JP3108988B2 - 紡機用リング - Google Patents

紡機用リング

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JP3108988B2
JP3108988B2 JP08076144A JP7614496A JP3108988B2 JP 3108988 B2 JP3108988 B2 JP 3108988B2 JP 08076144 A JP08076144 A JP 08076144A JP 7614496 A JP7614496 A JP 7614496A JP 3108988 B2 JP3108988 B2 JP 3108988B2
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哲則 坂本
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金井 宏彰
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紡績工程における
精紡機や撚糸機に使用される紡機用リングに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、図4に示すように、傾斜フランジ
25を備えたリングが考えられているが、上記リングは
傾斜フランジ25のトラベラ走行面26がリングの内面
上に約25mmの曲率半径R7 を有する曲面により形成され
ており、上記曲率半径R7 は傾斜フランジ25の曲率半
径R8 を有する頂部27に移行し、曲率半径R8 はリン
グの最小内径dの位置で少なくとも1mm であるように構
成されている。
【0003】さらに、リングの傾斜フランジ25におけ
るトラベラ走行部分上の隆起部28は最高でも隆起部2
8の肉厚Kよりも2分の1より大きい高さLを有してい
る。(特開平4-228626号公報参照)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記リングではリング
内面上のトラベラ走行面26の曲率半径R7 が約25mmで
あるため、トラベラとの接触面積が点接触となり、トラ
ベラが早期に摩耗すると共に、摩耗量が増加し、トラベ
ラの早期焼けが発生してトラベラ寿命を短くしたり、ト
ラベラ飛散を発生するという問題点があった。
【0005】また、これに伴い紡出糸の糸切れの増加
や、糸毛羽、ネップが増加し、糸品質が著しく低下する
という問題点があった。
【0006】さらに、上記問題点を解決するために図5
に示すように、傾斜フランジ25を備えたリングが考え
られているが、上記リングはトラベラ走行面26がリン
グの内面上に約15mmの曲率半径R9 を有しており、上記
曲率半径R9 は傾斜フランジ25の曲率半径R10を有す
る頂部27に移行し、曲率半径R10はリングの最小内径
dの位置で少なくとも0.6mm であるように構成されてい
る。
【0007】しかも、リングの走行部分上の隆起部28
は最高でも隆起部28の肉厚Kより肉厚Kと同等より大
きい高さLを有している。(特開平7-138821号公報参
照)
【0008】しかし、上記のように構成されたリングで
は、トラベラの接触面積が小さくなり、良好なトラベラ
の接圧が得られ、トラベラの摩耗が減少し、トラベラ寿
命が延長されると考えられていたが、上記従来例と同様
にトラベラとの接触面積が点接触となり、トラベラが早
期に摩耗すると共に、摩耗量が増加し、トラベラの早期
焼けが発生してトラベラ寿命を短くするという問題点が
有り、また使用されるトラベラの種類によっては、トラ
ベラが滑走中に前傾することがあり、この時、リングの
頂部27とトラベラとの間の糸通過部が狭くなり、リン
グの頂部27とトラベラとの間に糸が挟まれ、糸毛羽が
発生したり、特にポリエステル糸の紡出においては溶融
糸が発生するという問題点があった。
【0009】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであり、リングとトラベラとの接触面積を大き
