JP3103454U - 管内空間分割部材および管内空間分割部材用の移動防止部材 - Google Patents
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Abstract
【課題】 管(パイプ)にスムースに挿入することができるとともに、管内の空間を有効に活用することができる管内空間分割部材(パイプルーマー)を提供する。
【解決手段】 パイプルーマー10は、パイプ1内に挿入される。パイプルーマー10は、長手方向に延びた断面T字形状のパーティション11と、当該パーティション11の内部に配置されたワイヤロープ12とから構成されている。断面T字形状のパーティション11は、パイプ1内の空間を3分割する3つの仕切板11A〜11Cによって形成されている。パイプ1の内面と接触する3つの仕切板11A〜11Cの端部は、その断面が曲面形状(まるくなるよう)に形成されている。よって、パイプルーマー10をパイプ1内にスムースに挿入して布設することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】 パイプルーマー10は、パイプ1内に挿入される。パイプルーマー10は、長手方向に延びた断面T字形状のパーティション11と、当該パーティション11の内部に配置されたワイヤロープ12とから構成されている。断面T字形状のパーティション11は、パイプ1内の空間を3分割する3つの仕切板11A〜11Cによって形成されている。パイプ1の内面と接触する3つの仕切板11A〜11Cの端部は、その断面が曲面形状(まるくなるよう)に形成されている。よって、パイプルーマー10をパイプ1内にスムースに挿入して布設することができる。
【選択図】 図1
Description
本考案は、管の内部に挿入され、管の内部を複数のケーブルを布設するための空間に分割する管内空間分割部材、および当該管内空間分割部材の端部に取り付けられ、管の先端から突出している管内空間分割部材の端部が管の内部に入り込むことを防止する管内空間分割部材用の移動防止部材に関する。
一般に、通信線や電力線等のケーブルは、例えば地下に敷設されている配管の中を通される。ここで、1本の配管の中に複数本のケーブルが布設されることがある。このような場合、配管の内部を長手方向の複数の空間に予め分割しておくことにより、複数本のケーブルを1本の配管の中に布設する際に、配管内に既に布設されているケーブルと接触させることなく、各ケーブルの布設や撤去などを行うことが可能となる。管内空間分割部材は、上記したような管内の空間(スペース)を複数のケーブルを布設するための長手方向の空間に分割するために利用される。従来の管内空間分割部材には、配管内の空間を3つの空間に分割する断面Y字形状で配管の長手方向に延びる空間分割部(長手方向に延びた3つの仕切り板がY字形状に一体形成された空間分割部)が備えられている。
管内空間分割部材は、ケーブルを布設する前に、配管の内部に挿入される。また、管内空間分割部材が配管の内部に入り込んでしまうと、所定の空間にケーブルを挿入できなくなるおそれがあるため、管内空間分割部材の端部は、配管の先端から所定の長さだけ突き出される。また、ケーブルを布設するときなどに、管内空間分割部材がケーブルとともに移動し、配管の内部に入り込んでしまうのを防止するために、管内空間分割部材の端部には、管内空間分割部材の移動を防止する移動防止部材が取り付けられる。移動防止部材には、配管の外径よりも十分に長い、配管の径方向に延びた複数の棒状の留め部が設けられている。管内空間分割部材が配管の内部の方向に移動すると、複数の棒状の留め部が配管の端部の縁に引っ掛かることによって、管内空間分割部材が配管の内部に入り込むことを防止する。
管内空間分割部材を配管の内部に挿入する際に、配管の内面と管内空間分割部材における空間分割部の端部との接触により摩擦力が生じるため、管内空間分割部材を強く引っ張り込まなければ配管内に挿入することができない。特に、配管が数百メートルにも及ぶ場合には、大きな引張力が必要となる。従来の管内空間分割部材においては、配管の内面と接触する空間分割部の端部の形状について考慮されていないため、管内空間分割部材を配管内にスムースに挿入して布設することができないという問題があった。また、配管内になるべく多くのケーブルを布設可能であることが好ましいが、従来の管内空間分割部材においては、管内スペースの有効活用について考慮されていなかった。
また、配管の径の大きさは様々であるが、移動防止部材に設けられている配管の径方向に延びた複数の棒状の留め部が、配管の径の大きさよりもあまりに長いと、例えば配管が隣接して配置されているような場合に、留め部が他の配管へのケーブルの布設の邪魔になってしまう。
そこで、本考案は、上記のような課題を解決するために、管にスムースに挿入することができるとともに、管内の空間を有効に活用することができる管内空間分割部材を提供することを目的とする。
