JP3110587B2 - 超音波探触子の製造方法 - Google Patents

超音波探触子の製造方法

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    • B06B1/00Methods or apparatus for generating mechanical vibrations of infrasonic, sonic, or ultrasonic frequency
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    • B06B1/0607Methods or apparatus for generating mechanical vibrations of infrasonic, sonic, or ultrasonic frequency making use of electrical energy operating with piezoelectric effect or with electrostriction using multiple elements
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    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04RLOUDSPEAKERS, MICROPHONES, GRAMOPHONE PICK-UPS OR LIKE ACOUSTIC ELECTROMECHANICAL TRANSDUCERS; DEAF-AID SETS; PUBLIC ADDRESS SYSTEMS
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    • Y10T29/42Piezoelectric device making

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、入力された電気信号を
超音波に変換して送信するとともに、受信した超音波を
電気信号に変換して出力する超音波探触子の製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】被検体、特に人体内に超音波を送信し、
人体内の組織で反射されて戻ってきた超音波を受信して
受信信号を得、この受信信号に基づく人体内の画像を表
示することにより人体の内臓等の疾患の診断を容易なら
しめる超音波診断装置が従来より用いられており、この
超音波診断装置では電気信号を超音波に変換して被検体
内に送信するとともに被検体内で反射された超音波を受
信して電気信号に変換するトランスデューサとして超音
波探触子が用いられている。
【0003】図9は、超音波探触子の一例を模式的に表
わした斜視図、図10はその超音波探触子と接続される
回路を表わしたブロック図である。図9の横方向(走査
方向,x方向)に、例えば圧電セラミックス(PZT)
からなる多数の圧電振動子1が短冊状に並び、その前面
側には互いに電気的に接続された共通の前面電極1aが
形成され、接地されている。また各圧電振動子1の背面
側にはそれぞれ互いに独立した背面電極1bが形成され
ており、各背面電極1bのそれぞれには各リード線2が
接続されている。また各圧電振動子1の前面側には、各
圧電振動子1に対応したエポキシ樹脂等からなる整合層
3が形成されており、さらにその前面側には、走査方向
(x方向)とは直角の短軸方向(y方向)についてこの
超音波探触子から送信された超音波を収束させるため
の、シリコーンゴム等からなる音響レンズ4が取り付け
られている。また圧電振動子1の背面側には、超音波の
波形継続時間を短縮し、かつ背面側に発信された超音波
を吸収する目的で、バッキング5が背面電極1bを挟ん
で圧電振動子1に結合されている。
【0004】以上のように構成された超音波探触子を用
いて人体等の被検体(図示せず)内に超音波を送信する
には、図10に示す送信回路6から各圧電振動子1に向
けて各パルス信号が送信され、これにより各圧電振動子
1から超音波のバースト波が送信される。ここで、各圧
電振動子1から送信された超音波が被検体内の所定の深
さで焦点を結ぶように送信回路6から送信される各パル
ス信号の送信タイミングが制御されている。
【0005】また、この超音波探触子から送信され被検
体内で反射された超音波は、各圧電振動子1で受信され
て各受信信号に変換される。この各受信信号は、各アン
プ7で適切に増幅された後、遅延加算回路8に入力さ
れ、この遅延加算回路8において、被検体内の、固定し
たもしくは順次変更された深さ位置に焦点が結ばれるよ
うに遅延加算が行われる。
