JP3097685B2 - 圧延機及び熱間圧延設備及び圧延方法及び圧延機の改造方法 - Google Patents

圧延機及び熱間圧延設備及び圧延方法及び圧延機の改造方法

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JP3097685B2
JP3097685B2 JP11026966A JP2696699A JP3097685B2 JP 3097685 B2 JP3097685 B2 JP 3097685B2 JP 11026966 A JP11026966 A JP 11026966A JP 2696699 A JP2696699 A JP 2696699A JP 3097685 B2 JP3097685 B2 JP 3097685B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は圧延機、特に板材圧
延機に係わり、圧延材の板クラウン制御能力に優れた作
業ロールがクロスする構成である圧延機,熱間圧延設
備,圧延方法及び圧延機の改造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、実用に供せられているロールクロ
ス式4段圧延機は、三菱重工技法Vol.21、No.6(1
984年)のP61〜67に記載されたように、上作業
ロールと上補強ロールとのペアのロール組及び下作業ロ
ールと下補強ロールとのペアのロール組を夫々一体とし
て水平面内で各ペアロールの軸線を相互にクロスさせる
構成となっている。
【0003】また、補強ロールはクロスせず作業ロール
のみをクロスしようという試みはペアクロスよりも早く
例えば特開昭47−27159 号公報にも記載されているが今
日まで実用化に成功しているのは熱間圧延に於ける前述
のペアクロス方式の圧延機のみである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、作業ロ
ールと補強ロールとが一体でクロスするいわゆるペアク
ロス式圧延機では、補強ロールと作業ロール間の滑りや
スラスト力発生は抑えられるが、圧延荷重を直接受ける
補強ロールのメタルチョックの中心が圧下スクリウの中
心からずれるためメタルチョックに廻転モーメントがか
かりミルスタンドに局部荷重が発生して圧下操作の円滑
な操作を妨げ、且つ摩耗を増進する。これを防止するた
め剛性の大きなビームを設け圧延機の駆動側と操作側で
バランスする構造としているが、この方式でも剛性の大
きなビームは必要であり必然的に圧延機が大型化せざる
を得ない。
【0005】通常、ロールがクロスしない作業ロールの
スラスト力は熱間圧延の場合、圧延荷重の1〜2%であ
るがロールがクロスする場合は圧延荷重の5%とその2
〜3倍にも達する。
【0006】クロス角度調整が圧延中に必要な理由は種
々あるが、例えば、圧延中の荷重,母材クラウン等の変
化への対応、或いはクロス角の設定ミスの調整等があ
り、これらに対してはベンダー力のみでは対応不可であ
り、どうしてもクロス角を大きな圧延荷重のかかった状
態で変更することが必要となる。また、最近ホットスト
リップミルの仕上圧延機は連続化が目指されており、そ
の場合は、圧延中即ち巨大な圧延荷重の下で補強ロール
のメタルチョックをロールクロスのために移動させるこ
とが必要であり、特殊な軸受を採用する必要があるた
め、更に構造が複雑となる外に、圧延機の下部ではスケ
ールが混入し頻繁なメンテナンスが必要となり、生産性
を大きく阻害する。
【0007】従って、作業ロールのみがクロス可能なら
ば、簡単な構造で正確な圧延中のクロス角変更が可能と
なる。
【0008】また、作業ロールのみがクロスする圧延機
が実用化されない理由は次の2つの問題が解決出来ない
ためである。
【0009】第一の問題は、「機械の研究、第42巻、
第10号(1990年)」の71頁から72頁にかけて
記載されているように、作業ロールを補強ロールに対し
てクロスさせると巨大なスラスト力(推力)が両ロール
の軸方向に反対向に作用することである。この値はクロ
ス角によって変化するが圧延荷重の30%前後にも達し
大径の補強ロールのスラスト軸受はそれに耐えることが
不可能ではないが、補強ロール径の2分の1以下の作業
ロールにとっては困難であるというためである。
【0010】第二の問題は、補強ロールと作業ロールの
相対スリップによるロール摩耗である。作業ロールはこ
の原因による摩耗よりも格段に大きな圧延材による摩耗
のため2〜3時間で交換されるので問題にならない。補
強ロールの組替は10〜20日毎で組替にも長時間を要
するため急速なロール摩耗によってロール交換頻度を多
くすることは生産性を大幅に低下させることになるため
である。
【0011】第1番目の発明の目的は、圧延材の板クラ
ウン制御能力に優れ、作業ロールに作用するスラスト力
を簡単な構成で低減可能にし、適切に作業ロールクロス
角設定が可能な作業ロールがクロスする圧延機を提供す
ることにある。
【0012】第2番目の発明の目的は、圧延材の板クラ
ウン制御能力に優れ、作業ロールに作用するスラスト力
を簡単な構成で低減すると共に、スケジュールフリー圧
延を可能にし、適切に作業ロールクロス角設定が可能な
作業ロールがクロスする圧延機を提供することにある。
【0013】第3番目の発明の目的は、圧延材の板クラ
ウン制御能力に優れ、作業ロールに作用するスラスト力
を簡単な構成で低減可能にし、更に、作業ロールと補強
ロール間の過大なスラストの発生を防止でき、適切に作
業ロールクロス角設定が可能な作業ロールがクロスする
圧延機を提供することにある。
【0014】第4番目の発明の目的は、圧延材の板クラ
ウン制御能力に優れ、作業ロールに作用するスラスト力
を簡単な構成で低減すると共に、スケジュールフリー圧
延を可能にし、更に、作業ロールと補強ロール間の過大
なスラストの発生を防止でき、適切に作業ロールクロス
角設定が可能な作業ロールがクロスする圧延機を提供す
ることにある。
【0015】第5番目の発明の目的は、圧延材の板クラ
ウン制御能力に優れ、作業ロールに作用するスラスト力
を簡単な構成で低減すると共に、スケジュールフリー圧
延を可能にし、適切に作業ロールクロス角設定が可能な
作業ロールがクロスする圧延機を備えた熱間圧延設備を
提供することにある。
【0016】第6番目の発明の目的は、圧延材の板クラ
ウン制御能力に優れ、作業ロールに作用するスラスト力
を簡単な構成で低減可能にし、適切に作業ロールクロス
角設定が可能な作業ロールがクロスする圧延機の圧延方
法を提供することにある。
【0017】第7番目の発明の目的は、圧延材の板クラ
ウン制御能力に優れ、作業ロールに作用するスラスト力
を簡単な構成で低減すると共にスケジュールフリー圧延
を可能にし、適切に作業ロールクロス角設定が可能な作
業ロールがクロスする圧延機の圧延方法を提供すること
にある。
【0018】第8番目の発明の目的は、圧延材の板クラ
ウン制御能力に優れ、作業ロールに作用するスラスト力
を簡単な構成で低減可能にし、更に、圧延中にクラウン
変更を行い得ることを可能にし、適切に作業ロールクロ
ス角設定が可能な作業ロールがクロスする圧延機の圧延
方法を提供することにある。
【0019】第9番目の発明の目的は、圧延材の板クラ
ウン制御能力に優れ、作業ロールに作用するスラスト力
を簡単な構成で低減すると共にスケジュールフリー圧延
を可能にし、更に、圧延中にクラウン変更を行い得るこ
とを可能にし、適切に作業ロールクロス角設定が可能な
作業ロールがクロスする圧延機の圧延方法を提供するこ
とにある。
【0020】第10番目の発明の目的は、圧延材の板ク
ラウン制御能力に優れ、作業ロールに作用するスラスト
力を簡単な構成で低減可能にし、適切に作業ロールクロ
ス角設定が可能な作業ロールがクロスする圧延機の改造
方法を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記した作業ロールのみ
がクロスする圧延機が実用化されない2つの問題、即ち
ロール間に発生する過大なスラスト力及び補強ロールの
摩耗については本発明の如くロール間を潤滑することに
より解決され得るものであるが、それでは何故、この方
法が実用化されていないかについては、次の様な理由が
あったと想定される。
【0022】この作業ロールクロスミルは大きなクラウ
ン制御能力を有することから熱間圧延機に最適なもので
あるが、この熱間圧延機に於いてはロール表面の冷却の
為に大量の高圧のスプレー水(クーラント)が使用され
ており、潤滑剤はこの大量の冷却水に洗い流されて潤滑
効果がない(又は非常に少ない)か、或いはこの潤滑剤
が作業ロール間の圧延材(ロールバイト部)に到達する
と圧延材の噛み込みを阻害する恐れがあるため使用され
ていなかった。
【0023】しかし、最近のいわゆる熱間圧延油として
使用されるものは、ロールバイト部に、高熱でも潤滑性
を保持する性質の油を供給し、圧延荷重と圧延動力の低
減を狙ったもので従って、ロール間の潤滑を狙ったもの
ではないが、これは熱間の圧延材がロールバイトに存在
する時のみ潤滑油を供給しており、圧延材の尾端が圧延
機を抜ける前に供給を止めて、作業ロール表面の潤滑剤
を高温の圧延材で焼き切ることにより、次の圧延材の噛
み込みを阻害しない様にしている。
【0024】本発明の作業ロールクロスミルは、常に作
業ロールと補強ロールがクロスして接触しているため、
このロール間の過大なスラスト力を防ぐには、このロー
