JP3091833U - 外断熱用の屋上防水層多重脱気構造とこれに用いる脱気筒。 - Google Patents

外断熱用の屋上防水層多重脱気構造とこれに用いる脱気筒。

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JP3091833U JP2002004811U JP2002004811U JP3091833U JP 3091833 U JP3091833 U JP 3091833U JP 2002004811 U JP2002004811 U JP 2002004811U JP 2002004811 U JP2002004811 U JP 2002004811U JP 3091833 U JP3091833 U JP 3091833U
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常雄 田島
公昭 久保
長谷  徹
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Abstract

(57)【要約】 【課題】外断熱用の屋上防水構造において複数層で発生
する水蒸気等のガス体を、それぞれに捕収して大気中に
放散し、防水層の膨れによる種々の不都合を適正に防止
する。 【解決手段】外断熱用の屋上防水構造において、下地コ
ンクリートからの水分、ガスその他を大気中に放散する
脱気装置を、屋上の下地コンクリートとこれに接する被
覆層との間に連通する第1脱気手段と、互いに接する各
被覆層の間に連通する第2脱気手段と、前記両脱気手段
の雨カバーとから構成し、前記第1脱気手段は、両端開
口する内筒体と前記内筒体の一方開口端の外周縁に形成
された支持基板とからなり、前記第2脱気手段は両端開
口して前記内筒体を遊嵌できる外筒体とこの外筒体の一
方開口端の外周縁に形成された支持基板とから構成し
て、上記課題を解決しようとするものである。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本願考案は、外断熱用の屋上防水層多重脱気構造ならびにこれに使用する脱気 筒に関し、詳しくはコンクリート下地、この上に積層される断熱層、防水層など の複数界面から水蒸気その他のガスを大気中に放散して防水層の膨れによる挙動 を防止し、防水機能の安全性を高めるようにした外断熱用の屋上防水層多重脱気 構造およびこれに使用する脱気筒に関するものである。
【0002】
【従来技術】
従来の屋上防水層脱気構造としては、本願考案者らが開発し、現在盛んに実施 されている図9に示すものが知られている。 図において、1は屋上の下地部としてのコンクリートスラブ、2はコンクリー トスラブ1の表面に張設された防水層、3は脱気装置である。 脱気装置3は、 ベース板3a、このベース板3aの開口部に下端開口部を連結して立設される筒 体3b、筒体3bの上端開口部に嵌合されるキャップ3cを具えている。
【0003】 脱気装置3の前記ベース板3aは、コンクリートスラブ1の表面に固定されて いて、コンクリートスラブ1と防水層2との間に生じた水蒸気その他のガス体は 前記ベース板3aとコンクリートスラブ1の表面との間隙を介して筒体3bに至 り上昇し筒体3bの上端開口部から大気中に放散される。このため、コンクリー トスラブ1から蒸散される水蒸気その他のガス体による防水層2の膨れによる剥 離とこれによる防水機能不全、耐久性への悪影響、美観の毀損その他の不都合を 防止できる。
【0004】 ところで、膨大な量の二酸化炭素排出による気候の温暖化現象は、様々な面で 将来の長きにわたり地球環境に負の影響を及ぼすものと憂慮されている。そして 、二酸化炭素排出量の抑制、減少は生活環境のあらゆる分野、レベルで求められ る緊急の課題となりつつあるのが現状である。 建造物の分野も例外ではなく、いわゆる省エネ法の制定を契機に高気密・高断 熱によるエネルギーの効率的利用への認識が高まりを見せている。 当該建造物 分野における屋上防水構造でも、省エネ対策として種々の形態の断熱防水が採用 されている。
【0005】 建造物の分野における断熱構造としては、大別して内断熱構造と外断熱構造に 分けられるが、エネルギーの効率的な利用の見地からすると建造物において躯体 の外側に断熱手段を設ける外断熱構造が外気温の影響を大幅に遮断し躯体を保護 し得る点で優れている。 外断熱構造は、前述のようにスラブの外側に断熱材を 設置する構成であり、例えば屋根スラブの蓄熱量を少なく抑え、内部結露の発生 を抑制して建造物の耐久性を増し、冷暖房時のエネルギ消費の大幅な減少が可能 となる。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】
建造物の屋上に外断熱構造を採用する場合、具体的には、押え防水工法と露出 防水工法とのいずれかが可能である。押え防水の場合は、まず、屋上スラブ面に 防水層を形成し、その防水層の上に断熱材を設置する。 他方、露出防水の場合は屋上スラブ面に直接あるいは防湿層を介して断熱材を 張設して断熱層を形成し、この断熱層の上面を防水層で被覆し、そして防水層に はさらに必要に応じて各種の仕上げ材をすることになる。 したがって、押え防水工法による場合は、コンクリート下地から発生して太陽 熱等による膨張によって防水層を圧迫し、これに機能低下の原因となる膨れを発 生させる水蒸気その他のガスを排気する必要があるが、この場合には上記従来の 外断熱用の屋上防水層多重脱気構造により対応することができる。 しかしながら、露出防水の場合は、水蒸気その他の排気を要するガスは、複数 の界面において発生するから前記従来技術では対応することができない。 すなわち、露出防水の場合は、コンクリート下地表面と断熱層下面との間、断 熱層表面と防水層下面との間の複数の界面に水蒸気等のガスが発生し、このガス は太陽熱により加熱膨張して防水層に達しこれを加圧する。このため防水層に機 能低下の原因となる膨れが発生するので、前記各界面で個別に水蒸気等を脱気す る必要がある。
【0007】 すなわち、コンクリート下地表面と断熱層下面との間にはコンクリート層から 蒸散される水蒸気等のガスが滞留する。 周知のように、コンクリートは完全に 固化しても水分は完全に抜けることはない。 そこで、コンクリートスラブ面の 防水処理は、水分計による含水率が8%未満になった状態でなすのがスタンダー ドとされている。 そして、このような条件で防水処理をなしてもコンクリート 層からの水分の蒸散は不可避である。 しかるに、現実の施工現場では、コンク リートが前記状態まで固化するのを待って作業が進行することは稀である。
【0008】 すなわち、建設現場では、工期、工程が予め定められていても、工程の遅れは 常態となっており、コンクリート打ちから含水率が8%未満に減少するに要する 時間である1か月を待つことは非現実的であり、通常は3週間程度で達するコン クリート初期硬度を待って、次工程が開始となりしたがって、この状態でコンク リートスラブ面に防水処理がなされることになりコンクリート層からの水分の蒸 散の増加は避けられない。 また、防水工事の前日に降雨があってコンクリート 層の含水率の上昇がみられても、当日雨天でもなければ防水工事は決行される。 このように、防水層に被覆されるコンクリート層は、現実に相当高い含水率を 有しており蒸散される水蒸気の処理は極めて重要な課題である。
【0009】 そして、上述のように、コンクリート層から蒸散された水蒸気等のガスは、断 熱材相互の接合部分の間隙を介して断熱層表面と防水層下面との間に上昇到達す る。また、断熱材自体から発生する種々のガス体も同様に断熱層表面と防水層下 面との間に上昇して滞留する。 上述のように、外断熱用の屋上防水層構造にあっては、複数の界面からの水蒸 気その他のガス体の脱気をなす必要があり、蒸気従来技術では対応できず、新た な技術開発が必要されているのが実情である。本願考案は、以上の見地に鑑みて 新規な防水層脱気構造とこれに使用する脱気筒の提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本願考案は、屋上の下地コンクリートと、この屋上の下地コンクリート上に積 層される複数の被覆層と、屋上の下地コンクリートとこれに接する被覆層との間 および互いに接する各被覆層の間にそれぞれ連通して水分、ガスその他を大気中 に放散する脱気装置とを具え、前記脱気装置は、屋上の下地コンクリートとこれ に接する被覆層との間に連通する第1脱気手段と、互いに接する各被覆層の間に 連通する第2脱気手段と、前記両脱気手段の雨カバーとからなる外断熱用の屋上 防水層多重脱気構造を提供して上記従来の課題を解決しようとするものである。
