JP3110832U - 水田用自動水位調整装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】水田の水位を直に検出し、それに対応して水位調整弁を開閉することができ、水位によって水田への給水量の調整乃至水位調整を、経済的に且つ的確に行う。
【解決手段】内側ケース6内には水田57の水位を検出するフロート7が設けられており、外側ケース5の上部には受水部3と連通する送水筒部12を有し、送水筒部12内にはギヤボックス8が設けられ、ギヤボックス8内にはフロート7と連動するラックとピニオン装置26が収納されており、水田57の水位が所定の水位になる状態に対応してフロート7が上昇すると、ラックとピニオン装置26を介して水位調整弁33を閉じ、水田57の水位が所定の水位より下方にある状態に対応してフロート7が下降しているときは、ラックとピニオン装置26を介して水位調整弁33を開く。
【選択図】図1

Description

本考案は、水田の水位を自動的に調整する水田自動水位調整装置に関する。
昭和30年代頃までは、我が国における湖水は水質的にもきれいであり、その周辺も自然の姿を保ち、水辺には無数の水草(ヨシ・マコモ等)、水鳥、魚貝類が生息していたが、昭和40年代初期の高度成長以降、農業形態の近代化、石油製品の大量消費等に伴い、湖水の水質は汚濁し、湖水環境は急速に悪化し、近年では、湖には毎年大量のアオコが発生する等、益々湖水における自然環境が失われつつある。
湖水の水質汚濁が進む具体的な原因はいろいろ考えられるが、その大きな原因として、生活雑排水の湖への流れ込みとともに、水田からの農業用水からの流れ込みが挙げられる。農業用水からの流れ込みについてみれば、近年、水田において除草剤、化学肥料、各種農薬等が利用されているが、これらが、雨水又は過分揚水等 によって排水路へ流れ、さらい河川に流れ込み、水質汚濁の原因にもなっていると考えられる。
水田への給水として、パイプライン方式の給水が通常行われている。このパイプライン方式の給水は、毎日一定時間揚水する方式が通常であり、大雨時以外は揚水ポンプは停止されない。しかし突然の気候等によって大雨になってもバルブは停止されることなく、水田の水がオーバーフローして河川に流れてしまうのが現状である。
ところで、従来、異常低温気象時に水稲の冷害を防止するために、水田への灌漑水の水深を深くすることを目的として、気温に応じて揚水ポンプにより配水量を増加させて配水池への水位を高くする技術は公知である(特許文献1参照)。
さらに、稲作用灌漑用水を水門シャッターを開いて供給するものにおいて、水位が所定の高さに達すればセンサーが感知してロックをはずし、水門シャッターを閉じて水田への給水を止水する技術は公知である(特許文献2参照)。
特開平08−205697号公報 特開2003−013202号公報
水田の水位を調整する技術は、上記特許文献1、2のように知られている。しかしながら、例えば、特許文献1では、気温検出器により揚水ポンプの速度を制御し、揚水流量を制御するので、技術的に高度となり、しかも水田の水位を直接検出するものではないので、大雨等による増水時のオーバーフロー等に迅速に対応して直接止水することには向いていない。
又、特許文献2では、水センサーで水を検出して水門シャッターを開閉し、又シャッターをロックする等の必要があるから、そのための構造や機構が複雑となる。
本願考案は、水田からの農業用水の河川、湖水への流れ込みに起因する湖水の水質汚濁を防止することを目的とし、従来の水位を調整する技術のような複雑な構造ではなく、水位を調整でき、急の増水にたいしても迅速かつ確実に水位を調整することのできる、構造が簡単で、簡便に設置が可能な水田自動水位調整装置を実現することを課題とする。
本考案は上記課題を解決するために、下部にあって水田に定置され、水田内に配水するとともに、水田の水位を検出する本体部と、上部にあって給水パイプから給水される水を受水し、水位調整弁を有する受水部を有し、水田の水位が所定の水位より低い場合は上記水位調整弁が開いて上記受水部で受水した水を上記本体部から水田内に配水し、水田の水位が所定の水位になると上記水位調整弁が閉じて水田内への上記配水を停止する水田自動水位調整装置において、上記本体部には、水田の水位を検出するフロートを有し、該フロートの上下動に連動して上記水位調整弁の閉開が制御されることを特徴とする水田自動水位調整装置を提供する。
