JP3097693U - 履物 - Google Patents
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Abstract
【課題】高級感を保ちつつ、防水性と透湿性とを兼ね備えており、また、構造が簡単で、製作工数も少なくて比較的安価に製造することができる履物を提供する。
【解決手段】この考案に係る履物10は、微多孔構造によって防水透湿性を備えた合成皮革からなる単一の外装材16と透湿性を備えた内装材17とが一体的に接合されてアッパー11が構成されており、かつ、このアッパー11の湿気放出必要箇所X1は外装材16と内装材17とが袋状になるように縫い合わされている。
【選択図】 図1
【解決手段】この考案に係る履物10は、微多孔構造によって防水透湿性を備えた合成皮革からなる単一の外装材16と透湿性を備えた内装材17とが一体的に接合されてアッパー11が構成されており、かつ、このアッパー11の湿気放出必要箇所X1は外装材16と内装材17とが袋状になるように縫い合わされている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、防水性を確保しつつ、足の蒸れを防ぐことができるシューズやサンダル等の履物に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、婦人靴、紳士靴などのシューズや、サンダルなどの履物は、長くそのまま履き続けると足元が蒸れて不潔になり、悪臭が生じたり水虫発生の成因になり易い。このため、従来より足ができるだけ蒸れないような履物が要求されている。特に、婦人用ブーツのような長靴は、これを履いたときに下肢の大部分が覆われた状態になって通気性が悪くなるため、より一層蒸れないものが望まれている。
【0003】
一方、雨天などにおいて、雨水が容易に履物内部に侵入すると、足元や靴下が濡れるなどして不快な状態になるので、履物としては高い防水性が確保されていることが好ましい。
【0004】
ところで、婦人靴や紳士靴などのシューズは、足元の形状に沿わせて形成されたアッパー、足底に合わせて形成された中底、地面に直接接する本底やヒールが一体的に接合されているが、上記のアッパーを構成するための素材として、従来より天然皮革、合成皮革、織編物などが主として使用されている。
【0005】
牛革などの天然皮革は、透湿性はあるが防水性に欠ける。また、製品化のためには、なめし等の前加工に手間がかかるとともに、製品後は水に濡れたときに型くずれし易く、手入れも大変である。
【0006】
また、基布にポリウレタン樹脂などを塗布、コーティングしてなる従来の合成皮革は、手入れも比較的簡単で、また防水性に優れているものの、透湿性が極めて低く足の蒸れを防ぐのが難しい。足の蒸れを無くすために通気用のパンチング穴を形成したものもあるが、そのようにすると防水性が失われてしまう。
【0007】
さらに、従来のナイロン系繊維などからなる織編物は、透湿性に優れているので足元の蒸れを抑えることができるが、防水性が無く、また、高級感に欠けるきらいがある。織編物に撥水加工を施すと防水性は高まるが、逆に透湿性が低下する。
【0008】
そこで、従来技術では、外装材として合成皮革を使用し、また、内装材を透湿防水フィルム、スポンジシート、および裏材を順次積層して構成し、上記外装材と内装材とを縫着してアッパーとすることで、防水性と透湿性とを兼ね備えるようにしたシューズも提案されている(たとえば、特開平8−299015号公報参照)。
【0009】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の特許公報に記載されているような従来のシューズは、外装材に加えて、内装材として多種類の材料を積層して構成しているため、アッパーの素材構成が複雑であり、製造に際して多くの工数およびコストがかかるとともに、アッパーの素材厚みが大きくなるために伸縮性に欠ける。このため、たとえば女性用のストレッチブーツなどには適用し難い。
【0010】
本考案は、上記の課題を解決するためになされたもので、高級感を保ちつつ、防水性と透湿性とを兼ね備えており、また、構造が簡単で、製作工数も少なくて比較的安価に製造することができる履物を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本考案は、上記の目的を達成するために、請求項1記載の考案に係る履物は、微多孔構造によって防水透湿性を備えた合成皮革からなる単一の外装材と透湿性を備えた内装材とが一体的に接合されてアッパーが構成されており、かつ、このアッパーの湿気放出必要箇所は前記外装材と内装材とが袋状になるように縫い合わされていることを特徴としている。これにより、高級感を保ちつつ、防水性と透湿性とを兼ね備えることができるので、雨天時でも気兼ねなく使用できるとともに、足の蒸れを防ぐことができる。また、アッパーの構造が簡単であるので、製作工数も少なくて済み、比較的安価に製造することができる。
【0012】
請求項2記載の考案に係る履物は、請求項1記載の考案の構成において、アッパーはブーツ型であり、かつ、このアッパーを構成する外装材は伸縮性を備えている。これにより、女性用のストレッチブーツなどを容易に構成することができる。
【0013】
請求項3記載の考案に係る履物は、請求項1または請求項2記載の考案の構成において、前記アッパーの外周部が折り込み接合される中底は、指、土踏まず、踵にそれぞれ対応する箇所にクッション材が配置されるとともに、これらのクッション材が透湿性の素材で包み込まれて構成されている。これにより、足当たりが良く、かつ足底の蒸れも抑えられるため、快適な履き心地のものが得られる。
【0014】
【考案の実施の形態】
実施の形態1.
