JP3095496B2 - パーベーパレーション法の漏洩検出方法 - Google Patents
パーベーパレーション法の漏洩検出方法Info
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- JP3095496B2 JP3095496B2 JP03342591A JP34259191A JP3095496B2 JP 3095496 B2 JP3095496 B2 JP 3095496B2 JP 03342591 A JP03342591 A JP 03342591A JP 34259191 A JP34259191 A JP 34259191A JP 3095496 B2 JP3095496 B2 JP 3095496B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液体混合物から特定の
液体成分の分離を行うパーベーパレーション法(浸透気
化法)において、給液側から減圧側への供給液の漏洩を
検出する方法に関する。
液体成分の分離を行うパーベーパレーション法(浸透気
化法)において、給液側から減圧側への供給液の漏洩を
検出する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】有機液体混合物あるいは水と有機液体の
混合物等、特に沸点近接化合物、共沸混合物から特定の
液体成分を濃縮する有効な技術として、パーベーパレー
ション法が知られている。
混合物等、特に沸点近接化合物、共沸混合物から特定の
液体成分を濃縮する有効な技術として、パーベーパレー
ション法が知られている。
【0003】パーベーパレーション法は分離膜の片側を
減圧にし、反対側に液体混合物を供給することにより特
定の液体成分のみを優先的に分離膜内を通過させて分離
する方法である。従って、分離膜のピンホールや破断、
或いは分離膜とその固定手段との間に亀裂が発生した場
合には、液体混合物が減圧側に漏洩し、特定の液体成分
のみの分離が十分に行えないという問題が発生する。
減圧にし、反対側に液体混合物を供給することにより特
定の液体成分のみを優先的に分離膜内を通過させて分離
する方法である。従って、分離膜のピンホールや破断、
或いは分離膜とその固定手段との間に亀裂が発生した場
合には、液体混合物が減圧側に漏洩し、特定の液体成分
のみの分離が十分に行えないという問題が発生する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】分離膜を用いたパーベ
ーパレーション装置の組立て後には、加圧試験或いは減
圧試験を行うことによって、分離膜のピンホール、破断
等を発見することが可能である。一方、パーベーパレー
ション装置の運転中に発生する分離膜のピンホールや破
断は、現在のところ、透過液量の増加、透過液濃度の減
少、或いは、減圧側の真空度の悪化により検出されてい
る。
ーパレーション装置の組立て後には、加圧試験或いは減
圧試験を行うことによって、分離膜のピンホール、破断
等を発見することが可能である。一方、パーベーパレー
ション装置の運転中に発生する分離膜のピンホールや破
断は、現在のところ、透過液量の増加、透過液濃度の減
少、或いは、減圧側の真空度の悪化により検出されてい
る。
【0005】しかしながら、上記した透過液量の増加、
及び透過液濃度の減少という現象は、分離膜のピンホー
ル発生後、すぐには現れないため、発見が遅れるという
問題がある。また、減圧側の真空度の悪化という現象
は、パーベーパレーション装置の減圧側の容積が大きい
場合には顕著に現れないために、分離膜のピンホール発
生の検出手段としてはあまり適当でない。
及び透過液濃度の減少という現象は、分離膜のピンホー
ル発生後、すぐには現れないため、発見が遅れるという
問題がある。また、減圧側の真空度の悪化という現象
は、パーベーパレーション装置の減圧側の容積が大きい
場合には顕著に現れないために、分離膜のピンホール発
生の検出手段としてはあまり適当でない。
【0006】このため、分離膜のピンホール、破断等に
より、液体混合物が減圧側へ漏洩するのをいち早く検出
する方法が望まれていた。
より、液体混合物が減圧側へ漏洩するのをいち早く検出
する方法が望まれていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の問
題を解決するために種々検討した結果、減圧側において
透過蒸気温度の変化が、液体混合物の減圧側への漏洩現
象検出の指標になり得ることを見出し、本発明を提案す
るに到った。
題を解決するために種々検討した結果、減圧側において
透過蒸気温度の変化が、液体混合物の減圧側への漏洩現
象検出の指標になり得ることを見出し、本発明を提案す
るに到った。
【0008】即ち、本発明はパーベーパレーション法に
おいて、透過蒸気温度を測定することにより給液側から
減圧側への供給液の漏洩を検知することを特徴とするパ
ーベーパレーション法の漏洩検出方法である。
おいて、透過蒸気温度を測定することにより給液側から
減圧側への供給液の漏洩を検知することを特徴とするパ
ーベーパレーション法の漏洩検出方法である。
【0009】本発明のパーベーパレーション法に用いる
分離膜は、公知のものを何ら制限なく用いることがで
き、例えば、セルロース、ポリビニルアルコール、ポリ
アミド、ポリエステル、ポリスルホン、ポリカーボネー
ト、ポリイミド、キトサンなどのポリマー等を挙げるこ
とができる。分離膜の形状は、例えば、平膜を積層した
プレートアンドフレーム型、スパイラル型、中空糸をポ
ッテイングしたモジュール型などをあげることができる
がこれらに限られるものではない。
