
時に回転する。
て軸回りの回転が自在となるように取り付けられている
とともに、ロック板40との間に配した波ワッシャーか
らなる保持部材42と、リリース部材37の抜け止めを
行う止め輪43とによって、所定の負荷内では摩擦抵抗
によりロック板40と一体的に結合された状態にあっ
て、リリース部材37がフリー状態であれば、出力軸7
及びロック板40の回転に伴ってリリース部材37も同
時に回転する。
【0011】更にリリース部材37は、出力軸7の軸方
向スライドによって、上記キャリア34に設けられたス
プライン溝36と係合するスプライン軸38を具備して
いる。また、ギアケース6aの内面には、ロック板40
の突起41の外周を囲むリング体51が配設されている
のであるが、リリース部材37は軸方向に突出してリン
グ体51の内周面とロック板40の外周面との間の空間
に位置する複数個の突起39が設けられている。これら
突起39は、図3に示すように、上記突起41と同数の
ものが周方向において等間隔で形成されているとともに
各突起41間に位置するように、つまり突起39と突起
41とが周方向に間隔をおいて並ぶようにされていて、
この両突起39,41で回転方向において所定角度の遊
びをもつ回転動力伝達用連結部が形成されている。つま
り、リリース部材37は、出力軸7に取り付けられてい
るものの、電動駆動時の回転に関しては、入力軸側部材
であるキャリア34と一体に回転して、後述するよう
に、出力軸7とロック板40とからなる出力軸側部材に
回転を伝達をするものであり、実際上、電動駆動時の回
転の伝達という点に関しては、入力軸側部材にリリース
部材37を設けたものとなっている。
向スライドによって、上記キャリア34に設けられたス
プライン溝36と係合するスプライン軸38を具備して
いる。また、ギアケース6aの内面には、ロック板40
の突起41の外周を囲むリング体51が配設されている
のであるが、リリース部材37は軸方向に突出してリン
グ体51の内周面とロック板40の外周面との間の空間
に位置する複数個の突起39が設けられている。これら
突起39は、図3に示すように、上記突起41と同数の
ものが周方向において等間隔で形成されているとともに
各突起41間に位置するように、つまり突起39と突起
41とが周方向に間隔をおいて並ぶようにされていて、
この両突起39,41で回転方向において所定角度の遊
びをもつ回転動力伝達用連結部が形成されている。つま
り、リリース部材37は、出力軸7に取り付けられてい
るものの、電動駆動時の回転に関しては、入力軸側部材
であるキャリア34と一体に回転して、後述するよう
に、出力軸7とロック板40とからなる出力軸側部材に
回転を伝達をするものであり、実際上、電動駆動時の回
転の伝達という点に関しては、入力軸側部材にリリース
部材37を設けたものとなっている。
【0012】上記リング体51は、ギアケース6a内に
おいて、軸まわりの回転が自在となるように配設された
ものであり、その軸方向の前端面には凹凸形状のクラッ
チ面が設けられている。そしてギアケース6には軸方向
の孔が設けられて、この孔内に上記クラッチ面に係合す
る鋼球74が配設されている。またギアケース6aの前
端部の外周には、クラッチ板77と、クラッチばね7
6、そしてスラスト板75が配設されている。クラッチ
板77はギアケース6に螺合するとともに、工具本体1
の先端部に回転自在に配設されたクラッチハンドル78
の内面に形成されている縦溝79と係合しており、クラ
ッチハンドル78を回転させれば、クラッチ板77が出
力軸7の軸方向に螺進退するようになっている。上記ク
ラッチばね76はスラスト板75とギアケース6aに保
持されたピン73とを介して鋼球74を押圧し、鋼球7
4とリング体51のクラッチ面との係合部にばね荷重を
負荷して、リング体51の回転を止めている。
おいて、軸まわりの回転が自在となるように配設された
ものであり、その軸方向の前端面には凹凸形状のクラッ
チ面が設けられている。そしてギアケース6には軸方向
の孔が設けられて、この孔内に上記クラッチ面に係合す
る鋼球74が配設されている。またギアケース6aの前
端部の外周には、クラッチ板77と、クラッチばね7
6、そしてスラスト板75が配設されている。クラッチ
板77はギアケース6に螺合するとともに、工具本体1
の先端部に回転自在に配設されたクラッチハンドル78