ル間を常時潤滑している必要があり、従来の知見、考え
方では到底実現不可能であった。
【0025】しかるに本発明者らは、種々の検討の結
果、ロール間の噛み込み性を損ねることなく、作業ロー
ルと補強ロール間のスラスト係数を常時小さくおさえる
ことが可能であることを見いだしたものである。
【0026】即ち、下記のことにより本発明の作業ロー
ルのみのクロスミルが実現できることになった分けであ
る。
【0027】1)ある種の潤滑剤を使用すれば、常時ロ
ール間潤滑を続行していても、圧延材の噛み込みを損ね
ることはない。
【0028】2)潤滑剤の供給を止めても、作業ロール
に付着した潤滑剤は圧延材により焼失するが、補強ロー
ル表面に付着した油は強固にロール表面に固着してお
り、数分間は、大量のクーラントに洗われても、流れ落
ちることなく、潤滑性が保持される。従ってロール間の
過大なスラストの発生を防止できる。
【0029】以上のようなことから、第1番目の発明の
目的は、圧延機の補強ロールを、そのロール軸線が水平
面内で傾斜しないように構成し、作業ロールの軸線が前
記補強ロールの軸線に対して交差すると共に、作業ロー
ルがそのロール軸線を相互に交差するように、水平面内
で前記補強ロールに対してロール軸線が傾斜し得るよう
に構成し、前記作業ロールを回転可能に支持する作業ロ
ールチョックを圧延材長手方向に押圧することが可能な
手段と、前記作業ロールと補強ロールとの間に潤滑剤を
供給する潤滑剤供給装置を設けることにより達成され
る。
【0030】第2番目の発明の目的は、圧延機の補強ロ
ールを、そのロール軸線が水平面内で傾斜しないように
構成し、前記作業ロールの軸線が前記補強ロールの軸線
に対して交差すると共に、前記作業ロールがそのロール
軸線を相互に交差するように、水平面内で前記補強ロー
ルに対してロール軸線が傾斜し得るように構成し、前記
作業ロールを回転可能に支持する作業ロールチョックを
圧延材長手方向に押圧することが可能な手段と、更に前
記各作業ロールは、そのロール軸方向に移動可能に構成
し、前記作業ロールと補強ロールとの間に潤滑剤を供給
する潤滑剤供給装置を設けることにより達成される。
【0031】第3番目の発明の目的は、補強ロールを、
そのロール軸線が水平面内で傾斜しないように構成し、
作業ロールの軸線が前記補強ロールの軸線に対して交差
すると共に、作業ロールがそのロール軸線を相互に交差
するように、水平面内で前記補強ロールに対してロール
軸線が傾斜し得るように構成し、前記作業ロールを回転
可能に支持する作業ロールチョックを圧延材長手方向に
押圧することが可能な手段と、前記作業ロールと補強ロ
ールとの間に潤滑剤を供給する潤滑剤供給装置を設け、
前記作業ロールに近接する位置に該作業ロールの冷却水
が前記補強ロールに侵入するのを防止する為の部材を設
けることにより達成される。
【0032】第4番目の発明の目的は、圧延機の補強ロ
ールを、そのロール軸線が水平面内で傾斜しないように
構成し、前記作業ロールの軸線が前記補強ロールの軸線
に対して交差すると共に、前記作業ロールがそのロール
軸線を相互に交差するように、水平面内で前記補強ロー
ルに対してロール軸線が傾斜し得るように構成し、前記
作業ロールを回転可能に支持する作業ロールチョックを
圧延材長手方向に押圧することが可能な手段と、更に前
記各作業ロールは、そのロール軸方向に移動可能に構成
し、前記作業ロールと補強ロールとの間に潤滑剤を供給
する潤滑剤供給装置を設け、前記作業ロールに近接する
位置に該作業ロールの冷却水が前記補強ロールに侵入す
るのを防止する為の部材を設けることにより達成され
る。
【0033】第5番目の発明の目的は、熱間圧延設備の
粗圧延機と仕上圧延機との間に圧延材を接合する接合装
置を備え、粗圧延機で圧延された圧延材を仕上圧延機で
連続して圧延する熱間圧延設備の仕上圧延機として、一
対の作業ロールと、これらの作業ロールを支持する一対
の補強ロールとを備えさせ、前記補強ロールを、そのロ
ール軸線が水平面内で傾斜しないように構成し、前記作
業ロールの軸線が前記補強ロールの軸線に対して交差さ
せると共に、前記作業ロールをそのロール軸線が相互に
交差するように、水平面内で前記補強ロールに対してロ
ール軸線が傾斜し得るように構成し、前記作業ロールを
回転可能に支持する作業ロールチョックを圧延材長手方
向に押圧することが可能な手段と、しかも前記作業ロー
ルは、そのロール軸方向に移動可能に構成し、更に、前
記作業ロールと補強ロールとの間に潤滑剤を供給する潤
滑剤供給装置が設けられた圧延機を備えることにより達
成される。
【0034】第6番目の発明の目的は、前記補強ロール
はそのロール軸線が水平面内で傾斜しないように構成さ
れ、圧延中は圧延機の作業ロールと補強ロールとの間に
潤滑剤を供給させた状態で、前記各作業ロールのみを、
該作業ロールの軸線が該補強ロールの軸線に対して交差
させると共に、前記作業ロールを回転可能に支持する作
業ロールチョックに圧延材長手方向で所望の押圧力を加
え、各作業ロールがそのロール軸線を相互に交差するよ
うに、水平面内で該補強ロールに対して該作業ロールの
軸線の傾斜の程度を制御して、圧延材の板クラウンを調
節することにより達成される。
【0035】第7番目の発明の目的は、前記補強ロール
はそのロール軸線が水平面内で傾斜しないように構成さ
れ、圧延中は圧延機の作業ロールと補強ロールとの間に
潤滑剤を供給させた状態で、前記各作業ロールのみを、
該作業ロールの軸線が該補強ロールの軸線に対して交差
させると共に、前記作業ロールを回転可能に支持する作
業ロールチョックに圧延材長手方向で所望の押圧力を加
え、各作業ロールがそのロール軸線を相互に交差するよ
うに、水平面内で該補強ロールに対して該作業ロールの
軸線の傾斜の程度を制御すると共に、該作業ロールのロ
ール軸方向の移動量を制御して、圧延材の板クラウンを
調節することにより達成される。
【0036】第8番目の発明の目的は、前記補強ロール
はそのロール軸線が水平面内で傾斜しないように構成さ
れ、圧延中は圧延機の作業ロールと補強ロールとの間に
潤滑剤を供給させた状態で、前記各作業ロールのみを、
該作業ロールの軸線が該補強ロールの軸線に対して交差
させると共に、前記作業ロールを回転可能に支持する作
業ロールチョックに圧延材長手方向で所望の押圧力を加
え、各作業ロールがそのロール軸線を相互に交差するよ
うに、水平面内で該補強ロールに対して該作業ロールの
軸線の傾斜の程度を制御し、更に、圧延中に該作業ロー
ルの交差角を変更して圧延材の板クラウンを調節するこ
とにより達成される。
【0037】第9番目の発明の目的は、前記補強ロール
はそのロール軸線が水平面内で傾斜しないように構成さ
れ、圧延中は圧延機の作業ロールと補強ロールとの間に
潤滑剤を供給させた状態で、前記各作業ロールのみを、
該作業ロールの軸線が該補強ロールの軸線に対して交差
させると共に、前記作業ロールを回転可能に支持する作
業ロールチョックに圧延材長手方向で所望の押圧力を加
え、各作業ロールがそのロール軸線を相互に交差するよ
うに、水平面内で該補強ロールに対して該作業ロールの
軸線の傾斜の程度を制御すると共に、該作業ロールのロ
ール軸方向の移動量を制御し、更に、圧延中に該作業ロ
ールの交差角を変更して圧延材の板クラウンを調節する
ことにより達成される。
【0038】第10番目の発明の目的は、前記補強ロー
ルはそのロール軸線が水平面内で傾斜しないように構成
され、圧延機の改造に際して、作業ロールのロールチョ
ックに面した圧延スタンドの位置に圧延材の進行方向に
駆動操作可能な液圧装置を設けて、前記各作業ロールの
軸線が該補強ロールの軸線に対して交差させると共に、
各作業ロールがそのロール軸線を相互に交差するよう
に、水平面内で該補強ロールに対してロール軸線が傾斜
し得るように改造し、前記作業ロールを回転可能に支持
する作業ロールチョックに圧延材長手方向で所望の押圧
力を加え、更に圧延スタンドに該作業ロールのロール軸
方向に駆動操作可能な液圧装置を設けて、前記作業ロー
ルのロールチョックに係合して前記作業ロールをロール
軸方向に移動し得るように改造し、前記作業ロールと補
強ロールとの間に潤滑剤を供給する潤滑剤供給装置を設
けるように改造することにより達成される。
【0039】
【発明の実施の形態】上記第1番目の発明においては、
圧延機の補強ロールを、そのロール軸線が水平面内で傾
斜しないように構成し、前記各作業ロールを、該作業ロ
ールの軸線が該補強ロールの軸線に対して交差すると共
に、各作業ロールがそのロール軸線を相互に交差するよ
うに、水平面内で該補強ロールに対してロール軸線が傾
斜し得るように構成していることから、作業ロールのみ
がクロスする構成の圧延機を実現することが可能とな
る。
【0040】しかも、作業ロールと補強ロールとの間に
潤滑剤を供給する潤滑剤供給装置を設けていることか
ら、この作業ロールと補強ロールとの間に供給された潤
滑剤の作用によって作業ロールに働くスラスト力は作業
ロールがクロスしても実用上問題のない程度に低減可能
にでき、よって圧延材の板クラウン制御能力も十分発揮
できる、作業ロールがクロスする圧延機が実現し得るも
のとなる。
【0041】上記第2番目の発明においては、圧延機の
補強ロールを、そのロール軸線が水平面内で傾斜しない
ように構成し、前記作業ロールの軸線が前記補強ロール
の軸線に対して交差すると共に、前記作業ロールがその
ロール軸線を相互に交差するように、水平面内で前記補
強ロールに対してロール軸線が傾斜し得るように構成し
