JP3115774B2 - 抗腫瘍性白金(iv)錯体 - Google Patents
抗腫瘍性白金(iv)錯体Info
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- JP3115774B2 JP3115774B2 JP06277037A JP27703794A JP3115774B2 JP 3115774 B2 JP3115774 B2 JP 3115774B2 JP 06277037 A JP06277037 A JP 06277037A JP 27703794 A JP27703794 A JP 27703794A JP 3115774 B2 JP3115774 B2 JP 3115774B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、制癌剤として用いられ
る抗腫瘍性白金(IV)錯体及び、該白金(IV)錯体を有効成
分とする悪性腫瘍治療剤に関する。
る抗腫瘍性白金(IV)錯体及び、該白金(IV)錯体を有効成
分とする悪性腫瘍治療剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、白金制癌剤薬剤としては、シスジ
クロロアンミン白金(II)錯体(一般名シスプラチン)や
カルボプラチンが、卵巣癌、膀胱癌、肺癌及び頭頸部癌
を中心に使用されている。
クロロアンミン白金(II)錯体(一般名シスプラチン)や
カルボプラチンが、卵巣癌、膀胱癌、肺癌及び頭頸部癌
を中心に使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
白金制癌剤では、静注投与されており、患者への負担が
大きい一方、卵巣や睾丸以外の他の臓器の腫瘍(例えば
脳腫瘍等)にも活性のある白金制癌剤の開発が望まれて
いる。そこで、本発明はより一層の抗腫瘍活性を有し、
更に簡便な経口投与を志向した抗腫瘍性白金(IV)錯体及
び、該白金(IV)錯体を有効成分とする悪性腫瘍治療剤の
提供を目的とする。
白金制癌剤では、静注投与されており、患者への負担が
大きい一方、卵巣や睾丸以外の他の臓器の腫瘍(例えば
脳腫瘍等)にも活性のある白金制癌剤の開発が望まれて
いる。そこで、本発明はより一層の抗腫瘍活性を有し、
更に簡便な経口投与を志向した抗腫瘍性白金(IV)錯体及
び、該白金(IV)錯体を有効成分とする悪性腫瘍治療剤の
提供を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明の抗腫瘍性白金(IV)錯体は、一般式、化1
(式中、化2は化3で示される1、2−シクロアルカン
(C5 〜C 8 )ジアミン(立体構造はシス(R、S
−)、トランス−d(1S、2S−)又はトランス−1
(1R、2R−)である。)、化4で示される2−アミ
ノメチルシクロヘキシルアミン(立体構造はシス−1
(R、R−)、シス−d(S、S−)、トランス−1
(R、S)又はトランス−d(S、R−)である。)、
化5で示される1、1−ジアミノメチルシクロヘキサ
ン、O−フェニレンジアミン、エチレンジアミン又はプ
ロピレンジアミンより選ばれるいずれか1種のジアミン
である。又、化6は白金(IV)にO,O−配位の5あるい
は6員環を形成する配位子であり、XはC1 〜C10の脂
肪族環状アルキルを含む脂肪族アルキル又はアルキル芳
香族基である。)で表されることを特徴とする。前記ジ
アミンとしては化7で示される1、2−シクロヘキサン
ジアミン(以下dachとよぶ)が特に好ましい。又、
化6は化8で示されるオキサレート、化9で示される
1、1−シクロブタンジカルボキシレート、あるいは化
10で示されるマロナート、化11で示されるグリコレート
より選ばれる1種であることが好ましい。化6は、化12
又は化13においてRがC1 〜C10の脂肪族環状アルキル
を含む脂肪族アルキルあるいはアルキル芳香族基で表さ
れるものである。
め、本発明の抗腫瘍性白金(IV)錯体は、一般式、化1
(式中、化2は化3で示される1、2−シクロアルカン
(C5 〜C 8 )ジアミン(立体構造はシス(R、S
−)、トランス−d(1S、2S−)又はトランス−1
(1R、2R−)である。)、化4で示される2−アミ
ノメチルシクロヘキシルアミン(立体構造はシス−1
(R、R−)、シス−d(S、S−)、トランス−1
(R、S)又はトランス−d(S、R−)である。)、
化5で示される1、1−ジアミノメチルシクロヘキサ
