JP3100208U - ウエットスーツ - Google Patents

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Abstract

  【課題】首回りからの浸水を完全に防止でき、低温水中でも長時間着衣できる保温性に優れた低廉なウエットスーツとする。
  【解決手段】首部から足部までつながり、上半身の開口襟部の下端から上端の首部までに開閉可能な樹脂製ファスナー2を有し、この開口襟部下端のやや下側から首部にかけて伸縮性内布3を配置し、この伸縮性内布3の上辺を除く周縁をこのスーツ布本体1の内側に接着3aし、この内部に溜まった水を排水する排水孔4を備えると共に前面側に縫製した首回襟布7を本体の内側に接着し、前記伸縮性内布3の外側の左右両側に接着部材9を配設し、この接着部材9に着脱する被着部10を備え、伸縮性内布3と前記スーツ布本体1との間に挿入する中間挿入片である環状の外襟を備えた中間布11または頭部を被覆するフード12を配設し、夫々に形成される二重底のスーツ本体側に水抜け穴4、6を穿設してあるウエットスーツの構成である。
【選択図】  図1
           

Description

この考案は、サーフィンや水中ダイビングなどのマリンスポーツに使用し、首筋から肌面へ海水の進入を防止したウエットスーツ、特に、ドルフィンスルー(通過)に際しての首筋から進入する海水を排水可能としたウエットスーツに関する。
従来のウエットスーツの背面部の中央は人体を挿入するように大きく開口するようになっており、この開口襟部分にファスナー(ジッパー)が縫着してあり、このウエットスーツの開口襟部分を開き、身体を足部より挿入して腕部に腕を挿入した後、操作紐を把持してファスナーを閉じて首部を密着させて完成していた。この状態で水中に入ったとき、このファスナー部分からの浸水することがあった。このファスナー部分の内側に皮膚面がファスナーに咥え込まれないように当て布が縫着したものが市販されている。また、上部トランク部にカット分を設け、このカット部に挿入する閉じパネル部を襟口を構成するループと接続して首回りを補強する構成が知られている。また(特許文献1)。また、首回りからの浸水を防止するために二重襟にし、この部分に空気袋体を配置して首回りを密着することによって海水の進入を防止している(特許文献2)。
これらの公知技術の改良として本考案者はスーツ本体の開口襟部分の内側に伸縮性内布の縁部分を縫着してファスナーを締めたときに袋状に形成し、この袋の最底部分に排水孔を設けて浸水した海水が排水される構造としたものを提案した(特許文献3)。
特開平11−165691号公報 特開2000−6885号公報 実用新案登録第3084142号公報
しかし、前記特許文献1では内側に設けた挿入片をベルクロファスナー(面ファスナー)で接着するものであるが、充分な浸水防止にはならず、しかも浸水した水は排水されずスーツ内部に滞留することになって、長時間の使用が不可能であった。また、特許文献2の首回りの浸水を防止するための空気袋の配置は、個人差による首の太さにより、充分な海水の進入防止にはならなかった。更に、特許文献3の浸水防止対策では、ドルフィンスルーの際の首筋からの海水の進入は防止できなかった。従って、水温の暖かいときは問題にならないが、10℃以下の水温の低い場合や冬場は浸水による体温の低下が問題であった。また、防水(撥水)性ファスナーは高価であり実用的でなかった。
本考案の課題は、簡易な構造によって首回りの浸水を完全に防止できるウエットスーツを提供することである。
特に、本考案の他の課題は防水効果に優れ、低温水中でも長時間着衣できる保温性に優れた低廉なウエットスーツを提供することである。
 この考案は、前記課題を達成するために以下の構成からなる。