また、本考案は、留め部の長さを管の径の大きさ等に合わせて最適な長さに変更することができる管内空間分割部材用の移動防止部材を提供することを目的とする。
以上のような目的を実現するため、本考案による管内空間分割部材は、管の内部を3つの空間に分割する断面T字形状で管の長手方向に延びる空間分割部と、当該空間分割部の内部に配置された鋼線を撚った芯線とを備え、管の内面と接触する空間分割部の3つの端部の断面が曲面形状であることを特徴とする。
また、他の構成の管内空間分割部材は、管の内部を4つの空間に分割する断面十字形状で管の長手方向に延びる空間分割部と、当該空間分割部の内部に配置された鋼線を撚った芯線とを備え、管の内面と接触する空間分割部の4つの端部の断面が曲面形状であることを特徴とする。
空間分割部によって分割された空間内にケーブルを布設するために用いる誘導線を収容する長手方向の中空部が空間分割部の端部に形成され、中空部に収容された誘導線を外に引き出すための誘導線引出部が空間分割部の端部に形成されていてもよい。
誘導線引出部は、長手方向に形成された、中空部側から外側に至る割れであるのが好ましい。
空間分割部の長手方向の側面に、分割された空間を識別可能な線が付されているのが好ましい。
また、本考案による管内空間分割部材用の移動防止部材は、管内空間分割部材の端部から管の長手方向に露出している芯線を貫通させるための中空部が形成された本体部と、中空部を貫通している芯線を挟み込んで固定する固定部と、中空部を貫通している芯線を軸として本体部の側面から外側に向けて突出した複数の棒状の留め部とを備え、当該複数の棒状の留め部は、本体部から取り外し可能に構成されたことを特徴とする。
複数の棒状の留め部は、本体部にネジ止めされることによって取り外し可能な構成とされているのが好ましい。
本考案によれば、管の内部を3つの空間に分割する断面T字形状で管の長手方向に延びる空間分割部と、当該空間分割部の内部に配置された鋼線を撚った芯線とを備え、管の内面と接触する空間分割部の3つの端部の断面が曲面形状とされているので、管の内部に管内空間分割部材を挿入するときの摩擦力が小さくなる。その結果、管内空間分割部材を引っ張る力が弱くてもよく、管内空間分割部材をスムースに管の内部に挿入することができるようになる。また、空間分割部が断面T字形状に形成されているので、管の内部を広い空間と狭い空間とに分割することができる。そして、広い空間にケーブルを布設しても未だ空きスペースがあるため、その空きスペースにケーブル(細いケーブル)を布設することが可能となり、管内スペースを有効に活用することができるようになる。
また、本考案によれば、管の内部を4つの空間に分割する断面十字形状で管の長手方向に延びる空間分割部と、当該空間分割部の内部に配置された鋼線を撚った芯線とを備え、管の内面と接触する空間分割部の4つの端部の断面が曲面形状とされているので、管の内部に管内空間分割部材を挿入するときの摩擦力が小さくなる。その結果、管内空間分割部材を引っ張る力が弱くてもよく、管内空間分割部材をスムースに管の内部に挿入することができるようになる。また、空間分割部が断面十字形状に形成されているので、管の内部に4本のケーブルを布設することができ、管内スペースを有効に活用することができるようになる。
また、本考案によれば、空間分割部によって分割された空間内にケーブルを布設するために用いる誘導線を収容する長手方向の中空部が空間分割部の端部に形成され、中空部に収容された誘導線を外に引き出すための誘導線引出部が空間分割部の端部に形成されているので、管内空間分割部材の施工時における作業工程が減少し、作業者の負担を軽減させることができる。
また、本考案によれば、誘導線引出部が、長手方向に形成された、中空部側から外側に至る割れであるので、中空部に収容された誘導線が意図せずに外に飛び出してしまうことがなくなるとともに、管内空間分割部材の製造時における誘導線引出部の形成も容易になる。
また、本考案によれば、空間分割部の長手方向の側面に、分割された空間を識別可能な線が付されているので、施工時においてケーブルを挿入すべきでない空間にケーブルを挿入されてしまうようなミスが発生するのを防止することができるようになる。
また、本考案によれば、管内空間分割部材の端部から管の長手方向に露出している芯線を貫通させるための中空部が形成された本体部と、中空部を貫通している芯線を挟み込んで固定する固定部と、中空部を貫通している芯線を軸として本体部の側面から外側に向けて突出した複数の棒状の留め部とを備え、当該複数の棒状の留め部が、本体部から取り外し可能に構成されているので、管の径の大きさや管の中心位置からの芯線の位置のずれに合わせて棒状の留め部の長さを容易に変更することができる。
また、本考案によれば、複数の棒状の留め部が、本体部にネジ止めされることによって取り外し可能な構成とされているので、棒状の留め部を本体部から容易に取り外すことができる。
実施の形態1.