分離膜は、公知のものを何ら制限なく用いることがで
き、例えば、セルロース、ポリビニルアルコール、ポリ
アミド、ポリエステル、ポリスルホン、ポリカーボネー
ト、ポリイミド、キトサンなどのポリマー等を挙げるこ
とができる。分離膜の形状は、例えば、平膜を積層した
プレートアンドフレーム型、スパイラル型、中空糸をポ
ッテイングしたモジュール型などをあげることができる
がこれらに限られるものではない。
【0010】また、パーベーパレーション法により分離
される液体混合物は、有機液体混合物あるいは水と有機
液体の混合物等が何ら制限なく用いられる。具体的には
水/エチルアルコール、水/イソプロピルアルコール、
水/n−プロピルアルコール、水/アリルアルコール、
水/2,3−ジクロロ−1−プロパノール、水/2−メ
トキシエタノール、水/イソブチルアルコール、水/1
−ブタノール、水/2−ブタノール、水/フルフリルア
ルコール、水/ペンタノール、水/2−ペンタノール、
水/4−メチル−1−ブタノールなどの水/アルコール
系混合物:水/テトラヒドロフラン、水/メチルエチル
ケトンなどをあげることができる。
される液体混合物は、有機液体混合物あるいは水と有機
液体の混合物等が何ら制限なく用いられる。具体的には
水/エチルアルコール、水/イソプロピルアルコール、
水/n−プロピルアルコール、水/アリルアルコール、
水/2,3−ジクロロ−1−プロパノール、水/2−メ
トキシエタノール、水/イソブチルアルコール、水/1
−ブタノール、水/2−ブタノール、水/フルフリルア
ルコール、水/ペンタノール、水/2−ペンタノール、
水/4−メチル−1−ブタノールなどの水/アルコール
系混合物:水/テトラヒドロフラン、水/メチルエチル
ケトンなどをあげることができる。
【0011】本発明における給液側から減圧側への供給
液の漏洩は、主として分離膜から生じるものである。漏
洩箇所の形態は、ピンホール状、シミ状、裂けているも
の等がある。分離膜がガスケット等でプレスされている
平膜状のものは、ガスケットのシール面から発生する漏
洩もあり、また、接着剤によりポッティングされている
中空糸膜状のものは接着剤で固着された部分からの漏洩
もある。
液の漏洩は、主として分離膜から生じるものである。漏
洩箇所の形態は、ピンホール状、シミ状、裂けているも
の等がある。分離膜がガスケット等でプレスされている
平膜状のものは、ガスケットのシール面から発生する漏
洩もあり、また、接着剤によりポッティングされている
中空糸膜状のものは接着剤で固着された部分からの漏洩
もある。
【0012】本発明においては、透過蒸気の温度を測定
することにより、供給液の漏洩を即時に発見することが
可能である。一般的に透過蒸気温度は供給される液温か
ら分離膜上での蒸気に消費される潜熱を引いた値にな
る。本発明者らは、分離膜が漏洩を生じた時は透過する
液量が著しく多くなることに着目して実験を繰返した結
果、漏洩した液が減圧側で蒸発する時に非常に多くの熱
量を消費するため透過蒸気温度が極端に下がるという現
象を見出した。そのため透過蒸気温度を測定することに
より分離膜の漏洩を容易にみつけ得る。ここで透過蒸気
温度は、分離膜種、供給液濃度、供給液温度が異なれば
当然変化するが、これらの条件が一定である定常状態の
運転時には透過蒸気量は常に一定であるため、透過蒸気
温度は必ず一定になる。したがって、定常運転時の一定
温度よりも透過蒸気温度が低下したことにより、供給液
の漏洩を発見することができる。
することにより、供給液の漏洩を即時に発見することが
可能である。一般的に透過蒸気温度は供給される液温か
ら分離膜上での蒸気に消費される潜熱を引いた値にな
る。本発明者らは、分離膜が漏洩を生じた時は透過する
液量が著しく多くなることに着目して実験を繰返した結
果、漏洩した液が減圧側で蒸発する時に非常に多くの熱
量を消費するため透過蒸気温度が極端に下がるという現
象を見出した。そのため透過蒸気温度を測定することに
より分離膜の漏洩を容易にみつけ得る。ここで透過蒸気
温度は、分離膜種、供給液濃度、供給液温度が異なれば
当然変化するが、これらの条件が一定である定常状態の
運転時には透過蒸気量は常に一定であるため、透過蒸気
温度は必ず一定になる。したがって、定常運転時の一定
温度よりも透過蒸気温度が低下したことにより、供給液
の漏洩を発見することができる。
【0013】混合液体の漏洩時の透過蒸気温度の低下巾
は、上記した運転条件によって異なるが、一般には5℃
以上の低下巾のときには、混合液体の漏洩が生じている
と判断できる。
は、上記した運転条件によって異なるが、一般には5℃
以上の低下巾のときには、混合液体の漏洩が生じている
と判断できる。
【0014】本発明において、透過蒸気温度は分離膜の
減圧側の温度である。この温度は分離膜、液体混合物に
より異なるが、一般には供給液温度より幾分低い温度で
ある。透過蒸気温度の測定場所としては、外部からの伝
熱の影響を受けにくい分離膜近傍が好ましい。
減圧側の温度である。この温度は分離膜、液体混合物に
より異なるが、一般には供給液温度より幾分低い温度で
ある。透過蒸気温度の測定場所としては、外部からの伝
熱の影響を受けにくい分離膜近傍が好ましい。
【0015】
【効果】本発明のパーベーパレーション法の漏洩検出方
法によれば、分離膜種、供給液濃度、供給液温度等に関
係なく分離膜及びその周辺に発生した漏洩を検知するこ
とができる。従って、漏洩が発生した時には即座に分離
を中止して、漏洩箇所をみつけて修理することが可能で
ある。
法によれば、分離膜種、供給液濃度、供給液温度等に関
係なく分離膜及びその周辺に発生した漏洩を検知するこ