の内面に形成されている縦溝79と係合しており、クラ
ッチハンドル78を回転させれば、クラッチ板77が出
力軸7の軸方向に螺進退するようになっている。上記ク
ラッチばね76はスラスト板75とギアケース6aに保
持されたピン73とを介して鋼球74を押圧し、鋼球7
4とリング体51のクラッチ面との係合部にばね荷重を
負荷して、リング体51の回転を止めている。
【0013】ここにおいて、上記ロック板40における
突起41の両側の外周面は、夫々突起41側が低くなる
傾斜面となっているために、突起41の両側には上記外
周面とリング体51の内周面との間に楔状空間部が形成
されており、そして突起41の両側で且つリリース部材
37の突起39と突起41との間に夫々設けられている
これら楔状空間部には、ローラ状のロック部材50a,
50bが夫々配設されてロック手段が形成されている。
尚、ロック部材50aは一方向回転のロック用、ロック
部材50bは他方向回転のロック用である。このロック
部材50a,50bの直径は、楔状空間部の突起41側
の部分の高さより小さく、突起39側の部分の高さより
大きくなっているために、ロック部材50a,50bは
突起41側に位置する時は遊動状態にあるものの、突起
41から離れると、ロック板40外周面とリング体51
内周面との間に噛み込んで出力軸7をロックする。
突起41の両側の外周面は、夫々突起41側が低くなる
傾斜面となっているために、突起41の両側には上記外
周面とリング体51の内周面との間に楔状空間部が形成
されており、そして突起41の両側で且つリリース部材
37の突起39と突起41との間に夫々設けられている
これら楔状空間部には、ローラ状のロック部材50a,
50bが夫々配設されてロック手段が形成されている。
尚、ロック部材50aは一方向回転のロック用、ロック
部材50bは他方向回転のロック用である。このロック
部材50a,50bの直径は、楔状空間部の突起41側
の部分の高さより小さく、突起39側の部分の高さより
大きくなっているために、ロック部材50a,50bは
突起41側に位置する時は遊動状態にあるものの、突起
41から離れると、ロック板40外周面とリング体51
内周面との間に噛み込んで出力軸7をロックする。
【0014】次に動作について説明する。ビットホルダ
ー8に装着したビット9を被締め付け部材であるビスに
押し当てて、コイルばね67に抗して出力軸7を後退さ
せたならば、出力軸7とロック板40とリリース部材3
7とが後退し、リリース部材37のスプライン軸38が
キャリア34のスプライン溝36と係合する。また出力
軸7に設けたスラスト軸受に連結されているスライド板
20も出力軸7と共に後退し、スイッチ操作板24を介
してスイッチを投入するために、モータ2が回転を始め
る。この出力は、遊星機構において減速されて、キャリ
ア34及びリリース部材37の回転となり、リリース部
材37の突起39は図3に示すようにロック部材50b
を介してロック板40の突起41を押圧して、出力軸7
を回転させる。この時、突起41両側の楔状空間部に位
置する一対のロック部材50a,50bのうち、ロック
部材50bは突起39で押されることによって楔状空間
部における遊動領域、つまり突起41寄りの部分に位置
し、ロック部材50aはその慣性によって楔状空間部に
おける遊動領域に位置するものであり、このためにロッ
ク部材50a,50bが出力軸7の回転を妨げることが
ない。
ー8に装着したビット9を被締め付け部材であるビスに
押し当てて、コイルばね67に抗して出力軸7を後退さ
せたならば、出力軸7とロック板40とリリース部材3
7とが後退し、リリース部材37のスプライン軸38が
キャリア34のスプライン溝36と係合する。また出力
軸7に設けたスラスト軸受に連結されているスライド板
20も出力軸7と共に後退し、スイッチ操作板24を介
してスイッチを投入するために、モータ2が回転を始め
る。この出力は、遊星機構において減速されて、キャリ
ア34及びリリース部材37の回転となり、リリース部
材37の突起39は図3に示すようにロック部材50b
を介してロック板40の突起41を押圧して、出力軸7
を回転させる。この時、突起41両側の楔状空間部に位
置する一対のロック部材50a,50bのうち、ロック
部材50bは突起39で押されることによって楔状空間
部における遊動領域、つまり突起41寄りの部分に位置