首部から足部までつながり、人体を挿入する大きさに開く上半身の開口襟部の下端から上端の首部までに開閉可能な樹脂製ファスナーを縫着し、この開口襟部下端のやや下側から首部にかけて扇状の浸水防止用の伸縮性内布を配置し、この伸縮性内布の上辺を除く周縁をこのスーツ布本体の内側に接着すると共に縫着し、この内部に溜まった水を排水する排水孔を開口襟部下端と前記伸縮性内布の縫着部との間のスーツ布本体の外側に設け、身体に密着する伸縮性のウエットスーツにおいて、前記首部の内側に、首回りに密着する伸縮性の環状襟を所定の長さで前記開口襟部における伸縮性内布に逢着し、この伸縮性内布の外側の左右両側に接着部材を配設し、この接着部材に着脱する被着部を備え、前記伸縮性内布と前記スーツ布本体との間に挿入する中間挿入片を備えた環状の外襟を備えた中間布または頭部を被覆するフードを配設してなり、この前記伸縮性内布と前記スーツ布本体とで形成される二重底の末端に水抜け穴を穿設してある身体に密着する伸縮性のウエットスーツの構成である。
 また、前記課題は、前記スーツ布本体の首部の内側に沿って、首部上縁より所定距離隔てた下方に上辺を位置させて浸水防止帯布の下縁を接着し、この浸水防止帯布の一端の前面側を前記伸縮性内布の上部とスーツ布本体との間に挿入し、前記樹脂製ファスナーの操作紐を操作してファスナーを閉じ、首縁から侵入した水が前記伸縮性内布の底部のスーツ布本体に設けた前記排水孔から排水されるようになっているウエットスーツにおいて、前記首部の内側に、首回りに密着する伸縮性の環状襟を所定の長さで前記開口襟部における伸縮性内布に逢着し、この伸縮性内布の外側の左右両側に接着部材を配設し、この接着部材に着脱する被着部を備え、前記伸縮性内布と前記スーツ布本体との間に挿入する中間挿入片を備えた環状の外襟を備えた中間布または頭部を被覆するフードを配設してなり、この前記伸縮性内布と前記スーツ布本体とで形成される二重底の末端に水抜け穴を穿設してある構成によって達成できる。更に、前記伸縮性内布の一部に環状の外襟を備えた中間布または頭部を被覆するフードの下縁挿入片の位置決め接着具を配置した構成によって環状の外襟を備えた中間布の位置ズレを防止できる。
 この考案のウエットスーツは、開閉自在の樹脂製ファスナーの内面に大きな伸縮性内布の周縁をスーツ布本体内側に縫着すると共に環状の外襟を備えた中間布の挿入片を、伸縮性内布とスーツ本体との間に挿入するから首回りの隙間から侵入した海水も最下部に設けた排水孔から放水することができる。中間布などによって首回りを完全に防水することができ、しかも、スーツ布本体と中間布などとの間が密着してあるから前記開閉部材の樹脂製ファスナーの操作紐を操作して閉じたときに背面部のみならず、前面部分も内部が袋状に形成され、首回り隙間部分から浸透した水分はこの中間布とスーツ布本体内面との袋内に溜り、下端の排水孔から放水されるのでスーツ布本体内部に進水することがない。
 しかも伸縮性内布が開口襟部分に縫着されていてもこの伸縮性内布はウエットスーツ布本体の組成と同じく防水性ジャージで形成されているので開口襟部分を開き、この伸縮性内布を引き伸ばしても千切れることなく、開口して身体を挿入することができる。
 また、この考案のウエットスーツは、従来一重であった首部をスーツ布本体上端から下方へ段差を設けて浸水防止帯布を配置して、首部分を三重構造にしてあるからこの首部からの浸水を防止でき、たとえ浸水しても浸水防止帯布が配設してあるので内部が袋状に形成され、溜まった水は前面の排水小孔や後側の伸縮性内布側に回り、排水孔から放水される。従って、完全にウエットスーツ内への浸水を完全に防止することができ、寒い地方でも水温を気にせずにサーフィンを楽しむことができる。
 更に、樹脂製ファスナーの内部に接着、縫着してある伸縮性内布の上端に、樹脂製ファスナーの操作紐の他端を固着してあるから、人体に着用してから操作紐を引き上げてファスナーを閉じるときに伸縮性内布も引き上げられ、背中に入り込んでいた伸縮性内布も引き上げられる。そのためにファスナー部分から侵入した水はこの伸縮性内布とウエットスーツ本体との間に溜まり、下端に設けた排水孔から放水することができる。
特に、ドルフィンスルーの際に波の下側を潜っても首回りの隙間から入る海水も防止でき、侵入した海水は下端に設けた排水孔から放水できるので、長時間の遊泳にも支障をきたすことがない。
