JP3093445B2 - プラズマエッチング方法 - Google Patents

プラズマエッチング方法

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JP3093445B2 JP04151290A JP15129092A JP3093445B2 JP 3093445 B2 JP3093445 B2 JP 3093445B2 JP 04151290 A JP04151290 A JP 04151290A JP 15129092 A JP15129092 A JP 15129092A JP 3093445 B2 JP3093445 B2 JP 3093445B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は例えば半導体ウエハに対
してエッチング処理をするためのプラズマエッチング方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体ウエハの処理工程において、例え
ばキャパシタや素子の分離、あるいはコンタクトホール
の形成などのためにドライエッチングが行われている。
このようなエッチングにおいては、多様な要求がなさ
れ、レジスト膜や下地膜に対する大きな選択比、溝の側
壁のスムースな垂直性(良好な異方性)、大きなエッチ
ング速度、及び残渣が少ないことなどが要求される。
【0003】そこで従来では、例えばCCl4などのガ
スを用い、これに例えば電場をかけてプラズマを生成
し、プラズマに含まれるClによって膜を除去していく
一方、Cによりレジスト膜の有機成分やケイ素(Si)
と共に保護膜を形成して、異方性を確保すると共に、ガ
ス流量や電力値を調整して大きなエッチング速度及び高
選択比の得られる条件を見出だしてエッチングを行なう
ようにしていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
方法では、1種類のガスの中で側壁保護作用と膜の除去
作用とを持たせて異方性形状を得るようにしているた
め、例えば側壁保護作用を強くするとポリマーの一部が
予定外のところに残渣として付着するなど双方の作用が
最適に発揮される条件を見出だす事が困難である。
【0005】しかも各作用の程度は電力値の大きさ即ち
プラズマのエネルギーなどの他の条件によっても変わっ
てくるから、結局大きなエッチング速度、良好な異方性
及び高選択比を同時に満足する最適条件を見出だす事が
非常に困難である。
【0006】例えば大きなエッチング速度を得るために
はプラズマのエネルギーを大きくすればよいが、このよ
うにするとスパッタ作用が強すぎて下地膜に対する選択
比がとれなくなってオーバエッチングとなるし、また逆
にプラズマのエネルギーを小さくすると選択比が高くな
るが、今度はエッチング速度が小さくなると共に、エッ
チングすべき膜の表面に酸化部分があると、除去作用が
弱まって柱状の残渣として残ることもある。
【0007】本発明はこのような背景のもとになされた
ものであり、その目的は、高い選択比及び大きなエッチ
ング速度を得ながら良好な異方性エッチングを達成でき
る方法を提供する事にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、互い
に対向する一対の電極間に高周波電圧を印加して処理ガ
スをプラズマ化し、前記一対の電極の一方の電極上に載
置されたポリシリコン露出層を含む被処理体をプラズマ
によりエッチングするプラズマエッチング方法におい
て、前記処理ガスは、HBrとHClとを含み、処理ガ
スのプラズマ放電領域に紫外線を照射することを特徴と
する。
【0009】上記発明において流量比HBr/HClは
例えば1/30〜1/3である電極の間隔は、例えば6
〜8mmに設定され、被処理体の表面温度は60〜10
0℃に設定される。
【0010】
【作用】HBrガスとHClガスとの混合ガスを電極上
の被処理体に供給し、電極間に高周波電圧を印加して得
られたプラズマによりエッチングを行なうと、Brが例
