JP3102315B2 - 圧縮機 - Google Patents
圧縮機Info
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- JP3102315B2 JP3102315B2 JP07241921A JP24192195A JP3102315B2 JP 3102315 B2 JP3102315 B2 JP 3102315B2 JP 07241921 A JP07241921 A JP 07241921A JP 24192195 A JP24192195 A JP 24192195A JP 3102315 B2 JP3102315 B2 JP 3102315B2
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、斜板式圧縮機な
どの圧縮機に関するもので、特に駆動系の振動や騒音の
緩衝構成に関するものである。
どの圧縮機に関するもので、特に駆動系の振動や騒音の
緩衝構成に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の圧縮機の一つである斜板式圧縮
機は、回転軸により斜板が回転され、その斜板によりシ
リンダボア内でピストンが往復動されて、冷媒ガスの圧
縮が行われるようになっている。そして、従来の斜板式
圧縮機としては、例えば特開平1−240779号公報
に示すような構成のものが知られている。この従来構成
においては、回転軸の外周に鋸刃状の切欠きが形成さ
れ、この鋸刃状の切欠きに圧縮用駆動体としての斜板が
係合固定されている。
機は、回転軸により斜板が回転され、その斜板によりシ
リンダボア内でピストンが往復動されて、冷媒ガスの圧
縮が行われるようになっている。そして、従来の斜板式
圧縮機としては、例えば特開平1−240779号公報
に示すような構成のものが知られている。この従来構成
においては、回転軸の外周に鋸刃状の切欠きが形成さ
れ、この鋸刃状の切欠きに圧縮用駆動体としての斜板が
係合固定されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従って、この従来の斜
板式圧縮機においては、主として圧縮抵抗に起因する圧
縮運転中のトルク変動及び起動時のショックが斜板から
回転軸に直接伝達されて、振動や騒音が発生する。そし
て、この振動や騒音は冷媒回路の配管系や、その他の車
両補機によって増幅され、異常振動、騒音の原因にもな
った。
板式圧縮機においては、主として圧縮抵抗に起因する圧
縮運転中のトルク変動及び起動時のショックが斜板から
回転軸に直接伝達されて、振動や騒音が発生する。そし
て、この振動や騒音は冷媒回路の配管系や、その他の車
両補機によって増幅され、異常振動、騒音の原因にもな
った。
【0004】ところで、回転軸の先端に駆動源と接離す
るためのクラッチを装設し、そのクラッチにはゴム等の
弾性を有するハブを設けた圧縮機も、従来から提案され
ている。しかしながら、この従来構成では、弾性を有す
るハブが振動源であるカムプレートから離れて配置され
ているため、圧縮運転時のトルク変動及び起動時のショ
ックを充分に吸収することができなかった。加えて、ハ
ブの弾性係数が大きいため、振動を充分に吸収すること
ができなかった。
るためのクラッチを装設し、そのクラッチにはゴム等の
弾性を有するハブを設けた圧縮機も、従来から提案され
ている。しかしながら、この従来構成では、弾性を有す
るハブが振動源であるカムプレートから離れて配置され
ているため、圧縮運転時のトルク変動及び起動時のショ
ックを充分に吸収することができなかった。加えて、ハ
ブの弾性係数が大きいため、振動を充分に吸収すること
ができなかった。
【0005】この発明は、このような従来の技術に存在
する問題点に着目してなされたものである。その目的と
するところは、圧縮運転時のトルク変動及び起動時のシ
ョックを緩和することができて、振動や騒音を抑制する
ことができる圧縮機を提供することにある。
する問題点に着目してなされたものである。その目的と
するところは、圧縮運転時のトルク変動及び起動時のシ
ョックを緩和することができて、振動や騒音を抑制する
ことができる圧縮機を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載の発明では、ハウジング内部にお
ける回転軸から駆動体に至る伝達系に弾性体を介装し、
その弾性体を介して回転軸から駆動体に回転トルクを伝
達するとともに、その弾性体によりトルク変動を吸収す
るようにしたものである。
めに、請求項1に記載の発明では、ハウジング内部にお
ける回転軸から駆動体に至る伝達系に弾性体を介装し、
その弾性体を介して回転軸から駆動体に回転トルクを伝
達するとともに、その弾性体によりトルク変動を吸収す
るようにしたものである。
【0007】請求項2に記載の発明では、請求項1に記
載の圧縮機において、前記駆動体は、圧縮運転時に圧縮
反力を受ける部材であって、弾性体はその部材と回転軸
との間に介装されたものである。
載の圧縮機において、前記駆動体は、圧縮運転時に圧縮
反力を受ける部材であって、弾性体はその部材と回転軸
との間に介装されたものである。
【0008】請求項3に記載の発明では、請求項1また
は2に記載の圧縮機において、前記駆動体は、回転軸の
回転に対し弾性体を介して定位置で同期回転されるもの
である。
は2に記載の圧縮機において、前記駆動体は、回転軸の
回転に対し弾性体を介して定位置で同期回転されるもの
である。
【0009】請求項4に記載の発明では、請求項1〜3
のいずれかに記載の圧縮機において、前記弾性体は、そ
れのみによって回転軸から駆動体へ回転トルクを伝達す
るものである。
のいずれかに記載の圧縮機において、前記弾性体は、そ
れのみによって回転軸から駆動体へ回転トルクを伝達す
るものである。
【0010】請求項5に記載の発明では、請求項1〜4
のいずれかに記載の圧縮機において、前記弾性体は、環
状に形成されているものである。請求項6に記載の発明
では、請求項1〜4のいずれかに記載の圧縮機におい
て、前記弾性体は、複数に分割して形成されているもの
である。
のいずれかに記載の圧縮機において、前記弾性体は、環
状に形成されているものである。請求項6に記載の発明
では、請求項1〜4のいずれかに記載の圧縮機におい
て、前記弾性体は、複数に分割して形成されているもの
である。
【0011】請求項7に記載の発明では、請求項1〜6
のいずれかに記載の圧縮機において、前記駆動体は、ピ
ストンを往復動させるためのカムよりなるものである。
請求項8に記載の発明では、請求項1〜7のいずれかに
記載の圧縮機において、前記回転軸の先端に駆動源から
の動力の伝達を接離するためのクラッチを装設し、その