以下、本考案の管内空間分割部材および管内空間分割部材用の移動防止部材について図面を参照して説明する。
以下、本考案の管内空間分割部材および管内空間分割部材用の移動防止部材について図面を参照して説明する。
図1は、本考案の管内空間分割部材の構成例を示す断面図である。また、図2は、本考案の管内空間分割部材の構成例を示す斜視図である。なお、図1および図2において、(A)は、管内の空間を3分割する断面がT字形状の空間分割部を備えた管内空間分割部材を示し、(B)は、管内の空間を4分割する断面が正十字形状の空間分割部を備えた管内空間分割部材を示している。
なお、この実施の形態において、管(配管あるいは管路)のことをパイプという。また、管内空間分割部材のことをパイプルーマー(パイプ内の空間を複数の空間(部屋)に仕切る部材の意味)といい、空間分割部のことをパーティションという。また、パイプ内に布設されるケーブルとして光ケーブルを想定している。
まず、図1(A)および図2(A)を参照してT3分割のパイプルーマーの構成について説明する。図1(A)に示すように、パイプルーマー10は、例えば地中に埋設されているパイプ1内に挿入される。パイプルーマー10は、長手方向に延びた断面T字形状のパーティション11と、当該パーティション11の内部に配置された鋼線を撚ったワイヤロープ12とから構成されている。パーティション11は、塩化ビニル等のプラスチック材料をT字形状の穴のあいた型(例えば金型)を用いて押出成形することにより形成される。また、パーティション11を押出成形するときに、ワイヤロープ12がパーティション11の内部に配置されることにより、パーティション11とワイヤロープ12とが一体形成される。なお、押出成形によらずに、引出成形によってパーティション11を形成してもよい。パイプルーマー10の長手方向の長さは、パイプ1の長さよりも十分に長い長さであればよい。例えば数百メートルとされる。
図1(A)および図2(A)に示すように、断面T字形状のパーティション11は、パイプ1内の空間を3分割する3つの仕切板11A〜11Cによって形成されている。各仕切板11A〜11Cの径方向の長さは、パーティション11がパイプ1内に挿入可能となるように、少なくともパイプ1の内径よりも短くなるように設定される。各仕切板11A〜11Cの径方向の長さは、それぞれ異なる長さであってもよい。図1(A)に示す例では、仕切板11Bの長さが仕切板11A,11Cよりも短く設定されている。各仕切板11A〜11Cの長さを変更することにより、分割される空間の広さを調整することができる。
図1(A)および図2(A)に示すように、パイプ1の内面と接触する3つの仕切板11A〜11Cの端部は、その断面が曲面形状(まるくなるよう)に形成されている。従って、各仕切板11A〜11Cの端部がパイプ1の内面に引っ掛からず、また、パイプ1の内面と各仕切板11A〜11Cの端部との接触面積が小さくなり、摩擦力も小さくなる。よって、パイプルーマー10をパイプ1内に挿入するときのパイプルーマー10を引っ張る力を小さくすることができ、パイプルーマー10をパイプ1内にスムースに挿入して布設することができるようになる。
3つの仕切板11A〜11Cの付け根の位置にワイヤロープ12が通されている。このワイヤロープ12には、後述するように、巻付グリップが取り付けられる(図3参照)。
パーティション11における3つの仕切板11A〜11Cによって、パイプ1内部の空間が長手方向の3つの空間に分割される(仕切られる)。パーティション11が断面T字形状であり、また、図1(A)に示す例では仕切板11Bの長さが仕切板11A,11Cよりも短いので、分割されたパイプ1内の空間は、1つの広い(大きい)空間と2つの狭い(小さい)空間となっている。広い空間には、径の大きなケーブル31を挿入することができ、2つの狭い空間には、ケーブル31よりも径の小さなケーブル32,33を挿入することができる。また、広い空間にケーブル31を挿入しても、図1(A)に示すように、ケーブルを布設することができる空間が余っている。従って、その空間(あきスペース)に小さな径のケーブル34,35を挿入することもできる。よって、パイプ1内部の空間(スペース)を有効に活用することができるようになる。なお、広い空間に径の大きなケーブル31を挿入せずに、径の小さなケーブルを挿入してもよい。