えばレジスト膜の有機成分やケイ素(Si)などと反応
してポリマーを生成し、これにより側壁保護が行われる
と共に、Clにより例えばポリシリコン膜の除去が行わ
れると推察される。従って側壁保護作用と膜の除去作用
とが夫々2種類のガスに分担されているので、これらの
流量比をコントロールすることにより、最適なエッチン
グが行われる。
【0011】
【実施例】以下本発明の実施例について述べると、図1
はエッチング処理を行うための装置の一例を示す図であ
る。
【0012】図1に示す真空チャンバ1には、処理ガス
を導入するためのガス導入管11が連結されており、こ
のガス導入管11の出口領域には、ガスを均一に導入す
るためのガス導入室12が形成されている。
【0013】このガス導入室12と真空チャンバ1内と
の間には、例えばアルマイトよりなる第1及び第2のガ
ス拡散板13、14が設けられており、前段側の第1の
ガス拡散板13は、図2の(a)に示すように例えば口
径3〜5cm程度の孔13aが中央部とその周囲4ケ所
に形成されると共に、後段側の第2のガス拡散板14
は、図2の(b)に示すように例えば0.5〜1mm程
度の孔14aが放射状に形成されている。前記ガス拡散
板13、14や、これらを取り巻く部材は、この例では
上部電極2Aを構成するものである。
【0014】前記上部電極2Aの下方側には、半導体ウ
エハWの載置部を兼ねた下部電極2Bが上部電極2Aと
対向するように配置されており、上部電極2Aはコンデ
ンサCを介して高周波電源RFに接続されると共に、下
部電極2Bは接地されている。また前記下部電極2Bの
内部には、ウエハWを冷却し例えばその表面温度を70
〜120℃の範囲に保つための冷却流体の流路(図示せ
ず)が形成されている。
【0015】更に前記真空チャンバ1の側面には、窓部
31を介して紫外線ランプ3が配置されており、このラ
ンプ3よりの紫外線をプラズマ放電領域に照射するよう
にしている。このように紫外線のエネルギーを利用すれ
ば、低い電力エネルギーでプラズマを発生することがで
き、ウエハに対する活性種のスパッタダメージを抑える
ことができる。なお、図中15はガス排気管、16はガ
ス排気管に接続された真空ポンプ、17はAPC(au
tomatic pressure controll
er)である。
【0016】次に上述の装置を用いてエッチングを行っ
た具体的な例について述べる。シリコン基板上に酸化シ
リコン(SiO2)膜、ポリシリコン膜が夫々例えば厚
さ200オングストローム、4000オングストローム
で、この順に積層され、更にポリシリコン膜の表面に、
例えば厚さ10000オングストロームのレジスト膜が
形成された直径15cmのウエハWを被処理体として例
えば直径18cmの円形上の下部電極2B上に載置し、
第1のガスであるHBrガス及び第2のガスであるHC
lガスを、夫々例えば30sccm、200sccmの
流量でガス導入管11及びガス拡散板13、14を通じ
て真空チャンバ1内に導入すると共に、排気管15を通
じて真空引きすることにより、ガス圧を例えば600m
Torrに設定する。
【0017】そして電極2A、2B間に例えば周波数1
3.56MHz、電力値200Wの高周波電力を印加す
ると共に、紫外線ランプ7を照射してプラズマを発生さ
せ、ウエハWのポリシリコン膜のエッチングを行った。
このときウエハWの表面温度は約100℃、上部電極2
A、下部電極2Bの温度は夫々40℃、60℃であっ
た。なおウエハWの表面温度はサーモラベルを用いて測
定した。
【0018】このようなエッチングにおけるエッチング
速度及び選択比については次の通りであった。即ちポリ
シリコンのエッチング速度が3549オングストローム
/分であり、酸化シリコンに対する選択比(ポリシリコ
ンのエッチング速度/酸化シリコンのエッチング速
度)、及びレジストに対する選択比(ポリシリコンのエ
ッチング速度/レジストのエッチング速度)は夫々2
0.8及び6.5であった。
【0019】また上述のエッチングにおいて、電力値が
150W、250W、即ちウエハ単位面積当りの電力値
が0.85〜1.41W/cm2 の場合について夫々上