【0006】この遅延加算回路8で遅延加算の行われた
受信信号は、図示しない信号処理回路に入力され、この
受信信号に基づいて超音波による被検体内の画像を表わ
す画像信号が生成され、この画像信号に基づいて例えば
CRTディスプレイ装置等に画像が表示される。図11
は、配列された圧電振動子から放射される超音波の音圧
分布(a)、その放射音圧分布の場合における超音波ビ
ーム断面の音圧プロファイル(b)、およびその放射音
圧分布の場合における、被検体内の深さ方向に対する短
軸方向のビーム幅(c)を示した図である。
【0007】図11(a)に示すように、短軸方向に関
し、圧電振動子の中央部も端部も均一な放射音圧の超音
波を送波した場合、被検体内の超音波ビームには図11
(b)に示すように、大きなサイドローブが発生し、そ
のため図11(c)に示すように音響レンズ(図9参
照)の焦点近傍しか超音波ビームを細く絞ることができ
ず、全体としてかなり広がったビーム径となる。
【0008】図12は、短軸方向の放射音圧分布が異な
ることを除き、図11と同様な図である。図12(a)
に示すように、短軸方向に関し、圧電振動子の中央部の
放射音圧を上げ端部の放射音圧分布を下げると、図12
(b)に示すようにサイドローブが低減され、これによ
り図12(c)に示すように短軸方向のビーム径を全体
として細く絞ることができ、高解像度の断層像を得るこ
とができる。
【0009】図12に示すように、圧電振動子から分布
をもった音圧の超音波を放射するための技術の1つとし
て、圧電振動子の分極強度に分布をもたせることが提案
されている(特公平1−24479号公報参照)。図1
3は、圧電振動子の分極強度分布と放射される超音波の
音圧分布との関係をあらわした図である。
【0010】図12(a)に示すように走査方向に長尺
の板状の圧電振動子を用意し、この圧電振動子を、短軸
方向に階段状に分極強度分布をもつように分極する。圧
電振動子を短軸方向に階段状に分極強度をもつように分
極するには、例えば以下に示すような手法が用いられ
る。図14は、圧電振動子を短軸方向に階段状に分極強
度をもつように分極する手法を示した模式図である。
【0011】一般に圧電振動子の分極処理は、数十〜数
百℃の温度雰囲気中で、振動子板の、対向する2つの主
面(前面と背面)に配された良導体電極に数百V/mm
の電界を数分〜数時間印加することにより行われる。圧
電振動子の分極状態は、これらの分極条件、すなわち分
極電界、分極温度、分極時間で制御することができ、こ
れらの分極条件の値を大きくとることにより圧電振動子
の分極状態は未飽和分極から飽和分極に向けて大きくな
る。
【0012】そこで、図14に示すように圧電振動子の
長手方向(超音波探触子として構成したときの走査方向
(x方向;図9参照)に延びるストライプ状の複数の良
導体電極を1方の主面(例えば背面)に形成し、もう1
方の主面(例えば前面)には全体として1枚の良導体電
極を形成する。そして、背面側の各ストライプ状の電極
と、対向する前面側の電極との間に、図示のように、圧
電振動子の短軸方向中央部ほど大きな電圧を印加し、所
定の分極時間、所定の分極温度下に置く。こうすること
により、階段状の分極強度分布を有する圧電振動子が生
成される。
【0013】このようにして、圧電振動子をその短軸方
向に階段状に分極強度分布をもつように分極すると、そ
の分極強度分布に応じた分布をもつ電気−機械結合係数
が得られる。ここで、電気−機械結合係数kは、その圧
電振動子に入力した電気エネルギーとその電気エネルギ
ーの印加によって圧電振動子が振動する機械エネルギー
との比率の平方根、即ち、 k=(出力する機械エネルギー/入力した電気エネルギー)1/2 …(1) で定義される。上記のように分極された圧電振動子を図
13(b)に示すように多数に分割し、これを超音波探
触子に備え、超音波を放射する。すると、電気−機械結
合係数にほぼ比例した音圧の超音波が放射される。した
がって所望の放射音圧分布を得るためには、それに比例
した所望の電気−機械結合係数分布を得ればよく、電気
−機械結合係数は分極強度に依存するため、圧電振動子
の分極強度を調整することにより所望の放射音圧分布、
すなわちその圧電振動子から放射される超音波の所望の
振幅重み付けが得られることとなる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】図13に示すような分
極強度分布を得ようとする場合、圧電振動子の短軸方向
中央部については飽和状態まで分極(飽和分極)すれば
よいが、端部では未飽和分極を行なう必要がある。圧電
振動子の短軸方向中央部の分極、すなわち飽和分極につ
いては、上述した分極条件、即ち分極電界,分極温度,
分極時間を十分大きくとることにより飽和分極され、そ