 この考案のウエットスーツについて図面に示す実施の形態に基づいて説明する。
 図1はこの考案ウエットスーツの開襟状態を示す1実施態様の正面図である。図2は図1の要部を示す一部破断した斜面図である。図3は図2の正面図である。図4はこの考案のウエットスーツに使用する中間布の実施態様の説明図である。図5はこの考案のウエットスーツに使用する中間布がフードである実施態様の説明図である。図6はこの考案のウエットスーツの一部破断した斜視図である。図7は伸縮性内布と樹脂製ファスナーとの連結状態を示す実施形態の斜視図である。
この考案に使用するスーツ布の本体1は、ポリエステル、ポリウレタン、レーヨン、ナイロン、綿等から縫製されたジャージや各種繊維や不織布等の布物、ゴム布から形成された外面部と内面部との間に発泡性のゴム生地であるスポンジラバーを配置して形成されている。この本体1の上半身部分の後面中央を大きく開口してあり、この本体1は0.5〜10mmの厚みに形成してある。この本体1の開口襟部分に開閉自在の硬質性の樹脂製ファスナー2が縫着してある。この樹脂製ファスナー2には背面に合っても操作しやすいように操作紐2aが固着してある。この樹脂製ファスナー2の内側に伸縮性内布3が、この伸縮性内布3の上辺を除く周縁を本体1の内面に接着されるとともに糸によって縫製してある(縫線3a)。この伸縮性内布3は本体1と同じジャージ布とスポンジラバーで形成してあるのでよく伸びる。この伸縮性内布3を縫製してある底部前面側の本体1には排水孔4が設けてある。この伸縮性内布3の山型に形成してある中央上端に樹脂製ファスナー2の操作紐2aを固着してある。
この本体1の首部5は1重に形成してあるが、この内側の首部5上縁から所定距離隔てて環状の浸水防止帯布7が下縁7aで接着してある。この本体1の首部5の前面に排水小孔6が穿ってある。この首部5内側のやや中央部分には位置決め用の面ファスナー8が貼着してあり、これの首部5と浸水防止帯7によって首回りが強固に肌面に密着するようになっている。
 このウエットスーツの本体1の開襟部分の内側の伸縮性内布3の左右外側の縫製部分に沿って所定幅の面ファスナー9が取り付けてある。この面ファスナー9に接着する面ファスナー10を有する環状の外襟を備えた中間布11がある。また、この面ファスナー10を有する頭部に被る帽子部12aを備えたフード12が取り付けられるようになっている。
この中間布11またはフード12には前記浸水防止帯布7の位置決めの面ファスナー8に接着する接着具13が取り付けてある。
このように形成されているウエットスーツは、操作紐2aを把持して下降させ樹脂製ファスナー2を開いて、伸縮性内布3を伸ばした状態で身体を本体1内に挿入する。腕を腕部内に挿入して着衣する。次に、夏季はフード12ではなく、環状の外襟を備えた中間布11を使用する。この中間布11の環状部に頭部を挿入し、この中間布11の下部を伸縮性内布3と本体1との間に挿入し、面ファスナー9に中間布11の面ファスナー10を接着する。次いで、位置決め用の接着具13を浸水防止布7の面ファスナー8に接着して固定する。
その後、操作紐2を上昇させてファスナー2を閉じる。このとき伸縮性内布3の上端に固着してある操作紐2aが引き上げられるので内部に入り込んでいる伸縮性内布3の上端縁部分も引き上げられることになる。浸水防止帯布7と中間布11とを伸縮性内布3とファスナー2との間に位置させてファスナー2を閉じて完成する。
このように形成した状態で水中に入った場合、ファスナー2部分の隙間から浸水した水は伸縮性内布3の周縁の縫線3aと本体1の内面との間に形成される袋状体内に溜まり、排水孔4から排出される。また、首部5の内面に浸水した内側の浸水防止帯布7と中間布11とにより首回りは完全に肌面に密着し、内部への浸水が完全に防水することができる。
このような状態で通常は問題ないが、大きい波の間を潜り抜けるドルフィンスルーの場合は、首筋に海水が入りやすく、この部分から浸入した海水は、前面に設けた排水小孔6から出水する。この浸水防止帯布7の後面側に伸縮性内布3の袋内に流れる。そして伸縮性内布3の底部の排水孔4から排水する。