クラッチには動力伝達系に弾性体を介在させ、その弾性
体の弾性係数を圧縮機に生ずる共振点が300ヘルツ
(Hz)を越えるように設定したものである。
のいずれかに記載の圧縮機において、前記駆動体は、ピ
ストンを往復動させるためのカムよりなるものである。
請求項8に記載の発明では、請求項1〜7のいずれかに
記載の圧縮機において、前記回転軸の先端に駆動源から
の動力の伝達を接離するためのクラッチを装設し、その
クラッチには動力伝達系に弾性体を介在させ、その弾性
体の弾性係数を圧縮機に生ずる共振点が300ヘルツ
(Hz)を越えるように設定したものである。
【0012】請求項9に記載の発明では、請求項8に記
載の圧縮機において、前記クラッチ側の弾性体の弾性係
数を回転軸側の弾性体の弾性係数よりも大きくなるよう
に設定したものである。
載の圧縮機において、前記クラッチ側の弾性体の弾性係
数を回転軸側の弾性体の弾性係数よりも大きくなるよう
に設定したものである。
【0013】請求項10に記載の発明では、請求項9に
記載の圧縮機において、前記クラッチ側の弾性体の弾性
係数を回転軸側の弾性体の弾性係数に対して、40倍を
越えるように設定したものである。
記載の圧縮機において、前記クラッチ側の弾性体の弾性
係数を回転軸側の弾性体の弾性係数に対して、40倍を
越えるように設定したものである。
【0014】従って、請求項1、2、5及び6に記載の
圧縮機においては、回転軸が回転されると、弾性体を介
して圧縮用駆動体が回転されて、冷媒ガスの圧縮が行わ
れる。この圧縮運転中のトルク変動及び起動時のショッ
クが駆動体に付与された場合には、それらが弾性体によ
り吸収緩和される。このため、圧縮運転中のトルク変動
及び起動時のショックが、駆動体から回転軸に直接的に
伝達されることはなく、それらの伝達に起因した振動や
騒音を低減することができる。
圧縮機においては、回転軸が回転されると、弾性体を介
して圧縮用駆動体が回転されて、冷媒ガスの圧縮が行わ
れる。この圧縮運転中のトルク変動及び起動時のショッ
クが駆動体に付与された場合には、それらが弾性体によ
り吸収緩和される。このため、圧縮運転中のトルク変動
及び起動時のショックが、駆動体から回転軸に直接的に
伝達されることはなく、それらの伝達に起因した振動や
騒音を低減することができる。
【0015】請求項3、4及び7に記載の発明では、回
転軸から所定の回転トルクが弾性体を介して圧縮用駆動
体に伝達されてピストンが往復動される。このため、圧
縮機としての機能を充分なレベルで維持しつつ、振動や
騒音を抑制することができる。
転軸から所定の回転トルクが弾性体を介して圧縮用駆動
体に伝達されてピストンが往復動される。このため、圧
縮機としての機能を充分なレベルで維持しつつ、振動や
騒音を抑制することができる。
【0016】請求項8に記載の発明においては、クラッ
チ側の弾性体の弾性係数を圧縮機に生ずる共振点が30
0ヘルツを越えるように設定したことから、200〜3
00ヘルツ付近のトルク変動に伴う捩り振動の共振が低
減される。このため、特に車両用冷房装置の圧縮機に実
施した場合に、200〜300ヘルツ付近の捩り振動に
よる異音を抑制することができる。
チ側の弾性体の弾性係数を圧縮機に生ずる共振点が30
0ヘルツを越えるように設定したことから、200〜3
00ヘルツ付近のトルク変動に伴う捩り振動の共振が低
減される。このため、特に車両用冷房装置の圧縮機に実
施した場合に、200〜300ヘルツ付近の捩り振動に
よる異音を抑制することができる。
【0017】請求項9及び10に記載の発明において
は、クラッチ側に設けられた弾性体の弾性係数を回転軸
側に設けられた弾性体の弾性係数より所定値だけ大きく
設定したことから、クラッチ側の弾性体と回転軸側の弾
性体との協働により、200〜300ヘルツ付近の捩り
振動による異音を効果的に抑制することができる。
は、クラッチ側に設けられた弾性体の弾性係数を回転軸
側に設けられた弾性体の弾性係数より所定値だけ大きく
設定したことから、クラッチ側の弾性体と回転軸側の弾
性体との協働により、200〜300ヘルツ付近の捩り
振動による異音を効果的に抑制することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、この発明を斜板式圧縮機に
具体化した第1実施形態を、図1〜図3に基づいて詳細
に説明する。
具体化した第1実施形態を、図1〜図3に基づいて詳細
に説明する。
【0019】図1に示すように、メインハウジングを構
成する一対のシリンダブロック21は対向端縁において
互いに接合されている。フロントハウジング22はシリ
ンダブロック21の前端面にバルブプレート23を介し
て接合されている。リヤハウジング24はシリンダブロ
ック21の後端面にバルブプレート23を介して接合さ
れている。
成する一対のシリンダブロック21は対向端縁において
互いに接合されている。フロントハウジング22はシリ
ンダブロック21の前端面にバルブプレート23を介し
て接合されている。リヤハウジング24はシリンダブロ
ック21の後端面にバルブプレート23を介して接合さ
れている。
【0020】複数の通しボルト25は前記フロントハウ
ジング22から、両シリンダブロック21及びバルブプ
レート23を通して、リヤハウジング24のネジ孔26
に螺合されている。そして、これらの通しボルト25に
より、フロントハウジング22及びリアハウジング24
がシリンダブロック21の両端面に締結固定されてい
る。
ジング22から、両シリンダブロック21及びバルブプ
レート23を通して、リヤハウジング24のネジ孔26
に螺合されている。そして、これらの通しボルト25に
より、フロントハウジング22及びリアハウジング24
がシリンダブロック21の両端面に締結固定されてい
る。
【0021】回転軸27は前記シリンダブロック21及
びフロントハウジング22の中央に、一対のラジアルベ
アリング28を介して回転可能に支持され、その前端外
周とフロントハウジング22との間には軸封装置29が
介装されている。そして、この回転軸27は図示しない
エンジン等の駆動源に作動連結されて、その駆動源によ
り回転駆動される。
びフロントハウジング22の中央に、一対のラジアルベ
アリング28を介して回転可能に支持され、その前端外
周とフロントハウジング22との間には軸封装置29が
介装されている。そして、この回転軸27は図示しない
エンジン等の駆動源に作動連結されて、その駆動源によ
り回転駆動される。
【0022】複数のシリンダボア30は前記回転軸27
と平行に延びるように、各シリンダブロック21の両端
部間に同一円周上で所定間隔おきに貫通形成されてい
る。両頭型のピストン31は各シリンダボア30内に往
復動可能に嵌挿支持され、それらの両端面とバルブプレ
ート23との間において、各シリンダボア30内には圧
縮室32が形成される。
と平行に延びるように、各シリンダブロック21の両端
部間に同一円周上で所定間隔おきに貫通形成されてい
る。両頭型のピストン31は各シリンダボア30内に往
復動可能に嵌挿支持され、それらの両端面とバルブプレ
ート23との間において、各シリンダボア30内には圧
縮室32が形成される。
【0023】クランク室33は前記両シリンダブロック
21の間の内部に区画形成されている。圧縮用駆動体を
構成するカムプレートとしての斜板34はクランク室3
3内において回転軸27に取り付けられ、その外周部が
一対の半球状のシュー35を介してピストン31の中間
部に係留されている。そして、回転軸27が回転される
とき、斜板34を介してピストン31が往復動される。
一対のスラストベアリング36は斜板34の両端面と各
シリンダブロック21の内端面との間に介装され、この
スラストベアリング36を介して、斜板34が両シリン
ダブロック21間に保持されている。
21の間の内部に区画形成されている。圧縮用駆動体を
構成するカムプレートとしての斜板34はクランク室3
3内において回転軸27に取り付けられ、その外周部が
一対の半球状のシュー35を介してピストン31の中間
部に係留されている。そして、回転軸27が回転される
とき、斜板34を介してピストン31が往復動される。
一対のスラストベアリング36は斜板34の両端面と各
シリンダブロック21の内端面との間に介装され、この
スラストベアリング36を介して、斜板34が両シリン
ダブロック21間に保持されている。
【0024】吸入室37は前記フロントハウジング22
及びリヤハウジング24内の外周部に環状に区画形成さ
れ、図示しない吸入口を介して外部冷凍回路に接続され
る。吐出室38はフロントハウジング22及びリヤハウ
ジング24内の内周部に環状に区画形成されている。吐
出マフラー39は両シリンダブロック21の外周上部に
区画形成され、図示しない吐出通路を介して吐出室38
に連通されるとともに、吐出口40を介して外部冷凍回
路に接続される。
及びリヤハウジング24内の外周部に環状に区画形成さ
れ、図示しない吸入口を介して外部冷凍回路に接続され
る。吐出室38はフロントハウジング22及びリヤハウ
ジング24内の内周部に環状に区画形成されている。吐
出マフラー39は両シリンダブロック21の外周上部に
区画形成され、図示しない吐出通路を介して吐出室38
に連通されるとともに、吐出口40を介して外部冷凍回
路に接続される。
【0025】吸入弁機構41は前記各バルブプレート2
3に形成され、この吸入弁機構41により、両吸入室3
7から各シリンダボア30の圧縮室32内に冷媒ガスが
吸入される。吐出弁機構42は各バルブプレート23に
形成され、この吐出弁機構42により、各シリンダボア
30の圧縮室32内で圧縮された冷媒ガスが両吐出室3
8に吐出される。
3に形成され、この吸入弁機構41により、両吸入室3
7から各シリンダボア30の圧縮室32内に冷媒ガスが
吸入される。吐出弁機構42は各バルブプレート23に
形成され、この吐出弁機構42により、各シリンダボア
30の圧縮室32内で圧縮された冷媒ガスが両吐出室3
8に吐出される。
【0026】図1〜図3に示すように、円環状の弾性体
43は前記回転軸27と斜板34のボス部34aとの間
に圧入により介装され、冷媒ガス及びオイルに対して、
耐油性や耐久性を有するアクリロニトリル−ブタジエン
共重合ゴム(NBR)または水素化アクリロニトリル−
ブタジエン共重合ゴム(HNBR)等のゴム材料により
形成されている。一対の回り止め用突起44は斜板34
のボス部34aの内周面に所定間隔をおいて突設され、
それらの先端が弾性体43の外周面の係合溝45に係合
されている。なお、回転軸27と弾性体43との間は接
着剤などで固着接合されている。
43は前記回転軸27と斜板34のボス部34aとの間
に圧入により介装され、冷媒ガス及びオイルに対して、
耐油性や耐久性を有するアクリロニトリル−ブタジエン
共重合ゴム(NBR)または水素化アクリロニトリル−
ブタジエン共重合ゴム(HNBR)等のゴム材料により
形成されている。一対の回り止め用突起44は斜板34
のボス部34aの内周面に所定間隔をおいて突設され、
それらの先端が弾性体43の外周面の係合溝45に係合
されている。なお、回転軸27と弾性体43との間は接
着剤などで固着接合されている。
【0027】そして、回転軸27が回転されるとき、こ
れらの突起44により弾性材43のみを介して、回転軸
27から斜板34に回転トルクが伝達され、回転軸27
と斜板34とが定位置で同期回転されるようになってい
る。また、圧縮運転時にピストン31からの圧縮反力に
より、斜板34にトルク変動が作用した場合、あるいは
起動時のショックが斜板34に付与された場合には、そ
のトルク変動またはショックが弾性体43によって吸収
緩和される。
れらの突起44により弾性材43のみを介して、回転軸
27から斜板34に回転トルクが伝達され、回転軸27
と斜板34とが定位置で同期回転されるようになってい
る。また、圧縮運転時にピストン31からの圧縮反力に
より、斜板34にトルク変動が作用した場合、あるいは
起動時のショックが斜板34に付与された場合には、そ
のトルク変動またはショックが弾性体43によって吸収
緩和される。
【0028】次に、前記のように構成された圧縮機につ
いて動作を説明する。さて、このカムプレート式圧縮機
において、図示しないエンジン等の駆動源により回転軸
27が回転されると、弾性体43を介して斜板34が同
期回転され、各ピストン31がシリンダボア30内で往
復動される。それにより、冷媒ガスが両吸入室37から
吸入弁機構41を介して、各シリンダボア30の圧縮室
32内に吸入され、その圧縮室32内で圧縮される。ま
た、圧縮された冷媒ガスは、各シリンダボア30の圧縮
室32内から吐出弁機構42を介して両吐出室38に吐
出された後、吐出マフラー39及び吐出口40を介して
外部冷凍回路に吐出される。
いて動作を説明する。さて、このカムプレート式圧縮機
において、図示しないエンジン等の駆動源により回転軸
27が回転されると、弾性体43を介して斜板34が同
期回転され、各ピストン31がシリンダボア30内で往
復動される。それにより、冷媒ガスが両吸入室37から
吸入弁機構41を介して、各シリンダボア30の圧縮室
32内に吸入され、その圧縮室32内で圧縮される。ま
た、圧縮された冷媒ガスは、各シリンダボア30の圧縮
室32内から吐出弁機構42を介して両吐出室38に吐
出された後、吐出マフラー39及び吐出口40を介して
外部冷凍回路に吐出される。
【0029】以上のようにこの実施形態によれば、次の
ような利点を有する。 (1) 圧縮運転時には、ピストン31からの圧縮反力によ
り、斜板34にトルク変動が作用する。また、起動時に
おいても斜板34にショックが付与される。ところが、
回転軸27と斜板34との間には弾性体43が介装され
ているため、このトルク変動及びショックは弾性体43
によって吸収緩和される。従って、圧縮運転時のトルク
変動及び起動時のショックが、斜板34から回転軸27
に直接的に伝達されることはなく、それらの伝達に起因
した圧縮機の振動を低減することができる。 (2) また、弾性体43はトルク変動及びショックを受け
る圧縮用駆動体としての斜板34と回転軸27との間に
設けられていることから、振動伝達経路が短く、直ちに
トルク変動やショックが吸収緩和される。 (3) さらに、前記トルク変動に伴う捩り振動の共振を低
減することができて、捩り振動に基づく不快な異音を抑
制することができる。 (4) 加えて、弾性体43により各部の部品の組付け誤差
に基づく振動を吸収することができ、組付け公差の許容
範囲を拡げることができる。
ような利点を有する。 (1) 圧縮運転時には、ピストン31からの圧縮反力によ
り、斜板34にトルク変動が作用する。また、起動時に
おいても斜板34にショックが付与される。ところが、
回転軸27と斜板34との間には弾性体43が介装され
ているため、このトルク変動及びショックは弾性体43
によって吸収緩和される。従って、圧縮運転時のトルク
変動及び起動時のショックが、斜板34から回転軸27
に直接的に伝達されることはなく、それらの伝達に起因
した圧縮機の振動を低減することができる。 (2) また、弾性体43はトルク変動及びショックを受け
る圧縮用駆動体としての斜板34と回転軸27との間に
設けられていることから、振動伝達経路が短く、直ちに
トルク変動やショックが吸収緩和される。 (3) さらに、前記トルク変動に伴う捩り振動の共振を低
減することができて、捩り振動に基づく不快な異音を抑
制することができる。 (4) 加えて、弾性体43により各部の部品の組付け誤差
に基づく振動を吸収することができ、組付け公差の許容
範囲を拡げることができる。
【0030】
【発明の別の実施形態】次に、この発明の別の実施形態
を、図4〜図11に基づいて説明する。まず、図4に示
す第2実施形態においては、斜板34のボス部34aの
内周面に、断面円弧状の凸部48が形成され、この凸部
48と対応するように、円環状の弾性体43の外周面に
は断面円弧状の凹部49が形成されている。そして、こ
の凸部48と凹部49とが係合するように、弾性体43
が斜板34のボス部34a内に圧入されている。
を、図4〜図11に基づいて説明する。まず、図4に示
す第2実施形態においては、斜板34のボス部34aの
内周面に、断面円弧状の凸部48が形成され、この凸部
48と対応するように、円環状の弾性体43の外周面に
は断面円弧状の凹部49が形成されている。そして、こ
の凸部48と凹部49とが係合するように、弾性体43
が斜板34のボス部34a内に圧入されている。
【0031】従って、この第2実施形態の緩衝構成で
は、弾性体43が斜板34のボス部34a内から、軸線
方向に抜け出すのを防止することができる。また、図5
に示す第3実施形態においては、斜板34のボス部34
aの内周面に、断面鋸刃状の凹凸部50が形成され、こ
の凹凸部50と対応するように、回転軸27の外周に固
定されたブッシュ51の外周面にも、断面鋸刃状の凹凸
部52が形成されている。そして、ブッシュ51の外周
に斜板34のボス部34を嵌挿した状態で、両凹凸部5
0,52間に弾性体としての液状ゴムを注入して加熱加
硫させることにより、回転軸27上のブッシュ51と斜
板34のボス部34aとの間に弾性体43が形成されて
いる。
は、弾性体43が斜板34のボス部34a内から、軸線
方向に抜け出すのを防止することができる。また、図5
に示す第3実施形態においては、斜板34のボス部34
aの内周面に、断面鋸刃状の凹凸部50が形成され、こ
の凹凸部50と対応するように、回転軸27の外周に固
定されたブッシュ51の外周面にも、断面鋸刃状の凹凸
部52が形成されている。そして、ブッシュ51の外周
に斜板34のボス部34を嵌挿した状態で、両凹凸部5
0,52間に弾性体としての液状ゴムを注入して加熱加
硫させることにより、回転軸27上のブッシュ51と斜
板34のボス部34aとの間に弾性体43が形成されて
いる。
【0032】従って、この第2実施形態の緩衝構成で
は、弾性体43がブッシュ51とボス部34aとの間か
ら、軸線方向に抜け出すのを防止することができる。さ
らに、図6に示す第4実施形態においては、斜板34の
ボス部34aの内周面に、複数の断面円弧状の凹溝53
が所定間隔おきに形成されている。これらの凹溝53と
対応するように、回転軸27の外周に固定されたブッシ
ュ51の外周面にも、複数の断面円弧状の凹溝54が所
定間隔おきに形成されている。そして、弾性体43は複
数に分割して円柱状に形成され、ブッシュ51の外周に
斜板34のボス部34aを嵌挿した状態で、両凹溝5
3,54間にそれぞれ配設されている。
は、弾性体43がブッシュ51とボス部34aとの間か
ら、軸線方向に抜け出すのを防止することができる。さ
らに、図6に示す第4実施形態においては、斜板34の
ボス部34aの内周面に、複数の断面円弧状の凹溝53
が所定間隔おきに形成されている。これらの凹溝53と
対応するように、回転軸27の外周に固定されたブッシ
ュ51の外周面にも、複数の断面円弧状の凹溝54が所
定間隔おきに形成されている。そして、弾性体43は複
数に分割して円柱状に形成され、ブッシュ51の外周に
斜板34のボス部34aを嵌挿した状態で、両凹溝5
3,54間にそれぞれ配設されている。
【0033】従って、この第4実施形態の緩衝構成で
は、回転軸27上のブッシュ51と斜板34のボス部3
4aとの間に、回り止め構造を施す必要がない。次に、
図7及び図8に示す第5実施形態においては、前述した
第1実施形態の緩衝構成と同様に、回転軸27と圧縮用
駆動体としての斜板34との間に弾性体43が介装され
ている。そして、この緩衝構成に加えて、回転軸27の
先端にマグネットクラッチ57が装設され、そのマグネ
ットクラッチ57には弾性体としての板ばね状のハブ5
8が配設されている。
は、回転軸27上のブッシュ51と斜板34のボス部3
4aとの間に、回り止め構造を施す必要がない。次に、
図7及び図8に示す第5実施形態においては、前述した
第1実施形態の緩衝構成と同様に、回転軸27と圧縮用
駆動体としての斜板34との間に弾性体43が介装され
ている。そして、この緩衝構成に加えて、回転軸27の
先端にマグネットクラッチ57が装設され、そのマグネ
ットクラッチ57には弾性体としての板ばね状のハブ5
8が配設されている。
【0034】すなわち、ロータ59はベアリング60を
介して前記フロントハウジング22の先端筒状部に回転
可能に支持され、その背面には環状凹所61が形成され
るとともに、外周にはプーリ62が形成されている。ベ
ルト63はロータ59上のプーリ62と、図示しないエ
ンジン等の駆動源上のプーリとの間に掛装され、駆動源
によりベルト63を介してロータ59が回転される。
介して前記フロントハウジング22の先端筒状部に回転
可能に支持され、その背面には環状凹所61が形成され
るとともに、外周にはプーリ62が形成されている。ベ
ルト63はロータ59上のプーリ62と、図示しないエ
ンジン等の駆動源上のプーリとの間に掛装され、駆動源
によりベルト63を介してロータ59が回転される。
【0035】取付ボス64は前記回転軸27の先端に嵌
着してキー止めされ、その外周にはフランジ部65が形
成されている。取付板66は取付ボス64のフランジ部
65と接合するように、ネジ67により回転軸27の端
面に固定され、その外周には金属製弾性材よりなる複数
の前記ハブ58が、取付ボス64のフランジ部65を貫
通するリベット68により取り付けられている。
着してキー止めされ、その外周にはフランジ部65が形
成されている。取付板66は取付ボス64のフランジ部
65と接合するように、ネジ67により回転軸27の端
面に固定され、その外周には金属製弾性材よりなる複数
の前記ハブ58が、取付ボス64のフランジ部65を貫
通するリベット68により取り付けられている。
【0036】円板状のアーマチュア69は前記ロータ5
9と接離可能に対向するように、ハブ58の外端に取り
付けられている。励磁コイル70はロータ59の環状凹
所61内に配置されるように、ヨーク71を介してフロ
ントハウジング22の側面に装着されている。そして、
この励磁コイル70の通電時には、図7に破線で示す磁
路72に磁束が発生して、ハブ58の弾性変形により、
アーマチュア69がロータ59に吸着され、駆動源の回
転トルクがロータ59からアーマチュア69を介して回
転軸27に伝達される。
9と接離可能に対向するように、ハブ58の外端に取り
付けられている。励磁コイル70はロータ59の環状凹
所61内に配置されるように、ヨーク71を介してフロ
ントハウジング22の側面に装着されている。そして、
この励磁コイル70の通電時には、図7に破線で示す磁
路72に磁束が発生して、ハブ58の弾性変形により、
アーマチュア69がロータ59に吸着され、駆動源の回
転トルクがロータ59からアーマチュア69を介して回
転軸27に伝達される。
【0037】そして、前記ハブ58の弾性係数は、回転
軸27と斜板34との間に介装された弾性体43の弾性
係数よりも大きくて、その弾性体43の弾性係数の40
倍を越えるように設定されている。この弾性係数が極端
に大きくなると、マグネットクラッチ57の動作に支障
を来すことから、その上限は400倍程度であることが
望ましい。
軸27と斜板34との間に介装された弾性体43の弾性
係数よりも大きくて、その弾性体43の弾性係数の40
倍を越えるように設定されている。この弾性係数が極端
に大きくなると、マグネットクラッチ57の動作に支障
を来すことから、その上限は400倍程度であることが
望ましい。
【0038】また、このハブ58の弾性係数は、圧縮機
に生ずる共振点が300ヘルツ(Hz)を越えるように
設定されている。この共振点は車両用冷房装置では20
0〜300ヘルツの間に存在すると、捩り振動による異
音が問題となるため、300ヘルツを越えるように設定
されるが、その上限は600ヘルツ程度である。
に生ずる共振点が300ヘルツ(Hz)を越えるように
設定されている。この共振点は車両用冷房装置では20
0〜300ヘルツの間に存在すると、捩り振動による異
音が問題となるため、300ヘルツを越えるように設定
されるが、その上限は600ヘルツ程度である。
【0039】なお、これらの弾性係数の設定に際して
は、圧縮機の重量に応じて回転軸27の固有振動数が変
化するため、その固有振動数を所定値に保つように、ハ
ブ58及び弾性体43の弾性係数が設定されている。
は、圧縮機の重量に応じて回転軸27の固有振動数が変
化するため、その固有振動数を所定値に保つように、ハ
ブ58及び弾性体43の弾性係数が設定されている。
【0040】ちなみに、回転軸27と斜板34との間に
弾性体43等の緩衝構成を具備せず、ゴム等の弾性ハブ
を有するクラッチのみを装設した従来の圧縮機におい
て、トルク変動の周波数に対するプーリ62の回転変動
を測定したところ、図8に示すように、特性曲線C1の
ような結果が得られた。この特性曲線C1における回転
速度の変動を見ると、2つの共振点が存在する。特に、
圧縮機を車両用冷房装置に実施した場合には、200〜
300ヘルツ付近の共振点P1で、捩り振動による異音
が発生して問題になっていた。
弾性体43等の緩衝構成を具備せず、ゴム等の弾性ハブ
を有するクラッチのみを装設した従来の圧縮機におい
て、トルク変動の周波数に対するプーリ62の回転変動
を測定したところ、図8に示すように、特性曲線C1の
ような結果が得られた。この特性曲線C1における回転
速度の変動を見ると、2つの共振点が存在する。特に、
圧縮機を車両用冷房装置に実施した場合には、200〜
300ヘルツ付近の共振点P1で、捩り振動による異音
が発生して問題になっていた。
【0041】これに対して、回転軸27と斜板34との
間に弾性体43を介装するとともに、弾性ハブ58を有
するマグネットクラッチ57を装設した第5実施形態の
圧縮機について、トルク変動の周波数に対するプーリ6
2の回転変動を測定したところ、図8に示すように、特
性曲線C2のような結果が得られた。この特性曲線C2
の回転変動を見ると、捩り振動の共振点P2が、従来の
特性曲線C1上の共振点P1に比較して、高周波側へ5
00ヘルツ付近までシフトして、その振幅も低減してい
ることが判明した。従って、この第5実施形態の圧縮機
においては、トルク変動に伴う捩り振動の共振を低減す
ることができて、捩り振動に基づく異音を抑制すること
ができる。
間に弾性体43を介装するとともに、弾性ハブ58を有
するマグネットクラッチ57を装設した第5実施形態の
圧縮機について、トルク変動の周波数に対するプーリ6
2の回転変動を測定したところ、図8に示すように、特
性曲線C2のような結果が得られた。この特性曲線C2
の回転変動を見ると、捩り振動の共振点P2が、従来の
特性曲線C1上の共振点P1に比較して、高周波側へ5
00ヘルツ付近までシフトして、その振幅も低減してい
ることが判明した。従って、この第5実施形態の圧縮機
においては、トルク変動に伴う捩り振動の共振を低減す
ることができて、捩り振動に基づく異音を抑制すること
ができる。
【0042】次に、図9及び図10に示す第6実施形態
は、この発明をベーン圧縮機に具体化したものである。
この圧縮機においては、ハウジング75内にシリンダ7
6が配設され、その両端には一対のサイドプレート7
7,78が接合固定されている。両サイドプレート7
7,78間には回転軸79が回転可能に支持され、その
中間部には圧縮用駆動体としてのロータ80が取り付け
られている。
は、この発明をベーン圧縮機に具体化したものである。
この圧縮機においては、ハウジング75内にシリンダ7
6が配設され、その両端には一対のサイドプレート7
7,78が接合固定されている。両サイドプレート7
7,78間には回転軸79が回転可能に支持され、その
中間部には圧縮用駆動体としてのロータ80が取り付け
られている。
【0043】前記ロータ80の外周には複数のベーン8
1が半径方向へ移動可能に支持され、これらのベーン8
1によって、シリンダ76の内周面とロータ80の外周
面との間に複数の圧縮室82が区画形成される。そし
て、ロータ80の回転により、各圧縮室82が吸入室8
3及び吐出室84に交互に連通され、冷媒ガスが吸入室
83から圧縮室82内に吸入されて、その圧縮室82内
で圧縮された後に、吐出室84内へ吐出される。
1が半径方向へ移動可能に支持され、これらのベーン8
1によって、シリンダ76の内周面とロータ80の外周
面との間に複数の圧縮室82が区画形成される。そし
て、ロータ80の回転により、各圧縮室82が吸入室8
3及び吐出室84に交互に連通され、冷媒ガスが吸入室
83から圧縮室82内に吸入されて、その圧縮室82内
で圧縮された後に、吐出室84内へ吐出される。
【0044】後方のサイドプレート78には吐出口85
が形成され、吐出室84内に吐出された冷媒ガスが、こ
の吐出口85を通してオイル分離室86内に導かれる。
送出口87はオイル分離室86の周壁上部に形成され、
この送出口87を通して冷媒ガスが外部冷凍回路に送出
される。
が形成され、吐出室84内に吐出された冷媒ガスが、こ
の吐出口85を通してオイル分離室86内に導かれる。
送出口87はオイル分離室86の周壁上部に形成され、
この送出口87を通して冷媒ガスが外部冷凍回路に送出
される。
【0045】そして、前記回転軸79の外周とロータ8
0の中心孔88との間には、NBRまたはHNBR等の
ゴム材料よりなる円環状の弾性体89が介装されてい
る。また、ロータ80の中心孔88の内周面には一対の
回り止め用突起90が突設され、それらの先端が弾性体
89の外周の係合溝91に係合されている。
0の中心孔88との間には、NBRまたはHNBR等の
ゴム材料よりなる円環状の弾性体89が介装されてい
る。また、ロータ80の中心孔88の内周面には一対の
回り止め用突起90が突設され、それらの先端が弾性体
89の外周の係合溝91に係合されている。
【0046】従って、この第6実施形態の圧縮機におい
ては、圧縮運転時にベーン81からの圧縮反力により、
ロータ80にトルク変動が作用した場合、あるいは起動
時のショックがロータ80に付与された場合には、その
トルク変動またはショックが弾性体89によって吸収緩
和される。このため、圧縮運転時のトルク変動及び起動
時のショックが、ロータ80から回転軸79に直接的に
伝達されることはなく、それらの伝達に起因した圧縮機
の振動を低減することができる。
ては、圧縮運転時にベーン81からの圧縮反力により、
ロータ80にトルク変動が作用した場合、あるいは起動
時のショックがロータ80に付与された場合には、その
トルク変動またはショックが弾性体89によって吸収緩
和される。このため、圧縮運転時のトルク変動及び起動
時のショックが、ロータ80から回転軸79に直接的に
伝達されることはなく、それらの伝達に起因した圧縮機
の振動を低減することができる。
【0047】また、図11に示す第7実施形態は、この
発明をスクロール型圧縮機に具体化したものである。こ
の圧縮機においては、ハウジング94内に固定スクロー
ル部材95及び可動スクロール部材96が、それらの渦
巻部95a,96aにおいて互いに噛み合わされた状態
で配設されている。そして、両スクロール部材95,9
6間には複数の圧縮室97が形成されている。
発明をスクロール型圧縮機に具体化したものである。こ
の圧縮機においては、ハウジング94内に固定スクロー
ル部材95及び可動スクロール部材96が、それらの渦
巻部95a,96aにおいて互いに噛み合わされた状態
で配設されている。そして、両スクロール部材95,9
6間には複数の圧縮室97が形成されている。
【0048】前記ハウジング94内には回転軸98が回
転可能に支持され、その内端には偏心軸部98aが突設
されている。圧縮用駆動体としてのブッシュ99は回転
軸98の偏心軸部98aに回転可能に支持され、このブ
ッシュ99が可動スクロール部材96の軸受ボス部96
bに対し、ベアリング100を介して相対回転可能に嵌
合されている。
転可能に支持され、その内端には偏心軸部98aが突設
されている。圧縮用駆動体としてのブッシュ99は回転
軸98の偏心軸部98aに回転可能に支持され、このブ
ッシュ99が可動スクロール部材96の軸受ボス部96
bに対し、ベアリング100を介して相対回転可能に嵌
合されている。
【0049】そして、前記回転軸98が回転されたとき
には、偏心軸部98aを介して可動スクロール部材96
が回転軸98の軸線の周りで公転される。これにより、
圧縮室97が渦巻部95a,96aの外周側から中心側
に移動されて、その圧縮室97内で冷媒ガスが圧縮され
る。また、この圧縮された冷媒ガスは、固定スクロール
部材95の基板中央に形成された吐出孔101から吐出
室102内に吐出される。
には、偏心軸部98aを介して可動スクロール部材96
が回転軸98の軸線の周りで公転される。これにより、
圧縮室97が渦巻部95a,96aの外周側から中心側
に移動されて、その圧縮室97内で冷媒ガスが圧縮され
る。また、この圧縮された冷媒ガスは、固定スクロール
部材95の基板中央に形成された吐出孔101から吐出
室102内に吐出される。
【0050】前記回転軸98には、前述した第1実施形
態及び第6実施形態とほぼ同様に、NBRまたはHNB
R等のゴム材料よりなる円板状の弾性体103が介装さ
れている。すなわち、弾性体表面の凹凸部103aが回
転軸98本体の凹凸部と嵌合した状態で接着接合され、
回転力が伝達できるようになっている。
態及び第6実施形態とほぼ同様に、NBRまたはHNB
R等のゴム材料よりなる円板状の弾性体103が介装さ
れている。すなわち、弾性体表面の凹凸部103aが回
転軸98本体の凹凸部と嵌合した状態で接着接合され、
回転力が伝達できるようになっている。
【0051】従って、この第7実施形態の圧縮機におい
ても、圧縮運転時に可動スクロール部材96からの圧縮
