JP3093584B2 - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JP3093584B2
JP3093584B2 JP06274757A JP27475794A JP3093584B2 JP 3093584 B2 JP3093584 B2 JP 3093584B2 JP 06274757 A JP06274757 A JP 06274757A JP 27475794 A JP27475794 A JP 27475794A JP 3093584 B2 JP3093584 B2 JP 3093584B2
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忠和 大桐
伸一 小寺
浩樹 森下
恭彦 森内
浩一 安田
直行 石田
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  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真複写機、レー
ザプリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置、特に該装
置に内蔵の感光体ドラムの表面に形成されたトナー像を
用紙へ転写するローラ転写方式を用いた転写装置の改良
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ローラ転写方式を用いた転写装置は、一
方向に回転駆動する感光体ドラムの表面に導電性を有す
る転写ローラを転接させ、これによって用紙をドラム表
面のトナーに圧接するとともに、転写ローラにトナーと
逆極性の転写電圧を印加して転写を行うようにしたもの
であって、複写機等において広く採用されている。
【0003】しかしながら、ローラ転写方式を用いた従
来装置では、非通紙時において転写ローラが直接ドラム
表面に接触するため、該転写ローラの周面にドラム表面
の残留トナーが付着する、いわゆるトナー汚れが発生す
る。このため従来では、転写ローラのクリーニング手段
を別に必要としていた。また、転写ローラの周面がドラ
ム表面に均一且つ適正な圧接力で接触していないとき
は、用紙の転写画像にむらが生じるという問題点もあっ
た。
【0004】このような問題点を解決したものとして、
図4及び図5に示されるような非接触型ローラ転写方式
が開発されている。これらの図に示された転写装置で
は、転写ローラ31を装着したローラ軸32の両端部に
それぞれ該転写ローラ31よりも大径に形成された間隙
保持ローラ33を装着し、この間隙保持ローラ33の周
面を感光体ドラム34の表面に転接させることによっ
て、転写ローラ31の周面とドラム表面との間に一定の
間隙cが形成されるようにしている。
【0005】このような構成では、転写ローラ31がド
ラム34と非接触状態で対面しているので、その周面の
トナー汚れが発生せず、クリーニング手段が不要にな
る。また、ドラム表面と転写ローラ周面との間隙cが間
隙保持ローラ33によって常時、一定保持されているの
で、画像むらの発生を抑制するためにも有効であると言
える。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
非接触ローラ転写方式ではドラム34に用紙を案内する
転写前ガイド35が、機械本体の前後側板に設けた孔
(図示せず)を支点にして取り付けてあり、該支点を中
心にして回転方向に上下するように構成されていたた
め、何らかの原因で、機械本体のベースやフレーム等が
歪んだ場合、転写前ガイド35とドラム34の位置関係
に前後差が生じる。
【0007】この点について、より具体的に説明する
と、転写ローラ31及び間隙保持ローラ33を装着した
ローラ軸32の前後両端はそれぞれ軸受部材36に回転
自在に枢支されている。また、各軸受部材36はそれぞ
れローラ軸32の軸方向に亙って配設された軸受取付台
37にネジ38により締着されている。さらに、軸受取
付台37は機械本体の前後両側に設けられた側板間に架
設された支軸39に上下揺動自在に枢支されているとと