なお、パイプルーマー10を構成するパーティション11が断面T字形状に形成されていることにより、パーティション11の重心がパイプ1の中心よりも下側にくるので、パイプルーマー10の布設時に撚れずに安定してパイプルーマー10をパイプ1内に挿入することができるものと考えられる。
次に、図1(B)および図2(B)を参照して正十字分割のパイプルーマーの構成について説明する。図1(B)に示すように、パイプルーマー20は、パイプ1内に挿入される。パイプルーマー20は、長手方向に延びた断面正十字形状のパーティション21と、当該パーティション21の内部に配置された鋼線を撚ったワイヤロープ22とから構成されている。パーティション21も、上記したパーティション11と同様に、塩化ビニル等のプラスチック材料を十字形状の穴のあいた型(例えば金型)を用いて成形(押出成形または引出成形)することにより形成される。また、パーティション21を成形するときに、ワイヤロープ22がパーティション21の内部に配置されることにより、パーティション21とワイヤロープ22とが一体形成される。パイプルーマー20の長手方向の長さも、例えば数百メートルとされる。
図1(B)および図2(B)に示すように、断面正十字形状のパーティション21は、パイプ1内の空間を4分割する4つの仕切板21A〜21Dによって形成されている。各仕切板21A〜21Dの径方向の長さは、パーティション21がパイプ1内に挿入可能となるように、少なくともパイプ1の内径よりも短くなるように設定される。なお、図1(B)および図2(B)に示すパーティション21は、断面正十字形状に形成されているが(すなわち各仕切板21A〜21Dの径方向の長さが同じ長さとされているが)、各仕切板の径方向の長さが、それぞれ異なる長さとされていてもよい。
図1(B)および図2(B)に示すように、パイプ1の内面と接触する4つの仕切板21A〜21Dの端部は、その断面が曲面形状(まるくなるよう)に形成されている。従って、上述したパーティション11と同様に、各仕切板21A〜21Dの端部がパイプ1の内面に引っ掛からず、また、パイプ1の内面と各仕切板21A〜21Dの端部との接触面積が小さくなり、摩擦力も小さくなる。よって、パイプルーマー20をパイプ1内に挿入するときのパイプルーマー20を引っ張る力を小さくすることができ、パイプルーマー20をパイプ1内にスムースに挿入して布設することができるようになる。
4つの仕切板21A〜21Dの付け根の位置(正十字の中心位置)にワイヤロープ22が通されている。このワイヤロープ22には、後述するように、巻付グリップが取り付けられる(図3参照)。
パーティション21における4つの仕切板21A〜21Dによって、パイプ1内部の空間が長手方向の4つの空間に分割される(仕切られる)。図1(B)に示す例ではパーティション21が断面正十字形状であるので、分割されたパイプ1内の空間は、同じ広さの4つの空間に分割されている。そして、各空間に4つのケーブル41〜44を挿入することができる。ここで、例えば断面Y字形状のパーティション(図示せず)によってパイプ1内を3つの空間に分割した場合よりも、図1(B)に示すような断面十字形状のパーティション21によってパイプ1内を4つの空間に分割した場合の方が、空間にケーブルを挿入した後の空間におけるあきスペースは狭くなる。よって、パイプ1内の空間(スペース)を有効に活用することができることになる。
図1(B)および図2(B)に示すように、パーティション21における各仕切板21A〜21Dの側面に、分割された空間を識別するための長手方向の線が付されている。図1(B)および図2(B)に示す例では、仕切板21Aには1本線が付され、仕切板21Bには2本線が付され、仕切板21Cには3本線が付され、仕切板21Dには4本線が付されている。これらの線によって、作業者はケーブルを挿入すべき空間を認識することができ、施工時においてケーブルを挿入すべきでない空間にケーブルを挿入されてしまうようなミスが発生するのを防止することができる。なお、線は作業者が認識できるものであればよく、塗料などで塗られても、溝などが形成されてもよい。また、線の数も1本〜4本に限られず任意の数であってもよい。なお、図1(A)および図2(A)に示すように、パーティション11には線が付されていないが、これは、パーティション11は断面T字形状であるので、線が付されていなくても分割された各空間を識別することができると考えられるからである。ただし、パーティション11にもパーティション21のような線を付してもよい。
