JP3104044U - 防水型マイクロホン - Google Patents

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JP3104044U
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microphone
waterproof
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恭平 小川
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三協特殊無線株式会社
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Abstract

【課題】
小型で、構造簡単で、コストが安く、音響特性の良好な防水型マイクロホンを提供する。
【解決手段】
マイクエレメント1及び当該マイクエレメント1とリード線3との接続部を、プラスチックフィルム6で水が入らないように覆った状態で、マイクハウジング2内に収容する。マイクエレメント1としてダイナミックマイクユニットを使用する。プラスチックフィルム6としては、厚さ5〜6μmのポリエチレンフィルムを使用する。
【選択図】 図1

Description

本考案は、雨や水しぶきがかかる環境下で使用可能な防水型マイクロホンに関するものである。
従来、防水型マイクロホンとしては、マイクエレメントを防水型のボックスに収納し、このボックスの集音用開口部を防水用のシール膜で塞いだものが公知である(特許文献1参照)。
また、ケース内にマイクエレメントを収納し、ケースの集音用開口部を防水膜で塞ぐと共に、防水膜の内側に水圧補強用のプラスチック音響グリルを設けた防水型マイクロホンも公知である(特許文献2参照)。
さらに、コンデンサ型マイクエレメントをケース内に収納し、ケース全体を弾性防水カバーで覆った防水型マイクロホンも公知である(特許文献3参照)。
特開平7−245794号公報 特開平9−205693号公報 特開2001−313990号公報
しかしながら従来の防水型マイクロホンは、マイクハウジング(ケース)を防水構造とし、その中にマイクエレメントを収納する構造であるため、マイクハウジングが大型化、複雑化し、コスト高になるという問題があった。
本考案の目的は、このような問題点を解決した防水型マイクロホンを提供することにある。
本考案に係る防水型マイクロホンは、マイクエレメント及び当該マイクエレメントとリード線との接続部を、プラスチックフィルムで水が入らないように覆った状態で、マイクハウジング内に収容したことを特徴とするものである。
本考案の防水型マイクロホンにおいて、マイクエレメントとしてはダイナミック型マイクエレメントを使用することが好ましい。
また本考案の防水型マイクロホンにおいて、プラスチックフィルムとしては厚さ5〜6μmのポリエチレンフィルムを使用することが好ましい。
また本考案の防水型マイクロホンにおいて、プラスチックフィルムで覆われたマイクエレメントは、その表側周辺部が環状ゴムパッキングを介してマイクハウジングの内面に押し付けられていることが好ましい。
本考案の防水型マイクロホンは、水中で使用するものではなく、雨や水しぶきが降りかかる環境下で使用されるものである。例えば、消防士が火災現場で消防活動をしながら火災状況を報告したり、雨の降る屋外の建設現場で作業者が連絡を取り合ったり、二輪車のライダーのヘルメットに取り付けてライダー同士で連絡を取り合ったりするのに使用される、いわば簡易防水型のマイクロホンである。
本考案の防水型マイクロホンは、マイクエレメントをプラスチックフィルムで覆って簡易防水した状態で、マイクハウジング内に収納したものである。このようにすると、マイクハウジングを防水構造にする必要がないので、通常のマイクハウジングを使用することができ、またマイクエレメントはプラスチックフィルムで覆うだけでよいので、かさばることがなく、したがって小型で、構造簡単で、コストの安い防水型マイクロホンを提供することができる。
またマイクエレメントをプラスチックフィルムで覆うと、音響特性が低下する傾向があるので、プラスチックフィルムで覆った状態で音響特性を良好に保つためには、マイクエレメントとしてダイナミック型マイクエレメントを使用することが好ましい。またマイクエレメントを覆うプラスチックフィルムとしては厚さ5〜6μmのポリエチレンフィルムを使用することが好ましい。
