JP3095460B2 - 上部電極と炉底電極を備えた直流電気炉 - Google Patents

上部電極と炉底電極を備えた直流電気炉

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】直流アークによって金属の溶解,
精錬を行う、上部電極と炉底電極とを備えた直流電気炉
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電気炉には交流電気炉と直流電気炉とが
あり、交流電気炉は3本の黒鉛製の上部電極を炉の上方
から挿入し、主にスクラップや溶鋼を介して上記電極間
にアークを発生させるものであり、また直流電気炉は通
常1本の黒鉛製の上部電極を挿入し、炉底部を他方の電
極として直流アークを発生させるものである。
【0003】交流電極は3本電極のため炉の上部構造が
複雑になると共に3相アークが相互電磁力により外側に
曲げられ放散熱が多く熱効率が悪いという問題や、また
アークの曲がりにより炉壁が局部的に損傷されるという
問題がある。また電極消耗量が大きいばかりでなく騒音
も大きく、フリッカが激しい等の問題点もある。これに
対して直流電気炉は、一般的には上部電極が少いため炉
上方の電極周りはシンプルになり、交流電気炉に比べて
黒鉛電極の原単位や電力原単位の低減およびフリッカの
減少が期待できるという長所があるが炉底電極の寿命お
よび安全性に問題点がある。
【0004】日本工業炉協会発行、工業加熱炉、Vol.25
(1988)、No.2、P24〜33記載の「直流アーク炉の現状
と将来」と題する論文に述べられているように、直流電
気炉の炉底電極として炉底に内張りされた耐火物に直立
して埋設された多数の小径電極を備えた小径多電極の空
冷方式、および大径の鋼丸棒が炉底に1本乃至3本を直
立して配設された大径電極の水冷方式が知られている。
【0005】図7は大径電極方式の直流電気炉の従来例
を示しており、炉蓋12を通して黒鉛製の上部電極18が3
本挿入されており、炉底16には鋼棒製の水冷式炉底電極
30が成形耐火物中に直立して3本埋設されている。この
場合炉底電極30の直径は 250mmφ程度が最大限である。
サイリスタ25は3本の上部電極18とそれぞれ対向する3
本の炉底電極30が各々単独の電極制御回路を構成してお
り、電圧および電流を制御するようになっている。この
ような構成であるので、例えば炉用トランス22の合計の
トランス容量が60MVAの場合、各々は20MVAの範囲
で投入電力を制御するので定常状態ではアークが3本発
生している。21は受変電トランスを示す。
【0006】このような大径式炉底電極方式の直流電気
炉では、炉底電極30が3本ともスラグ付着等により不導
通になると、上部電極18の1本を陽極側に接続し上部電
極18間でアークを発生させることによって炉内のスクラ
ップを溶解させることが可能になる。しかしこのような
対策では投入電力が低下するのでスクラップの溶解時間
が長くなるけれどもとにかく電流不導通の対策を比較的
容易にとることができるという長所を有する。
【0007】ただしその一方では図7に示す大径電極方
式は、上部電極18が従来の交流電気炉と同様に3本であ
るため電極支持アーム、電極昇降装置および電極制御回
路が全て3系統必要であり、設備が複雑で、必然的に設
備コストやメンテナンスコストが高くなるという問題が
ある。また図8に示すように炉体10内における3本の上
部電極18の位置が炉壁に対して非対称であるため炉壁に
コールドスポットやホットスポットが生じ、スクラップ
が均一に溶解しないという問題や、また上部電極18に囲
まれた炉蓋12の小天井12a(図7参照)がアークの輻射
熱で極端に早く損傷するという問題があり、さらにまた
コールドスポットにはスクラップ非溶解部Aが生じるた
め、この非溶解部Aを溶解して除去するために余分に電
力を投入することになる。その結果、炉から溶鋼を取り
出すタップからタップまでの所要時間が延長され、電
力,電極および耐火物の各原単位が上昇してコスト高に
なるという問題がある。
【0008】図9は小径多電極空冷方式直流電気炉の従
来例を示す断面概略図であり、炉体10は炉蓋12, 炉壁1
4, 炉底16から構成されていて、炉蓋12を通して黒鉛製
の上部電極18が1本(場合によっては2本乃至3本)挿
入されており、炉壁14には水冷パネル20が取付けられて
