JP3095820U - 石造りの門、門壁、塀、腰壁等に於けるレディメイド製品 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 主として住宅等の外構工事の塀等に於いて
は、ブロック積又は、コンクリート造の構造で、その上
にタイル貼りやモルタル塗り、吹き付け等の仕上が施さ
れているが、現実にはヒビ割れや剥離等が生じており、
又汚染や変色に対しても防御や洗浄等の方法が無いのが
実態である。又、建設コストも左官職人やタイル職人の
手作業になるので高価な費用を要している。 【解決手段】 本考案は、これらの課題に対して、コ
ンクリートやブロックの替わりに石材を壁体として使用
することにより、コンクリートやタイル貼り、モルタル
塗り、あるいは、吹き付け工事等を無くする工法であ
る。石材は工場製作で研磨等の仕上げがされているの
で、現場での仕上げ工事は一切なく、ローコスト工法で
ある。又、コンクリート、鉄筋、型枠等を殆ど使用しな
いので、環境に優しい工法である。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は敷地を区画する外構工作物の施設に係るものであり、詳しくは門、門壁 、塀、腰壁等の築造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、門、門壁、塀、腰壁等は、主として現場に於いてコンクリート又はコンク リートブロック等を用いて成形した後にモルタル塗りを行い、その上に吹き付け 或いはタイル貼り等の工程を経て築造されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来のこのような築造技術には、次のような課題があった。その第１点はコンク リート壁やブロックの壁にモルタル塗りを行い、その上に吹き付けや、タイル貼 りをして仕上げると言う工法は、工程数が多い事と、各工程毎に専門の職人を必 要とする事。又、工程の全てが現場作業である事の為に工事価格が高く、また、 工事期間も長いこと等が課題であった。

【０００４】 その第２点は、コンクリート壁やブロック壁には、壁体自体の構造強度の問題 がある上に、モルタル塗りや、吹き付け、或いはタイル貼り等の仕上工程の材質 とコンクリート壁やブロック壁との間に接着不適合な要素がある等の要因が混在 して、結果的に、ヒビ割れや、亀裂が発生することが多いのが現状である。

【０００５】 又、第３点として、町並み景観の改善に対する課題がある。日本の町並みは、 欧米のそれと比べてあまりにも貧弱である。その原因は、欧米の住宅は敷地の外 構を、主として生垣と芝生で構成しているのに対し、日本の場合は敷地狭小の為 か、大部分は塀で区画されている。しかもこの塀は大部分の住宅に於いて、文化 と思想を持たない、無秩序な工法で築造されているのが現状である。本考案はこ れらの問題に対して石の文化を持ち込む事により、根本的に解決しようとするも のである。

【０００６】

【課題を解決する為の手段】

上記の課題を解決する為の手段として、本考案は、門、門壁、塀、腰壁等の構 造に対して、石材を単一の材料として使用することにより、これらの課題を全て 解決しようとするものである。すなはち、従来の工法であったコンクリート壁や ブロック壁の替わりに、切削、整形した石材を建立する事で一挙に完成となり、 仕上げ工事等は一切不用となる工法である。

【０００７】 本考案は、従来の技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであり 、その目的とするところは住宅等の外構工事等のうち門、門壁、塀、腰壁等につ いて、石材を主材とする斬新な工法を導入して、新しい町並みを創造しようとす るものである。

【０００８】

【考案の実施の形態】

本考案は使用材料を一部の補助材である 、コンクリートを除いてすべて石材 の単一材にて構成する。この事は従来の工法にあるように、コンクリートの壁体 に板石やタイルを貼りつける等の、複雑で高級な技術を要する工程を排除して、 石材を工場で切削整形したものを現地でクレーンにより設置する工法であり、工 場での製作工程もすべて機械化するので、結果的に工程の簡素化とシステム化が 図られる。又、石材の仕上げにも工場製作の利点である、面取りやＲ加工等の特 殊加工が、安価に実現出来る等のメリットもある。これらの要因が切磋琢磨する 事によって、石と言う高級素材が門、門壁、塀、腰壁等に容易に利用される事と なり、ローコスト化も期待できることから、この考案は、日本の町並みを変える 程に、普及するものと思われる。

