JP3096256B2

JP3096256B2 - プリンタ

Info

Publication number: JP3096256B2
Application number: JP16375797A
Authority: JP
Inventors: 浩藤倉
Original assignee: 株式会社アイメス
Priority date: 1997-06-20
Filing date: 1997-06-20
Publication date: 2000-10-10
Anticipated expiration: 2017-06-20
Also published as: JPH1110981A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、改良されたキャリ
ア駆動装置を有するプリンタに関する。

【０００２】

【従来の技術】図１は、従来のプリンタを後側から見た
構造を示す。プリンタのメイン・フレーム１に２つの支
持フレーム２及び３が取り付けられている。支持アーム
４及び５の後端は、部材７により連結されている。支持
アーム４及び５の後部は、支持フレーム２及び３にそれ
ぞれ枢着されている。支持アーム４及び５の前部に案内
軸８が固定されている。案内軸８にキャリア９が滑動的
に装着されている。案内軸８は、キャリア９を印刷用紙
支持面６の上面と平行に移動させるように支持する。
又、印刷用紙はラインフィードのために矢印１１の方向
に沿って給送される。キャリア９には、プリント・ヘッ
ド１０及びリボン・カートリッジ（図示せず）が設けら
れている。

【０００３】プリント・ヘッド１０の下端を待機位置Ｐ
１及び印刷位置Ｐ２の間で移動させるために支持アーム
４及び５は、図示しない駆動装置により駆動される。キ
ャリア９は、印刷用紙（図示せず）に行印刷を行うため
に、ゴム・ベルト１３により矢印１２の方向に移動され
る。ゴム・ベルト１３の両端はキャリア９に取り付けら
れ、そしてプーリ１４、１５、１６及び１７により支持
されている。モータ１８に取り付けられたプーリにゴム
・ベルト１３が係合されて、キャリア９を矢印１２の方
向に移動する。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】図２（Ａ）及び（Ｂ）
を参照して、図１に示した従来のプリンタにおける問題
点を説明する。図２（Ａ）は、図１のプリンタを矢印１
９の方向から見た部分的構造を示し、そして支持アーム
４及び５並びに案内軸８は示されていない。図２（Ａ）
の実線は、印刷用紙２０から距離Ｈだけ離れた待機位置
Ｐ１にあるプリント・ヘッド１０の先端及びゴム・ベル
ト１３を示す。

【０００５】図２（Ｂ）に示すように、プリント・ヘッ
ド１０の下端の側面にはローラ２２が取り付けられてお
り、そしてこのローラ２２が印刷用紙２０に着地する
と、プリント・ヘッド１０の下端と印刷用紙２０の間に
所定の間隔Ｈ_Sが保たれ、そしてこの間隔Ｈ_Sを横切って
プリント・ワイヤが突出してインク・リボン（図示せ
ず）のインクを印刷用紙２０に転写する。印刷行に亘っ
て一様な印刷品質を実現するために、プリント・ヘッド
１０の移動の間の間隔Ｈ_Sは、設計値に保たれねばなら
ない。