れ以上分極は進行しないため、安定して一定の電気−機
械結合係数を得ることができる。しかし圧電振動子の短
軸方向端部の分極、すなわち未飽和分極については、分
極条件を正確に調整したとしてもその特定の分極条件に
より所定の電気−機械結合係数を得るのは困難である。
【0015】図15は、分極条件と電気−機械結合係数
との関係を調べた一例を表わしたグラフである。この図
15に示すグラフは、多数の圧電振動子を用意し、分極
電界EについてはE=350V/mmに固定し、分極温
度と分極時間を変えて各分極温度および各分極時間だけ
分極を行なった場合の圧電振動子の電気−機械結合係数
を表わしている。
【0016】この図15に示すとおり、全く同一の分極
条件で分極しても、その分極後の圧電振動子の電気−機
械結合係数が10%以上ばらつくことがある。これに対
し、上述した音圧分布として所望の音圧分布を実現する
ためには、そのばらつきが約7%以下に抑えられている
必要がある。このばらつきを抑えるために、圧電振動子
の分極状態を監視しながら分極処理を進める方法が提案
されている(特開昭62−237351号公報参照)。
圧電振動子の分極状態は、上記特開昭62−23735
1号公報に開示されているように、圧電振動子の共振近
傍の電気的インピーダンスの周波数特性を測定するか、
あるいは圧電振動子が発生する超音波信号の振幅特性を
測定することにより知ることができる。測定の簡便さか
らいうと前者の電気的インピーダンスの周波数特性を測
定する方法の方が実用的である。
【0017】この方法をうまく利用することができれ
ば、分極状態を監視しながら分極処理を進め、圧電振動
子が所定の分極強度(電気−機械結合係数)に達したと
ころで分極処理を完了させることにより、電気−機械結
合係数のバラツキは極めて小さくできるはずである。と
ころが、一般に探触子製造に用いる圧電振動子のキャパ
シタンスは、数十nFと大きいため、圧電振動子の共振
近傍の正確な電気的インピーダンスの周波数特性を測定
できないという問題がある。これは、この数十nFと大
きいキャパシタンスのため、圧電振動子に接続した電気
的インピーダンス測定用のケーブルに存在する僅かなイ
ンダクタ成分(数十nH)で共振を起こし正確な電気的
インピーダンスが測定できないからである。図9に示す
ような、多数の圧電振動子1が配列されたアレイ型探触
子のように、微細な圧電振動子を配列したものを製作す
る場合であっても、通常、図13の説明の際に言及した
ように、一旦板状の圧電振動子の状態で探触子を組立て
て、そのあとで微細に分割していくため、分極の際は面
積の広い板状の圧電振動子の状態であり、やはりキャパ
シタンスが大きく、したがって同様の不都合が生じる。
【0018】また、別の問題として、図14に示すよう
に圧電振動子にストライプ状の電極を複数配列して、各
電極に異なる分極条件(例えば、異なる分極電界)を加
えて、先に示した振幅重み付けを実施するような圧電振
動子を実現する場合、図16に示すように、あるストラ
イプ電極下の分極状態を観測する時、他のストライプ電
極下の部分が機械的負荷となり測定しようとする部分の
分極状態を正確に測定できないという問題がある。
【0019】本発明は、上記事情に鑑み、電気−機械結
合係数のばらつきの小さい、即ち分極時の分極状態のば
らつきの小さい圧電振動子を備えた超音波探触子を製造
する方法を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の超音波探触子の製造方法は、分極処理された圧電振
動子を備えた超音波探触子を製造する超音波探触子の製
造方法において、超音波探触子製造用の第1の圧電振動
子と、分極状態観測用の第2の圧電振動子を用意し、第
2の圧電振動子の分極状態を観測しながら第1および第
2の圧電振動子双方を同時に分極処理する分極工程を備
えたことを特徴とするものである。
【0021】ここで、上記第1および第2の圧電振動子
双方が、同一の圧電振動子素体から取り出したものであ
ることが好ましい。また上記分極工程が、上記第1およ
び第2の圧電振動子双方を同時にかつ同一条件で分極処
理するものであることが好ましい。さらに、上記分極工
程に先立って、上記第2の圧電振動子に、その第2の圧
電振動子の厚みの途中まで切り込みを入れておくことが
好ましい。
【0022】上記第2の圧電振動子の分極状態が所定の
状態に達した時点で上記分極工程が終了する。上記第2
の圧電振動子の分極状態の観測は、上記第2の圧電振動
子の電気的インピーダンスもしくは電気的アドミッタン
スを測定することにより行なわれる。また、本発明は、
分極処理された圧電振動子を備えた超音波探触子を製造
する超音波探触子の製造方法において、超音波探触子製
造用の第1の圧電振動子と、分極状態観測用の第2の圧