本考案は上記課題を解決するために、下部にあって水田に定置され、水田内に配水するとともに、水田の水位を検出する本体部と、上部にあって給水パイプから給水される水を受水し、水位調整弁を有する受水部を有し、水田の水位が所定の水位より低い場合は上記水位調整弁が開いて上記受水部で受水した水を上記本体部から水田内に配水し、水田の水位が所定の水位になると上記水位調整弁が閉じて水田内への上記配水を停止する水田自動水位調整装置において、上記本体部には、水田の水位を検出するフロート、及び該フロートと連動するラックとピニオン装置を有し、上記ラックとピニオン装置は、ピニオンと該ピニオンに両側から噛み合う1対のラックを有し、該1対のラックの一方は上記フロートと結合されており、該1対のラックの他方は上記水位調整弁と結合されており、上記水田の水位が所定の水位になる状態に対応して上記フロートが上昇位置にあるときは、上記ラックとピニオン装置に連動して上記水位調整弁が閉じ、水田の水位が所定の水位より下方にある状態に対応して上記フロートが下降位置にあるときは、上記ラックとピニオン装置に連動して上記水位調整弁が開くことを特徴とする水田自動水位調整装置を提供する。
本考案は上記課題を解決するために、下部にあって水田に定置され、水田内に配水するとともに、水田の水位を検出する本体部と、上部にあって給水パイプから給水される水を受水し、水位調整弁を有する受水部を有し、水田の水位が所定の水位より低い場合は上記水位調整弁が開いて上記受水部で受水した水を上記本体部から水田内に配水し、水田の水位が所定の水位になると上記水位調整弁が閉じて水田内への上記配水を停止する水田自動水位調整装置において、上記本体部には、水田の水位を検出するフロート、及び上記受水部と連通する送水筒部を有し、該送水筒部内にはギアボックスが設けられ、該ギアボックス内には上記フロートと連動するラックとピニオン装置が収納されており、上記ラックとピニオン装置は、ピニオンと該ピニオンに両側から噛み合う下部ラックと上部ラックを有し、上記下部ラックは上記フロートと結合されており、上記上部ラックは上記水位調整弁と結合されており、上記水田の水位が所定の水位になる状態に対応して上記フロートが上昇位置にあるときは、上記ラックとピニオン装置に連動して上記水位調整弁が閉じ、水田の水位が所定の水位より下方にある状態に対応して上記フロートが下降位置にあるときは、上記ラックとピニオン装置に連動して上記水位調整弁が開くことを特徴とする水田自動水位調整装置を提供する。
本考案は上記課題を解決するために、下部にあって水田に定置され、水田内に配水するとともに、水田の水位を検出する本体部と、上部にあって給水パイプから給水される水を受水し、水位調整弁を有する受水部を有し、水田の水位が所定の水位より低い場合は上記水位調整弁が開いて上記受水部で受水した水を上記本体部から水田内に配水し、水田の水位が所定の水位になると上記水位調整弁が閉じて水田内への上記配水を停止する水田自動水位調整装置において、上記本体部は、外側ケースと内側ケースを備え、上記外側ケースの上部には上記受水部と連通する送水筒部を有し、上記内側ケース内には水田の水位を検出するフロートが設けられており、上記送水筒部内にはギアボックスが設けられ、該ギアボックス内には上記フロートと連動するラックとピニオン装置が収納されており、上記ラックとピニオン装置は、ピニオンと該ピニオンに両側から噛み合う下部ラックと上部ラックを有し、上記下部ラックは上記フロートと結合されており、上記上部ラックは上記水位調整弁と結合されており、上記受水部は、上記水位調整弁を保護する水位調整弁保護カバーを有し、上記水田の水位が所定の水位になる状態に対応して上記フロートが上昇位置にあるときは、上記ラックとピニオン装置に連動して上記水位調整弁が閉じ、水田の水位が所定の水位より下方にある状態に対応して上記フロートが下降位置にあるときは、上記ラックとピニオン装置に連動して上記水位調整弁が開くことを特徴とする水田自動水位調整装置を提供する。