【０００６】矢印２１Ａの方向に、プリント・ヘッド１
０の下端が待機位置Ｐ１から印刷位置Ｐ２に降下される
ときに次のような問題点が生じる。プリント・ヘッド１
０は印刷用紙２０の印刷行の左端の印刷開始位置の上方
の待機位置Ｐ１から降下される。プーリ１４の軸がメイ
ン・フレーム１に固定されているために即ち、プーリ１
４が上下動できないために、印刷位置Ｐ２への降下の
間、キャリア９に取り付けられているゴム・ベルト１３
は、点線で示すように下方に引かれる。点線で示す下方
に引かれたゴム・ベルト１３は、キャリア９及びプリン
ト・ヘッド１０を矢印２１Ｂの方向に引き上げる力を生
じる。この力はキャリアがプーリ１４に最も近づいたと
きに最大となる。従って、印刷行の左端又は右端の印刷
開始位置では、間隔Ｈ_Sが設計値よりも大きくなり、印
刷が行われなくなり、又は印刷文字の濃度が低くなり、
印刷行に亘って均一は印刷品質を得ることが困難である
という問題点を生じた。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明に従うプリンタ
は、プリント・ヘッドを支持するキャリア、フレームの
印刷用紙載置面上に置かれた印刷用紙の上面と平行に設
けられ、キャリアを滑動的に支持する案内軸、この案内
軸の一端及び他端をそれぞれ支持するアームを含みプリ
ント・ヘッドの先端を印刷用紙に印刷を行う印刷位置及
びこの印刷位置の上方の待機位置の間で移動するように
案内軸を移動する案内軸移動手段、並びにキャリアを案
内軸上で移動するキャリア駆動装置を有し、プリント・
ヘッドには、このプリント・ヘッドが印刷用紙上に着地
したときにプリント・ヘッドの先端と印刷用紙との間に
所定の間隔を維持するローラが装着されており、印刷動
作の間ローラが印刷用紙上を転がり、そしてキャリア駆
動装置は、印刷用紙載置面を挟んだ両側でフレームに固
定された第１プーリ支持軸及び第２プーリ支持軸と、第
１プーリ支持軸上に、この第１プーリ支持軸の軸方向に
滑動可能に装着された第１プーリ及び第２プーリ支持軸
上に、この第２プーリ支持軸の軸方向に滑動可能に装着
された第２プーリと、第１プーリ及び第２プーリから離
れた位置でフレームに装着された溝付きの円筒形部材及
び該円筒形部材を回転させる駆動源とを有し、第１プー
リ、円筒形部材の溝及び第２プーリを通って細紐が掛け
られており、該細紐が第１プーリ及び第２プーリの間で
キャリアに結合されていることを特徴とする。

【０００８】そして、円筒形部材の外周には上端から下
端に至るねじ溝が設けられており、細ひもは、これの一
端が上端に固定されてねじ溝内に巻き付けられた後に上
端と下端の間から取り出され、そして第１プーリに巻か
れた後に上記キャリアに固定され、そして第２プーリに
巻かれた後に円筒形部材の上端と下端の間から下端に向
かうねじ溝に巻き付けられてから他端が円筒形部材の下
端に固定されていることを特徴とする。

【０００９】そして、キャリアは、印刷用紙載置面に垂
直な支持壁を有し、この支持壁の表側にプリント・ヘッ
ドが装着され、支持壁の裏側にこの支持壁から垂直に延
びる棒状部材が設けられ、細紐は巻き結びにより棒状部
材に結合されていることを特徴とする。

【００１０】そして、第１プーリ支持軸及び上記第２プ
ーリ支持軸は、印刷用紙載置面と垂直な方向に延びるよ
うにフレームに固定されていることを特徴とする。

【００１１】そして、案内軸はフレームの前側で印刷用
紙の上面と平行に設けられ、アームは、案内軸の一端を
支持する前部を有する第１アーム及び案内軸の他端を支
持する前部を有する第２アームを含み、第１アームの後
部及び第２アームの後部は、フレームの後側の位置でフ
レームに枢着されており、第１プーリ支持軸及び第２プ
ーリ支持軸はフレームの前側の位置でフレームに固定さ
れており、そして円筒形部材は、フレームの後側の位置
でフレームに装着されていることを特徴とする。

【００１２】そして、印刷用紙載置面を挟んだ両側のう
ち第２プーリと同じ側で且つフレームの後側の位置でフ
レームに印刷用紙載置面と垂直になるように固定された
第３プーリ支持軸及びこの第３プーリ支持軸に装着され
た第３プーリと、印刷用紙載置面を挟んだ両側のうち第
１プーリと同じ側で且つフレームの後側の位置でフレー
ムに装着された第４プーリ支持軸及びこの第４プーリ支
持軸に該支持軸に沿って滑動できるように装着された第
４プーリとを有し、第３プーリ支持軸及び第４プーリ支
持軸の一方は、軸方向を印刷用紙載置面と垂直な方向に
保ちながら、第１位置及び第２位置の間で移動可能であ
り、円筒形部材から取り出された細紐が第４プーリに巻
かれた後に第１プーリに巻かれ、そして第２プーリから
の細紐が第３プーリに巻かれた後に円筒形部材の中央部
からねじ溝に巻かれていることを特徴とする。