し、ロック部材50aはその慣性によって楔状空間部に
おける遊動領域に位置するものであり、このためにロッ
ク部材50a,50bが出力軸7の回転を妨げることが
ない。
【0015】特に,ここでは突起41及び突起39を外
周側の幅が内周側の幅よりも広く且つこの差が半径位置
の違いで生じる差よりも大きくなっている略扇形として
いることから、突起39,41はいずれもローラ状であ
るロック部材50a,50bをロック板40の外周面側
に押し付ける力を発生するものであり、ロック部材50
a,50bが回転不能な状態にあるリング体51の内周
面に接することによる力のロスを招くこともない。
周側の幅が内周側の幅よりも広く且つこの差が半径位置
の違いで生じる差よりも大きくなっている略扇形として
いることから、突起39,41はいずれもローラ状であ
るロック部材50a,50bをロック板40の外周面側
に押し付ける力を発生するものであり、ロック部材50
a,50bが回転不能な状態にあるリング体51の内周
面に接することによる力のロスを招くこともない。
【0016】電動による上記締め付け作業の後、ドリル
ビット9のビスへの押し付けを解除すれば、出力軸7と
スライド板20と操作板24とが復帰してモータ2がオ
フとなり、リリース部材37もモータ2から切り離され
る。この状態で、工具本体1の側面に配したストッパー
25を操作することで、スライド板20の後退、つまり
出力軸7の後退を阻止し、工具本体1をもって手動によ
る締め付けを行えば、工具本体1、つまりはリング体5
1とロック板40との間に生じる相対回転で、図5(a)
に示すように、ロック部材50bは突起41寄りの遊動
領域に位置したままの状態を保つものの、ロック部材5
0aは上記相対回転に伴う転動で突起41から離れて楔
状空間部における噛み込み部分側に移るために、リング
体51と出力軸7とが一体化される。つまり出力軸7の
自由回転がロック部材50aによってロックされてしま
って工具本体1と共に回転する状態となり、ビスやナッ
トの手締めが可能となる。そして、このロック状態への
移行は上述のように自動的になされるものである。
ビット9のビスへの押し付けを解除すれば、出力軸7と
スライド板20と操作板24とが復帰してモータ2がオ
フとなり、リリース部材37もモータ2から切り離され
る。この状態で、工具本体1の側面に配したストッパー
25を操作することで、スライド板20の後退、つまり
出力軸7の後退を阻止し、工具本体1をもって手動によ
る締め付けを行えば、工具本体1、つまりはリング体5
1とロック板40との間に生じる相対回転で、図5(a)
に示すように、ロック部材50bは突起41寄りの遊動
領域に位置したままの状態を保つものの、ロック部材5
0aは上記相対回転に伴う転動で突起41から離れて楔
状空間部における噛み込み部分側に移るために、リング
体51と出力軸7とが一体化される。つまり出力軸7の
自由回転がロック部材50aによってロックされてしま
って工具本体1と共に回転する状態となり、ビスやナッ
トの手締めが可能となる。そして、このロック状態への
移行は上述のように自動的になされるものである。
【0017】この手締め作業に際して、手のねじれを戻
すために工具本体1を逆方向に回転させれば、図5(b)
に示すように、リング体51とロック板40との間に生
じる相対回転でロック部材50aが楔状空間部における
遊動領域側に動いて、出力軸7のロックを解除する。ま
た、本来ならば、この回転方向の出力軸7のロックを行
うロック部材50bは、保持部材42によって与えられ
たロック板40とリリース部材37との間の摩擦抵抗で
リリース部材37が出力軸7及びロック板40と一体化
された状態にあって、リリース部材37とロック板40
との間の相対位置が変化しないために、つまりロック部
材50bが突起39,41間に挟まれたままの状態にあ
るために、噛み込み領域側へ移動することがない。従っ
て、モータ2から切り離された状態にある出力軸7は、
工具本体1に対してスムーズに空転するものであり、こ
れ故にラチェット機能が得られるものである。
すために工具本体1を逆方向に回転させれば、図5(b)
に示すように、リング体51とロック板40との間に生
じる相対回転でロック部材50aが楔状空間部における
遊動領域側に動いて、出力軸7のロックを解除する。ま
た、本来ならば、この回転方向の出力軸7のロックを行
