JP3107586B2 - マンノシルテイコプラニン誘導体及びマンノシルテイコプラニンアグリコンの製造方法 - Google Patents
マンノシルテイコプラニン誘導体及びマンノシルテイコプラニンアグリコンの製造方法Info
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Description
−D−2−デオキシ−2−アミノ−グルコピラノシル、
N−(8−メチル−ノナノイル)−β−D−2−デオキシ
−2−アミノ−グルコピラノシル、N−デカノイル−β
−D−2−デオキシ−2−アミノ−グルコピラノシル、
N−(8−メチル−デカノイル)−β−D−2−デオキシ
−2−アミノ−グルコピラノシル、N−(9−メチル−
デカノイル)−β−D−2−デオキシ−2−アミノ−グ
ルコピラノシル又は水素であり、R1はN−アセチル−
β−D−2−デオキシ−2−アミノ−グルコピラノシル
又は水素であり、R2はα−D−マンノピラノシルであ
り、但し、Rが水素であるときにのみR1は水素を表す
ものとし、YはCOOHである、のテイコプラニン(te
icoplanin)誘導体及びその製薬学的に許容しうる付加
塩を製造する方法であって、R及びR1が上記のとおり
であり、そしてR2が水素である式(I)のテイコプラニ
ン誘導体を、アクチノプラネス・テイコミセチクス(Ac
tinoplanes teichomyceticus)ATCC 31121の
培養物、D−マンノース部分と該テイコプラニン出発物
質のヒドロキシル基との間のグリコシド結合を形成する
という同じ性質を示すその天然の突然変異体(mutant
s)もしくはその変異体(variants)、洗浄された菌糸
体(mycelium)又は細胞を含まないその調製物を用いる
微生物学的変換に付すことを特徴とする方法に関する。
原子であり、R2がα−D−マンノピラノシルでありそ
してYがCOOHである上記式(I)の化合物に関する。
本発明のマンノシルテイコプラニン誘導体は抗生物質と
して活性な化合物である。
・テイコミセチクス nov.sp.ATCC 31121
(Actinoplanes teicomyceticus nov.sp.ATCC 31121)
を、同化可能な炭素源、窒素源及び無機塩を含有する培
養培地中で培養することにより生産される抗生物質であ
る。
にテイコマイシンと呼ばれた3種の主因子(A1、A2及
びA3)の混合物であった(米国特許第4,239,751
号)。
より得られそしてグラム陽性菌により引き起こされる感
染症の処理での化学療法的使用に適したもっと最近のテ
イコプラニン調製物[エー・エイチ・ウイリアムス等.:
ジャーナル・オブ・ホスピタル・インフェクション(1
986)、7、補遣・A、101−103(Journal ofHo
spital Infection(1986); 7,Suppl.A, 102-103); デー
・グリーンウッド:ジャーナル・オブ・アンチマイクロ
バイアル・ヘモセラピー(1988)、21、補遣・A、
1−13(Journal of Antimicrobial Chemothera
py(1988);21,Suppl.A,1−13)]は、5種の
構造的に密接に関連した物質の複合体を主成分として含
有する。この複合体は、最初、全体としてテイコマイシ
ン因子A2と呼ばれた。上記の5種の密接に関連した物
質は、引き続いて単離されそして複合体の個々の成分と
して特徴付けられた。この複合体は、その後最近では科
学誌及び特許文献において、“テイコプラニンA2"又は
“テイコプラニン複合体"と命名されたり呼ばれたりし
た。
来の名称:TA2−1、TA2−2、TA2−3、TA
2−4及びTA2−5)は、Rが、それぞれ、TA2−
1): N−(Z−4−デセノイル)−β−D−2−デオキ
シ−2−アミノ−グルコピラノシル、TA2−2): N
−(8−メチル−ノナノイル)−β−D−2−デオキシ−
2−アミノ−グルコピラノシル、TA2−3): N−デ
カノイル−β−D−2−デオキシ−2−アミノ−グルコ
ピラノシル、TA2−4): N−(8−メチル−デカノ
イル)−β−D−2−デオキシ−2−アミノ−グルコピ
ラノシル、TA2−5): N−(9−メチル−デカノイ
ル)−β−D−2−デオキシ−2−アミノ−グルコピラ
ノシル、であり、R1が、N−アセチル−β−D−2−
デオキシ−2−アミノ−グルコピラノシルであり、R2
が、α−D−マンノピラノシルであり、YはCOOHで
ある、上記一般式(I)により表すことができる。
れの割合は、ヨーロッパ特許第204179号に記載の
如く、発酵条件及び発酵培地に加えられた前駆体によっ
