JP3112293B2 - インバータ式x線装置 - Google Patents

インバータ式x線装置

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JP3112293B2
JP3112293B2 JP03021839A JP2183991A JP3112293B2 JP 3112293 B2 JP3112293 B2 JP 3112293B2 JP 03021839 A JP03021839 A JP 03021839A JP 2183991 A JP2183991 A JP 2183991A JP 3112293 B2 JP3112293 B2 JP 3112293B2
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voltage
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拓也 堂本
博司 高野
順 高橋
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Hitachi Medical Corp
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インバータのスイッチ
に発生する損失やノイズが低減され、かつ管電圧が安定
化されるインバータ式X線装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】特開昭63−276292号公報には、
共振現象を利用して、インバータの動作位相差と動作周
波数を制御することで、負荷であるX線管に電圧(管電
圧)を供給し、かつその管電圧を制御可能であることが
述べられている。
【0003】共振現象を利用した位相差制御方式の従来
のインバータ式X線装置は、図7に示すように、商用電
源1bを直流に変換して直流電圧を得る整流回路2b
と、この整流回路2bで整流された直流出力を交流に変
換すると共に、共振現象を利用して電力を制御する共振
型インバータ3bと、この共振型インバータ3bで得た
交流電圧を昇圧する変圧器4bと、この変圧器4bの出
力を直流に変換する整流回路5bと、この整流回路5b
の出力をX線に変換するX線管6bと、管電圧を検出す
る管電圧検出器10bと、この管電圧検出器10bによ
って検出した管電圧と所望の管電圧、すなわち目標管電
圧との差が小さくなるようにインバータ制御信号を決定
するフィードバック制御装置11bから構成されてい
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のインバータ
式X線装置では、共振型インバータ3bの位相差のみを
制御することによってX線装置特有の20kV〜150
kV、0.5mA〜1000mAの広い範囲を制御する
ので、共振型インバータ3bの位相差を最小から最大ま
で全ての範囲を使わなくてはならない。
【0005】しかし、インバータ位相差で出力を絞って
使うと共振現象がうまく活かせず、スイッチング時の電
流やピーク電流が多くなり、共振型インバータ3bのス
イッチに発生する損失やノイズが増大してくる。また、
共振型インバータ3bの位相差と出力の関係は線形では
なく、位相差によって制御ゲインが変化し、良好な管電
圧波形が得られない場合があり、安定した管電圧が印加
できないという問題点があった。
【0006】本発明の目的は、共振型インバータのスイ
ッチに発生する損失やノイズが低減でき、またX線管に
安定した管電圧を与えることのできるインバータ式X線
装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明は、商用電源を直流に変換すると共にその出力電
圧を調整可能の第1の整流回路と、この第1の整流回路
で整流された直流出力を交流に変換すると共に管電圧を
制御する位相差制御を用いた共振型インバータと、この
共振型インバータの出力電圧を昇圧する変圧器と、この
変圧器に接続されその出力を直流に変換する第2の整流
回路と、この第2の整流回路の出力電圧が印加されX線
を放射するX緑管と、前記第1の整流回路と前記共振型
インバータとの間に接続され、前記共振型インバータの
入力電圧を検出するインバータ入力電圧検出器と、この
インバータ入力電圧検出器の検出信号と目標インバータ
入力電圧信号との差信号を入力しインバータ入力電圧が
目標の電圧になるように前記第1の整流回路へ制御信号
を出力する整流回路フイードバック制御装置と、任意に
設定された目標管電圧及び目標管電流から前記共振型イ
ンバータの動作範囲を設定するインバータ動作範囲設定