もに、該取付台37と機械本体のベース間に介装された
スプリング40によって上方にバネ付勢されている。
【0008】一方、転写前ガイド35は用紙搬送方向上
流側から下流側に向かって上方に傾斜する前後に長いガ
イド板35aを有しており、このガイド板35aの両側
に設けたブラケット35bが機械本体の前後側板間に架
設された支軸41に上下揺動自在に枢支されているとと
もに、該ブラケット35bとベース間に介装されたスプ
リング42によって上方にバネ付勢されている。
【0009】また、前記軸受部材36には転写ローラ軸
受部36aの先端側にもう一つの軸受部36bが形成さ
れ、該軸受部36b間に小径の転写前ローラ43が回転
自在に架着されている。この転写前ローラ43に前記転
写前ガイド35のガイド板35aの上面が略接触してい
る。
【0010】このような構成によると、転写前ガイド上
面上に搬送されてきた用紙は転写前ローラ43によって
搬送速度を一定に保持されつつ、ドラム表面に進入する
のであるが、前述のように転写前ガイド35の前後のブ
ラケット35bが機械本体の両側板に架設された支軸4
1に同軸に枢支されているため、機械本体のベースやフ
レーム等の歪みは転写前ガイド35のガイド板35aの
位置に直接的に反映されてしまう。このため、転写前ガ
イド35とドラム表面との位置関係に前後差が生じる場
合があり、このような場合、用紙の感光体ドラム表面へ
の接触圧が一様にならず用紙に転写された画像は前後で
濃度差を生じるという問題点があった。
【0011】本発明は、このような問題点を解決するた
めになされたもので、転写前ガイドの支持構造を前後で
独立してスライドするように構成することにより、該転
写前ガイドと感光体ドラム表面との位置関係が機械本体
のベース、フレーム等の歪みに関係なく一定に保持され
るようにすることを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では、転写ローラの周面が感光体ドラムの表
面に対して一定の間隙を存して対向しているとともに、
感光体ドラムの表面に用紙を案内する転写前ガイドを転
写ローラよりも用紙搬送方向上流側近傍に配設した画像
形成装置において、転写前ガイドの前後両端を支持する
一対のガイド取付部材を設け、これらのガイド取付部材
をそれぞれ機械本体に対して独立して上下方向にスライ
ド自在に配設し、さらに、各ガイド取付部材の上端高さ
位置が感光体ドラム表面と転写ローラ周面との間隙保持
手段の位置変位に追従変位するように構成している。
【0013】また、転写ローラを感光体ドラムの下方に
配置し、転写ローラよりも大径の間隙保持ローラを転写
ローラの両端部近傍に設けて、これらの間隙保持ローラ
が感光体ドラムの表面に当接することで転写ローラ周面
と感光体ドラム表面に所定の間隙を形成するとともに、
用紙を感光体ドラムに案内する転写前ガイドを転写ロー
ラの用紙搬送方向上流側近傍に配設した転写装置におい
て、上下方向にスライド自在に配設され上方に弾性付勢
された転写ローラのローラ軸端部を受ける軸受部材を、
ローラ軸の両端部近傍にそれぞれ独立に配設して、間隙
保持ローラをそれぞれ感光体ドラムの表面に当接させる
とともに、上下方向にスライド自在に配設され上方に弾
性付勢された転写前ガイドの端部を取り付けるガイド取
付部材を転写前ガイドの両端部近傍にそれぞれ独立に設
け、さらに、軸受部材とガイド取付部材とを係合して転
写ローラと転写前ガイドの端部の上下位置の変位を一致
させる。
【0014】上記構成において、ガイド取付部材が上方
に弾性付勢された状態でガイド取付部材の上面を軸受部
材の一部に常時当接させることで、転写ローラと転写前
ガイドの端部の上下位置の変位を一致させる。
【0015】また、ガイド取付部材と軸受部材をボスと
開口により嵌合させてガイド取付部材と軸受部材とを一
体化することで、転写ローラと転写前ガイドの端部の上
下位置の変位を一致させる。
【0016】さらに、ローラ軸両端側において、軸受部
材を弾性付勢された状態で支持する一方、ガイド取付部
材が上下方向にスライド自在に、且つ、上方に弾性付勢