て変動しうる。
ン(デグルコテイコプラニン、L17392)が記載され
ている。このアグリコンは、従来頭文字TDを持った名
称とされ、そして、本発明の方法の出発物質の1つ、即
ち、R=R1=R2=水素であり、Y=COOHである上
記式(I)の化合物及び2種のプソイドアグリコン(pseud
o aglycones)、即ち、化合物L17054[式(I)で、
R=水素であり、R1=N−アセチル−β−D−2−デ
オキシ−2−アミノ−グルコピラノシルであり、R2=
α−D−マンノピラノシルであり、Y=COOHであ
る、従来頭文字TBを持った名称とされた式(I)の化合
物]、及び化合物L17046[式(I)において、R=R
2=水素であり、R1=N−アセチル−β−D−2−デオ
キシ−2−アミノ−グルコピラノシルであり、Y=CO
OHである、従来頭文字TCを持った名称とされた式
(I)の化合物]であり、これも本発明の方法の出発物質
の1つである。テイコプラニンの上記の誘導体は、テイ
コプラニン複合体又はその個々の主成分を適当な酸加水
分解条件に付すことにより得られる。例えば、ヨーロッ
パ特許出願公開第146053号、ヨーロッパ特許第1
19575号及びヨーロッパ特許第119574号参
照。
ルグルコサミン部分(R)を置換し、より強い酸性処理は
マンノース単位(R2)を置換し、そして更なる酸性処理
は残っているN−アセチル−グルコサミン部分(R1)を
置換させてアグリコンを生じさせる。
初に糖部分Rを置換し、次いで糖部分R2及びR1(この
順序で)を置換し、従って、テイコプラニンマンノシル
アグリコン(即ち、R2がα−D−マンノピラノシルであ
り、R及びR1が水素原子である式Iの化合物)を得るこ
とが可能ではない。
シル(R2)残基が存在するが、テイコプラニン核により
強く結合しているアセチルグルコサミン(R1)残基の同
時の存在を伴わない、テイコプラニンプソイドアグリコ
ンを提供することができる方法を発見することは特に厄
介である。
る他の出発物質は、デマンノシル(de-mannosyl)テイコ
プラニン誘導体、即ち、R及びR1が上述のテイコプラ
ニン複合体におけると同じ意味を有し、そしてR2が水
素であるテイコプラニン誘導体である。これらのデマン
ノシル化(de-mannosylated)テイコプラニン誘導体は、
テイコプラニン複合体、その個々の成分の混合物及び個
々の成分を、ヨーロッパ特許出願公開第301247号
に記載の如く、ノカルディア・オリエンタリスNRRL
2450(Nocardia Orientalis NRRL 245
0)又はストレプトマイセス・カンディダス NRRL
3218(Streptomyces candidus NRRL 321
8)の培養により微生物学的に変換することにより、良
好な収率で得ることができる。
2を有する前記菌株の試料は、特許手続きの目的で微生
物の寄託の国際認識に関するブタペスト条約により確立
された条件下に、ATCC(MD 20852アメリカ
合衆国、ロックビレ、12301パークラウンドライブ
の、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション)
に1987年6月10日に再寄託されて、それぞれAT
CC番号53630及び53629を割り当てられた。
39、1986年5月、652頁には、菌株アクチノプ
ラネス・テイコミセチクス ATCC 31121を使
用して、アリデイシ(aridicin)と名付けられたグリコペ
プチド抗生物質のアグリコン及びプソイドアグリコンを
マンノシル化することができるということが述べられて
いるが、テイコプラニン基質をマンノシル化する可能性
については何等述べていない。
・テイコミセチクスは、アリデイシン及びテイコプラニ
ンについては異なる挙動を有することが開示されてい
る。例えば、該菌株は、テイコプラニン化合物を同時に
脱アシル化をもするようにはみえないとしても、アリデ
イシン基質を容易に脱アシル化することができる。
ATCC 31121は、テイコプラニン生産菌株で
あり、従って、これは、テイコプラニンアグリコン又は
プソイドアグリコンを上記菌株と接触させることによっ
て、テイコプラニン核の完全なグリコシル化が特異的マ
ンノシル化の代わりに起こるということを、当業者に示
唆しえた。
は、RがそれぞれN−(Z−4−デセノイル)−β−D−
2−デオキシ−2−アミノ−グルコピラノシル、N−
(8−メチル−ノナノイル)−β−D−2−デオキシ−2
−アミノ−グルコピラノシル、N−デカノイル−β−D
−2−デオキシ−2−アミノ−グルコピラノシル、N−
(8−メチル−デカノイル)−β−D−2−デオキシ−2