【００１３】そして、第３プーリ支持軸及び第４プーリ
支持軸の一方の支持軸が第１位置にあるとき細紐に張力
が与えられ、第２位置にあるときに細紐が緩められるこ
とを特徴とする。

【００１４】そして、第３プーリ支持軸及び第４プーリ
支持軸の一方のプーリ支持軸の下端は、アームが延びる
方向に沿ってフレームに設けられたスロットにねじ止め
されていることを特徴とする。

【００１５】一端がフレームに枢着され、他端がアーム
が延びる方向に沿って枢動可能な枢動部材を有し、第３
プーリ支持軸及び第４プーリ支持軸の一方のプーリ支持
軸の下端が枢動アームの他端に固定されていることを特
徴とする。

【００１６】

【発明の実施の形態】図３は本発明に従うプリンタを示
す。メイン・フレーム３１の表面に、点線６０及び６１
により規定された印刷用紙載置面３６が設けられてい
る。印刷用紙（図示せず）は、印刷用紙載置面３６に置
かれる。メイン・フレームの前側に、印刷用紙載置面３
６と平行に案内軸３８が装着されている。印刷用紙は、
プリント・ヘッド４０により、案内軸３８と平行な印刷
方向に沿って印刷される。矢印４１Ａの方向に沿った印
刷用紙のラインフィードを行うために、又は矢印４１Ｂ
の方向に沿った印刷用紙の取り出しを行うために用紙給
送手段が設けられているが、図の簡略化のために示され
ていない。

【００１７】案内軸３８の一端は第１支持アーム３４の
前部に固定され、そして案内軸３８の他端は第２支持ア
ーム３５の前部に固定されている。第１支持アーム３４
の後部及び第２支持アーム３５の後部は、連結部材３７
により連結されている。第１支持アーム３４及び第２支
持アーム３５の後部にある枢着点３４Ａ及び３５Ａは、
メイン・フレーム３１の後側に固定された支持フレーム
３２及び３３にそれぞれ枢着されている。案内軸３８に
キャリア３９が滑動的に装着されている。案内軸３８
は、キャリア３９を印刷用紙載置面３６及び印刷用紙
（図示せず）の上面と平行に移動させるように支持す
る。このキャリア３９は、矢印４２Ａ又は４２Ｂで示す
印刷用紙の行方向に移動されて往復印刷を行うために、
案内軸３８の上で本発明に従うキャリア駆動装置により
移動される。

【００１８】キャリア３９は、印刷用紙載置面３６に垂
直な支持壁を有し、そして図５に示すように、この支持
壁の表側にプリント・ヘッド４０が固定され、そして支
持壁の裏側に、この支持壁から垂直に突出する棒状部材
５４が設けられている。更に、キャリア３９の表側には
リボン・カートリッジ（図示せず）が装着されている。
リボンは、リボン・カートリッジ内に収容されてプリン
ト・ヘッド４０と印刷用紙の間を通過する。そして、プ
リント・ヘッド４０が附勢されると、プリント・ワイヤ
がリボンを印刷用紙に押しつけてインクが転写される。

【００１９】連結部材３７には、アーム駆動源５０によ
り矢印５３の方向に往復移動されこれにより、プリント
・ヘッド４０は、印刷位置Ｐ２及びこの位置Ｐ２から距
離Ｈだけ離された待機位置Ｐ１の間で移動される。図２
（Ｂ）に関して説明したように、プリント・ヘッド４０
の先端にはローラが枢着されており（図３には示されて
いない）、これによりプリント・ヘッド４０が案内軸３
８上で移動されるにつれて印刷用紙の上を回転しながら
移動する。案内軸３８、支持アーム３４及び３５、連結
部材３７、並びにアーム駆動源５０は、案内軸３８従っ
て及びプリント・ヘッド４０の先端を印刷用紙の上面に
垂直な方向に往復移動させる案内軸移動手段を構成す
る。