次に、図3を参照してパイプルーマー10,20の施工方法について説明する。図3は、管内空間分割部材の施工方法を説明するための説明図である。なお、図3では、図1(A)および図2(A)に示したパイプルーマー10をパイプ1内に布設する際の施工方法を示している。
図3に示すように、パイプ1が地下に敷設されている。まず、作業者は、通線器(イエローロープ)を用いて牽引ロープ2をパイプ1内に挿入する。または、作業者は、パイプ1の径一杯になるようなパラシュートで細いロープ(図示せず)を飛ばし、そのロープをパイプ1内に挿入する。そして、細いロープの末端に牽引ロープ2を取り付けて、細いロープを引っ張ることにより牽引ロープ2をパイプ1内に引き入れる。牽引ロープ2にはナイロンロープ等が用いられる。
パイプルーマー10は、パイプ1が敷設されている場所に木製の巻枠6によって搬入される。パイプルーマー10の先端から所定の長さ(例えば50cm)パーティション11を剥ぎ取り、ワイヤロープ12を露出させる。そして、ワイヤロープ12に巻付グリップ5を取り付ける。パイプ1内に先に挿入した牽引ロープ2に撚戻し器(図示せず)を取り付け、その撚戻し器を巻付グリップ5につなげる。撚戻し器は、パイプ1内への挿入時にパイプルーマー10が撚らないように(ひねらないように)調整するものである。後でケーブル31〜33を牽引するための3本の捨て線7をパイプルーマー10に沿わせる。捨て線7はパイプルーマー10とともにパイプ1内に挿入される。なお、捨て線7は、後から通線器等を用いてパイプ1内に挿入されてもよい。
作業者は、牽引ロープ2を金串3に通した後にウインチ4につなぐ。そして、ウインチ4で牽引ロープ2を牽引し、パイプルーマー10をパイプ1内に引き込む。パイプ1内へのパイプルーマー10の布設が完了すると、パイプ1の先端から所定の長さ(例えば20cm)だけ突出させてパイプルーマー10を切断する。そして、パイプ1の先端から突出したパイプルーマー10の端部に、パイプルーマー10の移動を防止するための移動防止部材(図4、図5参照)を取り付ける。
その後、ケーブル(ケーブル31〜33のうちのいずれか1本であってもよい)をパイプ1内に布設する場合は、ケーブルに捨て線7を接続し、捨て線7を引っ張ることによりケーブルをパイプ1内のパイプルーマー10で分割された空間に挿入することができる。
次に、図4および図5を参照して管内空間分割部材用の移動防止部材の構成について説明する。図4は、本考案の移動防止部材の構成例を示す平面図および正面図である。図5は、丸棒状の留め部を示す詳細図である。なお、この実施の形態において、移動防止部材のことをストッパという。
図4に示すように、ストッパ50は、本体部51、固定ネジ52A,52B、ボルト53A〜53Cおよびナット54A〜54Cから構成されている。6角柱形状の本体部51には、その内部が軸方向に円柱形状に刳り貫かれた中空の貫通部51aが形成されている。貫通部51aは、パイプルーマー10,20(パイプルーマー10または20)の先端から露出したワイヤロープ12,22が貫通する部分である。従って、貫通部51aの内径がワイヤロープ12,22の外形よりも大きくなるように貫通部51aが形成されている。本体部51には、貫通部51aを貫通するワイヤロープ12,22を挟み込んで固定する固定ネジ52A,52Bが設けられている。固定ネジ52A,52Bは、本体部51の側面から内部の貫通部51aに貫通しており、回転させられることにより本体部51の軸心方向に進入する。ワイヤロープ12,22が貫通部51aに通されている状態において、固定ネジ52A,52Bが回転して貫通部51a内に進入し、ワイヤロープ12,22に押し圧をかけることにより、ワイヤロープ12,22を本体部51に固定する。
