JP3106569U - 法面の緑化基材 - Google Patents

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Abstract

【課題】ビルや家屋更に塔などの建造物における外壁などの法面に沿わせて設けた緑化基材に植物をつたわせて支持、成長させることにより、当該建造物を傷めず、しかも建造物の法面近傍に簡単に設置できる上、年間を通して季節の移り変わりや天候のめまぐるしい変化に対応させたり、季節に応じた植物で建造物における外壁などの法面を飾ることもできるだけでなく、建造物の法面を極めて簡便且つ安価に緑化したり、この建造物の緑化によって建造物周辺の環境改善や省エネルギーを実現し得る法面の緑化基材を提供する。
【解決手段】建造物の法面に沿わせて設けられる緑化基材1であって、この緑化基材は植物をつたわせて支持、成長させるものであり、しかも天然繊維素材を用いてネット状に形成されている。
【選択図】図2

Description

本考案は、ビルや家屋更に塔等の建造物における壁、門柱などの柱、屋根、ベランダ又はバルコニーなどの当該建造物の立ち上がっている面や斜面を直接緑化するのではなく、建造物の法面に沿わせて設けられた緑化基材を用いて緑化し、もって、建造物を傷付けることなく生活環境を改善するための環境資材として好適に用いられる法面の緑化基材に関する。
最近、「コンクリートジャングル」といった言葉を耳にすることからもわかるように、都会においては、ビルや高速道路等の各種、コンクリート構造物が乱立し、緑の少ない無機的な街並みとなっており、又、「ヒートアイランド現象」を初めとする都市周辺環境の悪化等、様々な問題が発生している。
このため、これらの問題を改善する自然環境を配慮した開発事業等が強く要求されており、その一環として現在では、コンクリートや煉瓦で囲まれた都市に少しでも緑を増やそうとする目的で、各種、コンクリート・煉瓦構造物への緑化工法が種々研究・開発されている。
前記コンクリート構造物への緑化工法としては、例えば、ビルの屋上や壁面、道路沿いの斜面等の種々のコンクリート・煉瓦構造物への直接植栽等が挙げられるが、通常のコンクリートには、土壌と比較して、植物等の生育や透水性確保のための空隙が少なく、水分・肥料成分を蓄えることができないという欠点がある。
この欠点を解消するコンクリートとして、現在では、砕石や軽量骨材に、セメントペーストを付着せしめ、連続した空隙ができるように固化し、これにより、その内部に保水材や肥料等を充填できるように設計した緑化コンクリートが開発されている。
しかしながら、このような緑化コンクリートは、将来的に建設される予定のコンクリート構造物の一部に使用することを目的とし、現段階において既に建設されているコンクリート構造物に対しては使用できない。
又、このような緑化コンクリートは通常のコンクリートと比較して機械的強度に劣るため、使用場所が制限される上、コンクリート自体からアルカリ成分(例えば、水酸化カルシウム等)が長期間にわたって溶出し、その結果、植物、微生物、小動物等の棲息が阻害されるといった問題や、溶出したアルカリ成分により、その耐久性が一層減少するといった問題がある。
更に、コンクリート構造物へ直接植物を植えつけると、コンクリート中へ植物の根が伸長するに伴い、当該コンクリートにおいてひびや割れが生じ、コンクリート構造物を傷め、耐用年数を縮めるばかりか、コンクリート片の崩落が発生する虞れがあり、安全性の観点からも問題がある。
このため、コンクリート構造物への直接栽培は現実的ではなく、現在のところ、通常のコンクリート構造物に、金属やプラスチック製の支柱を施行し、これに高分子吸水剤等の保水剤や椰子繊維等からなる繊維シートを備えて人工の植物栽培用の培地(緑化基材)を作り、これに種をまいたり、植樹したりする方法が一般的に採用されている(例えば、特許文献1)。
特開2003−319719号公報
しかしながら、我々をとりまく自然環境は毎日変化しており、現在提案されている緑化基材を用いたコンクリート構造物への植物栽培方法では、年間を通しての季節の移り変わりに随時対応できるほどの能力を期待することは無理である。
