JP3113070B2 - 竪型ミルの振動発生予測方法および竪型ミルの振動抑制方法 - Google Patents

竪型ミルの振動発生予測方法および竪型ミルの振動抑制方法

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JP3113070B2 JP04168662A JP16866292A JP3113070B2 JP 3113070 B2 JP3113070 B2 JP 3113070B2 JP 04168662 A JP04168662 A JP 04168662A JP 16866292 A JP16866292 A JP 16866292A JP 3113070 B2 JP3113070 B2 JP 3113070B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ローラミルの振動抑止
技術に係わり、ローラミルにおいて激しい自励振動を起
こす原料を識別するとともにその振動レベル(程度)を
予測するための手法つまり粉粒体層の内部摩擦測定によ
るミルの振動発生予測方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】石炭、セメント原料あるいは新素材原料
などの塊状物を細かく粉砕するミルのひとつのタイプと
して、回転するテーブルと複数個のローラで粉砕を行わ
せる竪型のローラミルが広く用いられるようになり、最
近では代表機種のひとつとしての地位を固めつつある。
本発明の対象は、このローラミルの振動抑止に関するも
のであるが、ここではまず、ローラミル全体について構
成を概説する。
【0003】図16はローラミルの中心軸を通る断面
示したものである。 この種のミルは、円筒型のハ
ウジング51の下部モータ(本明細書中では図示省
略)で駆動され、減速機(本明細書中では図示省略)を
介して低速で回転する円形の回転テーブル42と、その
回転テーブル42の外周部の上方面において、円周方向
を等分する位置に複数個の粉砕ローラ33を備えてい
る。粉砕ローラ33はスプリングフレーム41と加圧フ
レーム43に支持される加圧用スプリング40(あるい
は油圧)で加圧されて回転する。粉砕ローラ33はロー
ラブラケット37内のピボットボックス38を介してロ
ーラピボット39を支軸として、首振り可能なように支
持されている。ハウジング51の頂部にある原料供給管
32から粉砕原料31が回転テーブル42の中心へ落
する。そして、遠心力により回転テーブル42上の粉砕
原料47はうず巻き状の軌跡を描いて回転テーブル42
の外周へ移動し、回転テーブル42の粉砕リング44上
の粉砕レース45と粉砕ローラ33の間にかみ込まれて
粉砕される。ハウジング51の下部には、ダクトを通し
て熱風48が導かれている。この熱風48が回転テーブ
ル42とハウジング51の間にあるスロートベーン49
とシールリング50の間に形成されるエアスロートから
吹き上がる。粉砕原料47が粉砕されて生じた粉粒体
は、前記エアスロートから吹き上る熱風48によってハ
ウジング51内を上昇しながら乾燥される。ハウジング
51内の上方へ輸送された粉粒体は、粗いものから重力
により落下し(これを一次分級という)、粉砕レース4
5と粉砕ローラ33からなる粉砕部で再粉砕される。こ
の一次分級部を貫通したやや細かな粉粒体は、ハウジン
グ51内の上部に設けた回転分級機52(あるいは図示
していない固定式のサイクロン分級機)で再度分級され
る。所定の粒径より小さな微粉は気流により回転分級機
52とダムリング53間を経て、排出ダクト54から排
出搬送され、ボイラでは微粉炭バーナあるいは微粉貯蔵
ビンへと送られる。回転分級機52を貫通しなかった所
定粒径以上の粗粉は、回転テーブル42上へ重力により
落下し、ミル内へ新しく供給されたばかりの粉砕原料3
1とともに再度粉砕される。このようにして、ミル内で
は粉砕が繰り返され、製品微粉が出来上がっていく。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ボイラの広域負荷運用
に対応させてローラミルを低負荷で運用しようとする場
合、問題となるのがミルの振動である。この振動現象は
複雑であり、詳細なメカニズムまで明らかにされている
わけではないが、炭層に影響されて粉砕ローラがすべる
ことによる一種の摩擦振動であり、その摩擦運動は不連
続・非線形振動の代表として知られるスティック・スリ
ップ運動であると考えられる。この振動のタイプは回転
テーブル42の回転数に同期しないこと等のため、励振
源をはっきりと特定できない。また、振動波形が正弦波
ではなくスパイク状になる。これらのことから、自励振
動の一種といえる。この振動の発生は石炭の性質に依存
する。振動の発生しやすい石炭は、図10に示すよう
に、低負荷運用時(ミル内における石炭ホールドアップ
の少ない条件)に振動が激しくなるが、石炭種によって
高負荷時にも頻繁に振動が発生する。このような振動を