【００２０】本発明に従うキャリア駆動装置は、メイン
・フレーム３１にそれぞれ固定された第１プーリ支持軸
４４Ｂ、第２プーリ支持軸４５Ｂ、第３プーリ支持軸４
６Ｂ及び第４プーリ支持軸４７Ｂと、第１プーリ支持軸
４４Ｂ上に滑動的に装着された第１プーリ４４Ａ、第２
プーリ支持軸４５Ｂ上に滑動的に装着された第２プーリ
４５Ａ、第３プーリ支持軸４６Ｂ上に滑動的に装着され
た第３プーリ４６Ａ、及び第４プーリ支持軸４７Ｂ上に
滑動的に装着された第４プーリ４７Ａと、キャリア３９
の支持壁に装着された棒状部材５４と、周囲にねじ溝５
５（図４（Ａ））が設けられているウインチ即ち円筒形
部材４８と、第１プーリ４４Ａ乃至第４プーリ４７Ａ、
棒状部材５４及び円筒形部材４８の周りに巻き付けられ
ている細紐４３と、円筒形部材４８を駆動するモータ等
の駆動源４９とを有する。

【００２１】第１プーリ支持軸４４Ｂ及び第２プーリ支
持軸４５Ｂは、メイン・フレーム３１の表面のうち、こ
のメイン・フレーム３１の前側でそして印刷用紙載置面
３６を挟んだ両側の位置でそれぞれメイン・フレーム３
１に固定されている。第３プーリ支持軸４６Ｂ及び第４
プーリ支持軸４７Ｂは、メイン・フレーム３１の表面の
うち、このメイン・フレーム３１の後側でそして印刷用
紙載置面３６を挟んだ両側の位置でそれぞれメイン・フ
レーム３１に固定されている。円筒形部材４８は、メイ
ン・フレーム３１の後側の位置で、メイン・フレーム３
１に装着されている。円筒形部材４８及び駆動源４９
は、印刷用紙載置面３６上を給送される印刷用紙を妨げ
ないように、メイン・フレーム３１に固定されている。

【００２２】第１プーリ支持軸４４Ｂ、第２プーリ支持
軸４５Ｂ、第３プーリ支持軸４６Ｂ及び第４プーリ支持
軸４７Ｂは、印刷用紙載置面３６に垂直な方向に沿っ
て、メイン・フレーム３１に固定されている。従って、
第１プーリ４４Ａ、第２プーリ４５Ａ、第３プーリ４６
Ａ、及び第４プーリ４７Ａは、印刷用紙載置面３６と平
行な面内で回転できる。

【００２３】図３及び図４（Ａ）に示すように、円筒形
部材４８の円周にはこれの上端から下端に至るねじ溝５
５が設けられており、円筒形部材４８のうちねじ溝５５
の上端には切り欠き部４８Ａが設けられており、そして
ねじ溝５５の下端には切り欠き部４８Ｂが設けられてい
る。図４（Ｂ）は、円筒形部材４８の周囲に巻かれる細
紐４３の巻き方を示す。図４（Ｂ）に示すように、細紐
４３の一端４３Ａには、切り欠き部４８Ａの幅よりも大
きな止め部材５６が設けられ、そして細紐４３の他端４
３Ｂには、切り欠き部４８Ｂの幅よりも大きな止め部材
５７が設けられている。

【００２４】細紐４３は、これの一端４３Ａが円筒形部
材４８の上端の切り欠き部４８Ａに固定されてねじ溝５
５内に巻き付けられた後に、上端４８Ａと下端４８Ｂの
間の中央部から取り出され、そして第４プーリ４７Ａに
巻かれた後に、第１プーリ４４Ａに巻かれ、そしてキャ
リア３９の棒状部材５４に固定される。更に細紐４３
は、第２プーリ４５Ａに巻かれた後に、第３プーリ４６
Ａに巻かれ、そして円筒形部材４８の中央部のねじ溝５
５に巻かれてから、他端４３Ｂが円筒形部材４８の下端
の切り欠き部４８Ｂに固定される。