された状態で装着され、機械本体に固定された一対の軸
受取付台を備える。
【0017】
【作用】転写ローラの周面が感光体ドラムの表面に対し
て一定の間隙を存して対向しているとともに、感光体ド
ラムの表面に用紙を案内する転写前ガイドを転写ローラ
よりも用紙搬送方向上流側近傍に配設した画像形成装置
において、転写前ガイドの前後両端を支持する一対のガ
イド取付部材を設け、これらのガイド取付部材をそれぞ
れ機械本体に対して独立して上下方向にスライド自在に
配設し、さらに、各ガイド取付部材の上端高さ位置が感
光体ドラム表面と転写ローラ周面との間隙保持手段の位
置変位に追従変位するようになした構成によると、感光
体ドラムと転写ローラ間の間隙を一定に保持するように
作用する間隙保持手段の位置変位に追従して、前後各ガ
イド取付部材がそれぞれ独立してスライドするため、転
写前ガイドの前後部位とドラム表面間距離は機械本体の
歪みに関係なく、常時安定することになる。
【0018】また、転写ローラを感光体ドラムの下方に
配置し、転写ローラよりも大径の間隙保持ローラを転写
ローラの両端部近傍に設けて、これらの間隙保持ローラ
が感光体ドラムの表面に当接することで転写ローラ周面
と感光体ドラム表面に所定の間隙を形成するとともに、
用紙を感光体ドラムに案内する転写前ガイドを転写ロー
ラの用紙搬送方向上流側近傍に配設した転写装置におい
て、上下方向にスライド自在に配設され上方に弾性付勢
された転写ローラのローラ軸端部を受ける軸受部材を、
ローラ軸の両端部近傍にそれぞれ独立に配設して、間隙
保持ローラをそれぞれ感光体ドラムの表面に当接させる
とともに、上下方向にスライド自在に配設され上方に弾
性付勢された転写前ガイドの端部を取り付けるガイド取
付部材を転写前ガイドの両端部近傍にそれぞれ独立に設
け、さらに、軸受部材とガイド取付部材とを係合して転
写ローラと転写前ガイドの端部の上下位置の変位を一致
させる構成では、転写ローラ軸は付勢力により前後独立
に押し上げられて、前後の間隙保持ローラがドラム表面
に当接する。このとき間隙保持ローラは前後同径である
ため、転写ローラと感光体ドラム表面との間隙はローラ
軸に沿う方向に一様になる。何らかの理由で機械本体の
ベースやフレームに歪みが発生したときも、転写ローラ
ー軸の前後両端部は独立に支持され上方に付勢されてい
るため、前後の間隙保持ローラは共にドラム表面に当接
する。このため、転写ローラと感光体ドラムの間隙は常
時一様一定に保たれる。また、前後の転写ローラ軸の軸
受部材は感光体ドラムに対して常に一定位置になる。
【0019】ガイド取付部材が軸受部材に当接する構成
においては、転写前ガイドは付勢力によって前後独立に
押し上げられて、前後のガイド取付部材が前後の軸受部
材一部にそれぞれ当接して停止する。上述のように前後
の軸受部材の感光体ドラム表面に対する位置は常に一定
であるため、前後のガイド取付部材も感光体ドラムに対
して常時一定位置となる。したがって、機械本体のベー
スやフレームの歪にかかわらず、転写前ガイドと感光体
ドラム表面の距離も一様一定に保たれる。
【0020】また、ガイド取付部材と軸受部材とを嵌合
させて一体的に動くようになした構成では、感光体ドラ
ムに対する前後の軸受部材の位置が一定であるため、前
後のガイド取付部材も当然感光体ドラムに対して一定位
置となる。したがって、転写前ガイドと感光体ドラム表
面の距離も一様一定に保持されることになる。
【0021】さらに、ローラ軸両端側において、軸受部
材を弾性付勢された状態で支持する一方、ガイド取付部
材が上下方向にスライド自在に、且つ、上方に弾性付勢
された状態で装着され、機械本体に固定された一対の軸
受取付台を備えると、機械本体のベースやフレームに歪
みが発生し軸受取付台の位置に変動が生じた場合でも、
弾性付勢されたガイド取付部材の上下位置に変化は生じ
ず、ガイド取付部材と感光体ドラム表面との間隙は一定
に保持される。
【0022】
【実施例】以下、本発明を電子写真複写機に適用した実
施例について、図面を参照しながら説明する。図1は複
写機内の要部を模式的に示している。この図において、
1は機械本体(図示せず)内に装備された感光体ドラム