くし、トラベラの滑走姿勢におけるトラベラの前傾を防
止して、トラベラの接触部における局部摩耗を減少させ
ることを課題とし、さらに、リングとトラベラ間の糸通
過部を広げ、糸がリングとトラベラ間に挟まれることに
より発生する糸毛羽や溶融糸等の糸の損傷を少なくする
ことを課題とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は前記課題を解決
するためになされたものであり、トラベラ走行部とリン
グ本体とから構成され、トラベラ走行部が内方で、且つ
上方に向け傾斜するようにリング本体の上部に一体的に
形成された紡機用リングにおいて、トラベラ走行部の断
面形状が、内側に曲率半径R 2 が30〜40mmの円弧面により
形成されたトラベラ走行面を有し、外側に頂部に向け先
細りとなした略楔形形状に形成されたトラベラ外れ防止
部を有し、かつ上記トラベラ走行面とトラベラ外れ防止
部とを曲率半径R 1 が0.7〜1.5mmを有する円弧面により
接続した構成を有しており、上記トラベラ走行面を構成
する円弧面の両端を結ぶ弦Yとトラベラ走行部の頂部に
おける水平線Xとのなす角αが53°〜60°であり、トラ
ベラ外れ防止部の底面とトラベラ走行部の頂部における
水平線Xとのなす角βが25°〜45°であると共に、弦Y
とトラベラ外れ防止部の外側面との夾角θが6°〜20°
となるように構成し、さらにトラベラ外れ防止部を構成
する顎部の突端部の曲率半径R 5 が0.2〜1.0mmを有する
円弧面により形成した紡機用リングを提供する。
【0011】なお、上記構成において、トラベラ外れ防
止部を構成する底面とトラベラ走行部の頂部との間の高
さHは2.5mm 〜3.5mm にするのが好ましく、2.5mm 未満
では、用いられるトラベラの接触点がトラベラ走行面の
上方に移動し、トラベラの滑走姿勢において外傾し易く
なり、トラベラの局部摩耗が発生すると共に、トラベラ
の寿命が短くなるという問題点がある。また、3.5mm を
越すと、用いられるトラベラの接触点がトラベラ走行面
の下方に移動し、トラベラの滑走姿勢において前傾し易
くなり、しかもトラベラが揺動し、トラベラの異常摩耗
が発生したり、リング頂部とトラベラ頭部との間に糸が
挟まれる、所謂トラッピング現象を生じ、糸切れを発生
したり、糸毛羽を発生するという問題点がある。
【0012】トラベラ外れ防止部を構成する顎部の突端
部とトラベラ走行部の最内径部との距離Bは2.5mm 〜3.
5mm にするのが好ましく、2.5mm 未満では、トラベラ外
れ防止部の底面の長さが短くなり、運転中にトラベラが
外れ易くなる問題点がある。また、3.5mm を越すと、ト
ラベラ外れ防止部の底面の長さが長くなり、トラベラを
嵌合する場合に、トラベラが折れたり、変形して使用出
来なくなるという問題点がある。
【0013】トラベラ走行面とトラベラ外れ防止部を接
続する頂部の円弧面の曲率半径R1は0.7mm 〜1.5mm に
するのが好ましく、0.7mm 未満では、トラッピング現象
を生じ易くなり、しかもトラベラの局部摩耗が発生し易
くなるという問題点がある。また、1.5mm を越すと、ト
ラベラが使用中に沈み易くなり、トラベラの脚先が取付
け部に当たって、トラベラの異常滑走の原因となった
り、トラベラが外傾し、局部摩耗が発生するという問題
点がある。
【0014】トラベラ外れ防止部を構成する顎部の突端
部は曲率半径R5 が0.2mm 〜1.0mmを有する円弧面とす
るのが好ましく、0.2mm 未満では、トラベラの脚部と接
触し易くなり、トラベラの異常滑走の原因となったり、
トラベラの脚部の局部摩耗の原因となるという問題点が
ある。また、1.0mm を越すと、顎部の底面の長さが短く
なり、運転中にトラベラが外れ易くなるという問題点が
ある。
【0015】また、トラベラ外れ防止部の頂部は水平な
平面により構成することも可能であり、上記平面とトラ
ベラ外れ防止部の外側面は、曲率半径R3 が0.8mm 〜1.
5mmを有する円弧面で接続するのが好ましいものであ
る。
【0016】トラベラ外れ防止部を構成する顎部の突端
部の位置は、トラベラ走行面を構成する円弧面の両端の
点O−P間を結ぶ弦Yの高さhにおいて、その上部即ち
点Oから1/2 〜1/5 の範囲内に位置するように構成する
のが好ましく、1/2 より下方にくると、トラベラ外れ防
止部の顎部の突端部がトラベラの脚部と接触し易くな
り、トラベラの異常滑走の原因となったり、トラベラの
脚部の局部摩耗の原因となるという問題点がある。ま
た、1/5 より上方にくると、トラベラの滑走姿勢におい
て外傾し易くなるという問題点がある。
【0017】トラベラ走行面とリング本体とは、曲率半
径R4 が0.8mm 〜1.5mm を有する円弧面で接続するのが
好ましく、0.8mm 未満では、トラベラの脚部がリング本
体の上面と接触し易くなり、トラベラの異常滑走の原因
となり、糸切れを発生するという問題点がある。また、
1.5mm を越すと、トラベラの脚部とリング本体の上面と
の距離が大きくなり、運転を停止した時に、糸がトラベ
ラの脚先から離れ、再始動時に糸がトラベラの脚先から
外れて紡出出来ないという問題点がある。
【0018】さらに、上記構成において、トラベラ走行
面の曲率半径R 2 を30〜40mmの円弧面により形成した
が、30mm未満では、トラベラ走行面に対するトラベラの
脚部の接触面積が小さくなり、トラベラの滑走姿勢が前
傾し易くなり、トラベラに局部摩耗を生じる。このた
め、高速紡出が出来なくなるという問題点がある。ま
た、40mmを越すと、トラベラ走行面に対するトラベラの
脚部の接触面積が大きくなり、高速紡出が出来なくなる
という問題点がある。
【0019】なお、トラベラ走行面の曲率半径R 2 を30
〜40mmとすることにより、トラベラ走行面に対するトラ
ベラの脚部の接触面積が最良の大きさとなり、トラベラ
の単位面積当たりの接圧が小さくなり、トラベラの摩耗
及びトラベラの焼けが減少する。
【0020】トラベラ走行面を構成する円弧面の両端の
点O−P間を結ぶ弦Yとトラベラ走行部の頂部における
水平線Xとのなす角αを53°〜60°としたが、角αを53
°未満とすると、紡出中にトラベラが沈み易くなり、ト
ラベラの脚先が取付け部の上面に当たって、トラベラの
異常滑走の原因となったり、リング頂部とトラベラ頭部
との間に糸が挟まれる、所謂トラッピング現象を生じ、
糸切れを発生したり、糸毛羽を発生するという問題点が
ある。
【0021】また、角αが60°を越すと、トラベラの単
位面積当たりの接圧が大きくなり、トラベラの摩耗及び
トラベラの焼けが増大するという問題点がある。
【0022】トラベラ外れ防止部の底面とトラベラ走行
部の頂部における水平線Xとのなす角βを25°〜45°と
したが、角βを25°未満とすると、トラベラ外れ防止部
の突端部がトラベラの脚部と接触し易くなり、トラベラ
の異常滑走の原因となったり、トラベラ脚部の局部摩耗
の原因となるという問題点がある。
【0023】また、角βが45°を越すと、運転中にトラ
ベラが外れ易くなるという問題点がある。
【0024】トラベラ走行面を構成する円弧面の両端の
点O−P間を結ぶ弦Yとトラベラ外れ防止部の外側面と
の夾角θを 6°〜20°としたが、夾角θを 6°未満とす
ると、トラベラの突端部の深さWが浅くなり、運転中に
トラベラが外れ易くなるという問題点がある。
【0025】また、夾角θが20°を越すと、トラベラの
脚部がトラベラ外れ防止部の突端部に接触し易くなり、
トラベラの異常滑走の原因となったり、トラベラ脚部の
局部摩耗の原因となるという問題点がある。
【0026】なお、深さWはトラベラの外れ及びトラベ
ラとリングとの接触を防止することを考慮して、1.0mm
〜1.6mm とするのが好ましいものである。