上記構成から成る本考案に係る水田自動水位調整装置によれば、構造が簡単で、設置、取扱が簡単であり、しかもその構造上、水田の水位を直に検出し、それに対応して水田への配水を自動的に調整することができるので、水位によって水田への給水量の調整乃至水位調整を、経済的に且つ的確に行うことができる。
その結果、次のような二次的な効果が生じる。
(1)水田の水のオーバーフローを防止できるから、オーバーフローとともに流れ出ていた肥料の流失を防止でき、肥料の損失を最小限に抑えることができる。
(2)水田内に散布された除草剤等の含む水がオーバーフローして排水路に流れ出ることを抑えられるから、除草剤等の含む水による河川、湖水の水質汚濁を防止できる。
(3)水田水位が自動調整されるから、水田管理の省力化となる。
(4)揚水量の節約、揚水ポンプの電気代の節約に大きく貢献する。
本考案に係る水田自動水位調整装置を実施するための最良の形態を、実施例に基づいて図面を参照して、以下に説明する。
図1は、本考案に係る水田自動水位調整装置1を説明する断面図である。この水田自動水位調整装置1は、下部の本体部2と上部の受水部3とから構成されている。本体部2は、水田内に定置されて水田へ水を配水するとともに、水田の水面の水位(単に「水田の水位」という。)を検出する機能を有する。受水部3は、給水パイプ4に接続され、図示しない揚水ポンプから給水される水を受水して、本体部2内へ水の送水を開閉する機能を有する。
本体部2は、外側ケース5、内側ケース6、フロート7、ギヤボックス8(歯車箱)を有している。外側ケース5の底部9下面には、脚10が固定されており、この脚10により水田の底部に水田自動水位調整装置1が定置される。外側ケース5の上部11は筒状に形成されており、この上部11内に送水筒部12が、外側ケース5と一体又は別体で同心的に設けられている。外側ケース5の下部の外周囲に沿って、水が出入りする複数の配水用の通孔13が形成されている。
内側ケース6は、外側ケース5の底部9の上に載置されて同心的に設置され、ボルト14により外側ケース5に固定されている。この内側ケース6の内部に、フロート7が設けられている。このフロート7には上下方向に直線孔15が形成されており、この直線孔15内にフロート案内棒16が挿入されている。フロート案内棒16は、外側ケース5の底部9と内側ケース6の頂部17の間に起立するように固定されている。フロート7は、フロート案内棒16に沿って上下方向に移動可能である。フロート7の中心にはフロート支持棒18が固定されいる。
外側ケース5の上部11内に設けられた送水筒部12は円筒であるが、この内部にギヤボックス8が水密的(ギヤボックス8内に水が侵入しないようにシールされた状態で)に設けられ、ブラケット19等で固定されて取り付けられている。図2(a)は、図1のA−A断面図であるが、この図で示すように、ギヤボックス8は断面が長方形の箱であり、送水筒部12とギヤボックス8の間には受水部3側から水が流れる送水用隙間19が形成されている。
送水筒部12の底部21は、図2(b)にその平面図を示すが、例えば、放射格子状に形成されている。この底部21は、ギヤボックス8を支持するとともに、この底部21を通して、送水用隙間20を流下する水が外側ケース5と内側ケース6の間のスペース22内に流れ込むことができる。
送水筒部12の上端開口は、後述する受水部3の本体である受水容器23の底壁24で封止されている。この底壁24から下方に底部垂壁25が突設されている。底部垂壁25は、 送水筒部12の上端開口に嵌合するように組み立てられる。底壁24は、図示しないが、放射格子状に形成されており、この底壁24の隙間を通して受水部3側から送水筒部12内に水が流入可能である。
ギヤボックス8内には、ラックとピニオン装置26が収納されている。このラックとピニオン装置26は、1つのピニオン27と、このピニオン27に両側から噛み合うようにピニオン27を挟んで対照的に配置された下部ラック28と上部ラック29を有する。