反力により、回転軸98にトルク変動が作用した場合、
あるいは起動時のショックが回転軸98に付与された場
合には、そのトルク変動またはショックが弾性体103
によって吸収緩和される。このため、圧縮運転時のトル
ク変動及び起動時のショックが、ブッシュ99から回転
軸98の駆動源側に直接的に伝達されることはなく、そ
れらの伝達に起因した圧縮機の振動を低減することがで
きる。
ても、圧縮運転時に可動スクロール部材96からの圧縮
反力により、回転軸98にトルク変動が作用した場合、
あるいは起動時のショックが回転軸98に付与された場
合には、そのトルク変動またはショックが弾性体103
によって吸収緩和される。このため、圧縮運転時のトル
ク変動及び起動時のショックが、ブッシュ99から回転
軸98の駆動源側に直接的に伝達されることはなく、そ
れらの伝達に起因した圧縮機の振動を低減することがで
きる。
【0052】なお、この発明は、次のように変更して具
体化することも可能である。 (a)図7及び図8に示す第5実施形態のマグネットク
ラッチ57において、ハブ58を金属製弾性材とは異な
った所定の弾性係数を有するゴム等の弾性材により形成
すること。 (b)図9及び図10に示す第6実施形態のベーン圧縮
機において、第5実施形態のマグネットクラッチ57を
装設すること。 (c)図11に示す第7実施形態のスクロール型圧縮機
において、第5実施形態のマグネットクラッチ57を装
設すること。 (d)この発明をウェーブカム式圧縮機や片頭斜板式圧
縮機に具体化すること。
体化することも可能である。 (a)図7及び図8に示す第5実施形態のマグネットク
ラッチ57において、ハブ58を金属製弾性材とは異な
った所定の弾性係数を有するゴム等の弾性材により形成
すること。 (b)図9及び図10に示す第6実施形態のベーン圧縮
機において、第5実施形態のマグネットクラッチ57を
装設すること。 (c)図11に示す第7実施形態のスクロール型圧縮機
において、第5実施形態のマグネットクラッチ57を装
設すること。 (d)この発明をウェーブカム式圧縮機や片頭斜板式圧
縮機に具体化すること。
【0053】また、前記実施形態より把握される技術的
思想について、以下に記載する。 (1)圧縮用駆動体と弾性体との間に凹凸関係による回
り止め機構を設けた請求項3に記載の圧縮機。この構成
によれば、回転軸と駆動体とを定位置で確実に同期回転
させることができる。 (2)弾性体は冷媒ガス及びオイルに対して耐油性や耐
久性を有するアクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム
(NBR)または水素化アクリロニトリル−ブタジエン
共重合ゴム(HNBR)により形成されたものである請
求項1に記載の圧縮機。このように構成すれば、圧縮機
の耐久性を向上させることができる。 (3)前記弾性体は回転軸と駆動体との間に圧入により
介装されたものである請求項1に記載の圧縮機。このよ
うに構成すれば、弾性体を回転軸と駆動体との間に容易
に介装させることができる。 (4)前記弾性体は金属製弾性材よりなる板ばねである
請求項8に記載の圧縮機。この構成によれば、所定の弾
性係数を容易に得ることができ、振動や騒音の発生を効
果的に抑制することができる。 (5)圧縮用駆動体としてのカムは斜板である請求項7
に記載の圧縮機。この構成により、斜板式圧縮機におけ
る振動と騒音を抑制することができる。
思想について、以下に記載する。 (1)圧縮用駆動体と弾性体との間に凹凸関係による回
り止め機構を設けた請求項3に記載の圧縮機。この構成
によれば、回転軸と駆動体とを定位置で確実に同期回転
させることができる。 (2)弾性体は冷媒ガス及びオイルに対して耐油性や耐
久性を有するアクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム
(NBR)または水素化アクリロニトリル−ブタジエン
共重合ゴム(HNBR)により形成されたものである請
求項1に記載の圧縮機。このように構成すれば、圧縮機
の耐久性を向上させることができる。 (3)前記弾性体は回転軸と駆動体との間に圧入により
介装されたものである請求項1に記載の圧縮機。このよ
うに構成すれば、弾性体を回転軸と駆動体との間に容易
に介装させることができる。 (4)前記弾性体は金属製弾性材よりなる板ばねである
請求項8に記載の圧縮機。この構成によれば、所定の弾
性係数を容易に得ることができ、振動や騒音の発生を効
果的に抑制することができる。 (5)圧縮用駆動体としてのカムは斜板である請求項7
に記載の圧縮機。この構成により、斜板式圧縮機におけ
る振動と騒音を抑制することができる。
【0054】
【発明の効果】この発明は、以上のように構成されてい
るため、次のような効果を奏する。請求項1、2、5及
び6に記載の発明によれば、圧縮運転時のトルク変動及
び起動時のショックを吸収緩和することができて、振動
や騒音を抑制することができる。
るため、次のような効果を奏する。請求項1、2、5及
び6に記載の発明によれば、圧縮運転時のトルク変動及
び起動時のショックを吸収緩和することができて、振動
や騒音を抑制することができる。
【0055】請求項3、4及び7に記載の発明によれ
ば、回転軸から所定の回転トルクを弾性体を介して圧縮
用駆動体に伝達してピストンを往復動させ、圧縮機とし
ての機能を維持しつつ、振動や騒音を抑制することがで
きる。
ば、回転軸から所定の回転トルクを弾性体を介して圧縮
用駆動体に伝達してピストンを往復動させ、圧縮機とし
ての機能を維持しつつ、振動や騒音を抑制することがで
きる。
【0056】請求項8に記載の発明によれば、トルク変
動に伴う捩り振動の共振を低減することができて、捩り
振動に基づく異音を抑制することができる。請求項9及
び10に記載の発明によれば、捩り振動による異音をク
ラッチ側の弾性体と回転軸側の弾性体との協働により効
果的に抑制することができる。
動に伴う捩り振動の共振を低減することができて、捩り
振動に基づく異音を抑制することができる。請求項9及
び10に記載の発明によれば、捩り振動による異音をク
ラッチ側の弾性体と回転軸側の弾性体との協働により効
果的に抑制することができる。
【図1】 この発明の第1実施形態を示すカムプレート
式圧縮機の断面図。
式圧縮機の断面図。
【図2】 その緩衝構成を拡大して示す部分断面図。
【図3】 図2の3−3線における断面図。
【図4】 この発明の第2実施形態を示す緩衝構成部分
の断面図。
の断面図。
【図5】 この発明の第3実施形態を示す緩衝構成部分
の断面図。
の断面図。
【図6】 この発明の第4実施形態を示す緩衝構成部分
の断面図。
の断面図。
【図7】 この発明の第5実施形態を示すクラッチ部分
の断面図。
の断面図。
【図8】 第5実施例のプーリ回転速度の変動の測定結