とができる。従って、漏洩が発生した時には即座に分離
を中止して、漏洩箇所をみつけて修理することが可能で
ある。
【0016】
【実施例】以下、本発明の内容を具体的に実施例によっ
て説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるも
のではない。
て説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるも
のではない。
【0017】実施例1 内径0.8mm、全長30cmのポリイミド系中空糸膜
150本をポッティングしたモジュールを分離膜とした
パーベーパレーション装置でイソプロピルアルコールに
含まれている水の脱水を行った。60℃に加温されたイ
ソプロピルアルコールと水の混合液は中空糸膜の内側に
供給され、外側には減圧に引かれて7mmHgに保たれ
た。スタート時の供給液は量が50l、濃度がイソプロ
ピルアルコール:水=90:10(質量%)で、バッチ
運転をすることによりイソプロピルアルコールの濃度を
高めていった。運転中の供給液濃度に対する透過蒸気温
度を測定したところ、表1に示す値が得られた。供給液
濃度がイソプロピルアルコール:水=99.5:0.5
(重量%)になった時、濃度がイソプロピルアルコー
ル:水=90:10(重量%)になるまで水を加えて再
び脱水を続けた。この操作を繰り返し行ったところ、8
02回目に供給液濃度がイソプロピルアルコール:水=
90:10(重量%)の時に透過蒸気温度が32℃に急
激に低下したので脱水を停止してモジュールを調べたと
ころ、1本の中空糸からピンホールが発見された。
150本をポッティングしたモジュールを分離膜とした
パーベーパレーション装置でイソプロピルアルコールに
含まれている水の脱水を行った。60℃に加温されたイ
ソプロピルアルコールと水の混合液は中空糸膜の内側に
供給され、外側には減圧に引かれて7mmHgに保たれ
た。スタート時の供給液は量が50l、濃度がイソプロ
ピルアルコール:水=90:10(質量%)で、バッチ
運転をすることによりイソプロピルアルコールの濃度を
高めていった。運転中の供給液濃度に対する透過蒸気温
度を測定したところ、表1に示す値が得られた。供給液
濃度がイソプロピルアルコール:水=99.5:0.5
(重量%)になった時、濃度がイソプロピルアルコー
ル:水=90:10(重量%)になるまで水を加えて再
び脱水を続けた。この操作を繰り返し行ったところ、8
02回目に供給液濃度がイソプロピルアルコール:水=
90:10(重量%)の時に透過蒸気温度が32℃に急
激に低下したので脱水を停止してモジュールを調べたと
ころ、1本の中空糸からピンホールが発見された。
【0018】
【表1】
Claims (1)
- 【請求項1】パーベーパレーション法において、透過蒸
気温度を測定することにより給液側から減圧側への供給
液の漏洩を検知することを特徴とするパーベーパレーシ
ョン法の漏洩検出方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03342591A JP3095496B2 (ja) | 1991-12-25 | 1991-12-25 | パーベーパレーション法の漏洩検出方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03342591A JP3095496B2 (ja) | 1991-12-25 | 1991-12-25 | パーベーパレーション法の漏洩検出方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05168874A JPH05168874A (ja) | 1993-07-02 |
JP3095496B2 true JP3095496B2 (ja) | 2000-10-03 |
Family
ID=18354956
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03342591A Expired - Fee Related JP3095496B2 (ja) | 1991-12-25 | 1991-12-25 | パーベーパレーション法の漏洩検出方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3095496B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5763765A (en) * | 1996-09-25 | 1998-06-09 | Ballard Power Systems Inc. | Method and apparatus for detecting and locating perforations in membranes employed in electrochemical cells |
JP5029441B2 (ja) * | 2008-03-14 | 2012-09-19 | 栗田工業株式会社 | 気体透過膜の劣化検知方法及び気体透過膜モジュールの運転方法 |
CN105929112B (zh) * | 2016-04-19 | 2018-04-10 | 刘小红 | 一种探测液体化学品泄漏的传感器 |
-
1991
- 1991-12-25 JP JP03342591A patent/JP3095496B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05168874A (ja) | 1993-07-02 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |