JP3113205U - 板状セラミックフィルター - Google Patents

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Abstract

【課題】濾過流体集合管が挿通される貫通孔の径を小さくしたり濾過板を大きくしたりして濾過面積を大きくしても、流体の流動抵抗が増大することがないため濾過効率及び逆洗効率を高めることができ、また濾過板の機械的強度を低下させることなく耐久性に優れ、さらに製造が容易で製品得率の高い板状セラミックフィルターを提供する。
【解決手段】板状セラミックフィルターは、セラミック多孔体で板状に形成された濾過板2と、濾過板2に貫設され濾過流体集合管が挿通される貫通孔5と、を備えた板状セラミックフィルターであって、濾過板2内に形成され一端が貫通孔5の側壁で開口する主流路6と、濾過板2内で主流路6間を連通する副流路7と、を備える。
【選択図】図2

Description

本考案は、溶液の分離・濃縮、排ガスや排水等の流体に含まれる浮遊微粒子を捕捉・除去するために用いる板状セラミックフィルターに関するものである。
従来より、セラミック多孔体で板状に形成された濾過板と、濾過板に貫設された貫通孔と、を備えた板状セラミックフィルターが知られている。この板状セラミックフィルターは、貫通孔に濾過流体集合管が挿通され、濾過装置内に保持されて用いられるものである。濾過装置内では、排水等の流体が、板状セラミックフィルターの濾過板の表面の細孔から圧力差によって濾過板内に流入され、浮遊微粒子等が濾過板に捕捉されるとともに、流体が濾過板内を貫通孔に向かって流れ、濾過流体集合管へ排出される。このため、流体の濾過速度は、濾過板の大きさ,断面積,細孔径,気孔率等によって決まる流動抵抗(圧力損失)によって制限され、濾過効率を高めることが困難であった。
また、板状セラミックフィルターでは、濾過運転によって浮遊微粒子等がセラミック多孔体の細孔に捕捉されるため、セラミック多孔体の細孔が塞がれ経時的に濾過効率が低下するので、通常、液体やガス等の逆洗流体を濾過運転中の流体の流れとは逆方法に流す逆洗操作が行なわれる。逆洗操作の場合にも、濾過板における流体の流動抵抗によって、逆洗流体は貫通孔の近くから濾過板の外へ流れ出してしまうため、濾過板全体を洗浄することは困難であった。
このような問題を解決するため、板状セラミックフィルターの濾過効率や逆洗効率を高める技術が開発されている。
従来の技術としては、(特許文献1)に「セラミック多孔体からなる支持体の中央部に貫通孔が形成されたセラミック製平膜であって、前記支持体内には一端が貫通孔の側壁に開口し、他端が平膜の外周部近くまで伸びる中空部が形成されたセラミック製平膜」が開示されている。中空部としては、「平面視して円環状のもの、十字状の中空溝、さらに中空溝の先端部が枝分かれしたもの」が開示されている。
(特許文献2)には、「濾過膜を支持する支持体内に貫通濾液集合管に連通する、支持体の平均細孔径より大きな細孔径を有する流動抵抗緩和部が形成された板状セラミックフィルター」が開示されている。
実開平2−66227号公報 特開平6−134267号公報
しかしながら上記従来の技術においては、以下のような課題を有していた。
(1)(特許文献1)に開示の技術は、「平面視して円環状の中空部」が形成されたセラミック製平膜は、中空部が形成されたことにより支持体の実効厚が薄くなり機械的強度が低下するので、逆洗流体の圧力を高くすることができず、逆洗効率を高めることができないという課題を有していた。また、逆洗流体の圧力を高くすると、支持体が破壊され易く耐久性に欠けるという課題を有していた。
(2)「十字状の中空溝」、「先端部が枝分かれした中空溝」が形成されている場合は、支持体の機械的強度を低下させることなく流動抵抗を低下させ、濾過効率をある程度まで高めることはできるが、十字状の中空溝は所定の間隔で形成されており中空溝間に所定の幅で支持体が存在するので、この中空溝間の支持体の流動抵抗によって濾過効率が頭打ちになるという課題を有していた。また逆洗操作の場合には、逆洗流体が、中空溝が存在するセラミック製平膜の局部にしか流れず、逆洗効率が低いという課題を有していた。
(3)濾過効率を上げるため中空溝の間隔を狭くすると、貫通孔の近傍では中空溝の密度が高くなり支持体の幅が狭くなるため、貫通孔近傍の支持体の機械的強度が低下し、欠け易く、また逆洗流体の圧力によって破壊され易いという課題を有していた。
(4)(特許文献2)に開示の技術は、支持体の内部を粒径の大きなセラミック粒子で構成し、緻密に焼結されるのを防止し、セラミック粒子間に流動抵抗緩和部を形成するものなので、支持体の内部が緻密化していないため機械的強度が支持体の外部に比べて低く、逆洗流体の圧力を高くすることができず逆洗効率を高めることができないという課題を有していた。また、逆洗流体の圧力を高くすると、支持体が破壊され易く耐久性に欠けるという課題を有していた。
(5)支持体が、流動抵抗緩和部を構成する粒径の大きなセラミック粒子と、それよりも粒径の小さなセラミック粒子とで複合化されているので、支持体を製造するのが煩雑であり、支持体に曲げ等の力が働くと複合化された界面で剥離等が生じ易く製品得率が低く、また耐久性に欠けるという課題を有していた。
本考案は上記従来の課題を解決するもので、貫通孔の径を小さくしたり濾過板を大きくしたりして濾過板の面積を大きくしても、流体の流動抵抗が増大することがないため濾過効率及び逆洗効率を高めることができ、また濾過板の機械的強度を低下させることなく耐久性に優れ、さらに製造が容易で製品得率の高い板状セラミックフィルターを提供することを目的とする。
上記従来の課題を解決するために本考案の板状セラミックフィルターは、以下の構成を有している。
請求項1に記載の板状セラミックフィルターは、セラミック多孔体で板状に形成された濾過板と、前記濾過板に貫設され濾過流体集合管が挿通される貫通孔と、を備えた板状セラミックフィルターであって、前記濾過板内に形成され一端が前記貫通孔の側壁で開口する主流路と、前記濾過板内で前記主流路間を連通する副流路と、を備えた構成を有している。
この構成により、以下のような作用が得られる。
(1)主流路と主流路間を連通する副流路とを備えているので、濾過板の表面と主流路及び副流路までの距離を、濾過に必要な最小距離まで近づけることができ、濾過板を大型化して濾過板の面積を大きくしても流体の流動抵抗が増大することがなく、濾過効率を高めることができる。
(2)流体の流動抵抗を下げるためには、貫通孔で開口する主流路の間隔は狭くせずに副流路の間隔を狭くして副流路の密度を高めれば良いため、貫通孔の近傍における主流路の密度を低くできるため、貫通孔近傍の濾過板の機械的強度が低下することなく耐久性に優れる。
(3)濾過板の内部に主流路と副流路とを形成するので、(特許文献2)に記載された流動抵抗緩和部のように、粒径の大きなセラミック粒子と、それよりも粒径の小さなセラミック粒子とで濾過板を複合化させる必要がないので、製造が容易で、さらに複合化された界面で剥離等が生じることもなく製品得率を高くできる。
(4)濾過板の機械的強度を低下させることなく流体の流動抵抗を低下させることができ、さらに濾過板の表面と主流路及び副流路までの距離を最小距離まで近づけることができるので、濾過板を薄くすることができるとともに、逆洗流体の圧力を高くしても濾過板が破壊したり損傷したりすることなく耐久性に優れ、さらに主流路及び副流路内の高圧の逆洗流体が、速い流速で濾過板の表面に達するので逆洗効率に優れる。
ここで、濾過板としては、材質がアルミナ、シリカ、ジルコニア、ムライト、スピネル、コージライト、粘土、炭化珪素、窒化珪素等のセラミック多孔体で形成されたものを用いることができる。
また、濾過板は、要求濾過精度によっては、アルミナ、シリカ、ジルコニア、ムライト、スピネル、コージライト、粘土、炭化珪素、窒化珪素等のセラミック多孔体で形成された支持体の表面を、平均細孔径50A〜5μmの濾過膜で被覆したものを用いることもできる。濾過膜の材質としては、例えば、アルミナ、ジルコニア、チタニア、酸化錫等を用いることができる。
濾過板の形状としては、円形、四角形,五角形等の多角形、星型等の中から適宜選択することができる。