述と同様のエッチングを行ったところ、エッチング速
度、選択比の結果は図3に示す通りであった。なお図3
には、上述の結果も合わせて示してあり、○はポリシリ
コンのエッチング速度、△は酸化シリコンに対する選択
比、×はレジストに対する選択比である。
【0020】そして各条件でエッチングを終了した後ウ
エハ表面をSEM写真で観察したところ、下地膜をオー
バエッチすることなく、下地膜に対してほぼ垂直にポリ
シリコン膜がカットされており、更にコーナ部に残渣が
ほとんど付着しておらず、直角性の良いカットがなされ
ていた。
【0021】即ち、この実施例によれば約2400オン
グストローム/分〜3500オングストローム/分と大
きなエッチング速度でかつ酸化シリコンに対して約16
〜35と高い選択比でポリシリコンをエッチングでき、
オーバエッチすることなくかつ異方性の良いエッチング
を達成できると共に、レジストに対しても高い選択比が
得られることが理解される。
【0022】次に図1の装置を用いて、HClガスの代
わりにCl2ガスを第2のガスとして真空チャンバ1内
に導入すると共に、総流量に対するHBrの流量比を2
5%、50%、75%に夫々設定し(Cl2の流量比は
夫々75%、50%、25%となる)、更に電力値を1
75Wとして上述と同様のウエハWに対してエッチング
を行ったところ、エッチング速度、選択比の結果は図4
に示す通りであった。なお図4中○はポリシリコンのエ
ッチング速度、△は酸化シリコンに対する選択比、×は
レジストに対する選択比である。
【0023】この結果からわかるようにHBrガス及び
Cl2ガスを混合ガスとして用いた場合においても、酸
化シリコンに対して約25〜50と高い選択比でかつ2
000〜3000オングストローム/分と大きな速度で
ポリシリコンをエッチングでき、レジストに対しても大
きな選択比が得られる。
【0024】しかしながら各エッチング終了後にウエハ
の表面をSEM写真で観察したところ、HBrガスの流
量比が75%(HBr75%/Cl225%)の条件の
ものは図5に示すように下地膜(酸化シリコン膜)41
に多数の柱状の残渣41aが生成されていた。図5中4
2はポリシリコン膜、43はレジスト膜である。またH
Brガスの流量比が25%(HBr25%/Cl275
%)の条件のものについては、前記柱状の残渣は全く見
られなかったが、HBrガスの流量比が50%(HBr
50%/Cl250%)の条件のものは僅かに柱状の残
渣がみられた。
【0025】次にこのような現象を、先述のように高い
選択比が得られることと合わせて考察する。まずHBr
ガスの流量比を多くすると残渣の量が多くなることか
ら、Cl(塩素)が主としてポリシリコンを除去してい
く一方、Br(臭素)がケイ素やレジスト膜中の有機成
分と共にポリマーを生成し、これがポリシリコン膜の側
壁に付着して保護膜となり、これによって異方性が得ら
れていると考えられる。
【0026】そしてHBrの流量比がかなり大きくなる
と前記ポリマーの量が過剰になり、この結果ポリマーが
側壁以外に付着堆積して、柱状の残渣となって現れるも
のと推察される。
【0027】このような残渣はデバイスに対して不純物
となってその特性を損なうものであるから、HBrガス
とCl2ガスとの混合ガスによりエッチングを行う場合
には、上記の残渣の生成を抑えるために、混合ガス(H
Br+Cl2)に対するHBrガスの流量比が50%以
下であることが望ましい。またHBrガスの流量比が小
さすぎると、側壁保護機能が低下し、側壁がえぐられて
アンダーカットになってしまうため結局HBrガスの流
量比は5〜50%の範囲であることが好ましい。
【0028】以上のようにBrによる側壁保護機能とC
lによる膜の除去機能との相互作用により異方性エッチ
ングを確保するにあたっては、柱状の残渣の生成を抑え
るために、Clに対するBrの量がある限界値を越えな
いようにすることが重要であるが、その限界値について
は、Brを生成するガスの種類とClを生成するガスの
種類によって左右されると考えられ、予め実験を行なっ
