JP3102274B2 - ロックアップクラッチのスリップ制御装置 - Google Patents

ロックアップクラッチのスリップ制御装置

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JP3102274B2
JP3102274B2 JP18896194A JP18896194A JP3102274B2 JP 3102274 B2 JP3102274 B2 JP 3102274B2 JP 18896194 A JP18896194 A JP 18896194A JP 18896194 A JP18896194 A JP 18896194A JP 3102274 B2 JP3102274 B2 JP 3102274B2
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、車両用の自動変速機
におけるトルクコンバータに設けられているロックアッ
プクラッチをスリップ制御する装置に関し、特にエンジ
ンに対する燃料の供給停止と併せてロックアップクラッ
チをスリップ制御する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】周知のように車両用の自動変速機におけ
るトルクコンバータには、駆動部材であるポンプインペ
ラと従動部材であるタービンランナとの相対回転をなく
して燃費を向上するために、ロックアップクラッチを設
けるようになってきている。従来の一般的なロックアッ
プクラッチは、摩擦板をフロントカバーの内面に対向さ
せて配置するとともに、その摩擦板を、タービンランナ
を固定してあるハブに連結した構成であり、その摩擦板
をフロントカバーの内面に油圧によって押し付けること
により、ポンプインペラとタービナランナとの間で相対
回転を生じさせずにトルク伝達するようになっている。
【0003】ロックアップクラッチを係合させれば、駆
動側の部材と従動側の部材とがいわゆる直結状態となる
から、動力の伝達効率が良好になる反面、エンジンでの
燃焼による振動をそのまま伝達することになるので、従
来一般にはロックアップクラッチを係合させるいわゆる
ロックアップ領域を、所定の車速以上でかつ所定のスロ
ットル開度以下に設定して乗心地の悪化を防いでいる。
そのため従来では、ロックアップクラッチを係合させる
ことによる燃費の向上効果が限られていたので、最近で
は、ロックアップクラッチをスリップ制御することによ
り低車速側にロックアップクラッチによるトルクの伝達
領域を拡大し、乗心地を悪化させずに燃費を向上させる
ことが行われている。
【0004】また一方、燃費を向上させるために、アイ
ドリング状態での減速時にエンジンに対する燃料の供給
を停止することが行われているが、燃料の供給を停止す
るいわゆるフューエルカット領域は、エンジンストール
を防ぐために所定のエンジン回転数以上に設定されてお
り、そこで従来では、減速時にロックアップクラッチを
係合させてエンジン回転数を高くすることにより、フュ
ーエルカットの時間を可及的に長くするように制御して
いる。しかしこの場合も、低車速での振動による乗心地
を防止することと燃費の向上とを両立させるために、フ
ューエルカットとロックアップクラッチのスリップ制御
とを同時に実行する場合がある。その一例が特開平5−
149423号公報に記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】エンジンをアイドリン
グ状態にした減速時には、エンジンを強制的に回転させ
ることによるトルクの損失が制動力として作用し、エン
ジンブレーキ状態となる。その場合に、エンジンに対す
る燃料の供給をカットすることに加え、ロックアップク
ラッチをスリップ制御すれば、トルクコンバータでの滑
りが少なくなるので、制動力が大きくなる。一方、コー
スト状態でのロックアップクラッチのスリップ制御は、
フューエルカット状態を可及的に低車速まで継続するた
めに実行する制御であるが、コースト状態は走行中にア
クセルペダルを戻すことにより生じるものの、このよう
な状態は必ずしも運転者が車両を止めることを意図して
いる場合にのみ生じるとは限らず、例えば単に惰性で車
両を進行させる場合にも同様に生じる。そのため、コー
スト時に必ずフューエルカットとロックアップクラッチ
のスリップ制御とを実行するとすれば、停車を意図して
いない場合には、制動力が大きくなりすぎて車両に異常
な摩擦が生じているような違和感を運転者に与える可能
性がある。またアイドリング状態になった直後は、加速
状態がその直前とは反転するので、運転者に与える減速
感が大きく、そのため走行中にアクセルペダルを戻して
アイドリング状態になると同時にフューエルカットを行
うと減速感が過剰になって運転者に違和感を与えること
がある。
【0006】この発明は上記の事情を背景としてなされ
たもので、運転者が停車を意図していない場合の過剰な
制動作用を防止することのできるロックアップクラッチ
の制御装置を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の目的
を達成するために、図1に示す構成としたことを特徴と
するものである。すなわち請求項1に記載した発明は、
エンジン1をアイドリング状態とした減速時に、エンジ
ン1に対する燃料の供給を停止し、かつ流体継手2にお
ける駆動側部材3と従動側部材4とを選択的に連結する
ロックアップクラッチ5をスリップ制御するロックアッ
プクラッチのスリップ制御装置であって、前記アイドリ
ング時にロックアップクラッチ5のスリップ制御が開始
された時点からの経過時間を検出する経過時間検出手段
6と、ブレーキを効かせるブレーキングが行われたこと
を検出するブレーキング検出手段7と、前記経過時間が
予め定めた設定時間に達する以前にブレーキングが検出
されない場合にロックアップクラッチ5のスリップ制御
を中止させるスリップ中止指示手段8とを備えているこ
とを特徴とするものである。
【0008】また請求項2に記載した発明は、請求項1
に記載した構成に、車速を検出する車速検出手段9を加
えるとともに、前記スリップ中止指示手段8を、前記減
速時の車速が予め定めた基準車速以下であり、かつ前記
経過時間が予め定めた設定時間に達する以前にブレーキ
ングが検出されない場合にロックアップクラッチ5のス
リップ制御を中止させる構成に替えたものである。
【0009】さらに請求項3に記載した発明は、請求項
1または2に記載された構成に加えて、フューエルカッ
を遅らせる遅延手段を更に備えたことを特徴とするも
のである。
【0010】
【作用】この発明で対象とするロックアップクラッチ5
は、エンジン1をアイドリング状態とした減速時にスリ
ップ制御されて、駆動部材3と従動部材4との相対回転
を行わせつつ両者の間でトルク伝達する。このスリップ
制御が実行される場合、エンジン1に対する燃料の供給
の停止制御も実行される。そして走行中にエンジン1が
アイドリング状態となってロックアップクラッチ5をス
リップ制御し始めた時点からの経過時間を経過時間検出
手段6が検出し、その検出値が予め定めた設定時間に達
する以前にブレーキング検出手段7がブレーキング状態
を検出しない場合には、その設定時間をもってスリップ
中止指示手段8がロックアップクラッチ5のスリップ制
御の中止を指示する。これとは反対にその設定時間内に
ブレーキング状態が検出されると、ロックアップクラッ
チ5のスリップ制御が継続される。
【0011】また請求項2に記載した発明では、上述し
た設定時間内のスリップ制御中止の指示が、車速検出手
段9によって検出された車速が基準車速以下である場合
に実行される。
【0012】したがって前記設定時間内にブレーキング
状態が検出されれば、運転者が停車を意図していること
になるので、この場合には、ロックアップクラッチ5の
スリップ制御をフューエルカット制御と併せて継続して
も、ブレーキングによる制動力のほうが大きいために、
ロックアップクラッチ5をスリップ制御することに伴う
制動力が、過剰な制動力として体感されることはない。
また反対に設定時間内にブレーキングが行われない場合
にはロックアップクラッチ5を解放することになるの
で、流体継手2での伝達トルクが低減して制動力が緩和
され、その結果、運転者に違和感を与えることを回避で
きる。
【0013】さらに請求項3に記載した発明では、請求
項1あるいは請求項2の発明による作用に加えて、走
中にアイドリング状態となって減速され始めた後、所定
の遅延時間が経過してからエンジンに対する燃料の供給
が停止され、したがって減速開始時の減速感が過剰にな
ることを防止し、運転者に違和感を与えることを未然に
回避することができる。
【0014】
【実施例】つぎにこの発明を実施例に基づいて説明す
る。図2はこの発明の一実施例を模式的に示すブロック
図であって、エンジン10にはロックアップクラッチ付
きトルクコンバータ11および歯車変速装置12を主体
とする自動変速機13が連結されている。このエンジン
10は、減速時に燃料の供給停止(フューエルカット)