ていることから、作業ロールのみがクロスする構成の圧
延機を実現することが可能となる。
【0042】そして、前記各作業ロールは、そのロール
軸方向に移動可能であるので、この作業ロールは圧延作
業中にロール軸方向に移動出来、よってスケジュールフ
リー圧延が可能となる。
【0043】しかも、作業ロールと補強ロールとの間に
潤滑剤を供給する潤滑剤供給装置を設けていることか
ら、この作業ロールと補強ロールとの間に供給された潤
滑剤の作用によって作業ロールに働くスラスト力は作業
ロールがクロスしても実用上問題のない程度に低減可能
にでき、よって圧延材の板クラウン制御能力も十分発揮
できる、作業ロールがクロスする圧延機が実現し得るも
のとなる。
【0044】上記第3番目及び第4番目の発明において
は、上記第1番目と第2番目の発明に、更に、前記作業
ロールに近接する位置に該作業ロールの冷却水が前記補
強ロールに侵入するのを防止する部材を設けることによ
り、作業ロールの冷却水が侵入するのを防止することが
できるため作業ロールと補強ロールの間に供給された潤
滑剤は洗い流されることはなく、作業ロールと補強ロー
ル間の過大なスラスト力を防止できるものである。
【0045】上記第5番目の発明においては、熱間圧延
設備の粗圧延機と仕上圧延機との間に圧延材を接合する
接合装置を備え、粗圧延機で圧延された圧延材を仕上圧
延機で連続して圧延する熱間圧延設備の仕上圧延機とし
て、一対の作業ロールと、これら作業ロールを夫々支持
する一対の補強ロールとを備えさせ、前記補強ロール
を、そのロール軸線が水平面内で傾斜しないように構成
し、前記各作業ロールを、該作業ロールの軸線が該補強
ロールの軸線に対して交差させると共に、各作業ロール
をそのロール軸線を相互に交差するように、水平面内で
該補強ロールに対してロール軸線が傾斜し得るように構
成している。これによって作業ロールのみがクロスする
構成の圧延機を実現することが可能となる。
【0046】しかも前記各作業ロールは、そのロール軸
方向に移動可能であることから、この作業ロールは圧延
作業中にロール軸方向に移動出来、よってスケジュール
フリー圧延が可能となる。
【0047】その上、前記作業ロールと補強ロールとの
間に潤滑剤を供給する潤滑剤供給装置が設けられている
ことから、この作業ロールと補強ロールとの間に供給さ
れた潤滑剤の作用によって作業ロールに働くスラスト力
は作業ロールがクロスしても実用上問題のない程度に低
減可能にでき、よって圧延材の板クラウン制御能力も十
分発揮できる、作業ロールがクロスする圧延機が実現す
る。
【0048】従って、この作業ロールがクロスする圧延
機を、粗圧延機で圧延された圧延材を仕上圧延機で連続
して圧延する熱間圧延設備の仕上圧延機として用いるこ
とが初めて実現し得るものとなる。
【0049】上記第6番目の発明においては、前記補強
ロールはそのロール軸線が水平面内で傾斜しないように
構成され、圧延中は圧延機の作業ロールと補強ロールと
の間に潤滑剤を供給させた状態で、前記作業ロールのみ
をその軸線が前記補強ロールの軸線に対して交差させる
と共に、前記作業ロールがそのロール軸線を相互に交差
するように、水平面内で前記補強ロールに対して前記作
業ロールの軸線の傾斜の程度を制御するようにしたこと
から、前記作業ロールと補強ロールとの間に供給された
潤滑剤の作用によって作業ロールに働くスラスト力は作
業ロールがクロスしても実用上問題のない程度に低減可
能に出来ることになる。
【0050】しかもこれによって作業ロールのみがクロ
スする構成の圧延機を用いて圧延材の板クラウン制御能
力も十分発揮できることになり、よって作業ロールがク
ロスする圧延機の圧延方法が実現し得るものとなる。
【0051】上記第7番目の発明においては、第6番目
の発明に更に、作業ロールのロール軸方向の移動量を制
御することで、圧延材の板幅変更に対応でき、スケジュ
ールフリー圧延が可能となり、よって作業ロールがクロ
スする圧延機の圧延方法が実現し得るものとなる。
【0052】上記第8番目の発明においては、第6番目
の発明に更に、圧延中に作業ロールの交差角の変更を可
能にすることで、圧延中にクラウン変更を行うことが可
能となり、よって作業ロールがクロスする圧延機の圧延
方法が実現し得るものとなる。
【0053】上記第9番目の発明においては、第7番目
の発明に更に、圧延中に作業ロールの交差角の変更を可
能にすることで、圧延中にクラウン変更を行うことが可
能となり、よって作業ロールがクロスする圧延機の圧延
方法が実現し得るものとなる。
【0054】上記第10番目の発明においては、前記補
強ロールはそのロール軸線が水平面内で傾斜しないよう
に構成され、圧延機の改造に際して、作業ロールのロー
ルチョックに面した圧延スタンドの位置に圧延材の進行
方向に駆動操作可能な液圧装置を設けて、前記作業ロー
ルの軸線が該補強ロールの軸線に対して交差させると共
に、前記作業ロールがそのロール軸線を相互に交差する
ように、水平面内で前記補強ロールに対してロール軸線
が傾斜し得るように改造し、更に圧延スタンドに前記作
業ロールのロール軸方向に駆動操作可能な液圧装置を設
けて、前記作業ロールのロールチョックに係合して前記
作業ロールをロール軸方向に移動し得るように改造し、
前記作業ロールと補強ロールとの間に潤滑剤を供給する
潤滑剤供給装置を設けるように改造していることから、
よって既存の圧延機のスタンドを利用して作業ロールの
みがクロスする構成の圧延機を実現することが可能とな
る。
【0055】また、作業ロールは圧延作業中にロール軸
方向に移動出来るので、スケジュールフリー圧延が可能
となる。しかも、潤滑剤供給装置から作業ロールと補強
ロールとの間に供給された潤滑剤の作用によって作業ロ
ールに働くスラスト力は作業ロールがクロスしても実用
上問題のない程度に低減可能にできるので、よって圧延
材の板クラウン制御能力も十分発揮できる、作業ロール
がクロスする圧延機への改造を容易に行うことが可能と
なるものである。
【0056】(実施例)図1は本発明の一実施例である
作業ロールのみがクロスするクロス式4段圧延機を示
し、図2は図1における作業ロールの軸方向移動装置を
示す。
【0057】図1及び図2において、作業ロールがクロ
スするクロス式4段圧延機は、上,下作業ロール7と、
この作業ロールを支持する上,下補強ロール8とを備え
ている。各作業ロール7のロール端には夫々作業ロール
チョック16が設けられ各作業ロール7を回転可能に支
持している。同様に各補強ロール8のロール端には夫々
補強ロールチョック17が設けられ各補強ロール8を回
転可能に支持している。
【0058】これら作業ロールチョック16及び補強ロ
ールチョック17は圧延機のロール軸方向に離間して垂
直方向に設置されている一対のスタンド20のウィンド
ウ面20aに面してそれぞれ配設されており、このスタ
ンド20に上部又は下部に設けられた圧下ジャッキ(図
示せず)から圧延荷重をこれら各ロールに働かせて圧延
材9を圧延するようになっている。
【0059】上,下作業ロール7のロール軸線を水平面
内において補強ロール8のロール軸線に対して傾斜可能
とし、且つ、上下作業ロール7が相互にそのロール軸線
を交叉出来るように上下作業ロール7のみをクロスさせ
る為に、上下作業ロール7の両ロール端に備えた作業ロ
ールチョック16の両側面に面したスタンド20のプロ
ジェクトブロック30には油圧ジャッキ10,11が夫
々設けられており、この油圧ジャッキ10,11の双方
を駆動操作することによって上下作業ロール7をクロス
させることが出来るものである。前記油圧ジャッキ10
には切換弁14を介して圧油が供給されるようになって
おり、この油圧ジャッキ10の油圧ラムの移動量は該油
圧ラムに取付けたロッド12の変位量をセンサ13で検
知される。そして圧延条件に応じた信号に基づいて作業
ロールクロス角度制御器40により前記切換弁14を調
節して該油圧ジャッキ10を駆動し、前記センサ13か
らの信号でフィードバック制御して上下作業ロール7の
クロス角度を所望の値に制御するようになっている。
【0060】また、このクロス角変更は圧延中、即ち巨
大な圧延荷重が加わった状態でも行い得るようになって
いる。
【0061】図3は、圧延中にクロス角を変更した場合
の板クラウンが変化する様子を示す実験結果である。ク
ロス角を0.5度から0.9度に変化することにより板ク
ラウンをフラットから凹クラウンに変化させ得ることが
分かる。
【0062】前記油圧ジャッキ11には減圧弁15を介
して圧油が供給されるようになっており、必要な押付力
で前記作業ロールチョック16を押圧している。
【0063】また、図2に示すように、上下作業ロール
7はそのロール軸方向に移動できるようにスタンド20
に該作業ロール軸に沿って駆動する油圧シリンダ22が
作業ロールチョック16を挾むように2個設けられてい
る。この油圧シリンダ22は、パイロットチェックバル
ブ31により常時は油が封じ込まれており、その位置を
保持できるようになっている。そしてこの両油圧シリン
ダ22のロッドは共通の移動ブロック21に連結され、
この移動ブロック21に設けられた着脱自在の係止部2
1aが作業ロールチョック16の端部に形成した突出部
16aと係合して、前記油圧シリンダ22の駆動力をこ
の作業ロールチョック16に伝えて上下作業ロール7を
ロール軸方向に移動操作出来るようになっている。
【0064】尚、図示は省略したが、上下作業ロール7
の軸方向移動操作の制御も圧延条件に応じて移動量制御