て、柱状の残渣が生成される流量比を把握しておくこと
が必要である。
【0029】そしてHBrガスとHClガスとの混合ガ
スにより上述のウエハに対してエッチングを行なったと
ころ、少なくともHBrガスが10〜50sccm、H
Clガスが150〜300sccmの範囲においては、
柱状の残渣が生成されることなく、コーナーの直角性の
良い良好なエッチングを行なうことができた。
【0030】ここで除去機能を果たすハロゲンとして
は、Clに限らず、Br以外の例えばFなどであっても
よく、そのハロゲンを含むガスであれば第2のガスとし
て種々のガスを用いることができる。
【0031】また側壁保護機能を果たすBrを含む第1
のガスとしては、HBrガスに限らずBr2ガスなど種
々のガスを用いることができる。
【0032】また本発明ではエッチングに直接関与する
ガスの他に、例えばプラズマを安定させるためにHeな
どの不活性ガスを真空チャンバ内に導入するようにして
もよい。更にまた第1のガスとしては、少なくともBr
を含むガスであれば他のハロゲンを含む化合物であって
もよく、第2のガスとしては、少なくともBr以外のハ
ロゲンを含むガスであれば、その中にBrが含まれてい
るガスであってもよい。
【0033】図6は被処理体(半導体ウエハ)Wを機械
的クランプ手段で固定するとともに、半導体ウエハW裏
面と、これを支持する下部電極上面との間の空間に伝熱
媒体としての気体を導入する装置を用いて、ポリシリコ
ンのエッチングをおこなう例を示している。
【0034】本図中、5はアルミニウム表面をアルマイ
ト処理し内部を気密に保持した反応容器であって、その
上部には、昇降機構51により昇降可能な電極体52が
設けられている。この電極体52は表面をアルマイト処
理したアルミニウムから作られている。また、この電極
体52には冷却手段が組み合わせられており、この冷却
手段は、例えば電極体52内部に循環する流路53と、
これに配管54を介して接続された冷却装置55とから
なり、例えば水を所定温度に制御して循環する構造とな
っている。
【0035】この電極体52の下面には例えば多数の孔
が形成されたアモルファスカーボン製の上部電極6A
が、この電極体52と電気的に接続されかつ空間60を
介して設けられている。この空間60にはガス供給管6
1が接続されており、このガス供給管61は、反応容器
5外部のガス供給源(図示しない)からの反応ガスを空
間60に供給する役割をもっている。この上部電極6A
および電極体52の周囲には絶縁リング56が設けられ
ている。この絶縁リング56の下面から上部電極6A下
面周縁部に延びるようにしてシールドリング57が配設
されている。このシールドリング57はエッチング処理
される半導体ウエハWとほぼ同じ口径にプラズマを発生
できるように絶縁体例えば四弗化エチレン樹脂で形成さ
れている。また、反応容器5の下方には反応容器5内部
を所定の真空状態に排気するための排気管58が設けら
れている。さらに上部電極6Aは高周波電源RFに接続
されている。
【0036】そして配管61の途中には上部電極6Aの
冷却不良を検出するため、フロースイッチ62が設けら
れ、配管54中に流れる冷却水の流量が設定範囲内であ
るか否かまたは冷却水の流れの有無を検出し、設定値か
ら外れた場合にプラズマの発生を停止するようになって
いる。
【0037】上部電極6Aの下方に、これに対向して半
導体ウエハWの載置台を兼ねる下部電極6Bが設けられ
ている。また下部電極6Bの上面には、厚み約25ミク
ロンの絶縁性弾性フィルム63(ポリイミド系樹脂)が
アクリル系接着剤により貼り付けられている。この弾性
フィルム63は半導体ウエハWと下部電極6Bとの間の
インピーダンスを一定にするために設けられている。す
なわち、半導体ウエハWと下部電極6Bとの間のインピ
ーダンスは両者の間の間隔依存するため不均一になり易
いが、両者の間に絶縁性弾性フィルム63を介在させる
ことにより、両者間のインピーダンスは両者の面間の間
隔よりも弾性フィルム63により支配されるため一定と
なりやすくなる。
【0038】下部電極6Bの外周側には、例えばエアシ