電振動子を用意し、第1および第2の圧電振動子双方を
分極処理する分極工程と、第2の圧電振動子の分極状態
を観測しながら第1および第2の圧電振動子双方を同時
に減極処理する減極工程とを備えたものであってもよ
い。
【0023】尚、上述した本発明における「第2の圧電
振動子の分極状態を観測しながら」は、必ずしも分極処
理ないし減極処理を行なっている間、常に観測し続ける
ことを意味するものではなく、常に観測し続けるもので
あってもよいが、その他、所定時間間隔毎等定期的にも
しくは不定期に観測するものであってもよいことを意味
している。また、所定時間間隔毎に観測する場合におい
て、分極処理と分極状態の観測との双方を厳密な意味で
同時に行なうものである必要もなく、そうであってもよ
いが、分極処理と分極状態の観測を切り換えながら交互
に行なってもよいことも含まれる。
【0024】
【作用】本発明では、例えば一枚の圧電振動子から探触
子製造用の第1の圧電振動子と分極状態の観測のための
第2の圧電振動子を切り出し、後者の第2の圧電振動子
で分極状態を観測しながら両者を同条件で分極する。探
触子製造用の第1圧電振動子と同一の素体から切り出さ
れ同条件で分極された第2の圧電振動子の分極状態を見
ることによって、間接的に探触子製造用の第1の圧電振
動子の分極状態を知ることができる。このようにするこ
とによって、分極状態の観測のための圧電振動子の面積
をケーブルのインダクタ成分の影響が出ない程度に選ぶ
ことができ、測定時の不要な共振を防ぐことができる。
また、圧電振動子にストライプ状の電極を複数列配して
振幅重み付けを実施させるような場合は、各電極に対応
した、分極状態の観測のための複数の第2の圧電振動子
を用意することにより、上述した機械的負荷の影響を受
けずに各電極下の分極状態を正確に測定することができ
る。
【0025】以上の説明は、圧電振動子を所定の分極状
態まで分極強度を上げることを前提としたものである
が、特開昭62−237351号公報などで従来知られ
た技術である、一旦圧電振動子に分極処理(例えば、飽
和状態まで分極)を施し、その後その圧電振動子に分極
強度を劣化させる減極処理(例えば、分極強度を劣化さ
せる方向に分極電界を印加する)を行う場合にも本発明
を適用できる。
【0026】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。図
1は、本発明の第1実施例を示した模式図である。まず
同一の素体の未分極圧電振動子から探触子製造用の圧電
振動子と分極状態観測用の圧電振動子を切り出す(図1
(a))。このとき、分極状態観測用圧電振動子は数n
F以下になるような大きさに切り出す。図1(b)に示
すように、切り出した圧電振動子双方を一定の分極温度
に保つオイルバスに浸し、スイッチを接点A側に切り換
えて安定化電源により両圧電振動子に一定の分極電界を
印加する。分極温度および分極電界は、目標とする電気
−機械結合係数kt0を達成するに十分な値としておく。
電界印加から所定時間経過後、スイッチを接点Bに接続
(安定化電源からの電界印加を切断)し、分極状態観測
用圧電振動子のアドミタンス(あるいはインピーダン
ス)の周波数特性をインピーダンスアナライザを用いて
観測する。観測されたアドミタンス周波数特性から圧電
振動子の共振周波数fr ,反共振周波数fa を求め、上
述した(1)式から導出される下記の(2)式を用いて
電気−機械結合係数kt を計算する。
【0027】
【数1】
【0028】計算された電気−機械結合係数kt が目標
の電気−機械結合係数kt0よりも小さい場合は、スイッ
チを接点Aに接続(インピーダンスアナライザと切断)
して再び分極電界を印加する。この分極電界印加の動作
とアドミタンス測定(電気−機械結合係数の測定)の動
作を電気−機械結合係数kt が目標値kt0に到達するま
でスイッチを切り換えることによって繰り返す。
【0029】これにより、分極状態が高精度に調整され
た圧電振動子が生成される。図2は、本発明の第1実施
例の変形例を示した模式図である。ここには、パーソナ
ルコンピュータ等のコントローラが備えられており、ま
た図1に示すスイッチに代えて、コントローラから送ら
れる制御信号によって接点の切換えが行なわれるリレー
スイッチが備えられている。このコントローラから、リ
レースイッチに、所定時間毎にリレースイッチの接点を
接点Bに切り換えることを指示する制御信号が送られ、
これによりリレースイッチが接点Bに切り換えられ、そ
の時点の分極状態観測用圧電振動子のアドミッタンス周
波数特性がインピーダンスアナライザにより観測され
る。観測されたアドミッタンス周波数特性はコントロー
ラ6に転送される。コントローラ6では、そのアドミッ
タンス周波数特性から圧電振動子の共振周波数fr 、反
