JP3103768B2 - 鋏加工装置 - Google Patents
鋏加工装置Info
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は鋏加工装置に係り、
詳しくは、鋏の刃付け装置に関するものである。
詳しくは、鋏の刃付け装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、鋏は、設計→金属板からの鋏身
のプレス打ち抜き→熱処理→側面研磨→柄付け→裏すき
→粗刃付け→本刃付け→かえり取り→仕組み→そり付け
→仕上げ・検査の各工程を経て製造される。そのため、
最初の設計段階で用途に合った最適な切れ味をもった鋏
を設計したとしても、その設計通りの切れ味を具現化す
るためには、設計通りの刃を、実際にどの程度まで精度
良く加工できるかが問題となる。
のプレス打ち抜き→熱処理→側面研磨→柄付け→裏すき
→粗刃付け→本刃付け→かえり取り→仕組み→そり付け
→仕上げ・検査の各工程を経て製造される。そのため、
最初の設計段階で用途に合った最適な切れ味をもった鋏
を設計したとしても、その設計通りの切れ味を具現化す
るためには、設計通りの刃を、実際にどの程度まで精度
良く加工できるかが問題となる。
【0003】従来は、上記の工程のうち「プレス打ち抜
き」から「柄付け」までを半自動的に行い、「裏すき」
から「仕上げ・検査」までをほとんど手作業で行ってい
た。このうち、「粗刃付け」および「本刃付け」は鋏の
切れ味を決定する特に重要な工程であるが、現在のよう
な職人の経験と勘に頼る手作業では、設計通りの加工を
行うことが困難であった。加えて、近年、熟練職人の高
齢化や後継者不足により、経験と勘に頼る手作業を維持
することさえも難しくなりつつある。
き」から「柄付け」までを半自動的に行い、「裏すき」
から「仕上げ・検査」までをほとんど手作業で行ってい
た。このうち、「粗刃付け」および「本刃付け」は鋏の
切れ味を決定する特に重要な工程であるが、現在のよう
な職人の経験と勘に頼る手作業では、設計通りの加工を
行うことが困難であった。加えて、近年、熟練職人の高
齢化や後継者不足により、経験と勘に頼る手作業を維持
することさえも難しくなりつつある。
【0004】そこで、鋏の刃付け工程を自動化すること
により、設計通りの鋏を安定生産することが求められて
いる。また、鋏だけでなく、各種の刃物(包丁、ナイ
フ、食品スライサーや稲刈り機などに用いられる工業用
刃物)についても、刃付け工程を自動化することによ
り、設計通りの刃を安定生産することが求められてい
る。
により、設計通りの鋏を安定生産することが求められて
いる。また、鋏だけでなく、各種の刃物(包丁、ナイ
フ、食品スライサーや稲刈り機などに用いられる工業用
刃物)についても、刃付け工程を自動化することによ
り、設計通りの刃を安定生産することが求められてい
る。
【0005】さらに、研磨加工を利用することにより、
所望の立体形状を自動的に加工することが求められてい
る。
所望の立体形状を自動的に加工することが求められてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記要求を満
足するためになされたものであって、以下の目的を有す
るものである。
足するためになされたものであって、以下の目的を有す
るものである。
【0007】設計通りの研磨加工を行うことが可能な鋏
加工装置を提供する。
加工装置を提供する。
【0008】
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【課題を解決するための手段】 請求項1に記載の発明
は、鋏身を把持するロボットハンドを有し、そのロボッ
トハンドを3次元移動させるロボットと、鋏身の研磨加
工を行う研磨機と、鋏身の形状に関する各データを入力
するデータ入力手段と、データ入力手段により入力され
た各データに基づき、研磨機に対するロボットハンドの
移動経路を算出する移動経路算出手段と、移動経路算出
手段により算出された移動経路に従ってロボットハンド
を移動させ、研磨機によって鋏身の研磨加工を行わせる
移動制御手段とを備えた鋏加工装置において、前記鋏身
は円形の指孔を備え、前記ロボットハンドは、ロボット
ハンドに固定された位置決めピンと、ロボットハンドに
固定され、鋏身の指孔と嵌合する指孔コマと、位置決め
ピンおよび指孔コマと三角形を成すように配置され、鋏
身を押圧する可動ツメとを備え、可動ツメを鋏身側へ移
動させることで鋏身を押圧し、その押圧された鋏身を、
指孔を中心として位置決めピン側へ回動させ、位置決め
ピンと可動ツメとの間で鋏身を挟圧的に保持させること
により、ロボットハンドに対する鋏身の位置決めを行う
ことをその要旨とする。
は、鋏身を把持するロボットハンドを有し、そのロボッ
トハンドを3次元移動させるロボットと、鋏身の研磨加
工を行う研磨機と、鋏身の形状に関する各データを入力
するデータ入力手段と、データ入力手段により入力され
た各データに基づき、研磨機に対するロボットハンドの
移動経路を算出する移動経路算出手段と、移動経路算出
手段により算出された移動経路に従ってロボットハンド
を移動させ、研磨機によって鋏身の研磨加工を行わせる
移動制御手段とを備えた鋏加工装置において、前記鋏身
は円形の指孔を備え、前記ロボットハンドは、ロボット
ハンドに固定された位置決めピンと、ロボットハンドに
固定され、鋏身の指孔と嵌合する指孔コマと、位置決め
ピンおよび指孔コマと三角形を成すように配置され、鋏
身を押圧する可動ツメとを備え、可動ツメを鋏身側へ移
動させることで鋏身を押圧し、その押圧された鋏身を、
指孔を中心として位置決めピン側へ回動させ、位置決め
ピンと可動ツメとの間で鋏身を挟圧的に保持させること
により、ロボットハンドに対する鋏身の位置決めを行う
ことをその要旨とする。
【0017】請求項1に記載の発明は、請求項2に記載
の鋏加工装置において、前記鋏身の形状に関するデータ
は、前記鋏身の厚みを示すデータ、鋏身の刃先の断面角
度を示すデータ、刃先の長さを示すデータ、刃先の曲線
を特定する関数の係数を示すデータ、刃先の曲線を特定
する関数の切片を示すデータ、前記ロボットと研磨機の
位置関係によって規定される3次元座標における刃先の
末端の点の座標を示すデータ、ロボットと研磨機の位置
関係によって規定される3次元座標における鋏身のカシ
メ軸の座標を示すデータ、ロボットと研磨機の位置関係
によって規定される3次元座標におけるロボットハンド
の移動中心の座標を示すデータのうち少なくともいずれ
か一つを含むことをその要旨とする。
の鋏加工装置において、前記鋏身の形状に関するデータ
は、前記鋏身の厚みを示すデータ、鋏身の刃先の断面角
度を示すデータ、刃先の長さを示すデータ、刃先の曲線
を特定する関数の係数を示すデータ、刃先の曲線を特定
する関数の切片を示すデータ、前記ロボットと研磨機の
位置関係によって規定される3次元座標における刃先の
末端の点の座標を示すデータ、ロボットと研磨機の位置
関係によって規定される3次元座標における鋏身のカシ
メ軸の座標を示すデータ、ロボットと研磨機の位置関係
によって規定される3次元座標におけるロボットハンド
の移動中心の座標を示すデータのうち少なくともいずれ
か一つを含むことをその要旨とする。
【0018】請求項3に記載の発明は、請求項1または
請求項2に記載の鋏加工装置において、前記研磨機は研
磨部材を備え、前記移動経路算出手段は、前記鋏身の刃
先の曲線上の各位置に相当する任意の点における法線方
向のベクトルと、研磨機の研磨部材の表面の加工点にお
ける法線方向のベクトルとが常に一致するように、前記
ロボットハンドの移動中心の移動経路を算出することを
その要旨とする。
請求項2に記載の鋏加工装置において、前記研磨機は研
磨部材を備え、前記移動経路算出手段は、前記鋏身の刃
先の曲線上の各位置に相当する任意の点における法線方
向のベクトルと、研磨機の研磨部材の表面の加工点にお
ける法線方向のベクトルとが常に一致するように、前記
ロボットハンドの移動中心の移動経路を算出することを
その要旨とする。
【0019】請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の
いずれか1項に記載の鋏加工装置において、前記移動経
路算出手段は、前記鋏身の刃先の任意の点における断面
角度が設定値と常に一致するように、前記ロボットハン
ドの移動中心の移動経路を算出することをその要旨とす
る。
いずれか1項に記載の鋏加工装置において、前記移動経