リンダなどの駆動機構64によって昇降可能なクランプ
リング65が配置されており、このクランプリング65
によって、半導体ウエハWの周縁部を弾性フィルム63
側に押圧することにより、半導体ウエハWは所定のクラ
ンプ荷重で下部電極6Bの上面に保持される。
【0039】また、下部電極6Bの上面は、半導体ウエ
ハWの周縁部にクランプリング65によって加えられた
クランプ荷重が、半導体ウエハWの周辺部での固定によ
る等分布荷重として加わったと仮定した時の半導体ウエ
ハWの変形曲面(等分布荷重曲面)とほぼ同一の曲面で
凸状に形成されている。
【0040】下部電極6Bには半導体ウエハWを冷却す
るように冷却水管66に連通する冷却ジャケット67が
内蔵されている。
【0041】ここで、下部電極6Bの上面に配置された
弾性フィルム63と半導体ウエハWとの間には、微視的
に見ると半導体ウエハW裏面の表面粗さにより微小な空
間が必然的に形成される。そのため、下部電極6B内部
には、弾性フィルム63と半導体ウエハWとの間の伝熱
を助ける媒体となる気体を上記微小空間内に導入するた
めのガス導入管7が中央部を貫通して設けられている。
このガス導入管7は反応容器5外に配置された圧力調整
機構70を介してガス供給源71に接続されている。
【0042】ガス導入管7は圧力調整機構70内で分岐
され、一方の分岐管には、ガス供給源71側から順に、
導入ガスの流量を調整する流量調整器72、主開閉弁7
3および圧力ゲージ74が設けられている。また、他方
の分岐管には、副開閉弁75および圧力調整弁76を介
して真空ポンプ77に接続されている。圧力調整弁76
は圧力ゲージ74によって計測された弾性フィルム63
と半導体ウエハWとの間の上記微小空間内の圧力に応じ
て予め記憶された制御プログラムにより自動的にコンピ
ュータ制御が、コントローラ78によってなされ、また
主開閉弁73と副開閉弁75とが連動するように構成さ
れている。
【0043】伝熱媒体用ガスとしては、窒素ガス、ヘリ
ウム、アルゴンなどの不活性ガスが用いられるが、半導
体ウエハの処理に用いられる反応ガスを用いることも可
能であり、特にガスの種類には限定されない。
【0044】上記のような機械的クランプによる半導体
ウエハWの固定方式のほか、図7に示すような静電チャ
ックにより半導体ウエハWを固定するようにしてもよ
い。
【0045】図7は下部電極部分のみを示しており、他
の構成は図6に示すものと全く同様のものを用いること
ができる。
【0046】この図7の装置を説明すると、下部構成部
材81上に絶縁部82を介してテーブル83が設けられ
ている。このテーブル83には、半導体ウエハWを固
定、保持する静電チャック84と、半導体ウエハWの温
度調節を行う温度調節部85とが設けられ、温度調節部
85には冷却流体を循環させる流体通路86が形成され
ている。
【0047】さらに、下部構成部材81と絶縁部82と
テーブル83を貫通して、熱伝達ガス供給孔87が形成
されると共に、この熱伝達ガス供給孔87の基端部には
熱伝達ガスユニット88が接続されており、当該熱伝達
ガスユニット88よりこのガス供給孔87を介して、ヘ
リウムなどの熱伝達ガスを静電チャック84と半導体ウ
エハWとの間に、例えば10Torrの圧力で毎秒1c
c供給することにより、半導体ウエハWと静電チャック
87間の温度差を10℃以下に抑えることも可能であ
る。
【0048】静電チャック84は、下部電極を構成する
チャック本体91と、チャック本体91の上面に配置さ
れる柔軟性を有する静電吸着シート92と、この静電吸
着シート92に給電するための給電用シート93とを有
する。チャック本体91は、例えばアルミニウムで形成
され、裏面まで貫通する矩形の穴(図示しない)を有す
る。
【0049】静電吸着シート92は絶縁性の2枚のポリ
イミドシート92aと、これらのポリイミドシート92
aの間に介挿された誘電層としての導電性シート92b
とを有し、チャック本体91の表面形状に合わせて円形
に形成されている。2枚のポリイミドシート92aの周
縁部は、導電性シート92bの周縁部を覆うように融着