即ち、前記植物栽培方法では、保水性及び排水性のバランスが年間を通して一定であるため、自然環境の変化に併せて変化することができず、例えば、雨量が排水性を超えた場合には、植物の根腐れや土の流出を招くのである。
又、コンクリート構造物の表面は、日陰が少なく、一日中直射日光があたるような苛酷な環境のため、植えつけた植物に過度の負担がかかり、短期間で枯死することが往々にしてある。
しかしながら、コンクリート構造物に対して過度の負荷を与えることは非常に危険であるため、該コンクリート構造物へ備える保水剤や、繊維シートの量は当然に制限されるのであり、このため、充分な保水性を確保することは難しく、乾燥した天気が続いた場合には、人工的に水をまいてもすぐに乾燥してしまい、植物の枯死を招くのである。
そして、植物が枯死すると、この枯死した植物を取り除く作業や再び種をまいたり、植樹したりする作業が必要となり、即ち、一旦植物が枯死すると、その回復に長期間を要するのである。
更に、コンクリート構造物への支柱の設置等には専門的な技術を必要とするため、この設置工事については専門業者に委託する他はなく、工事費用や人件費が高く、個人的な趣味で、一般家庭の一角において小規模に園芸を楽しみたいとする人等には不向きである。
加えて、金属やプラスチック製の支柱は生分解を受け難く、従って、これらが産業廃棄物として廃棄され、埋め立て処分等をされた場合、土壌中で分解されることなく半永久的に環境中に残存することとなり、環境への悪影響が問題となる。
ところで、蔓や蔦のようにコンクリートや煉瓦等の建造物における壁面などに吸盤や巻ひげで絡んで法面の土から上方に向かって成長する植物が存在する。
このような植物をそのまま放置すると、当該植物の根の先端からクエン酸などの酸を放出して、壁を溶解ないし劣化させて当該壁に根を張り成長したりするので、建造物の壁面を傷める結果、このような植物は適度に剥がすが、刈り取る必要がある。
ところで、このような植物を建造物の壁面等から剥がすにあたり、この植物の根元を切って手で持ち、当該植物を壁面から引き剥がす方向に強く引っ張ると、当該植物は剥がれるが、その一部が壁面にへばり付いて残る結果、建造物の外観が悪くなる。
このため、建造物の壁面周囲に櫓を組み、この櫓に載って清掃員などの作業者が手作業でへばり付いた植物を毟り取っていた。
しかしながら、これでは、高所作業になるので極めて危険な作業になる上、作業が大掛かりになって作業に長時間を要し、しかも作業コストが著しく高くなるので、このような作業を毎年行うことが困難になる。
本考案者らは、前記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、ビルや家屋更に塔等の建造物における壁等に沿わせて設けられる緑化基材であって、この緑化基材に植物をつたわせて支持、成長させることにより、建築物を傷めず、当該建造物の法面近傍に簡単に設置できる上、年間を通しての季節の移り変わりや天候のめまぐるしい変化に対応することができるだけでなく、建造物を極めて安価に緑化することができるという知見を得たのである。
即ち、本考案者らは、天然繊維素材を用いてネット状に形成された緑化基材は、軽く、柔軟性があるため、建造物などの法面に吊り下げたり巻きつけたりして簡単に設置することができるのであり、又、土に植物の根を成長させたり、或いはこの緑化基材に存する繊維網は、保水性に優れ、植物の根が伸長する隙間となり得ることから、植物の根が優先的に繊維網に絡みつき、結果として、建造物の外壁等を傷めることが殆んどないとの知見を得たのである。
又、本考案者らは、建造物の法面に設置した緑化基材に蔓や蔦のような植物をつたわせて成長させると、これらの植物の成長によって葉の繁りや茎の成長、呼吸によって酸素を放出したり、熱を遮り、これによって、建造物周辺の環境改善を実現したり、又、例えば建造物内部の温度を下げる結果、特に、夏場において建造物における室内の省エネルギーを実現できるとの知見を得たのである。