図1は本考案の実施の形態1における履物としての婦人用ブーツを示す断面図、図2は同ブーツの中底を示す斜視図である。
【0015】
この実施の形態1の婦人用ブーツ10は、下肢の形状に沿わせて形成された上下長尺のアッパー11、足底に合わせて形成された中底12、地面に直接接する本底13、およびヒール14を有する。そして、アッパー11の下端の周辺部は中底12の下面に折り込まれて接着され、また、この折り込み部分と中底12とは本底13に接着され、さらに、本底13にヒール14が一体に結合されて構成されている。
【0016】
アッパー11は、外装材16と内装材17とが一体的に接合されてなるもので、特に、アッパー11の湿気放出必要箇所X1、すなわち、ここでは履き口から足指やアキレス腱が接するまでに至る部分が接着剤を使用せずに外装材16と内装材17とが袋状になるように糸で縫い合わされている。その他の箇所は接着剤によって外装材16と内装材17とが接着されている。また、アッパー11の下部において、内装材17のさらに内周部分には型くずれ防止用の補強生地18が接着されている。
【0017】
上記の外装材16は、微多孔構造によって防水透湿性を備えた合成皮革からなる単一のものであり、かつ、伸縮性を備えている。このような特性を備えた合成皮革としては、たとえば、東レコーテックス株式会社製、商品名フィルファインが適用されるが、これに限定されるものではない。
【0018】
すなわち、外装材16を構成する上記の合成皮革は、伸縮性をもつ基布の表面にナイロン樹脂をコーティングしてなるもので、コーティングの際に直径0.5〜2μm以下の微細な多数の透孔が形成されている。したがって、雨や水滴などの分子はこの透孔を通過できないが、汗などの水蒸気の分子は0.0004μm程度と小さいため透孔を通過する。そのため、内外の温度差と湿度差とによってシューズ内部から外部に向けて水蒸気が放散されて透湿性が確保される。
【0019】
一方、内装材17は、吸水ポリマーをナイロン樹脂で被膜するなどして吸放湿特性をもつ繊維構造としたもので、たとえば、ユニチカ株式会社製、商品名ハイグラが適用されるが、これに限定されるものではない。
【0020】
また、中底12は、指、土踏まず、踵にそれぞれ対応する箇所にクッション材12aが配置されるとともに、これらのクッション材12aが透湿性の素材12bで包み込まれて構成されている。この場合の透湿性の素材12bとしては、上記の内装材17と同じ素材のものを使用してもよいが、他の透湿性素材を使用することもできる。これにより、足当たりが良く、かつ足底の蒸れも抑えられるため、快適な履き心地のものが得られる。
【0021】
このように、この実施の形態1における婦人用ブーツ10は、基本的にアッパー11を構成する外装材16が合成皮革でできているために高級感を保つことができる。しかも、この外装材16は防水性と透湿性とを兼ね備え、かつ、内装材17は透湿性を有しているため、雨天時でも水が内部に侵入することがないので気兼ねなく使用できるとともに、足が蒸れるのを有効に防ぐことができる。また、アッパー11は外装材16と内装材17とを一体接合した簡単な構成であるので、製作工数も少なくて済み、比較的安価に製造することができる。さらに、外装材16は伸縮性を備えているために女性の脚の形状に沿ってフィットし、脚全体のラインを美しく見せることができる。
【0022】
なお、この実施の形態1では、外装材16は伸縮性を備えた合成皮革としたが、基布の種類や編み方を選択することで伸縮性のない合成皮革を使用することも可能である。その場合には、アッパー11の履き口から足先に至るまでの広い範囲にわたる部分を外装材16と内装材17とで袋状になるように糸で縫い合わせて形成することで、足先が蒸れるのを有効に防ぐことができる。
【0023】
実施の形態2.