【０００９】 本考案の実施に当たっては、工場製作段階と現場設置段階の２工程に分かれる 。 工場製作はすべて工作機械にて加工するものとし、工場内の工程としては切 削加工、研磨加工、サンドブラスト加工、面取り加工、Ｒ加工等を行い、特殊な 加工としては、郵便ポストの取付け、照明器具と電源工事、門札の取付けその他 特殊仕上等が行われる。又、工場製作の最終工程として基礎床版の取り付けが行 われる。現場設置工事は、設置場所の掘削と地業工事を行い、捨てコンクリート を打設後に壁体を設置する。

【００１０】 本考案の実施の内、現場設置段階での作業は通常、クレーン車を使って行われ る。この工程では工場で加工された、ほぼ完成品の壁体をクレーン車で設置して 行き、各壁体毎に接続面を接着剤又は、充填モルタルで接続処理を行う。

【００１１】

【考案の効果】

本考案は上述の通りに構成されており、次のような効果を奏する。

【００１２】

【効果その１】 本考案は石材を単一の素材として門、門壁、塀、腰壁等を工場製作によって製 造するとの主旨であるが、本考案によって製造されたそれぞれの基体は個々に半 永久的に存在しうる形態と耐力を保持せしめるので、個々の基体に於いて、ヒビ 割れや、表面剥離、或いは亀裂等の発生は生じない。この事は従来の工法である タイル貼りや、塗り壁仕上等と根本的に相違する利点である。又、石材の表面仕 上げを研磨加工にする場合は、掃除の際には水洗いで簡単にピカピカに出来ると の利点も有る。

【００１３】

【効果その２】 本考案は又、工場製品を設置するとの基本的主旨に基づくので、結果的に現場 作業は極めて短い日時で完了する事となり、新築住宅はもとより入居住宅でのリ フォームに際しても、近隣者に対して軽度の配慮で施工できる等の利点がある。 又、この事は工事費の低減化にも大きく効用するものである。

【００１４】

【効果その３】 本考案は環境問題（エコロジー）についても有益な工法である。コンクリート と鉄筋で築造する在来の工法では、使用するセメント、骨材、鉄筋、型枠用木材 等はすべて環境負荷の大きい建材であり、現在世界規模で規制が叫ばれているＣ О2の発生源の建材でもある。しかし乍ら本考案の場合は、自然界に豊富に存在 する石材を成型加工するだけの省エネルギー工法であり、ＣＯ2対策にも無縁の エコロジー工法である。

【提出日】平成１５年１月１６日（２００３．１．１６）

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】全文

【補正方法】変更

【補正内容】 【考案の詳細な説明】

【0001】

【考案の属する技術分野】

本考案は敷地を区画する外構工作物の施設等に係るものであり、詳しくは門、 門壁、塀、腰壁等の築造に関するものである。

【0002】

【従来の技術】

従来、門、門壁、塀、腰壁等は主として現場においてコンクリート又は、コン クリートブロック等を用いて成形した後にモルタル塗りを行い、その上に吹き付 け或いはタイル貼り等の工程を経て築造されている。

【0003】

【考案が解決しようとする課題】

従来のこのような築造技術には、コンクリート壁やブロック壁の築造工程と、 その後のモルタル塗りやタイル貼り等の工程とがあり、各工程毎に専門の職人が 必要である為に、工事価格が高く、又、工事期間も長い等の課題があった。

【0004】 その第２点は、コンクリート壁やブロック壁には、壁体自体の構造強度の問題 がある上に、モルタル塗りや、吹き付け、或いはタイル貼り等の仕上げ工程の材 質とコンクリート壁やブロック壁との間に接着不適合な要素がある等の要因が混 在して、結果的に、ヒビ割れや亀裂が発生する事が多いのが現状である。