ン、O−フェニレンジアミン、エチレンジアミン又はプ
ロピレンジアミンより選ばれるいずれか1種のジアミン
である。又、化6は白金(IV)にO,O−配位の5あるい
は6員環を形成する配位子であり、XはC1 〜C10の脂
肪族環状アルキルを含む脂肪族アルキル又はアルキル芳
香族基である。)で表されることを特徴とする。前記ジ
アミンとしては化7で示される1、2−シクロヘキサン
ジアミン(以下dachとよぶ)が特に好ましい。又、
化6は化8で示されるオキサレート、化9で示される
1、1−シクロブタンジカルボキシレート、あるいは化
10で示されるマロナート、化11で示されるグリコレート
より選ばれる1種であることが好ましい。化6は、化12
又は化13においてRがC1 〜C10の脂肪族環状アルキル
を含む脂肪族アルキルあるいはアルキル芳香族基で表さ
れるものである。
【0005】
【作用】本発明の抗腫瘍性白金(IV)錯体においては、脂
溶性が高く、薬剤の主成分として用いた場合、経口投与
が可能であるとともに、抗腫瘍作用に優れている。
溶性が高く、薬剤の主成分として用いた場合、経口投与
が可能であるとともに、抗腫瘍作用に優れている。
【0006】
【実施例】以下、本発明の実施例について詳細に説明す
る。
る。
【0007】
【実施例1】Pt(oxalato)(OSO2 p−C
6 H4 CH3 )2 (l−dach)化14の合成。
6 H4 CH3 )2 (l−dach)化14の合成。
【0008】
【化14】
【0009】先ず、Pt(oxalato)(OH)2
(l−dach)化15 700mg(1.62mmol)を水7mlに懸
濁したものと、p−トルエンスルホン酸・1水和物3.08
g(16.2mmol)を水7mlに溶解したものとを加え、室温
で8時間撹拌後、70℃の温度で 1.5時間反応させた。
(l−dach)化15 700mg(1.62mmol)を水7mlに懸
濁したものと、p−トルエンスルホン酸・1水和物3.08
g(16.2mmol)を水7mlに溶解したものとを加え、室温
で8時間撹拌後、70℃の温度で 1.5時間反応させた。
【0010】
【化15】
【0011】次いで、水を留去し、アセトンを加えて再
結晶させ、Pt(oxalato)(OSO2 p−C6
H4 CH3 )2 (l−dach)・3H2 O 700mg(収
率58%)を得た。
結晶させ、Pt(oxalato)(OSO2 p−C6
H4 CH3 )2 (l−dach)・3H2 O 700mg(収
率58%)を得た。
【0012】上記化合物の赤外吸光分析結果は、3063cm
-1(NH)、1754cm-1(C=O)であった。又、上記化
合物の分析データは、表1に示すようになった。
-1(NH)、1754cm-1(C=O)であった。又、上記化
合物の分析データは、表1に示すようになった。
【0013】
【表1】
【0014】更に、上記化合物についてマウスの実験腫
瘍、L1210に対する抗腫瘍性を調べた。CDF、マウス
にL1210(移植細胞数はマウス当り105 個)を腹腔内に
移植した後、翌日より第1日目、第5日目及び第9日目
に、上記化合物を薬剤として表2に示す投与量で腹腔内
に投与した。効果判定は、平均生存期間T/C(%)
(薬剤投与群の平均生存日数/対照群の平均生存日数×
100 )でみた。L1210では平均生存期間T/C 125%以
上を有効とし、その結果を表2に示す。一群は、6匹で
ある。なお、表中のカッコ内の数字は、一群中の治ゆし
たマウス数を示す。
瘍、L1210に対する抗腫瘍性を調べた。CDF、マウス
にL1210(移植細胞数はマウス当り105 個)を腹腔内に
移植した後、翌日より第1日目、第5日目及び第9日目
に、上記化合物を薬剤として表2に示す投与量で腹腔内
に投与した。効果判定は、平均生存期間T/C(%)
(薬剤投与群の平均生存日数/対照群の平均生存日数×
100 )でみた。L1210では平均生存期間T/C 125%以
上を有効とし、その結果を表2に示す。一群は、6匹で
ある。なお、表中のカッコ内の数字は、一群中の治ゆし
たマウス数を示す。
【0015】
【表2】
【0016】表2から、本発明に係る化合物が抗腫瘍性
を示すことが判る。
を示すことが判る。
【0017】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の抗腫瘍性
白金(IV)錯体によれば、抗腫瘍作用に優れ、又脂溶性が
高いため、脳腫瘍をはじめとする各種の臓器腫瘍の治療
に大変有効な悪性腫瘍治療剤を提供することが可能とな