図3は本考案の実施の形態2における履物としての婦人用パンプスを示す斜視図、図4は同パンプスの断面図である。
【0024】
この実施の形態2の婦人用パンプス20は、足元の形状に沿わせて形成された上下短尺のアッパー21、足底に合わせて形成された中底22、地面に直接接する本底23、およびヒール24を有する。そして、アッパー21の下端の周辺部は中底22の下面に折り込まれて接着され、また、この折り込み部分と中底23とは本底23に接着され、さらに、本底23にヒール24が一体に結合されて構成されている。
【0025】
アッパー21は、外装材26と内装材27とが一体的に接合されてなるもので、このアッパー21の湿気放出必要箇所X2、すなわち、ここでは履き口から足先に向かうまでの中間部分が接着剤を使用せずに外装材26と内装材27とが袋状になるように糸で縫い合わされている。その他の箇所は接着剤によって外装材26と内装材27とが接着されている。また、アッパー21の下部において、内装材27のさらに内周部分には型くずれ防止用の補強生地28が接着されている。
【0026】
この実施の形態2において、上記の外装材26および内装材27は、実施の形態1における外装材16と内装材17とそれぞれ同様の素材が使用されている。すなわち、外装材26は微多孔構造によって防水透湿性を備えた合成皮革からなる単一のものが使用され、内装材27として透湿性を備えたものが使用される。さらに、中底22も図2に示したものと略同様な構成になっている。
【0027】
したがって、この婦人用パンプス20においても、基本的にアッパー21を構成する外装材26が合成皮革でできているために高級感を保つことができる。しかも、この外装材26は防水性と透湿性とを兼ね備え、かつ、内装材27は透湿性を有しているため、雨天時でも気兼ねなく使用できるとともに、足が蒸れるのを有効に防ぐことができる。また、アッパー21は外装材26と内装材27とを一体接合した簡単な構成であるので、製作工数も少なくて済み、比較的安価に製造することができる。
【0028】
なお、上記の実施の形態1,2では、本考案を婦人用のブーツ10とパンプス20に本適用した場合について説明したが、他の種類の婦人靴、さらには紳士靴などであってもよい。また、シューズに限定されるものではなく、たとえばミュールなどのサンダル類や、その他の履物についても本考案を適用することが可能である。
【0029】
【考案の効果】
本考案によれば、次の効果が得られる。
請求項1記載の考案に係る履物は、外装材が防水透湿性を備えた合成皮革でできているので高級感を保ちつつ、防水性と透湿性とを兼ね備えることができるので、雨天時でも気兼ねなく使用できるとともに、足の蒸れを防ぐことができる。また、アッパーの構造が簡単であるので、製作工数も少なくて済み、比較的安価に製造することができる。
【0030】
請求項2記載の考案に係る履物は、請求項1記載の考案の効果に加えて、アッパーはブーツ型であって外装材は伸縮性を備えているので、女性用のストレッチブーツなどを容易に構成することができる。
【0031】
請求項3記載の考案に係る履物は、請求項1または請求項2記載の考案の効果に加えて、アッパーの外周部が折り込み接合される中底はクッション性および透湿性を備えるため、足当たりが良く、かつ足底の蒸れも抑えられて快適な履き心地のものが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の実施の形態1における履物としての婦人用ブーツを示す断面図である。
【図2】同ブーツの中底を示す斜視図である。
【図3】本考案の実施の形態2における履物としての婦人用パンプスを示す斜視図である。
【図4】同パンプスの断面図である。
【符号の説明】
10 婦人用ブーツ、11 アッパー、12 中底、13 本底、14 ヒール、16 外装材、17 内装材、18 補強生地、X1 湿気放出必要箇所、20 婦人用パンプス、21 アッパー、22 中底、23 本底、4 ヒール、26 外装材、27 内装材、28 補強生地、X2 湿気放出必要箇所。
【考案の属する技術分野】
本考案は、防水性を確保しつつ、足の蒸れを防ぐことができるシューズやサンダル等の履物に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、婦人靴、紳士靴などのシューズや、サンダルなどの履物は、長くそのまま履き続けると足元が蒸れて不潔になり、悪臭が生じたり水虫発生の成因になり易い。このため、従来より足ができるだけ蒸れないような履物が要求されている。特に、婦人用ブーツのような長靴は、これを履いたときに下肢の大部分が覆われた状態になって通気性が悪くなるため、より一層蒸れないものが望まれている。
【0003】
一方、雨天などにおいて、雨水が容易に履物内部に侵入すると、足元や靴下が濡れるなどして不快な状態になるので、履物としては高い防水性が確保されていることが好ましい。
【0004】
ところで、婦人靴や紳士靴などのシューズは、足元の形状に沿わせて形成されたアッパー、足底に合わせて形成された中底、地面に直接接する本底やヒールが一体的に接合されているが、上記のアッパーを構成するための素材として、従来より天然皮革、合成皮革、織編物などが主として使用されている。
【0005】
牛革などの天然皮革は、透湿性はあるが防水性に欠ける。また、製品化のためには、なめし等の前加工に手間がかかるとともに、製品後は水に濡れたときに型くずれし易く、手入れも大変である。
【0006】
また、基布にポリウレタン樹脂などを塗布、コーティングしてなる従来の合成皮革は、手入れも比較的簡単で、また防水性に優れているものの、透湿性が極めて低く足の蒸れを防ぐのが難しい。足の蒸れを無くすために通気用のパンチング穴を形成したものもあるが、そのようにすると防水性が失われてしまう。
【0007】
さらに、従来のナイロン系繊維などからなる織編物は、透湿性に優れているので足元の蒸れを抑えることができるが、防水性が無く、また、高級感に欠けるきらいがある。織編物に撥水加工を施すと防水性は高まるが、逆に透湿性が低下する。
【0008】
そこで、従来技術では、外装材として合成皮革を使用し、また、内装材を透湿防水フィルム、スポンジシート、および裏材を順次積層して構成し、上記外装材と内装材とを縫着してアッパーとすることで、防水性と透湿性とを兼ね備えるようにしたシューズも提案されている(たとえば、特開平8−299015号公報参照)。
【0009】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の特許公報に記載されているような従来のシューズは、外装材に加えて、内装材として多種類の材料を積層して構成しているため、アッパーの素材構成が複雑であり、製造に際して多くの工数およびコストがかかるとともに、アッパーの素材厚みが大きくなるために伸縮性に欠ける。このため、たとえば女性用のストレッチブーツなどには適用し難い。
【0010】
本考案は、上記の課題を解決するためになされたもので、高級感を保ちつつ、防水性と透湿性とを兼ね備えており、また、構造が簡単で、製作工数も少なくて比較的安価に製造することができる履物を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本考案は、上記の目的を達成するために、請求項1記載の考案に係る履物は、微多孔構造によって防水透湿性を備えた合成皮革からなる単一の外装材と透湿性を備えた内装材とが一体的に接合されてアッパーが構成されており、かつ、このアッパーの湿気放出必要箇所は前記外装材と内装材とが袋状になるように縫い合わされていることを特徴としている。これにより、高級感を保ちつつ、防水性と透湿性とを兼ね備えることができるので、雨天時でも気兼ねなく使用できるとともに、足の蒸れを防ぐことができる。また、アッパーの構造が簡単であるので、製作工数も少なくて済み、比較的安価に製造することができる。
【0012】
請求項2記載の考案に係る履物は、請求項1記載の考案の構成において、アッパーはブーツ型であり、かつ、このアッパーを構成する外装材は伸縮性を備えている。これにより、女性用のストレッチブーツなどを容易に構成することができる。
【0013】
請求項3記載の考案に係る履物は、請求項1または請求項2記載の考案の構成において、前記アッパーの外周部が折り込み接合される中底は、指、土踏まず、踵にそれぞれ対応する箇所にクッション材が配置されるとともに、これらのクッション材が透湿性の素材で包み込まれて構成されている。これにより、足当たりが良く、かつ足底の蒸れも抑えられるため、快適な履き心地のものが得られる。
【0014】
【考案の実施の形態】
実施の形態1.