【0005】

【課題を解決する為の手段】

上記の課題を解決する為の手段として本考案は門、門壁、塀、腰壁等の構造体 を石材を基体としたレディメイド製品に転換する事によって、コンクリート工事 や、左官工事等の仕上げ工事を全て排除し、これらの課題を解決しようとするも のである。

【0006】 本考案は従来の技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであり、 その目的とするところは敷地等の外構施設等のうち門、門壁、塀、腰壁等につい て、石材を基体とするレディメイド製品を提供して従来の技術よりも簡便で美麗 な外構施設を安価で且、迅速に提供するものである。

【0007】

【考案の実施の形態】

基体Aは門、塀としての形態と機能を具備する為に、相当の規格を必要とする が、一般的な市販品であるアルミダイキャストの門扉の高さが1.2メートルから1 .6メートル程度であるので、基体Aの高さは図1の如く、基礎部分を除いて1.4メ ートルから1.8メートル程度となり、長さは搬送の利便の為、0.8メートルから2. 0メートル程度、又厚さは0.1メートルから0.2メートル程度とする。

【0008】 基体Bは腰壁としての目的の為、上部に設置されるフェンスや柵等を取付ける 為,図２の如く頂点部に経30ｍ/ｍ、深さ100ｍ/ｍ程度の孔Ｐを任意に設けてあり 、又基体の高さは、フェンスや柵等の高さを減じ、更に基礎部分を除けば基体B の高さは図２の如く0.4メートルから1.0メートル程度となるが、長さは基体Ａと 同じく0.8メートルから2.0メートル程度、又厚さも0.1メートルから0.2メートル 程度とする。

【0009】 基礎フーチングＦは図3に示す如き構造であって基体Ａ及び基体Ｂがレディメ イドとしての性能を有する為に装着するものであるが、フーチングの底面幅Ｗや 床版の厚さＴ，或いは鉄筋の配筋量等については数段階の数値を設定して汎用性 に対処する。

【0010】

【考案の効果】

本考案は門、門壁、塀、腰壁等をレディメイド製品として提供するので、従来 の工事のような現場作業は殆どなく、工程も短時日で設置でき、又仕上がりも極 めて美麗なものである。

【0011】 本考案は又、コンクリート壁やブロック壁を築造しないので、環境負荷への貢 献度も大きい。

【0012】 基体A及び基体Bは表面に研磨等の仕上げが施してあるので清掃等の維持管理が 非常に簡単である。

【提出日】平成１５年４月２４日（２００３．４．２４）

【手続補正２】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】０００５

【補正方法】変更

【補正内容】

【0005】

【課題を解決する為の手段】

上記の課題を解決する為の手段として本考案は門、門壁、塀、腰壁等の構造体 を石材を基体としたユニット構造体に転換する事によって、コンクリート工事や 、佐官工事等の仕上げ工事を全て排除し、これらの課題を解決しようとするもの である。

【手続補正３】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】０００６

【補正方法】変更

【補正内容】

【0006】 本考案は従来の技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであり、 その目的とするところは敷地等の外構施設等のうち門、門壁、塀、腰壁等につい て、石材を基体とするユニット構造体を提供して従来の技術よりも簡便で美麗な 外構施設を安価で且、迅速に提供するものである。

【手続補正４】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】０００９

【補正方法】変更

【補正内容】

【0009】 基礎フーチングＦは図3に示す如き構造であって基体Ａ及び基体Ｂがユニット 構造体としての性能を有する為に装着するものであるが、フーチングの底面幅Ｗ や床版の厚さＴ，或いは鉄筋の背筋量等については数段階の数値を設定して汎用 性に対処する。

【手続補正５】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００１０

【補正方法】変更

【補正内容】

【0010】

【考案の効果】

本考案は門、門壁、塀、腰壁等をユニット構造体として提供するので、従来の 工事のような現場作業は殆どなく、工程も短時日で設置でき、又仕上がりも極め て美麗なものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】 壁体（Ａ）の標準図である。