濾過板に貫設された貫通孔の位置としては、濾過装置の構造によって異なるが、濾過板の中央に貫設されたもの、濾過板の外周の近傍に貫設されたもの等適宜選択することができる。
主流路としては、一端が貫通孔の側壁で開口し先端が濾過板の外周面近くまで伸びるものであれば、その形状は適宜選択して用いることができ、例えば、貫通孔から渦巻状や放射状等に形成されたものを用いることができる。主流路の先端や途中からツリー状に分岐させることもできる。また、濾過板の厚さ方向に複数形成することもできる。
副流路としては、主流路間を連通するものであれば、その形状は適宜選択して用いることができる。
請求項2に記載の考案は、請求項1に記載の板状セラミックフィルターであって、前記主流路及び前記副流路の横断面の内径が、前記濾過板の厚さの1/10〜1/5好ましくは1/7〜1/5の大きさで形成された構成を有している。
この構成により、請求項1で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)主流路及び副流路の横断面の内径が、濾過板の厚さの1/10〜1/5の大きさで形成されているので、濾過板の機械的強度を低下させることなく流体の流動抵抗を低下させることができ、濾過効率と逆洗効率を高めることができるとともに耐久性に優れる。
ここで、主流路及び副流路の横断面の内径が濾過板の厚さの1/7より細くなるにつれ、濾過板の表面から主流路や副流路までの距離が長くなり流体の流動抵抗が増加し濾過効率や逆洗効率が低下する傾向がみられ、1/10より細くなると、この傾向が著しくなるため好ましくない。1/5より太くなるにつれ濾過板の表面から主流路や副流路までの厚さが薄くなり濾過板の機械的強度が低下する傾向がみられるため好ましくない。
副流路の横断面の内径は、主流路の横断面の内径の1〜1/2の大きさに形成されるのが好ましい。副流路の横断面の内径が主流路の内径の1倍より大きくなるにつれ、主流路間に張り巡らされた副流路によって濾過板の実効厚さが低下し機械的強度が低下する傾向がみられ、1/2より小さくなるにつれ、濾過板の表面から副流路までの距離が長くなり流体の流動抵抗が増加し濾過効率や逆洗効率が低下する傾向がみられるため、いずれも好ましくない。
請求項3に記載の考案は、請求項1又は2に記載の板状セラミックフィルターであって、前記副流路が、格子状、網目状、同心円状、渦巻状、蜘蛛の巣状、葉脈状のいずれか1種以上で形成された構成を有している。
この構成により、請求項1又は2で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)副流路が、格子状、網目状、同心円状、渦巻状、蜘蛛の巣状、葉脈状のいずれか1種以上で形成されているので、濾過板内に副流路を高密度で張り巡らせることができ、流体の流動抵抗を低下させ濾過効率と逆洗効率を高めることができる。
請求項4に記載の考案は、請求項1乃至3の内いずれか1に記載の板状セラミックフィルターであって、前記副流路が、前記濾過板の厚さの1/4〜2/3好ましくは1/3から1/2の間隔で形成された構成を有している。
この構成により、請求項1乃至3の内いずれか1で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)副流路が濾過板の厚さの1/4〜2/3の間隔で形成されているので、濾過板の表面と副流路までの距離を、濾過に必要な略一定の最小距離まで近づけることができ、流体の流動抵抗を低下させ濾過効率と逆洗効率を高めることができる。
ここで、副流路の間隔が濾過板の厚さの1/3より小さくなるにつれ、副流路間の濾過板の厚さが薄くなり濾過板の機械的強度が低下する傾向がみられるため好ましくない。副流路の間隔が濾過板の厚さの1/2より大きくなるにつれ、副流路の間隔が広がるので副流路と副流路の間で局部的に流動抵抗が大きくなり、濾過効率や逆洗効率が低下する傾向がみられる。特に、副流路の間隔が濾過板の厚さの1/4より小さくなるか、2/3より大きくなると、この傾向が著しくなるので好ましくない。
請求項5に記載の考案は、請求項1乃至4の内いずれか1に記載の板状セラミックフィルターであって、前記濾過板の板状面と外周面との稜角が面取され平面部又は曲面部が形成された構成を有している。