下部ラック28はフロート7と結合されており、上部ラック29は後述する水位調整弁と結合されている。ピニオン27は、ギヤボックス8内で回転可能に軸支されており、上部ラック29及び下部ラック28は、ピニオン27に左右両側から噛み合ってに互いに上下逆方向に移動可能に設けられている。下部ラック28のアーム状の下端は、下部ラック支持杆30に固定されており、上部ラック29のアーム状の上端は、上部ラック支持杆31に固定されている。
上部ラック支持杆31は、受水容器23の底壁24の中心に形成された孔から上方に延び、又、下部ラック支持杆30は、ギヤボックス8の底部中心に形成された孔及び送水筒部12の底部中心に形成された孔を通して下方に延びるように構成されている。
下部ラック支持杆30の下部は、内側ケース6の上端ネック部32の内側で摺動案内されて直線的に上下動する。下部ラック支持杆30のアーム状の下端には、フロート支持棒18の上端が固定されており、フロート7の上下動に応じて下部ラック支持杆30及び下部ラック28が直線的に上下動する構造となっている。
受水部3は、釜状の受水容器23、水位調整弁33、水位調整弁保護カバー34、ストレーナ35、蓋36を備えている。受水容器23は、その底壁24がネジ37で外側ケース5の上部11に、送水筒部12の上部開口に面して固定されている。受水容器23の底壁24の上面には円筒状の弁座38が形成されている。
蓋36は、受水容器23の上端にネジ39で着脱可能に固定され、受水容器23の上部開口を閉じるような構造となっている。蓋36の中心部には、受水口40が形成されており、この受水口40にエルボ41を介して給水パイプ4が連結されている。
これにより、図示しない揚水ポンプから給水される水が受水容器23内に供給される。なお、給水パイプ4には給水バルブ42(図2(c)参照)を設ければ、水田自動水位調整装置1の清掃やメインテナンスの際に給水バルブ42を閉じて給水停止することができる。
ストレーナ35は、外形は円筒状に形成されているが、その底壁43は全体的に上方に向けて湾曲して形成されており、周壁44は格子状に形成されている。これにより、受水容器23に上方から供給された水は、底壁43で周方向に導水され、周壁44を通して受水容器23内に流れ込むような構造となっている。
格子状の周壁44により、受水容器23内に流入した水に混入されたゴミや雑草等の不純物が捕捉される。このようにして捕捉された不純物は、時々行われるメインテナンスの際に蓋36を外して取り除くことができる。
水位調整弁保護カバー34は、ドーム状に形成されており、弁座38を覆うように受水容器23の底壁24にネジ45で固定されている。水位調整弁保護カバー34の頂部中心には下方に延びるようにガイド筒46が形成されている。水位調整弁保護カバー34の下部の外周囲に複数の流入孔47が形成されており、この流入孔47を通して水が水位調整弁保護カバー34で形成されたスペース48内に流入する構造となっている。
水位調整弁33は、その下面中心部に取付孔49が形成され、この取付孔49内に上部ラック支持杆31の上端が同心的に装着されネジ50により固定されている。水位調整弁33の上面中心には弁杆51が同心的に突設され、この弁杆51がガイド筒46により上下摺動可能に案内される。これにより、水位調整弁33は、弁座38に対して安定して上下動し、水の流路を開閉可能とする。
そして、水田自動水位調整装置1の水位調整弁33が閉じる水位の位置に対応して、外側ケース5の外面に「閉弁水位マーク52(水位線)」が付与されている。このようにすると、後述するように、水田の所定の水位に対応して、水田自動水位調整装置1の設置高さを調整する際にきわめて便利である。
なお、図1に示す実線の位置は、フロート7が最大に上昇しきって、下部ラック28及び上部ラック29がピニオン27に対してこれ以上も近づかない位置まで移動し、この結果、水位調整弁33が閉じた状態を示しているが、この状態で、水位調整弁33を弁座38に対して完全に下降せず僅かに開いた状態に水位調整弁33を上部ラック29に取り付けるようにしてもよい。このようにすると、フロート7が上昇しきっても、水位調整弁33は常時僅かに開いた状態となり、水田の水位が所定の水位になっても僅かな水量だけ給水し続けることが可能である。