 特に、冬場の寒いときは首回りからの浸水に悩まされていたが、本考案の帽子部12aつきのフード12によって顔面や頭部を保護することができると共に、首回りからの浸水も完全に防止することができるので安心してサーフィンを冬場でもできる。
  この考案のウエットスーツは、海水中でサーフィンやダイビングをするときに着用する際に、遊泳中にウエットスーツ内部に海水の進入を完全に防止することができるので、冬季や水温の低いときでも身体に冷たさを感じることなく、人体の保温性に優れる。
この考案ウエットスーツの開襟状態を示す1実施態様の正面図である。 図1の要部を示す一部破断した斜面図である。 図2の正面図である。 この考案のウエットスーツに使用する中間布の実施態様の説明図である。 この考案のウエットスーツに使用する中間布がフードである実施態様の説明図である。 この考案のウエットスーツの一部破断した斜視図である。 この考案のウエットスーツの伸縮性内布と樹脂製ファスナーとの連結状態を示す実施形態の斜視図である。
符号の説明
 1    本体
 2    ファスナー
  2a   操作紐
 3    伸縮性内布
 4    排水孔
 5    首部
 6    排水小孔
 7     浸水防止帯布
 8     面ファスナー(位置決め用)
 9     面ファスナー
 10    面ファスナー
 11    中間布、
 12    フード
 13    接着具

Claims (4)

  1. 首部から足部までつながり、人体を挿入する大きさに開く上半身の開口襟部の下端から上端の首部までに開閉可能な樹脂製ファスナーを縫着し、この開口襟部下端のやや下側から首部にかけて扇状の浸水防止用の伸縮性内布を配置し、この伸縮性内布の上辺を除く周縁をこのスーツ布本体の内側に接着すると共に縫着し、この内部に溜まった水を排水する排水孔を開口襟部下端と前記伸縮性内布の縫着部との間のスーツ布本体の外側に設け、身体に密着する伸縮性のウエットスーツにおいて、
     前記首部の内側に、首回りに密着する伸縮性の環状襟を所定の長さで前記開口襟部における伸縮性内布に縫着し、この伸縮性内布の外側の左右両側に接着部材を配設し、
     この接着部材に着脱する被着部を備え、前記伸縮性内布と前記スーツ布本体との間に挿入する中間挿入片を備えた環状の外襟を備えた中間布または頭部を被覆するフードを配設してなり、
     この前記伸縮性内布と前記スーツ布本体とで形成される二重底の末端に水抜け穴を穿設してあることを特徴とするウエットスーツ。
  2. 前記スーツ布本体の首部の内側に沿って、首部上縁より所定距離隔てた下方に上辺を位置させて浸水防止帯布の下縁を接着し、この浸水防止帯布の一端の前面側を前記伸縮性内布の上部とスーツ布本体との間に挿入し、前記樹脂製ファスナーの操作紐を操作してファスナーを閉じ、首縁から侵入した水が前記伸縮性内布の底部のスーツ布本体に設けた前記排水孔から排水されるようになっているウエットスーツにおいて、
     前記首部の内側に、首回りに密着する伸縮性の環状襟を所定の長さで前記開襟部における伸縮性内布に縫着し、この伸縮性内布の外側の左右両側に接着部材を配設し、
     この接着部材に着脱する被着部を備え、前記伸縮性内布と前記スーツ布本体との間に挿入する中間挿入片を備えた環状の外襟を備えた中間布または頭部を被覆するフードを配設してなり、
     この前記伸縮性内布と前記スーツ布本体とで形成される二重底の末端に水抜け穴を穿設してあることを特徴とするウエットスーツ。
  3. 前記伸縮性内布の一部に環状の外襟を備えた中間布または頭部を被覆するフードの下縁挿入片の位置決め接着具を配置したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のウエットスーツ。
  4. 前記伸縮性内布の中央上端に前記ファスナーの操作紐の先端を固着してあることを特徴とする請求項1乃至請求項3に記載のいずれか1つのウエットスーツ。
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