路算出手段は、前記鋏身の刃先の任意の点における断面
角度が設定値と常に一致するように、前記ロボットハン
ドの移動中心の移動経路を算出することをその要旨とす
る。
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した一実施
形態を図面に従って説明する。図1は、本実施形態の鋏
の刃付け装置の概略構成図である。
形態を図面に従って説明する。図1は、本実施形態の鋏
の刃付け装置の概略構成図である。
【0027】鋏の刃付け装置1は、ロボット2、ロボッ
ト2の制御装置3、砥石研磨機4、据え付け台5から構
成されている。ロボット2は、スカラ型6軸動作のロボ
ットであり、人の腕と同様の動きが可能なロボットアー
ム2aと、人の手首と同様の動きが可能なロボットハン
ド2bとを備えている。後記するように、ロボットハン
ド2bは鋏身Aを把持する。
ト2の制御装置3、砥石研磨機4、据え付け台5から構
成されている。ロボット2は、スカラ型6軸動作のロボ
ットであり、人の腕と同様の動きが可能なロボットアー
ム2aと、人の手首と同様の動きが可能なロボットハン
ド2bとを備えている。後記するように、ロボットハン
ド2bは鋏身Aを把持する。
【0028】砥石研磨機4は、電動機4aを用いて円筒
形の砥石4bを回転させる乾式の研磨機であり、鋏身A
と砥石4bとの押しつけ力を、電動機4aの電流の変化
に対応した負荷フィードバックに基づいて検出する。
尚、鋏身Aと砥石4bとの押しつけ力については、押圧
方向へ移動可能に取り付けられた砥石4bの移動量(押
し込み量)に基づいて検出してもよい。
形の砥石4bを回転させる乾式の研磨機であり、鋏身A
と砥石4bとの押しつけ力を、電動機4aの電流の変化
に対応した負荷フィードバックに基づいて検出する。
尚、鋏身Aと砥石4bとの押しつけ力については、押圧
方向へ移動可能に取り付けられた砥石4bの移動量(押
し込み量)に基づいて検出してもよい。
【0029】ロボット2および砥石研磨機4は、据え付
け台5上に載置固定されている。図2は、鋏身Aを把持
した状態のロボットハンド2bの要部斜視図であり、図
3は、その上面図、図4は、その正面図である。
け台5上に載置固定されている。図2は、鋏身Aを把持
した状態のロボットハンド2bの要部斜視図であり、図
3は、その上面図、図4は、その正面図である。
【0030】ロボットハンド2bは、各腕分11,12
および把持部13から構成されている。腕部11は断面
矩形状を成し、ロボットアーム2aに対して回動可能に
取り付けられている。腕部12は断面円柱状を成し、腕
部11に対して垂直に立設されている。把持部13は鋏
保持部14および鋏押し用ブロック15から構成され、
腕部12に取り付けられている。
および把持部13から構成されている。腕部11は断面
矩形状を成し、ロボットアーム2aに対して回動可能に
取り付けられている。腕部12は断面円柱状を成し、腕
部11に対して垂直に立設されている。把持部13は鋏
保持部14および鋏押し用ブロック15から構成され、
腕部12に取り付けられている。
【0031】鋏保持部14は対向する壁部16,17を
有した断面コの字状を成し、壁部16は腕部12に固定
されている。各壁部16,17間の凹部14aには、直
方体状の鋏押し用ブロック15が配置されている。
有した断面コの字状を成し、壁部16は腕部12に固定
されている。各壁部16,17間の凹部14aには、直
方体状の鋏押し用ブロック15が配置されている。
【0032】腕部12内には空圧シリンダ18が設けら
れている。空圧シリンダ18のピストン軸18aは、壁
部16に形成された透孔16aを挿通して、鋏押し用ブ
ロック15に固定されている。そのため、ピストン軸1
8aが図3および図4の矢印C方向に伸長すると、鋏押
し用ブロック15は壁部17側へ移動する。尚、空圧シ
リンダ18の制御は制御装置3によって行われる。
れている。空圧シリンダ18のピストン軸18aは、壁
部16に形成された透孔16aを挿通して、鋏押し用ブ
ロック15に固定されている。そのため、ピストン軸1
8aが図3および図4の矢印C方向に伸長すると、鋏押
し用ブロック15は壁部17側へ移動する。尚、空圧シ
リンダ18の制御は制御装置3によって行われる。
【0033】図5は、図2〜図4におけるB−B線断面
図である。壁部17の凹部14a側には、位置決めピン
19、指孔コマ20、可動ツメ21が設けられている。
図である。壁部17の凹部14a側には、位置決めピン
19、指孔コマ20、可動ツメ21が設けられている。
【0034】位置決めピン19は円柱状を成し、壁部1
7の凹部14a側の所定の位置に立設されている。指孔
コマ20は円柱状を成し、壁部17の凹部14a側にお
いて、位置決めピン19の左側のやや下方の位置に立設
されている。指孔コマ20の寸法形状は、後記する鋏身
Aの円形の指孔41に対して確実に嵌合するように設定
されている。
7の凹部14a側の所定の位置に立設されている。指孔
コマ20は円柱状を成し、壁部17の凹部14a側にお
いて、位置決めピン19の左側のやや下方の位置に立設
されている。指孔コマ20の寸法形状は、後記する鋏身
Aの円形の指孔41に対して確実に嵌合するように設定
されている。
【0035】可動ツメ21は円柱状を成し、壁部17の
凹部14a側において、位置決めピン19の右側のやや
下方に配置されている。つまり、可動ツメ21は、位置
決めピン19および指孔コマ20と三角形を成す位置に
取り付けられている。可動ツメ21の周囲の壁部17は
くり抜かれており、透孔17bが形成されている。
凹部14a側において、位置決めピン19の右側のやや
下方に配置されている。つまり、可動ツメ21は、位置
決めピン19および指孔コマ20と三角形を成す位置に
取り付けられている。可動ツメ21の周囲の壁部17は
くり抜かれており、透孔17bが形成されている。
【0036】壁部17には空圧シリンダ22が取り付け
られている。空圧シリンダ22のピストン軸22aは、
壁部17に形成された透孔17aを挿通して、可動ツメ
21に固定されている。そのため、ピストン軸22aが
図4および図5の矢印D方向に縮小すると、可動ツメ2
1は透孔17b内を矢印D方向に移動する。尚、空圧シ
リンダ18の制御は制御装置3によって行われる。
られている。空圧シリンダ22のピストン軸22aは、
壁部17に形成された透孔17aを挿通して、可動ツメ
21に固定されている。そのため、ピストン軸22aが
図4および図5の矢印D方向に縮小すると、可動ツメ2
1は透孔17b内を矢印D方向に移動する。尚、空圧シ
リンダ18の制御は制御装置3によって行われる。
【0037】鋏身Aは、指を挿通するための円形の指孔
41、凸状の曲面の刃先42、指孔41と刃先42の間
に配置されたカシメ軸43を備えている。尚、鋏身A
は、厚みの均一な金属板をプレス打ち抜きすることによ
って形成される。そのため、鋏身Aの厚みTは、材料の
金属板の厚みと同じになる。
41、凸状の曲面の刃先42、指孔41と刃先42の間
に配置されたカシメ軸43を備えている。尚、鋏身A
は、厚みの均一な金属板をプレス打ち抜きすることによ
って形成される。そのため、鋏身Aの厚みTは、材料の
金属板の厚みと同じになる。
【0038】そして、鋏身Aは、指孔41を指孔コマ2
0を嵌合し、刃先42を下側(可動ツメ21側)に向け
た状態で、位置決めピン19と可動ツメ21との間にセ
ットされる。
0を嵌合し、刃先42を下側(可動ツメ21側)に向け
た状態で、位置決めピン19と可動ツメ21との間にセ
ットされる。
【0039】従って、図5に示すように、空圧シリンダ
22のピストン軸22aが矢印D方向に縮小すると、可
動ツメ21は透孔17b内を矢印D方向に移動し、その
可動ツメ21によって鋏身Aが押圧される。すると、鋏
身Aは、指孔41を中心として矢印E方向に回動し、壁
部17に固定された位置決めピン19と可動ツメ21と
の間で挟圧的に保持される。その結果、壁部17に対す
る鋏身Aの位置決めがなされる。
22のピストン軸22aが矢印D方向に縮小すると、可
動ツメ21は透孔17b内を矢印D方向に移動し、その
可動ツメ21によって鋏身Aが押圧される。すると、鋏
身Aは、指孔41を中心として矢印E方向に回動し、壁
部17に固定された位置決めピン19と可動ツメ21と
の間で挟圧的に保持される。その結果、壁部17に対す
る鋏身Aの位置決めがなされる。
【0040】この状態で、ピストン軸18aが図3およ
び図4の矢印C方向に伸長すると、鋏押し用ブロック1