されている。導電性シート92bは銅などの導電体で形
成され、約20ミクロンの厚みを有し、ポリイミドシー
ト92aは1枚当たり約50ミクロンの厚みを有してい
る。
【0050】給電用シート93は、静電吸着シート92
と同様に2枚のポリイミドシート93aと、これらの間
に介挿された導電性シート93bとから構成される。な
お、給電用シート93と静電吸着シート92とは熱膨脹
係数がほぼ等しい材質であればよく、必ずしも同一材料
で形成する必要はない。
【0051】給電用シート93の一端部に接点が形成さ
れ、静電吸着シート92の裏面に形成された接点に電気
的に接続されている。給電用シート93の他端部にも接
点が形成され、この接点がリード線94に電気的に接続
されている。このリード線94は、スイッチ95を介し
て直流電源96に接続されている。従って、スイッチ9
5をONにして直流電源96から例えば2kVの直流電
圧を給電用シート93を介して静電吸着シート92に印
加することができる。なお、上記給電用シート93の他
端部の接点の付近は図示しないOリングにより気密にシ
ールされている。
【0052】上記静電チャック84では、半導体ウエハ
Wと、静電吸着シート92の導電性シート92bとの間
に直流電源96によって高電圧(2kV)を印加し、導
電性シート92bと半導体ウエハWとに正と負の電荷を
生じさせ、この間に働くクーロン力によって半導体ウエ
ハWを吸着保持することができる。この際の吸着力F
は、S:導電性シート252の面積、ε:絶縁膜の誘電
率、V:電圧、d:絶縁膜の厚み、とすると、理論的に
は下記の式によって表される。
【0053】F=(1/2)Sε(V/d)2 上記吸着力Fは、絶縁膜にポリイミドシートを用いた場
合には、F=50g/cm2 、セラミックを用いた場合
には、200〜500g/cm2 となる。
【0054】本実施例では、上記吸着力Fを得るための
給電手段として、静電吸着シート92とチャック本体9
1によって覆われている給電用シート93とを使用して
いる。従って、静電チャックをプラズマエッチング装置
のチャックに使用する場合には、給電用シート93がプ
ラズマ生成空間に露出していないので、プラズマダメー
ジを受けることなく、シートの寿命を大幅に伸ばすこと
ができる。
【0055】さらに本実施例ではプラズマエッチングを
行う際に、温度調節部85によって半導体ウエハWの温
度調節、例えば冷却をおこなっている。このような冷却
を行うためには、半導体ウエハWと静電吸着シート92
との間に熱伝達率を高めるためのガスを充填すること
(例えば図6に示す装置を介して)が不可欠となる。つ
まり、上述した上記吸着力Fでは熱伝達が良好に行われ
ないからである。そこで、上記吸着力Fは、半導体ウエ
ハWおよび静電吸着シート92の間に導入される熱伝導
性ガスの圧力を高めるための密封作用も有している。
【0056】静電吸着シート92および給電用シート9
3の絶縁層と導電層を形成する絶縁材料、導電材料とし
ては、ポリイミド、銅に限定されるもではなく、絶縁層
としてはセラミックシートも用いることができる。な
お、静電吸着シート92および給電用シート93の材料
としては、両者の熱変形によって接点間の電気的接続に
支障を生じないような、熱膨脹係数がほぼ等しい材料で
あればいずれでもよい。
【0057】なお、上記静電チャックをプラズマエッチ
ング装置に適用した場合には、プラズマが上部電極と下
部電極との間に発生した時に、これらの電極間に配置さ
れた半導体ウエハは発生したプラズマによって上部電極
と導通し、半導体ウエハに負の電荷が蓄積される。その
ため、正の電荷が蓄積される静電吸着シートと半導体ウ
エハとの間のクーロン力が増加し、静電チャックの吸着
力が高められる。
【0058】次に、図6に示す装置を用い、下部電極の
温度変化がエッチング速度、エッチングの選択比、エッ
チング形状等に与える影響について調べた実施例につい
て説明する。
【0059】シリコン基板上に酸化シリコン(SiO2
)膜、ポリシリコン膜がそれぞれ例えば厚さ200オ
ングストローム、4000オングストロームで、この順