いる。炉底16の一方の端部には精錬後の溶鋼を出鋼する
出鋼口24が設けてあり、炉底16の、他方の端部にスラグ
を排出する排滓口23が設けてある。また炉底16には鋼棒
製の小径炉底電極30が多数埋設されていると共に炉体10
は油圧シリンダ等の傾動装置 (図示せず)によって左右
傾動可能になっている。出鋼口24の直下には溶鋼の排出
を停止するためのストッパ26を開閉自在に設けてある。
【0009】炉底に埋設した小径の炉底電極30は、例え
ば炉容 130t/ヒート炉では多数(200 本程度) かつ1
本が40mmφ程度の鋼丸棒が炉底16にスタンプにより内張
りされた耐火物28′の間に直立して埋設されており、こ
れらの炉底電極30が電極回路の陽極を形成し、この陽極
に炉蓋12より突き出している黒鉛電極18が陰極として対
向している。この方式の場合、炉底電極30の直径は40mm
φ程度が最大限度である。
【0010】図10に示す通り、小径の炉底電極30の周囲
にはスタンプ材28′が打設されており、炉底電極30の上
端面はスタンプ材28′の上面に露出している。また下端
部は底板16aから炉外に突出され底板16aと離間して設
けた電極支持板32に達していて、締付ナット7により固
定されている。また電極支持板32に接続した導電体から
なる空冷管34から電極支持板32と底板16aとの間に冷却
用空気を供給することによって炉底電極30の下部を冷却
するようになっている。なお通常、底板16a上のスタン
プ材28′および冷却板となる電極支持板32は炉底電極30
と一体に構成されていて、これらをブロックとして取替
えることができる。絶縁体4は底板16aと炉底鉄皮16′
とを絶縁している。また給電ケーブル5は水冷式のもの
であり、電流の供給ルートは、ホットヒール(溶鋼)が
形成された段階では給電ケーブル5→空冷管34→電極支
持板32→炉底電極30→溶鋼→スクラップ→上部電極18と
なる。
【0011】図9に示すように電力投入回路の受変電ト
ランス21を介して投入された電力は、炉用トランス22に
よって電圧が 200〜800 V程度に変圧された後、サイリ
スタ25に投入される。サイリスタ25は上部電極18と炉底
電極30とを接続する1系統の電極制御回路に設けてあ
り、直流電気炉による溶解制御が1系統によって行われ
る。そして電圧制御は電極昇降装置(図示せず)による
上部電極18の位置制御により、また電流制御はサイリス
タ25の制御により行われる。
【0012】このように上部電極18が1本であるため炉
上方の電極周りがシンプルになり、上部電極18の原単位
や電力原単位の低減を期待できるばかりでなく、直流電
気炉の溶解制御を1系統で行えるため制御が容易である
という長所を有する。ここで図9に示す多数の小径丸鋼
棒を炉底に埋設した空冷方式の炉底電極30を有する直流
電気炉は、例えば 130t/ヒートの炉では最大で直径40
mmφ程度までの鋼丸棒を 200本程度備えており、これら
多数の炉底電極30はスタンプ耐火物28′に埋設されてい
ると共に全てが一枚の電極支持板32に接続して取付けて
あり、1本の給電ケーブル5から電極支持板32を介して
各炉底電極30に一括して電流を供給するようになってい
る。この図9に示す直流電気炉は、その構成上および空
冷方式であることから次のような問題点があった。
【0013】(1) 直流電流によるスクラップの溶解、精
錬のチャージを繰返すと、小径の炉底電極は溶鋼からの
入熱と内部電流によるジュール発熱によって溶解する
が、水冷ではなく空冷方式であるため抜熱能が低く炉底
電極の直径を太くすることに限界があり、40mmφ程度が
上限である。 (2) 多数の炉底電極に一括して給電するため電極に対す
るきめ細かい電流制御が不可能である。
【0014】(3) また炉底電極の数が多いため炉底の電
極上部にスラグが付着する度合が多くなり、電流が不導
通になると、供給電流が一定の場合には残された炉底電
極に過大な電流が流れることになり、炉操業に悪影響を
及ぼす。 (4) 炉底電極の本数があまりにも多く1本毎の電極溶解
状況を熱電対によって監視することが事実上不可能であ
る。
【0015】(5) 前記 (1)〜(4) が相互に関係して炉底
電極1本当たりの平均電流密度が水冷方式の1/2程度
にしかならず効率が悪い。 (6) 炉底電極の数が多いので電極間はスタンプ耐火物し