5が壁部17側へ移動し、鋏身Aは、鋏押し用ブロック
15と壁部17との間で挟圧的に保持される。その結
果、鋏身Aは、把持部13に対して位置決めがなされた
状態で把持される。
び図4の矢印C方向に伸長すると、鋏押し用ブロック1
5が壁部17側へ移動し、鋏身Aは、鋏押し用ブロック
15と壁部17との間で挟圧的に保持される。その結
果、鋏身Aは、把持部13に対して位置決めがなされた
状態で把持される。
【0041】図6は、制御装置3の内部構成を示すブロ
ック回路図である。制御装置3は、入力装置51、マイ
クロコンピュータ52、記憶装置53、記憶媒体54か
ら構成されている。
ック回路図である。制御装置3は、入力装置51、マイ
クロコンピュータ52、記憶装置53、記憶媒体54か
ら構成されている。
【0042】入力装置51は、ディスプレイ,キーボー
ド,ポインティングデバイス(図示略)などから構成さ
れている。鋏の刃付け装置1の使用者は、入力装置51
を用いて後記する各データを入力する。
ド,ポインティングデバイス(図示略)などから構成さ
れている。鋏の刃付け装置1の使用者は、入力装置51
を用いて後記する各データを入力する。
【0043】マイクロコンピュータ52は、入力装置5
1から入力された各データを記憶装置53に一旦記憶さ
せ、その各データに基づいて後記する各演算処理を行
い、その演算結果を記憶装置53に再び記憶させる。そ
して、マイクロコンピュータ52は、記憶装置53に記
憶させた演算結果に従って、ロボット2のロボットアー
ム2aおよびロボットハンド2bの動作を制御する。
1から入力された各データを記憶装置53に一旦記憶さ
せ、その各データに基づいて後記する各演算処理を行
い、その演算結果を記憶装置53に再び記憶させる。そ
して、マイクロコンピュータ52は、記憶装置53に記
憶させた演算結果に従って、ロボット2のロボットアー
ム2aおよびロボットハンド2bの動作を制御する。
【0044】記憶装置53内には、読み出し専用の記憶
媒体54が備えられている。記憶媒体54は、マイクロ
コンピュータ52において実行される演算処理ルーチン
のソフトウェアを記憶している。尚、記憶媒体54は、
半導体記憶装置、磁気記憶装置の記憶媒体、光磁気記憶
装置の記憶媒体など、コンピュータのソフトウェアを記
憶できるものならどのようなものでもよく、具体的に
は、半導体ROM、フロッピーディスク、ハードディス
ク、光ディスク、光磁気ディスク、相変化ディスク、磁
気テープなどから構成される。
媒体54が備えられている。記憶媒体54は、マイクロ
コンピュータ52において実行される演算処理ルーチン
のソフトウェアを記憶している。尚、記憶媒体54は、
半導体記憶装置、磁気記憶装置の記憶媒体、光磁気記憶
装置の記憶媒体など、コンピュータのソフトウェアを記
憶できるものならどのようなものでもよく、具体的に
は、半導体ROM、フロッピーディスク、ハードディス
ク、光ディスク、光磁気ディスク、相変化ディスク、磁
気テープなどから構成される。
【0045】図7および図8は、マイクロコンピュータ
52において実行される演算処理ルーチンを示すフロー
チャートである。まず、ステップ101において、入力
装置51から各データ(T,QX,QG0,AA,B
B,CC,DD,XX,KX,KY,KZ,DUX,D
UY,DUZ)が入力される。
52において実行される演算処理ルーチンを示すフロー
チャートである。まず、ステップ101において、入力
装置51から各データ(T,QX,QG0,AA,B
B,CC,DD,XX,KX,KY,KZ,DUX,D
UY,DUZ)が入力される。
【0046】データTは、鋏身Aの厚みTを示すデータ
である。データQXは、刃先42の断面角度を示すデー
タである。図9に示すように、鋏身Aの刃先42は、断
面角度θ1の本刃42aおよび断面角度θ2の粗刃42
bから構成されている。従って、鋏の刃付け装置1を使
用して、前記した「粗刃付け」を行う場合にはデータQ
Xとして断面角度θ2を用い、「本刃付け」を行う場合
にはデータQXとして断面角度θ1を用いる。
である。データQXは、刃先42の断面角度を示すデー
タである。図9に示すように、鋏身Aの刃先42は、断
面角度θ1の本刃42aおよび断面角度θ2の粗刃42
bから構成されている。従って、鋏の刃付け装置1を使
用して、前記した「粗刃付け」を行う場合にはデータQ
Xとして断面角度θ2を用い、「本刃付け」を行う場合
にはデータQXとして断面角度θ1を用いる。
【0047】図10は、鋏身Aの設計図である。図10
では、カシメ軸43の中心を2次元座標の原点(0,
0)におき、鋏を構成する2つの鋏身A1,A2の各指
孔41の中間点とカシメ軸43の中心とを結んだ線をX
軸に、X軸と直交してカシメ軸43の中心を通る線をY
軸にしてある。
では、カシメ軸43の中心を2次元座標の原点(0,
0)におき、鋏を構成する2つの鋏身A1,A2の各指
孔41の中間点とカシメ軸43の中心とを結んだ線をX
軸に、X軸と直交してカシメ軸43の中心を通る線をY
軸にしてある。
【0048】データQG0は、刃先42の長さを示すデ
ータである。図10に示すように、本刃42aの長さQ
G01は、粗刃42bの長さQG02よりも長く設定さ
れている。従って、鋏の刃付け装置1を使用して「粗刃
付け」を行う場合にはデータQG0として長さQG02
を用い、「本刃付け」を行う場合にはデータQG0とし
て長さQG01を用いる。
ータである。図10に示すように、本刃42aの長さQ
G01は、粗刃42bの長さQG02よりも長く設定さ
れている。従って、鋏の刃付け装置1を使用して「粗刃
付け」を行う場合にはデータQG0として長さQG02
を用い、「本刃付け」を行う場合にはデータQG0とし
て長さQG01を用いる。
【0049】データAAは、刃先42の曲線を特定する
3次曲線の3次係数のデータである。データBBは、刃
先42の曲線を特定する3次曲線の2次係数のデータで
ある。データCCは、刃先42の曲線を特定する3次曲
線の1次係数のデータである。データDDは、刃先42
の曲線を特定する3次曲線の切片のデータである。
3次曲線の3次係数のデータである。データBBは、刃
先42の曲線を特定する3次曲線の2次係数のデータで
ある。データCCは、刃先42の曲線を特定する3次曲
線の1次係数のデータである。データDDは、刃先42
の曲線を特定する3次曲線の切片のデータである。
【0050】各データAA,BB,CC,DDを求める
には、まず、図10に示す設計図において、刃先42の
先端から末端までの多数点(本実施形態では50点)の
座標を測定する。次に、測定した各点P1,P2 …Pn …
P50をつなぎ合わせることで、式に示す3次関数式と
して表現される刃先42の曲線42Yを求め、その曲線
42Yから各データAA,BB,CC,DDの値を求め
る。
には、まず、図10に示す設計図において、刃先42の
先端から末端までの多数点(本実施形態では50点)の
座標を測定する。次に、測定した各点P1,P2 …Pn …
P50をつなぎ合わせることで、式に示す3次関数式と
して表現される刃先42の曲線42Yを求め、その曲線
42Yから各データAA,BB,CC,DDの値を求め
る。
【0051】 42Y=AA・X3 +BB・X2 +CC・X+DD ……… 尚、本実施形態では、刃先42の先端を点P1 とし、刃
先42の末端(カシメ軸43側)を点P50とする。ま
た、説明および図面を簡略化するため、本刃42aの末
端の点P50だけを記載する。
先42の末端(カシメ軸43側)を点P50とする。ま
た、説明および図面を簡略化するため、本刃42aの末
端の点P50だけを記載する。
【0052】図11は、刃付けを行う前の状態における
ロボットハンド2bと砥石4bとの位置関係を示す斜視
図である。図12は、刃付けを開始した時点におけるロ
ボットハンド2bと砥石4bとの位置関係を示す右側面
図であり、図13は、その正面図である。
ロボットハンド2bと砥石4bとの位置関係を示す斜視
図である。図12は、刃付けを開始した時点におけるロ
ボットハンド2bと砥石4bとの位置関係を示す右側面
図であり、図13は、その正面図である。
【0053】鋏の刃付け装置1における3次元座標原点
O(0,0,0)は、砥石4bの表面上の適宜な位置に
設定されている。そして、X軸は、砥石4bの回転軸4
cと平行になるように設定されている。また、Z軸は、
砥石4bの表面の法線と合致するように設定されてい
る。
O(0,0,0)は、砥石4bの表面上の適宜な位置に
設定されている。そして、X軸は、砥石4bの回転軸4