手段と、このインバータ動作範囲設定手段で設定された
インバータ動作範囲、前記日額管電圧及び目標管電流か
ら目標インバータ入力電圧を求めその目標インバータ入
力電圧信号を前記整流回路フイードバック制御装置に出
力するインバータ入力電圧設定手段と、前記第2の整流
回路とX線管との間に接続されて管電圧を検出する管電
圧検出器と、この管電圧検出器の検出信号と前記目標管
電圧の信号との差信号を入力し前記X線管に実際に印加
される管電圧が前記目標管電圧になるように前記共振型
インバータにインバータ制御信号を出力するインバータ
フイードバック制御装置とを設けることを第1の特徴と
する。更に本発明は、上記インバータ動作範囲設定手段
によって設定されるインバータの動作範囲は、該インバ
ータの位相差が0.4π(rad)乃至0π(rad)
であることを第2の特徴とする。
【0008】
【作用】共振型インバータの入力電圧を最適な電圧にフ
ィードバック制御することによって、定常時に共振型イ
ンバータの位相差を最適な状態に保つことができる。
【0009】これにより共撮型インバータのスイッチや
変圧器の損失を最小限にすることができる.また、共振
型インバータの非線形な性質を抑えて使うことができる
ので、位相差フイードバック制御により安定した管電圧
が得られる。更にインバータ動作範囲設定手段によって
設定されるインバータの動作範囲を規定することによ
り、スイッチング時の負荷を減少させることができる。
【0010】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。図1は、本発明によるインバータ式X線装置の一
実施例を示すブロック図である。この図1において、1
aは商用電源、2aはこの商用電源1aを直流に変換す
ると共にその出力電圧を調整可能の第1の整流回路、3
aはこの第1の整流回路2aで整流された直流出力を交
流に変換すると共に管電圧を制御する位相差制御を用い
た共振型インバータ、4aは共振型インバータ3aの出
力電圧を昇圧する変圧器である。
【0011】5aはこの変圧器4aに接続されその出力
を直流に変換する第2の整流回路、6aはこの第2の整
流回路5aの出力電圧が印加されX線を放射するX線
管、7aは前記第1の整流回路2aと共振型インバータ
3aに接続され、共振型インバータ3aの入力電圧を検
出するインバータ入力電圧検出器、8aは整流回路フィ
ードバック制御装置で、インバータ入力電圧検出器7a
の検出信号と目標インバータ入力電圧信号との差信号を
入力し、インバータ入力電圧が目標の電圧になるように
前記第1の整流回路2aへ制御信号を出力するものであ
る。
【0012】12aは任意に設定された目標管電圧及び
目標管電流から前記共振型インバータ3aの動作範囲を
設定するインバータ動作範囲設定手段、9aはインバー
タ入力電圧設定手段で、インバータ動作範囲設定手段1
2aで設定されたインバータ動作範囲、前記目標管電圧
及び目標管電流から目標インバータ入力電圧を求め、そ
の目標インバータ入力電圧信号を前記整流回路フィード
バック制御装置8aに出力するものである。
【0013】10aは前記第2の整流回路5aとX線管
6aとの間に接続されて管電圧を検出する管電圧検出
器、11aはインバータフィードバック制御装置で、管
電圧検出器10aの検出信号と前記目標管電圧の信号と
の差信号を入力し、前記X線管に実際に印加される管電
圧が前記目標管電圧になるように共振型インバータ3a
にインバータ制御信号を出力するものである。
【0014】次に、前記共振型インバータ3aを位相差
制御することにより、変圧器4aに流れる電流を制御す
ると管電圧が制御できる原理につき、図2及び図3を用
いて説明する。
【0015】図2は共振型インバータ3aの一構成例を
示し、この図2中、311〜314はスイッチ、321〜324はス
イッチ311〜314と並列に接続されたダイオードで、スイ
ッチ311とダイオード321で第1のアーム31を構成し、同
様にスイッチ312〜314とダイオード322〜324で第2〜4
のアーム32〜34を構成している。35は共振コンデンサ、
36は共振インダクタンスで、両者は前記変圧器4aと直
列に接続され、共振回路を構成している。
【0016】37は前記インバータフィードバック制御装
置11aから出たインバータ制御信号から、スイッチ31
1〜314を駆動するスイッチ駆動回路である。
【0017】スイッチ311と314、スイッチ312と313はそ
れぞれ位相をπ[rad]ずらしてオン,オフ動作する。ス
イッチ311と312、スイッチ313と314は、位相差φ[rad]
だけ位相をずらして動作させると、アーム31〜34に流れ