また、本体部51には、当該本体部51の側面から外側に向けて突き出た3つの留め部が本体部51から取り外し可能に設けられている。3つの留め部は、それぞれ、図5に示すような金属丸棒の一端にネジ55を切ったボルト53A〜53Cと、ボルト53A〜53Cにはめて本体部51を締め付ける6角形状のナット54A〜54Cとから構成されている。このように、ボルト53A〜53Cおよびナット54A〜54Cにて本体部51にネジ止めされる構成とされているので、留め部が本体部51から取り外し可能となっている。図4に示した例では、留め部は、本体部51の中心軸からほぼ等角度の間隔で外側に突き出るように配置されている。すなわち、本体部51の上面側から見た場合(平面図で見た場合)にY字形状となるように配置されている。しかし、このような形状に配置する場合に限られず、取り付けられるパイプルーマー10,20の断面形状に合わせてT字形状や十字形状に配置されるのが好ましい。ケーブルの布設の邪魔にならないようにするためである。
留め部におけるボルト53A〜53Cの長さは、パイプルーマー10,20がパイプ1の内部の方向に移動したときに、ボルト53A〜53Cがパイプ1の端部の縁に引っ掛かるのに十分な長さとされる。このような長さは、パイプ1の径の大きさや、ワイヤロープ12の位置とパイプ1の中心位置とのずれの大きさによって異なる。この実施の形態においては、留め部が51から取り外し可能に構成されているので、異なる長さのボルトを予め用意しておき、パイプ1の径の大きさ等に合わせて所定の長さのボルトを本体部51に取り付けることで、ボルトの長さを最適な長さに調整することが可能である。
ストッパ50をパイプルーマー20に取り付けた状態を図6に示す。図6に示すように、ワイヤロープ22が本体部51の貫通部51aを貫通し、固定ネジ52A,52Bでネジ止め固定されている。また、本体部51から外側に向けて3本の留め部が延びている。3本の留め部を構成するボルト53A〜53Cの先端が、パイプ1の外径よりも外側にくるようにボルト53A〜53Cの長さが調整されている。なお、上述したストッパ50は金属製であるが、金属以外の材料で形成してもよい。
実施の形態2.
図7は、本考案の管内空間分割部材の他の構成例を示す断面図である。図7(A)には、T3分割のパイプルーマー60が示され、図7(B)には正十字分割のパイプルーマー70が示されている。図7(A)に示すように、パイプルーマー60において、パーティション61の仕切板61A〜61Cの端部には、それぞれ、内部が中空である円筒形状の円筒部63A〜63Cが長手方向に形成されている。円筒部63A〜63Cの中空部には、パーティション61によって分割された空間内にケーブルを布設するために用いる捨て線7(図3参照)が収容されている。また、円筒部63A〜63Cには、中空部側から外側に至る割れ64A〜64Cが長手方向に形成されている。割れ64A〜64Cは、円筒部63A〜64Cの中空部に収容された捨て線7を中空部の外に引き出すために設けられている。
図7は、本考案の管内空間分割部材の他の構成例を示す断面図である。図7(A)には、T3分割のパイプルーマー60が示され、図7(B)には正十字分割のパイプルーマー70が示されている。図7(A)に示すように、パイプルーマー60において、パーティション61の仕切板61A〜61Cの端部には、それぞれ、内部が中空である円筒形状の円筒部63A〜63Cが長手方向に形成されている。円筒部63A〜63Cの中空部には、パーティション61によって分割された空間内にケーブルを布設するために用いる捨て線7(図3参照)が収容されている。また、円筒部63A〜63Cには、中空部側から外側に至る割れ64A〜64Cが長手方向に形成されている。割れ64A〜64Cは、円筒部63A〜64Cの中空部に収容された捨て線7を中空部の外に引き出すために設けられている。
図7(B)に示すように、パイプルーマー70においても同様に、パーティション71の仕切板71A〜71Dの端部には、それぞれ、内部が中空である円筒形状の円筒部73A〜73Dが長手方向に形成されている。円筒部73A〜73Dの中空部には、パーティション71によって分割された空間内にケーブルを布設するために用いる捨て線7が収容されている。また、円筒部73A〜73Dには、中空部側から外側に至る割れ74A〜74Dが長手方向に形成されている。割れ74A〜74Dは、円筒部73A〜73Dの中空部に収容された捨て線7を中空部の外に引き出すために設けられている。
パイプルーマー60,70における円筒部63A〜63C,73A〜73Dおよび割れ64A〜64C,74A〜74Dは、型を用いた成形(押出成形または引出成形)によって形成される。また、捨て線7は成形時に収容される。
なお、パイプルーマー60,70の他の構成については、図1および図2に示したパイプルーマー10,20の構成と同様であるので、重複する説明を省略する。