果を示すグラフ。
果を示すグラフ。
【図9】 この発明の第6実施形態を示すベーン圧縮機
の断面図。
の断面図。
【図10】 図9の10−10線における断面図。
【図11】 この発明の第7実施形態を示すスクロール
型圧縮機の断面図。
型圧縮機の断面図。
27…回転軸、30…シリンダボア、31…ピストン、
34…圧縮用駆動体を構成するカムプレートとしての斜
板、43…弾性体、57…マグネットクラッチ、58…
ハブ、59…ロータ、62…プーリ、63…ベルト、6
9…アーマチュア、70…励磁コイル、79…回転軸、
80…圧縮用駆動体としてのロータ、81…ベーン、8
9…弾性体、95…固定スクロール部材、96…可動ス
クロール部材、98…回転軸、98a…偏心軸部、99
…圧縮用駆動体としてのブッシュ、103…弾性体。
34…圧縮用駆動体を構成するカムプレートとしての斜
板、43…弾性体、57…マグネットクラッチ、58…
ハブ、59…ロータ、62…プーリ、63…ベルト、6
9…アーマチュア、70…励磁コイル、79…回転軸、
80…圧縮用駆動体としてのロータ、81…ベーン、8
9…弾性体、95…固定スクロール部材、96…可動ス
クロール部材、98…回転軸、98a…偏心軸部、99
…圧縮用駆動体としてのブッシュ、103…弾性体。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野村 和宏 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式 会社豊田自動織機製作所 内 (72)発明者 池田 勇人 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式 会社豊田自動織機製作所 内 (72)発明者 川村 尚登 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式 会社豊田自動織機製作所 内 (72)発明者 出戸 紀一 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式 会社豊田自動織機製作所 内 (56)参考文献 実開 昭58−104430(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F04B 39/00 102 F04B 39/00 103 F04B 27/10 F04B 35/01
Claims (10)
- 【請求項1】 回転軸によりハウジング内部の圧縮用駆
動体を回転させて、冷媒ガスの圧縮を行うようにした圧
縮機において、 前記ハウジング内部における回転軸から駆動体に至る伝
達系に弾性体を介装し、その弾性体を介して回転軸から
駆動体に回転トルクを伝達するとともに、その弾性体に
よりトルク変動を吸収するようにした圧縮機。 - 【請求項2】 前記駆動体は、圧縮運転時に圧縮反力を
受ける部材であって、弾性体はその部材と回転軸との間
に介装された請求項1に記載の圧縮機。 - 【請求項3】 前記駆動体は、回転軸の回転に対し弾性
体を介して定位置で同期回転される請求項1または2に
記載の圧縮機。 - 【請求項4】 前記弾性体は、それのみによって回転軸
から駆動体へ回転トルクを伝達する請求項1〜3のいず
れかに記載の圧縮機。 - 【請求項5】 前記弾性体は、環状に形成されている請
求項1〜4のいずれかに記載の圧縮機。 - 【請求項6】 前記弾性体は、複数に分割して形成され
ている請求項1〜4のいずれかに記載の圧縮機。 - 【請求項7】 前記駆動体は、ピストンを往復動させる
ためのカムである請求項1〜6のいずれかに記載の圧縮
機。 - 【請求項8】 前記回転軸の先端に駆動源からの動力の
伝達を接離するためのクラッチを装設し、そのクラッチ
には動力伝達系に弾性体を介在させ、その弾性体の弾性
係数を圧縮機に生ずる共振点が300ヘルツ(Hz)を
越えるように設定した請求項1に記載の圧縮機。 - 【請求項9】 前記クラッチ側の弾性体の弾性係数を回
転軸側の弾性体の弾性係数よりも大きくなるように設定
した請求項8に記載の圧縮機。 - 【請求項10】 前記クラッチ側の弾性体の弾性係数を
回転軸側の弾性体の弾性係数に対して、40倍を越える
ように設定した請求項9に記載の圧縮機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07241921A JP3102315B2 (ja) | 1995-09-20 | 1995-09-20 | 圧縮機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07241921A JP3102315B2 (ja) | 1995-09-20 | 1995-09-20 | 圧縮機 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0988822A JPH0988822A (ja) | 1997-03-31 |
JP3102315B2 true JP3102315B2 (ja) | 2000-10-23 |
Family
ID=17081546
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP07241921A Expired - Fee Related JP3102315B2 (ja) | 1995-09-20 | 1995-09-20 | 圧縮機 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3102315B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US10626867B2 (en) | 2015-01-21 | 2020-04-21 | Guangdong Meizhi Compressor Co., Ltd. | Electric compressor and refrigeration device having same |
CN108708874A (zh) * | 2018-07-06 | 2018-10-26 | 无锡市海星船舶动力有限公司 | 双段结构式的船舶压缩机转子轴 |
-
1995
- 1995-09-20 JP JP07241921A patent/JP3102315B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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JPH0988822A (ja) | 1997-03-31 |
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