る。
白金(IV)錯体によれば、抗腫瘍作用に優れ、又脂溶性が
高いため、脳腫瘍をはじめとする各種の臓器腫瘍の治療
に大変有効な悪性腫瘍治療剤を提供することが可能とな
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07F 15/00 A61K 31/282 A61P 35/00 CA(STN) REGISTRY(STN)
Claims (5)
- 【請求項1】 一般式化1(式中、化2は化3で示され
る1、2−シクロアルカン(C5 〜C 8 )ジアミン(立
体構造はシス(R、S−)、トランス−d(1S、2S
−)又はトランス−1(1R、2R−)である。)、化
4で示される2−アミノメチルシクロヘキシルアミン
(立体構造はシス−1(R、R−)、シス−d(S、S
−)、トランス−1(R、S)又はトランス−d(S、
R−)である。)、化5で示される1、1−ジアミノメ
チルシクロヘキサン、O−フェニレンジアミン、エチレ
ンジアミン又はプロピレンジアミンより選ばれるいずれ
か1種のジアミンである。又、化6は白金(IV)にO、O
−配位の5あるいは6員環を形成する配位子であり、X
はC1 〜C10の脂肪族環状アルキルを含む脂肪族アルキ
ル又はアルキル芳香族基である。)で表されることを特
徴とする抗腫瘍性白金(IV)錯体。 【化1】 【化2】 【化3】 【化4】 【化5】 【化6】 - 【請求項2】 前記ジアミンが化7で示される1、2−
シクロヘキサンジアミンであることを特徴とする請求項
1記載の抗腫瘍性白金(IV)錯体。 【化7】 - 【請求項3】 化6が化8で示されるオキサレート、化
9で示される1、1−シクロブタンジカルボキシレー
ト、あるいは化10で示されるマロナート、化11で示され
るグリコレートより選ばれる1種であることを特徴とす
る請求項1または2記載の抗腫瘍性白金(IV)錯体。 【化8】 【化9】 【化10】 【化11】 - 【請求項4】 化6が、化12又は化13においてRがC1
〜C10の脂肪族環状アルキルを含む脂肪族アルキルある
いは芳香族アルキルのいずれか1種であることを特徴と
する請求項1または2記載の抗腫瘍性白金(IV)。 【化12】 【化】 - 【請求項5】 化1で表される抗腫瘍性白金(IV)錯体を
有効成分とする悪性腫瘍治療剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06277037A JP3115774B2 (ja) | 1994-10-17 | 1994-10-17 | 抗腫瘍性白金(iv)錯体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06277037A JP3115774B2 (ja) | 1994-10-17 | 1994-10-17 | 抗腫瘍性白金(iv)錯体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08113583A JPH08113583A (ja) | 1996-05-07 |
JP3115774B2 true JP3115774B2 (ja) | 2000-12-11 |
Family
ID=17577905
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP06277037A Expired - Fee Related JP3115774B2 (ja) | 1994-10-17 | 1994-10-17 | 抗腫瘍性白金(iv)錯体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3115774B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1872798B1 (en) | 2005-04-06 | 2013-06-05 | Kabushiki Kaisha Sangi | Intestinal absorptive anti-tumor agent |
-
1994
- 1994-10-17 JP JP06277037A patent/JP3115774B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08113583A (ja) | 1996-05-07 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |