JP3092655U - 粉粒体供給装置の分割供給漏斗 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ホッパーに交互に異なる粉粒体を供給する粉
粒体供給装置を対象とし、一度取出口を開けると容易に
閉じることができない粉粒体の供給方法であっても、取
出口を左右に移動させて容易に供給できる分割供給漏斗
を提供する。 【解決手段】 左右に一列状に複数設けたホッパー上に
取り付ける枠体10であって、平面視が略長方形の枠体10
を前後方向に仕切る中仕切り板12を設け、中仕切り板12
より前側の落し口30a，30b，30c，30dと中仕切り板12よ
り後側の落し口20a，20b，20c，20dの開口をそれぞれ隣
接する別のホッパー上に連結した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、農作物の栽培のための多条用の施肥機や施肥播種機などの粉粒体供 給装置において、複数のホッパーに肥料や種子などの粉粒体を容易に供給できる ようにするための分割供給漏斗に関する。

【０００２】

【従来の技術】

一畦に２種類の肥料を異なる量に調整して施肥する施肥機や、圃場に肥料を施 肥した直後に種子を播種する施肥播種機が知られている。

【０００３】 一畦に２種類の肥料を施肥する施肥機では、回転繰出機構を前後に設け、前後 の繰出機構上にそれぞれホッパーを設け、前後の繰出機構から繰り出された肥料 を一つの開溝器に導いて施肥するものが知られている。

【０００４】 しかし一般的には、この前後の繰出機構によるものでは、それぞれに駆動機構 を設けなければならず構造が複雑となるため、図１および図２に示すような、左 右に隣接して二つの回転繰出機構を設け、その繰出機構上に大きなホッパーを設 け、その内部を別々の肥料用に二つに仕切り、左右の繰出機構に別々の肥料を供 給し、左右の繰出機構から繰り出された肥料を一つの開溝器に導いて施肥するも のが使用されている。そのため、駆動機構やホッパーも簡単な構造で安価に提供 できる。

【０００５】 なおこの通称Ｗタンクと呼ばれる施肥機のホッパーでは、その内部を主たる肥 料用の大容量の主ホッパーと、従たる肥料用の小容量の従ホッパーとに仕切られ 、左右に一列状に複数設けた主従のホッパーに交互に異なる肥料を供給すること になる。

【０００６】 施肥播種機では、前側に施肥用の回転繰出機構と開溝器を設け、後側に播種用 の回転繰出機構と開溝器を設けたものが一般的に知られている。しかし、この場 合も構造が複雑となる欠点を解消するため、実公昭５７−１８８８８号公報に示 されるように、左右一列状に回転繰出機構を設けたものが知られている。

【０００７】 この左右一列状に回転繰出機構を設けた施肥播種機は、前側に種子ホッパーを 後側に肥料ホッパーを設け、施肥用の繰出機構上に肥料ホッパーの底部を開口連 結し、播種用の繰出機構と種子ホッパーの底部を導入樋で連結している。なお、 左右一列状の施肥用の回転繰出機構と播種用の回転繰出機構の下方に受箱を設け 、それぞれ受箱の下部は二又になして可撓落下管を連結し、一つの開溝器に施肥 用の可撓落下管と播種用の可撓落下管を導いている。

【０００８】 一方、これら施肥機や施肥播種機に供給する肥料は大量に使用されるため、２ ０kg入りのビニール袋から５００kg入りのフレキシブルコンテナに替わってきて いる。フレキシブルコンテナとは、下方に取出口のある大きな袋で、施肥機や施 肥播種機のホッパー上にクレーン付トラックで吊り上げ、取出口を開けて供給す る。

【０００９】

【考案が解決しようとする課題】

上記Ｗタンクの施肥機のように、一列状に複数設けたホッパーに交互に異なる 肥料を供給することは、一つのホッパーの容量が４０〜８０kg程度であるため、 ２０kg入りのビニール袋を開けて供給することは容易である。しかし、５００kg 入りのフレキシブルコンテナで大容量の主ホッパーにのみ供給しようとすると、 フレキシブルコンテナは一度取出口を開けると容易に閉じることができず、ホッ パーから肥料を溢れさせたり異なる肥料用のホッパーに流れ込んだりすることが あった。

【００１０】 また、上記左右一列状に回転繰出機構を設けた施肥播種機では、種子ホッパー が前側に、肥料ホッパーが後側に一列状に位置することになり、フレキシブルコ ンテナから肥料を供給するには、取出口を左右に移動させれば良く、容易である 。しかし、播種用の繰出機構と種子ホッパーの底部を導入樋で連結することは、 肥料ホッパーも導入樋の通過部分が切り欠かれホッパーの形状が複雑化し、安価 に提供できないことになる。

【００１１】 そこで本考案は、左右一列状に複数設けたホッパーに交互に異なる粉粒体を供 給する構造が簡単で安価に提供できる施肥機などの粉粒体供給装置を対象とし、 フレキシブルコンテナのように一度取出口を開けると容易に閉じることができな い粉粒体の供給方法であっても、取出口を左右に移動させて容易に供給でき、粉 粒体を溢れさせたり異なる粉粒体用のホッパーに流れ込ませたりすることが無い 粉粒体供給装置の分割供給漏斗を提供することを目的とする。

【００１２】

【課題を解決するための手段】

請求項１の考案の粉粒体供給装置の分割供給漏斗は、左右に一列状に複数設け たホッパー２上に取り付ける枠体10であって、平面視が略長方形の枠体10を前後 方向に仕切る中仕切り板12を設け、中仕切り板12より前側の落し口30a，30b，30 c，30dと中仕切り板12より後側の落し口20a，20b，20c，20dの開口をそれぞれ隣 接する別のホッパー２上に連結したものである。

【００１３】 請求項２の考案の粉粒体供給装置の分割供給漏斗は、中仕切り板12より前側の 落し口30a，30b，30c，30dの間と中仕切り板12より後側の落し口20a，20b，20c ，20dの間にそれぞれ三角屋根状の分割シュート22a，22b，23，31a，31b，32を 設けたものである。

【００１４】 請求項３の考案の粉粒体供給装置の分割供給漏斗は、中仕切り板12より前側に 位置する枠体10の前側板11の上端を中仕切り板12の上端より高くし、中仕切り板 12より後側に位置する枠体10の後側板13の上端を中仕切り板12の上端より低くし たものである。

【００１５】

【考案の実施の形態】 請求項１の考案では、平面視が略長方形の枠体10を前後方向に仕切る中仕切り 板12を設け、中仕切り板12より前側の落し口30a，30b，30c，30dと中仕切り板12 より後側の落し口20a，20b，20c，20dの開口をそれぞれ隣接する別のホッパー２ 上に連結したから、中仕切り板12より前側の落し口30a，30b，30c，30dまたは中 仕切り板12より後側の落し口20a，20b，20c，20dの上を取出口を閉じることなく 左右に移動させて目的のホッパー２に供給できる。

【００１６】 請求項２の考案では、中仕切り板12より前側の落し口30a，30b，30c，30dの間 と中仕切り板12より後側の落し口20a，20b，20c，20dの間にそれぞれ三角屋根状 の分割シュート22a，22b，23，31a，31b，32を設けたから、供給された粉粒体は 自然流下してホッパー２に供給される。

【００１７】 請求項３の考案では、中仕切り板12より前側に位置する枠体10の前側板11の上 端を中仕切り板12の上端より高くし、中仕切り板12より後側に位置する枠体10の 後側板13の上端を中仕切り板12の上端より低くしたから、中仕切り板12より前側 の落し口30a，30b，30c，30dに供給するときに前側板11の上端が高いので粉粒体 を枠体10から落下させること無く、中仕切り板12より後側の落し口20a，20b，20 c，20dに供給するときに中仕切り板12の上端が高いので粉粒体を中仕切り板12よ り前側の落し口30a，30b，30c，30dに流れ込ませることが無い。

【００１８】

【実施例】

以下、本考案の一実施例について図面を参照して説明する。

【００１９】 粉粒体供給装置として、一畦に２種類の肥料を四畦に施肥する施肥機１を示し ている。この施肥機１は、左右に隣接して異なる肥料用の二つの回転繰出機構を 設け、その繰出機構を左右に一列状に四個設け、それらの繰出機構上に左右に一 列状に大きなホッパー２を四個設け、ホッパー２の内部を別々の肥料用に左右に 二つに仕切り、左右の繰出機構に別々の肥料を供給し、左右の繰出機構から繰り 出された肥料を一つの開溝器７に導いて施肥するものである。

【００２０】 この通称Ｗタンクと呼ばれる施肥機１のホッパー２では、その内部を主たる肥 料用の大容量の主ホッパー3a，4a，5a，6aと、従たる肥料用の小容量の従ホッパ ー3b，4b，5b，6bとに仕切られ、左右に一列状に四個設けた主従のホッパー２に 交互に異なる肥料を供給すると、一畦に２種類の肥料を四条に施肥できる。

【００２１】 つまり、ホッパー２の主ホッパー3aと従ホッパー3bに供給された肥料は開溝器 7aから本圃に施肥され、主ホッパー4aと従ホッパー4bに供給された肥料は開溝器 7bから本圃に施肥され、主ホッパー5aと従ホッパー5bに供給された肥料は開溝器 7cから本圃に施肥され、主ホッパー6aと従ホッパー6bに供給された肥料は開溝器 7dから本圃に施肥される。

【００２２】 つぎに、左右に一列状に四個設けたホッパー２の上に取り付けられ、フレキシ ブルコンテナからの肥料を分配供給する粉粒体供給装置の分割供給漏斗としての 枠体10について説明する。

【００２３】 図１において、枠体10はホッパー２の上端左右の幅とほぼ同じ幅であり、図２ において、枠体10はホッパー２の上端前後の長さとほぼ同じ長さであり、平面視 が略長方形を成している。

【００２４】 平面視が略長方形の枠体10の前側を前側板11、後側を後側板13、左右側を一対 の横側板14とし、横側板14の間に枠体10をほぼ中央で前後方向に垂直に仕切る中 仕切り板12を設ける。前側板11と後側板13および横側板14の下方外周に額縁状に 位置決め板15を設け、位置決め板15がホッパー２の上端に載って枠体10がホッパ ー２の上に取り付けられる。

【００２５】 中仕切り板12より前側の下端部を前落し口30とし、四個の落し口30a，30b，30 c，30dを設ける。前側の各落し口30a，30b，30c，30dは、ホッパー２の従ホッパ ー3b，4b，5b，6b上に連結する。つまり、落し口30aは従ホッパー3bの中に、落 し口30bは従ホッパー4bの中に、落し口30cは従ホッパー5bの中に、落し口30dは 従ホッパー6bの中にはまり込んで連結される。

【００２６】 中仕切り板12より後側の下端部を後落し口20とし、四個の落し口20a，20b，20 c，20dを設ける。後側の各落し口20a，20b，20c，20dは、ホッパー２の主ホッパ ー3a，4a，5a，6a上に連結する。つまり、落し口20aは主ホッパー3aの中に、落 し口20bは主ホッパー4aの中に、落し口20cは主ホッパー5aの中に、落し口20dは 主ホッパー6aの中にはまり込んで連結される。

【００２７】 これにより、前側の各落し口30a，30b，30c，30dは従ホッパー3b，4b，5b，6b に連結され、後側の各落し口20a，20b，20c，20dは主ホッパー3a，4a，5a，6aに 連結され、前落し口30と後落し口20の開口をそれぞれ隣接する別のホッパー２上 に連結したことになる。

【００２８】 中仕切り板12より前側の落し口30a，30b，30c，30dの間にそれぞれ三角屋根状 の分割シュート31a，31b，32を設ける。また、中仕切り板12より後側の落し口20 a，20b，20c，20dの間にそれぞれ三角屋根状の分割シュート22a，22b，23を設け 、両外側の落し口20a，20dと横側板14との間に落し口20a，20dに向かって傾斜し たシュート21a，21bを設ける。

【００２９】 中仕切り板12より前側に位置する枠体10の前側板11の上端を中仕切り板12の上 端より高くする。実施例では前側板11を中仕切り板12より５cm高くした。また、 中仕切り板12より後側に位置する枠体10の後側板13の上端を中仕切り板12の上端 より低くする。実施例では後側板13を中仕切り板12より５cm低くした。

【００３０】 以上の実施例では、前落し口30を従ホッパー3b，4b，5b，6bに後落し口20を主 ホッパー3a，4a，5a，6aに連結した例を示したが、逆に連結しても良い。

【００３１】 また、５００kg入りのフレキシブルコンテナから分割供給漏斗に供給する例を 示したが、電動機と手元スイッチにより肥料を断続的に供給できる肥料供給機で 供給してもスイッチの断接の煩わしさが無く供給でき、２０kg入りのビニール袋 から供給しても異なる肥料用のホッパーに流れ込ませることなく容易に供給でき る。

【００３２】 また、粉粒体供給装置としてのＷタンクの施肥機に肥料を供給する例を示した が、施肥播種機に肥料と種子を供給するようにしても良いし、肥料と種子に限ら ず他の粉粒体を供給するようにしても良い。

【００３３】

【考案の効果】

請求項１の考案によれば、平面視が略長方形の枠体を前後方向に仕切る中仕切 り板を設け、中仕切り板より前側の落し口と中仕切り板より後側の落し口の開口 をそれぞれ隣接する別のホッパー上に連結し、中仕切り板より前側の落し口また は中仕切り板より後側の落し口の上を取出口を閉じることなく左右に移動させて 目的のホッパーに供給できるから、異なる種類の粉粒体を容易に供給できる。

【００３４】 請求項２の考案によれば、中仕切り板より前側の落し口の間と中仕切り板より 後側の落し口の間にそれぞれ三角屋根状の分割シュートを設け、供給された粉粒 体は自然流下してホッパーに供給されるから、粉粒体を溢れさせたりすることが 無い。

【００３５】 請求項３の考案によれば、中仕切り板より前側に位置する枠体の前側板の上端 を中仕切り板の上端より高くし、中仕切り板より前側の落し口に供給するときに 前側板の上端が高いので粉粒体を枠体から落下させること無いから、粉粒体を溢 れさせたりすることが無い。また、中仕切り板より後側に位置する枠体の後側板 の上端を中仕切り板の上端より低くし、中仕切り板より後側の落し口に供給する ときに中仕切り板の上端が高いので粉粒体を中仕切り板より前側の落し口に流れ 込ませることが無いから、粉粒体を異なる粉粒体用のホッパーに流れ込ませたり することが無い。

【図面の簡単な説明】

【図１】 粉粒体供給装置の分割供給漏斗の一実施例を
示す正面図である。

【図２】 その側面図である。

【図３】 図１の枠体のみを示す図である。

【図４】 図２の枠体のみを示す図である。

【図５】 図３の平面図である。

【図６】 図４のＡ−Ａ線に沿う断面図である。

【図７】 図４のＢ−Ｂ線に沿う断面図である。

【符号の説明】

２ ホッパー 10 分割供給漏斗としての枠体 11 前側板 12 中仕切り板 13 後側板 20a，20b，20c，20d 落し口 22a，22b，23 分割シュート 30a，30b，30c，30d 落し口 31a，31b，32 分割シュート

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 左右に一列状に複数設けたホッパー上に
   取り付ける枠体であって、平面視が略長方形の枠体を前
   後方向に仕切る中仕切り板を設け、中仕切り板より前側
   の落し口と中仕切り板より後側の落し口の開口をそれぞ
   れ隣接する別のホッパー上に連結した粉粒体供給装置の
   分割供給漏斗。
2. 【請求項２】中仕切り板より前側の落し口の間と中仕切
   り板より後側の落し口の間にそれぞれ三角屋根状の分割
   シュートを設けた請求項１記載の粉粒体供給装置の分割
   供給漏斗。
3. 【請求項３】中仕切り板より前側に位置する枠体の前側
   板の上端を中仕切り板の上端より高くし、中仕切り板よ
   り後側に位置する枠体の後側板の上端を中仕切り板の上
   端より低くした請求項１または２記載の粉粒体供給装置
   の分割供給漏斗。