この構成により、請求項1乃至4の内いずれか1で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)濾過板の表面に付着した浮遊微粒子等の付着物を除去するための洗浄流体を、濾過板の外周面方向から濾過板の板状面と略平行に当てた場合に、濾過板の板状面と外周面との稜角が面取され平面部又は曲面部が形成されているので、外周面や稜角における洗浄流体の乱れを少なくすることができ、洗浄流体が濾過板の板状面の表面に沿ってスムーズに流れ渦流になり難いため、洗浄流体が、濾過板の板状面に付着した付着物を細粒化することなく凝集した大きな塊のまま剥離させ、付着物の濾過板からの除去効率を高めることができるとともに、付着物を凝集した塊状で剥離するので洗浄流体から分離し易くすることができる。この結果、逆洗だけでは完全に除去することが困難であった濾過板の表面に付着した付着物を、濾過板の外周面方向から洗浄流体を当てることによって剥離除去することができ、濾過効率が経時的に低下するのを防止できる。
ここで、稜角を面取して平面部又は曲面部を形成することができるが、曲面部を形成するのが好ましい。平面部の場合は、角が欠け易くなる傾向がみられるからである。
曲面部は、曲率半径が濾過板の外周面の板厚の1/3〜2/3に形成されるのが好ましい。曲面部の曲率半径が外周面の板厚の1/3より小さくなるにつれ曲面部の先端が欠け易くなる傾向がみられ、2/3より大きくなるにつれ、洗浄流体を濾過板の外周面方向から濾過板の板状面と略平行に当てた場合に渦が形成され易くなる傾向がみられるため、いずれも好ましくない。
以上のように、本考案の板状セラミックフィルターによれば、以下のような有利な効果が得られる。
請求項1に記載の考案によれば、
(1)濾過板の表面と主流路及び副流路までの距離を濾過に必要な最小距離まで近づけることができるので、貫通孔の径を小さくしたり濾過板を大きくしたりして濾過板の面積を大きくしても、流体の流動抵抗が増大することがないため濾過効率を高めることができる板状セラミックフィルターを提供することができる。
(2)貫通孔の近傍における主流路の密度を低くできるため、貫通孔近傍の濾過板の機械的強度が低下することなく耐久性に優れた板状セラミックフィルターを提供することができる。
(3)濾過板を複合化させる必要がないので、製造が容易で、さらに複合化された界面で剥離等が生じることもなく製品得率の高い板状セラミックフィルターを提供することができる。
(4)逆洗流体の圧力を高くしても濾過板が破壊したり損傷したりすることなく耐久性に優れ、さらに主流路及び副流路内の高圧の逆洗流体が、速い流速で濾過板の表面に達するので逆洗効率に優れた板状セラミックフィルターを提供することができる。
請求項2に記載の考案によれば、請求項1の効果に加え、
(1)濾過板の機械的強度を低下させることなく流体の流動抵抗を低下させることができ、濾過効率と逆洗効率を高めることができるとともに耐久性に優れた板状セラミックフィルターを提供することができる。
請求項3に記載の考案によれば、請求項1又は2の効果に加え、
(1)濾過板内に副流路を高密度で張り巡らせることができ、流体の流動抵抗を低下させ濾過効率と逆洗効率を高めることができる板状セラミックフィルターを提供することができる。
請求項4に記載の考案によれば、請求項1乃至3の内いずれか1の効果に加え、
(1)濾過板の表面と副流路までの距離を、濾過に必要な略一定の最小距離まで近づけることができ、流体の流動抵抗を低下させ濾過効率と逆洗効率を高めることができる板状セラミックフィルターを提供することができる。
請求項5に記載の考案によれば、請求項1乃至4の内いずれか1の効果に加え、
(1)逆洗だけでは完全に除去することが困難であった濾過板の表面に付着した付着物を、濾過板の外周面方向から洗浄流体を当てることによって剥離除去することができ、濾過効率が経時的に低下するのを防止できる板状セラミックフィルターを提供することができる。