図3で説明したように、複数の捨て線7は、パイプルーマー10,20をパイプ1内に布設するときに、パイプルーマー10,20とともに、分割された空間内に挿入される。このとき、捨て線7がクロスしないように慎重に挿入しなければならない。従って、捨て線7と一緒にパイプルーマー10,20を挿入する作業負担が大きくなる。また、パイプルーマー10,20をパイプ1に挿入した後、通線器等を用いて捨て線7を空間内に挿入する場合は、その分だけ作業工程が増えてしまう。
一方、図7に示したパイプルーマー60,70を利用すれば、パイプルーマー60,70をパイプ1に挿入すると、複数本の捨て線7も挿入された状態となる。そして、その後にケーブルを布設する際に、円筒部に収容されている捨て線7を割れを介して円筒部から引き出し、引き出した捨て線7をケーブルを布設する空間内に導くだけでよい。このように、パイプルーマー60,70を利用することにより、作業負担を大幅に削減することができることになる。
なお、円筒部に形成された捨て線を引き出すための引出部が割れとされているので、パイプルーマー60,70の布設時に円筒部の中空部に収容された捨て線7が意図せずに外に飛び出してしまうことがなくなる。また、パイプルーマー60,70の製造時における割れの形成も容易である。
なお、パイプルーマー60,70には、パイプルーマー20と異なりパーティション61,71の側面に各空間を識別するための線が付されていないが、線を付しておくのが好ましい。また、円筒部(すなわち捨て線7を収容する部分)は、パーティション61,71の端部に形成されているが、端部以外の部分(例えば中心部)に形成されていてもよい。なお、円筒部がパーティション61,71の端部に形成されていることによって、端部の断面が曲面形状になっている。また、パイプルーマー60,70において、円筒部に捨て線7を引き出すための割れを形成していたが、割れ以外の例えば切り欠き等が形成されていてもよい。また、図7に示すように、割れは、円筒部の先端部に形成されているが、先端部以外の部分に形成されていてもよい。
上記の実施の形態において、管内空間分割部材と移動防止部材とを別の部材としてとらえていたが、移動防止部材を管内空間分割部材の一部の部材、すなわち移動防止部材を管内空間分割部材に取り付けられた状態を一体化された管内空間分割部材としてとらえることも可能である。この場合は、移動防止部材が管内空間分割部材の一構成要素となる。
本考案は、管に複数のケーブルを布設する前に、管内の空間を予め複数のケーブルを布設するための空間に分割するために用いられ、特にケーブルの布設作業を容易にするのに有用である。
1 パイプ(管、配管)
7 捨て線(誘導線)
10,20,60,70 パイプルーマー(管内空間分割部材)
11,21,61,71 パーティション(空間分割部)
11A〜11C,21A〜21D,61A〜61C,71A〜71D 仕切板
12,22,62,72 ワイヤロープ
31〜35,41〜44 ケーブル
50 ストッパ(移動防止部材)
51 本体部
51a 貫通部(中空部)
52A,52B 固定ネジ(固定部)
53A〜53C ボルト(留め部)
54A〜54C ナット(留め部)
63A〜63C,73A〜73D 円筒部(中空部)
64A〜64C,74A〜74D 割れ(誘導線引出部)
7 捨て線(誘導線)
10,20,60,70 パイプルーマー(管内空間分割部材)
11,21,61,71 パーティション(空間分割部)
11A〜11C,21A〜21D,61A〜61C,71A〜71D 仕切板
12,22,62,72 ワイヤロープ
31〜35,41〜44 ケーブル
50 ストッパ(移動防止部材)
51 本体部
51a 貫通部(中空部)
52A,52B 固定ネジ(固定部)
53A〜53C ボルト(留め部)
54A〜54C ナット(留め部)
63A〜63C,73A〜73D 円筒部(中空部)
64A〜64C,74A〜74D 割れ(誘導線引出部)
Claims (7)
- 管の内部に挿入され、当該管の内部を複数のケーブルを布設するための空間に分割する管内空間分割部材であって、
前記管の内部を3つの空間に分割する断面T字形状で前記管の長手方向に延びる空間分割部と、
当該空間分割部の内部に配置された鋼線を撚った芯線とを備え、