うロック部材50bは、保持部材42によって与えられ
たロック板40とリリース部材37との間の摩擦抵抗で
リリース部材37が出力軸7及びロック板40と一体化
された状態にあって、リリース部材37とロック板40
との間の相対位置が変化しないために、つまりロック部
材50bが突起39,41間に挟まれたままの状態にあ
るために、噛み込み領域側へ移動することがない。従っ
て、モータ2から切り離された状態にある出力軸7は、
工具本体1に対してスムーズに空転するものであり、こ
れ故にラチェット機能が得られるものである。
【0018】モータ2の回転方向が逆の場合には、図4
に示すように、突起39はロック部材50aと突起41
とを介して出力軸7に動力を伝達して出力軸7を回転さ
せるものであり、この時も、両ロック部材50a,50
bは夫々楔状空間部における遊動領域側に位置するため
に、ロックがなされることはない。
に示すように、突起39はロック部材50aと突起41
とを介して出力軸7に動力を伝達して出力軸7を回転さ
せるものであり、この時も、両ロック部材50a,50
bは夫々楔状空間部における遊動領域側に位置するため
に、ロックがなされることはない。
【0019】ビスやナットを緩めるために工具本体1を
逆方向に回した時には、図6(a) に示すように、ロック
部材50bが出力軸7のロックを行い、手戻しを可能と
するとともに、手のねじれを戻すために工具本体1を正
転方向に回す時には、図6(b) に示すように、ロック部
材50bが遊動領域側に戻るとともにリリース部材37
の突起39がロック部材50aの噛み込み領域側への移
動を阻止するために、この時もラチェット機能を得るこ
とができる。
逆方向に回した時には、図6(a) に示すように、ロック
部材50bが出力軸7のロックを行い、手戻しを可能と
するとともに、手のねじれを戻すために工具本体1を正
転方向に回す時には、図6(b) に示すように、ロック部
材50bが遊動領域側に戻るとともにリリース部材37
の突起39がロック部材50aの噛み込み領域側への移
動を阻止するために、この時もラチェット機能を得るこ
とができる。
【0020】上記のように出力軸7がロックされた状態
で出力軸7を押し込むことで再度モータ2を回転させた
ならば、出力軸7の回転で突起41の方がロック部材5
0a,50bに接近してロックのための噛み込み位置に
あったロック部材50a,50bを楔状空間部における
遊動領域に戻すために、もしくは、キャリア34と一体
に回転する状態となっているリリース部材37における
突起39が噛み込み位置にあるロック部材50a,50
bを楔状空間部の遊動領域側に押し戻すために、ロック
の解除が自動的になされる。
で出力軸7を押し込むことで再度モータ2を回転させた
ならば、出力軸7の回転で突起41の方がロック部材5
0a,50bに接近してロックのための噛み込み位置に
あったロック部材50a,50bを楔状空間部における
遊動領域に戻すために、もしくは、キャリア34と一体
に回転する状態となっているリリース部材37における
突起39が噛み込み位置にあるロック部材50a,50
bを楔状空間部の遊動領域側に押し戻すために、ロック
の解除が自動的になされる。
【0021】また、出力軸7をロックさせた状態で手回
しによる手締めを行うにあたり、ビスやナットを回転さ
せるのに必要な負荷トルクが小さい時には、前述のよう
に、リング体51と鋼球74との係合状態が維持されて
リング体51の回転が止められているが、上記ばね荷重
によるところの設定トルクよりも負荷トルクが大きくな
れば、リング体51はクラッチ面で鋼球74をクラッチ
ばね76に抗して押し返しつつ回転を始めるものであ
り、そしてこの工具本体1に対するリング体51の空転
で手締めによる力が出力軸7に伝達されなくなるため
に、ビスやナットの締め付けトルクは設定トルクに制限
される。
しによる手締めを行うにあたり、ビスやナットを回転さ
せるのに必要な負荷トルクが小さい時には、前述のよう
に、リング体51と鋼球74との係合状態が維持されて
リング体51の回転が止められているが、上記ばね荷重
によるところの設定トルクよりも負荷トルクが大きくな
れば、リング体51はクラッチ面で鋼球74をクラッチ
ばね76に抗して押し返しつつ回転を始めるものであ
り、そしてこの工具本体1に対するリング体51の空転
で手締めによる力が出力軸7に伝達されなくなるため