以下、本考案を実施するための最良の形態を、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は本考案の実施の形態1における板状セラミックフィルターの平面図であり、図2(a)は実施の形態1における板状セラミックフィルターの板状面と略平行方向の要部断面図であり、図2(b)は図1のA−A線における要部断面図である。
図1、図2において、1は実施の形態1における板状セラミックフィルター、2はアルミナ,ムライト等を主原料とするセラミック多孔体で円形の板状に形成された板状セラミックフィルター1の濾過板、3は濾過板2の板状面、4は濾過板2の外周面、4aは濾過板2の板状面3と外周面4の稜角が面取されて形成された平面部、5は濾過板2の略中心に貫設され図示しない濾過装置の濾過流体集合管が挿通される貫通孔、5aは貫通孔5の側壁、6は濾過板2内に放射状に形成され一端が貫通孔5の側壁5aで開口し先端が濾過板2の外周面4近くまで伸びた複数の主流路、7は貫通孔5と同心円状に形成され主流路6の間を連通する複数の副流路である。
なお、本実施の形態においては、主流路6及び副流路7の横断面の内径が、濾過板2の厚さの1/10〜1/5好ましくは1/7〜1/5の大きさで形成されている。また副流路7は、濾過板2の厚さの1/4〜2/3好ましくは1/3〜1/2の間隔で略同心円状に形成されている。また、副流路7の横断面の内径は、主流路6の横断面の内径の1〜1/2の大きさに形成されている。
以上のように構成された本考案の実施の形態1における板状セラミックフィルターについて、以下その製造方法の一例を説明する。
始めに、適当な粒度分布を有するセラミック原料に有機バインダー、水等を添加し混練して、可塑性を有する練土を製造する。有機バインダーに代えて、粘土を添加することもできる。さらに、焼成の際に焼失して細孔が形成される木炭等の微粉末を添加混合することもできる。
次に、練土を濾過板2の約半分の厚さの板状に成形した練土板を2枚製造し、各々の練土板の略中心に貫通孔5を形成する。次いで、1枚の練土板の表面に、一端が貫通孔5に連通し先端が練土板の外周面近くまで伸びた複数の主流路6となる放射状の溝を形成する。さらに、主流路6の間を連通し貫通孔5と同心円状の複数の副流路7となる溝を形成する。次いで、練土板の主流路6及び副流路7を形成した面に、他の練土板を貼り合せ、濾過板2の成形体を製造する。この成形体を乾燥し焼成することで、濾過板2の内部に主流路6及び副流路7が形成された板状セラミックフィルター1を製造することができる。
以上のように、本考案の実施の形態1における板状セラミックフィルターは構成されているので、以下のような作用が得られる。
(1)主流路6と主流路6間を連通する副流路7とを備えているので、濾過板2の表面の板状面3と主流路6及び副流路7までの距離を、濾過に必要な最小距離まで近づけることができ、流体の流動抵抗を低下させ濾過効率を高めることができる。
(2)濾過板2内における流体の流動抵抗を低下させるためには、貫通孔5の側壁5aで開口する主流路6の間隔は狭くせずに副流路7の間隔を狭くして副流路7の密度を高めれば良いため、貫通孔5の近傍における主流路6の密度を低くできるため、貫通孔5近傍の濾過板2の機械的強度が低下することなく耐久性に優れる。
(3)濾過板2の内部に主流路6と副流路7とを形成するので、濾過板2を複合化させることなく同一の材料で一体に製造することができ、容易に製造できるとともに製品得率を高くできる。
(4)濾過板2の内部に主流路6と副流路7とを形成するので、濾過板2の機械的強度を低下させることなく流体の流動抵抗を低下させることができ、さらに副流路7が張り巡らされるので、濾過板2の板状面3の表面と副流路7までの距離を最小距離まで近づけることができ、逆洗流体の圧力を高くしても濾過板2が破壊したり損傷したりすることなく耐久性に優れ、さらに主流路6及び副流路7を流れる高圧の逆洗流体が、速い流速で濾過板2の板状面3の表面に達するので逆洗効率に優れる。
(5)主流路6及び副流路7の横断面の内径が、濾過板2の厚さの1/10〜1/5好ましくは1/7〜1/5の大きさで形成されているので、濾過板2の機械的強度を低下させることなく流体の流動抵抗を低下させることができ、濾過効率と逆洗効率を高めることができるとともに耐久性に優れる。