【0027】
【発明の実施の形態】本発明の紡機用リングの実施の形
態の一つについて説明する。
【0028】本発明の紡機用リング1は、トラベラ走行
面2が内方で、且つ上方に向け傾斜するように形成され
たトラベラ走行部3と、外周面にリングレールへの取付
け部4を有し、且つ上部において上記トラベラ走行部3
と一体的に形成されたリング本体5とから構成されてい
る。
【0029】トラベラ走行部3は、上部外側に設けられ
たトラベラ外れ防止部6と、上記トラベラ外れ防止部6
とリング本体5の上部とを結ぶネック部7、及び内側に
形成され、且つ上記トラベラ外れ防止部6とネック部7
にわたる円弧面により形成されたトラベラ走行面2とか
ら構成され、頂部11に水平な平面を有する円錐台状に
形成されている。
【0030】また、リング本体5は、上部内側に糸外れ
防止用の縁部8を有し、外周面にリングレールへの取付
け部4を有する円筒状に構成されている。
【0031】トラベラ走行部3の断面形状において、ト
ラベラ走行部3の内側に形成されたトラベラ走行面2を
構成する円弧面は、曲率半径R 2 が30〜40mm有してい
る。
【0032】トラベラ走行部3の外側に形成されたトラ
ベラ外れ防止部6は、外側に向け突出する顎部9を有
し、上記顎部9の突端部10より水平な平面により形成
された頂部11に向け先細りと成るように傾斜した外側
面12有し、上記外側面12と頂部11を0.8mm 〜1.5m
m の曲率半径R3 をもった円弧面により接続して形成し
ている。
【0033】そして、上記トラベラ走行面2と頂部11
は、曲率半径R1 が0.7mm 〜1.5mmを有する円弧面によ
り接続されている。
【0034】また、上記トラベラ走行面2を構成する円
弧面の両端の点O−P間を結ぶ弦Yとトラベラ走行部3
の頂部11における水平線Xとのなす角αは53°〜60°
と成るように構成され、トラベラ外れ防止部6を構成す
る顎部9の底面13とトラベラ走行部3の頂部11にお
ける水平線Xとのなす角βは25°〜45°と成るように構
成されている。
【0035】さらに、トラベラ走行面2を構成する円弧
面の両端の点O−P間を結ぶ弦Yとトラベラ外れ防止部
6を構成する頂部11に向け先細りと成るように傾斜し
た外側面12との夾角θは 6°〜20°となるように構成
されている。
【0036】上記のように形成されたトラベラ走行部3
とリング本体5は、リング本体5の上面とトラベラ走行
部3のネック部7の下面がネック部7の下部内側におい
て、0.8mm 〜1.5mm の曲率半径R4 を有する円弧面によ
り接続され、リング本体5の内側上部には糸外れ防止用
の縁部8が設けられている。
【0037】本発明の紡機用リング1を使用すると、ト
ラベラ走行面2と頂部11とを、曲率半径R1が0.7mm〜
1.5mmを有する円弧面により接続したから、トラベラ走
行面2の上部に設けられた上記円弧面とトラベラ頭部の
糸通過部との間に形成される糸道が狭くならず、リング
とトラベラ間に糸が挟まれて、糸切れを生じることがな
い。
【0038】さらに、上記トラベラ走行面2を構成する
円弧面の両端の点O−P間を結ぶ弦Yとトラベラ走行部
3の頂部11における水平線Xとのなす角αを53°〜60
°とし、トラベラ外れ防止部6を構成する顎部9の底面
13とトラベラ走行部3の頂部11における水平線Xと
のなす角βを25°〜45°とし、且つトラベラ走行面2を
構成する円弧面の両端の点O−P間を結ぶ弦Yとトラベ
ラ外れ防止部6を構成する頂部11に向け先細りと成る
ように傾斜した外側面12との夾角θを 6°〜20°とな
るように構成したから、トラベラの滑走中において、ト
ラベラの沈みがなく、トラベラのリングに対する好まし
い接圧が得られ、しかもトラベラの脚部とトラベラ走行
部3の顎部9との接触によるトラベラの異常滑走が発生
せず、またトラベラ外れも生じない。
【0039】上記のように、糸道の減少及びトラベラ沈
みを防止することにより、糸毛羽の発生や、ポリエステ
ル糸等の合繊糸の紡出において発生する溶融糸等の糸の
損傷がなく、品質の良好な糸の紡出ができる。
【0040】しかも、リングとトラベラ間の接触面積を
増加し、トラベラ走行面を適切な傾斜角とすることによ
り、トラベラの単位面積当たりの接圧が減少し、且つト
ラベラの異常滑走が発生しないため、トラベラの局部的
な摩耗及びトラベラ焼けが少なくなり、トラベラの寿命
が大幅に延長されると共に、紡出速度の高速化が可能と
なる。
【0041】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。
【0042】(実施例1)図1は本発明の紡機用リング
の一実施例を示す一部破断正面図であり、図2は本発明
の紡機用リングの要部切断端面図である。
【0043】図1に示すように、本発明の紡機用リング
1は、全高が19mmを有しており、上部にトラベラ走行部
3を有し、且つ下部に上記トラベラ走行部3と一体的に
形成されたリング本体5とを有する円筒体により構成さ
れている。
【0044】上記構成において、トラベラ走行部3は図
1及び図2に示すように、トラベラ外れ防止部6とトラ
ベラ外れ防止部6の下方に連続して設けられたネック部
7とから構成され、上記トラベラ走行部3の内周面側に
は、トラベラ外れ防止部6からネック部7にわたって形
成された、曲率半径R2 =30mmを有する円弧面より成る
トラベラ走行面2を有し、また、外周面側に設けられた
トラベラ外れ防止部6は、外側に向け突出する顎部9
と、上記顎部9の突端部10より頂部11に向け先細り
と成るように傾斜した外側面12とから形成され、さら
にトラベラ外れ防止部6の上部には、水平な平面より成
る頂部11が形成されている。
【0045】上記トラベラ走行面2は、トラベラ走行面
2を構成する円弧面の両端の点O−P間を結ぶ弦Yと頂
部11における水平線Xとのなす角αが57°となるよう
に、内方で且つ上方に向け傾斜するように形成されてい
る。
【0046】上記トラベラ外れ防止部6は、顎部9の突
端部10が曲率半径R5 =0.3mm を有する円弧面で形成
され、顎部9の底面13と頂部11における水平線Xと
のなす角βが32°と成るように形成され、またトラベラ
走行面2を構成する円弧面の両端の点O−P間を結ぶ弦
Yと顎部9の突端部10より頂部11に向け先細りと成
るように傾斜した外側面12との夾角θが 9°となるよ
うに形成されると共に、顎部9の底面13とネック部7
は曲率半径R6 =0.4mm を有する円弧面で接続されてい
る。
【0047】なお、上記曲率半径R6 は0.2mm 〜0.8mm
とするのが好ましく、0.2mm より小さいと加工が困難と
なり、また0.8mm より大きくするとトラベラの脚先が、
トラベラの走行中に円弧面に接触し、トラベラの異常滑
走の原因となる。
【0048】また、上記トラベラ走行面2と頂部11と
は曲率半径R1 =0.8mm を有する円弧面により接続さ
れ、頂部11と外側面12とは曲率半径R3 =1.0mm を
有する円弧面により接続されている。
【0049】さらに、上記トラベラ外れ防止部6の顎部
9の突端部10はトラベラ走行面2を構成する円弧面の
両端の点O−P間を結ぶ弦Yの高さh=約4.8mm におい
て、その上部即ち点Oから約1/3 の範囲内に位置するよ
うに構成されている。
【0050】なお、トラベラ走行面2を構成する円弧面
の両端の点O−P間を結ぶ弦Yと顎部9の突端部10と
の距離A及びネック部7の外側の面と顎部9の突端部1
0との距離Wはそれぞれ距離A=1.9mm 及び距離W=1.
3mm となるように形成されているが、上記距離A及び距
離Wはネック部7の厚さが0.5mm 〜1.0mm と成るように
構成すればよい。
【0051】ネック部7の厚さが0.5mm より小さくなる
と熱処理時にリングが変形したり、ネック部7が割れた
りすることが有り、厚さが1.0mm を越えると顎部9の深
さが小さくなり、トラベラ外れを起こす恐れがある。
【0052】リング本体5は、上部内側に糸外れ防止用
の縁部8を有し、外周面にリングレールへの取付け部4
を有する円筒状に構成されている。
【0053】上記のように形成されたトラベラ走行部3
とリング本体5は、トラベラ走行面2の下端部と糸外れ
防止用の縁部8の上面との間を曲率半径R4 =0.9mm の
円弧面により接続して、一体に構成している。
【0054】また、上記構成において、トラベラ走行部
15の内径部と外径部の距離Bは約3.0mm であり、トラ
ベラ走行部15の頂部21と顎部19の底面23の高さ
Hは約3.1mm に形成されている。
【0055】(実施例2)図2に示すように、本発明の
紡機用リング14は、実施例1と同様に形成され、上部
にトラベラ走行部15を有し、且つ下部に上記トラベラ
走行部15と一体的に形成されたリング本体24を有す
る円筒体により構成されている。
【0056】上記構成において、トラベラ走行部15は
トラベラ外れ防止部16とトラベラ外れ防止部16の下
方に連続して設けられたネック部17とから構成され、
上記トラベラ走行部15の内周面側には、トラベラ外れ
防止部16からネック部17にわたって形成された、曲
率半径R2 =40mmを有する円弧面より成るトラベラ走行
面18を有し、また、外周面側に設けられたトラベラ外
れ防止部16は、外側に向け突出する顎部19と、上記
顎部19の突端部20より頂部21に向け先細りと成る
ように傾斜した外側面22とから形成され、さらにトラ
ベラ外れ防止部16の上部には、トラベラ走行面18と
トラベラ外れ防止部16の外側面22とを曲率半径R1
=0.7mm を有する円弧面により接続して形成した頂部2
1が設けられている。
【0057】上記トラベラ走行面18は、トラベラ走行
面18を構成する円弧面の両端の点O−P間を結ぶ弦Y
と頂部21における水平線Xとのなす角αが約54°とな
るように、内方で且つ上方に向け傾斜するように形成さ
れている。
【0058】トラベラ外れ防止部16は、顎部19の突
端部20が曲率半径R5 =0.4mm を有する円弧面で形成
され、顎部19の底面23と頂部21における水平線X
とのなす角βが35°と成るように形成され、またトラベ
ラ走行面18を構成する円弧面の両端の点O−P間を結
ぶ弦Yと顎部19の突端部20より頂部21に向け先細
りと成るように傾斜した外側面22との夾角θが12°と
なるように形成されると共に、顎部19の底面23とネ
ック部17は曲率半径R6 =0.3mm を有する円弧面で接
続されている。
【0059】さらに、上記トラベラ外れ防止部16の顎
部19の突端部20はトラベラ走行面18を構成する円
弧面の両端の点O−P間を結ぶ弦Yの高さh=約3.5mm
において、その上部即ち点Oから約1/5 の位置になるよ
うに構成されている。
【0060】なお、トラベラ走行面18を構成する円弧
面の両端の点O−P間を結ぶ弦Yと顎部19の突端部2
0との距離A及びネック部7の外側の面と顎部19の突
端部20との距離Wはそれぞれ距離A=1.8mm 及び距離
W=1.2mm となるように形成されている。
【0061】リング本体16は、上部内側に糸外れ防止
用の縁部8を有し、外周面にリングレールへの取付け部
4を有する円筒状に構成されている。
【0062】上記のように形成されたトラベラ走行部1
5とリング本体16は、トラベラ走行面18の下端部と
糸外れ防止用の縁部8の上面との間を曲率半径R4 =1.
0mmの円弧面により接続して、一体に構成している。
【0063】なお、上記構成において、トラベラ走行部
15の内径部と外径部の距離Bは約2.9mm であり、トラ
ベラ走行部15の頂部21と顎部19の底面23の高さ
Hは約3mm に形成されている。
【0064】
【発明の効果】本発明の紡機用リングは、上記のように
トラベラ走行面の曲率半径R 2 を30mm〜40mmとし、且つ
トラベラ走行面の傾斜角αを53°〜60°に形成したか
ら、トラベラ走行面に対するトラベラの接圧が適正とな
るため、トラベラの滑走姿勢が安定し、トラベラの前傾
が少なくなり、従ってトラベラ走行部の上部とトラベラ
頭部との間に形成される糸道が確保され、リングとトラ
ベラ間に糸が挟まれて、糸切れを生じることがない。
【0065】また、トラベラ走行面の傾斜角αを53°〜
60°、トラベラ外れ防止部における顎部の底面の傾斜角