る電流、共振型インバータ3aの出力電圧Vh及び共振
電流ihは、図3のようになる。このとき位相差φを大
きくするにつれて、共振型インバータ3aの出力電圧V
hがインバータ入力電圧Vinと等しい期間T1が短くな
り、それにつれて共振電流ihも小さくなる。
【0018】このようにして位相差φにより、共振電流
ihと共振型インバータ3aの出力電圧Vhとが制御でき
ると、前記X線管6aに供給する管電圧を制御すること
ができる。
【0019】図4は共振型インバータ3aの位相差φ=
0.3π、0.5π、0.7π[rad]のとき、アーム31に流れる電流
の波形である。図のように位相差を変化させると、アー
ム31に流れる電流の量だけでなく、波形に大きな変化が
あることがわかる。ここで問題になってくるのは、スイ
ッチ311を構成するトランジスタのスイッチング時に流
れている電流の量である。X線装置の場合、最大500
A以上の電流がトランジスタに流れることがある。こう
した大電流でトランジスタをスイッチングさせること
は、トランジスタの大きな負担となり、損失や、ノイズ
の発生原因となる。 図5は位相差φと、スイッチ311
をオフさせるときのアーム31に流れる電流値の関係を表
したもので、位相差φ=0.4π[rad]以下で、スイッチ31
1の負担が小さくなる。図6はインバータ位相差φと、
管電圧との関係を示したものである。共振型インバータ
3aの位相差φと管電圧との関係は図のように非線形性
をもっており、特に管電圧と管電流との比(以下負荷抵
抗という)の大きい範囲では、位相差φ=0.5π[rad]付
近で不連続となっている。したがって定常状態にこの範
囲を使用すると、出力(管電圧)波形に悪い影響を及ぼ
す(管電圧を不安定にする)ことになる。
【0020】これらのことから、全ての範囲において共
振型インバータ3aの位相差だけで制御を行うと、その
インバータ3aのスイッチの損失やノイズが増大し、出
力波形特性曲線が滑らかでない部分が生じて管電圧が不
安定となり、X線装置特有の20〜150kVの広い範
囲を共振型インバータ3aの位相差制御のみで行うのは
困難であるといえる。したがって、外乱や電源変動を考
慮して、管電圧の定常状態におけるインバータ位相差φ
=0.3π[rad]付近にすることが望ましい。
【0021】本発明では、共振型インバータ3aの位相
差φを最適な状態に保つために各管電圧、管電流毎に共
振型インバータ3aの入力電圧Vinを計算又は実験によ
って求めた数値表から、インバータ入力電圧設定手段9
aによってその時の目標インバータ入力電圧信号を求
め、それを整流回路フィードバック制御装置8aに出力
して共振型インバータ3aの入力電圧Vinを制御してい
る。
【0022】すなわち、インバータ入力電圧設定手段9
aは目標インバータ入力電圧を求め、整流回路フィード
バック制御装置8aに目標インバータ入力電圧信号を出
力するもので、本実施例では、下記(1)式に従って共振
型インバータ3aの入力電圧を演算するものである。
【0023】 Vin=Vinlo+(Vinhi−Vinlo)*(Vh−Vhlo)/(Vhhi−Vhlo) ‥‥(1) ただし、 Vin:求める共振型インバータの入力電圧 Vh:求める管電圧 Vinlo:最小管電圧の共振型インバータの入力電圧 Vhlo:最小管電圧 Vinhi:最大管電圧の共振型インバータの入力電圧 Vhhi:最大管電圧 である。
【0024】インバータ入力電圧設定手段9aから出力
する目標インバータ入力電圧は、管電圧、管電流毎に求
められもので、所定の管電圧を位相差φ=0.3π[rad]で
出力するために必要な電圧であるが、実験的に求める必
要があり、実際にはその範囲は広く、膨大な数に上る。
しかし、共振型インバータ3aの位相差が一定であれば
共振型インバータ3aの入力電圧と管電圧はほぼ比例関
係にあるといえるので、各管電流毎に管電圧の最大と最
小のインバータ入力電圧を実験によって求め、それらの
間は上記(1)式の計算によって求めることで実用可能で
ある。
【0025】上記(1)式で求められた目標インバータ入
力電圧によって整流回路2aをフィードバック制御する
ことによって、定常状態の共振型インバータ3aの位相
差を最適値に保つことができ、共振型インバータ3aの
損失やノイズの少ない、また安定な管電圧波形を得るこ
とができる。
【0026】なお上記インバータ入力電圧設定手段9a
は、マイクロプロセッサやシグナルプロセッサを用いて
構成してもよく、あるいはオペアンプなどを用いて構成
してもよい。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、共