起こしやすい石炭の粉砕性は良好なものから悪いものま
でさまざまであり、よく知られた見かけの物性のみで振
動発生を判定することは難しい。
【0005】そこで、本発明の目的は、ミルの振動を起
こしやすい粉砕原料をいかにして予測するかを示し、そ
して、その識別技法を提供し、さらに、ミルの振動の発
生を抑制する方法を提供することにある。この目的を達
成するためには、振動発生時における粉砕ローラの挙動
を明らかにしておく必要がある。
【0006】図11、12は、図16、図13(図16
の部分図)に示したローラミルの粉砕ローラ33の動き
を、粉砕ローラ33の断面図として示したものである。
このタイプのローラミルでは、ローラブラケット37を
介して、ローラピボット39を支軸として、粉砕ローラ
33が首振り可能なように支持される。この粉砕ローラ
33の首振り機能は大変に重要であり、粉砕ローラ33
が鉄片等の粉砕されにくい異物をかみ込んだ場合、粉砕
ローラ33は首を振ることによって衝撃を回避すること
ができる。また、粉砕ローラ33や粉砕レース45が摩
耗したときには、適切な押圧位置(粉砕ローラ33と粉
砕レース45との位置関係)を自動調心的に見つけ出す
作用も、この首振り機能にはある。
【0007】粉砕ローラ33が激しく自励振動する場合
には、図11に示すように、粉砕ローラ33は外側へ横
ずれし(矢印β)、次いで図12のように上下に振動す
る(矢印γ:上下方向の振動、矢印γ’:横ずれ状に首
を振った状態で上下方向の振動)。
【0008】以上から、ローラミルが振動するかどうか
は、粉砕ローラ33が横ずれ状に首を振るかどうかによ
って決まると考えられる。図11に示すように、首振り
していない正常回転時には粉砕ローラ33の粉砕面A点
と粉砕レース45のB点とが圧縮粉粒体層を介して一致
していて、同一の断面中心軸36上にある。しかし、粉
砕ローラ33が横ずれ状にすべり、粉砕点がA→A’点
へとずれた場合、A’点とB点とでは速度差が発生す
る。粉砕ローラ33は、回転慣性が大き過ぎて、すべり
に伴う回転軌道のずれにフレキシブルに対応できないか
らである。このような速度差の発生によって、前述した
ように、粉砕ローラ33はスティック・スリップ運動を
起こし、図12に描いたように上下に振動する。
【0009】ここでは首振り式に粉砕ローラ33を支持
する構造のローラミルを対象に説明したが、図15に示
すようなローラアーム64によって粉砕ローラ61をい
わば片持ちばりのように支える構造のローラミルでも、
基本的に振動メカニズムは同様である。なお、図15に
示すローラミルはハウジング69に支持された、加圧シ
リンダ67がアームレバー66とローラアーム64を介
して、粉砕ローラ61を支持し、かつ加圧調整してい
る。ローラアーム64はアーム支軸65を中心に回動で
きる。ただし、その回動範囲はローラアーム64のスト
ッパ64aとハウジング69のストッパ69aとの当接
により、一定範囲内に規制される。図15に示すローラ
ミルのその他の部材は図16に示したものと同一であ
る。すなわち、回転する円形の回転テーブル70と、そ
の回転テーブル70上に落下する粉砕原料73は粉砕リ
ング71上の粉砕レース72と粉砕ローラ61の間にか
み込まれて粉砕されるものである。
【0010】図14は、圧縮粉粒体層が薄くなって粉砕
ローラ61が下降し、A点−B点の接触状態から粉砕ロ
ーラ61の押圧点がA点からA’点へと変化して、前記
接触状態の押圧点がA’点−B点に移動したときの状態
を示したものである。この場合も、回転軌道のずれによ
って、粉砕ローラ61がスティック・スリップ運動を起
こす。
【0011】粉砕ローラ33、61の横ずれ状のスティ
ック・スリップ運動は、いずれも、粉砕ローラ33、6
1が圧縮する粉粒体層の内部摩擦状態が強くかかわって
いると推察される。要するに本発明は「ローラミルの振
動発生が粉砕原料の粉粒体層の内部摩擦特性に強く依存
している」という考え方に基づくものである。言い換え
れば、対象とする原料の粉粒体層の内部摩擦特性、特に
せん断崩壊特性を確認することで、振動発生を予測でき
るということを見い出したことが本発明のベースになっ
ている。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の竪型ミルの振動
発生予測方法は次の基本的構成により達成される。すな
わち、粉砕原料を粉体化あるいは粒状化した試料を、定
容積型の粉体せん断試験装置内において粉粒体層を形成
し、該粉粒体層に圧縮力とせん断力を共に加えて粉粒体
層内部の摩擦特性を求め、粉砕原料粉砕用の竪型ミルに
おける振動レベルを予測することである。
【0013】前記摩擦特性として垂直応力とせん断応力
を両軸とするグラフ上に粉粒体層の内部崩壊条件を示す
複数の点を結ぶ崩壊包絡曲線から求められる崩壊応力を
用いる。該崩壊応力は垂直応力軸上の圧密応力と単軸崩
壊応力であり、同一の圧密応力値を基準とした単軸崩壊
応力値の特定値との比較により竪型ミルの振動の発生の
予測を行うことができる。前記単軸崩壊応力値により竪
型ミルの振幅、振動発生の頻度または加速度の程度をラ
ンク別に判定することができる。
【0014】また、前記摩擦特性として垂直応力とせん
断応力を両軸とするグラフ上に粉粒体層の内部崩壊条件
を示す複数の点を結ぶ崩壊包絡曲線上の任意の一点と原
点を結ぶ直線と垂直応力軸とがなす角度を用いることが
できる。
【0015】本発明においては、一定の垂直圧力のもと
でせん断力を粉粒体層に加える直接せん断試験装置を用
いて粉粒体層内部のせん断崩壊特性を調べる。具体的に
は粉粒体層の崩壊包絡線を求めることで、粉粒体層内部
のせん断崩壊特性を調べることができる。つまり、粉粒
体層内部に発生する摩擦抵抗の大きさの指標となる崩壊
応力を求め、この値の大きさを基準として、対象とする
原料を粉砕した場合におけるローラミルの振動発生を予
測するわけである。なお、崩壊応力については後で詳細
に説明する。一般的な直接せん断試験装置は、試験装置
内へ粉体を仕込み、粉粒体層にせん断力を発生させるた
めの横方向への移動可能な下部セルと上方から垂直方向
の圧力を加えるための上ブタから構成されている。この
下部セルの底面と上ブタの下側押圧面には、粉粒体層と
の間にすべりが生じないように、言い換えるとすべり
(崩壊)をほぼ完全に粉粒体層内部で起こさせるため
に、ローレット目が刻設されていたり、あるいは砂状の
砥粒が接着剤で固定されたりしている。
【0016】試料とする粉体やその粉粒体層は、その内
部崩壊特性の特徴からはっきりと現れる条件に調整しな
ければならない。石炭を対象とした場合、予備実験の結
果、試料粉体が微粉炭(例えば、100メッシュ(15
0μm)マイナス100%では炭種ごとの特性の違いが
うまく現れなかった。十分に粒子表面を乾燥させて、
0.5〜2.0mm間に粒径調整した試料が好適であ
る。またセル内で粉粒体層を作り出す場合、大きな荷重
(例えば10kgf/cm2等)で予圧密すると、炭種
の違いはうまく現れない。大きな荷重で予圧密すると、
どのような石炭でも初めから粉層内に断層、つまり、粉
層内の亀裂が発生してしまい、そこから崩壊するため石
炭種による違いが見つけられなくなる。本発明では粉粒
体層を軽くタッピングする方法を採用する。粉粒体の粒
子径が0.5mm未満であると粉体層が柔らかくなりす
ぎて粉体層の摩擦抵抗が小さくなり石炭種による違いが
生まれないという不具合があり、2.0mmを超えると
粉体層の厚み方向に粒子の数が少なくなり粉体層として
の性質が生じなくなる。もし、層の厚みが粒子二個分で
あれば、層の摩擦が粒子と粒子の接触抵抗のことになっ
てしまう。当然のことながら石炭種による違いは生じな
い。
【0017】また、本発明の竪型ミルの振動抑制方法
は、粉砕原料の内部摩擦特性を調整することによって達
成される。粉砕原料の内部摩擦特性の調整は内部摩擦特
性の異なる粉砕原料を同一ミル内で組み合わせて混合粉
砕すること、ミル内への散水、ミルへ送給する熱風の温
度低減または粉粒体層の水分確保により行うことができ
る。
【0018】また、本発明の竪型ミルの振動抑制方法
は、ミル内の粉砕原料ホールドアップ量の調整により行
うことができる。なお、ミル内の粉砕原料ホールドアッ
プ量の調整は粉砕ローラの加圧力、サイクロン分級機の
ベーン開度、回転分級機の回転速度、空気流量、回転テ
ーブルの回転速度の少なくとも一以上の操作条件を既定
操作条件より変化させることができる。
【0019】
【作用】せん断試験法により、垂直応力−せん断応力を
両軸とするグラフ上に、粉粒体層の崩壊条件を示す複数
の点あるいは一本の曲線(崩壊包絡線)を求める。この
複数の点を結ぶ曲線が崩壊包絡線となる。粉粒体層の内
部摩擦特性を表現する一般的な方法は、この崩壊包絡線
に接するようなモール(Mohr)の応力円を近似的に
規定することである。ひとつの手法に、この崩壊包絡線
に接するように、グラフの原点を通るMohr(モー
ル)の応力円と、崩壊包絡線の終点(一定の初期設定垂
直応力のもとで、せん断応力が上昇し粉粒体層が崩壊条
件に達する点)を通るMohrの応力円を近似的に求め
る方法がある。両Mohrの応力円が垂直応力軸と交差
する点を、それぞれ最大主応力軸上の単軸崩壊応力fお
よび圧密応力σ1として求める。このようにして得られ
る単軸崩壊応力f−圧密応力σ1の関係が、粉粒体層の
内部せん断崩壊特性ということになる。同一値の圧密応
力σ1を基準として、単軸崩壊応力fがある特定の値よ
り大きい場合には、ローラミルにおいて振動をきわめて
起こしにくい原料、すなわち殆ど全負荷域でミルを運用
しても振動は発生しにくいと予測される。前記単軸崩壊
応力fの特定値とは、これまでの実用機ミルの実績とf
−σ1の特性をもとに判断して決められた値である。な
お、このようなパラメータとしては流動性指数σ1/f
を用いても良い。これに対して、単軸崩壊応力fが別の
ある特定の値より小さな場合には振動が起きやすい原料