水田自動水位調整装置1には、図2(c)に示すように、外側ケース5の外周囲に、適宜間隔で複数ヶ所(例.120度間隔で3ヶ所)に、それぞれ上下複数(例.2つ)の取付具53が固定されている。この取付具53の外端には取付孔が形成されている。この取付孔内に下端にスクリューネジ54が形成された地中固定棒55を挿通して外側からネジ56で固定するような構造となっている。このような構成とすると、水田自動水位調整装置1その設置高さを調整して水田に定置する作業が容易となる。
(作用)
上記構成から成る水田自動水位調整装置1の作用を、以下に説明する。図2(d)に示すように、水田自動水位調整装置1を水田57に設置する際に、取付具53のネジ56を緩めた状態で、複数の地中固定棒55をそのスクリューネジ54で水田57の地面58内にねじ込んで固定し起立させる。
この状態で、水田自動水位調整装置1を、地中固定棒55に対してその取り付け高さを調整してから、ネジ56で地中固定棒55に固定する。この水田自動水位調整装置1の高さの調整は、次のように行われる。
水田57の水位が「所定の水位」となると、フロート7が上昇して水位調整弁33が閉じて、水田57への水の給水を停止し、水田57からのオーバーフローを防止できるようにする。そのために、水田57の所定の水位の高さ(図2(d)の点線で示す高さ)に、外側ケース5の外面に付した閉弁水位マーク52の位置を合わせると、水田57の所定の水位に対応し簡単に水田自動水位調整装置1の取付け高さの調整が可能となる。
このようにして、図2(d)に示すように、水田自動水位調整装置1を水田57内に設置する。ところで、水田57に水が配水されていない、或いは水位が所定の水位より低い場合は、フロート7は、図1の例えば想像線の位置に下降した状態にある。フロート7が下降した状態では、下部ラック28は下方に移動しているから、ピニオン27を介して連動する上部ラック29は上方に移動した状態である。
この状態では、上部ラック支持杆31の上端に固定された水位調整弁33は、弁座38から離れ、想像線の位置に上昇した状態にある。要するに、水位調整弁33が開いた状態である。この状態では、給水パイプ4から給水バルブ42、エルボ41を介して受水容器23内に供給される水は、ストレーナの底壁43によって周方向に導水され、格子状の周壁43を通して受水容器23内に流れ込み、さらに、流入孔47から水位調整弁保護カバー34内に流れ込む。
水位調整弁33が開いた状態であるから、水位調整弁保護カバー34内に流れ込んだ水は、さらに受水容器23の底壁24の放射格子状の底壁24を通って 送水筒部12内に流入する。そして、水は送水筒部12内の送水用隙間20から送水筒部12の放射格子状底部21を通り、外側ケース5内に流入する。さらに、水は、外側ケース5の下部の複数の通孔13から水田57内に流れ出て配水される。
水田57内に配水され、或いは大雨による急激な増水により、水位が図2(d)の閉弁水位マーク52で示す所定の水位となった場合は、フロート7が実線で示す位置まで上昇する。このように、フロート7が実線で示す位置まで上昇すると、下部ラック28は図1の実線の位置まで上昇する。
この上昇過程で、図1において、ピニオン27を時計の針方向に回転させて、上部ラック29を図1の位置まで下降させる。すると、上部ラック支持杆31を介して水位調整弁33を弁座38に対して図1の閉鎖位置まで移動させる。これにより、水位調整弁33を自動的に閉じることができる。
なお、図1に示す実線の位置は、フロート7が最大に上昇しきって、上下部のラックがピニオン27に対してこれ以上も近づかない位置まで移動し、この結果、水位調整弁33が閉じた状態を示しているが、この状態で、水位調整弁33を僅かに開いた状態に水位調整弁33を上部ラック29に取り付けるようにしてもよい。
以上のようにして、水田自動水位調整装置1を使用すれば、水田57の水位を人が特に管理しなくも自動的に「所定の水位」に保つことができる。ここで参考のために「所定の水位」(稲の生育に必要な「適切な水位」ということである。)について説明する。水田57の地面58は整地(代掻)によって平面に近い状態となるが、多少の 凸凹はある。田植え時の水稲幼苗(さなえ)は、水田57の地面58からの草丈で、約全長120mm位から日ごとに成長し、150mmから200mm位、さらには1m 位までに成長する。