−アミノ−グルコピラノシル、N−(9−メチル−デカ
ノイル)−β−D−2−デオキシ−2−アミノ−グルコ
ピラノシル又は水素であり、R1がN−アセチル−β−
D−2−デオキシ−2−アミノ−グルコピラノシル又は
水素であり、R2が水素であり、但し、Rが水素である
ときにのみR1は水素を表すものとし、YはCOOHで
ある、上記一般式Iにより表すことができるテイコプラ
ニン複合体、その個々の成分の任意の混合物及びその個
々の成分から選ばれる基質を、菌株アクチノプラネス・
テイコミセチクスsp.(Actinoplanes teichomyceticu
s sp.)ATCC 31121、D−マンノース部分と
該テイコプラニン出発物質のヒドロキシル基との間のグ
リコシド結合を形成するという同じ性質を示すその天然
の突然変異体(mutants)又はその変異体(varian ts)、洗
浄された菌糸体(mycelium)及び細胞を含まないその調製
物から選ばれる微生物を用いる微生物学的変換に付すこ
とにより製造される。
変異体"という用語は、親株アクチノプラネス・テイコ
ミセチクス ATCC 31121と実質的に同じ形態
的及び生理的特性を示しそしてテイコプラニン分子のヒ
ドロキシル基にD−マンノース部分を結合させるという
同じ性質を有するアクチノプラネス・テイコミセチクス
ATCC 31121の突然変異体及び変異体を表
す。本発明の好ましい態様に従えば、純粋な形態又はそ
の粗製調製物の形態にある選ばれた出発物質を、発酵条
件下に上記菌株の増殖している培養物と接触させる。
ノシルテイコプラニン化合物出発物質は、それが由来す
るテイコプラニン複合体主成分を表す慣用の名前に、そ
の前に頭文字DMを付けて以後示されるであろう。
A2−1)のデマンノシル誘導体を示し、DM−TA2
−2は、成分2(TA2−2)のデマンノシル誘導体を示
し、DM−TA2−3は、成分3(TA2−3)のデマン
ノシル誘導体を示し、DM−TA2−4は、成分4(T
A2−4)のデマンノシル誘導体を示し、DM−TA2
−5は、成分5(TA2−5)のデマンノシル誘導体を示
す。
意味を有する化合物の混合物、即ち、上記したDM−T
A2成分の混合物、により形成されるすべての場合も包
含する。
ノプラネス・テイコミセチクス ATCC 3112
1)は、テイコプラニン生産菌株でもあるので、出発物
質が個々のDM−TA2成分の1つであるならば、この
方法の最終結果は対応するTA2成分に富むということ
である。
物であるならば、最終結果は、テイコプラニン複合体の
5種のTA2主成分のすべてに富むということである。
ち、上記の頭文字TCにより定義されたプソイドアグリ
コン)が本発明の方法の出発物質として使用される場合
には、最終生成物混合物は、頭文字TBを持って上に定
義された化合物L 17054であるTA−3−1[マ
ラバルバ等、ジャーナル・オブ・アンチバイオチック
ス、XXXVII巻、9号、989−999頁(Malaba
rba et al.,Journal of Antibiotics,Vol.X
XXVII,No.9,pag.989−999)]と名付けら
れた複雑なより極性の大きいテイコプラニン状生成物に
より同伴されたテイコプラニンである。
うな混合物を得る方法も又、本発明の目的である。所望
により、得られる混合物の各個々の成分の分離は、当業
界で周知のとおり、例えば米国特許第4,542,018
号に記載の方法により、容易に行うことができる。
号に記載の如き同化可能な炭素源、窒素源及び無機塩源
を含む培地中で通常の液内好気性条件(submerged aerob
ic conditions)下に培養される。
18時間乃至培養がその最大増殖に達した時間までの様
々な時間にアクチノプラネス・テイコミセチクスsp.A
TCC 31121の培養物に加えることができるが、
接種から24−27時間後の添加が、少なくとも或る場
合には好ましい。
に出発物質を微生物培養にさらす時間は、使用する特定
の条件に依存して、4時間乃至48時間の間で変えるこ
とができる。いずれにせよ、反応は、例えば出発物質の
減少及び/又は最終生成物の増加をHPLCにより追跡
することにより、当業界で知られているように監視する
ことができるので、当業者は、反応がいつ完了したと考
えるべきかを容易に決定することができ、そして回収工
程を開始することができる。
5℃乃至35℃であり、好ましくは約28℃である。ア
クチノプラネス・テイコミセチクス sp.ATCC 3
1121の増殖している培養物を使用する代わりに、上
記の出発物質のフェノール部分とマンノース部分との間