cと平行になるように設定されている。また、Z軸は、
砥石4bの表面の法線と合致するように設定されてい
る。
【0054】把持部13は、本刃42aおよび粗刃42
bの面が凹部14aの反対側(Y軸の負側)を向くよう
に、鋏身Aを把持する。そして、鋏の刃付け装置1は、
刃先42の先端の点P1 から刃付けを開始し、各点P1,
P2 …Pn,Pn+1 …の刃付けを順次行って、最後に刃先
42の末端の点P50の刃付けを行う。
bの面が凹部14aの反対側(Y軸の負側)を向くよう
に、鋏身Aを把持する。そして、鋏の刃付け装置1は、
刃先42の先端の点P1 から刃付けを開始し、各点P1,
P2 …Pn,Pn+1 …の刃付けを順次行って、最後に刃先
42の末端の点P50の刃付けを行う。
【0055】各データXX,KX,KY,KZ,DU
X,DUY,DUZについては、刃先42の先端の点P
1 の刃付けを開始した状態における鋏の刃付け装置1の
実測値(デフォルト値)から求める。尚、各データX
X,KX,KY,KZ,DUX,DUY,DUZについ
ても、図面上から求めるようにしてもよい。
X,DUY,DUZについては、刃先42の先端の点P
1 の刃付けを開始した状態における鋏の刃付け装置1の
実測値(デフォルト値)から求める。尚、各データX
X,KX,KY,KZ,DUX,DUY,DUZについ
ても、図面上から求めるようにしてもよい。
【0056】データXXは、図12に示すように、刃先
42の末端の点P50のX座標(P50x)のデータであ
る。各データKX,KY,KZはそれぞれ、図12に示
すように、カシメ軸43の中心のX,Y,Z座標(43
x,43y,43z)を示すデータである。
42の末端の点P50のX座標(P50x)のデータであ
る。各データKX,KY,KZはそれぞれ、図12に示
すように、カシメ軸43の中心のX,Y,Z座標(43
x,43y,43z)を示すデータである。
【0057】各データDUX,DUY,DUZはそれぞ
れ、3次元座標原点Oに対するロボットハンド2bの移
動中心αのX,Y,Z座標を示すデータである。尚、本
実施形態では、図11および図13に示すように、ロボ
ットハンド2bの移動中心αは腕部11内に位置する。
れ、3次元座標原点Oに対するロボットハンド2bの移
動中心αのX,Y,Z座標を示すデータである。尚、本
実施形態では、図11および図13に示すように、ロボ
ットハンド2bの移動中心αは腕部11内に位置する。
【0058】次に、ステップ102において、上記の各
データ(T,QX,QG0,AA,BB,CC,DD,
XX,KX,KY,KZ,DUX,DUY,DUZ)が
全て入力されたかどうかが判定され、全データの入力が
完了されると、次のステップ103へ移行する。
データ(T,QX,QG0,AA,BB,CC,DD,
XX,KX,KY,KZ,DUX,DUY,DUZ)が
全て入力されたかどうかが判定され、全データの入力が
完了されると、次のステップ103へ移行する。
【0059】ステップ103においては、式に示す刃
先42の曲線42Yに従って、刃先42の任意の点Pn
の座標が算出され、次のステップ104へ移行する。
尚、最初のルーチンにおいては、刃先42の先端の点P
1 を点Pn とする。
先42の曲線42Yに従って、刃先42の任意の点Pn
の座標が算出され、次のステップ104へ移行する。
尚、最初のルーチンにおいては、刃先42の先端の点P
1 を点Pn とする。
【0060】但し、前記したように、式は図10に示
す設計図に基づいて求められたものである。従って、こ
のステップ103では、設計図上における点Pn の座標
が、鋏の刃付け装置1における座標に対応するように、
式による算出結果を変換する必要がある。この際に、
式の各データAA,BB,CC,DDの値はそれぞ
れ、鋏の刃付け装置1における座標に対応した値(A
A′,BB′,CC′,DD′)に変換される(AA→
AA′,BB→BB′,CC→CC′,DD→D
D′)。
す設計図に基づいて求められたものである。従って、こ
のステップ103では、設計図上における点Pn の座標
が、鋏の刃付け装置1における座標に対応するように、
式による算出結果を変換する必要がある。この際に、
式の各データAA,BB,CC,DDの値はそれぞ
れ、鋏の刃付け装置1における座標に対応した値(A
A′,BB′,CC′,DD′)に変換される(AA→
AA′,BB→BB′,CC→CC′,DD→D
D′)。
【0061】ステップ104においては、点P1 (=P
n )の座標が、データQG0およびデータXXによって
規定される刃先42の長さの範囲内にあるかどうかが判
定される。そして、点P1 の座標が刃先42の長さの範
囲内にある場合は、次のステップ105へ移行する。ま
た、点P1 の座標が刃先42の長さの範囲内にない場合
は、ルーチンを終了する。
n )の座標が、データQG0およびデータXXによって
規定される刃先42の長さの範囲内にあるかどうかが判
定される。そして、点P1 の座標が刃先42の長さの範
囲内にある場合は、次のステップ105へ移行する。ま
た、点P1 の座標が刃先42の長さの範囲内にない場合
は、ルーチンを終了する。
【0062】ステップ105においては、公知のY軸回
転の座標変換と原点移動変換の計算式に基づいてY軸回
転が行われ、点P1 における刃先42の接線がX軸と平
行になるように(すなわち、点P1 における刃先42の
法線がZ軸と平行になるように)、XZ平面の傾きが設
定される。そして、次のステップ106へ移行する。
転の座標変換と原点移動変換の計算式に基づいてY軸回
転が行われ、点P1 における刃先42の接線がX軸と平
行になるように(すなわち、点P1 における刃先42の
法線がZ軸と平行になるように)、XZ平面の傾きが設
定される。そして、次のステップ106へ移行する。
【0063】ステップ106においては、ステップ10
5においてXZ平面の傾きが設定された状態で、点P1
が3次元座標原点Oと合致するように移動され、次のス
テップ107へ移行する。
5においてXZ平面の傾きが設定された状態で、点P1
が3次元座標原点Oと合致するように移動され、次のス
テップ107へ移行する。
【0064】ステップ107においては、各ステップ1
05,106の処理が行われた状態(すなわち、XZ平
面の傾きが設定され、点P1 が3次元座標原点Oと合致
するように移動された状態)で、公知のX軸回転の座標
変換と原点移動変換の計算式に基づいてX軸回転が行わ
れ、点P1 における刃先42の断面角度がデータQXに
よって規定される状態になるように、YZ平面の傾きが
設定される。そして、次のステップ108へ移行する。
05,106の処理が行われた状態(すなわち、XZ平
面の傾きが設定され、点P1 が3次元座標原点Oと合致
するように移動された状態)で、公知のX軸回転の座標
変換と原点移動変換の計算式に基づいてX軸回転が行わ
れ、点P1 における刃先42の断面角度がデータQXに
よって規定される状態になるように、YZ平面の傾きが
設定される。そして、次のステップ108へ移行する。
【0065】ところで、Y軸回転およびX軸回転の座標
変換と原点移動変換の計算式については、「ロボット工
学とその応用」(電子通信学会編)などの各種文献に詳
述されているため、ここでは説明を省略する。
変換と原点移動変換の計算式については、「ロボット工
学とその応用」(電子通信学会編)などの各種文献に詳
述されているため、ここでは説明を省略する。
【0066】ステップ108においては、各ステップ1
05〜107の処理済の状態(すなわち、XZ平面の傾
きが設定され、点P1 が3次元座標原点Oと合致するよ
うに移動され、YZ平面の傾きが設定された状態)にお
いて、3次元座標原点Oに対するロボットハンド2bの
移動中心αの座標が算出される。そして、次のステップ
109へ移行する。
05〜107の処理済の状態(すなわち、XZ平面の傾
きが設定され、点P1 が3次元座標原点Oと合致するよ
うに移動され、YZ平面の傾きが設定された状態)にお
いて、3次元座標原点Oに対するロボットハンド2bの
移動中心αの座標が算出される。そして、次のステップ
109へ移行する。
【0067】ステップ109においては、各ステップ1
03〜108にて処理された点Pnが、刃先42の末端
の点P50であるかどうかが判定される。そして、点Pn
が点P50でない場合はステップ103へ戻り、点Pn が
点P50である場合はルーチンを終了する。尚、前記した
ように、最初のルーチンにおいては点Pn =P1 である