に、ビスやナットの締め付けトルクは設定トルクに制限
される。
【0022】クラッチハンドル78を回転させれば、前
述のように、クラッチ板77が軸方向に移動し、この結
果、クラッチばね76の圧縮量が変化するために、上記
設定トルクを調整することができる。
述のように、クラッチ板77が軸方向に移動し、この結
果、クラッチばね76の圧縮量が変化するために、上記
設定トルクを調整することができる。
【0023】図8及び図9に他の実施例を示す。これは
上記実施例のように出力軸7を押し込むことでスイッチ
が入るいわゆるプッシュスタート機能は備えておらず、
これに伴ってリリース部材37とキャリア34とが切り
離し自在とはなっていないが、キャリア34とリリース
部材37との対向面に夫々円弧状の溝44を形成して、
この溝44内に配したボール45を通じて入力軸側部材
であるキャリア34の回転がリリース部材39側に伝達
されるようにしてある。つまり、キャリア34とリリー
ス部材39との間に、円弧状の溝44の中心角にほぼ等
しい角度の遊びを持たせて、前記ラチェット動作がこの
遊び内でなされるようにしているものである。なお、ロ
ック板40とリリース部材37とを所定の負荷内におい
て一体的に結合する保持部材42として、波ワッシャー
を用いているのは上記実施例と同じである。尚、この保
持部材42は、モータ2による駆動時には、その負荷が
大であるために、ロック板40とリリース部材37との
間の前記ロック用の遊びの角度内における相対回転を妨
げない。
上記実施例のように出力軸7を押し込むことでスイッチ
が入るいわゆるプッシュスタート機能は備えておらず、
これに伴ってリリース部材37とキャリア34とが切り
離し自在とはなっていないが、キャリア34とリリース
部材37との対向面に夫々円弧状の溝44を形成して、
この溝44内に配したボール45を通じて入力軸側部材
であるキャリア34の回転がリリース部材39側に伝達
されるようにしてある。つまり、キャリア34とリリー
ス部材39との間に、円弧状の溝44の中心角にほぼ等
しい角度の遊びを持たせて、前記ラチェット動作がこの
遊び内でなされるようにしているものである。なお、ロ
ック板40とリリース部材37とを所定の負荷内におい
て一体的に結合する保持部材42として、波ワッシャー
を用いているのは上記実施例と同じである。尚、この保
持部材42は、モータ2による駆動時には、その負荷が
大であるために、ロック板40とリリース部材37との
間の前記ロック用の遊びの角度内における相対回転を妨
げない。
【0024】
【発明の効果】以上のように本発明においては、リリー
ス部材と出力軸側部材との間に両者を所定の負荷内にお
いて一体的に結合する保持部材を設けていることから、
電動によるねじ締め作業に続いて手締め作業を行う時、
ロック部材を楔状空間部における遊動領域側に押し出す
リリース部材が、出力軸側部材と共に回転して、工具本
体を逆回しにした時のロック部材の噛み込み領域側への
移動を阻止するために、工具本体に対して出力軸をフリ
ーとなってラチェット機能を得ることができるものであ
り、手締め(手戻し)の作業性をきわめて良好なものと
する。
ス部材と出力軸側部材との間に両者を所定の負荷内にお
いて一体的に結合する保持部材を設けていることから、
電動によるねじ締め作業に続いて手締め作業を行う時、
ロック部材を楔状空間部における遊動領域側に押し出す
リリース部材が、出力軸側部材と共に回転して、工具本
体を逆回しにした時のロック部材の噛み込み領域側への
移動を阻止するために、工具本体に対して出力軸をフリ
ーとなってラチェット機能を得ることができるものであ
り、手締め(手戻し)の作業性をきわめて良好なものと
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明一実施例の縦断面図である。
【図2】同上の出力軸とロック板の斜視図である。
【図3】同上の正転回転時のリリース状態を示す断面図
である。
である。
【図4】同上の逆転回転時のリリース状態を示す断面図
である。
である。
【図5】(a) は同上の手締め時のロック状態を示す断面
図、(b) はラチェット動作時の断面図である。
図、(b) はラチェット動作時の断面図である。
【図6】(a) は同上の手戻し時のロック状態を示す断面
図、(b) はラチェット動作時の断面図である。