である。この感光体ドラム1の周囲にはコロナ放電器か
らなる主帯電器2、現像器ユニット3、転写装置4、ク
リーニングユニット5がその順序でドラム1の回転方向
に配設されている。
【0023】主帯電器2と現像器ユニット3との間には
露光部6が、また、クリーニングユニット5と主帯電器
2との間には除電部7がそれぞれ設定されている。50
は用紙Pをドラム1と転写装置4間へ所定のタイミング
で送給する給紙ローラであって、給紙装置(図示せず)
の末端側に配設されている。
【0024】上記構成を備えた複写機にあっては、主帯
電器2のコロナ放電動作によって感光体ドラム1の表面
が帯電される。帯電されたドラム表面には露光部6にお
いて、機械本体内の上部に設けられた光学系(図示せ
ず)によって読み取られた原稿画像の静電潜像が形成さ
れ、次いで現像器ユニット3によって静電潜像に帯電ト
ナーが付着されて原稿画像のトナー像が形成される。こ
の間に給紙装置によって用紙Pが所定のタイミングでド
ラム1と転写装置4との間に送給され、転写装置4が後
に詳述するように動作し、ドラム表面のトナー像が用紙
Pに転写される。
【0025】転写終了後、ドラム表面に残存したトナー
はクリーニングユニット5に設けられたクリーニングブ
レード5aによって掻取り除去され、さらに除電部7に
おいてドラム表面が除電され、次回の帯電に備えられ
る。また、トナー像が転写された用紙Pは、機械本体内
において転写装置4よりも用紙搬送方向下流側に配設さ
れた定着装置(図示せず)によって加熱、加圧され、こ
れによってトナー像が用紙Pに定着され、最終的に機械
本体から排出される。
【0026】図2は転写装置4の具体的構成を示してい
る。この図において、8は用紙Pの案内機能を併せもつ
転写ローラであって、例えば銅、アルミニウム、鉄等の
ように導電性に優れた金属材料、カーボン等を混練した
導電性樹脂材料等からなる管体8aの外周にスポンジ等
の弾性筒を有する外筒体8bを套嵌したものであって、
ドラム1の画像形成領域を包含する長さに形成されてい
る(図3参照)。
【0027】この転写ローラ8はドラム1の下方におい
て、周面がドラム表面と対向しており、且つ、該ドラム
1とは非接触状態で配設されている。即ち、該転写ロー
ラ8を装着したローラ軸9の両端部にはそれぞれ該転写
ローラ8よりも若干大径に形成された間隙保持ローラ1
0が装着されている。この間隙保持ローラ10は後述す
るように、その周面をドラム1の表面に弾性的に転接さ
せてあり、これによって転写ローラ8の周面とドラム表
面との間に一定の間隙Cが形成されるものである。な
お、この間隙Cは具体的には0.5mm程度に設定され
ている。
【0028】転写ローラ8の用紙搬送方向上流側近傍に
はドラム表面に用紙Pを案内する転写前ガイド11が配
設されている。この転写前ガイド11は複写機の前後方
向に長いガイド板11aを有しており、ガイド板11a
は感光体ドラム1に対して平行で、かつ用紙搬送方向上
流側から下流側に向かって上昇するように傾斜して設置
されている。転写前ガイド11の上方には、転写前ロー
ラ12がガイド板11aの上面と間に微小な間隙を存し
て配設されている。転写前ローラ12はドラム1と順方
向に回転して用紙Pをドラム1の周速度と同速で送給す
るもので、機械本体に設けられたギア群、クラッチ等か
らなる周知の駆動伝達系を介してモータの駆動力によ
り、転写ローラ8とともに回転するように構成されてい
る。
【0029】上記のように構成された本実施例の転写装
置4においては、給紙装置から所定のタイミングで送給
されてきた用紙Pは、転写前ガイド11のガイド板11
a上面に案内されて感光体ドラム1の表面に当接する。
このとき、用紙Pの移動速度は給紙ローラ50によって
ドラム表面と同速になっている。用紙Pの先端部はドラ
ム表面に当接した状態で転写ローラ8とドラム1の間隙
Cに向かって進み、用紙Pは下面をガイド板11aの先
端部に支持されて上方に膨らむことになる。このため、
用紙Pの上面は転写前ローラ12に接触して転写前ロー
ラ12からも搬送力を与えられる。この搬送力により用