振型インバータの入力側の整流回路をフィードバック制
御し、そのインバータの入力電圧を最適な電圧に保つこ
とによってインバータ位相差を最適値で制御するように
したので、そのインバータのスイッチ部に発生する損失
やノイズを抑えることができ、またX線管に安定した管
電圧を与えることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置の一実施例を示すブロック図であ
る。
【図2】共振型インバータの構成例を示す回路図であ
る。
【図3】位相差制御方式の共振型インバータの動作を説
明するためのタイムチャートである。
【図4】図2中の共振型インバータを構成する1つのト
ランジスタとダイオードとからなるアームに流れる電流
のタイムチャートである。
【図5】インバータ位相差とそのインバータの1つのト
ランジスタのオフ時に流れる電流の関係を示す図であ
る。
【図6】インバータ位相差と管電圧の関係を示す図であ
る。
【図7】従来装置のブロック図である。
【符号の説明】
1a 商用電源 2a 整流回路 3a インバータ 4a 高圧変圧器 5a 高圧整流器 6a X線管 7a インバータ入力電圧検出器 8a 整流回路フィードバック制御装置 9a インバータ入力電圧設定手段 10a 管電圧検出器 11a インバータフィードバック制御装置 12a インバータ動作範囲設定手段
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−297897(JP,A) 特開 平2−250296(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H05G 1/00 - 1/70

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 商用電源を直流に変換すると共にその出
    力電圧を調整可能の第1の整流回路と、この第1の整流
    回路で整流された直流出力を交流に変換すると共に管電
    圧を制御する位相差制御を用いた共振型インバータと、
    この共振型インバータの出力電圧を昇圧する変圧器と、
    この変圧器に接続されその出力を直流に変換する第2の
    整流回路と、この第2の整流回路の出力電圧が印加され
    X線を放射するX線管と、前記第1の整流回路と前記共
    振型インバータとの間に接続され、前記共振型インバー
    タの入力電圧を検出するインバータ入力電圧検出器と、
    このインバータ入力電圧検出器の検出信号と目標インバ
    ータ入力電圧信号との差信号を入力しインバータ入力電
    圧が目標の電圧になるように前記第1の整流回路へ制御
    信号を出力する整流回路フイードバック制御装置と、任
    意に設定された目標管電圧及び目標管電流から前記共振
    型インバータの動作範囲を設定するインバータ動作範囲
    設定手段と、このインバータ動作範囲設定手段で設定さ
    れたインバータ動作範囲、前記目標管電圧及び目標管電
    流から目標インバータ入力電圧を求めその目標インバー
    タ入力電圧信号を前記整流回路フイードバック制御装置
    に出力するインバータ入力電圧設定手段と、前記第2の
    整流回路とX線管との間に接続されて管電圧を検出する
    管電圧検出器と、この管電圧検出器の検出信号と前記目
    標管電圧の信号との差信号を入力し前記X線管に実際に
    印加される管電圧が前記目標管電圧になるように前記共
    振型インバータにインバータ制御信号を出力するインバ
    ータフイードバック制御装置とを具備することを特徴と
    するインバータ式X線装置。
  2. 【請求項2】 上記インバータ動作範囲設定手段によっ
    て設定されるインバータの動作範囲は、該インバータの
    位相差が0.4π(rad)乃至0π(rad)である
    ことを特徴とする請求項1に記載のインバータ式X線装
    置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9078434B2 (en) 2011-09-08 2015-07-14 Kiyohiro WAKE Antimicrobial pouch

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US9078434B2 (en) 2011-09-08 2015-07-14 Kiyohiro WAKE Antimicrobial pouch

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