ため、ステップ103へ戻る。
03〜108にて処理された点Pnが、刃先42の末端
の点P50であるかどうかが判定される。そして、点Pn
が点P50でない場合はステップ103へ戻り、点Pn が
点P50である場合はルーチンを終了する。尚、前記した
ように、最初のルーチンにおいては点Pn =P1 である
ため、ステップ103へ戻る。
【0068】そして、ステップ103においては、式
に示す刃先42の曲線42Yに従って、刃先42の先端
の点P1 の次の点P2 の座標が算出され、ステップ10
4へ移行する。すなわち、ステップ103においては、
刃先42の任意の点Pn について、ルーチンが繰り返さ
れる度にnの値が「1」から「50」まで順次インクリ
メントされ、その点Pn の座標が算出される。
に示す刃先42の曲線42Yに従って、刃先42の先端
の点P1 の次の点P2 の座標が算出され、ステップ10
4へ移行する。すなわち、ステップ103においては、
刃先42の任意の点Pn について、ルーチンが繰り返さ
れる度にnの値が「1」から「50」まで順次インクリ
メントされ、その点Pn の座標が算出される。
【0069】このようにして、各ステップ103〜10
8を繰り返すことにより、刃先42の各点P1 〜P50毎
に、ロボットハンド2bの移動中心αの座標が算出され
る。マイクロコンピュータ52は、算出した各点P1 〜
P50に対応する移動中心αの座標を記憶装置53に記憶
させ、その各点P1 〜P50に対応する移動中心αの座標
に従って、ロボット2のロボットアーム2aおよびロボ
ットハンド2bの動作を制御する。つまり、ロボットハ
ンド2bの実際の移動中心αの座標と、算出した各点P
1 〜P50に対応する移動中心αの座標とが合致するよう
に、ロボットハンド2bの移動経路を設定して動かすよ
うにする。その結果、鋏身Aの刃先42の各点P1 〜P
50が、順次、回転する砥石4bによって研磨され、各点
P1 〜P50毎に刃付けが行われる。このとき、刃先42
の各点P1 〜P50は、砥石4bの表面における3次元座
標原点Oと接触して研磨される。つまり、3次元座標原
点Oは、刃先42の各点P1 〜P50の加工点になる。
8を繰り返すことにより、刃先42の各点P1 〜P50毎
に、ロボットハンド2bの移動中心αの座標が算出され
る。マイクロコンピュータ52は、算出した各点P1 〜
P50に対応する移動中心αの座標を記憶装置53に記憶
させ、その各点P1 〜P50に対応する移動中心αの座標
に従って、ロボット2のロボットアーム2aおよびロボ
ットハンド2bの動作を制御する。つまり、ロボットハ
ンド2bの実際の移動中心αの座標と、算出した各点P
1 〜P50に対応する移動中心αの座標とが合致するよう
に、ロボットハンド2bの移動経路を設定して動かすよ
うにする。その結果、鋏身Aの刃先42の各点P1 〜P
50が、順次、回転する砥石4bによって研磨され、各点
P1 〜P50毎に刃付けが行われる。このとき、刃先42
の各点P1 〜P50は、砥石4bの表面における3次元座
標原点Oと接触して研磨される。つまり、3次元座標原
点Oは、刃先42の各点P1 〜P50の加工点になる。
【0070】尚、前記したように、「粗刃付け」の後に
「本刃付け」が行われるため、上記の演算処理ルーチン
は「粗刃付け」と「本刃付け」で別々に実行する必要が
ある。ところで、上記の演算処理ルーチンにおいて、
「粗刃付け」と「本刃付け」で異なるのは、各データQ
X,QG0および刃先42の末端の点P50の座標だけで
ある。但し、本刃42aの長さQG01と粗刃42bの
長さQG02とが同じ場合、「粗刃付け」と「本刃付
け」で異なるのは、データQXだけとなる。
「本刃付け」が行われるため、上記の演算処理ルーチン
は「粗刃付け」と「本刃付け」で別々に実行する必要が
ある。ところで、上記の演算処理ルーチンにおいて、
「粗刃付け」と「本刃付け」で異なるのは、各データQ
X,QG0および刃先42の末端の点P50の座標だけで
ある。但し、本刃42aの長さQG01と粗刃42bの
長さQG02とが同じ場合、「粗刃付け」と「本刃付
け」で異なるのは、データQXだけとなる。
【0071】以上詳述したように、本実施形態によれ
ば、以下の作用および効果を得ることができる。 (1)円形の指孔コマ20の寸法形状は、鋏身Aの円形
の指孔41に対して確実に嵌合するように設定されてお
り、指孔41は指孔コマ20に嵌合した状態で回動可能
になっている。また、可動ツメ21は、壁部17に固定
された位置決めピン19および指孔コマ20と三角形を
成す位置に取り付けられている。そのため、可動ツメ2
1を鋏身側(矢印D方向)へ移動させると、その可動ツ
メ21によって押圧された鋏身Aは、指孔41を中心と
して位置決めピン19側(矢印E方向)へ回動する。そ
の結果、鋏身Aは、壁部17に固定された位置決めピン
19と可動ツメ21との間で挟圧的に保持され、壁部1
7に対して正確に位置決めがなされる。
ば、以下の作用および効果を得ることができる。 (1)円形の指孔コマ20の寸法形状は、鋏身Aの円形
の指孔41に対して確実に嵌合するように設定されてお
り、指孔41は指孔コマ20に嵌合した状態で回動可能
になっている。また、可動ツメ21は、壁部17に固定
された位置決めピン19および指孔コマ20と三角形を
成す位置に取り付けられている。そのため、可動ツメ2
1を鋏身側(矢印D方向)へ移動させると、その可動ツ
メ21によって押圧された鋏身Aは、指孔41を中心と
して位置決めピン19側(矢印E方向)へ回動する。そ
の結果、鋏身Aは、壁部17に固定された位置決めピン
19と可動ツメ21との間で挟圧的に保持され、壁部1
7に対して正確に位置決めがなされる。
【0072】この状態で、鋏押し用ブロック15を壁部
17側へ移動させると、鋏身Aは、鋏押し用ブロック1
5と壁部17との間で挟圧的に保持され、把持部13に
対して位置決めがなされた状態で把持される。
17側へ移動させると、鋏身Aは、鋏押し用ブロック1
5と壁部17との間で挟圧的に保持され、把持部13に
対して位置決めがなされた状態で把持される。
【0073】従って、把持部13は鋏身Aを常に同じ位
置状態で精度良く把持することができる。そこで、据え
付け台5上に設けられたシュータ(図示略)に、プレス
打ち抜き済みの鋏身Aを予め多数個積載格納しておき、
その鋏身Aをシュータから順次押し出すようにする。そ
して、シュータから押し出された鋏身Aを、ロボットハ
ンド2bの把持部13によって把持し、上記したように
刃付けを行う。このようにすれば、設計通りの刃付けが
なされた鋏身Aを大量に安定生産することができる。
置状態で精度良く把持することができる。そこで、据え
付け台5上に設けられたシュータ(図示略)に、プレス
打ち抜き済みの鋏身Aを予め多数個積載格納しておき、
その鋏身Aをシュータから順次押し出すようにする。そ
して、シュータから押し出された鋏身Aを、ロボットハ
ンド2bの把持部13によって把持し、上記したように
刃付けを行う。このようにすれば、設計通りの刃付けが
なされた鋏身Aを大量に安定生産することができる。
【0074】(2)上記のステップ105においては、
刃先42の任意の点Pn における刃先42の接線がX軸
と平行になるように(すなわち、点Pn における刃先4
2の法線がZ軸と平行になるように)、XZ平面の傾き
が設定される。
刃先42の任意の点Pn における刃先42の接線がX軸
と平行になるように(すなわち、点Pn における刃先4
2の法線がZ軸と平行になるように)、XZ平面の傾き
が設定される。
【0075】ここで、鋏の刃付け装置1における3次元
座標原点Oは砥石4bの表面上に設定され、X軸は砥石
4bの回転軸4cと平行になるように設定されている。
つまり、X軸は、砥石4bの表面の接線と合致するよう
に設定されている。そして、3次元座標原点Oが、刃先
の任意の点Pn の加工点になる。
座標原点Oは砥石4bの表面上に設定され、X軸は砥石
4bの回転軸4cと平行になるように設定されている。
つまり、X軸は、砥石4bの表面の接線と合致するよう
に設定されている。そして、3次元座標原点Oが、刃先
の任意の点Pn の加工点になる。
【0076】そのため、刃先42の任意の点Pn の法線
は、砥石4bの表面の加工点(3次元座標原点O)の接
線と直交することになる。従って、上記の演算処理ルー
チンによれば、鋏身Aの刃先42の曲線上の各位置に相
当する任意の点Pn における法線方向のベクトルと、砥
石4bの表面の加工点(3次元座標原点O)の法線方向