紙Pは後端が給紙ローラ50から開放された後も、ドラ
ム表面と同速で移動する。また、用紙Pは下面をガイド
板11aの先端に支持され上面を転写前ローラ12に押
さえらるため、用紙自身が有する腰の強さにより、間隙
Cにおいて上面が感光体ドラム1の表面に密接する。
【0030】用紙Pが転写ローラ8とドラム1の間隙C
を通過する際に、ドラム表面上のトナーとは逆極性の転
写電圧が転写ローラ8に印加される。これにより、感光
体ドラム1の表面に担持されていたトナー像は用紙Pの
上面に転写される。転写後の用紙Pはドラム表面から分
離した後、前述のように定着装置へ送られる。
【0031】なお、本実施例においては、転写前ローラ
12と転写前ガイド11のガイド板11aを非接触とし
ているが、転写前ローラ12がガイド板11a上面に略
接触するように構成してもよい。
【0032】図3は本実施例における転写前ガイド11
の支持構造の分解図を示している。図3において、13
は前後一対の軸受取付台(一方のみ図示)であって、そ
れぞれローラ軸9の両端側において、両側に設けられた
固定用ブラケット14を機械本体のベース上にネジによ
って締着することにより固定されている。各軸受取付台
13は台板15と、この台板15の上面基端部のほぼ中
央に立設された軸受装填部16及び、台板上面基端部の
左右に形成された第1、第2ガイド溝17a、17bと
を一体に設けた縦断面L字形状の樹脂成型品からなり、
台板15の先端部にはU字形状の板バネからなるガイド
付勢スプリング18が取り付けられている。
【0033】この軸受取付台13の軸受装填部16は上
端が開放した縦溝状に形成されており、その底部にはコ
イルバネからなる軸受付勢スプリング19が装入されて
おり、また、該軸受付勢スプリング19上に軸受部材2
0が、該スプリング19に上方に付勢された状態で上下
方向にスライド自在に装填されている。なお、21は軸
受装填部16の上下中間部に設けられた軸受ガイド孔、
22は該軸受ガイド孔21の下方に設けられて前記スプ
リング19の姿勢を保持する孔である。
【0034】前記軸受部材20は各軸受取付台13に対
応して前後一対(一方のみ図示)設けられており、それ
ぞれ上端に転写ローラ軸9を枢支するボス23を有する
とともに、下端に前記軸受付勢スプリング19のバネ受
け座24を有するロッド状に形成されている。また、ボ
ス23はそれぞれ内側に突出した短筒状に形成されてい
る。なお、図3では軸受部材20にローラ軸9を介して
枢支された間隙保持ローラ10がドラム1に転接してい
る状態における軸受部材20の位置を示しており、該軸
受部材20は矢印Aに示すようにドラム1からの反力を
受け、軸受付勢スプリング19の付勢力に抗してやや下
降している。
【0035】25は樹脂成型品からなるガイド取付部材
であって、転写前ガイド11の両端を支持するため一対
準備されている(一方のみ図示)。各ガイド取付部材2
5は軸受取付台13に対面する垂直壁部26を有し、そ
の内面側に転写前ガイド11の取付部が設けられてい
る。また、該垂直壁部26の軸受取付台13との対向面
には第1、第2スライド突条27a、27bが前記軸受
取付台13のガイド溝17a、17b間距離と等しい距
離を存して配設されている。さらに、第1、第2スライ
ド突条27a、27bの中間部における垂直壁部26の
上面には軸受部材20のボス23の下面に当接係合する
係合突部28が形成されており、また、第2スライド突
条27bの上方延長部分は転写前ローラ12の軸端を枢
支するブラケット29に形成されている。
【0036】このように構成された各ガイド取付部材2
5はそれぞれ第1、第2スライド突条27a、27bが
外側となる状態で転写前ガイド11の前後両端部に取付
固定され、さらに、第1、第2スライド突条27a、2
7bがそれぞれ第1、第2ガイド溝17a、17bに嵌
合し、係合突部28の上面がボス23の下面に当接させ
た状態で軸受取付台13の台板15上に装着される。
【0037】この装着状態において、各ガイド取付部材
25はそれぞれガイド付勢スプリング18によって上方
に弾性付勢され、且つ、第1、第2スライド突条27
a、27bが第1、第2ガイド溝17a、17bに嵌合