共振周波数fa を求め、上述した(2)式に従って電気
−機械結合係数kt を計算する。計算された電気−機械
結合係数kt が目標の電気−機械結合係数kt0よりも小
さい場合はコントローラからの制御信号によりリレース
イッチを接点Aに接続して再び分極電界を印加する。
【0030】この分極電界印加の動作とアドミタンス測
定(電気−機械結合係数の測定)の動作を電気−機械結
合係数kt が目標値kt0に到達するまでリレースイッチ
を所定時間間隔毎に接点B側に切り換えることによって
繰り返す。電気−機械結合係数kt が目標値kt0に達す
ると、コントローラは、リレースイッチを接点Bに接続
した状態のまま、分極処理が終了した旨表示する。
【0031】このように分極状態の観測を自動化するこ
ともできる。図3は、本発明の第1実施例のもう1つの
変形例を示した模式図である。ここには、図1に示すス
イッチに代えて、安定化電源および探触子製造用圧電振
動子と、分極状態観測用圧電振動子との間にダイオード
が配置されるとともに、分極状態観測用圧電振動子とイ
ンピーダンスアナライザとの間にコンデンサが配置され
ている。
【0032】安定化電源は圧電振動子に直流電圧を印加
するものであり、一方、インピーダンスアナライザは、
分極状態観測用圧電振動子のアドミッタンス周波数特性
を測定するためにその分極状態観測用圧電振動子に交流
電圧を印加するものであるため、このようにダイオード
とコンデンサを配置することによりダイオードにより測
定時の安定化電源のインピーダンスの影響を取除き、ま
たコンデンサにより安定化電源の直流高電圧が遮断さ
れ、これによりスイッチによる切換え動作なしに、双方
の圧電振動子の分極を行ないながら分極状態観測用圧電
振動子のアドミッタンス周波数特性の観測を行なうこと
ができる。
【0033】次に本発明の第2実施例について説明す
る。図4は、本発明の第2実施例における、圧電振動子
の切り出しの工程を示す模式図、図5〜図7は、本発明
の第2実施例における分極処理の各工程を示す模式図で
ある。まず、図4に示すように、同一素体の未分極圧電
振動子から、ストライプ状の電極を複数列(この例では
5列)配した探触子製造用の圧電振動子と、分極状態観
測用の圧電振動子を切り出す。このとき、分極状態観測
用圧電振動子は数nF以下になるような大きさに複数個
(この例では2個)切り出す。その後、図5に示すよう
に短軸方向に対称の位置にある1組のストライプ電極と
1個の分極状態観測用振動子Aについて前述した方法で
所定の電気−機械結合係数になるまで分極する。さらに
その後、図6に示すように別の1組のストライプ電極と
もう1個の分極状態観測用振動子Bについて、同様にし
て所定の電気−機械結合係数になるまで分極する。最後
に図7に示すように中央のストライプ電極について、飽
和分極状態となるまで分極する。こうすることにより、
先に示した振幅重み付けを実現する圧電振動子を精度よ
く安定して作ることができる。
【0034】次に、本発明の第3実施例について説明す
る。図8は、本発明の第3実施例における圧電振動子の
切り出しの工程を示す模式図である。まず同一素体の未
分極圧電振動子から探触子製造用の圧電振動子と分極状
態観測用の圧電振動子を切り出す。このとき、分極状態
観測用圧電振動子は数nF以下になるような大きさに切
り出す。そして、分極状態観測用圧電振動子にその厚み
の途中まで複数の切り込みを入れる。そのあと、前述し
た方法で所定の電気−機械結合係数になるまで分極す
る。圧電振動子の、電極が形成された2つの主面(図8
の上下の面)に交流電圧を印加すると、その圧電振動子
はその縦方向に振動するだけではなく、主面に平行な横
方向にも振動する。分極状態の観測時に分極状態観測用
振動子の横方向の共振が縦方向の共振近傍に重畳して観
測が困難な場合、上記のように切り込みを入れることに
よって、横方向の共振の影響を軽減することが出来る。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の超音波探
触子の製造方法は、未分極圧電振動子から探触子製造用
の圧電振動子と分極状態観測用の圧電振動子を切り出
し、分極状態観測用の圧電振動子の分極状態を観測しな
がら、探触子製造用の圧電振動子と分極状態観測用の圧
電振動子との双方を分極処理(ないしは減極処理)する
ものであるため、高精度に未飽和分極された圧電振動子
を作ることができ、したがって高精度の振動重み付けを
行なうことのできる超音波探触子を製造することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示した模式図である。
【図2】本発明の第1実施例の変形例を示した模式図で
ある。
【図3】本発明の第1実施例のもう1つの変形例を示し