装置によって制御されることは云うまでもない。
【0065】ところで、図1及び図2に示すように、上
下作業ロール7と上下補強ロール8とのロール間に潤滑
剤を供給できるように、ロール軸に沿って潤滑剤供給ノ
ズル1が配設されている。この潤滑剤供給ノズル1の配
設位置は図示した個所に限る必要はなく、結果的に両ロ
ール間に潤滑剤である潤滑油が供給可能な個所であれば
良い。
【0066】なお、作業ロール7には大量のクーラント
水がノズル2により供給されている為、図5に示す如
く、潤滑油が洗い流されないようにスクレーパ32を設
けるのが望ましい。
【0067】図1において、上下補強ロール8は圧延中
にガタが生じないようにする為、上下補強ロール8のロ
ール端に設けた補強ロールチョック17の側面に面した
スタンド20のウィンドウ面20aに油圧ジャッキ19
を設け、この油圧ジャッキ19からの駆動力を伝達する
押し板18をスタンド20に摺動可能に装着して該押し
板18を介して補強ロールチョック17に油圧力を作用
させて上下補強ロール8のガタをなくすようにしてい
る。
【0068】また、上下補強ロール8には、ロール面に
近接してロール面を圧延中に研削出来るロールグライン
ダ6が設置されている。このロールグラインダ6は図4
に示すように駆動モータ24により補強ロール8のロー
ル軸方向に移動操作されると共に、研削量操作器6aに
よりロールの研削量が調節されるようになっている。ま
た、図5に示すように、この作業ロールクロス式4段圧
延機に備えられた作業ロール7と補強ロール8との間に
潤滑油を供給する潤滑剤供給ノズル1からの潤滑油の供
給制御は、タンク26からポンプ27により圧送された
潤滑油を切替弁28を介してこの潤滑油供給ノズル1か
らロール面に散布しているが、圧延機で圧延される圧延
材9の尻抜け時及び通板時には潤滑剤の散布を停止する
必要がある。そこで、上記尻抜け又は通板等の圧延条件
の信号を潤滑剤制御器50で受けた場合は、切換弁28
を切換操作して潤滑剤供給ノズルからロール面への潤滑
油の散布は停止するようになっている。
【0069】なお、ロール冷却ノズル2,3は作業ロー
ル及び補強ロールを冷却するためのものである。
【0070】ところで、上述した作業ロールクロス式の
4段圧延機では、補強ロール8は水平方向にはロール軸
の移動を固定とし作業ロール7のみ上下反対方向にその
ロール軸を相互にクロスさせるものである。このクロス
ミルは、圧延材9のクラウン制御量を大きく必要とする
ホットストリップミル、特に仕上ミル前段スタンドに有
効である。熱間圧延では、通板噛込性のため主として上
下作業ロール7には冷却用の水のみがロール冷却ノズル
2,3から噴射されている。作業ロールのクロス圧延の
場合作業ロールのスラストに如何に対応するかが最大の
ポイントになる。
【0071】図6は、作業ロールクロス4段圧延機にお
ける作業ロールのクロス角と、作業ロールと補強ロール
間のスラスト係数、並びに作業ロールと圧延材間のスラ
スト係数との関係を夫々示す特性図である。図6におい
て、横軸は、圧延方向に直角な線に対する作業ロール1
本のクロス角度θを示し、縦軸はスラスト係数を示す。
μTmは、圧延材9から1本の作業ロール7が受けるスラ
スト力を圧延荷重で除したパーセントである。この値
は、クロス角θの他、圧下率などの関数で、一般には圧
下率が大きい程減少する。ところで従来方式であるペア
クロスの場合は、補強ロールとのクロス角はないから理
論的にはスラストは発生せずμTmに圧延荷重を掛けた
ものがそのまま作業ロール1本が受けるスラスト力とな
る。上下作業ロール7のみをクロスした場合、補強ロー
ル8と作業ロール7間に発生するスラスト力はいろいろ
な条件によって異なるがその値をμTR1 ,μTR2
びμTR3 とした3例を図6に示す。μTR1 は補強ロ
ール8と作業ロール7間に水のみを供給した場合、μT
2 は両ロール間に供給する水中に含まれる油の濃度が
低い場合、μTR3 は、μTR2 より水中の油の濃度を
高くした場合の実験結果である。図6から理解出来るよ
うにロール間への油の供給によりスラスト力であるμT
Rが大幅に低下し、油の濃度でその値を選定することが
出来ることが示されている。この実験例は濃度を変えた
例のみ示したがこの油の水のエマルジョンの供給量を変
えても変化することが認められた。
【0072】図7は、以上のように補強ロール8を水平
方向に固定し作業ロール7のみを圧延材9と補強ロール
8に対してロール軸をクロスさせた時に、作業ロール7
自体にかかるスラスト係数μWT、即ちスラスト力/圧
延荷重、の値を示したものである。なお、スラスト係数
μWTは、補強ロールと圧延材からのスラスト力の合計
である値をパーセントで示したのものでもある。
【0073】従来のペアクロス式圧延機の場合は、図6
におけるμTmと変らない。ここで注目すべきは、作業
ロール7の受けるスラスト力は、圧延材9からのスラス
ト力の方向と補強ロール8から受けるスラスト力の方向
が反対であるということである。
【0074】このことに関して図8及び図9を用いて説
明する。
【0075】図8は、図9に示す作業ロール7と圧延材
9との接触部であるA及び作業ロール7と補強ロール8
との接触部であるBでの速度の関係を示したものであ
り、VM は圧延材の接触部速度、VW は作業ロール周
速、VB は補強ロールの周速である。
【0076】作業ロール7は圧延材9との相対速度ΔV
A 方向のスラスト力を、又補強ロール8からはΔVB
向のスラスト力を受けるが、この相対速度方向が逆であ
るため、スラスト力は相殺される方向となる。
【0077】但し、Aでは圧延材9は圧延されるため、
スラスト力は緩和される、即ち図6のμTmは小さくな
るわけである。それでも水スプレーの場合のμWT1
μTmと方向は反対になる。即ち補強ロール8からのス
ラスト力が大きくて差引いても25%程度となる。実用
上はスラスト軸受の設計上5%以下にする必要があるが
この方式ではそれは実現不可能であり、又、補強ロール
と作業ロールの摩耗も激しいものとなる。ところが低濃
度の油潤滑を行えばμWT2 となりその値は2%以下と
なり通常の圧延と殆んど変らない。更に潤滑油の濃度を
増すとμWT3 となりスラスト方向はμTmの方向を向
くがその値は、μTmの半分となっており適正な濃度に
設定すればスラスト力をロールがクロスのない通常圧延
機並みにすることも可能である。
【0078】尚、作業ロール軸にかかるスラスト力を減
少させるためのみならばμTR=μTmが最善である
が、ロールの摩耗の点からはμTR<μTm側の方が望
ましい。
【0079】上述した潤滑剤供給ノズル1からの作業ロ
ール7と補強ロール8との間へのロール間潤滑により補
強ロール8の摩耗量が大幅に低下した実験例を図10に
示す。ロール材質は補強ロール8を特殊鍛鋼硬度HS6
0°、作業ロール7はハイクロムでHS75°である。
ロール間接触応力P0は180km/mmとし廻転総数は2
5万回、ロール同志のクロス角は0,0.6°及び1.2
°の3種である。尚、ホットストリップミルにおけるロ
ール組替までの補強ロール回転数は仕上前段で20万
回、後段で200万回程度である。図10より分かると
おり、水冷に比べて潤滑剤供給の場合は5〜10分の1
に摩耗が低下することが判る。尚ロールがクロスしない
通常の4段圧延機でも補強ロールは25万回回転で数1
0μmの摩耗が発生しているのは、圧延材からのスケー
ルのとび込み等の影響と考えられる。ロールがクロスし
た場合は、従来の摩耗に図10で示した摩耗が追加され
るとも考えられるが潤滑効果により従来あった摩耗も減
少させることも充分考えられる。
【0080】上述したロール間潤滑方式を採用すれば、
極めて単純な構造で従来のクロスミルの欠点をすべて解
決することが出来る。従来ロール間のクロスはタブーと
なっていたがロール間潤滑の知見により毒を薬に代える
ことに成功したものである。ところで従来方式であるペ
アクロスはクロスによって補強ロールと作業ロールの相
対関係は変らないからロール間接触圧力分布が変らな
い。作業ロール7のみが単独でクロスする圧延機はロー
ル間に等価クラウンが生じ中央部の面圧が高くなりはし
ないかとの懸念があると思われるが、その心配は全くな
いことを以下説明する。
【0081】ロール面長2000mm,作業ロール7のロ
ール径700mm,補強ロール8のロール径1500mmと
仮定し、作業ロール7のクロス角θ=1.2° とした場
合、両ロール間の中心部に対する端部の間隙CR は、R
12を作業ロール7と補強ロール8の半径として
【0082】
【数1】
【0083】これは補強ロール8に0.40mm の直径ク
ラウンをつけた場合に相当する。実用機では1mm以上の
クラウンをつけて安定操業の例もあり問題にならない。
【0084】尚クロス角θは1.2° で充分すぎる制御
能力を発揮する。逆に云えば、ペアクロスの効果の他
に、補強ロール8のクラウンも可変にする効果も加わる
ことになり(1試算によると10〜20%も効果が大き
い。)、ロールクロス角θはペアクロス方式よりも少な
くて済む。
【0085】作業ロールクロス4段圧延機におけるその
他の問題点は、本方式はロール間潤滑が必要条件である
ことである。
【0086】ここで潤滑油の効果について検討した結果
を述べる。最近熱間圧延に於いて、作業ロールの摩耗の
低減を圧延荷重,圧延動力の低減を目的として、いわゆ
る熱間圧延油(通常の濃度1%以下)が使用されるよう
になってきた。これはロールバイト部の700°以上も