することにより上下方向にスライド自在に案内され、さ
らに係合突部28が軸受部材20のボス23と弾接する
ことにより、軸受部材20の上下位置変位に追従して変
位可能となる。そして、この上下位置変位は前後のガイ
ド取付部材25が他方に対して独立に動作することにな
る。
【0038】このように構成された転写前ガイド11の
支持構造では、機械本体に固定されている軸受取付台1
3に対して軸受部材20が軸受付勢スプリング19の付
勢力により個別に独立して変位するので、前後の間隙保
持ローラ10は常時ドラム表面に転接し、これにより該
ドラム表面と転写ローラ8の周面との間隙Cが常時一定
に保持される。
【0039】また、前後のガイド取付部材25は係合突
部28が、ドラム1との距離が一定に保持された軸受部
材20のボス23と弾接していることにより、機械本体
の歪みとは無関係にそれぞれ独立して軸受部材20のス
ライド変位に追従して上下方向にスライド変位する。従
って、機械本体の前後でドラム1と転写前ガイドの距離
が安定するので、用紙Pは該転写前ガイド11に案内さ
れることにより、前後端に亙ってドラム表面と等距離を
保持しつつ、該ドラム表面に送り込まれることになり、
これによって用紙Pには画像前後の濃度差のない鮮明な
画像が転写されるものである。
【0040】本発明の他の実施例の転写装置の要部を図
6に示す。本実施例においても転写ローラと転写前ガイ
ドは前後独立に支持されるものであり、図6には一方の
支持構造のみが示されている。本実施例の軸受取付台
は、図3に示した前記実施例の軸受取付台13とほぼ同
様の構成であり、相違点について説明する。
【0041】転写ローラ軸9を枢支するために軸受部材
20上部に設けられたボス23aは、前記実施例の短筒
状ボス23に代えて矩形に形成されている。ガイド取付
部材25の垂直壁部26は第1、第2のスライド突条2
7a、27b間において上方に延長して形成されてお
り、前記ボス23aと嵌合する矩形の開口30が設けら
れている。また、前記実施例のU字形状の板バネ18に
代えて圧縮コイルバネ18aがガイド付勢スプリングと
して用いられる。このガイド付勢スプリング18aは転
写前ガイド11の底板と機械本体のベースとの間に装着
されて、転写前ガイド11を上方に付勢するものであ
る。
【0042】ガイド取付部材25と軸受取付台13は、
第1、第2スライド突条27a、27bを軸受取付台1
3の第1、第2ガイド溝17a、17bに挿入し、軸受
ガイド孔21に装着された軸受部材20のボス23aと
開口30とを嵌合させて組み立てられる。このとき、矩
形のボス23aはその周囲4面が開口30の内面に密接
するため、軸受部材20とガイド取付部材25は固定連
結されて一体となる。
【0043】上記以外の点においては、本実施例の支持
構造は前記実施例の支持構造と同じである。次に上記支
持構造の動作を説明する。
【0044】ボス23aと開口30の嵌合によって一体
化された軸受部材20とガイド取付部材25は、軸受付
勢スプリング19とガイド付勢スプリング18aによっ
て付勢され、スライド突条27a、27bとガイド溝1
7a、17bの係合に案内されて押し上げられる。この
とき、軸受部材20に枢支された転写ローラ軸9とガイ
ド取付部材25に固定された転写前ガイド11は同じ動
きをする。転写ローラ軸9には転写ローラ8の外側に間
隙保持ローラ10が装着されており、間隙保持ローラ1
0が感光体ドラム1の表面に当接した位置で転写ローラ
軸9と転写前ガイド11の上方への動きは停止する。こ
うして、機械の転写ローラ8の一端側において、転写ロ
ーラ8とドラム表面の間隙および転写前ガイド11のガ
イド板11aとドラム表面の距離は一定に保たれること
になる。
【0045】他方の支持構造も上記支持構造と同様に構
成されており、上記と同一の動作によって転写ローラ8
とドラム表面の間隙およびガイド板11a先端とドラム
表面の距離は転写ローラ8の他端側においても一定に保
たれる。さらに、前後の間隙保持ローラ10は同径に形
成されているため、転写ローラ8と感光体ドラム1の間
隙Cおよびガイド板11aと感光体ドラム1表面との距