のベクトルとが常に一致するように、ロボットハンド2
bの移動中心αの移動経路を計算することができる。
は、砥石4bの表面の加工点(3次元座標原点O)の接
線と直交することになる。従って、上記の演算処理ルー
チンによれば、鋏身Aの刃先42の曲線上の各位置に相
当する任意の点Pn における法線方向のベクトルと、砥
石4bの表面の加工点(3次元座標原点O)の法線方向
のベクトルとが常に一致するように、ロボットハンド2
bの移動中心αの移動経路を計算することができる。
【0077】図14は、刃先42の任意の点Pn の刃付
けを行っている状態のロボットハンド2bと砥石4bと
の位置関係を示す右側面図である。図15は、刃先42
の末端の点P50の刃付けを行っている状態(刃付けが終
了した状態)のロボットハンド2bと砥石4bとの位置
関係を示す右側面図である。
けを行っている状態のロボットハンド2bと砥石4bと
の位置関係を示す右側面図である。図15は、刃先42
の末端の点P50の刃付けを行っている状態(刃付けが終
了した状態)のロボットハンド2bと砥石4bとの位置
関係を示す右側面図である。
【0078】図12,図14,図15に示すように、刃
付けを行っている状態において、刃先42の各点P1,P
n,P50は3次元座標原点Oと合致し、各点P1,Pn,P50
の法線はZ軸(砥石4bの表面の法線)と合致し、各点
P1,Pn,P50の接線はX軸(砥石4bの表面の接線)と
合致する。このことは、各点P1,Pn,P50だけでなく、
それ以外の点P2 …Pn-1,Pn,Pn+1 …P49についても
同様にいえる。このように、本実施形態によれば、図1
0に示した設計図における刃先42の曲線に対応した刃
付けを行うことができる。
付けを行っている状態において、刃先42の各点P1,P
n,P50は3次元座標原点Oと合致し、各点P1,Pn,P50
の法線はZ軸(砥石4bの表面の法線)と合致し、各点
P1,Pn,P50の接線はX軸(砥石4bの表面の接線)と
合致する。このことは、各点P1,Pn,P50だけでなく、
それ以外の点P2 …Pn-1,Pn,Pn+1 …P49についても
同様にいえる。このように、本実施形態によれば、図1
0に示した設計図における刃先42の曲線に対応した刃
付けを行うことができる。
【0079】(3)上記のステップ107においては、
刃先42の任意のPn における断面角度がデータQXに
よって規定される状態になるように、YZ平面の傾きが
設定される。
刃先42の任意のPn における断面角度がデータQXに
よって規定される状態になるように、YZ平面の傾きが
設定される。
【0080】従って、上記の演算処理ルーチンによれ
ば、鋏身Aの刃先42の任意のPn における断面角度が
データQXによる規定と常に一致するように、ロボット
ハンド2bの移動中心αの移動経路を計算することがで
きる。その結果、本実施形態によれば、図9に示した刃
先42の断面角度θ1,θ2に対応した刃付けを行うこ
とができる。
ば、鋏身Aの刃先42の任意のPn における断面角度が
データQXによる規定と常に一致するように、ロボット
ハンド2bの移動中心αの移動経路を計算することがで
きる。その結果、本実施形態によれば、図9に示した刃
先42の断面角度θ1,θ2に対応した刃付けを行うこ
とができる。
【0081】(4)上記(2)(3)により、本実施形
態によれば、鋏身Aの刃先42に対して、設計通りの刃
付けを行うことができる。尚、上記実施形態は以下のよ
うに変更してもよく、その場合でも同様の作用および効
果を得ることができる。
態によれば、鋏身Aの刃先42に対して、設計通りの刃
付けを行うことができる。尚、上記実施形態は以下のよ
うに変更してもよく、その場合でも同様の作用および効
果を得ることができる。
【0082】(1)刃先42の先端からではなく、末端
から刃付けを行うようにする。つまり、刃先42の末端
の点P50から刃付けを開始し、各点P50, P49…Pn+1,
Pn…の刃付けを順次行って、最後に刃先42の先端の
点P1 の刃付けを行うようにする。
から刃付けを行うようにする。つまり、刃先42の末端
の点P50から刃付けを開始し、各点P50, P49…Pn+1,
Pn…の刃付けを順次行って、最後に刃先42の先端の
点P1 の刃付けを行うようにする。
【0083】この場合、各データXX,KX,KY,K
Z,DUX,DUY,DUZについては、刃先42の末
端の点P50の刃付けを開始した状態(図15参照)にお
ける鋏の刃付け装置1の実測値から求める。そして、上
記の演算処理ルーチンにおいて、各ステップ103〜1
08を繰り返すことにより、刃先42の末端の点P50か
ら順次各点P50〜P1 毎に、ロボットハンド2bの移動
中心αの座標を算出する。
Z,DUX,DUY,DUZについては、刃先42の末
端の点P50の刃付けを開始した状態(図15参照)にお
ける鋏の刃付け装置1の実測値から求める。そして、上
記の演算処理ルーチンにおいて、各ステップ103〜1
08を繰り返すことにより、刃先42の末端の点P50か
ら順次各点P50〜P1 毎に、ロボットハンド2bの移動
中心αの座標を算出する。
【0084】(2)鋏の刃付け装置1の3次元座標原点
Oは、砥石4bの表面に設定されている。そのため、刃
先42の各点P1 〜P50の刃付けを行う際に、ロボット
ハンド2bを動かしたとき、刃先42が砥石4bの表面
に衝突する恐れがある。
Oは、砥石4bの表面に設定されている。そのため、刃
先42の各点P1 〜P50の刃付けを行う際に、ロボット
ハンド2bを動かしたとき、刃先42が砥石4bの表面
に衝突する恐れがある。
【0085】この問題を回避するには、予め3次元座標
原点Oを砥石4bの表面からある程度(例えば、4〜6
mm程度)上の位置に設定しておく。つまり、X軸をZ軸
の正方向に所定の距離(=4〜6mm程度)だけ平行移動
させる。そして、刃付けを行う際に、前記した鋏身Aと
砥石4bとの押しつけ力が一定値になるまで刃先42を
Z軸の負方向へ移動させ、刃先42と砥石4bとを緩や
かに接触させる。尚、3次元座標原点Oの設定位置につ
いては、上記のステップ101におけるデータ入力時に
設定できるようにしてもよい。
原点Oを砥石4bの表面からある程度(例えば、4〜6
mm程度)上の位置に設定しておく。つまり、X軸をZ軸
の正方向に所定の距離(=4〜6mm程度)だけ平行移動
させる。そして、刃付けを行う際に、前記した鋏身Aと
砥石4bとの押しつけ力が一定値になるまで刃先42を
Z軸の負方向へ移動させ、刃先42と砥石4bとを緩や
かに接触させる。尚、3次元座標原点Oの設定位置につ
いては、上記のステップ101におけるデータ入力時に
設定できるようにしてもよい。
【0086】(3)上記の演算処理ルーチンにより、刃
先42の各点P1 〜P50毎にロボットハンド2bの移動
中心αの座標を算出したら、その算出した各座標をプリ
ンタ(図示略)を用いてプリントアウトする。そして、
プリント結果を見ながら、ロボット動作言語を利用して
ロボット2を動作させるためのソフトウェアを作成す
る。そのソフトウェアに従って、ロボット2に上記実施
形態と同様の動作を行わせるようにする。
先42の各点P1 〜P50毎にロボットハンド2bの移動
中心αの座標を算出したら、その算出した各座標をプリ
ンタ(図示略)を用いてプリントアウトする。そして、
プリント結果を見ながら、ロボット動作言語を利用して
ロボット2を動作させるためのソフトウェアを作成す
る。そのソフトウェアに従って、ロボット2に上記実施
形態と同様の動作を行わせるようにする。
【0087】(4)上記実施形態では、2つの鋏身Aの
刃先42が共に凸状の曲面に形成された対称形状の鋏に
ついて具体化したが、一方の鋏身の刃先が凸状の曲面に
形成され、他方の鋏身の刃先が凹状の曲面に形成された
非対称形状の鋏について具体化してもよい。
刃先42が共に凸状の曲面に形成された対称形状の鋏に
ついて具体化したが、一方の鋏身の刃先が凸状の曲面に
形成され、他方の鋏身の刃先が凹状の曲面に形成された
非対称形状の鋏について具体化してもよい。
【0088】(5)砥石研磨機4を乾式のベルト研磨機
に置き代える。この場合、上記実施形態における砥石4
bの表面はベルト面に対応する。また、乾式の砥石研磨
機4を湿式の砥石研磨機またはベルト研磨機に置き代え
る。このようにすれば、刃付け工程で起こりやすい「焼
き付け」を回避することができる。
に置き代える。この場合、上記実施形態における砥石4
bの表面はベルト面に対応する。また、乾式の砥石研磨