更に、本考案者らは、建造物の法面に設置した緑化基材は、簡単に取り外すことができるのであり、植え付けた植物が枯死した場合には、速やかに取り替えて新しい緑化基材を取り付けることも簡単であり、更に、季節毎に緑化基材を取り替えて、その季節に応じた植物で建造物を飾ることもできるとの知見を得たのである。
又、本考案者らは、最終的に緑化基材を処分する場合においても、天然繊維素材をネット状に形成してなる緑化基材は、自然に放置しても生分解を受け易いので、環境を破壊することが無く、したがって、簡単に処分することができるとの知見も得たのである。
本考案は、前記知見に基づき完成させたものであり、ビルや家屋更に塔などの建造物における外壁などの法面に沿わせて設けた緑化基材に植物をつたわせて支持、成長させることにより、当該建造物を傷めず、しかも建造物の法面近傍に簡単に設置できる上、年間を通して季節の移り変わりや天候のめまぐるしい変化に対応したり、季節に応じた植物で建造物における外壁などの法面を飾ることもできるだけでなく、建造物の法面を極めて簡便且つ安価に緑化したり、この建造物の緑化によって建造物周辺の環境改善や省エネルギーを実現し得る法面の緑化基材を提供することを目的とするものである。
この目的を達成するため、本考案に係る法面の建造物の緑化基材においては、建造物の法面に沿わせて設けられる緑化基材であって、この緑化基材は植物をつたわせて支持、成長させるものであり、しかも天然繊維素材を用いてネット状に形成されていることを特徴とするものである。
即ち、従来のように、建造物の法面に蔓や蔦のような植物を直接つたわせて育てると、前述した数多くの弊害が発生するか、本考案においては、これらの法面に植物を直接つたわせて育てるのではなく、当該法面に近接させた状態で、天然繊維素材を用いてネット状に形成された緑化基材を配置し、この緑化基材に植物の吸盤や巻ひげを絡めて地面から上方に向かって成育、成長、繁殖させることによって従来の課題を一挙に解決したものである。
本考案において、建造物の法面としては、建造物の立ち上がっている面や斜面であれば特に限定されるものではないが、具体的には、例えばビルや家屋更に塔などの建造物の壁、門柱などの柱、屋根、ベランダ又はバルコニーなどの当該建造物の立ち上がっている面や斜面が挙げられる。
本考案においては、天然繊維素材をネット状に形成してなる緑化基材が用いられる。
本考案においては、天然繊維素材をネット状に形成してなる緑化基材を用いた理由は、このような緑化基材は、軽く、柔軟性があり、しかも、繊維網に水分や養分を保持することができる上、植物の根が、土だけでなく、繊維網に絡みついて成長させることにより、当該緑化基材に植物がしっかりと支持されるのであり、又、加えて、天然繊維素材で形成されているから、自然に放置しても生分解を受け易く、環境を破壊することが無いからである。
勿論、本考案においては、このような緑化基材を用いることによって、植物の成育、成長、繁殖を実現できるのである。
ここで、本考案において、前記天然繊維素材としては、例えば綿花、カポック、亜麻、ラミー、大麻、黄麻、しゅろ、マニラ麻、サイザル麻、コイヤー・ファイバー等の植物繊維、家蚕絹、柞蚕絹、羊毛(緬羊)、カシミア毛、ラクダ毛、アルパカ毛、モヘヤー、兎毛等の動物繊維が挙げられる。
特に、本考案に係る緑化基材においては、天然繊維素材を用いているから、環境等への悪影響が無いので好ましいのであるが、中でも、本考案においては、耐久性に優れるココヤシ繊維を必須構成成分とすることが好ましく、即ち、緑化基材を形成する天然繊維素材の一部ないし全部としてココヤシ繊維を用いることにより、緑化基材の耐久性が至極向上し、当該緑化基材を長期間にわたって使用できる結果、極めて経済的となるため特に好ましいのである。
ところで、本考案に係る法面の緑化基材においては、前記法面の緑化基材が着色されているものが好ましく、このように構成すると、法面の緑化基材に植物が絡んで成長する以前の状態、つまり当該法面の緑化基材を建造物に設置した直後や植物がさほど成長していない状態、において、周囲の環境や建物、更に自然と溶け込み易く、自然との調和が一層行い易くなるので望ましい。