であること、および低負荷域における激しい振動は無論
のこと、高負荷域ですら振動が発生することが予測され
る。単軸崩壊応力f値の大きさをもとに、振動発生の頻
度や、発生したときの振幅や加速度の程度をランク別に
判定することも可能である。
【0020】本発明で、解決の対象とする自励振動は必
ずしも再現性が良いわけではなく確率的な現象である。
本発明になる予測手法によれば、特定の運用領域におけ
る発生頻度を予測できる。例えば、炭種Xは3%未満、
炭種Yは95%以上といった内容を予測できる。炭種X
ではめったに自励振動が発生することは無いのに対し、
炭種Yではほぼ確実に自励振動が発生すると判断でき
る。加速度の程度についても同様であり、自励振動発生
時において、炭種Xでは3G(Gは重力加速度)程度に
すぎないのに対し、炭種Yでは16G以上にも達すると
いうことが予測できる。
【0021】なお、単軸崩壊応力f−圧密応力σ1特性
の替わりに、粉粒体層の内部摩擦角(崩壊包絡線上の任
意の一点と原点を結ぶ線と、垂直応力とがなす角度)に
よる評価も、簡便な手法として適用することができる。
【0022】また、振動発生の予測基準をもとに、次の
2つの方法で振動の抑止をすることができる。一つは、
粉粒体層の内部摩擦特性をコントロールすることによる
振動抑止法である。リングローラミル(例えばMPSミ
ル)とリングボールミル(Eタイプミル)に共通した手
法として採用できるのは、内部摩擦特性の異なる原料を
同一ミル内で組み合わせて混合粉砕する方法(石炭焚ボ
イラ用のミルでは混炭粉砕する方法)である。例えば、
自励振動の発生確率の高い石炭と、発生確率の低い石炭
を混炭すればほぼ同等となり、自励振動の発生確率は急
減し、発生しても激振はしないことになる。このよう
な、混合粉砕による振動抑止法は、石炭焚ボイラ用のミ
ルにおける混炭運用として有効である。また、同じ石炭
焚ボイラ用のミルを対象とする場合、ミル内への散水
や、ミルへ送給する熱風の温度低減も、粉粒体層の水分
確保によって内部摩擦抵抗を強める振動抑止法として、
リングローラミルとリングボールミルの両者に対して共
通して有効である。
【0023】他の一つの振動抑止法は、粉粒体層の内部
摩擦特性は変えず、ミル内の原料(石炭)ホールドアッ
プを変化させて、つまり粉粒体層の厚みを変化させて、
振動発生域を回避するようにミルを運転する方法であ
る。リングローラミルを対象とする場合は、使用する原
料が自励振動を起こしやすいと判断された場合には振動
発生範囲を回避すればよい。その方法は(a)ミル内に
おける石炭ホールドアップの量を減らすか(b)増やせ
ばよい。前記(a)のためには、粉砕ローラの加圧力ア
ップ、サイクロン分級機のベーン開度大、回転分級機の
回転速度の低減、空気流量アップ、回転テーブルの回転
速度の増加のいずれかもしくはこれらの組み合わせの操
作をする。前記(b)とするためには粉砕ローラの加圧
力減、サイクロン分級機のベーン開度少、回転分級機の
回転速度アップ、空気流量低減、回転テーブルの回転速
度の低減のいずれかもしくはこれらを組み合わせる。ど
の手段を用いるかは、燃焼性能を確保することを前提と
して、様々な選択が可能である。リングボールミルで
は、ミル内の原料ホールドアップが増えるほど振動が激
しくなるので、ミル内の原料ホールドアップ量を減らせ
ば良い。そのためにはサイクロン分級機の回転速度低
減、空気流量の増加等の手法を採用する。
【0024】
【実施例】本発明の実施例を説明する。ここでは、粉粒
体層内部の内部摩擦特性を調べるための装置と試験方
法、さらに摩擦特性の評価法について順次述べる。本実
施例においては、定容積型のせん断試験装置(以下、単
にせん断試験装置と記す)により、粉粒体層の崩壊包絡
線を求める。粉体層の内部摩擦特性を調べる装置は、種
々知られており、いずれの装置においても必要な内部摩
擦特性を知ることが可能であるが、ここでは綱川式(綱
川;粉体工学会誌,vol.19,No.9,(198
2),p516〜)を例に挙げて内部摩擦特性を知る方
法を説明する。
【0025】図1と図2は、それぞれ綱川式せん断試験
装置の構成およびこの装置の心臓部であるせん断セル部
の構成を示したものである。この装置では、連続した一
本のカーブとして崩壊包絡線を描かせる。この装置は大
まかに、プレス部、せん断用のセル部およびモータなど
のセル駆動部からなる。せん断セル部は、固定セルと可
動セルからなる。これらのセルは共に上方(垂直力23
(図2)を加える方向)から見ると円形である。
【0026】固定セルは外筒5とこれにネジ固定したリ
ング2から成る。一方可動セルは、金型(下部セル)4
とこれを収める金型3から成る。なお、図2には金型4
と金型3を一体化したものを下部セルとしたものを示し
た。金型3にはシャフト6が貫通した状態でネジ固定さ
れている。可動セルは、ベアリング用ボール21を介し
て、基板7上を水平方向に滑らかに動く。なお、図2で
は図1の基板7と定板8を併せて基板7としたものを示