にグリコシド結合を形成して本発明のマンノシル化され
た化合物を与えることができるその突然変異体又は変異
体の培養物を使用することができる。このような突然変
異体又は変異体を使用する本発明に従う方法は、本発明
の範囲に包含されるものとみなされる。
塩水溶液(isotonic saline solution)、好適にはNaCl
中で洗浄された、上記のマンノシル化微生物培養物の菌
糸体を使用することにより、本発明の化合物を本発明の
方法に従って製造することができる。
めることができ、そして洗浄処置は好ましくは3回繰り
返される。
容しうる培地中に再懸濁させるのが便利である。洗浄さ
れた菌糸体処置は、最適収率を維持しながら生産される
べきテイコプラニン化合物の量を増加させるために使用
することができる。
後に起こり、その結果それは菌糸体が洗浄されそして再
懸濁させられた後にのみ抗生物質の生産を開始すること
が知られている。この公知の方法により、発酵ブロス中
に存在する栄養物(nutrients)及び他の生物学的物質か
ら最終生成物を分離し、かくして回収を簡単化しそして
生成物の損失を回避することが容易である。
により細胞を含まない調製物を使用することも可能であ
る。
は、それ自体公知の方法により行なわれる。これらの公
知の方法は、溶媒による抽出、非溶媒を加えること又は
溶液のpHを変化させることによる沈でん、分配クロマ
トグラフィー、逆相分配クロマトグラフィー、イオン交
換クロマトグラフィー、アフィニティクロマトグラフィ
ー及び同様な方法を包含する。
ル−D−アラニンでのアフィニティクロマトグラフィ
ー、続いて異なるpH値での分離を含む。
ラニル−D−アラニンマトリックスは、ヨーロッパ特許
第122969号に開示されている。この回収方法にお
いて好ましいマトリックスは、制御された細孔の架橋ポ
リデキストランと結合したD−アラニル−D−アラニン
である。
置の後アフィニティクロマトグラフィーに付すことがで
きる。この後者の方法は、全培地(wholemedium)を塩基
性、好ましくはpH8.5乃至11とし、次いで、好適な
らば、ろ過助剤の存在下にろ過することを含む。
し、次いでカラムにおいて又はバッチ式で、固定化され
たD−アラニル−D−アラニンでのアフィニティクロマ
トグラフィーに付す。
結合は、好ましくは約7.0−8.0のpHでなされる
が、その溶離は、水性塩基によりもっと塩基性のpH値
(好ましくは9.0乃至10.5)で行なわれる。この水性
塩基は、随意に極性水混和性溶媒のような極性有機溶媒
の存在下に、アンモニア、揮発性アミン、アルカリ又は
アルカリ金属水酸化物又は塩基性緩衝液であることがで
きる。
肪族アルコール(メタノール、エタノール、イソプロパ
ノール、n−ブタノールのような)、アセトン、アセトニ
トリル、低級アルキルアルカノレート(酢酸エチルのよ
うな)、テトラヒドロフラン、ジオキサン及びジメチル
ホルムアミド及びその混合物であり、好ましい極性水混
和性溶媒はアセトニトリルである。
及び/又は水混和性溶媒を含有していてもよい水性緩衝
液pH4−9でカラムを洗浄することにより不純物を除
去した後、マンノシルテイコプラニン抗生物質を上記溶
離混合物で溶離する。溶離液はHPLCにより分析され
そして所望の物質を含む画分を一緒にプールする。
0−7.5に調節される。
る。
液をシラン化シリカゲルカラムに加え、蒸留水で洗浄
し、上述のような極性水混和性溶媒と水との混合物で溶
離することを含む。
ン誘導体の水性溶液を、1000ダルトン又はそれより
小さい公称分子量限界(NMWL)を有する限外ろ過膜に
よる限外ろ過により同時的濃縮/脱塩処理に付す。
凍結乾燥し、回収された物質を更に精製する。
の精製を2段階で行うのが好ましい。第1段階は、テイ
コプラニン複合体の個々の因子の分離のために米国特許
第4,542,018号に既に記載の逆相クロマトグラフ
ィー一般処理に従って行なわれる。この処理の特定の態
様に従えば、凍結乾燥から得られるマンノシルテイコプ
ラニン誘導体生成物を、アンモニウムアセトニトリル/
ホルメート混合物に溶解しそして水酸化ナトリウムによ
りpH7.5に調節しそして得られた溶液をシラン化シリ
カゲルカラムに通し、次いでカラムをギ酸アンモニウム
溶液中のアセトニトリルの線形勾配で溶離する。
質を含む画分を一緒にプールし、減圧下に蒸発させて所
望の固体物質を得る。この処理は、テイコプラニン又は
その個々の成分の混合物が出発物質として個々の成分の
代わりに使用される場合には、テイコプラニンの個々の
マンノシル誘導体の分離のためにも有用である。
使用される出発物質が十分に純粋でありそして本質的に