の高温材料に対しても潤滑効果を有するように調合され
たものであり、牛脂等の油脂系を多く含んだものであ
る。一方、鉱物油系の基油をもつ潤滑油、これには乳化
剤を含んだソルブル油も含むが、では高温において、そ
の潤滑性が著しく損なわれ、あるいは全く潤滑性が消失
する為に噛み込みに対する悪影響がなくなる。
【0087】これは図11に示す実験結果により説明さ
れる。図11中、(A部)及び(B部)で示す点は、そ
れぞれ図12中の(A部)及び(B部)に対応する。す
なわち、鉱物油系の潤滑油(ソルブル油も含む)は、熱
間圧延材に接する(B部)では潤滑性能が著しく小さ
く、殆んど無潤滑の摩擦係数に近い値を示す。一方低い
温度(A部)では良好な潤滑性能を示し、小さい摩擦係
数となる。牛脂で代表される油脂系の潤滑油は、高温
(B部)でも潤滑性能を有しており、この為、噛み込み
時にこの潤滑油が存在していると噛み込み不良を生ずる
恐れがある。
【0088】従って油脂系の潤滑油を使用する場合に
は、通板のない連続ホットミルストリップミルでは問題
ないが、通常の通板を行うホットストリップミルでは、
作業ロールに潤滑油が付着していると噛み込み失敗の恐
れや、尻抜け後加減速を行う場合、圧延荷重が消失して
いるためロール間摩擦係数が小さいと補強ロール8の慣
性のためロール間で大きなスリップを生じる可能性があ
るため尻抜け直前にロール表面の摩擦係数を大きくして
おく必要がある。そのため尻抜け前に潤滑剤の供給を停
止する必要があるが出来るだけ尻抜け直前まで、潤滑剤
の供給を続ける方が望ましい。
【0089】図13に示す潤滑剤油供給ノズル1からの
潤滑油の供給を停止した場合でも、図14に示すよう
に、直ちに潤滑効果が失われることなく、約1分後から
スラスト係数(=スラスト力)は増加し始めるが、その
程度は小さく、約5分経過しても、その増加量は0.0
25 と小さい。通常、圧延材の尾端の尻抜けから、次
の圧延材の噛み込みまで1〜3分位あり、十分な潤滑効
果の保持時間である。
【0090】潤滑剤の供給を停止する方法を図5に示し
た制御系に基づいて説明する。
【0091】先ず、圧延材9の尾端長さlがπ/2DW
になる前に圧延条件であるその信号を潤滑剤制御器50
に入力し、操作信号を切換弁28に出力することによっ
て潤滑剤供給ノズル1を閉じる。然る時既に油の付着し
た作業ロール7の半分周長π/2DW の油分は、熱間の
圧延材9によって炭化し潤滑能力を失う。但し補強ロー
ル8は付着した油分は圧延材9に直接接触しないため除
去され難く、作業ロール7と補強ロール8との間のロー
ル間の潤滑効果が確保される。このようにして圧延中及
び非圧延中の間、ロール間の潤滑は保たれ得る。
【0092】尚、潤滑剤がロール冷却ノズル2,3から
供給される冷却水によって洗浄される性質のものを選べ
ばこれらの考慮は不要で常時圧延中は潤滑剤を掛けら
れ、加減速時のみの対応即ち、圧延材9の尻抜時潤滑油
停止,作業ロールクロスのゼロ復帰,ロールバランス力
のアップ等で可能である。作業ロール7のみのクロス
故、ロール廻転中はクロス抵抗も少なく迅速に作業ロー
ル7のクロス操作が行えるので圧延材9の尻抜け後はク
ロス角ゼロにしておく方が望ましい。
【0093】但し、鉱物油系の潤滑油を使用する場合に
は常時連続的に供給を続けても良いことは前にも説明し
た通りである。また、油脂系の熱間圧延油と鉱物油系の
潤滑油を使用することも可能である。即ち圧延材が圧延
機内にあるときは熱間圧延油のみを供給して、圧延材が
ないときは鉱物油系の潤滑油のみを供給することで、圧
延材の噛込み性を損ねることなく、常時ロール間の潤滑
を保持することができる。
【0094】尚以上は、熱間板圧延の場合を対象に述べ
たが冷間圧延では常時圧延油がかかっておりこの噛み込
みの心配はなく常時補強ロール8と作業ロール7間に適
切な油性の潤滑剤を供給することで目的は達しうる。
【0095】また、ロール間滑りによるロール摩耗につ
いては、ロール間に供給される流体が水のみの場合は大
きな摩耗が発生するが前述の如く潤滑剤供給によってロ
ール摩耗の発生は大幅に低下する。しかし、ロールの中
央部の摩耗が多くなる傾向になる。このために図5に示
すようなオンライングラインダ6で常に補強ロール8の
ロール外面をストレート又は所定のクラウンになるよう
研磨するものである。従来、ロール交換の頻繁な作業ロ
ール7のオンライングラインダが開発されてきたが、ロ
ール硬度が高いこと、ビビリ等表面の仕上品質が厳しく
要求されることに加えて作業ロール7の場合、スペース
的に余裕がなく、且つ、ガイドや冷却水のため極めて保
守性の困難な方法になっている。これに対し補強ロール
8の場合はスペース的には遥かに余裕があり、又ロール
硬度も低く研磨容易であり作業ロール7に比しその表面
品質ははるかに楽でよい。このようにロールプロフィル
の修正に利用するのは勿論プロフィル修正が不要でもロ
ール間接触によるヘルツ応力のため疲労層を除去する必
要がありこれも補強ロール8を交換して研磨する理由の
一つである。これをプロフィル修正と同時に疲労層の除
去も同時に行えば補強ロール8のロール交換ピッチ4が
大幅にのびることになる。一般に補強ロール8の交換
は、長時間を要するため定期修理と同時に行われる位の
大作業で、補強ロール交換の周期を一定のピッチで決め
ているのが現状である。上述した本方法を活用すれば補
強ロール8の研磨はロールメーカが行うのみで圧延工場
ではオンライングラインダのみで済み高価で大型の補強
ロールグラインダは不要になる可能性がある。この補強
ロールグラインダは、上述した実施例の作業ロールクロ
ス式4段ミルのみならず補強ロールを有するすべての4
段,5段及び6段ミルの補強ロールを対象に実施出来る
ことは云うまでもないことである。またロール軸受のガ
タによるクロスポイントの狂いについてであるが、ガタ
の最も大きい個所はロールのメタルチョックとスタンド
20又はプロジエクトブロック30間の隙間である。ク
ロスする作業ロール7は、クロス機構の中にガタを小さ
くする機構を設けることが出来る。補強ロール8は通常
そのギャップは一定であるため、本発明の実用化に当っ
ては圧延中はギャップを小さくしロール組替時は、大き
くすることが望ましい。又一定の油圧力でチョックをス
タンド側に一方向に押しつけて圧延し、ロール交換時は
開く方式でも目的は達せられる。
【0096】この必要性につき図15及び図16により
説明する。
【0097】補強ロール8の軸受とスタンド20とのガ
タによって補強ロール8が作業ロール7のクロス中心を
中心としてクロス傾斜する分は、作業ロール7のクロス
角が僅かに狂うだけで問題にならない。しかし、補強ロ
ール8の軸中心がガタによって圧延方向にeだけずれる
と両ロールのクロスポイントはa=e/θだけ軸方向に
移動しその結果上,下作業ロール7の間隙に差が生じ圧
延材9の蛇行につながる。この影響をなくすためには圧
下のレベルをSdfだけ修正しなければならない。S
dfは、作業ロール7の半径をR1 ,補強ロール8の半径
をR2 ,圧下スクリウ間距離をLとすれば図16でロー
ル中心間がcだけずれると、ロール隙間gはc2/2
(R1+R2)だけ離れるから、左右の圧下位置での隙間
差Gは下記となる。
【0098】
【数2】
【0099】この分だけ圧下スクリウ差Sdfをつける必
要がある。即ち、
【0100】
【数3】
【0101】数3で示される。大型ホットストリップミ
ルの一例としてR1 =700/2=350mm,R2=1
500/2=750mm,L=3000mm,θ=1.2゜
とすればeをmmで表わして数4となる。
【0102】
【数4】 Sdf=0.05e …(数4) eに応じてSdfを修正、即ち、圧下レベルの修正を行う
ことは実用上出来ないので実用的に必要ない程度にeを
小さくする必要がある。実操業の経験によれば、ホット
ストリップ仕上ミルの例で板厚の厚い層の前段ミルでS
dfは0.05mm、後段で0.025mm 程度である。然る
時許容される補強ロール中心のずれeは前段で±1mm,
後段で±0.5mm となるが少ない程望ましいことは云う
までもない。
【0103】なお、現在ホットストリップミルにおいて
はスケジュールフリー圧延が重要な要素となっており、
作業ロール7の摩耗分散のための作業ロールの軸方向シ
フトが大きな役割を果しておりクラウン制御能力と、こ
の摩耗分散の機能を併せ持つことが必要である。本実施
例は前述のように作業ロール7にかかる軸方向力を小さ
く出来るため作業ロールのシフト機構がシンプルに出来
る大きなメリットがある。
【0104】次にスラスト力によるジャッキに加わる力
の偏差について説明する。
【0105】図17で圧延材からスラスト力F1 が加わ
り、ロール間でスラスト力F2 が作用すると、左右のジ
ャッキには荷重差ΔQが生ずる。図17よりΔQを求め
ると
【0106】
【数5】
【0107】例えばL=3000mm,DW=700mm,
B=1500mm、F1=F2=0.05×P、即ち5%の
スラスト力とすると
【0108】
【数6】 ΔQ=0.024P …(数6) 即ち、圧延荷重の2.4%になる。スラスト力が10%
になれば、ΔQは4.8%にも達することになる。
【0109】従って、スラスト力F1,F2、特にロール
間のスラスト力F2 を小さくすることは効果がある。
【0110】圧下力に差があると、蛇行修正は通常荷重
差を検出して、それを零にすべく、圧下を調整している
為に、これに悪い影響を及ぼすことになる。スラスト力
から、あらかじめ、この荷重差ΔQを記憶して、上記の