機4を湿式の砥石研磨機またはベルト研磨機に置き代え
る。このようにすれば、刃付け工程で起こりやすい「焼
き付け」を回避することができる。
【0089】(6)「粗刃付け」や「本刃付け」だけで
なく、前記した「裏すき」や「かえり取り」の工程に適
用してもよい。 (7)図16に示すように、ロボット2をスカラ型6軸
動作のロボット61に置き代える。そして、据え付け台
5上に、「粗刃付け」および「裏すき」用の砥石研磨機
62、「本刃付け」用のベルト研磨機63、「かえり取
り」用のバフ研磨機64を載置し、ロボット61に対し
て各研磨機62〜64を放射状に配置する。
なく、前記した「裏すき」や「かえり取り」の工程に適
用してもよい。 (7)図16に示すように、ロボット2をスカラ型6軸
動作のロボット61に置き代える。そして、据え付け台
5上に、「粗刃付け」および「裏すき」用の砥石研磨機
62、「本刃付け」用のベルト研磨機63、「かえり取
り」用のバフ研磨機64を載置し、ロボット61に対し
て各研磨機62〜64を放射状に配置する。
【0090】この場合には、各研磨機62〜64毎に、
上記の演算処理ルーチンにて求めたロボット61のロボ
ットハンド2bの移動中心αの座標を求め、それをロー
カル座標(RX,RY,RZ)とする。また、ロボット
61の3次元座標をワールド座標(WX,WY,WZ)
とする。そして、ローカル座標に対応したワールド座標
を求め、その求めたワールド座標に従ってロボット61
の動作を制御することで、各研磨機62〜64毎に上記
の各工程を行わせる。
上記の演算処理ルーチンにて求めたロボット61のロボ
ットハンド2bの移動中心αの座標を求め、それをロー
カル座標(RX,RY,RZ)とする。また、ロボット
61の3次元座標をワールド座標(WX,WY,WZ)
とする。そして、ローカル座標に対応したワールド座標
を求め、その求めたワールド座標に従ってロボット61
の動作を制御することで、各研磨機62〜64毎に上記
の各工程を行わせる。
【0091】このようにすれば、1台のロボット61を
用いるだけで、複数の研磨機62〜64に別々の研磨動
作を実行させることができる。 (8)空圧シリンダ18を腕部12の内部ではなく外側
に設ける。
用いるだけで、複数の研磨機62〜64に別々の研磨動
作を実行させることができる。 (8)空圧シリンダ18を腕部12の内部ではなく外側
に設ける。
【0092】(9)鋏だけでなく、各種の刃物(包丁、
ナイフ、食品スライサーや稲刈り機などに用いられる工
業用刃物)の刃付けに適用してもよい。 (10)上記実施形態では、刃先42の全ての点P1 〜
P50についてロボットハンド2bの移動中心αの座標を
算出した後にロボット2を動作させるようにしたが、刃
先42の各点P1 〜P50について移動中心αの座標を算
出する度に、ロボット2を動作させるようにしてもよ
い。つまり、刃先42の先端の点P1 に対応する移動中
心αの座標を算出したら、ロボット2を動かして点P1
の刃付けを行い、次に、刃先42の点P2 に対応する移
動中心αの座標を算出したら、ロボット2を動かして点
P2 の刃付けを行うようにする。
ナイフ、食品スライサーや稲刈り機などに用いられる工
業用刃物)の刃付けに適用してもよい。 (10)上記実施形態では、刃先42の全ての点P1 〜
P50についてロボットハンド2bの移動中心αの座標を
算出した後にロボット2を動作させるようにしたが、刃
先42の各点P1 〜P50について移動中心αの座標を算
出する度に、ロボット2を動作させるようにしてもよ
い。つまり、刃先42の先端の点P1 に対応する移動中
心αの座標を算出したら、ロボット2を動かして点P1
の刃付けを行い、次に、刃先42の点P2 に対応する移
動中心αの座標を算出したら、ロボット2を動かして点
P2 の刃付けを行うようにする。
【0093】(11)上記実施形態の刃付け加工を研磨
加工として利用することにより、所望の立体形状を自動
的に加工する。例えば、図17に示すような形状の物体
71を研磨加工によって形成する。この場合は、物体7
1を一定の厚みtで輪切りにし、その輪切りにされた各
部分71a毎に、その各部分71aの外周の曲線を特定
する3次曲線を求め、その各部分71aの外周の各点P
1,P2 …Pn …Pm の座標を測定する。
加工として利用することにより、所望の立体形状を自動
的に加工する。例えば、図17に示すような形状の物体
71を研磨加工によって形成する。この場合は、物体7
1を一定の厚みtで輪切りにし、その輪切りにされた各
部分71a毎に、その各部分71aの外周の曲線を特定
する3次曲線を求め、その各部分71aの外周の各点P
1,P2 …Pn …Pm の座標を測定する。
【0094】次に、上記実施形態の鋏身Aを各部分71
aに、刃先42を各部分71aの外周に、鋏身Aの厚み
Tを各部分71aの厚みtに、刃先42の断面角度を各
部分71aの外周の断面角度に、式に示す刃先42の
曲線42Yを各部分71aの外形の曲線を特定する3次
曲線に、それぞれ置き代える。
aに、刃先42を各部分71aの外周に、鋏身Aの厚み
Tを各部分71aの厚みtに、刃先42の断面角度を各
部分71aの外周の断面角度に、式に示す刃先42の
曲線42Yを各部分71aの外形の曲線を特定する3次
曲線に、それぞれ置き代える。
【0095】そして、上記実施形態と同様に、任意の部
分71aの外周の各点P1 〜Pm を、順次、回転する砥
石4bによって研磨することで、その部分71aの外周
を所望の形状に加工する。この加工を全ての部分71a
について行うことにより、物体71の外形を所望の形状
に削り出す。
分71aの外周の各点P1 〜Pm を、順次、回転する砥
石4bによって研磨することで、その部分71aの外周
を所望の形状に加工する。この加工を全ての部分71a
について行うことにより、物体71の外形を所望の形状
に削り出す。
【0096】このように、各部分71aの外周の曲線を
3次曲線で表すことが可能な物体71であれば、研磨加
工によって形成することができる。また、各部分71a
の厚みtを小さく設定すれば、複雑な形状の物体71で
も正確に加工することができる。
3次曲線で表すことが可能な物体71であれば、研磨加
工によって形成することができる。また、各部分71a
の厚みtを小さく設定すれば、複雑な形状の物体71で
も正確に加工することができる。
【0097】(12)スカラ型6軸動作のロボット2
を、多関節型のロボットに置き代える。以上、各実施形
態について説明したが、各実施形態から把握できる請求
項以外の技術的思想について、以下にそれらの効果と共
に記載する。
を、多関節型のロボットに置き代える。以上、各実施形
態について説明したが、各実施形態から把握できる請求
項以外の技術的思想について、以下にそれらの効果と共
に記載する。
【0098】
【0099】請求項1〜4のいずれか1項に記載の鋏加
工装置において、前記データ入力手段(51)により入
力された各データを一時記憶する記憶手段(53)を備
えた鋏加工装置。
工装置において、前記データ入力手段(51)により入
力された各データを一時記憶する記憶手段(53)を備
えた鋏加工装置。
【0100】上記のようにすれば、移動経路算出手段に
おける処理が済むまで各データを確実に保持しておくこ
とができる。
おける処理が済むまで各データを確実に保持しておくこ
とができる。
【0101】ところで、本明細書において、記憶媒体と
は、半導体記憶装置、磁気記憶装置の記憶媒体、光磁気
記憶装置の記憶媒体など、コンピュータのソフトウェア
を記憶できるものならどのようなものでもよく、具体的
には、半導体ROM、フロッピーディスク、ハードディ
スク、光ディスク、光磁気ディスク、相変化ディスク、
磁気テープなどから構成される。
は、半導体記憶装置、磁気記憶装置の記憶媒体、光磁気
記憶装置の記憶媒体など、コンピュータのソフトウェア
を記憶できるものならどのようなものでもよく、具体的
には、半導体ROM、フロッピーディスク、ハードディ
スク、光ディスク、光磁気ディスク、相変化ディスク、
磁気テープなどから構成される。
【0102】
【0103】
【0104】
【0105】
【発明の効果】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の発
明によれば、設計通りの研磨加工を行うことが可能な鋏
加工装置を提供することができる。又、ロボットハンド
において鋏身を常に同じ位置状態で精度良く把持するこ
とができる。
明によれば、設計通りの研磨加工を行うことが可能な鋏
