JP3095333B2 - シリンダブロック鋳造用金型装置 - Google Patents
シリンダブロック鋳造用金型装置Info
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Description
リンダブロックの鋳造に用いられるシリンダブロック鋳
造用金型装置に関する。
ために、金型装置が使用されている。従来技術に係るシ
リンダブロック鋳造用金型装置は、例えば、特開平4−
111955公報に開示されるように、シリンダボア形
成部が鉛直方向に複数個配置された構成が採用されてい
る。この場合、ガス抜き機構は、通常、湯口ゲートの反
対側に設けられ、さらに、キャビテイの上部のパーティ
ングライン上にガス抜きランナの端部が設けられる。
いてシリンダブロックを成形するとき、アルミニウム等
からなる溶湯は溶湯供給装置によって湯口ランナから供
給され、湯口ゲートを介してキャビテイの中に流入す
る。その際、溶湯は湯口ゲートからキャビテイの内部に
噴出するように充填される。従って、該溶湯はキャビテ
イ内部の広い空間から徐々にキャビテイの上下の狭い空
間に至る。キャビテイ内部のガスは、キャビテイの上部
に設けられたガス抜きランナから外部に排出され、この
結果、ガスと溶湯との置換が遂行される。
従来のシリンダブロック鋳造用金型装置では、キャビテ
イ上部のパーティングラインが短いため、このパーティ
ングライン上に設けられるガス抜きランナの数が少な
く、従って、溶湯が充填される際にキャビテイ内部のガ
スの逃げ道が不足する。このため、溶湯が満たされてい
ない空間が少なくなるとキャビテイ内部のガスの圧力が
高くなり、この高圧のガスが溶湯の中に閉じ込められる
に至る。この結果、溶湯が凝固して成形品となったとき
に、該成形品の内部に前記の如く残留したガスによって
鋳巣が発生していることが確認される。
図6a〜図6cは、成形品2の上部、中央部、下部の断
面図であり、成形品2の上部および下部には鋳巣4が多
く発生する。この鋳巣4が生じた成形品2は、エンジン
として組み立てられた後に圧洩れやオイル漏れ等の不良
が発生するという問題につながる懸念があった。
結し、予めキャビテイ内部を減圧しておき、その後、溶
湯をキャビテイに供給してガスと溶湯との置換を効率よ
く行う方法が考えられる。しかし、この方法も、キャビ
テイ内部のガスを全て排出することができず、成形品に
鋳巣が発生することを回避できなかった。
ビテイ内部の複雑な形状の空間を通過して充填されるた
め、流動長が長くなり、キャビテイを画成する金型の壁
面から溶湯の熱が奪われ、溶湯の流動性が阻害されて湯
回り不良が生じることがあった。
された後、該溶湯はガス抜きランナを通過して金型の外
部に流出する懸念があった。
ものであって、キャビテイの内部のガス抜き性が良好
で、鋳巣のない成形品が得られ、また、溶湯の流動長が
短くなり、溶湯が金型の外部に流出する懸念が払拭され
たシリンダブロック鋳造用金型装置を提供することを目
的とする。
めに、本発明は、エンジンを構成するシリンダブロック
の鋳造用金型装置において、一列乃至複数列のシリンダ
ボア形成部が鉛直方向に配置されたキャビテイを有し、
湯口ランナが前記キャビテイの下方両側から中央付近に
かけて形成され、湯口ゲートが前記湯口ランナの長手方
向に沿って形成され、ガス抜きランナが前記キャビテイ
の上部および下部からそれぞれ上方に延在して形成さ
れ、前記ガス抜きランナの連通する上端部には、前記ガ
ス抜きランナを介して流入した溶湯が貯留される室が設
けられることを特徴とする。
とき、溶湯は溶湯供給装置によって湯口ランナの下方両
側から供給され、中央付近にかけて延在する湯口ゲート
からキャビテイ内部に流入する。このため、溶湯のキャ
ビテイ内での流動長は短くなり、溶湯の流動性が阻害さ
れて湯回り不良が発生する懸念が払拭される。一方、溶
湯はキャビテイ内部に噴出してキャビテイ内部の広い空
間に満たされ、キャビテイ内部のガスは該溶湯によって
上下の狭い空間に分断される。このとき、キャビテイの
上部および下部から上方に延在して形成されたガス抜き
ランナを介してガスが外部に効果的に排出される。従っ
て、溶湯の充填が完了するときに、キャビテイの内部に
ガスが残留することがなく、ガスと溶湯との置換が円滑
に遂行される。このため、溶湯が冷えて凝固したときに
成形品に鋳巣が発生することを防止することができる。
ス抜きランナの連通する上端部の室に貯まり、金型の外
部に溶湯が流出することを防止することができる。