デマンノシルテイコプラニン混合物の個々の成分から成
る場合には省くことができる。
のアセトニトリル/ギ酸アンモニウムの2つの混合物を
使用しそしてギ酸アンモニウム中のアセトニトリルの線
形勾配を維持することにより、シラン化された化学的に
修飾されたプレパラテイブHPLCカラムでのセミプレ
パラティブHPLC(semi-preparative HPLC)を含む。
溶離された画分をHPLC分析により監視し、所望の生
成物を含む画分を一緒にプールし、有機溶媒を減圧下に
蒸発させ、次いで水性溶液を上述の如き限外ろ過により
同時的濃縮/脱塩に付す。限外ろ過から得られる溶液を
次いで凍結乾燥して所望の純粋な生成物を得る。
は、多くの広く拡散した感染症の原因となるグラム陽性
菌に対して活性である。
及びR1が水素原子であり、R2がα−D−マンノピラノ
シルであり、そしてYがCOOHである式(I)の化合物
(慣習的にMTDと称する)である。
なる微生物培養物での標準希釈試験により試験管内で証
明することができる。
ンアグリコン(MTD)の抗バクテリア活性は、驚くべき
ことに、他の公知のテイコプラニンのプソイドアグリコ
ン、即ち、3つの特徴的な糖部分の少なくとも1つを有
するテイコプラニンの他の誘導体、の抗バクテリア活性
よりも高い。
地及び生育条件は、下記のとおりであった。ブドウ球菌
(Staphylococci)、大便連鎖球菌(Strp.faecalis)及びグ
ラム陰性菌(大腸菌(Escherichia coli))では、イソセン
シテスト・ブロス(Isosensitest broth)(オキソイド)(O
xoid)、24時間; 他のレンサ球菌の種では、トッド−
ヘウィット・ブロス(Todd-Hewitt broth)、24時間;
淋菌(Neisseria gonorrhoeae)では、CO2に富んだ雰囲
気で、GC塩基ブロス(GC base broth)(ディフコ)+1
%イソビタレックス(Isovitalex)(BBL)、48時間; ヘ
モフィルス・インフルエンザ:Haemophilus influenzae)
では、ブレインハート・ブロス(Brain Heart broth)(デ
ィフコ)+1%サプルメントC(Supplement C)(ディフ
コ)、48時間であり、接種物は、ブロス希釈MICsに
ついて約104−105コロニー形成単位/mlであった。
び他のプソイドアグリコンのいくつかの微生物に対する
最小阻止濃度(MIC、μg/ml)を表Iに示す。
酸及び塩基性基を有しそして慣用の手順に従って有機及
び無機対イオンとの塩を形成することができる。
塩には、例えば、塩化水素酸、臭化水素酸、硫酸、リン
酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、コハク
酸、クエン酸、アスコルビン酸、乳酸、マレイン酸、フ
マル酸、パルミチン酸、コール酸、パモ酸、粘液酸、グ
ルタミン酸、ショウノウ酸、グルタル酸、グリコール
酸、フタル酸、酒石酸、ラウリン酸、ステアリン酸、サ
リチル酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ソ
ルビン酸、ピクリン酸、安息香酸、ケイヒ酸及び同様な
酸の如き有機酸及び無機酸との標準的反応により形成さ
れた塩を包含する。
水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウ
ム、水酸化バリウムの如きアルカリ金属又はアルカリ土
金属水酸化物; アンモニア及び脂肪族、環状脂肪族又
は芳香族有機アミン、例えばメチルアミン、ジメチルア
ミン、トリメチルアミン及びピコリンである。
への転化及びその逆、即ち、本発明の化合物の付加塩の
非塩形態への転化は、通常の技術的熟練の範囲内にあり
そして本発明により包含される。
コンは、非塩形態を水性溶液に溶解させ、そして僅かに
モル過剰の選ばれた酸又は塩基を加えることにより、対
応する酸又は塩基付加塩に転化することができる。得ら
れる溶液又は懸濁液を次いで凍結乾燥して、所望の塩を
回収する。
溶性である場合には、化学量論的量又は僅かにモル過剰
の選ばれた酸又は塩の添加後非塩形態の有機溶液からろ
過により回収される。
ム及びバリウム塩が包含される。
酸又は塩基塩から、これを中和して非塩形態を遊離させ
ることにより生成させることができる。
要な場合には、普通の脱塩処理を使用することができ
る。
on-functionalized)ポリスチレン、アクリル及び制御さ
れた細孔のポリデキストラン樹脂(セファデツクスLH
20の如き)又は活性炭でのカラムクロマトグラフィー
を都合良く使用することができる。所望されない塩を水
性溶液で溶離した後、50;50から約100%アセト
ニトリルまでのアセトニトリル/水の如き、水と極性又
は非極性有機溶媒との混合物の線形勾配又は段階勾配に
よって、所望の生成物を溶離させる。
許容しうる酸(又は塩基)又は製薬学的に許容されない酸
(又は塩基)との塩形成は、便利な精製技術として使用す
ることができる。形成及び単離の後、マンノシルテイコ
プラニンアグリコンの塩形態を、対応する非塩形態又は
製薬学的に許容しうる塩形態に転化することができる。
一般に、抗バクテリア処理のために、マンノシルテイコ
プラニンアグリコン及びその非毒性の製薬学的に許容し
うる塩又はその混合物は、局所的又は非経口的などの種
々の経路により投与することができる。非経口的投与
は、一般に、好ましい投与経路である。
の懸濁液、溶液又は乳液の如き形態を取ることができ、
そして懸濁化剤、安定剤及び/又は分散剤の如き補助剤
を含有することができる。
なビヒクルを投与時点で加えて再構成するための粉末の
形態にあってもよい。
投与形態に処方することができる。或る場合には、経口
投与用の腸溶性被覆投与形態に本発明の化合物を処方す
ることが可能であり、これは、当業界で公知の如くして
[例えば、合衆国、ペンシルバニア州、イーストンの、
マック・パブリッシング・カンパニーの“レミントンズ
・ファーマシューテイカル・サイエンシズ"、第15版
(“Remington′s Pharmaceutical Sciences", fifteent
h edition, Mack Publishing Company, Easton, Pennsy
lvania, USA,page 1614)参照]製造することができる。
らないで、腸管での抗バクテリア物質の吸収が特に望ま
れる場合である。
るべき対象の大きさ及び状態、投与の経路及び頻度及び
関与する作因の如き種々のファクターに依存する。
しうる塩は、一般に、患者の体重1kg当たり約0.5mg
乃至50mgの日用量で有効であり、場合によりこれは1
日当たり1乃至4回の投与に分割されていてもよい。
mg乃至約2,000mgを含有する投与単位として調製さ
れたものである。
ulations)は、当業界で公知のように、種々の機構及び
方法に基づいて製造することができる。
配合物を製造するための好ましい方法は、水性媒体又は
油性媒体中に懸濁させた抗生物質の水に不溶性形態の使
用を伴う。
のマンノシル抗生物質及びその無毒性塩は、動物成長促
進因子として、即ち、肉又は乳生成動物の飼料効率を増
加させるのに使用することができる。
料中にいれて経口的に投与される。使用される正確な濃
度は、普通の量の飼料が消費されるとき成長促進有効量
の活性物質を与えるのに必要な濃度である。
くは、活性化合物を有効量含有する適当な飼料プレミッ
クスを製造すること及び完全な1日分の配給量(complet
e ration)となるようにプレミックスを配合することに
より達成される。
料補充物を飼料にブレンドすることができる。
給物を製造しそして投与することができる方法は、参考
書[“アプライド・アニマル・ヌトリッション"、ダブリ
ュ・エイチ・フリーダム・アンド・カンパニー、合衆
国、サンフランシスコ、1969(“Applied Animal Nu
trition", W.H. Freedam and CO., S.Francisco, USA,1
959)又は“ライブストック・フィーズ・アンド・フィー
ディング" オー・アンド・ビー・ブックス、合衆国、
オレゴン州、コルバリス、1977(“Livestock Feeds
and Feeding" O and B books,Corvallis, Oregon, US
A, 1977)]に記載されておりそして参照により本明細書
での説明に代える。
が、本発明を限定するものとみなすべきではない。
詳細な説明 1.テイコプラニンマンノシル−アグリコンの製造 凍結乾燥したアクチノプラネス・テイコミセチクス A
TCC 31121の入っているバイアルを開き、そし
て微生物をオートミール・アガーの傾斜培養基(slant)
に無菌的に移した。28℃で7日間のインキュベーショ
ンの後、培養物を蒸留水に懸濁させ、そして下記の組成
を持った栄養培地S/bis(vegetative medium S/bi
s) 100mlが入っている2つのエルレンマイヤーフラ
スコ中に接種した。
で28℃で48時間インキュベーシヨンした。得られる
培養物を、各々5mlの幾つかの部分に小分けして、凍結
させそして更なる使用のために貯蔵した。
して栄養培地S/bis100mlの入っている500mlの
エルレンマイヤーフラスコに接種した。培養物を200