か施工できないのでレンガ耐火物に比較して損耗速度が
速く炉底電極の寿命が短い。 (7) 炉内に発生するアークは、電極に電流を供給する給
電ケーブルの周りに発生する磁界の影響で、その方向性
が左右されるが、一本の給電ケーブルを介して多数の炉
底電極に一括して電流を供給しているため、給電系統の
配置によりアークの方向が定まってしまい、ホットスポ
ット, コールドスポットの軽減が達成できない。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】直流電気炉内に発生す
るアークは、炉底電極に電流を供給する給電ケーブルの
周りに発生する磁界の影響で、その方向性が左右される
が、従来大径炉底電極または小径炉底電極ユニットに一
本の給電ケーブルを介して一括して電流を供給している
ため給電ケーブルルート、すなわち、給電系統の配置に
自由度が小さくアークの方向が定まってしまい、ホット
スポット, コールドスポットの軽減ができないという欠
点があった。
【0017】本発明は前記従来技術の問題点を解消し、
直流電気炉内で発生するアークの方向不均一性を低減し
て、炉壁のホットスポットやコールドスポットを防止す
ると共に、炉内のスクラップを均一に溶解することがで
きる上部電極と炉底電極とを備えた直流電気炉を提供す
ることを目的とするものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の本発明は、直流アークにより金属を溶解する上部電極
と炉底電極を備えた直流電気炉において、前記直流電気
炉の炉底に少くとも1本の大径炉底電極または少くとも
1グループの小径炉底電極ユニットを埋設し、前記の大
径炉底電極または小径炉底電極ユニットの各々に複数本
の給電ケーブルを接続するとともに前記複数本の給電ケ
ーブルの各々に電流を個別に制御する電流制御サイリス
タ回路を設けて、各給電ケーブル毎に独立に給電し、こ
れら給電ケーブルの周りに発生する磁場により炉内で発
生する直流アークの方向不均一性が最小となるように各
給電ケーブルの給電ルートを分散して配置してなること
を特徴とする上部電極と炉底電極を備えた直流電気炉で
ある。
【0019】また本発明では、複数本の給電ケーブルの
各々に電流の値を測定する電流計を備えて各ケーブルに
流れる電流値を個別に制御するようにするのが好適であ
る。
【0020】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1乃至図3に基
いて説明する。まず図1は本発明に係る空冷式の直流電
気炉の断面図であり、図9に示す従来例のものと同じも
のは同一符号を付して説明する。一本の上部電極18に対
向して炉底16には径の小さい鋼棒製の炉底電極30が多数
埋設されているが、本発明においては、多数の小径炉底
電極30をグループ化した1つの小径電極ユニット1を炉
底16の耐火物28′に直立して埋設してある。かくして小
径電極ユニット1内の各炉底電極30が電極回路の陽極を
形成しこの陽極に炉蓋12より下方に突き出している上部
電極18が陰極として対向している。なお、小径電極ユニ
ット1内の底板16aは切り離されていて絶縁体4により
絶縁してある。
【0021】図2および図3に示すように小径電極ユニ
ット1において、炉底電極30の周囲にはスタンプ耐火物
28′が打設されており、炉底電極30の上端はスタンプ材
28′の上面に露出している。また炉底電極30の下端部は
それぞれの底板16aから炉外に突出され、底板16aと離
間して設けたユニットに対応する電極支持板32に固定し
てある。各電極支持板32にそれぞれ接続した導電体から
なる空冷管34から電極支持板32と底板16aとの間に供給
することによって炉底電極30を冷却するようになってい
る。そして電流供給ルートはホットヒール(溶鋼)が形
成された段階では電極ユニット1に対応する給電ケーブ
ル5→空冷管34→電極支持板32→炉底電極30→溶鋼8→
スクラップ9→上部電極18となる。
【0022】図1に示すように電力投入回路の受変電ト
ランス21を介して投入された炉用トランス22によって電
圧を 200〜800 Vぐらいに変圧した後、1本の上部電極
18と並列に3個配設されたサイリスタ25とが給電ケーブ
ル2によって接続され、また3個のサイリスタ25と1個
の電極ユニット1の電極支持板32とは空冷管34を介して