加工装置を提供することができる。又、ロボットハンド
において鋏身を常に同じ位置状態で精度良く把持するこ
とができる。
【0106】
【図1】一実施形態の概略構成図。
【図2】一実施形態の要部斜視図。
【図3】一実施形態の要部上面図。
【図4】一実施形態の要部正面図。
【図5】図2〜図4におけるA−A線断面図。
【図6】制御装置のブロック回路図。
【図7】マイクロコンピュータの動作を示すフローチャ
ート。
ート。
【図8】マイクロコンピュータの動作を示すフローチャ
ート。
ート。
【図9】鋏身の要部断面図。
【図10】鋏身の設計図。
【図11】一実施形態の動作を説明するための要部斜視
図。
図。
【図12】一実施形態の動作を説明するための要部側面
図。
図。
【図13】一実施形態の動作を説明するための要部正面
図。
図。
【図14】一実施形態の動作を説明するための要部側面
図。
図。
【図15】一実施形態の動作を説明するための要部側面
図。
図。
【図16】別の実施形態の概略構成図。
【図17】別の実施形態を説明するための斜視図。
1…鋏の刃付け装置、2…ロボット、2b…ロボットハ
ンド、4…研磨機、4b…研磨部材としての砥石、19
…位置決めピン、20…指孔コマ、21…可動ツメ、4
1…指孔、51…データ入力手段としての入力装置、5
2…移動経路算出手段および移動制御手段としてのマイ
クロコンピュータ、71a…被加工物としての物体の部
分、A…鋏身、Pn …任意の点、α…移動中心、T,Q
X,QG0,AA,BB,CC,DD,XX,KX,K
Y,KZ,DUX,DUY,DUZ…データ、O…加工
点としての3次元座標原点
ンド、4…研磨機、4b…研磨部材としての砥石、19
…位置決めピン、20…指孔コマ、21…可動ツメ、4
1…指孔、51…データ入力手段としての入力装置、5
2…移動経路算出手段および移動制御手段としてのマイ
クロコンピュータ、71a…被加工物としての物体の部
分、A…鋏身、Pn …任意の点、α…移動中心、T,Q
X,QG0,AA,BB,CC,DD,XX,KX,K
Y,KZ,DUX,DUY,DUZ…データ、O…加工
点としての3次元座標原点
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 市橋 庄太郎 岐阜県関市小瀬1288 岐阜県金属試験場 内 (72)発明者 吉田 一正 岐阜県関市下有知3846番地の1 有限会 社 エドランド工業 内 (72)発明者 山田 裕二 岐阜県関市下有知3846番地の1 有限会 社 エドランド工業 内 (56)参考文献 実開 平6−11956(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B24B 3/52,27/00,41/06 B25J 15/04
Claims (4)
- 【請求項1】 鋏身(A)を把持するロボットハンド
(2b)を有し、そのロボットハンドを3次元移動させ
るロボット(2)と、 鋏身の研磨加工を行う研磨機(4)と、 鋏身の形状に関する各データを入力するデータ入力手段
(51)と、 データ入力手段により入力された各データに基づき、研
磨機に対するロボットハンドの移動経路を算出する移動
経路算出手段(52)と、 移動経路算出手段により算出された移動経路に従ってロ
ボットハンドを移動させ、研磨機によって鋏身の研磨加
工を行わせる移動制御手段(52)とを備えた鋏加工装
置であって、 前記鋏身(A)は円形の指孔(41)を備え、 前記ロボットハンド(2b)は、 ロボットハンドに固定された位置決めピン(19)と、 ロボットハンドに固定され、鋏身の指孔と嵌合する指孔
コマ(20)と、 位置決めピンおよび指孔コマと三角形を成すように配置
され、鋏身を押圧する可動ツメ(21)とを備え、 可動ツメを鋏身側へ移動させることで鋏身を押圧し、そ
の押圧された鋏身を、指孔を中心として位置決めピン側
へ回動させ、位置決めピンと可動ツメとの間で鋏身を挟
圧的に保持させることにより、ロボットハンドに対する
鋏身の位置決めを行う鋏加工装置。 - 【請求項2】 請求項1に記載の鋏加工装置において、
前記鋏身の形状に関するデータは、 前記鋏身(A)の厚み(T)を示すデータ(T)、 鋏身の刃先(42)の断面角度を示すデータ(QX)、 刃先の長さを示すデータ(QG0)、 刃先の曲線を特定する関数の係数を示すデータ(AA,
BB,CC,DD)、 刃先の曲線を特定する関数の切片を示すデータ(D
D)、 前記ロボット(2)と研磨機(4)の位置関係によって
規定される3次元座標における刃先の末端の点(P50)
の座標(P50x)を示すデータ(XX)、 ロボットと研磨機の位置関係によって規定される3次元
座標における鋏身のカシメ軸(43)の座標(43x,
43y,43z)を示すデータ(KX,KY,KZ)、 ロボットと研磨機の位置関係によって規定される3次元
座標におけるロボットハンド(2b)の移動中心(α)
の座標を示すデータ(DUX,DUY,DUZ)のうち
少なくともいずれか一つを含む鋏加工装置。 - 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の鋏加工
装置において、 前記研磨機(4)は研磨部材(4b)を備え、 前記移動経路算出手段(52)は、前記鋏身(A)の刃
先(42)の曲線上の各位置に相当する任意の点(Pn
)における法線方向のベクトルと、研磨機(4)の研
磨部材(4b)の表面の加工点(O)における法線方向
のベクトルとが常に一致するように、前記ロボットハン
ド(2b)の移動中心(α)の移動経路を算出する鋏加
工装置。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の鋏
加工装置において、 前記移動経路算出手段(52)は、前記鋏身(A)の刃
先(42)の任意の点(Pn )における断面角度が設定
値と常に一致するように、前記ロボットハンド(2b)
の移動中心(α)の移動経路を算出する鋏加工装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17686896A JP3103768B2 (ja) | 1996-07-05 | 1996-07-05 | 鋏加工装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17686896A JP3103768B2 (ja) | 1996-07-05 | 1996-07-05 | 鋏加工装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1015803A JPH1015803A (ja) | 1998-01-20 |
JP3103768B2 true JP3103768B2 (ja) | 2000-10-30 |
Family
ID=16021215
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17686896A Expired - Fee Related JP3103768B2 (ja) | 1996-07-05 | 1996-07-05 | 鋏加工装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3103768B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE10021302A1 (de) * | 2000-05-02 | 2001-11-08 | Heinz Berger Maschinenfabrik G | Schleifmaschine und Verfahren zum Schärfen von Klingen |
US9902039B2 (en) | 2015-09-24 | 2018-02-27 | Wolff Industries, Inc. | Systems and methods for conditioning blades |
-
1996
- 1996-07-05 JP JP17686896A patent/JP3103768B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH1015803A (ja) | 1998-01-20 |
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---|---|---|---|
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