蛇行修正を行うことは出来るが、このスラスト力の変動
は、この蛇行修正の外乱となる為上記スラスト力は極力
小さくすることが望ましい。
【0111】次に上述した実施例である作業ロールクロ
ス式の4段圧延機における操作内容につき説明する。
【0112】図1及び図2において、圧延材9を圧延す
る作業ロール7の軸心は上下で互いに反対方向にθだけ
クロスし得るように油圧ジャッキ10,11で両側から
押圧されながら、通常の圧延中はその位置が保持され
る。作業ロール7のクロス角の設定方法について説明す
ると、片側の油圧ジャッキ10にはロッド12を介し
て、センサ13によりジャッキのストローク即ち作業ロ
ール7のチョック16の位置が検出される様に構成され
ている。他方の油圧ジャッキ11は減圧弁15を経て必
要な押付力で作業ロール7のチョック16を押圧してい
る。切換弁14を開閉して、チョックの位置を適切なク
ロス角に設定すると、この切換弁14を閉め切りとし
て、クロス位置を保持することができる。
【0113】一方、作業ロール7を保持する補強ロール
8は、通常の圧延中は、そのロールチョック17が押し
板18を経て油圧ジャッキ19により、スタンド20の
反対側のウィンドウ面20aに押圧され、ガタのない状
態に保持される。作業ロール7のシフト装置につき説明
すると、作業ロール7のチョック16は移動ブロック2
1に保持され、その移動ブロック21と同時にその中に
内蔵された油圧シリンダ22により、固定フレーム23
に案内され作業ロール7の軸方向にシフトされる。ここ
で作業ロール7はクロスの為にチョック16の位置が圧
延方向に寄り、その結果、移動ブロック21もそれに対
応して回転する必要がある。その為、固定フレーム23
の案内部は円筒座となっており、ロールクロスの動作に
追従可能となっている。
【0114】作業ロール7のロールクロスにより、ロー
ル間に生ずる相対スベリ速度ΔVB(図9)により、補
強ロール8に摩耗が生ずるが、これを補償する為に図3
に示す如くロールグラインダ6を設けてある。このロー
ルグラインダ6は、駆動モータ24と共に補強ロール8
の軸方向にロール表面を研磨しながらストロークし、ロ
ール表面をストレートあるいは適当なカーブに研磨す
る。ロール表面の潤滑状況について図5により説明す
る。作業ロールは冷却の為にクーラントがロール冷却ノ
ズル2,3によりかけられている。本発明の主眼である
ロール間のスラスト力を減少させる為に、適度な油分を
含んだ潤滑油が、潤滑剤供給ノズル1から、作業ロール
7と補強ロール8とのロール間の入口近傍に供給され
る。この潤滑油は、タンク26よりポンプ27により圧
送され、切換弁28を経て、潤成剤供給ノズル1に供給
されている。従って、この切換弁28を開閉することに
より、圧延材の尻抜け,通板時の適当な時期に潤滑油の
供給を止めることができる。特に補強ロール8上の油分
を切る為に、出側にブラシローラ5を設けてある。この
ブラシローラ5は、駆動モータ29により駆動されてお
り、補強ロール8の組替時等の必要な時点で補強ロール
8が離される構造となっている。
【0115】尚、潤滑剤供給ノズル1からの潤滑油の供
給個所は図5に示す位置が最も望ましいが、他の位置、
例えば補強ロール8の円周上に供給されて、最終的にロ
ール間に潤滑油が供給されても同じ効果が得られる。
【0116】上述の説明から明らかなように、上記実施
例に係わる作業ロールクロス式4段圧延機は、作業ロー
ル単独のクロスにより生じる問題点を克服し、実用化を
達成できるわけである。
【0117】尚、本実施例の説明は、必要な機能を満た
す為の機構,構造について述べてあるが、他の類似の機
構で、本発明の狙う目的を達成できることは明らかであ
ろう。例えば、作業ロール7のクロスを油圧ジャッキで
行っているが、ウォームジャッキあるいはウェッジ機構
等でも行いうることは容易に理解されよう。
【0118】ところで上述した作業ロールクロス式4段
圧延機を既設の4段圧延機の改造によって実現する場合
も、圧延機のスタンド新製を伴なうことなく比較的簡単
に改造出来る。つまり、既設の圧延機のスタンド20を
再利用するものであり、一対の作業ロール7と、これら
作業ロール7を夫々支持する一対の補強ロール8とをス
タンド20に備えた4段圧延機の改造方法においては、
前記作業ロール7のロールチョック16に面したスタン
ド20の位置に圧延材9の進行方向に駆動操作可能な液
圧装置である油圧ジャッキ10,11を設けて、前記各
作業ロール7の軸線が前記各補強ロール8の軸線に対し
て交差すると共に、前記各作業ロール7がそのロール軸
線を相互に交差するように、水平面内で前記各補強ロー
ル8に対してロール軸線が傾斜し得るように改造し、更
にスタンド20の作業ロール7のロール軸方向に駆動操
作可能な液圧装置である油圧シリンダ22を設けて、前
記各作業ロール7のロールチョック16に係合して前記
各作業ロール7をロール軸方向に移動し得るように改造
し、前記各作業ロール7と前記各補強ロール8との間に
潤滑剤を供給する潤滑剤供給装置1を設けるように改造
した、圧延機の改造方法である。
【0119】この様に改造することにより、よって既存
の圧延機のスタンド20を利用して作業ロール7のみが
クロスする構成の圧延機を実現することが可能となる。
また、作業ロール7は圧延作業中にロール軸方向に移動
出来るので、スケジュールフリー圧延が可能となる。し
かも、潤滑剤供給装置から作業ロール7と補強ロール8
との間に供給された潤滑剤の作用によって作業ロール7
に働くスラスト力は作業ロール7がクロスしても実用上
問題のない程度に低減可能にできるので、よって圧延材
9の板クラウン制御能力も十分発揮できる、作業ロール
がクロスする圧延機への改造を容易に行うことが可能と
なるものである。
【0120】次に上述した作業ロールクロス式の4段圧
延機を熱間圧延設備に適用した実施例を図18を用いて
説明する。
【0121】図18において、熱間圧延設備の粗圧延機
61と仕上圧延機62との間に圧延材9を順次接合する
接合装置63を備え、粗圧延機61で圧延された圧延材
を接合装置63で接合した後に仕上圧延機62で連続し
て圧延する熱間圧延設備について、前記仕上圧延機62
の少なくとも1つの圧延機として、一対の作業ロール7
と、これら作業ロール7を夫々支持する一対の補強ロー
ル8とを備え、前記補強ロール8は、そのロール軸線が
水平面内で傾斜しないように構成され、前記各作業ロー
ル7の軸線が該補強ロール8の軸線に対して交差すると
共に、各作業ロール7がそのロール軸線を相互に交差す
るように、水平面内で該補強ロール8に対してロール軸
線が傾斜し得るように構成され、しかも前記各作業ロー
ル7は、そのロール軸方向に移動可能に構成され、更に
前記各作業ロール7と補強ロール8との間に潤滑剤を供
給する潤滑剤供給装置が設けられた圧延機を備えた構成
になっている。
【0122】従って、上記した構成を備えることによっ
て作業ロール7のみがクロスする構成の圧延機を実現す
ることが可能となる。
【0123】しかも前記各作業ロール7は、そのロール
軸方向に移動可能であることから、この作業ロール7は
圧延作業中にロール軸方向に移動出来、よってスケジュ
ールフリー圧延が可能となる。
【0124】その上、前記作業ロール7と補強ロール8
との間に潤滑剤を供給する潤滑剤供給装置1が設けられ
ていることから、この作業ロール7と補強ロール8との
間に供給された潤滑剤の作用によって作業ロール7に働
くスラスト力は作業ロールがクロスしても実現上問題の
ない程度に低減可能にでき、よって圧延材9の板クラウ
ン制御能力も十分発揮できる、作業ロールがクロスする
圧延機が実現する。
【0125】従って、この作業ロールがクロスする圧延
機を、粗圧延機で圧延された圧延材を仕上圧延機で連続
して圧延する熱間圧延設備の仕上圧延機として用いるこ
とが初めて実現し得るものとなる。
【0126】上述した実施例の圧延機によれば、従来の
ペアクロス式4段ミルに比し、極めて単純な構造でより
以上の板クラウン制御効果が得られる他、数々の利点を
有する。まずクロス方式の最大問題たる作業ロールにか
かるスラスト力を大幅に低減させスラスト軸受を簡素化
出来、作業ロールの小径化も可能とし、又、作業ロール
シフトの併用も容易となる。連続圧延になると圧延中作
業ロールシフトを行う必要がありこの点は重要である。
次にペアクロス方式では圧延中のクロス角変更は圧下装
置と補強ロールの軸受間の相対上りを必要とし更に複雑
な構造を余儀なくされるのに対し、本実施例では廻転ロ
ール同志のクロス角変更のため容易に、且つ、迅速に行
い得、連続圧延に好適である。又、ロール間の滑りによ
るロール摩耗が懸念されるが適切な潤滑油の採用により
大幅に低減出来、且つ、適用の容易な補強ロール用オン
ライングラインダを採用すればその問題は改善される上
に、ロールの疲労層も除去することが出来、大作業を伴
なう補強ロール交換ピッチを大幅に延長することも可能
となる。
【0127】
【発明の効果】以上説明したように、第1番目の発明に
よれば、圧延材の板クラウン制御能力に優れ、作業ロー
ルに作用するスラスト力を簡単な構成で低減可能にし、
適切に作業ロールクロス角設定が可能な作業ロールがク
ロスする圧延機が実現出来る。第2番目の発明によれ
ば、圧延材の板クラウン制御能力に優れ、作業ロールに
作用するスラスト力を簡単な構成で低減すると共に、ス
ケジュールフリー圧延を可能にし、適切に作業ロールク
ロス角設定が可能な作業ロールがクロスする圧延機が実