図1は本考案の実施の形態1における履物としての婦人用ブーツを示す断面図、図2は同ブーツの中底を示す斜視図である。
【0015】
この実施の形態1の婦人用ブーツ10は、下肢の形状に沿わせて形成された上下長尺のアッパー11、足底に合わせて形成された中底12、地面に直接接する本底13、およびヒール14を有する。そして、アッパー11の下端の周辺部は中底12の下面に折り込まれて接着され、また、この折り込み部分と中底12とは本底13に接着され、さらに、本底13にヒール14が一体に結合されて構成されている。
【0016】
アッパー11は、外装材16と内装材17とが一体的に接合されてなるもので、特に、アッパー11の湿気放出必要箇所X1、すなわち、ここでは履き口から足指やアキレス腱が接するまでに至る部分が接着剤を使用せずに外装材16と内装材17とが袋状になるように糸で縫い合わされている。その他の箇所は接着剤によって外装材16と内装材17とが接着されている。また、アッパー11の下部において、内装材17のさらに内周部分には型くずれ防止用の補強生地18が接着されている。
【0017】
上記の外装材16は、微多孔構造によって防水透湿性を備えた合成皮革からなる単一のものであり、かつ、伸縮性を備えている。このような特性を備えた合成皮革としては、たとえば、東レコーテックス株式会社製、商品名フィルファインが適用されるが、これに限定されるものではない。
【0018】
すなわち、外装材16を構成する上記の合成皮革は、伸縮性をもつ基布の表面にナイロン樹脂をコーティングしてなるもので、コーティングの際に直径0.5〜2μm以下の微細な多数の透孔が形成されている。したがって、雨や水滴などの分子はこの透孔を通過できないが、汗などの水蒸気の分子は0.0004μm程度と小さいため透孔を通過する。そのため、内外の温度差と湿度差とによってシューズ内部から外部に向けて水蒸気が放散されて透湿性が確保される。
【0019】
一方、内装材17は、吸水ポリマーをナイロン樹脂で被膜するなどして吸放湿特性をもつ繊維構造としたもので、たとえば、ユニチカ株式会社製、商品名ハイグラが適用されるが、これに限定されるものではない。
【0020】
また、中底12は、指、土踏まず、踵にそれぞれ対応する箇所にクッション材12aが配置されるとともに、これらのクッション材12aが透湿性の素材12bで包み込まれて構成されている。この場合の透湿性の素材12bとしては、上記の内装材17と同じ素材のものを使用してもよいが、他の透湿性素材を使用することもできる。これにより、足当たりが良く、かつ足底の蒸れも抑えられるため、快適な履き心地のものが得られる。
【0021】
このように、この実施の形態1における婦人用ブーツ10は、基本的にアッパー11を構成する外装材16が合成皮革でできているために高級感を保つことができる。しかも、この外装材16は防水性と透湿性とを兼ね備え、かつ、内装材17は透湿性を有しているため、雨天時でも水が内部に侵入することがないので気兼ねなく使用できるとともに、足が蒸れるのを有効に防ぐことができる。また、アッパー11は外装材16と内装材17とを一体接合した簡単な構成であるので、製作工数も少なくて済み、比較的安価に製造することができる。さらに、外装材16は伸縮性を備えているために女性の脚の形状に沿ってフィットし、脚全体のラインを美しく見せることができる。
【0022】
なお、この実施の形態1では、外装材16は伸縮性を備えた合成皮革としたが、基布の種類や編み方を選択することで伸縮性のない合成皮革を使用することも可能である。その場合には、アッパー11の履き口から足先に至るまでの広い範囲にわたる部分を外装材16と内装材17とで袋状になるように糸で縫い合わせて形成することで、足先が蒸れるのを有効に防ぐことができる。
【0023】
実施の形態2.