を行うことのできる従来から知られている構成のエンジ
ンであって、エンジン用電子制御装置(E−ECU)1
4によってフューエルカットや変速時のトルクダウンの
ための点火時期の遅角制御などを電気的に制御するよう
構成されている。このエンジン用電子制御装置14は、
中央演算処理装置(CPU)および記憶素子(RAM,
ROM)ならび入出力インタフェースを主体とするもの
であって、制御のためのデータとしてアイドルスイッチ
からの信号、水温、エンジン回転数、スロットル開度、
その他の信号が入力されている。
【0015】一方、前記トルクコンバータ11は、フロ
ントカバー15と一体となって回転するポンプインペラ
16と、このポンプインペラ16に対向させたタービン
ランナ17と、一方向クラッチ18を介して所定の固定
部に連結したステータ19と、フロントカバー15の内
面に対向させて配置したロックアップクラッチ20とを
主体とするものである。このロックアップクラッチ20
は、タービンランナ17と共に入力軸21に連結されて
いる。そして歯車変速装置12は、複数組の遊星歯車機
構を主体とするものであって、図示しないクラッチやブ
レーキを適宜に係合させてトルクの伝達経路を変えるこ
とより、複数の変速段に設定するよう構成されている。
【0016】上記のロックアップクラッチ20の係合・
解放およびその中間の状態であるスリップ状態の各制御
および歯車変速装置12での変速制御は、油圧制御装置
22によって制御される油圧により実行される。またこ
の油圧制御装置22は、ロックアップクラッチ20のた
めの油圧や変速のための油圧をソレノイドバルブによっ
て制御するように構成されており、そのソレノイドバル
ブに信号を出力する装置として自動変速機用電子制御装
置(T−ECU)23が設けられている。この自動変速
機用電子制御装置23は、前述したエンジン用電子制御
装置14と同様に、中央演算処理装置(CPU)および
記憶素子(RAM,ROM)ならびに入出力インターフ
ェースを主体とするものであって、制御データとして前
述したアイドルスイッチからの信号、エンジン回転数、
スロットル開度のほかに、車速、タービン回転数ならび
にその他の信号が入力されている。
【0017】そして自動変速機用電子制御装置23は、
これらの入力データおよび予め記憶している制御マップ
に基づいて油圧制御装置22のソレノイドバルブに信号
を送ることにより、前記ロックアップクラッチ20の係
合・解放の制御およびスリップ制御ならびに歯車変速装
置12における変速制御を実行するよう構成されてい
る。また、エンジン用電子制御装置14と自動変速機用
電子制御装置23とは相互にデータ通信可能に接続され
ており、エンジン10でのフューエルカット制御に必要
なデータあるいはロックアップクラッチ20の制御に必
要なデータが各電子制御装置14,23の間で通信され
るようになっている。
【0018】ここで、前記ロックアップクラッチ20を
制御するための手段について説明する。図3において、
ロックアップクラッチ20を挟んでフロントカバー側の
油室が解放側油室24とされ、ロックアップクラッチ2
0を挟んで解放側油室24とは反対側の油室が係合側油
室25とされている。そして解放側油室24から油圧を
供給するとともに係合側油室25から排圧することによ
り、ロックアップクラッチ20がフロントカバー15の
内面から離れて解放状態となり、また反対方向に油圧を
供給・排出することによりロックアップクラッチ20が
フロントカバー15の内面に押し付けられて係合状態と
なる。さらにこの解放側油室24と係合側油室25との
間の油圧の圧力差を適宜に制御することによりロックア
ップクラッチ20がフロントカバー15に対して滑り状
態で接触させられ、いわゆるスリップ制御するように構
成されている。
【0019】図3において符号26はリニアソレノイド
バルブを示しており、このリニアソレノイドバルブ26
は、ライン圧を調圧して得られたモジュレータ圧Pmodu
を、電子制御装置23から入力されるデューティ比に応
じて調圧し、その調圧された信号圧Plin をロックアッ
プコントロールバルブ27に出力するよう構成されてい
る。ロックアップコントロールバルブ27はセカンダリ
ーレギュレータバルブ(図示せず)で調圧された油圧を
元圧とし、これを調圧してロックアップリレーバルブ2
8に出力する調圧バルブであり、前記信号圧Plin はス
プールを挟んでスプリング29とは反対側に入力されて
いる。また、この信号圧Plin と同じ端部側に前記解放
側油室24の油圧Poff が加えられ、また反対にスプリ