現出来る。
【0128】第3番目の発明によれば、圧延材の板クラ
ウン制御能力に優れ、作業ロールに作用するスラスト力
を簡単な構成で低減可能にし、更に、作業ロールと補強
ロール間の過大なスラストの発生を防止でき、適切に作
業ロールクロス角設定が可能な作業ロールがクロスする
圧延機が実現出来る。
【0129】第4番目の発明によれば、圧延材の板クラ
ウン制御能力に優れ、作業ロールに作用するスラスト力
を簡単な構成で低減すると共に、スケジュールフリー圧
延を可能にし、更に、作業ロールと補強ロール間の過大
なスラストの発生を防止でき、適切に作業ロールクロス
角設定が可能な作業ロールがクロスする圧延機が実現出
来る。
【0130】第5番目の発明によれば、圧延材の板クラ
ウン制御能力に優れ、作業ロールに作用するスラスト力
を簡単な構成で低減すると共に、スケジュールフリー圧
延を可能にし、適切に作業ロールクロス角設定が可能な
作業ロールがクロスする圧延機を備えた熱間圧延設備が
実現出来る。
【0131】第6番目の発明によれば、圧延材の板クラ
ウン制御能力に優れ、作業ロールに作用するスラスト力
を簡単な構成で低減可能にし、適切に作業ロールクロス
角設定が可能な作業ロールがクロスする圧延機の圧延方
法が実現出来る。
【0132】第7番目の発明によれば、圧延材の板クラ
ウン制御能力に優れ、作業ロールに作用するスラスト力
を簡単な構成で低減すると共にスケジュールフリー圧延
を可能にし、適切に作業ロールクロス角設定が可能な作
業ロールがクロスする圧延機の圧延方法が実現できる。
【0133】第8番目の発明によれば、圧延材の板クラ
ウン制御能力に優れ、作業ロールに作用するスラスト力
を簡単な構成で低減可能にし、更に、圧延中にクラウン
変更を行い得ることを可能にし、適切に作業ロールクロ
ス角設定が可能な作業ロールがクロスする圧延機の圧延
方法が実現できる。
【0134】第9番目の発明の目的は、圧延材の板クラ
ウン制御能力に優れ、作業ロールに作用するスラスト力
を簡単な構成で低減すると共にスケジュールフリー圧延
を可能にし、更に、圧延中にクラウン変更を行い得るこ
とを可能にし、適切に作業ロールクロス角設定が可能な
作業ロールがクロスする圧延機の圧延方法が実現でき
る。
【0135】第10番目の発明によれば、圧延材の板ク
ラウン制御能力に優れ、作業ロールに作用するスラスト
力を簡単な構成で低減可能にし、適切に作業ロールクロ
ス角設定が可能な作業ロールがクロスする圧延機の改造
方法が実現出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す作業ロールクロス4段
圧延機をロール軸方向から見た全体構造図である。
【図2】図1に表した作業ロールクロス4段圧延機にお
ける作業ロールの軸方向移動装置を示す構造図である。
【図3】圧延中にクロス角を変化した場合に板クラウン
が変化する実験結果を示す特性図である。
【図4】図1に表した作業ロールクロス4段圧延機に備
えた補強ロールのロールグラインダを示す構造図であ
る。
【図5】図1に表した作業ロールクロス4段圧延機にお
けるロール潤滑油及びクーラントの供給状況を示す説明
図である。
【図6】作業ロールクロス4段圧延機における作業ロー
ルのクロス角と、作業ロールと補強ロール間のスラスト
係数、並びに作業ロールと圧延材間のスラスト係数との
関係を夫々示す特性図である。
【図7】本発明の一実施例である作業ロールクロス4段
圧延機のロール間にロール潤滑油を供給した状態下にお
ける作業ロールのクロス角と、作業ロールと補強ロール
間のスラスト係数、並びに作業ロールと圧延材間のスラ
スト係数との関係を夫々示す特性図である。
【図8】作業ロールクロス4段圧延機で作業ロールをク
ロスすることにより発生するスラスト力の方向を示す説
明図であり、ロールを垂直方向上方から見た状態の概略
図である。
【図9】作業ロールクロス4段圧延機で作業ロールをク
ロスすることにより発生するスラスト力の方向を示す説
明図であり、ロールを軸方向から見た状態の概略図であ
る。
【図10】本発明の一実施例である作業ロールクロス4
段圧延機のロール間に供給される各種のロール潤滑油に
対する作業ロールのクロス角と、補強ロールに生じるロ
ール摩耗量との関係を夫々示す特性図である。
【図11】潤滑油の温度による潤滑性(=摩擦係数)の
実験結果を示す図である。
【図12】図11の実験結果を説明する説明図であり、
ロールを軸方向から見た状態の概略図である。
【図13】作業ロール及び補強ロールにロール潤滑油及
びクーラントの供給状況を示す概略図である。
【図14】潤滑油の供給を止めた後でも潤滑性が保持さ
れることを示す実験結果を示す説明の図である。
【図15】作業ロールクロス4段圧延機で作業ロールを
クロスすることにより生じる補強ロールの軸心のずれの
影響を示す説明図であり、ロール軸心を垂直方向上方か
ら見た状態の概略図である。
【図16】作業ロールクロス4段圧延機で作業ロールを
クロスすることにより生じる補強ロールの軸心のずれの
影響を示す説明図であり、ロールを軸方向から見た状態
の概略図である。
【図17】作業ロールクロス4段圧延機で作業ロールの
クロスにより発生したスラスト力にづ基いて圧延機の操
作側と駆動側の油圧ジャッキに加わる力の差異を示す概
略説明図である。
【図18】本発明の一実施例を示す作業ロールクロス4
段圧延機を仕上圧延機に採用した熱間圧延設備の全体概
略構成図である。
【従来の技術】
1…潤滑剤供給ノズル、2,3…ロール冷却ノズル、6
…ロールグラインダ、7…作業ロール、8…補強ロー
ル、9…圧延材、10,11,19…油圧ジャッキ、1
2…ロッド、13…センサ、14,28…切換弁、15
…減圧弁、16…作業ロールチョック、17…補強ロー
ルチョック、18…押し板、20…スタンド、20a…
ウィンドウ面、21…移動ブロック、22…油圧シリン
ダ、23…固定フレーム、24,29…駆動モータ、2
6…タンク、27…ポンプ、30…プロジェクトブロッ
ク、31…パイロットチェックバルブ、32…スクレー
パ、40…作業ロールクロス角制御器、50…潤滑剤制
御器、61…粗圧延機、62…仕上圧延機、63…接合
装置。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B21B 31/16 B21B 31/16 37/00 BBL 45/02 310 37/28 37/00 BBL 37/42 116J 45/02 310 116T 117C (72)発明者 坂中 孝雄 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式 会社 日立製作所 日立工場内 (72)発明者 芳村 泰嗣 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式 会社 日立製作所 日立工場内 (72)発明者 安田 健一 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社 日立製作所 機械研究所内 (72)発明者 加賀 慎一 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式 会社 日立製作所 日立工場内 (56)参考文献 特開 昭61−279305(JP,A) 特開 昭59−87909(JP,A) 特開 昭63−5811(JP,A) 特開 昭64−15207(JP,A) 特開 平3−35803(JP,A) 特開 昭46−1353(JP,A) 特公 昭52−17515(JP,B2) 特公 昭62−22683(JP,B2) 特公 昭64−4842(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21B 13/14 B21B 1/22 B21B 27/10 B21B 31/16 B21B 37/00 BBL B21B 37/28 B21B 37/42 B21B 45/02 310

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一対の作業ロールと、これら作業ロールを
    夫々支持する一対の補強ロールとを圧延スタンドに備え
    た圧延機において、 前記補強ロールは、そのロール軸線が水平面内で傾斜し
    ないように構成され、 前記作業ロールは、そのロール軸線が該補強ロールの軸
    線に対して交差すると共に、前記作業ロールがそのロー
    ル軸線を相互に交差するように、水平面内で前記補強ロ
    ールに対してそのロール軸線が傾斜し得るように構成さ
    れ、 前記作業ロールを回転可能に支持する作業ロールチョッ
    クを圧延材長手方向に押圧することが可能な手段と、 前記作業ロールと補強ロールとの間に潤滑剤を供給する
    潤滑剤供給装置が設けられたことを特徴とする圧延機。
  2. 【請求項2】一対の作業ロールと、これら作業ロールを
    夫々支持する一対の補強ロールとを圧延スタンドに備え
    た圧延機において、 前記補強ロールは、そのロール軸線が水平面内で傾斜し
    ないように構成され、 前記作業ロールは、そのロール軸線が該補強ロールの軸
    線に対して交差すると共に、前記作業ロールがそのロー
    ル軸線を相互に交差するように、水平面内で前記補強ロ
    ールに対してロール軸線が傾斜し得るように構成され、 前記作業ロールを回転可能に支持する作業ロールチョッ
    クを圧延材長手方向に押圧することが可能な手段と、 更に前記作業ロールは、そのロール軸方向に移動可能に
    構成され、 前記作業ロールと補強ロールとの間に潤滑剤を供給する
    潤滑剤供給装置が設けられたことを特徴とする圧延機。
  3. 【請求項3】一対の作業ロールと、これら作業ロールを
    夫々支持する一対の補強ロールとを圧延スタンドに備え
    た圧延機において、 前記補強ロールは、そのロール軸線が水平面内で傾斜し
    ないように構成され、 前記作業ロールは、そのロール軸線が該補強ロールの軸
    線に対して交差すると共に、前記作業ロールがそのロー
    ル軸線を相互に交差するように、水平面内で前記補強ロ
    ールに対してそのロール軸線が傾斜し得るように構成さ
    れ、 前記作業ロールを回転可能に支持する作業ロールチョッ
    クを圧延材長手方向に押圧することが可能な手段と、 前記作業ロールと補強ロールとの間に潤滑剤を供給する
    潤滑剤供給装置が設けられ、 前記作業ロールに近接する位置に該作業ロールの冷却水
    が前記補強ロールに侵入するのを防止する為の部材が設
    けられていることを特徴とする圧延機。
  4. 【請求項4】一対の作業ロールと、これら作業ロールを
    夫々支持する一対の補強ロールとを圧延スタンドに備え
    た圧延機において、 前記補強ロールは、そのロール軸線が水平面内で傾斜し
    ないように構成され、 前記作業ロールは、そのロール軸線が該補強ロールの軸
    線に対して交差すると共に、前記作業ロールがそのロー
    ル軸線を相互に交差するように、水平面内で前記補強ロ
    ールに対してロール軸線が傾斜し得るように構成され、 前記作業ロールを回転可能に支持する作業ロールチョッ
    クを圧延材長手方向に押圧することが可能な手段と、 更に前記作業ロールは、そのロール軸方向に移動可能に
    構成され、 前記作業ロールと補強ロールとの間に潤滑剤を供給する
    潤滑剤供給装置が設けられ、 前記作業ロールに近接する位置に該作業ロールの冷却水
    が前記補強ロールに侵入するのを防止する部材が設けら
    れていることを特徴とする圧延機。
  5. 【請求項5】請求項1乃至4のいずれかに記載の圧延機
    において、 前記補強ロールは、圧延スタンドのウィンドウの一方の
    側面に設けた液圧装置から発生する力が押板部材を介し
    て該補強ロールのロールチョックに作用させて該ウィン
    ドウの他方の側面に該ロールチョックが接触状態に押圧
    可能となるように構成されていることを特徴とする圧延
    機。
  6. 【請求項6】請求項1乃至4のいずれかに記載の圧延機
    において、 前記潤滑剤として、鉱物油を基油とする潤滑油を用いる
    ことを特徴とする圧延機。
  7. 【請求項7】請求項1乃至4のいずれかに記載の圧延機
    において、 前記補強ロールの表面を研削する研削装置を前記補強ロ
    ールの軸方向に移動可能に設置したことを特徴とする圧
    延機。
  8. 【請求項8】請求項1乃至4のいずれかに記載の圧延機
    において、 前記作業ロールチョックの位置を設定する第一の押圧手
    段と前記作業ロールチョックに所望の押圧力を加える第
    二の押圧手段とを設けたことを特徴とする圧延機。
  9. 【請求項9】熱間圧延設備の粗圧延機と仕上圧延機との
    間に圧延材を接合する接合装置を備え、粗圧延機で圧延
    された圧延材を仕上圧延機で連続して圧延する熱間圧延
    設備において、 前記仕上圧延機として、一対の作業ロールと、これら作
    業ロールを支持する一対の補強ロールとを備え、前記補
    強ロールは、そのロール軸線が水平面内で傾斜しないよ
    うに構成され、前記作業ロールは、そのロール軸線が前
    記補強ロールの軸線に対して交差すると共に、前記作業
    ロールがそのロール軸線を相互に交差するように、水平
    面内で該補強ロールに対してロール軸線が傾斜し得るよ
    うに構成され、前記作業ロールを回転可能に支持する作
    業ロールチョックを圧延材長手方向に押圧することが可
    能な手段と、しかも前記各作業ロールは、そのロール軸
    方向に移動可能に構成され、更に前記作業ロールと補強
    ロールとの間に潤滑剤を供給する潤滑剤供給装置が設け
    られた圧延機を備えたことを特徴とする熱間圧延設備。
  10. 【請求項10】一対の作業ロールと、これら作業ロール
    を支持する一対の補強ロールとを備えた圧延機の圧延方
    法において、前記補強ロールはそのロール軸線が水平面内で傾斜しな
    いように構成され、 圧延中は前記作業ロールと補強ロー
    ルとの間に潤滑剤を供給させた状態で、前記作業ロール
    のみがその軸線を前記補強ロールの軸線に対して交差す
    ると共に、 前記作業ロールを回転可能に支持する作業ロールチョッ
    クに圧延材長手方向で所望の押圧力を加え、 前記作業ロールがそのロール軸線を相互に交差するよう
    に水平面内で前記補強ロールに対して前記作業ロールの
    軸線の傾斜を制御して、圧延材の板クラウンを制御する
    ことを特徴とする圧延方法。
  11. 【請求項11】一対の作業ロールと、これら作業ロール
    を支持する一対の補強ロールとを備えた圧延機の圧延方
    法において、前記補強ロールはそのロール軸線が水平面内で傾斜しな
    いように構成され、 圧延中は前記作業ロールと補強ロー
    ルとの間に潤滑剤を供給させた状態で、前記作業ロール
    のみがその軸線を前記補強ロールの軸線に対して交差す
    ると共に、前記作業ロールを回転可能に支持する作業ロ
    ールチョックに圧延材長手方向で所望の押圧力を加え、 前記作業ロールがそのロール軸線を相互に交差するよう
    に水平面内で前記補強ロールに対して前記作業ロールの
    軸線の傾斜量を制御すると共に、前記作業ロールのロー
    ル軸方向の移動量を制御して、圧延材の板クラウンを調
    節することを特徴とする圧延方法。
  12. 【請求項12】一対の作業ロールと、これら作業ロール
    を支持する一対の補強ロールとを備えた圧延機の圧延方
    法において、前記補強ロールはそのロール軸線が水平面内で傾斜しな
    いように構成され、 圧延中に前記作業ロールと補強ロー
    ルとの間に潤滑剤を供給させた状態で、前記作業ロール
    のみがその軸線を前記補強ロールの軸線に対して交差す
    ると共に、 前記作業ロールを回転可能に支持する作業ロールチョッ
    クに圧延材長手方向で所望の押圧力を加え、 前記作業ロールがそのロール軸線を相互に交差するよう
    に水平面内で前記補強ロールに対して前記作業ロールの
    軸線の傾斜を制御し、 更に、圧延中に前記作業ロールの交差角を変更して圧延
    材の板クラウンを制御することを特徴とする圧延方法。
  13. 【請求項13】一対の作業ロールと、これら作業ロール
    を支持する一対の補強ロールとを備えた圧延機の圧延方
    法において、前記補強ロールはそのロール軸線が水平面内で傾斜しな
    いように構成され、 圧延中は前記作業ロールと補強ロー
    ルとの間に潤滑剤を供給させた状態で、前記作業ロール
    のみがその軸線を前記補強ロールの軸線に対して交差す
    ると共に、 前記作業ロールを回転可能に支持する作業ロールチョッ
    クに圧延材長手方向で所望の押圧力を加え、 前記作業ロールがそのロール軸線を相互に交差するよう
    に水平面内で前記補強ロールに対して前記作業ロールの
    軸線の傾斜量を制御すると共に、前記作業ロールのロー
    ル軸方向の移動量を制御し、 更に、圧延中に前記作業ロールの交差角を変更して圧延
    材の板クラウンを調節することを特徴とする圧延方法。
  14. 【請求項14】請求項9乃至13のいずれかに記載の圧
    延方法において、 前記圧延材の尻抜け時は前記潤滑剤の供給を停止するよ
    うにしたことを特徴とする圧延方法。
  15. 【請求項15】一対の作業ロールと、これら作業ロール
    を支持する一対の補強ロールとを圧延スタンドに備えた
    圧延機を改造する圧延機の改造方法において、前記補強ロールは、そのロール軸線が水平面内で傾斜し
    ないように構成され、 前記作業ロールのロールチョック
    に面した圧延スタンドの位置に圧延材の進行方向に駆動
    操作可能な液圧装置を設けて、前記作業ロールの軸線が
    前記補強ロールの軸線に対して交差すると共に、前記作
    業ロールがそのロール軸線を相互に交差するように、水
    平面内で前記補強ロールに対してロール軸線が傾斜し得
    るように改造し、 前記作業ロールを回転可能に支持する作業ロールチョッ
    クを圧延材長手方向に押圧することが可能な手段と、 更に圧延スタンドに該作業ロールのロール軸方向に駆動
    操作可能な液圧装置を設けて、前記作業ロールのロール
    チョックに係合して前記作業ロールをロール軸方向に移
    動し得るように改造し、 前記作業ロールと補強ロールとの間に潤滑剤を供給する
    潤滑剤供給装置を設けるように改造したことを特徴とす
    る圧延機の改造方法。
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