に積層され、さらにポリシリコン膜の表面に、例えば厚
さ10000オングストロームのレジスト膜が形成され
た直径15cmの半導体ウエハWを被処理体として例え
ば直径18cmの円形上の下部電極114上に載置し、
第1のガスであるHBrガスおよび第2のガスであるH
Clガスをそれぞれ例えば30sccm、200scc
mの流量でガス供給管61を通じて反応容器5内に導入
するとともに、排気管58を通じて真空引きすることに
より、ガス圧を500mTorrに設定する。
【0060】また、電極6A、6B間の間隔を8mmと
し、クランプ圧力を5kg/cm2とし、冷却用ガス媒
体としてヘリウムをバックプレッシャ3Torrでガス
導入管7を介して5sccm流した。
【0061】そして電極6A、6B間に例えば周波数1
3.56MHz、電力値200Wの高周波電力を印加
し、プラズマを発生させ、半導体ウエハWのポリシリコ
ン膜のエッチングを行った。このとき、上部電極6Aの
温度を40℃とし、下部電極6Bの温度を20℃から8
0℃に変化させた。このとき半導体ウエハWの表面温度
は約60℃から約120℃に変化した。なお、半導体ウ
エハWの表面温度の測定はサーモラベルを用いておこな
った。
【0062】この結果を図8および図9(A)〜(D)
に示す。図8に示す特性図の横軸のカッコ内温度はウエ
ハの表面温度である。また図9(A)は下部電極6Bの
温度を20℃とした場合、図9(B)は下部電極6Bの
温度を40℃とした場合、図9(C)は下部電極6Bの
温度を60℃とした場合、図9(D)は下部電極6Bの
温度を80℃とした場合を示す。図中、97はシリコン
基板、98はシリコン酸化膜、99はポリシリコン、1
00はレジスト膜である。
【0063】すなわち、ポリシリコンのエッチング速度
は、下部電極6Bの温度を80℃の場合に増大が見られ
たがそれ以下の温度では有意な差異は認められなかっ
た。SiO2 に対するエッチング速度は、下部電極6B
の温度が上昇するにつれて増大した。ポリシリコンの酸
化シリコンに対する選択比(ポリシリコンのエッチング
速度/酸化シリコンのエッチング速度)は、下部電極6
Bの温度が上昇するにつれて著しく減少した。ポリシリ
コンのレジストに対する選択比(ポリシリコンのエッチ
ング速度/レジストのエッチング速度)は、下部電極6
Bの温度が上昇するにつれてやや増大した。さらに下部
電極6Bの温度が80℃の場合、図9(D)に示すよう
にサイドエッチングが大きくなった。
【0064】このようなことから、下部電極6Bの温度
は20℃から60℃の範囲が適当であることが認められ
た。なお、下部電極6Bの温度が20℃未満であると、
ポリシリコンのエッチング速度が低下し、エッチングに
長時間を要し、またウエハ上に異物が残り易いなどの問
題があり、好ましくない。
【0065】次に、図6に示す装置を用い、下部電極と
上部電極との間隔の変化がエッチング速度、エッチング
の選択比、エッチング形状等に与える影響について調べ
た実施例について説明する。
【0066】シリコン基板上に酸化シリコン(SiO2
)膜、ポリシリコン膜がそれぞれ例えば厚さ200オ
ングストローム、4000オングストロームで、この順
に積層され、さらにポリシリコン膜の表面に、例えば厚
さ10000オングストロームのレジスト膜が形成され
た直径15cmの半導体ウエハWを被処理体として例え
ば直径18cmの円形上の下部電極6B上に載置し、第
1のガスであるHBrガスおよび第2のガスであるHC
lガスをそれぞれ例えば30sccm、200sccm
の流量でガス供給管61を通じて反応容器5内に導入す
るとともに、排気管58を通じて真空引きすることによ
り、ガス圧を500mTorrに設定する。
【0067】また、クランプ圧力を5kg/cm2 と
し、冷却用ガス媒体としてヘリウムをバックプレッシャ
3Torrでガス導入管122を介して5sccm流し
た。
【0068】そして電極6A、6B間に例えば周波数1
3.56MHz、電力値200Wの高周波電力を印加
し、プラズマを発生させ、半導体ウエハWのポリシリコ