ング29と同じ側に係合側油室25の油圧Ponが加えら
れている。すなわちこれらの油圧Plin 、Poff 、Pon
ならびにスプリング29の弾性力によって調圧レベルを
適宜に設定し、その調圧レベルに応じた油圧を出力する
ように構成されている。
【0020】さらにロックアップリレーバルブ28は、
ソレノイドバルブ30によって選択的に供給されるライ
ン圧PL を、スプールを挟んでスプリング31とは反対
側の端部に作用させることにより切換動作するバルブで
あって、セカンダリーレギュレーターバルブで調圧され
たレギュレータ圧PClの供給される第1ポート32と、
ロックアップコントロールバルブ27から出力された油
圧の供給される第2ポート33と、解放側油室24に接
続された第3ポート34と、係合側油室25に接続され
た第4ポート35とを備えている。
【0021】このロックアップリレーバルブ28の図3
に示す状態は、ソレノイドバルブ30をOFF制御して
いる状態であって、第1ポート32が第3ポート34に
連通してレギュレータ圧PClを解放側油室24に供給
し、また第2ポート33が閉じられると共に第4ポート
35がドレインポート36に連通して係合側油室25か
ら排圧されている。したがって解放側油室24に油圧を
供給して係合側油室35から排圧しているので、ロック
アップクラッチ20はフロントカバー15の内面から離
されて解放状態となる。
【0022】これとは反対にソレノイドバルブ30をO
N制御すると、ロックアップリレーバルブ28にはスプ
リング31に対向する方向に油圧が加えられてスプール
が移動するので、第1ポート32が第4ポート35に連
通するとともに第2ポート33が第3ポート34に連通
する。したがって係合側油室25にレギュレータ圧PCl
が供給されるとともに解放側油室24にロックアップコ
ントロールバルブ27で調圧された油圧が供給される。
そのためロックアップコントロールバルブ27の調圧レ
ベルを低くして解放側油室24の油圧を下げれば、ロッ
クアップクラッチ20がフロントカバー15の内面に押
し付けられて係合状態となる。これに対してロックアッ
プコントロールバルブ27の調圧レベルを高くすれば解
放側油室24の油圧が高くなるので、ロックアップクラ
ッチ20をフロントカバー15の内面に押し付ける荷重
が小さくなり、その結果、ロックアップクラッチ20は
スリップ制御される。
【0023】このようにして実行されるロックアップク
ラッチ20のスリップ制御は、車両の走行状態に応じて
予め定めたマップに基づいて実行される。そして特にフ
ューエルカットを行う減速時には、以下に述べるように
制御される。図4はその制御ルーチンの一例を示すフロ
ーチャートであって、この制御ルーチンは所定時間ごと
に繰り返し実行される。
【0024】図4において、まずアイドリング状態であ
るか否か(アイドル(IDL)ONか否か)を判断する
(ステップ1)。アイドリング状態であればタイマーT
が“1”だけカウントアップし(T=T+1)(ステッ
プ2)、ついで減速状態でのスリップ制御が実行されて
いるか否かを判断する(ステップ3)。ロックアップク
ラッチ20が減速時にスリップ制御されていれば、タイ
マーTのカウント値が所定の基準時間αを越えたか否か
を判断する(ステップ4)。タイマーTのカウント値が
基準時間α以上であると判断された場合には、出力回転
数No が予め定めた基準値βより小さいか否かを判断す
る(ステップ5)。これは、車速が予め定めた基準車速
以下か否かの判断に替えることができる。なお、ステッ
プ5で出力回転数No あるいは車速を判断するのは、フ
ューエルカット状態でかつロックアップクラッチ20を
スリップ制御している減速時での減速度は低車速ほど大
きく感じられるからである。
【0025】出力回転数No あるいは車速が基準値以下
であれば、ブレーキ操作されてブレーキング状態となっ
たか否か(ブレーキONか否か)を判断する(ステップ
6)。ステップ6の判断結果が“ノー”の場合、すなわ
ち予め定めた基準時間α以内にブレーキ操作されなかっ
た場合には、直ちにロックアップクラッチ20の減速ス
リップ制御を中止する(ステップ7)。
【0026】他方、ブレーキ操作されてブレーキONと
なっていれば、ロックアップクラッチ20のスリップ制
御を終了するべき他の条件が満足されているか否かを判
断する(ステップ8)。他の終了条件が満足されていれ
ばロックアップクラッチ20の減速スリップ制御を中止
するが、他の終了条件が満足されていなければ、ロック
アップクラッチ20の減速スリップ制御を実行・継続す