(6)副流路7が同心円状に形成されているので、濾過板2内に副流路7を高密度で張り巡らせることができ、流体の流動抵抗を低下させ濾過効率と逆洗効率を高めることができる。
(7)副流路7が濾過板2の厚さの1/4〜2/3好ましくは1/3〜1/2の間隔で形成されているので、濾過板2の板状面3の表面と副流路7までの距離を、濾過に必要な略一定の最小距離まで近づけることができ、流体の流動抵抗を低下させ濾過効率と逆洗効率を高めることができる。
(8)副流路7の横断面の内径が、主流路6の横断面の内径の1〜1/2の大きさに形成されているので、副流路7を濾過板2に張り巡らせても濾過板2の実効厚さを低下させないので高い機械的強度が得られ、また濾過板2の表面から副流路7までの距離を短くできるので流体の流動抵抗を低下させ濾過効率と逆洗効率を高めることができる。
(9)濾過板2の板状面3と外周面4との稜角が面取され平面部4aが形成されているので、濾過板2の板状面3の表面に付着した浮遊微粒子等の付着物を除去するための洗浄流体を、濾過板2の外周面方向から板状面3と略平行に当てた場合に、外周面4や平面部4aにおける洗浄流体の乱れを少なくすることができ、洗浄流体が濾過板2の板状面3の表面に沿ってスムーズに流れるため、洗浄流体が濾過板2の板状面3に付着した付着物を剥離させ付着物の除去効率を高めることができ、この結果、逆洗だけでは完全に除去することが困難であった濾過板2の表面に付着した付着物を剥離除去することができ、濾過効率が経時的に低下するのを防止できる。
なお、本実施の形態においては、濾過板2の板状面3と外周面4との稜角が面取され平面部4aが形成された場合について説明したが、板状面3と外周面4の稜角を完全に丸くして曲面部を形成する場合もある。曲面部を形成することで、濾過板2の外周面方向から板状面3と略平行に当てた場合に、洗浄流体の乱れをより少なくすることができ、濾過板2の表面に付着した付着物を剥離除去する洗浄効率をより高めることができる。
(実施の形態2)
図3は実施の形態2における板状セラミックフィルターの板状面と略平行方向の要部断面図である。なお、実施の形態1と同様のものは、同じ符号を付して説明を省略する。
図中、1aは実施の形態2における板状セラミックフィルター、6aは一端が貫通孔5で開口する十字状に濾過板2に形成された主流路、6bは主流路6aの間に形成され一端が貫通孔5で開口し先端側が分岐したツリー状に形成された主流路、7aは濾過板2に格子状に形成され主流路6a,6bを連通する副流路である。
以上のように構成された実施の形態2における板状セラミックフィルターの製造方法は、実施の形態1で説明したものと同様なので、説明を省略する。
以上のように、本考案の実施の形態2における板状セラミックフィルターは構成されているので、実施の形態1に記載した作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)先端側が分岐したツリー状に形成された主流路6bが形成されているので、主流路6bの密度を高くして濾過板2内の流体の流動抵抗を低くすることができ、濾過効率や逆洗効率を高めることができる。
(2)主流路6a,6bを連通し格子状に形成された副流路7aを備えているので、主流路6a,6bを連通する経路を増やし濾過板2内の流体の流動抵抗を低くすることができ、濾過効率や逆洗効率を高めることができる。
(実施の形態3)
図4は実施の形態3における板状セラミックフィルターの板状面と略平行方向の要部断面図である。なお、実施の形態1と同様のものは、同じ符号を付して説明を省略する。
図中、1bは実施の形態3における板状セラミックフィルター、7bは濾過板2に蜘蛛の巣状に形成され主流路6を連通する副流路である。
以上のように構成された実施の形態3における板状セラミックフィルターの製造方法は、実施の形態1で説明したものと同様なので、説明を省略する。
実施の形態3における板状セラミックフィルターも、実施の形態1に記載したのと同様の作用が得られる。
(実施の形態4)
図5は実施の形態4における板状セラミックフィルターの板状面と略平行方向の要部断面図である。なお、実施の形態1と同様のものは、同じ符号を付して説明を省略する。