ン膜のエッチングを行った。このとき、上部電極6Aの
温度を40℃、下部電極6Bの温度を60℃とし、下部
電極と上部電極との間隔を6mm〜8mmに変化させ
た。この結果を図10に示す。
【0069】すなわち、ポリシリコンのエッチング速度
は、下部電極と上部電極との間隔が大きくなるにしたが
い、低下し、SiO2 に対するエッチング速度は、下部
電極と上部電極との間隔が8mmのときやや低下した。
またポリシリコンの酸化シリコンに対する選択比(ポリ
シリコンのエッチング速度/酸化シリコンのエッチング
速度)は、下部電極と上部電極との間隔が8mmのとき
最大値を示した。さらにポリシリコンのエッチング均一
性は下部電極と上部電極との間隔が大きくなるにしたが
い低下し、前記間隔が10mmのときにはエッチング速
度の面内のばらつきが20%近くなってしまった。この
ようなことから、下部電極と上部電極との間隔は6mm
〜8mmの範囲が適当であることが認められた。
【0070】
【発明の効果】本発明によれば、HClとHBrとを用
いてエッチングを行っており、実験例からもわかるよう
にBrによる側壁の保護作用とClによる膜の除去作用
とが相俟って異方性のエッチングが達成できると推察さ
れることから、BrとClの量を夫々コントロールする
ことでエッチングの状態を選定することができ、従って
従来例えばCCl4などのように1種類のガスを用いて
異方性を持たせていた場合に比べ、エッチングの状態の
選定範囲が広くなる。この結果高い選択比でエッチング
速度が大きく、しかも残渣が少なく直角性のよいカット
が得られ、良好な異方性エッチングを達成することがで
き、デバイスの高集積化に伴う微細パターンのエッチン
グに対し極めて有効な方法である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に用いた装置の一例を示す説明
図である。
【図2】図1の装置に用いたガス拡散板の一例を示す平
面図である。
【図3】電源電力とエッチング速度及び選択比との関係
を示す特性図である。
【図4】HBrの流量比とエッチング速度及び選択比と
の関係を示す特性図である。
【図5】ウエハ表面の一部を拡大して示す説明図であ
る。
【図6】本発明の実施例に用いた装置の他の例を示す説
明図である。
【図7】本発明の実施例に用いた装置の更に他の例を示
す説明図である。
【図8】電極温度とエッチング速度及び選択比との関係
を示す特性図である。
【図9】電極温度毎のエッチングの状態を示す説明図で
ある。
【図10】電極間隔とエッチング速度、選択比、及びエ
ッチングの均一性との関係を示す特性図である。
【符号の説明】
1、5 真空チャンバ 13、14 ガス拡散板 2A、6A 上部電極 2B、6B 下部電極 3 紫外線ランプ 11、61 ガス供給管 65 クランプリング 70 圧力調整機構 84 静電チャック 92 静電吸着シート 93 給電シート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/3065 C23F 4/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに対向する一対の電極間に高周波電
    圧を印加して処理ガスをプラズマ化し、前記一対の電極
    の一方の電極上に載置されたポリシリコン露出層を含む
    被処理体をプラズマによりエッチングするプラズマエッ
    チング方法において、 前記処理ガスは、HBrとHClとを含み、 処理ガスのプラズマ放電領域に紫外線を照射することを
    特徴とするプラズマエッチング方法。
  2. 【請求項2】 流量比HBr/HClは1/30〜1/
    3であることを特徴とする請求項1記載のプラズマエッ
    チング方法。
  3. 【請求項3】 一対の電極の間隔を6〜8mmに設定
    し、被処理体の表面温度を60〜100℃に設定した請
    求項1または2記載のプラズマエッチング方法。
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