前記管の内面と接触する前記空間分割部の3つの端部の断面が曲面形状である
ことを特徴とする管内空間分割部材。 - 管の内部に挿入され、当該管の内部を複数のケーブルを布設するための空間に分割する管内空間分割部材であって、
前記管の内部を4つの空間に分割する断面十字形状で前記管の長手方向に延びる空間分割部と、
当該空間分割部の内部に配置された鋼線を撚った芯線とを備え、
前記管の内面と接触する前記空間分割部の4つの端部の断面が曲面形状である
ことを特徴とする管内空間分割部材。 - 空間分割部によって分割された空間内にケーブルを布設するために用いる誘導線を収容する長手方向の中空部が前記空間分割部の端部に形成され、前記中空部に収容された前記誘導線を外に引き出すための誘導線引出部が前記空間分割部の端部に形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の管内空間分割部材。
- 誘導線引出部は、長手方向に形成された、中空部側から外側に至る割れであることを特徴とする請求項3記載の管内空間分割部材。
- 空間分割部の長手方向の側面に、分割された空間を識別可能な線が付されていることを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1項に記載の管内空間分割部材。
- 管の内部を複数のケーブルを布設するための空間に分割する管内空間分割部材の端部に取り付けられ、前記管の先端から突出している当該管内空間分割部材の端部が前記管の内部に入り込むことを防止する管内空間分割部材用の移動防止部材であって、
前記管内空間分割部材の端部から前記管の長手方向に露出している芯線を貫通させるための中空部が形成された本体部と、
前記中空部を貫通している前記芯線を挟み込んで固定する固定部と、
前記中空部を貫通している前記芯線を軸として前記本体部の側面から外側に向けて突出した複数の棒状の留め部とを備え、
当該複数の棒状の留め部は、前記本体部から取り外し可能に構成された
ことを特徴とする管内空間分割部材用の移動防止部材。 - 複数の棒状の留め部は、本体部にネジ止めされることによって取り外し可能な構成とされていることを特徴とする請求項6記載の管内空間分割部材用の移動防止部材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004000672U JP3103454U (ja) | 2004-02-18 | 2004-02-18 | 管内空間分割部材および管内空間分割部材用の移動防止部材 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2004000672U JP3103454U (ja) | 2004-02-18 | 2004-02-18 | 管内空間分割部材および管内空間分割部材用の移動防止部材 |
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JP3103454U true JP3103454U (ja) | 2004-08-12 |
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ID=43256925
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JP2004000672U Expired - Fee Related JP3103454U (ja) | 2004-02-18 | 2004-02-18 | 管内空間分割部材および管内空間分割部材用の移動防止部材 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3103454U (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101550562B1 (ko) | 2015-01-30 | 2015-09-04 | 김성철 | 지중 케이블 파형관 구획구 |
-
2004
- 2004-02-18 JP JP2004000672U patent/JP3103454U/ja not_active Expired - Fee Related
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