βを25°〜45°、トラベラ走行面とトラベラ外れ防止部
における外側面との夾角θを25°〜45°としたので、ト
ラベラ走行面に対するトラベラの接圧が適正となり、ト
ラベラの沈みが発生せず、しかもトラベラの脚部がトラ
ベラ外れ防止部の顎部に接触しないため、トラベラの異
常滑走やトラベラ外れが発生しない。
【0066】上記のように、リングとトラベラ間に糸が
挟まれたり、トラベラの沈みやトラベラの異常滑走或い
はトラベラ外れがないため、紡出糸の糸毛羽やネップの
発生が少なくなり、またポリエステル糸等の合繊糸の紡
出において、溶融糸の発生や糸の損傷がないという、品
質の良好な糸の紡出ができるという優れた効果を有して
いる。
【0067】さらに、トラベラの単位面積当たりの接圧
が減少し、しかもトラベラの異常滑走が発生しないた
め、トラベラの局部的な摩耗及びトラベラ焼けが少なく
なり、トラベラの寿命が大幅に延長されると共に、リン
グの異常摩耗も減少するので、紡機の紡出速度の高速化
が可能になるという優れた効果を有する発明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の紡機用リングの一実施例を示す一部破
断正面図である。
【図2】図1に示される紡機用リングの要部切断端面図
である。
【図3】本発明の紡機用リングの他の実施例を示す要部
切断端面図である。
【図4】従来の紡機用リングを示す要部切断端面図であ
る。
【図5】従来の異なる紡機用リングを示す要部切断端面
図である。
【符号の説明】
1、14 紡機用リング 2、18、26 トラベラ走行面 3、15 トラベラ走行部 4 取付け部 5、24 リング本体 6、16 トラベラ外れ防止部 7、17 ネック部 8 縁部 9、19 顎部 10、20 突端部 11、21、27 頂部 12、22 外側面 13、23 底面 25 傾斜フランジ 28 隆起部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D01H 7/60

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トラベラ走行部とリング本体とから構成さ
    れ、トラベラ走行部が内方で、且つ上方に向け傾斜する
    ようにリング本体の上部に一体的に形成された紡機用リ
    ングにおいて、トラベラ走行部の断面形状が、内側に曲
    率半径R 2 が30〜40mmの円弧面により形成されたトラベラ
    走行面を有し、外側に頂部に向け先細りとなした略楔形
    形状に形成されたトラベラ外れ防止部を有し、かつ上記
    トラベラ走行面とトラベラ外れ防止部とを曲率半径R 1
    が0.7〜1.5mmを有する円弧面により接続された構成を有
    しており、上記トラベラ走行面を構成する円弧面の両端
    を結ぶ弦Yとトラベラ走行部の頂部における水平線Xと
    のなす角αが53°〜60°であり、トラベラ外れ防止部の
    底面とトラベラ走行部の頂部における水平線Xとのなす
    角βが25°〜45°であると共に、弦Yとトラベラ外れ防
    止部の外側面との夾角θが6°〜20°となるように構成
    され、さらにトラベラ外れ防止部を構成する顎部の突端
    部の曲率半径R 5 が0.2〜1.0mmを有する円弧面により形
    成したことを特徴とする紡機用リング。
  2. 【請求項2】トラベラ外れ防止部を構成する底面とトラ
    ベラ走行部の頂部との間の高さHが2.5〜3.5mmである請
    求項1記載の紡機用リング。
  3. 【請求項3】トラベラ外れ防止部の突端部とトラベラ走
    行部の最内径部との距離Bが2.5〜3.5mmである請求項1
    又は請求項2記載の紡機用リング。
  4. 【請求項4】トラベラ外れ防止部の頂部を水平な平面に
    より構成し、上記平面部とトラベラ外れ防止部を構成す
    る外側面とを曲率半径R3が0.8〜1.5mmの円弧面により
    接続してなる請求項1、請求項2又は請求項3記載の紡
    機用リング。
  5. 【請求項5】トラベラ外れ防止部を構成する顎部の突端
    部の位置が上記トラベラ走行面を構成する円弧面の両端
    を結ぶ弦Yの高さhの上部から1/2〜1/5の範囲内にある
    ように構成した請求項1、請求項2、請求項3又は請求
    項4記載の紡機用リング。
  6. 【請求項6】トラベラ走行面とリング本体とを曲率半径
    4が0.8〜1.5mmの円弧面により接続してなる請求項
    1、請求項2、請求項3、請求項4又は請求項5記載
    紡機用リング。
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