【００２５】更に詳細に説明すると、細紐４３の一端４
３Ａは、円筒形部材４８の上端の切り欠き部４８Ａには
められ、これにより止め部材５６は円筒形部材４８の裏
面に係合し、細紐４３の一端４３Ａが固定される。同様
に、細紐４３の他端４３Ｂは、円筒形部材４８の下端の
切り欠き部４８Ｂにはめられ、これにより止め部材５７
は円筒形部材４８の裏面に係合し、細紐４３に他端４３
Ｂが固定される。このようにして、細紐４３の一端４３
Ａは、円筒形部材４８のねじ溝５５の一端（上端）に固
定され、そして他端４３Ｂは、ねじ溝５５の他端（下
端）に固定される。細紐４３は一端４３Ａが円筒形部材
４８の上端の切り欠き部４８Ａに留められた後にねじ溝
５５内に巻き付けられる。例えば、ねじ溝５５が円筒形
部材４８を８周しているとすると、細紐４３は、一端４
３Ａが上端の切り欠き部４８Ａに留められた後にねじ溝
５５に３周巻かれ、そして図３の第４プーリ４７Ａに向
かって延びる。そして、細紐４３は他端４３Ｂが円筒形
部材４８の下端の切り欠き部４８Ｂに留められた後にね
じ溝５５内に巻き付けられ、そして、ねじ溝５５に３周
巻かれた後に図３の第３プーリ４６Ａに向かって延び
る。

【００２６】このようにして細紐は円筒形部材５５の上
端と下端の間の中央部に向かって巻かれた後に、中央部
から取り出されて第３プーリ４６Ａ及び第４プーリ４７
Ａに巻き付けられる。

【００２７】例えば、キャリア３９及びプリントヘッド
４０を矢印４２Ａの方向に移動するとき、円筒形部材４
８は駆動源４９により矢印５８Ａで示す方向に回転さ
れ、これによりねじ溝５５に巻き付けられている細紐４
３のうち一端４３Ａを含む部分はねじ溝５５から解き放
され、一方他端４３Ｂを含む部分はねじ溝５５に巻き付
けられる。ねじ溝５５から解放される細紐４３の長さ
と、ねじ溝５５に巻き付けられる細紐４３の長さとは等
しい。

【００２８】同様に、キャリア３９及びプリントヘッド
４０を矢印４２Ｂの方向に移動するとき、円筒形部材４
８は駆動源４９により矢印５８Ｂで示す方向に回転さ
れ、これによりねじ溝５５に巻き付けられている細紐４
３のうち一端４３Ａを含む部分はねじ溝５５に巻き付け
られ、一方他端４３Ｂを含む部分はねじ溝５５から解放
される。この場合も、ねじ溝５５から解放される細紐４
３の長さと、ねじ溝５５に巻き付けられる細紐４３の長
さとは等しい。

【００２９】本発明によると、少なくとも第１プーリ４
４Ａと第２プーリ４５Ａとは、それぞれのプーリ支持軸
４４Ｂ及び４５Ｂ上で軸方向に滑動できるようにされて
いる。これにより、キャリア３９及びプリント・ヘッド
４０が図１の待機位置Ｐ１から印刷位置Ｐ２に向けて下
方に移動されるとき、第１プーリ４４Ａはプーリ支持軸
４４Ｂ上で下方に滑動され、そして、第２プーリ４５Ａ
はプーリ支持軸４５Ｂ上で下方に滑動されることがで
き、そして、キャリア３９及びプリント・ヘッド４０が
印刷位置Ｐ２から待機位置Ｐ１に向けて上方に移動され
るとき、第１プーリ４４Ａは第１プーリ支持軸４４Ｂ上
で上方に滑動され、そして、第２プーリ４５Ａは第２プ
ーリ支持軸４５Ｂ上で上方に滑動されることができる。
このようにキャリア３９に取り付けられている細紐４３
並びに第１プーリ４４Ａ及び第２プーリ４５Ａが、キャ
リア３９及びプリント・ヘッド４０の移動に追従して上
下方向に移動されるので、図１及び図２の従来のプリン
タで生じた問題点を解決することができる。第３プーリ
４６Ａを第３プーリ支持軸４６Ｂ上で滑動させ、そして
第４プーリ４７Ａを第４プーリ支持軸４７Ｂ上で滑動さ
せることにより、細紐４３を更に滑らかに移動させるこ
とができる。