図3は本考案の実施の形態2における履物としての婦人用パンプスを示す斜視図、図4は同パンプスの断面図である。
【0024】
この実施の形態2の婦人用パンプス20は、足元の形状に沿わせて形成された上下短尺のアッパー21、足底に合わせて形成された中底22、地面に直接接する本底23、およびヒール24を有する。そして、アッパー21の下端の周辺部は中底22の下面に折り込まれて接着され、また、この折り込み部分と中底23とは本底23に接着され、さらに、本底23にヒール24が一体に結合されて構成されている。
【0025】
アッパー21は、外装材26と内装材27とが一体的に接合されてなるもので、このアッパー21の湿気放出必要箇所X2、すなわち、ここでは履き口から足先に向かうまでの中間部分が接着剤を使用せずに外装材26と内装材27とが袋状になるように糸で縫い合わされている。その他の箇所は接着剤によって外装材26と内装材27とが接着されている。また、アッパー21の下部において、内装材27のさらに内周部分には型くずれ防止用の補強生地28が接着されている。
【0026】
この実施の形態2において、上記の外装材26および内装材27は、実施の形態1における外装材16と内装材17とそれぞれ同様の素材が使用されている。すなわち、外装材26は微多孔構造によって防水透湿性を備えた合成皮革からなる単一のものが使用され、内装材27として透湿性を備えたものが使用される。さらに、中底22も図2に示したものと略同様な構成になっている。
【0027】
したがって、この婦人用パンプス20においても、基本的にアッパー21を構成する外装材26が合成皮革でできているために高級感を保つことができる。しかも、この外装材26は防水性と透湿性とを兼ね備え、かつ、内装材27は透湿性を有しているため、雨天時でも気兼ねなく使用できるとともに、足が蒸れるのを有効に防ぐことができる。また、アッパー21は外装材26と内装材27とを一体接合した簡単な構成であるので、製作工数も少なくて済み、比較的安価に製造することができる。
【0028】
なお、上記の実施の形態1,2では、本考案を婦人用のブーツ10とパンプス20に本適用した場合について説明したが、他の種類の婦人靴、さらには紳士靴などであってもよい。また、シューズに限定されるものではなく、たとえばミュールなどのサンダル類や、その他の履物についても本考案を適用することが可能である。
【0029】
【考案の効果】
本考案によれば、次の効果が得られる。
請求項1記載の考案に係る履物は、外装材が防水透湿性を備えた合成皮革でできているので高級感を保ちつつ、防水性と透湿性とを兼ね備えることができるので、雨天時でも気兼ねなく使用できるとともに、足の蒸れを防ぐことができる。また、アッパーの構造が簡単であるので、製作工数も少なくて済み、比較的安価に製造することができる。
【0030】
請求項2記載の考案に係る履物は、請求項1記載の考案の効果に加えて、アッパーはブーツ型であって外装材は伸縮性を備えているので、女性用のストレッチブーツなどを容易に構成することができる。
【0031】
請求項3記載の考案に係る履物は、請求項1または請求項2記載の考案の効果に加えて、アッパーの外周部が折り込み接合される中底はクッション性および透湿性を備えるため、足当たりが良く、かつ足底の蒸れも抑えられて快適な履き心地のものが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の実施の形態1における履物としての婦人用ブーツを示す断面図である。
【図2】同ブーツの中底を示す斜視図である。
【図3】本考案の実施の形態2における履物としての婦人用パンプスを示す斜視図である。
【図4】同パンプスの断面図である。
【符号の説明】
10 婦人用ブーツ、11 アッパー、12 中底、13 本底、14 ヒール、16 外装材、17 内装材、18 補強生地、X1 湿気放出必要箇所、20 婦人用パンプス、21 アッパー、22 中底、23 本底、4 ヒール、26 外装材、27 内装材、28 補強生地、X2 湿気放出必要箇所。
Claims (3)
- 微多孔構造によって防水透湿性を備えた合成皮革からなる単一の外装材と透湿性を備えた内装材とが一体的に接合されてアッパーが構成されており、かつ、このアッパーの湿気放出必要箇所は前記外装材と内装材とが袋状になるように縫い合わされていることを特徴とする履物。
- 前記アッパーはブーツ型であり、かつ、このアッパーを構成する前記外装材は伸縮性を備えたものであることを特徴とする請求項1記載の履物。
- 前記アッパーの外周部が折り込み接合される中底は、指、土踏まず、踵にそれぞれ対応する箇所にクッション材が配置されるとともに、これらのクッション材が透湿性の素材で包み込まれて構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の履物。
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JP2003002593U JP3097693U (ja) | 2003-05-09 | 2003-05-09 | 履物 |
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JP2003002593U JP3097693U (ja) | 2003-05-09 | 2003-05-09 | 履物 |
Publications (1)
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JP3097693U true JP3097693U (ja) | 2004-02-05 |
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Family Applications (1)
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JP2003002593U Expired - Lifetime JP3097693U (ja) | 2003-05-09 | 2003-05-09 | 履物 |
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Country | Link |
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2003
- 2003-05-09 JP JP2003002593U patent/JP3097693U/ja not_active Expired - Lifetime
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