離は、転写ローラ軸9に沿って即ち機械の前後方向にお
いて一様になる。
【0046】このように、本実施例においては、転写ロ
ーラ軸9を前後独立に支持することによって転写ローラ
8と感光体ドラム1の間隙Cを一様一定に保持するとと
もに、転写前ガイド11を転写ローラ軸9と一体的に上
下動させることによって転写前ガイド11と感光体ドラ
ム1の距離を一様一定に保持することが可能になってい
る。
【0047】本実施例では、ガイド付勢スプリング18
aは転写前ガイド11の底板と機械本体のベースとの間
に介在する構成としたが、転写前ガイド11の底板と軸
受取付台13の台板15の間に設置してもよい。また、
ガイド付勢スプリング18aと軸受付勢スプリング19
とは一体化された軸受部材20とガイド取付部材25を
付勢するものであるから、一方が十分な付勢力を有する
場合には他方は必ずしも必要なものではなく、どちらか
一方のみで支持する構成としてもよい。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように本発明によるとき
は、転写前ガイドの前後両端を支持する一対のガイド取
付部材を設け、これらのガイド取付部材をそれぞれ機械
本体に対して独立して上下方向にスライド自在に配設
し、さらに、各ガイド取付部材の上端高さ位置が前記感
光体ドラム表面と転写ローラ周面との間隙保持手段の位
置変位に追従変位するように構成しているので、間隙保
持手段の位置変位に追従して、前後のガイド取付部材が
それぞれ独立してスライドする。
【0049】従って、転写前ガイドの前後部位とドラム
表面間距離を機械本体の歪みに関係なく、常時安定させ
ることができ、これによって転写による画像前後の濃度
差がなくなり、良質で正確な転写画像を得ることができ
る。
【0050】請求項2の構成によるときは、軸受部材が
前後独立に支持され上方に付勢されているため、機械本
体の歪みにかかわらず間隙保持ローラは感光体ドラムに
当接し、転写ローラは感光体ドラムに対して常時一定位
置となる。したがって、端部の上下位置変位が転写ロー
ラの端部の上下位置変位に一致する転写前ガイドも、感
光体ドラムに対して常時一定位置となり、転写前ガイド
とドラム表面間の間隙が一定に保持される。このため、
転写における濃度むらがなくなり、良質で正確な転写画
像を得ることができる。
【0051】請求項3によるときは、感光体ドラム表面
に対する前後の軸受部材の位置は常に一定であり、軸受
部材に常時当接する前後のガイド取付部材も感光体ドラ
ムに対して一定位置となる。したがって、転写前ガイド
は感光体ドラム表面と常に一定の間隔で対向することに
なり、転写時において前後方向にトナー濃度の差が生じ
ない。
【0052】請求項4によるときは、感光体ドラム表面
に対する前後の軸受部材の位置は常に一定であり、しか
もガイド取付部材は軸受部材と一体的に動くものである
から、前後のガイド取付部材も当然感光体ドラムに対し
て一定位置となり、転写前ガイドと感光体ドラム表面の
距離も常時一定に保持されることになる。このため、転
写時において前後方向にトナー濃度の差が発生せず、良
質で正確な転写画像が得られる。
【0053】請求項5によるときは、機械本体のベース
やフレームに歪みが発生し軸受取付台の位置に変動が生
じた場合でも、弾性付勢されたガイド取付部材の上下位
置に変化は生じないため、ガイド取付部材と感光体ドラ
ム表面との間隙は一定に保持される。したがって、前後
方向に濃度の差がない良質な転写画像を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例に係る複写機の構成を模式的
に示す断面図。
【図2】 転写装置の縦断面図。
【図3】 その要部を示す分解斜視図。
【図4】 従来の転写装置の一例を示す縦断面図。
【図5】 その要部を示す分解斜視図。
【図6】 本発明の他の実施例に係る転写装置の要部の
分解斜視図。
【符号の説明】
1 感光体ドラム 2 転写ローラ 9 ローラ軸 10 間隙保持ローラ 11 転写前ガイド 13 軸受取付台 20 軸受部材 25 ガイド取付部材 C 間隙 P 用紙
