JP3097798B2 - 薬液充填型注射器 - Google Patents

薬液充填型注射器

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JP3097798B2 JP05249942A JP24994293A JP3097798B2 JP 3097798 B2 JP3097798 B2 JP 3097798B2 JP 05249942 A JP05249942 A JP 05249942A JP 24994293 A JP24994293 A JP 24994293A JP 3097798 B2 JP3097798 B2 JP 3097798B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、予め注射液の充填され
た薬液充填型注射器に関する。より詳しくは、本発明
は、シリンジ外筒をガラスで形成した上、注射針接続部
の位置および形状を任意に選択できるようにした薬液充
填型注射器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ガラス製シリンジ外筒を用いた薬
液充填型注射器の製造に際して、注射針接続部は、ルア
ーチップという外形がテーパ状に縮径した中空のノズル
に形成されるが、このルアーチップLの形成は、ガラス
管を加工して図7に示すような形状に形成する場合と、
ガラス管の口部に図8に示すような硬質プラスチツク製
のルアーチップLを有するゴム栓押えを圧入する場合が
ある。前者の場合、ガラス管を加熱、溶融して型押しす
る方法であるため、寸法精度が出ず、従って、相手部品
(針のハブ、雌型ルアーコネクターなど)と嵌合する部
分は、砥石などで研磨して寸法精度を上げる必要があっ
た。そして、研磨加工は自動化が困難であり、個別に全
数の性能チェックを行う必要があるため、極めて生産性
が低く、コストが高くつくものであった。一方、後者の
場合も、ガラス管口部のフランジの外径の寸法精度が要
求されるため、研磨が行われており、また、硬質プラス
チツク(ポリカーボネートなど)製のルアーチップを無
理に圧入しているため、ゴム栓押えの圧入部分にクラッ
クが発生することが多く問題であった。また、ガラス製
シリンジ外筒のチップの位置は、ガラスの加工上、ガラ
ス管の中心線上になるため、一般に容量20ml以上のシ
リンジでは、人体に注射する際に、注射針を刺通しにく
いという問題があった。
【0003】
【発明の解決しようとする課題】本発明は上記の事情に
鑑みてなされたもので、ガラス製シリンジ外筒のルアー
チップやフランジの研磨を必要とせず、ルアーチップの
位置および形状を任意に選択できるようにした安価な薬
液充填型注射器を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の課題を解
決するために、先端部外壁に雄型結合手段が設けられ、
後端にフランジが設けられてなるガラス製シリンジ外筒
と、該シリンジ外筒の先端開口に挿着された貫通孔を有
するゴム栓と、天面外壁に注射針接続部が突設されてお
り、前記ゴム栓を押圧するように前記シリンジ外筒の先
端部外壁に結合されたキャップ状のゴム栓押え部材と、
注射針接続部に被着されたキャップと、前記シリンジ外
筒の後端開口から挿着されたプランジャからなる注射器
であって、前記貫通孔と注射針接続部の薬液通路が連通
している薬液充填型注射器を採用している。また、注射
針接続部の位置を偏心して形成してもよく、この場合、
ゴム栓の天面外壁にゴム栓の貫通孔と注射針接続部の薬
液通路を連通する溝を形成する必要がある。
【0005】
【作用】上記の構成によれば、プランジャを押すと、注
射液はゴム栓の貫通孔から注射針接続部の薬液通路を通
って外部に注出される。また、注射針接続部の位置が偏
心している場合には、貫通孔からゴム栓の天面外壁の溝
を通り、注射針接続部の薬液通路を通って外部に注出さ
れる。
【0006】
【実施例】次に本発明の実施例について図面に基づいて
説明する。図1は本発明の一実施例に係る薬液充填型注
射器の縦断面図であり、図2は他の実施例を示す縦断面
図、図3は図2に示すゴム栓押え部材の平面図、図4は
図2に示すゴム栓の平面図、図5は図4の底面図、図6
はゴム栓押え部材の他の実施例を示す縦断面図である。
図1および図2に示すように本発明の薬液充填型注射器
は、ガラス製のシリンジ外筒1と、このシリンジ外筒1
の先端開口に装着された貫通孔21を有するゴム栓2
と、注射針接続部31付のゴム栓押え部材3と、注射針
接続部31に被着されたキャップ4と、シリンジ外筒1
の後端開口から挿着されたプランジャ5からなり、ゴム
栓2の貫通孔21とゴム栓押え部材3の薬液通路32は
連通している。
【0007】シリンジ外筒1は両端の開口したガラス製
の筒状の容器であり、先端の開口部分は好ましくは縮径
されており、その外壁には雄型結合手段として雄ネジ1
1が形成されている。そして、後端にはフランジ6を取
り付けるための環状リブ12が形成されている。フラン
ジ6はシリンジ外筒1と一体に形成することも可能であ
るが、成形が難しいので、通常ポリエチレンやポリプロ
ピレンなどの合成樹脂で別体に形成し、環状リブ12と
係合される。シリンジ外筒1の後端開口からはプランジ
ャ5が挿着されており、プランジャ・ロッド52の先端
に取り付けられたガスケット51がシリンジ外筒1の内
腔を摺動するようになっている。このガスケット51
は、通常、天然ゴムや、合成ゴムの例えばブチルゴムや
イソプレンゴム、あるいはエラストマー等のゴム状弾性
体で形成されており、先端側が円錐状に形成され、後端
にはプランジャ・ロッド52を接続するための凹部53
が形成されている。
【0008】シリンジ外筒1の先端開口には貫通孔21