図中、1cは実施の形態4における板状セラミックフィルター、7cは濾過板2に渦巻状に形成され主流路6を連通する副流路である。
以上のように構成された実施の形態4における板状セラミックフィルターの製造方法は、実施の形態1で説明したものと同様なので、説明を省略する。
実施の形態4における板状セラミックフィルターも、実施の形態1に記載したのと同様の作用が得られる。
(実施の形態5)
図6は実施の形態5における板状セラミックフィルターの板状面と略平行方向の要部断面図である。なお、実施の形態1と同様のものは、同じ符号を付して説明を省略する。
図中、1dは実施の形態5における板状セラミックフィルター、2aはアルミナ,ムライト等を主原料とするセラミック多孔体で四角形の板状に形成され貫通孔5が外周面近くに形成された板状セラミックフィルター1dの濾過板、6cは一端が貫通孔5に連通し先端が濾過板2aの外周面近くまで伸びた複数の主流路、7dは濾過板2aに分岐した葉脈状や網目状に形成され主流路6cを連通する副流路である。
以上のように構成された実施の形態5における板状セラミックフィルターの製造方法は、実施の形態1で説明したものと同様なので、説明を省略する。
実施の形態5における板状セラミックフィルターも、実施の形態1に記載したのと同様の作用が得られる。
本考案は、溶液の分離・濃縮、排ガスや排水等の流体に含まれる浮遊微粒子を捕捉・除去するために用いる板状セラミックフィルターに関し、濾過装置の濾過流体集合管が挿通される貫通孔の径を小さくしたり濾過板を大きくしたりして濾過板の面積を大きくしても、流体の流動抵抗が増大することがないため濾過効率及び逆洗効率を高めることができ、また濾過板の機械的強度を低下させることなく耐久性に優れ、さらに製造が容易で製品得率の高い板状セラミックフィルターを提供することができる。
実施の形態1における板状セラミックフィルターの平面図 (a)実施の形態1における板状セラミックフィルターの板状面と略平行方向の要部断面図 (b)図1のA−A線における要部断面図 実施の形態2における板状セラミックフィルターの板状面と略平行方向の要部断面図 実施の形態3における板状セラミックフィルターの板状面と略平行方向の要部断面図 実施の形態4における板状セラミックフィルターの板状面と略平行方向の要部断面図 実施の形態4における板状セラミックフィルターの板状面と略平行方向の要部断面図
符号の説明
1,1a,1b,1c,1d 板状セラミックフィルター
2,2a 濾過板
3 板状面
4 外周面
4a 平面部
5 貫通孔
5a 側壁
6,6a,6b,6c 主流路
7,7a,7b,7c,7d 副流路

Claims (5)

  1. セラミック多孔体で板状に形成された濾過板と、前記濾過板に貫設され濾過流体集合管が挿通される貫通孔と、を備えた板状セラミックフィルターであって、
    前記濾過板内に形成され一端が前記貫通孔の側壁で開口する主流路と、前記濾過板内で前記主流路間を連通する副流路と、を備えていることを特徴とする板状セラミックフィルター。
  2. 前記主流路及び前記副流路の横断面の内径が、前記濾過板の厚さの1/10〜1/5の大きさで形成されていることを特徴とする請求項1に記載の板状セラミックフィルター。
  3. 前記副流路が、格子状、網目状、同心円状、渦巻状、蜘蛛の巣状、葉脈状のいずれか1種以上で形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の板状セラミックフィルター。
  4. 前記副流路が、前記濾過板の厚さの1/4〜2/3の間隔で形成されていることを特徴とする請求項1乃至3の内いずれか1に記載の板状セラミックフィルター。
  5. 前記濾過板の板状面と外周面との稜角が面取され平面部又は曲面部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至4の内いずれか1に記載の板状セラミックフィルター。
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