rpm及び5cm行程のシェーカーで48時間28℃でイン
キュベーシヨンした。
有する500mlフラスコ中の製造培地C100mlに接種
した。
種の48時間後、菌糸体を遠心分離により集めそして5
00mlの無菌食塩水で3回洗浄した。次いで細胞をテイ
コプラニンアグリコン200mgを含む無菌食塩水1リッ
トル中に懸濁させそして10個のフラスコ(各100ml)
中に分配した。200rpmでの回転シェーカーで24時
間28℃で変換を行った。
地を、1NNaOHの添加によりpH10.5にし、次い
でろ過助剤の存在下にろ過した。ろ過したブロスのpH
を1NHClの添加により7.5に調節し、そしてそれ
にセファロース−ε−アミノカプロピル−D−アラニル
−D−アラニンアフィニテイ樹脂(ヨーロッパ特許第1
22969号)50mlを加えた。
を消尽したブロスから分離し、クロマトグラフィーカラ
ムに注いだ。カラムを、樹脂の5倍の容量のトリス−H
Cl緩衝液(0.05M、pH7.5)で洗浄し、次いで樹脂
の1倍の容量のトリス塩基溶液(0.05M)で洗浄し
た。各々10mlの幾つかの画分を集めることにより、1
%水酸化アンモニウムの溶液により樹脂を溶離した。画
分をギ酸で中和し、HPLCにより分析した。HPLC
分析は下記の条件下に行った。
レット・パッカード・モデル1084B(Hewlett Packa
rd model 1084 B)、カラム: エルバシル(Erbasil)C−
18、5マイクロメートル、4.6×150mm、移動
相: A)CH3CN:NaH2PO4(0.02M)、5:9
5、B)CH3CN:NaH2PO4(0.02M)、75:2
5、勾配プロフィルは下記のとおりである 流速:1.5ml/分注入: 例えば、H2O又はH2O:CH
3CN、1:1中約1mg/mlで検査される物質の溶液20
マイクロリットル上記の条件下に、テイコプラニンアグ
リコンは12.80分の保持時間(Rt)を示し、一方、テ
イコプラニンマンノシル−アグリコンは、11.1分の
Rtを示した。
カラムからの画分を一緒にし(約60ml)、次いで、10
00ダルトンの公称分子量限界(NMWL)を持った限外
ろ過膜を支持している60mmアミコン(AMICON)限
外ろ過セルを使用することにより、限外ろ過により濃縮
した。溶液の容積を約5mlに減少させ、残留物を凍結乾
燥して粗製生成物252mgを得た。
ティブHPLCにより更に精製した。
254nmに設定された吸光度紫外線検出器モデル440
及び溶媒プログラマーモデル660を備えた水液体クロ
マトグラフ。
AR LiChrosorb)RP−18、7マイクロメート
ル、250×10mm(メルク)、移動相 : A)水性(2g/l)HCOONH4/CH3CN(9:1)、 B)水性(2g)HCOONH4/CH3CN(3:7)、勾配 : 45分間でB5%からB45%までの線形、流速 : 6ml/分、注入 : 各時間にA2mlに溶解した生成物10mg、 クロマトグラフィープロフイルにより同定されたテイコ
プラニンマンノシル−アグリコンを含む溶離液の部分を
集めた。
過から回収した全粗製生成物に適用し、そして溶離液部
分を一緒にし(全体として165ml)そして有機溶媒を真
空下に蒸発させた。マンノシルアグリコンの残りの水性
溶液を、同じ条件下に限外ろ過により約5mlに濃縮及び
脱塩し、残りの溶液を凍結乾燥して、純粋なマンノシル
アグリコン,即ち、Rが水素であり、R1が水素であり、
R2がα−D−マンノピラノシルであり、そしてYがC
OOHである、上記式Iの化合物114mgを得た。
コンの1H−NMRを、アレープロセッサ、250MH
zの磁石及びコンピュータ処理されたコンソールアスペ
クト3000を備えたブルーカー(Bruker)モデルAM
−250を使用することにより記録した。標準としてT
MSにより、25℃でDMSO−d6溶液中のプロトンに
ついてスペクトルを得た。
と比較してMTDの最も重要なシグナルは、表IIに報
告される。マンノシルテイコプラニンアグリコンの紫外
線データは、表IIIに報告される。
ンの高速原子衝撃質量スペクトル(FAB)は、FABソ
ースを備えたVG装置モデル70−70EQにより記録
された。Ar原子の7KeVビームと衝突した、α−チオ
グリセロール数マイクロリットル中に分散した試料か
ら、正イオンスペクトルを得た。この実験は、帰属され
た構造と一致している1359の分子量を示す。
記の文献: デー・エイチ・ウイリアムス等、ジャーナ
ル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティ(J.Am.