【００３０】図５を参照すると、キャリア３９の支持壁
の表側にはプリント・ヘッド４０が装着されており、そ
して裏側には棒状部材５４が設けられている。棒状部材
５４には図５に示すように細紐４３が巻き付けられてい
る。この巻き付け方は、巻き結びと呼ばれる。即ち、細
紐４３のうち第１プーリ４４Ａへ延びる部分及び第２プ
ーリ４５Ａに延びる部分が引っ張られて堅く結ばれる
と、これら第１プーリ４４Ａへ延びる部分及び第２プー
リ４５Ａに延びる部分が細紐４３自身により締め付けら
れ、棒状部材５４に固定される。

【００３１】第４プーリ４７Ａは、プーリ支持軸４７Ｂ
上に滑動的に装着され、そしてこのプーリ支持軸４７Ｂ
はアーム５１の一端に固定されている。そして、アーム
５１の他端は、留めねじ５２によりメイン・フレーム３
１に枢着されている。細紐４３に張力を与えるように、
アーム５１は矢印５９Ａの方向に沿って第１位置に位置
決めされ、留めねじ５１によりメインフレーム３１に固
定される。後述のように、棒状部材５４に巻かれた細紐
４３を緩めるときには、アーム５１は矢印５９Ｂに沿っ
た第２位置に移動される。

【００３２】図３に示すように、印刷用紙の行方向にお
けるプリント・ヘッド４０の最大移動距離をＬとする
と、一端４３Ａからねじ溝５５に巻かれる細紐４３の長
さは距離Ｌ／２より長いことが必要であり、同様に、他
端４３Ｂからねじ溝５５に巻かれる細紐４３の長さは距
離Ｌ／２より長いことが必要である。

【００３３】図３に示す印刷用紙の行方向におけるプリ
ント・ヘッド４０の最大移動距離Ｌの中間点Ｐ_Cにプリ
ント・ヘッド４０が位置決めされているとき、一端４３
Ａから円筒形部材４８のねじ溝５５に巻かれる細紐４３
の長さと、他端４３Ｂからねじ溝５５に巻かれる細紐４
３の長さとをほぼ等しくし、これにより第３プーリ４６
Ａに向かう細紐と第４プーリ４７Ａに向かう細紐とが図
４（Ｂ）に示されているように円筒形部材４８の中央部
から取り出されることが望ましい。これにより、円筒形
部材４８に巻き付けられる細紐４３の長さを最小にする
ことができる。

【００３４】中間点Ｐ_Cにプリント・ヘッド４０が位置
決めされているとき、一端４３Ａから円筒形部材４８の
ねじ溝５５に巻かれる細紐４３の長さと、他端４３Ｂか
らねじ溝５５に巻かれる細紐４３の長さとが異なる場合
には、次のようにして調整を行うことができる。最初
に、第３プーリ４６Ａに向かう細紐と第４プーリ４７Ａ
に向かう細紐とが図４に示されているように円筒形部材
４８の中央部から取り出されるように、円筒形部材４８
を回転する。次に、図３の留めねじ５２を緩めてからア
ーム５１及びプーリ４７Ａを矢印５９Ｂの方向に第２位
置まで移動することにより、細紐４３を緩めてから、図
５の棒状部材５４に巻き付けられている細紐４３を緩め
る。そして細紐４３が矢印４２Ａ又は４２Ｂの方向に移
動しないように押さえてから、プリント・ヘッド４０を
矢印４２Ａ又は４２Ｂの方向に移動させる。このプリン
ト・ヘッド４３の自由移動は、棒状部材５４に巻き付け
られている細紐４３が緩められているために可能とな
る。最後に、プリント・ヘッド４０を位置Ｐ_Cに位置決
めした後に、アーム５１及びプーリ４７Ａを矢印５９Ａ
の方向に第１位置まで移動して細紐４３に遊びが生じな
いように張力を与えてから、留めねじ５２によりアーム
５１をメイン・フレーム３１に固定する。