る(ステップ9)。なおタイマーTのカウント値が基準
時間αより小さい場合、および出力回転数Noあるいは
車速が基準値以下である場合には、ステップ8に進みロ
ックアップクラッチ20のスリップ制御の他の終了条件
の成立如何に応じてロックアップクラッチ20の減速ス
リップ制御を中止あるいは継続する。
【0027】また一方、アイドリング状態が検出された
もののロックアップクラッチ20がスリップ制御されて
いなければ(ステップ3で“ノー”)、タイマーTのカ
ウント値が他の基準時間γより小さいか否かを判断する
(ステップ10)。アイドリング状態になってからの経
過時間が該他の基準時間γに達していなければ、ロック
アップクラッチ20の減速スリップ制御の他の開始条件
が成立しているか否かを判断し(ステップ11)、該他
の開始条件が成立していればロックアップクラッチ20
の減速スリップ制御を実行し(ステップ9)、またその
開始条件が成立していなければ、ロックアップクラッチ
20の減速スリップ制御を中止する(ステップ7)。
【0028】またタイマーTのカウント値が前記他の基
準時間γ以上であれば、直ちにステップ7に進んでロッ
クアップクラッチ20の減速スリップ制御を中止する。
またさらにアイドリング状態でないと判断された場合に
は、タイマーTをゼロリセットし(ステップ12)、か
つロックアップクラッチ20の減速スリップ制御を中止
する(ステップ7)。他方、エンジン10の減速時にお
けるフューエルカットは、他の禁止条件が成立しないか
ぎり、上述したロックアップクラッチ20の減速時スリ
ップ制御と併せて実行される。
【0029】上述したロックアップクラッチ20のスリ
ップ制御の継続あるいは中止をタイムチャートで示せば
図5のとおりである。図5の(A)において、アイドル
ONからの経過時間が基準時間αに達し、その時間内に
ブレーキONとならなければ、アイドルONとほぼ同時
に開始したロックアップクラッチ20のスリップ制御
を、基準時間αに達した時点で中止する。すなわちロッ
クアップクラッチ20を解放する。また一方、図5の
(B)においてアイドルONからの経過時間が基準時間
αに達する以前にブレーキONとなれば、アイドルON
とほぼ同時に開始したロックアップクラッチ20のスリ
ップ制御をそのまま継続する。したがって図5の(A)
に示す例では運転者が車両を止めることを意図としてア
イドリング状態にしたのではないと判断してロックアッ
プクラッチ20のスリップ制御を中止するから、制動力
は小さくなり、したがって運転者の意図しない過剰な制
動状態が生じず、運転者に違和感を与えることを防止で
きる。これに対して図5の(B)に示す例では、基準時
間α内にブレーキング操作されたことは運転者が車両を
止めることを意図してアイドル状態にしたと判断される
から、スリップ制御をそのまま継続してもブレーキ操作
による制動力がより大きいため、スリップ制御を継続す
ることによる制動力が生じていても運転者に違和感を与
えることはない。
【0030】なお、図5に示す例では、フューエルカッ
トの許可条件の成立をアイドルONから所定時間経過し
た後に設定している。これはロックアップクラッチ20
のスリップ制御の開始とフューエルカットの開始とがほ
ぼ同時に生じると、アイドルON直後の減速度が大きく
なるためであり、フューエルカットの許可を遅らせるこ
とによりアイドルON直後の減速度を緩和するためであ
る。また、図4および図5を参照した制御の説明では特
に述べなかったが、ロックアップクラッチ20のスリッ
プ制御の実行あるいはその中止は、図3に示すソレノイ
ドバルブ30およびリニアソレノイドバルブ26に対し
て所定の信号を与えることにより行うことができる。
【0031】以上、この発明の実施例について説明した
が、この発明は上記の実施例に限定されるものではない
のであって、ロックアップクラッチを制御するための油
圧回路は図3に示す構成以外のものを採用することがで
きる。例えばソレノイドバルブ30を用いずにリニアソ
レノイドバルブ26の信号圧Plin でロックアップリレ
ーバルブ28を切換制御するように構成してもよい。ま
たそのリニアソレノイドバルブ26はデューティ比に応
じた信号圧を出力する構成のものに替え、電流値に応じ
た信号圧を出力する構成のものを用いてもよい。
【0032】
【発明の効果】この発明によれば、減速時にアイドリン
グ状態となった後、予め定めた時間内にブレーキ操作に
よるブレーキング状態が生じなければ、ロックアップク
ラッチのスリップ制御を中止するから、運転者が車両を