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小寺 伸一 大阪市中央区玉造1丁目2番28号 三田 工業株式会社内 (72)発明者 森下 浩樹 大阪市中央区玉造1丁目2番28号 三田 工業株式会社内 (72)発明者 森内 恭彦 大阪市中央区玉造1丁目2番28号 三田 工業株式会社内 (72)発明者 安田 浩一 大阪市中央区玉造1丁目2番28号 三田 工業株式会社内 (72)発明者 石田 直行 大阪市中央区玉造1丁目2番28号 三田 工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−101777(JP,A) 特開 平4−204979(JP,A) 特開 平4−285985(JP,A) 特開 平5−61360(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 15/16

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 転写ローラの周面が感光体ドラムの表面
    に対して一定の間隙を存して対向しているとともに、前
    記感光体ドラムの表面に用紙を案内する転写前ガイドを
    転写ローラよりも用紙搬送方向上流側近傍に配設した画
    像形成装置であって、 前記転写前ガイドの前後両端を支持する一対のガイド取
    付部材を設け、これらのガイド取付部材をそれぞれ機械
    本体に対して独立して上下方向にスライド自在に配設
    し、さらに、各ガイド取付部材の上端高さ位置が前記感
    光体ドラム表面と転写ローラ周面との間隙保持手段の位
    置変位に追従変位するように構成したことを特徴とする
    画像形成装置。
  2. 【請求項2】 転写ローラを感光体ドラムの下方に配置
    し、転写ローラよりも大径の間隙保持ローラを転写ロー
    ラの両端部近傍に設けて、これらの間隙保持ローラが感
    光体ドラムの表面に当接することで転写ローラ周面と感
    光体ドラム表面に所定の間隙を形成するとともに、用紙
    を感光体ドラムに案内する転写前ガイドを転写ローラの
    用紙搬送方向上流側近傍に配設した転写装置において、 上下方向にスライド自在に配設され上方に弾性付勢され
    た前記転写ローラのローラ軸端部を受ける軸受部材を、
    前記ローラ軸の両端部近傍にそれぞれ独立に配設して、
    前記間隙保持ローラをそれぞれ感光体ドラムの表面に当
    接させるとともに、 上下方向にスライド自在に配設され上方に弾性付勢され
    た前記転写前ガイドの端部を取り付けるガイド取付部材
    を転写前ガイドの両端部近傍にそれぞれ独立に設け、さ
    らに、前記軸受部材と前記ガイド取付部材とを係合して
    前記転写ローラと前記転写前ガイドの端部の上下位置の
    変位を一致させたことを特徴とする転写装置。
  3. 【請求項3】 前記ガイド取付部材が上方に弾性付勢さ
    れた状態でガイド取付部材の上面を前記軸受部材の一部
    に常時当接させることで、前記転写ローラと前記転写前
    ガイドの端部の上下位置の変位を一致させたことを特徴
    とする請求項2に記載の転写装置。
  4. 【請求項4】 前記ガイド取付部材と前記軸受部材をボ
    スと開口により嵌合させて前記ガイド取付部材と前記軸
    受部材とを一体化することで、前記転写ローラと前記転
    写前ガイドの端部の上下位置の変位を一致させたことを
    特徴とする請求項2に記載の転写装置。
  5. 【請求項5】 前記ローラ軸両端側において、前記軸受
    部材を弾性付勢された状態で支持する一方、前記ガイド
    取付部材が上下方向にスライド自在に、且つ、上方に弾
    性付勢された状態で装着され、機械本体に固定された一
    対の軸受取付台を有することを特徴とする請求項2に記
    載の転写装置。
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