【００３５】細紐４３がキャリア３９の棒状部材５４に
図５に示すような「巻き結び」により結合されているの
で、細紐４３を緩めると細紐を矢印４２Ａ又は４２Ｂの
方向に移動させることなく、プリント・ヘッド４０を移
動させることができる。従って、出荷時又は出荷後のプ
リント・ヘッド４０の位置調整が容易に行われることが
できる。

【００３６】アーム５１を使用する代わりに、第４支持
軸４７Ｂを第１位置及び第２位置の間で移動するため
に、図６に示した構造を使用することができる。メイン
・フレーム３１の表面にスロット６３が形成され、そし
て第４プーリ支持軸４７Ｂの下部にねじ溝が形成され、
ナット６４が嵌合されている。ナット６４を時計方向に
回転すると、第４プーリ支持軸４７Ｂはスロット６３に
固定され、ナット６４を反時計方向に回転すると、第４
プーリ支持軸４７Ｂは、スロット６３内で自由に移動す
ることができる。

【００３７】図３に示す実施例では、第４プーリ支持軸
４７Ｂが、第１位置及び第２位置の間で移動されるが、
これの代わりに、第３プーリ支持軸４６Ｂが、第１位置
及び第２位置の間で移動されることができる。このよう
に第３プーリ支持軸４６Ｂ及び第４プーリ支持軸４７Ｂ
の一方が第１位置及び第２位置の間で移動されることが
できる。

【００３８】

【発明の効果】本発明は、図１及び図２に示した、従来
のプリンタでは、印刷行に亘って均一は印刷品質を得る
ことが困難であるという問題点を解決する。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来のプリンタを示す図。

【図２】従来のプリンタの問題点を示す図。

【図３】本発明に従うプリンタを示す図。

【図４】本発明に従う円筒形部材及びこれの外周に巻き
付けられる細紐を示す図。

【図５】本発明に従って巻き結びにより棒状部材に巻き
付けられる細紐を示す図。

【図６】プーリ支持軸を移動させる機構を示す図。

【符号の説明】

３１・・・メイン・フレーム、３２、３３・・・支持フレーム、３４、３５・・・第１及び第２支持アーム、３６・・・印刷用紙載置面、３８・・・案内軸、３９・・・キャリア、４０・・・プリント・ヘッド、４３・・・細紐、４４Ａ，４５Ａ，４６Ａ、４７Ａ・・・第１乃至第４プ
ーリ、４４Ｂ、４５Ｂ、４６Ｂ、４７Ｂ・・・第１乃至第４プ
ーリ支持軸、４８・・・円筒形部材、５１・・・枢動部材、５４・・・棒状部材、６３・・・スロット