Chem.Soc)、1984、106、4895−4902(特
に4899頁に第4図を参照されたい)において提唱さ
れた名称及び記号である。
−D−2−デオキシ−2−アミノ−グルコピラノシル、
N−(8−メチル−ノナノイル)−β−D−2−デオキシ
−2−アミノ−グルコピラノシル、N−デカノイル−β
−D−2−デオキシ−2−アミノ−グルコピラノシル、
N−(8−メチル−デカノイル)−β−D−2−デオキシ
−2−アミノ−グルコピラノシル、N−(9−メチル−
デカノイル)−β−D−2−デオキシ−2−アミノ−グ
ルコピラノシル又は水素であり、R1はN−アセチル−
β−D−2−デオキシ−2−アミノ−グルコピラノシル
又は水素であり、R2はα−D−マンノピラノシルであ
り、但し、Rが水素であるときにのみR1は水素を表す
ものとし、YはCOOHである、のテイコプラニン誘導
体及びその製薬学的に許容しうる付加塩を製造する方法
であって、R及びR1が上記のとおりであり、そしてR2
が水素である式(I)のテイコプラニン誘導体を、アクチ
ノプラネス・テイコミセチクス(Actinoplanes teicho
myceticus)ATCC 31121の培養物、D−マン
ノース部分と該テイコプラニン出発物質のヒドロキシル
基との間のグリコシド結合を形成するという同じ性質を
示すその天然の突然変異体もしくはその変異体、洗浄さ
れた菌糸体又は細胞を含まないその調製物を用いる微生
物学的変換に付し、得られる物質又は物質の混合物を回
収し、物質の混合物が得られる場合には、場合によりそ
れを個々の成分に分離する、ことを特徴とする方法。
源及び無機塩を含む培地中で液内好気性条件下に培養さ
れた上記菌株の増殖している培養物と、25℃乃至35
℃の範囲の温度で4時間乃至48時間接触させることに
より、前記微生物的変換を行い、生成物質の回収及び/
又はその混合物の随意の分離は、それ自体当業界で知ら
れた分離及び精製方法に従って行なわれる、上記1に記
載の方法。
記のマンノシル化微生物培養物の菌糸体を使用する、上
記1及び2に記載の方法。
−D−マンノピラノシルであり、そしてYがCOOHで
ある、式Iの化合物。
載の化合物。
化合物の使用。
抗生物質化合物を含有して成る製薬学的組成物。
4に記載の抗生物質を含有して成る動物飼料組成物。
Claims (3)
- 【請求項1】 式(I) 【化1】 式中、 RはN−(Z−4−デセノイル)−β−D−2−デオキ
シ−2−アミノ−グルコピラノシル、N−(8−メチル
−ノナノイル)−β−D−2−デオキシ−2−アミノ−
グルコピラノシル、N−デカノイル−β−D−2−デオ
キシ−2−アミノ−グルコピラノシル、N−(8−メチ
ル−デカノイル)−β−D−2−デオキシ−2−アミノ
−グルコピラノシル、N−(9−メチル−デカノイル)
−β−D−2−デオキシ−2−アミノ−グルコピラノシ
ル又は水素であり、R1はN−アセチル−β−D−2−
デオキシ−2−アミノ−グルコピラノシル又は水素であ
り、 R2はα−D−マンノピラノシルであり、 但し、Rが水素であるときにのみR1は水素を表すもの
とし、 YはCOOHである、 のテイコプラニン誘導体及びその製薬学的に許容しうる
付加塩を製造する方法であって、 R及びR1が上記のとおりであり、そしてR2が水素で
ある式(I)のテイコプラニン誘導体を、アクチノプラ
ネス・テイコミセチクス(Actinopla nes
teichomyceticus)ATCC 3112
1、D−マンノース部分と該テイコプラニン出発物質の
ヒドロキシル基との間のグリコシド結合を形成するとい
う同じ性質を示すその天然の突然変異体もしくはその変
異体、洗浄された菌糸体又は細胞を含まないその調製物
を用いる微生物学的変換に付し、得られる物質又は物質
の混合物を回収し、物質の混合物が得られる場合には、
場合によりそれを個々の成分に分離する、ことを特徴と
する方法。 - 【請求項2】 R及びR1が水素原子であり、R2がα
−D−マンノピラノシルであり、そしてYがCOOHで
ある請求項1に記載の式Iの化合物。 - 【請求項3】 請求項2に記載の抗生物質化合物を有効
成分として含有することを特徴とする抗バクテリア剤。
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