それぞれ3本の給電ケーブル5a, 5b, 5cによって
接続されており電極制御回路を構成していると共に各ケ
ーブル5a, 5b, 5cには電流計35が設けてある。
【0023】本発明では図2,図3に示すように小径炉
底電極ユニット1の炉底電極30に給電する給電ケーブル
5a, 5b, 5cを小径電極ユニット1の下方で導電性
の空冷管34を中心にして各々 120°角度を置いて分散し
て配置してあり、給電ケーブル5a, 5b, 5cから空
冷管34および電極支持板32を介して多数の炉底電極30に
給電される。
【0024】なお図1において、2本の一点鎖線より右
側の部分即ち受変電トランス21,炉用トランス22,サイ
リスタ25,電流計35は電気室内に固定的に配置され2本
の一点鎖線の左側の部分は炉体10と一体的に傾動するよ
うに構成されこれらの間は可撓性のあるケーブル6で接
続されている。次に本発明の作用について説明すると、
炉体10内にスクラップを投入後、各サイリスタ25によっ
て電流を制御しつつケーブル2から上部電極18に電力を
投入すると共に、上部電極18の上下方向の位置を調整し
つつ上部電極18と電極ブロック1の炉底電極30との間に
給電ケーブル5a, 5b, 5cを介して通電される電流
・電圧を調整し発生するアークによってスクラップを溶
解する。このとき各炉底電極30に流れる電流は給電ケー
ブル5a, 5b, 5cにそれぞれ配設した電流計35によ
って測定される。
【0025】スクラップの溶解期にはスクラップの棚吊
り、棚落ちあるいは給電ケーブル5a, 5b, 5cに形
成される磁界によるアークの方向不均一等によってスク
ラップの溶け残りが生じるので本発明では小径電極ユニ
ット1の炉底電極30に給電する電流をそれぞれ電流計35
で測定しつつスクラップの溶け残りが局部的に生じない
ように各サイリスタ25によってきめ細かく給電ケーブル
5a, 5b, 5cの電流量を制御してスクラップの均一
な溶解を図る。
【0026】前述のように本発明では、3本の給電ケー
ブル5a, 5b, 5cが小径電極ユニットの下方近傍で
均等に分散して配置してあるので、通電により各給電ケ
ーブル5a, 5b, 5cの周りに発生する磁場の影響を
受けて炉内で発生する直流アークの方向不均一性が是正
され、炉壁に発生するコールドスポットやホットスポッ
トが防止されると共にスクラップの迅速な溶解が達成さ
れる。
【0027】図4は、本発明の他の空冷式小径炉底電極
の実施例を示し、多数の炉底電極30をグループ化した3
組の小径電極ユニット1を炉底16に直立して等分に埋設
してある。そして各小径電極ユニット1の導伝性空冷管
34にはそれぞれ 120°の角度をもって3本の給電ケーブ
ル5a〜c,5d〜f,5g〜iが分散配置により接続
されている。なお、各給電ケーブルにはそれぞれサイリ
スタ25および電流計35が配設されており、個別に制御す
るのは同様である。このような複数本の給電ケーブルの
分散配置によって、小径電極ユニット1を複数組とした
空冷式小径炉底電極を有する直流電気炉においても前記
実施例と同様の作用効果を得ることができる。
【0028】また、図5は1本の大径炉底電極30を炉底
16に埋設した水冷式の場合を示しており、4本の給電ケ
ーブル5a〜5dを90°の角度をもって分散配置して1
本の大径炉底電極30に接続している。また図6は3本の
大径炉底電極30にそれぞれ120 °の角度をもって5a〜
c,5d〜f,5g〜iが分散配置により接続したもの
を示している。このような水冷式大径炉底電極を有する
直流電気炉においても同様の作用効果を得ることができ
る。
【0029】なお、給電ケーブルの使用本数および分散
配置は、前記のように等角度で分散するものに限定され
るものではなく、炉底電極の配置や本数あるいは上部電
極の条件さらには炉本体の特性等によって適宣決定すれ
ばよい。表1に示す条件の空冷式小径炉底電極を有する
直流電気炉を用いて鋼スクラップの溶解精錬を行うに際
し、図1〜図3に示すように3本の給電ケーブルを互に
120°の角度をもって分散配置して炉底電極に通電する
本発明例と、図9,図10に示す1本の給電ケーブルだけ
で通電する従来例によるスクラップの溶解精錬を行っ
た。その操業成績を表2に示す。
【0030】表2に示すように本発明例によれば従来例
に比較して炉内に発生する直流アークの方向を容易に制