図1及び図2は本考案の一実施形態を示す。図において、1はマイクエレメント、2はマイクエレメント1を収容するマイクハウジング、3はマイクエレメント1に接続されたリード線、4はリード線2を保護するコルゲートパイプである。マイクハウジング2は従来と同様のもので、音声を取り込む面がプラスチック音響グリル5で構成されている。
この防水型マイクロホンの特徴は、マイクエレメント1及び当該マイクエレメント1とリード線2との接続部を、プラスチックフィルム6で水が入らないように覆った状態で、マイクハウジング2内に収容したことである。プラスチックフィルム6はマイクエレメント1の裏側で絞って糸7を巻き付けると共に、接着剤でリード線3に固定してある。プラスチックフィルム6で覆われたマイクエレメント1の表側周辺部と、マイクハウジング2との間には環状ゴムパッキング8が介在され、同じくマイクエレメント1の裏側と、マイクハウジング2との間にはゴムパッド9が介在されている。これによりマイクエレメント1はマイクハウジング2内で動かないように保持され、プラスチックフィルム6で覆われたマイクエレメント1の表側周辺部が環状ゴムパッキング8を介してマイクハウジング2の内面に押し付けられるため、防水性がより確実なものとなる。
なお図示を省略したが、マイクハウジング2には、その中に浸入した水を排出できるようにするために、水抜き孔を設けておくことが好ましい。
マイクエレメント1としてはダイナミック型マイクエレメントが使用され、プラスチックフィルム6としては、厚さ5.6μmのポリエチレンフィルムが使用されている。良好な音響特性を得るためには、ダイナミック型マイクエレメントと厚さ5〜6μmのポリエチレンフィルムとの組み合わせがよいことが、種々の実験より明らかになった。ポリエチレンフィルムの厚さはこれより厚くても薄くても、音響特性が低下する。
マイクエレメントは大きく分けると次の3種類に分類される。
1.コンデンサ型マイクエレメント:音圧により振動する板と、固定電極で形成されるコンデンサの静電容量の変化を利用するもの。
2.マグネチック型マイクエレメント:音圧により振動する板をマグネットに巻いたコイルで受け、その振動変化を利用するもの。
3.ダイナミック型マイクエレメント:音圧により振動する板にムービングコイルを取り付け、これを永久磁石による固定磁場の中に設置して、振動変化を起電力変化に変換するもの。
このうち、小口径のダイナミック型マイクエレメントは、周波数特性のピークが高い方に出やすい傾向があるが、これをポリエチレンフィルムで覆うと、周波数特性は通信機で聞きやすい(音声の通りがよい)音域になる。この周波数特性の改善は、ダイナミック型マイクエレメントと、これを覆うポリエチレンフィルムの材質と厚みの組合せにより、総合的に得られたものと考えられる。
図3(A)は図1のように防水構造にしたマイクロホンの周波数特性であり、同図(B)は防水構造にしないマイクロホンの周波数特性である。(A)の方が(B)よりも1kHz〜2kHzでの利得が高くなっていることが分かる。屋外の騒音のある環境で使用されるマイクロホンはある程度高い音(硬い音、通りのよい音)を明瞭に捕らえられることが要求され、(A)のマイクロホンはこの要求を十分満足するものである。
本考案に係る防水型マイクロホンの一実施形態を示す断面図。 図1の防水型マイクロホンの外観を示す、(A)は平面図、(B)は側面図、(C)は正面図。 (A)は図1の防水型マイクロホンの周波数特性測定結果を示すグラフ、(B)は非防水型のマイクロホンの周波数特性測定結果を示すグラフ。
符号の説明
1:マイクエレメント
2:マイクハウジング
3:リード線
4:コルゲートパイプ
5:プラスチック音響グリル
6:プラスチックフィルム
7:糸
8:ゴムパッキング
9:ゴムパッド

Claims (4)

  1. マイクエレメント(1)及び当該マイクエレメント(1)とリード線(3)との接続部を、プラスチックフィルム(6)で水が入らないように覆った状態で、マイクハウジング(2)内に収容したことを特徴とする防水型マイクロホン。
  2. マイクエレメント(1)としてダイナミックマイクユニットを使用したことを特徴とする請求項1記載の防水型マイクロホン。
  3. プラスチックフィルム(6)として厚さ5〜6μmのポリエチレンフィルムを使用したことを特徴とする請求項1又は2記載の防水型マイクロホン。
  4. プラスチックフィルム(6)で覆われたマイクエレメント(1)は、その表側周辺部が環状ゴムパッキング(8)を介してマイクハウジング(2)の内面に押し付けられていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の防水型マイクロホン。
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