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】プリント・ヘッドを支持するキャリア、フ
レームの印刷用紙載置面上に置かれた印刷用紙の上面と
平行に設けられ、上記キャリアを滑動的に支持する案内
軸、該案内軸の一端及び他端をそれぞれ支持するアーム
を含み上記プリント・ヘッドの先端を上記印刷用紙に印
刷を行う印刷位置及び該印刷位置の上方の待機位置の間
で移動するように上記案内軸を移動する案内軸移動手
段、並びに上記キャリアを上記案内軸上で移動するキャ
リア駆動装置を有するプリンタにおいて、上記プリント・ヘッドには、該プリント・ヘッドが上記
印刷用紙上に着地したときに該プリント・ヘッドの先端
と上記印刷用紙との間に所定の間隔を維持するローラが
装着されており、上記印刷動作の間上記ローラが上記印
刷用紙上を転がり、上記キャリア駆動装置は、上記印刷用紙載置面を挟んだ両側で上記フレームに固定
された第１プーリ支持軸及び第２プーリ支持軸と、上記第１プーリ支持軸上に、該第１プーリ支持軸の軸方
向に滑動可能に装着された第１プーリ及び上記第２プー
リ支持軸上に、該第２プーリ支持軸の軸方向に滑動可能
に装着された第２プーリと、上記第１プーリ及び上記第２プーリから離れた位置で上
記フレームに装着された溝付きの円筒形部材及び該円筒
形部材を回転させる駆動源とを有し、上記第１プーリ、上記円筒形部材の溝及び上記第２プー
リを通って細紐が掛けられており、該細紐が上記第１プ
ーリ及び上記第２プーリの間で上記キャリアに結合され
ていることを特徴とするプリンタ。
【請求項２】上記円筒形部材の外周には上端から下端に
至るねじ溝が設けられており、上記細ひもは、これの一
端が上記上端に固定されて上記ねじ溝内に巻き付けられ
た後に上記上端と上記下端の間から取り出され、そして
上記第１プーリに巻かれた後に上記キャリアに固定さ
れ、そして上記第２プーリに巻かれた後に上記円筒形部
材の上記上端と上記下端の間から上記下端に向かうねじ
溝に巻き付けられてから他端が上記円筒形部材の下端に
固定されていることを特徴とする請求項１に記載のプリ
ンタ。
【請求項３】上記キャリアは、表側に上記プリント・ヘ
ッドが装着され、裏側に棒状部材が設けられている支持
壁を有し、上記細紐は巻き結びにより上記棒状部材に結
合されていることを特徴とする請求項１又は請求項２に
記載のプリンタ。
【請求項４】上記第１プーリ支持軸及び上記第２プーリ
支持軸は、上記印刷用紙載置面と垂直な方向に延びるよ
うに上記フレームに固定されていることを特徴とする請
求項３に記載のプリンタ。
【請求項５】上記案内軸は上記フレームの前側で上記印
刷用紙の上面と平行に設けられ、上記アームは、上記案
内軸の一端を支持する前部を有する第１アーム及び上記
案内軸の他端を支持する前部を有する第２アームを含
み、上記第１アームの後部及び上記第２アームの後部
は、上記フレームの後側の位置で該フレームに枢着され
ており、上記第１プーリ支持軸及び上記第２プーリ支持
軸は上記フレームの前側の位置で該フレームに固定され
ており、そして上記円筒形部材は、上記フレームの後側
の位置で該フレームに装着されていることを特徴とする
請求項４に記載のプリンタ。
【請求項６】上記印刷用紙載置面を挟んだ両側のうち上
記第２プーリと同じ側で且つ上記フレームの後側の位置
で上記フレームに上記印刷用紙載置面と垂直になるよう
に固定された第３プーリ支持軸及び該第３プーリ支持軸
に装着された第３プーリと、上記印刷用紙載置面を挟んだ両側のうち上記第１プーリ
と同じ側で且つ上記フレームの後側の位置で上記フレー
ムに装着された第４プーリ支持軸及び該第４プーリ支持
軸に該支持軸に沿って滑動できるように装着された第４
プーリとを有し、上記第３プーリ支持軸及び上記第４プーリ支持軸の一方
は、軸方向を上記印刷用紙載置面と垂直な方向に保ちな
がら、第１位置及び第２位置の間で移動可能であり、上記円筒形部材から取り出された上記細紐が上記第４プ
ーリに巻かれた後に上記第１プーリに巻かれ、そして上
記第２プーリからの上記細紐が上記第３プーリに巻かれ
た後に上記円筒形部材の中央部から上記ねじ溝に巻かれ
ていることを特徴とする請求項５に記載のプリンタ。
【請求項７】上記第３プーリ支持軸及び上記第４プーリ
支持軸の一方の支持軸が上記第１位置にあるとき上記細
紐に張力が与えられ、上記第２位置にあるときに上記細
紐が緩められることを特徴とする請求項６に記載のプリ
ンタ。
【請求項８】上記第３プーリ支持軸及び上記第４プーリ
支持軸の一方のプーリ支持軸の下端は、上記アームが延
びる方向に沿って上記フレームに設けられたスロットに
ねじ止めされていることを特徴とする請求項７に記載の
プリンタ。
【請求項９】一端が上記フレームに枢着され、他端が上
記アームが延びる方向に沿って枢動可能な枢動部材を有
し、上記第３プーリ支持軸及び上記第４プーリ支持軸の
一方のプーリ支持軸の下端が上記枢動アームの他端に固
定されていることを特徴とする請求項７に記載のプリン
タ。