御することができるのでアークの方向が均一化され炉壁
のホットスポット発生が解消されると共に電力原単位を
10kwh/t低減することができた。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、炉底電極
に給電する給電ケーブル本数を複数本にし、炉内で発生
するアークの方向不均一性が最小となるルートで配置す
ることにより、ホットスポット, コールドスポットの発
生を抑制することができる。また、各給電ケーブル毎
に、個別に電流制御を行うサイリスタ、および電流値を
測定する電流計を備えて炉内発生アークの方向を制御
し、炉内装入スクラップの不均一性等に起因する未溶解
スクラップの溶解が促進されホットスポット, コールド
スポット発生を抑制することも可能である。
【0034】その結果、電力原単位の低減,溶解時間の
短縮による生産性の向上を達成でき、そのもたらす効果
は非常に大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る小径炉底電極を有する直
流電気炉の全体配置を示す断面図である。
【図2】本発明の実施例に係る小径炉底電極ユニットを
示す断面図である。
【図3】図2のA−A矢視により給電ケーブルの配置を
示す平面図である。
【図4】本発明に係る複数の小径炉底電極ユニットへの
給電ケーブルの配置を示す平面図である。
【図5】本発明に係る大径炉底電極への給電ケーブルの
配置を示す平面図である。
【図6】本発明に係る複数本の大径炉底電極への給電ケ
ーブルの配置を示す平面図である。
【図7】従来例に係る大径炉底電極を有する直流電気炉
の全体配置を示す断面図である。
【図8】図9の従来例に係る直流電気炉のスクラップ未
溶解部を示す平面図である。
【図9】従来例に係る小径炉底電極を有する直流電気炉
の全体配置を示す断面図である。
【図10】従来例に係る小径炉底電極ユニットを示す断面
図である。
【符号の説明】
1 電極ユニット 2 給電ケーブル 4 絶縁体 5 給電ケーブル 8 溶鋼 9 スクラップ 12 炉蓋 14 炉壁 16 炉底 18 上部電極 20 水冷パネル 21 受変電トランス 22 炉用トランス 23 排滓口 24 出鋼口 25 サイリスタ 26 ストッパ 28 炉底耐火物 30 炉底電極 32 電極支持板 34 空冷管 35 電流計
フロントページの続き (72)発明者 岩村 忠昭 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社 水島製鉄所内 (56)参考文献 特開 平2−217783(JP,A) 特開 昭59−205188(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H05B 7/148 F27B 3/08 H05B 7/18

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直流アークにより金属を溶解する上部電
    極と炉底電極を備えた直流電気炉において、前記直流電
    気炉の炉底に少くとも1本の大径炉底電極または少くと
    も1グループの小径炉底電極ユニットを埋設し、前記の
    大径炉底電極または小径炉底電極ユニットの各々に複数
    本の給電ケーブルを接続するとともに前記複数本の給電
    ケーブルの各々に電流を個別に制御する電流制御サイリ
    スタ回路を設けて、各給電ケーブル毎に独立に給電し、
    これら給電ケーブルの周りに発生する磁場により炉内で
    発生する直流アークの方向不均一性が最小となるように
    各給電ケーブルの給電ルートを分散して配置してなるこ
    とを特徴とする上部電極と炉底電極を備えた直流電気
    炉。
  2. 【請求項2】 複数本の給電ケーブルの各々に電流の値
    を測定する電流計を備えた請求項1記載の上部電極と炉
    底電極を備えた直流電気炉。
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JP2007071509A (ja) * 2005-09-09 2007-03-22 Takuma Co Ltd 電気溶融炉の炉底電極構造

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