置について、好適な実施例を挙げ、添付の図面を参照し
ながら以下詳細に説明する。
鋳造用金型装置の縦断面図、図2は、図1に示すシリン
ダブロック鋳造用金型装置のII−II線断面図、図3
は、図1に示すシリンダブロック鋳造用金型装置のII
I−III線断面図、図4は、図1に示すシリンダブロ
ック鋳造用金型装置のIV−IV線断面図、図5は、図
1に示すシリンダブロック鋳造用金型装置で鋳造された
成形品を示す図である。
に係るシリンダブロック鋳造用金型装置を示す。このシ
リンダブロック鋳造用金型装置10は、下方に配設され
る第1の金型12と、該第1の金型12の上方にあっ
て、正面側に配設される第2の金型14と、背面側に配
設される第3の金型16と、右側面側に配設される第4
の金型18と、左側面側に配設される第5の金型20
と、前記第2〜第5金型14〜20の上方に配設される
第6の金型22とを備える。該第1〜第6金型12〜2
2によってシリンダブロックを成形するキャビテイ24
が画成される。前記キャビテイ24では、シリンダボア
形成部26a〜26dが鉛直方向に直列に配置され、該
シリンダボア形成部26a〜26dには、鋳造成形の際
にライナ28a〜28dが取り付けられる。
5金型20で構成される各境界面に前記キャビテイ24
の両側の下方から中央付近にかけて長尺な湯口ランナ3
0a、30bを鉛直方向に指向して画成し、該湯口ラン
ナ30a、30bの長手方向に沿って湯口ゲート32
a、32bを画成している(図4参照)。前記湯口ゲー
ト32a、32bは前記キャビテイ24に連通する。こ
れにより、溶湯の流動長を短くすることができる。前記
湯口ランナ30a、30bは前記第2金型14の下方に
設けられた湯口34に連通し、該湯口34は図示しない
溶湯供給装置に連通する。
にガス抜きランナ36a、36bが画成され、該ガス抜
きランナ36a、36bの端部は、前記キャビテイ24
のパーティングライン38上に臨む。前記第1金型12
に画成されたガス抜きランナ36aについて詳細に説明
すると、図4に示すように、前記第1金型12の上面
に、複数に分岐したガス抜きランナ36aがパーティン
グライン38上から前記第1金型12と前記第2金型1
4との境界まで延在する。そして、図3に示すように、
前記第2金型14には、その延在方向と平行に画成され
たガス抜きランナ36cと前記第1金型12に画成され
たガス抜きランナ36aとが連通する。前記第2金型1
4に画成されたガス抜きランナ36cは該第2金型14
の上部で、前記第2金型14と前記第6金型22との境
界に画成されたガス抜きランナ36d、室40に連通す
る(図1参照)。該室40は容量が大きく画成され、前
記ガス抜きランナ36dの最上部に位置している。前記
室40はバルブ42に連通し、結局、前記ガス抜きラン
ナ36a、36c、36dは前記第1金型12のパーテ
ィングライン38上から前記バルブ42まで連通するこ
とになる。前記キャビテイ24の上部に設けられたガス
抜きランナ36bも同様に、前記第6金型22のパーテ
ィングライン38上から前記バルブ42まで連通する。
型装置は基本的には以上のように構成されるものであ
り、次にその動作並びに作用効果について説明する。
28a〜28dをシリンダボア形成部26a〜26dに
装着する。このライナ28a〜28dは成形後、シリン
ダボアの内壁部を形成する。第1〜第6金型12〜22
を組み合わせてキャビテイ24が画成される。
湯供給装置によってアルミニウムの溶湯が湯口34から
供給されると、該溶湯は湯口ランナ30a、30bを介
して湯口ゲート32a、32bから噴出してキャビテイ
24に充填される。このとき、溶湯はキャビテイ24内
部の広い空間から満たされ、キャビテイ24を画成する
空間が上下二段にわたる狭い空間に分断され、夫々にガ
スが存在するに至る。そこで、キャビテイ24の下部の
ガスは第1金型12に画成されたガス抜きランナ36a
から第2金型14に画成されたガス抜きランナ36c、
36dを通ってバルブ42から外部に排出される。同様
にキャビテイ24の上部のガスは第6金型22に画成さ
れたガス抜きランナ36bを通ってバルブ42から外部
に排出される。このため、キャビテイ24内部のガスと
溶湯との置換が円滑に遂行され、溶湯の充填が完了した
ときに、該溶湯にガスが混入することを防止できる。こ
のとき、バルブ42に図示しない真空ポンプを連結し、
予めキャビテイ24内部のガスを強制的に排気して減圧
し、その後、溶湯を充填すると、さらに効率よくガス抜
きが行われる。
ち、溶湯の供給を停止する。このとき、溶湯はガス抜き