【図２】 壁体（Ｂ）の標準図である。

【図３】 基礎版の標準断面図である。

【図４】 壁体（Ａ）と壁体（Ｂ）の組み合せ設置例で
ある。

【符号の説明】

Ａ 壁体（Ａ） Ｂ 壁体（Ｂ） Ｈ 壁体の高さ Ｗ 壁体の幅 ｔ 壁体の厚さ´ φ 鉄筋孔の直径及び鉄筋の直径 ＧＬ 地盤面の表示

─────────────────────────────────────────────────────

【手続補正書】

【提出日】平成１５年１月１６日（２００３．１．１
６）

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】全文

【補正方法】変更

【補正内容】

【書類名】 明細書

【考案の名称】 石造りの門、門壁、塀、腰壁等に於け
るレディメイド製品

【実用新案登録請求の範囲】

【図面の簡単な説明】

【図１】基体Ａの透視図と正面図、断面図である。

【図２】基体Ｂの透視図と正面図、断面図である。

【図３】基礎フーチングの断面図である。

【符号の説明】 Ａ 基体Ａ Ｂ 基体Ｂ Ｃ モルタル充填溝Ｃ Ｄ 基礎フーチングの底面幅 Ｆ 基礎フーチング Ｇ 基礎フーチングを装着する為の鉄筋装着孔 Ｈ 基体Ａ又は基体Ｂに於けるフーチング天端から基体
頂天部までの高さ Ｐ 基体Ｂの頂天部に設ける取付け孔 Ｓ 基礎フーチングを装着する為の鉄筋 Ｔ 基体の厚さ又は基礎フーチング床版工の厚さ Ｗ 基体Ａ又は基体Ｂを設置した時の長さ

【手続補正２】

【補正対象書類名】図面

【補正対象項目名】全図

【補正方法】変更

【補正内容】

【図１】

【図２】

【図３】 ─────────────────────────────────────────────────────

【手続補正書】

【提出日】平成１５年４月２４日（２００３．４．２
４）

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】実用新案登録請求の範囲

【補正方法】変更

【補正内容】

【実用新案登録請求の範囲】

Claims (6)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】壁体（Ａ）は石材を切削、整形して造る単
   体の基体である。形状、寸法は図（1）のとおりであ
   る。これを門、門壁、塀の壁体として建立、利用する。
   表面仕上げは、本磨き、水磨き、サンドブラスト、バー
   ナー仕上げ、その他とし、このうち１種類の仕上げの場
   合と、２種類以上の仕上げによる組み合わせの場合とが
   ある。又、仕上げとは別途に幾何学模様、あるいは文字
   等を彫刻する場合がある。
2. 【請求項２】壁体（Ｂ）は請求項１の壁体（A）と同じ
   仕様であるが、設置する部位が腰壁であるので、その性
   質上、形状寸法は図（２）のとおりである。
3. 【請求項３】壁体（Ａ）及び壁体（Ｂ）は現地での設置
   の為に事前に壁体下部に図（３）に示す如く、鉄筋コン
   クリートの基礎版を装着して、工事現場での壁体設置の
   利便を図る。基礎版の装着方法は（図３）に示す如く、
   片側と両側の２種類とする。
4. 【請求項４】壁体（Ａ）及び壁体（Ｂ）は、これを組み
   合わせる事により、多様なパターンの門、門壁、塀、及
   び腰壁を具現出来るものとする。この場合に壁体（A）
   を連続設置するときは塀と称し、壁体（B）を単体又は
   連続設置する時は腰壁と称す。壁体（Ａ）と壁体（Ｂ）
   の組み合せ設置の一例を図（４）に示す。
5. 【請求項５】壁体(Ａ)及び壁体（Ｂ）は頂天部に石材等
   による笠石を取設したり、或いは瓦等を葺く場合におい
   ても本件請求を損なうものではないものとする。
6. 【請求項６】壁体（Ｂ）は腰壁を構成するものであり、
   必然的に上部にフェンス、垣根等を設置する事によって
   機能するものである。この場合に於いても、本件請求を
   損なうものではないものとする。