このように、稲の成長の草丈によって稲の生育に必要な水田57の所定の水位(適切な水位)は変わってくるが、例えば、初期生育期では約50mm〜70mm位で、中期生育期では約70mm〜80mm位が標準と考えられる。なお、水田57の土が水面に露出しないようにすることも必要である。田植え後、約2週間〜20日位は強風によって田面水位の変化も考えられるが、この状態は数時間であり、水稲生育問題 は少ないと考えられる。
なお、図2(d)中、59は畦畔であり、60は水田の排水口具であり、61は排水路である。
以上、本考案に係る水田自動水位調整装置を実施するための最良の形態を実施例に基づいて説明したが、本考案はこのような実施例に限定されるものではなく、実用新案登録請求の範囲に記載された技術的事項の範囲内でいろいろな実施例があることは言うまでもない。
以上のとおり、本考案に係る水田自動水位調整装置は、電気部品、電源装置等不要であり、簡単な構造で、しかもその設置や取扱も簡単であるので、水田の水位を調整するためにきわめて有用であるが、水田の調整に限らず、自動的に水位を調整する必要がある各種の施設(例えば、養殖池等)でも適用可能である。
本考案に係る水田自動水位調整装置の構造を示す図である。 (a)は図1のA−A断面図を示し、(b)は送水筒部の底部平面図を示し、(c)は本考案に係る水田自動水位調整装置を地中固定棒に取り付けた状態を示す図であり、(d)は水田に水田自動水位調整装置を定置した状態を示す図である。
符号の説明
1 水田自動水位調整装置
2 本体部
3 受水部
4 給水パイプ
5 外側ケース
6 内側ケース
7 フロート
8 ギヤボックス
9 外側ケースの底部
10 脚
11 外側ケースの上部
12 送水筒部
13 外側ケースの配水用の通孔
14 ボルト
15 フロートの直線孔
16 フロート案内棒
17 内側ケースの頂部
18 フロート支持棒
19 ブラケット
20 水筒部の送水用隙間
21 送水筒部の底部
22 外側ケースと内側ケースの間のスペース
23 受水容器
24 受水容器の底壁
25 底部垂壁
26 ラックとピニオン装置
27 ピニオン
28 下部ラック
29 上部ラック
30 下部ラック支持杆
31 上部ラック支持杆
32 内側ケースの上端ネック部
33 水位調整弁
34 水位調整弁保護カバー
35 ストレーナ
36 蓋
37 ネジ
38 弁座
39 ネジ
40 受水口
41 エルボ
42 給水バルブ
43 ストレーナの底壁
44 ストレーナの周壁
45 ネジ
46 ガイド筒
47 流入孔
48 スペース
49 水位調整弁の取付孔
50 ネジ
51 弁杆
52 閉弁水位マーク
53 取付具
54 スクリューネジ
55 地中固定棒
56 ネジ
57 水田
58 水田の地面
59 畦畔
60 水田の排水口具
61 排水路

Claims (4)

  1. 下部にあって水田に定置され、水田内に配水するとともに、水田の水位を検出する本体部と、上部にあって給水パイプから給水される水を受水し、水位調整弁を有する受水部を有し、水田の水位が所定の水位より低い場合は上記水位調整弁が開いて上記受水部で受水した水を上記本体部から水田内に配水し、水田の水位が所定の水位になると上記水位調整弁が閉じて水田内への上記配水を停止する水田自動水位調整装置において、
    上記本体部には、水田の水位を検出するフロートを有し、該フロートの上下動に連動して上記水位調整弁の閉開が制御されることを特徴とする水田自動水位調整装置。
  2. 下部にあって水田に定置され、水田内に配水するとともに、水田の水位を検出する本体部と、上部にあって給水パイプから給水される水を受水し、水位調整弁を有する受水部を有し、水田の水位が所定の水位より低い場合は上記水位調整弁が開いて上記受水部で受水した水を上記本体部から水田内に配水し、水田の水位が所定の水位になると上記水位調整弁が閉じて水田内への上記配水を停止する水田自動水位調整装置において、