た模式図である。
【図4】本発明の第2実施例における、圧電振動子の切
り出しの工程を示す模式図である。
【図5】本発明の第2実施例における分極処理の工程を
示す模式図である。
【図6】本発明の第2実施例における分極処理の工程を
示す模式図である。
【図7】本発明の第2実施例における分極処理の工程を
示す模式図である。
【図8】本発明の第3実施例における圧電振動子の切り
出しの工程を示す模式図である。
【図9】超音波探触子の一例を模式的に表わした斜視図
である。
【図10】超音波探触子と接続される回路を表わしたブ
ロック図である。
【図11】配列された圧電振動子から放射される超音波
の音圧分布(a)、超音波ビーム断面の音圧プロファイ
ル(b)、および被検体内の深さ方向に対する短軸方向
のビーム幅(c)を示した図である。
【図12】短軸方向の放射音圧分布が異なることを除
き、図11と同様な図である。
【図13】圧電振動子の分極強度分布と放射される超音
波の音圧分布との関係をあらわした図である。
【図14】圧電振動子を短軸方向に階段状に分極強度を
もつように分極する手法を示した模式図である。
【図15】分極条件と電気−機械結合係数の関係を表わ
したグラフである。
【図16】ストライプ状の電極を有する圧電振動子の分
極状態を観測する場合の模式図である。
【符号の説明】
1 圧電振動子 2 リード線 3 整合層 4 音響レンズ 5 バッキング
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−161492(JP,A) 特開 昭59−77800(JP,A) 特開 昭61−161446(JP,A) 特開 昭62−237351(JP,A) 特開 平2−41144(JP,A) 特開 平2−156934(JP,A) 特開 平4−345300(JP,A) 特開 平5−23331(JP,A) 特開 平5−76527(JP,A) 原靖他、「短軸方向の高分解能の基礎 検討」、日本超音波医学会第57回研究発 表会講演論文集、平成2年10月、pp 616−620 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61B 8/00 - 8/15 G01N 29/00 - 29/28 H04R 17/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分極処理された圧電振動子を備えた超音
    波探触子を製造する超音波探触子の製造方法において、 前記超音波探触子製造用の第1の圧電振動子と、分極状
    態観測用の第2の圧電振動子を用意し、 前記第2の圧電振動子の分極状態を観測しながら前記第
    1および第2の圧電振動子双方を同時にかつ同一条件で
    分極処理する分極工程を備えたことを特徴とする超音波
    探触子の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記第1および第2の圧電振動子双方
    が、同一の圧電振動子素体から取り出したものであるこ
    とを特徴とする請求項1記載の超音波探触子の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 前記分極工程に先立って、前記第2の圧
    電振動子に、該第2の圧電振動子の厚みの途中まで切り
    込みを入れることを特徴とする請求項1記載の超音波探
    触子の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記第2の圧電振動子の分極状態が所定
    の状態に達した時点で前記分極工程を終了させることを
    特徴とする請求項1記載の超音波探触子の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記第2の圧電振動子の電気的インピー
    ダンスもしくは電気的アドミッタンスを測定することに
    より、該第2の圧電振動子の分極状態を観測することを
    特徴とする請求項1記載の超音波探触子の製造方法。
  6. 【請求項6】 分極処理された圧電振動子を備えた超音
    波探触子を製造する超音波探触子の製造方法において、 前記超音波探触子製造用の第1の圧電振動子と、分極状
    態観測用の第2の圧電振動子を用意し、 前記第1および第2の圧電振動子双方を分極処理する分
    極工程と、 前記第2の圧電振動子の分極状態を観測しながら前記第
    1および第2の圧電振動子双方を同時にかつ同一条件で
    減極処理する減極工程とを備えたことを特徴とする 超音
    波探触子の製造方法。
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