を有するゴム栓2が挿着され、先端開口を密封してい
る。このゴム栓2はシリンジ外筒1と後述のゴム栓押え
部材3の間のシールパッキンとしても機能しており、ガ
スケット51と同様のゴム状弾性体で形成されている。
ゴム栓2の天面23はフランジ22になっており、この
フランジ22部分は後述のゴム栓押え部材3によってシ
リンジ外筒1の先端に押圧されている。ゴム栓2の下面
は、注射液の残留が生じないように、プランジャ5のガ
スケット51の先端形状と相補的な形状の凹部24に形
成されており、貫通孔21はこの凹部24の中央に軸と
平行に形成される(通常、凹部24の中央は軸心になる
ので貫通孔21は軸上に形成される)。尚、後述のゴム
栓押え部材3の注射針接続部31を図2に示すように偏
心させた場合には、ゴム栓2の天面23外壁に溝25を
形成して貫通孔21と注射針接続部31の薬液通路32
を連通させる必要がある。溝25の形状は、図4に示す
ような、注射針接続部31の偏心位置に設けたリング状
の溝251と、このリング状の溝251と貫通孔21を
連絡する通常1〜2本の放射状の溝252の組合せのも
のや、注射針接続部31の偏心位置と貫通孔21の距離
を直径とする円形の凹部(図示していない)など、種々
の形状が採用可能である。また、このような貫通孔21
と薬液通路32を連通する溝25はゴム栓押え部材3の
天面33に設けることもできる。
【0009】シリンジ外筒1の先端部外壁にはゴム栓2
を押圧するようにゴム栓押え部材3が結合されている。
このゴム栓押え部材3はポリプロピレンやポリエチレ
ン、ポリカーボネート等の合成樹脂で形成されており、
天面33の外壁には注射針接続部31突設されており、
スカート34の内壁にはシリンジ外筒1の雄ネジ11と
螺合する雌ネジ35が設けられている。注射針接続部3
1は、通常、薬液通路32を有するノズル状の突起(ル
アーチップという)であり、その外径は先端方向にテー
パ状に縮径されており、必要ならば注射針を螺合あるい
はルアーロックできるように、注射針接続部31の外側
にこれと同心状に図6に示すような雌型結合手段36を
設けてもよい。また、注射針接続部31には、ゴム栓2
と同様のゴム状弾性体で形成されたキャップ4が取り付
けられており、シリンジ外筒1内に充填されている注射
液Pが漏れないように、薬液充填型注射器の先端側を液
密に閉鎖している。注射針接続部31の位置は、通常、
ゴム栓押え部材3をシリンジ外筒1に結合した時にゴム
栓2の貫通孔21と注射針接続部31の薬液通路32が
連通するように、ゴム栓2の貫通孔21と同軸上になる
ように決められるが、容量20ml以上のシリンジの場合
には、注射針を患者に穿刺し易いように、偏心させてス
カート34に近接して設けてもよく、この場合、ゴム栓
2の貫通孔21と注射針接続部31の薬液通路32の連
通は、ゴム栓2の天面23外壁に設けた溝25によって
行われる。
【0010】
【発明の効果】以上説明してきたことから明らかなよう
に、本発明の薬液充填型注射器は、ガラスのシリンジ外
筒とゴム栓押え部材の間にゴムパッキンを入れてネジ留
めする形態のものであるから、従来のものより寸法精
度があまく、部品点数も少なく、大量生産に適している
ので、ガラス製のシリンジ外筒を備えた薬液充填型注射
器を安価に提供することができる、注射針接続部を偏
心させることができるので、大容量のガラス製シリンジ
外筒を備えた薬液充填型注射器を作成することができ
る、注射針接続部の形状を任意の形状に選択すること
ができる、などの利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る薬液充填型注射器の縦
断面図である。
【図2】本発明の他の実施例を示す縦断面図である。
【図3】図2に示すゴム栓押え部材の平面図である。
【図4】図2に示すゴム栓の平面図である。
【図5】図4の底面図である。
【図6】ゴム栓押え部材の他の実施例を示す縦断面図で
ある。
【図7】ガラス製シリンジ外筒の注射針接続部の従来例
を示す図である。
【図8】ガラス製シリンジ外筒の注射針接続部の他の従
来例を示す図である。
【符号の説明】
1 シリンジ外筒 2 ゴム栓 21 貫通孔 25 溝 3 ゴム栓押え部材 31 注射針接続部 4 キャップ 5 プランジャ 6 フランジ P 注射液
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−181470(JP,A) 実開 平3−58434(JP,U) 実開 平2−116457(JP,U) 実開 平5−152(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61M 5/31

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先端部外壁に雄型結合手段が設けられ、
    後端にフランジが設けられてなるガラス製シリンジ外筒
    と、該シリンジ外筒の先端開口に挿着された貫通孔を有
    するゴム栓と、天面外壁に注射針接続部が突設されてお
    り、前記ゴム栓を押圧するように前記シリンジ外筒の先
    端部外壁に結合されたキャップ状のゴム栓押え部材と、
    注射針接続部に被着されたキャップと、前記シリンジ外
    筒の後端開口から挿着されたプランジャからなる注射器
    であって、前記貫通孔と注射針接続部の薬液通路が連通
    している薬液充填型注射器。
  2. 【請求項2】 注射針接続部の位置を偏心して形成する
    とともに、ゴム栓の天面外壁にゴム栓の貫通孔と注射針
    接続部の薬液通路を連通する溝を形成してなる請求項1
    に記載の薬液充填型注射器。
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