又、本考案に係る法面の緑化基材においては、前述の法面の緑化基材がロール状に巻回されているものが、このロール状に巻回された法面の緑化基材を作業者が手で持ち、これを、例えば建造物の門柱などの柱に巻き付けながら作業ができるので、作業効率が著しく向上するだけでなく、保管や運搬更に携帯性に優れるので好ましい。
この場合、このロール状に巻回されていた法面の緑化基材においてその幅は、特に限定されるものではないが、特に、30〜90cmであるものが好ましく、幅が30cm未満と小さすぎると、当該緑化基材を建造物の法面に設置する際、その作業を繰り返し行う必要があるので、建造物への設置作業性が悪く、作業に煩わしさが生じる上、不経済であり、一方、幅が90cmを超えると、逆にこの緑化基材を手に持って建造物の法面に設置する際、幅が広すぎて取扱性が悪くなる結果、その設置作業性が悪くなり、しかも女性や高齢者では作業が困難になり、したがって、いずれの場合も好ましくないのである。
又、本考案に係る法面の緑化基材おいてその幅が30〜90cmの範囲に形成されていると、30cmはいわゆるタイル幅で設置できるので、例えば門柱やベランダなどの法面に好適に設置できるのであり、又、90cmはいわゆる半間であり、バルコニーや建造物の外壁などに好適に設置、適用できるので、この範囲に調整するのが最も望ましいのである。
そして、本考案においては、これらの天然繊維素材をネット状に形成してなる緑化基材を、建造物の法面に設置するものである。
本考案において、法面の緑化基材を建造物の法面に設置する方法は特に限定されるものではないが、特に、法面の緑化基材を建造物の法面に設置するにあたり、当該緑化基材と建造物の法面との間に隙間を設けて設置するのが好ましく、このように構成すると、植物によっては生命力が極めて大きなものも存在するが、このような植物はその茎が成長して直接建造物の直接建造物の法面上をつたって植物が成長することがあり、このような状況になるのを防止するためである。
本考案においては、天然繊維素材をネット状に形成してなる緑化基材を建造物の法面に設置し、この緑化基材に存する繊維網や土から選ばれた少なくとも一方に植物の根や木根立を伸長させることにより、当該植物を支持、育成することを一つの特徴とするものであるが、植物の根や木根立が充分に伸長するまでには時間がかかり、そのため、緑化基材を前記法面設置した後に植物を育成すると、環境の変化(日照りや長雨等)により、植物が充分に育たずに枯死するおそれがある。
この問題を解消するために、本考案においては、ビニールハウスや農園等の別の温和な環境下において、予め緑化基材に種を保持させたり、或いは土に植物を植えたりして、植物を充分に育て、緑化基材に存する繊維網や土に植物の根や木根立をしっかりと伸長させた後に建造物の法面に設置することにより、前述の問題が解消されるのである。
ところで、緑化基材に存する繊維網に植物の根や木根立をしっかりと伸長させて植物を育てる場合、当該植物は、その種類によって季節の移ろいに応じて花を咲かせる時期や葉を成長させる時期が異なるのである。
又、建造物の外壁等は、土壌に比べて、植物の生育する環境としては厳しいものであり、建造物外壁で長期的にさらされた植物は消耗が激しく、短期間で弱ってしまう。
この点につき、本考案によれば、任意時期ないし季節ごとに緑化基材を取り替えるだけで、その時期に応じた様々な植物で建造物を彩ることができるのである。
又、取り外した緑化基材は、必ずしもすべて廃棄するのではなく、別の温和な環境下で休ませて、回復させることにより、次の季節が廻ってきたときに再度建造物に設置することができるのである。
ところで、本考案において、建造物の法面に緑化基材を設置する方法としては特に限定されるものではないが、固定具等を用いて建造物に強固に取り付けることは必ずしも好ましくなく、従って、本考案においては、フック等を用いて建造物の上方から緑化基材を吊り下げたり、建造物の周囲に緑化基材を巻きつけたりするなどの手段を用いて、簡易的に緑化基材を設置することが好ましい。
本考案の法面の緑化基材においては、前記構成を有し、人工的に形成された法面或いは自然に形成された法面の緑化を簡便且つ安価に実現することができるのである。