止めるための制動を意図しない状態でのアイドルON時
にフューエルカットとロックアップクラッチのスリップ
制御とを共に実行することによる大きな制動力を未然に
回避し、運転者に意図しない減速感を体感させる不都合
を防止し、いわゆるドライバビリティの悪化を防止する
ことができる。また、この発明ではブレーキ操作が所定
時間内に行われないことによるロックアップクラッチの
スリップ制御の中止を、車速が所定の車速以下の場合に
実行することができるので、過大な減速度をより強く体
感しやすい低車速での違和感を効果的に防止することが
できる。さらにアイドル状態での減速時にフューエルカ
ットを行うとしても、アイドル状態になった時点から所
定時間が経過してからフューエルカットを行うので、ア
イドル状態での減速とフューエルカットとが同時に開始
されることがないので、過大な減速感あるいはそれに起
因する違和感を未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明を機能的手段で示すブロック図であ
る。
【図2】この発明の一実施例を模式的に示すブロック図
である。
【図3】ロックアップクラッチを制御するための油圧回
路を示す油圧回路図である。
【図4】ロックアップクラッチの減速スリップ制御のた
めの制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。
【図5】図4の制御ルーチンに基づくロックアップクラ
ッチのスリップ制御のON・OFFを示すタイムチャー
トである。
【符号の説明】
1 エンジン 2 流体継手 3 駆動側部材 4 従動側部材 5 ロックアップクラッチ 6 経過時間検出手段 7 ブレーキング検出手段 8 スリップ中止指示手段 9 車速検出手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F16H 59:54 59:68 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02D 29/00 F02D 41/12 F16H 61/14 B60K 41/04

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンをアイドリング状態とした減速
    時に、エンジンに対する燃料の供給を停止し、かつ流体
    継手における駆動側部材と従動側部材とを選択的に連結
    するロックアップクラッチをスリップ制御するロックア
    ップクラッチのスリップ制御装置において、 前記アイドリング時にロックアップクラッチのスリップ
    制御が開始された時点からの経過時間を検出する経過時
    間検出手段と、 ブレーキを効かせるブレーキングが行われたことを検出
    するブレーキング検出手段と、 前記経過時間が予め定めた設定時間に達する以前にブレ
    ーキングが検出されない場合にロックアップクラッチの
    スリップ制御を中止させるスリップ中止指示手段とを備
    えていることを特徴とするロックアップクラッチのスリ
    ップ制御装置。
  2. 【請求項2】 エンジンをアイドリング状態とした減速
    時に、エンジンに対する燃料の供給を停止し、かつ流体
    継手における駆動側部材と従動側部材とを選択的に連結
    するロックアップクラッチをスリップ制御するロックア
    ップクラッチのスリップ制御装置において、 車速を検出する車速検出手段と、 前記アイドリング時にロックアップクラッチのスリップ
    制御が開始された時点からの経過時間を検出する経過時
    間検出手段と、 ブレーキを効かせるブレーキングが行われたことを検出
    するブレーキング検出手段と、 前記減速時の車速が予め定めた基準車速以下であり、か
    つ前記経過時間が予め定めた設定時間に達する以前にブ
    レーキングが検出されない場合にロックアップクラッチ
    のスリップ制御を中止させるスリップ中止指示手段とを
    備えていることを特徴とするロックアップクラッチのス
    リップ制御装置。
  3. 【請求項3】記エンジンに対する燃料の供給の停止
    の実行を、エンジンがアイドリング状態になった時点か
    ら予め定めた時間遅延させる燃料供給停止遅延手段を更
    に備えていることを特徴とする請求項1または2に記載
    のロックアップクラッチのスリップ制御装置。
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