    上記本体部には、水田の水位を検出するフロート、及び該フロートと連動するラックとピニオン装置を有し、
    上記ラックとピニオン装置は、ピニオンと該ピニオンに両側から噛み合う1対のラックを有し、該1対のラックの一方は上記フロートと結合されており、該1対のラックの他方は上記水位調整弁と結合されており、
    上記水田の水位が所定の水位になる状態に対応して上記フロートが上昇位置にあるときは、上記ラックとピニオン装置に連動して上記水位調整弁が閉じ、水田の水位が所定の水位より下方にある状態に対応して上記フロートが下降位置にあるときは、上記ラックとピニオン装置に連動して上記水位調整弁が開くことを特徴とする水田自動水位調整装置。
  3. 下部にあって水田に定置され、水田内に配水するとともに、水田の水位を検出する本体部と、上部にあって給水パイプから給水される水を受水し、水位調整弁を有する受水部を有し、水田の水位が所定の水位より低い場合は上記水位調整弁が開いて上記受水部で受水した水を上記本体部から水田内に配水し、水田の水位が所定の水位になると上記水位調整弁が閉じて水田内への上記配水を停止する水田自動水位調整装置において、
    上記本体部には、水田の水位を検出するフロート、及び上記受水部と連通する送水筒部を有し、該送水筒部内にはギアボックスが設けられ、該ギアボックス内には上記フロートと連動するラックとピニオン装置が収納されており、
    上記ラックとピニオン装置は、ピニオンと該ピニオンに両側から噛み合う下部ラックと上部ラックを有し、上記下部ラックは上記フロートと結合されており、上記上部ラックは上記水位調整弁と結合されており、
    上記水田の水位が所定の水位になる状態に対応して上記フロートが上昇位置にあるときは、上記ラックとピニオン装置に連動して上記水位調整弁が閉じ、水田の水位が所定の水位より下方にある状態に対応して上記フロートが下降位置にあるときは、上記ラックとピニオン装置に連動して上記水位調整弁が開くことを特徴とする水田自動水位調整装置。
  4. 下部にあって水田に定置され、水田内に配水するとともに、水田の水位を検出する本体部と、上部にあって給水パイプから給水される水を受水し、水位調整弁を有する受水部を有し、水田の水位が所定の水位より低い場合は上記水位調整弁が開いて上記受水部で受水した水を上記本体部から水田内に配水し、水田の水位が所定の水位になると上記水位調整弁が閉じて水田内への上記配水を停止する水田自動水位調整装置において、
    上記本体部は、外側ケースと内側ケースを備え、上記外側ケースの上部には上記受水部と連通する送水筒部を有し、上記内側ケース内には水田の水位を検出するフロートが設けられており、
    上記送水筒部内にはギアボックスが設けられ、該ギアボックス内には上記フロートと連動するラックとピニオン装置が収納されており、
    上記ラックとピニオン装置は、ピニオンと該ピニオンに両側から噛み合う下部ラックと上部ラックを有し、上記下部ラックは上記フロートと結合されており、上記上部ラックは上記水位調整弁と結合されており、
    上記受水部は、上記水位調整弁を保護する水位調整弁保護カバーを有し、
    上記水田の水位が所定の水位になる状態に対応して上記フロートが上昇位置にあるときは、上記ラックとピニオン装置に連動して上記水位調整弁が閉じ、水田の水位が所定の水位より下方にある状態に対応して上記フロートが下降位置にあるときは、上記ラックとピニオン装置に連動して上記水位調整弁が開くことを特徴とする水田自動水位調整装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015166532A (ja) * 2014-03-04 2015-09-24 保夫 岡田 連結供給治水システム
JP2018201427A (ja) * 2017-06-06 2018-12-27 積水化学工業株式会社 圃場センサ
CN114413015A (zh) * 2022-01-23 2022-04-29 李闯 一种适用于多种领域的通用型阀门

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