即ち、本考案においては、ビルや家屋更に塔等の建造物における法面に沿わせて設けられた緑化基材に植物をつたわせて支持、成長させるものであり、このように構成すると、建造物の法面(例えば、外壁等)を傷めることがなく、又、緑化基材を簡単に設置できる上、年間を通しての季節の移り変わりや天候のめまぐるしい変化に対応することもできるだけでなく、極めて安価に建造物の法面(例えば、外壁等)を緑化することができるなどの効果を奏するのである。
即ち、本考案においては、天然繊維素材を用いてネット状に形成された緑化基材は、軽く、柔軟性があるため、建造物の法面に吊り下げたり巻きつけたりして簡単に設置することができるのであり、しかも、土に植物の根を成長させたり、又、この緑化基材に存する繊維網は、保水性に優れ、植物の根が伸長する隙間となり得ることから、植物の根が優先的に繊維網に絡んで植物を成長させ得る結果、建造物の法面(例えば、外壁等)を傷めることが無いなどの効果を奏するのである。
又、本考案に係る法面の緑化基材においては、当該法面の緑化基材が着色されているものが、法面の緑化基材に植物が絡んで成長する以前の状態、つまり当該法面の緑化基材を建造物に設置した直後や植物がさほど成長していない状態、において、周囲の環境や建物、更に自然と溶け込み易く、自然との調和が一層行い易くなるなどの効果を奏するのである。
更に、本考案に係る法面の緑化基材においては、当該法面の緑化基材がロール状に巻回されているものが、このロール状に巻回された法面の緑化基材を作業者が手で持ち、これを、例えば建造物の門柱などの柱に巻き付けながら作業ができるので、作業効率が著しく向上するだけでなく、保管や運搬更に携帯性に優れるなどの効果を奏するのである。
特に、本考案においては、建造物の法面に設置した緑化基材に蔓や蔦のような植物をつたわせて成長させると、これらの植物の成長によって葉の繁りや茎の成長、呼吸によって酸素を放出したり、熱を遮り、これによって、建造物周辺の環境改善を実現したり、又、例えば建造物内部の温度を下げる結果、建造物における室内の省エネルギーを実現できるなどの効果を奏するのである。
又、本考案においては、建造物の法面に設置した緑化基材は、簡単に取り外すこともできるのであり、植え付けた植物が枯れた場合には、速やかに取り替えて新しい緑化基材を取り付けることも簡単であり、更に、季節毎に緑化基材を取り替えて、その季節に応じた植物で建造物を飾ることもできるなどの効果を奏するのである。
又、本考案においては、最終的に緑化基材を処分する場合においても、緑化基材が、天然繊維素材で形成されているから、環境に穏やかで、そのまま放置しても堆肥となって植物の栄養分となるので、放置等による簡単な処分を行うことができる上、後処理が簡単であるなどの効果を奏するのである。
ところで、本考案においては、緑化基材の除去によって植物を完全に除去できるのであり、したがって、植物の一部が壁面に残ることがなくなる結果、建造物の法面の外観が良好な自然な状態で保持できるなどの効果を奏するのである。
又、本考案においては、植物を除去するにあたり、建造物の法面に櫓を組んでその上で清掃員などの作業者が手作業でへばり付いた植物を毟り取る必要が全く無くなるのであり、つまり高所での作業が無くなるので極めて安全である上、作業が簡便で作業が短時間に行えるのであり、又、作業コストが著しく廉価になるなどの効果を奏するのである。
以下、本考案の実施例を具体的に説明するが、本考案はこれらの実施例に限定されるものではない。
A.緑化基材1の作成
ココヤシ繊維を紡ぐことによって直径5mm程度のロープを作成し、このロープを用いて網目の大きさが縦約5cm、横約5cmで、しかも幅90cm、長さ10m程度となるように織ることにより図1に示すようなネット状の緑化基材1を作成した。
図2は、前記A.の緑化基材1を用いて建造物のバルコニーを緑化する状態を示す斜視図であり、この実施例1においては、前記緑化基材1の全体の大きさが縦約90cm、横約90cmになるように切断して形成し、この緑化基材1を建造物、例えばマンションのバルコニーにフック2を介して設置してなるものである。
B.緑化基材1の作成
図示しないが、ココヤシ繊維を紡ぐことによって直径5mm程度のロープを作成し、このロープを用いて網目の大きさが縦約2cm、横約2cmで、しかも幅45cm(タイル幅30cmの1.5倍幅)、長さ10m程度となるように織り、これを巻回してロール状である法面の緑化基材1を作成した。
図3は、前記B.のロール状の緑化基材1を用いて建造物の門柱を緑化する状態を示す斜視図であり、この実施例2においては、一般家屋の門柱に、作業者がロール状の緑化基材1を手で持って門柱に極めて容易に巻き付けることによって設置してなるものである。
本考案においては、実施例1や実施例2に示すように、建造物の法面に緑化基材1を設置した後に、この緑化基材1に土に植えた植物を絡ませて支持、成長させたり、土や緑化基材1の繊維網に植物の根を伸長させると共に、当該緑化基材1に植物を絡ませて支持、成長させることができるのである。
又、本考案においては、緑化基材1を建造物の法面に設置した後に植物を育成するのではなく、ビニールハウスや農園等の別の温和な環境下において、予め、植物をある程度成長させ、この植物の苗を、建造物の法面に設置した緑化基材1の近傍に植え代え、この緑化基材1に植物を絡ませつつ支持、成長させることができるのである。
更に、本考案においては、建造物の法面に設置した緑化基材1に蔓や蔦のような植物をつたわせて成長させると、これらの植物の成長によって葉の繁りや茎の成長、呼吸によって酸素を放出したり、熱を遮り、これによって、建造物周辺の環境改善を実現したり、又、特に、夏場において、建造物内部の温度を下げる結果、建造物における室内の省エネルギーを実現できるのである。
本考案においては、建造物の法面に設置した緑化基材1は、簡単に取り外すことができるのであり、植え付けた植物が枯れた場合には、前記緑化基材1を取り除くことによって速やかに取り替えも簡便にできるのであり、更に、季節毎に緑化基材1を取り替えて、その季節に応じた植物で建造物を飾ることもできるのである。
又、本考案においては、最終的に緑化基材1を処分する場合においても、天然繊維素材をネット状に形成してなり、簡単に処分することができるので、後処理が簡単なうえ、天然繊維素材を用いているので環境に穏やかであるのである。
図1は、本考案の一実施例に係る緑化基材の平面図である。 図2は、本考案の一実施例に係る緑化基材を用いて建造物のバルコニーを緑化する状態を示す斜視図である。 図3は、本考案の他の実施例に係る緑化基材を用いて建造物の門柱を緑化する状態を示す斜視図である。
符号の説明
1 緑化基材
2 フック

Claims (9)

  1. 建造物の法面に沿わせて設けられる緑化基材であって、この緑化基材は植物をつたわせて支持、成長させるものであり、しかも天然繊維素材を用いてネット状に形成されていることを特徴とする法面の緑化基材。
  2. 建造物の法面が壁、門柱などの柱、屋根、ベランダ又はバルコニーなどの当該建造物の立ち上がっている面や斜面である請求項1に記載の法面の緑化基材。
  3. 請求項1又は2に記載の法面の緑化基材が着色されている法面の緑化基材。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の法面の緑化基材がロール状に巻回されている法面の緑化基材。
  5. 幅が30〜90cmのロール状に巻回されている請求項4に記載の法面の緑化基材。
  6. 土及び/又は繊維網に、植物の根或いは木根立を伸長させることにより当該植物を支持、成長させる請求項1ないし5のいずれか1項に記載の緑化基材。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1項に記載の法面の緑化基材を、建造物の法面との間に隙間を設けて設置される法面の緑化基材。
  8. 請求項1ないし7のいずれか1項に記載の法面の緑化基材を、建造物の法面の上方から吊り下げて設置される法面の緑化基材。
  9. 請求項1ないし8のいずれか1項に記載の法面の緑化基材を、建造物の法面に取付具を用いて設置される法面の緑化基材。
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