図、(b) はラチェット動作時の断面図である。
【図7】同上の側面図である。
【図8】他の実施例の縦断面図である。
【図9】同上のキャリア(リリース部材)の正面図であ
る。
る。
7 出力軸 37 リリース部材 42 保持部材 50a ロック部材 50b ロック部材 51 リング体
Claims (7)
- 【請求項1】 同軸上に位置する入力軸側部材と出力軸
側部材とに所定角度内の遊びをもって連結される動力伝
達用の連結部を設けるともに、工具本体に対して回転不
能に固定されて出力軸側部材を囲んでいるリング体の内
周面と出力軸側部材の外周面との間に、ロック部材の噛
み込みと遊動とを許す楔状空間部を形成し、入力軸側部
材には上記ロック部材を楔状空間部における遊動領域側
に押し出すリリース部材を形成したねじ締め工具におい
て、リリース部材と出力軸側部材との間に両者を所定の
負荷内において一体的に結合する保持部材を設けている
ことを特徴とするねじ締め工具。 - 【請求項2】 入力軸側部材に形成されているとともに
動力伝達用の連結部を兼ねているリリース部材が入力軸
側部材に対して切り離し自在となっていることを特徴と
する請求項1記載のねじ締め工具。 - 【請求項3】 入力軸側部材に形成されているとともに
動力伝達用の連結部を兼ねているリリース部材が入力軸
側部材に対して所定の角度内の遊びをもって連結されて
いることを特徴とする請求項1記載のねじ締め工具。 - 【請求項4】 保持部材はリリース部材と出力軸側部材
とを摩擦結合させる摩擦部材であることを特徴とする請
求項1記載のねじ締め工具。 - 【請求項5】 リリース部材が軸方向にスライド自在と
されて、このスライドで入力軸側部材に対する切り離し
と連結とがなされることを特徴とする請求項2記載のね
じ締め工具。 - 【請求項6】 リリース部材は出力軸を含む出力軸側部
材と一体に軸方向スライドを行うとともに、出力軸側部
材のスライドに連動してスライドして電源スイッチの開
閉を行うスライド板を備えていることを特徴とする請求
項5記載のねじ締め工具。 - 【請求項7】 出力軸側部材のスライドを不能とするス
トッパーを具備していることを特徴とする請求項6記載
のねじ締め工具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04104974A JP3115938B2 (ja) | 1992-04-23 | 1992-04-23 | ねじ締め工具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04104974A JP3115938B2 (ja) | 1992-04-23 | 1992-04-23 | ねじ締め工具 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05301174A JPH05301174A (ja) | 1993-11-16 |
JP3115938B2 true JP3115938B2 (ja) | 2000-12-11 |
Family
ID=14395072
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP04104974A Expired - Fee Related JP3115938B2 (ja) | 1992-04-23 | 1992-04-23 | ねじ締め工具 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3115938B2 (ja) |
-
1992
- 1992-04-23 JP JP04104974A patent/JP3115938B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05301174A (ja) | 1993-11-16 |
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Legal Events
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A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
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