した。固定セルと可動セルの隙間は、供試粉体1の漏れ
出しが無いようにできるだけ狭く設定する。可動セルの
深さは、粉粒体層の「バルク」としての性質がうまく現
れるように、供試粉体1の粒子が厚み方向に十分積み重
なるように選定する。粉体と接触するセルの金型部分、
つまり図2における上ブタ14の下側面と下部セル4の
底面には、それぞれローレット目14a、4aが刻設さ
れていて、粉粒体層1とセル間にすべりが生じないよう
になっている。せん断用のセルの上ブタ14はプレスア
ーム16に取り付けたロードセル15にネジ固定してあ
る。この上ブタ14は、ハンドル17と、ハンドル17
に固定された荷重検出ピニオン19と噛合するピニオン
歯車20が取り付けられた小型のハンドル18の手動操
作により上下方向に移動させる。上ブタ14に加える垂
直力(図2の矢印23)はロードセル15により連続的
に測定することができる。本実施例においては、粉粒体
層へ加える圧縮応力は150g/cm2以上で、最大5
000g/cm2までの範囲で試験する。圧縮応力を1
50g/cm2未満にすると、粉体層に加わる摩擦抵抗
が弱すぎて石炭種による違いを判定しにくく、5000
g/cm2を超えると、前述したように初めから粉層内
に断層つまり切れ目が生じてしまい、そこから粉層が崩
れてどのような石炭でも同様の崩壊特性になってしま
う。
【0027】また、供試粉体1のせん断方向の荷重はロ
ードセル10により掛けられる。ロードセル10はネジ
切りシャフト11の先端に固定されている。このネジ切
りシャフト11は、モータ13によって、毎分0.5〜
7mmのゆっくりとした速度で水平方向に移動する。ロ
ードセル10の荷重セル検出ピン9がシャフト6に接触
して、可動セル(金型3、金型4)を水平方向に押し出
すように移動させる。このようにして、圧縮・せん断過
程における垂直応力とせん断応力が同時にかつ連続的に
測定できる。2つのロードセル10、15からの出力信
号は、アンプ(図では省略)で増幅され、XYレコーダ
(図では省略)で、紙上に連続した崩壊包絡線として記
録される。
【0028】崩壊包絡線の測定例を図3に示す。測定法
を順を追って説明する。まず、試料粉体をセル内に充填
する。垂直方向に対して、図3の点Aで示す初期設定垂
直応力σAを加え、供試粉体1を一定容積に拘束する。
次に、この試料1にせん断力を加える。この際、粉体1
内部にすべりが生じて、局所的な圧密崩壊を起こしがち
になるが、ハンドル18を操作して、初期設定垂直応力
σAをほぼ一定に保つようにする。最終的には点Bに達
するまで、せん断応力τを加え続ける。点Bは崩壊包絡
線の終点であり、ここに至ると、垂直応力σ、せん断応
力τおよび充填密度は変化せず、供試粉体1は粉粒体層
内部から崩壊していくことになる。この点Bは、粉粒体
を連続体と見なせば、物質(もしくは材料)がいわば
「弾性限界」から「塑性域」へ遷移する臨界点を意味す
ることになる。
【0029】点Bに達した時点でハンドル17を操作し
て、セルの上ブタ14を瞬間的に上方へ動かし、全荷重
を解放すると、粉粒体内部の垂直応力σは減少し、これ
と同時にせん断応力τも減少する。この変化は点B→原
点Oで示され、この過程において、供試粉体1は膨張し
ながらせん断崩壊する。なお、初期設定垂直応力(初期
圧密応力)σAを変えた実験を行っても、点Bに達した
ときの供試粉体1の高さ(厚み)が異ならないように、
予備実験によって供試粉体1の充填量をあらかじめ定め
ておく。
【0030】X−Yレコーダの記録紙の崩壊包絡線に対
し、図3に示すようにMohr(モール)の応力円を描
いて、単軸崩壊応力fと圧密応力σ1を求める。応力円
aは、その中心が垂直応力σ軸上にあり、座標の原点O
を通り、崩壊包絡線に接している。この単軸崩壊応力f
は、粉粒体層内に発生する単一方向の応力を最大主応力
軸上で表現したものとなる。実質的にこのf値が、粉粒
体層内部の摩擦力を表す指標となる。応力円bは、その
中心が横軸の垂直応力σ軸上にあり、崩壊包絡線の終点
Bに接する。横軸上における大きな値の切片が圧密応力
σ1である。図4に模式的に示すように、同一の圧密応
力σ1(終点近傍の崩壊包絡線(I)と(II)の曲率がほ
ぼ等しいと仮定)で比較すると、内部摩擦角(内部摩擦
係数)が異なる粉粒体では、原点近くの崩壊包絡線の形
状(上方への凸の丸み)が違うために、結局単軸崩壊応
力fが大きく異なってくることになる。
【0031】このように、図上で幾何学的にMohrの
応力円を描かせたのでは信頼性に欠けるため、本実施例
では記録紙上の崩壊包絡線上の点を読みとり、これらを
崩壊包絡線の近似式としてよく知られている次のWar
ren−Sprigの式(1)に代入して単軸崩壊応力
fと圧密応力σ1を近似的に算出した。 (τ/С)n=σ/Τ+1 (1) ここに、С:付着応力、Τ:引張強度、n:せん断指
数、σ:垂直応力、τ:せん断応力である。
【0032】まず、実験により得られた崩壊包絡線にお
いて、主として原点に近い位置で、それぞれ一箇所以上