ランナ36a〜36dに流入し、さらに室40に到達す
る。この溶湯は室40に貯まり、溶湯がバルブ42を通
って第1〜第6金型12〜22の外部に流出することを
防止する。
する。そこで、第1〜第6金型12〜22を開いて該成
形品44を取り出す。このときの成形品44は、図5に
示すように、湯口ランナ30a、30b、ガス抜きラン
ナ36a〜36dおよび室40の中で凝固したアルミニ
ウムを含む。この湯口ランナ30a、30bおよびガス
抜きランナ36a〜36dの中で凝固したアルミニウム
は、次いで、切断されてシリンダブロックが完成する。
このシリンダブロックは、内部にガスが混入していない
ため、鋳巣が存在しない高品質の成形品である。
リンダブロック鋳造用金型装置について説明している
が、V型エンジンのシリンダブロック鋳造用金型装置に
用いてもよい。この場合、鉛直方向に配置されたシリン
ダボア形成部を2列備え、夫々の列が略V字状に対向す
るように配設する。
型装置によれば、以下のような効果ならびに利点が得ら
れる。
の内部のガス抜き性が良好で鋳巣のない高品質な成形品
が得られるため、成形品としてのシリンダブロックの圧
洩れやオイル漏れ等が発生する懸念を払拭することがで
き、生産効率を向上させることができる。また、金型の
外部に溶湯が流出することを防止することができるた
め、金型の保守管理が容易になる。
置の縦断面図である。
II−II線断面図である。
III−III線断面図である。
IV−IV線断面図である。
鋳造された成形品を示す図である。
ロック鋳造用金型装置で鋳造された成形品を示す図であ
り、図6aは、成形品の上部の断面図、図6bは、成形
品の中央部の断面図、図6cは、成形品の下部の断面図
である。
口ランナ 32a、32b…湯口ゲート 36a〜36d…ガ
ス抜きランナ 38…パーティングライン 40…室
Claims (1)
- 【請求項1】エンジンを構成するシリンダブロックの鋳
造用金型装置において、 一列乃至複数列のシリンダボア形成部が鉛直方向に配置
されたキャビテイを有し、湯口ランナが前記キャビテイ
の下方両側から中央付近にかけて形成され、湯口ゲート
が前記湯口ランナの長手方向に沿って形成され、ガス抜
きランナが前記キャビテイの上部および下部からそれぞ
れ上方に延在して形成され、前記ガス抜きランナの連通
する上端部には、前記ガス抜きランナを介して流入した
溶湯が貯留される室が設けられることを特徴とするシリ
ンダブロック鋳造用金型装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07066437A JP3095333B2 (ja) | 1995-03-24 | 1995-03-24 | シリンダブロック鋳造用金型装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07066437A JP3095333B2 (ja) | 1995-03-24 | 1995-03-24 | シリンダブロック鋳造用金型装置 |
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JPH08257721A JPH08257721A (ja) | 1996-10-08 |
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Family
ID=13315761
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP07066437A Expired - Fee Related JP3095333B2 (ja) | 1995-03-24 | 1995-03-24 | シリンダブロック鋳造用金型装置 |
Country Status (1)
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SE543801C2 (en) * | 2019-09-16 | 2021-07-27 | Pa Invest Ab | Tool and method for casting components from cast metal |
-
1995
- 1995-03-24 JP JP07066437A patent/JP3095333B2/ja not_active Expired - Fee Related
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