を含む複数の点で(σ、τ)の座標値を読み取る。これ
らを(1)式に代入し、С、Τ、nを求め、崩壊包絡線
を表現する実験式を決定する。この実験式に接する2つ
のMohrの応力円を、最小二乗法により近似的に算出
し、これら応力円の横軸上の切片として単軸崩壊応力f
と圧密応力のσ1を求める。
【0033】ここでは、石炭を例にとりあげて、せん断
試験により得られる内部摩擦特性と、振動発生との相関
について述べる。図5と図6はミルにおいて振動の発生
しなかった石炭Aと、激しい自励振動を起こした石炭B
におけるそれぞれの崩壊包絡線を例として示したもので
ある(振動発生特性については後述する)。これらの実
験は、ほぼ同一の初期設定垂直圧密応力を与えて行われ
た。石炭Aでは崩壊包絡曲線の終点(せん断応力方向
の)が大きく、原点近くの崩壊包絡曲線は上へ凸に丸み
をおびている。一方、石炭Bは小さなせん断応力で終点
に達し、原点近くにおいて崩壊包絡曲線はほぼ直線状に
なる。以上から、石炭Aでは、原点を通り崩壊包絡曲線
に接するMohrの応力円は比較的大きく、結果的に粉
粒体層内部摩擦抵抗の大きさの目安となる単軸崩壊応力
fも大きくなると容易に予想がつく。これに対して、原
点近くの崩壊包絡曲線が直線状になる石炭Bでは、大き
なMohrの応力円は描けず、単軸崩壊応力fはきわめ
て小さな値になると推定される。
【0034】図7は石炭A、B(ともに前出)およびС
に対して、圧密応力σ1に対する単軸崩壊応力fの関係
をまとめたものである(実験点のプロットは省略)。横
軸の圧密応力σ1は、振動を起こさない石炭Aにおいて
得られた基準圧密応力σ1*で割られ、σ1/σ1*とし
て無次元表記されている。また、縦軸の単軸崩壊応力f
も無次元化して表しているが、石炭Aにおけるσ1=σ1
*の条件で得られるf*値を無次元化の基準とした。同
一の圧密応力σ1で比較すれば、ミルが激しく自励振動
を起こした石炭Bの単軸崩壊応力fは小さく、圧密応力
σ1の大きな条件になっても単軸崩壊応力fはほとんど
増加しない。一方、振動の発生しなかったA炭の単軸崩
壊応力fは圧密応力σ1とともに増加し、石炭Bの単軸
崩壊応力fに比べてかなり大きいことが分かる。石炭C
の粉粒体層では、石炭Aと石炭Bの中間的な摩擦特性が
得られた。
【0035】図8は、無次元化した単軸崩壊応力f/f
*とミルの振幅の関係をまとめたものである。縦軸の振
幅δは、ミルが空回転する時(ローラとレースがメタル
タッチする)の振幅δ*を基準として無次元表記されて
いる。この実験結果は、いずれも図10に振動発生域と
して示した低負荷運用域で得られたものである。また、
各石炭の粉粒体層の単軸崩壊応力fは、全てほぼ同一の
圧密応力σ1において求めたものである。ばらつきはあ
るものの、単軸崩壊応力fが小さいと、振幅δが急増す
ることが分かる。そして、単軸崩壊応力f−振幅δの関
係は途中で変化する。単軸崩壊応力fの減少とともに振
幅δが急増する領域(f/f*<0.4)で発生する振
動は激しい自励振動である。一方、f/f*>0.5の
石炭では、δ/δ*のレベルがかなり低い。この領域の
振動は微弱な強制振動である。図8によると、一般にf
/f*の値が小さいほど、自励振動の発生する確率が高
くなり、発生した場合には激振に至る、ということにな
る。
【0036】以上のようにして得られた単軸崩壊応力f
が小さければ小さいほど、より激しい振動の発生する可
能性が高いということになる。言い換えれば、ここで示
したような粉粒体層の摩擦(内部崩壊)特性を調べるこ
とで、ローラミルの振動発生を予測できるということに
なる。もし、小さな単軸崩壊応力f値が得られた場合に
は、加圧力、分級機、空気流量等の操作により、振動の
発生しにくい範囲(図10)になるようミルの操作範囲
を修正しなければならない。
【0037】本発明になる振動発生予測法は、ここまで
発明の対象としてきたタイヤ形ローラを用いるローラミ
ルに限らず、図9に示すような上下の粉砕リング(トッ
プリング85bと下部リング85a)間で複数個のボー
ル83をはさみつけるようにして圧力を加えて転動させ
るタイプのリングボールミル(Eミルと呼ばれることが
多い。例えば、長井、石井「日立大容量微粉炭機」火力
原子力発電,vol.35,No.10(1984−1
0),1050:文献)の振動レベルの予測評価へも
応用することができる。このリングボールミルは、リン
グ間で公転する場合、ボール同士が衝突し合ったり、あ
るいはボール同士が接触し合ったまま回転するために、
振動レベルは前出のローラミルのそれに比べると高い。
その振幅を、本発明になる方法により得られる単軸崩壊
応力fの大きさを基準として、相対比較ではあるが石炭
種ごとに予測することが可能である。
【0038】リングボールミルにおいて粉砕ボールが粉
粒体層上において安定に回転(自転)せず、ボール同士
が押し合ったまま、すべってリング上を公転し、結局は
ボールがスティック・スリップ運動を起こす基本的メカ
ニズム、つまり粉粒体層の性質にかかわるボールのすべ
りが上下方向の振動を誘発するメカニズムが、ローラミ
ルの場合と共通しているためである。
【0039】次に、振動発生の予測基準となる図8をも
とに、振動の抑止手法について述べる。振動の抑止法
は、大きく2つに大別できる。ひとつは、粉粒体層の内
部摩擦特性をコントロールすることによる振動抑止法で
ある。もうひとつは、粉粒体層の内部摩擦特性は変え
ず、ミル内の原料(石炭)ホールドアップを変化させ
て、つまり粉粒体層の厚みを変化させて、振動発生域
(図10)を回避するようにミルを運転する方法であ
る。
【0040】まず、リングローラミル(例えばMPSミ
ル)とリングボールミル(Eタイプミル)に共通した手
法として採用できるのは、内部摩擦特性の異なる原料を
同一ミル内で組み合わせて混合粉砕する方法(石炭焚ボ
イラ用のミルでは混炭粉砕する方法)である。例えば、
図8において、自励振動の発生確率の高いA炭と、発生
確率の低いB炭を混炭すればC炭とほぼ同等となり、A
炭をそのまま単味で使う場合に比べれば自励振動の発生
確率は急減し、発生しても激振はしないことになる。こ
のような、混合粉砕による振動抑止法は、石炭焚ボイラ
用のミルにおける混炭運用として有効である。また同じ
石炭焚ボイラ用のミルを対象とする場合、ミル内への散
水(石炭投入量の約2%を給炭機へ給水する)や、ミル
へ送給する熱風の温度低減(例えばミル出口温度を85
℃→80℃へ下げる)も、粉粒体層の水分確保によって
内部摩擦抵抗を強める振動抑止法として、リングローラ
ミルとリングボールミルの両者に対して共通して有効で
ある。
【0041】図16に示すリングローラミルを対象とす
る場合は、使用する原料のf/f*値が小さい、つまり
自励振動を起こしやすいと判断された場合、図10に示
したような振動発生範囲を回避すればよい。すなわち、
(a)ミル内における石炭ホールドアップの量を減らす
か(b)増やせばよい。前記(a)のためには、粉砕ロ
ーラ33の加圧力アップ、サイクロン分級機(本明細書
中では図示省略、文献参照)のベーン開度大(もしく
は回転分級機52の回転速度低減)、空気(熱風48)
流量アップ、回転テーブル42の回転速度の増加のいず
れかもしくはこれらの組み合わせの操作をする。前記
(b)とするためには粉砕ローラ33の加圧力減、サイ
クロン分級機のベーン開度少(もしくは回転分級機52
の回転速度アップ)、空気(熱風48)流量低減、回転
テーブル42の回転速度の低減のいずれかもしくはこれ
らを組み合わせる。どの手段を用いるかは、燃焼性能を
確保する(できるだけ犠牲としないように)ことを前提
として、様々な選択が可能である。
【0042】リングボールミル(図9)では、ミル内の
原料(石炭)ホールドアップが増えるほど振動が激しく
なる。粉砕ボール83間に原料81が充満して、原料8
1がトップリング(上部リング)85bにかみ込まれ、
ハウジング89にスパイダーアーム92により固定され
たトップリング85bと粉砕ボール83の間にすべりが
生じる条件、つまりここにおける粉粒体層が内部崩壊す
る条件において粉砕ボール83が集団となってスティッ
ク・スリップ運動を起こし、振動が激しくなる。したが
って、ミル内における原料(石炭)ホールドアップを少
なくするようにミルを操作すればよい。すなわち、サイ
クロン分級機87のベーン93を開ければよい。もしく
は、回転分級機の回転速度を減少させる。また、熱風8
8の流量を増やすのも効果的である。リング85と粉砕
ボール83の間の加圧力を増やしても、原料ホールドア
ップを減らすのには効果的であるが、振動の慣性力も増
えるため、あまり好ましいとはいえない。
【0043】
【発明の効果】本発明を実施したことによる効果をまと
めると以下のようになる。 (1)ローラミル、リングボールミル等において振動を
発生しやすい原料をあらかじめ判別することができる。
また発生する振動の程度(振幅あるいは振動発生域(ミ
ル内石炭ホールドアップの範囲として))を予測でき
る。 (2)(1)の効果により、振動を回避する運用条件
(荷重、テーブルや分級機の回転速度、空気の流量、温
度など)をあらかじめ設定できる。 (3)(2)が達成されることによって、前記ミルを用
いるプラント全体の運用性が向上する。具体的には、 (i)ミル自体を含む周辺機器の信頼性が向上し、それ
らの寿命が伸びる。 (ii)プラント内従業員の作業環境が良好になる。 (iii)ミルで粉砕処理できる原料の種類が拡大する。 (iv)ミルの操業範囲が拡大する。 等である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明で利用する粉粒体層の内部摩擦測定装
置の構成を示す図である。
【図2】 図1の部分詳細図である。
【図3】 粉粒体層の内部摩擦の測定原理を説明するた
めの図である。
【図4】 粉粒体層の内部摩擦の測定原理を説明するた
めの図である。
【図5】 振動の発生のない場合の粉粒体層の内部摩擦
の測定結果を示す図である。
【図6】 振動の発生のある場合の粉粒体層の内部摩擦
の測定結果を示す図である。
【図7】 振動の発生度合の異なる石炭についての圧密
応力に対する単軸崩壊応力の関係をそれぞれ示す図であ
る。
【図8】 無次元化した単軸崩壊応力とミルの振幅の関
係をまとめ、ミルの振動予測と実際の現象との相関を、
本発明による効果を実証した結果としてまとめた図であ
る。
【図9】 本発明になる振動予測法を発展させる一例と
してのリングボールミル(E−タイプミル)の構造を示
した図である。
【図10】 実用機ローラミルにおける振動特性とロー
ラの力学的挙動(ミル内の原料ホールドアップと振動の
発生の関係)を示す図である。
【図11】 実用機ローラミルにおける振動特性とロー
ラの力学的挙動を示す図である。
【図12】 実用機ローラミルにおける振動特性とロー
ラの力学的挙動を示す図である。
【図13】 ローラの振子式支持構造を示す図である。
【図14】 片持ちばり式のローラ支持構造を示す図で
ある。
【図15】 図14のローラ支持構造におけるローラの
力学的挙動を示す図である。
【図16】 ローラミルの全体構成を示す図である。
【符号の説明】
1…供試粉体、2…リング、3…金型、4…金型(下部
セル)、5…外筒、6…シャフト、9…荷重検出ピン、
10…水平荷重用ロードセル、15…垂直荷重用ロード
セル、14…上ブタ、16…プレスアーム、33、61
…粉砕ローラ、 42、70…回転テーブル、45、7
2…粉砕レース、 46、74…圧縮粉粒体層、47、
73…粉砕原料、 51、69…ハウジング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 島 敏信 広島県呉市宝町6番9号 バブコック日 立株式会社 呉工場内 (72)発明者 立間 照章 広島県呉市宝町6番9号 バブコック日 立株式会社 呉工場内 (72)発明者 長谷川 忠 広島県呉市宝町6番9号 バブコック日 立株式会社 呉工場内 (72)発明者 田岡 善憲 広島県呉市宝町6番9号 バブコック日 立株式会社 呉工場内 (56)参考文献 特開 平5−104014(JP,A) 特開 平5−237412(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B02C 15/00 - 15/16 B02C 25/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 竪型ミルで粉砕する原料を予め粉体化あ
    るいは粒状化して、定容積型の粉体せん断試験装置によ
    り粉体の摩擦特性を求め、該摩擦特性に基づき前記竪型
    ミルの振動レベルを予測することを特徴とする竪型ミル
    の振動発生予測方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載した竪型ミルの振動発生
    予測方法において、前記摩擦特性を求めるのに、垂直応
    力とせん断応力を両軸とするグラフ上に粉粒体の内部崩
    壊条件を示す複数の点を結ぶ崩壊包絡曲線状の任意の一
    点と原点を結ぶ直線と垂直応力軸とがなす角度を用いる
    ことを特徴とする堅型ミルの振動発生予測方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載した堅型ミルの振動発生
    予測方法において、前記定容積型の粉体せん断試験装置
    には0.5mm以上かつ2.0mm未満に粒径調整した
    ものを用いることを特徴とする堅型ミルの振動発生予測
    方法。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載した堅型ミルの振動発生
    予測方法において、前記定容積型の粉体せん断試験装置
    内の粉体の摩擦特性を求めるのに、150g/cm
    上、5000g/cm未満の圧縮応力を加えることを
    特徴とする堅型ミルの振動発生予測方法。
  5. 【請求項5】 堅型ミルで粉砕する原料を予め粉体化あ
    るいは粒状化して、定容積型の粉体せん断試験装置によ
    り粉体の摩擦特性を求め、該摩擦特性に基づき前記堅型
    ミルの振動レベルを予測し、 該予測結果に基づき、粉砕原料の摩擦特性を調整する
    か、又は、ミル内の粉砕原料ホールドアップ量を調整す
    ることを特徴とする堅型ミルの振動抑制方法。
  6. 【請求項6】 堅型ミルで粉砕する原料を予め粉体化あ
    るいは粒状化して、定容積型の粉体せん断試験装置によ
    り粉体の摩擦特性を求め、該摩擦特性に基づき前記原料
    をランク別に判定し、該判定結果に基づきランクの異な
    る原料を混合粉砕することによりミルの振動を抑制する
    ことを特徴とする堅型ミルの振動抑制方法。
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