【0011】 上記において、屋上の下地コンクリート上に積層される複数の被覆層は、屋上 の下地コンクリート上面に設置される断熱層とこの断熱層を被覆する防水層であ り、脱気装置の第1脱気手段は両端開口する内筒体と前記内筒体の一方開口端の 外周縁に形成された支持基板とからなり、脱気装置の第2脱気手段は両端開口し て前記内筒体を遊嵌できる外筒体とこの外筒体の一方開口端の外周縁に形成され た支持基板とからなり、前記両脱気手段の雨カバーは外筒体の上端開口に所定の 間隙を有して被冠される一端が開口する筒状キャップからなり、第1脱気手段は その支持基板を屋上の下地コンクリート上面に固定し、下地と断熱層との間に発 生する水蒸気その他のガスを前記内筒体に誘導して筒状キャップを介して排気す るとともに、第2脱気手段はその支持基板を防水層下面に固定し、断熱層上面と 防水層下面との間に発生する水蒸気その他のガスを前記外筒体に誘導して筒状キ ャップを介して排気するように構成することがある。
【0012】 さらに、上記において、屋上の下地コンクリート上に積層される複数の被覆層 は、屋上の下地コンクリート上面に設置される第1および第2の防水層であり、 脱気装置の第1脱気手段は両端開口する内筒体と前記内筒体の一方開口端の外周 縁に形成された支持基板とからなり、脱気装置の第2脱気手段は両端開口して前 記内筒体を遊嵌できる外筒体とこの外筒体の一方開口端の外周縁に形成された支 持基板とからなり、前記両脱気手段の雨カバーは外筒体の上端開口部に所定の間 隙を有して被冠される一端が開口する筒状キャップからなり、第1脱気手段はそ の支持基板を屋上の下地コンクリート上面に固定し、下地と第1防水層との間に 発生する水蒸気その他のガスを前記内筒体に誘導して筒状キャップを介して排気 するとともに、第2脱気手段はその支持基板を防水層下面に固定し、第1防水層 上面と第2防水層下面との間に発生する水蒸気その他のガスを前記外筒体に誘導 して筒状キャップを介して排気するよう構成することがある。
【0013】 さらに、本願考案は、屋上の下地コンクリートと、この屋上の下地コンクリー ト上に積層される複数の被覆層と、屋上の下地コンクリートとこれに接する被覆 層との間および互いに接する各被覆層の間にそれぞれ連通して水分、ガスその他 を大気中に放散するようにした屋上防水層多重脱気構造において、両端開口する 筒体、この筒体の一方開口端の外周縁に固定され屋上の下地コンクリートから発 生する水蒸気その他のガス体を前記内筒体に誘導して最終的に大気中に排出する 方形状の支持基板、筒体の外周面の複数箇所に嵌合され筒体に遊嵌する他の筒体 の内周面と筒体の外周面との間に所定の間隙を保持するとともに通気路を有する スペーサとを具えて構成した脱気筒を提供して課題の解決を図ろうとするもので ある。
【0014】 また、本願考案は、屋上の下地コンクリートと、この屋上の下地コンクリート 上に積層される複数の被覆層と、屋上の下地コンクリートとこれに接する被覆層 との間および互いに接する各被覆層の間にそれぞれ連通して水分、ガスその他を 大気中に放散するようにした屋上防水層多重脱気構造において、両端開口して筒 体とこの筒体の一方開口端の外周縁に形成された支持基板とからなり、前記雨カ バーは筒体の上端開口に所定の間隙を有して被冠される一端が開口する筒状キャ ップを具えた雨カバー付き脱気筒を実現して上記従来の課題の解決を図ろうとす るものである。
【0015】 上記雨カバー付き脱気筒において、筒体の開口端には筒体高さ調節筒を着脱自 在に設けた構成となし、断熱材、防水層、仕上げ材の積層厚さの増減に対応して 雨カバー付き脱気筒における前記筒体の長さを可変にして適正な脱気機能の確保 を図ることがある。
【0016】 また、上記いずれかの雨カバー付き脱気筒において、筒状キャップの底面には 、壁面に複数の通気口を有するとともにその開口端部が筒体の上端開口部に螺合 する連結筒を設ける構成となすことがある。
【0017】
【考案の実施形態】
図面に基づいて本願発明の一実施形態を説明する。 図1は、外断熱用の屋上防水層多重脱気構造を示す一部切欠断面図である。 図において、1は屋上の下地コンクリートであり、この屋上の下地コンクリー ト1上に防湿層、断熱層、防水層といった複数の被覆層が積層されている。 すなわち、4は屋上の下地コンクリート1上に敷設される防湿層であり、屋上 の下地コンクリート1表面とは多数の点で接着剤により接合されており両者にお ける未接着部分が屋上の下地コンクリート1表面から蒸散する水蒸気その他のガ ス体の通気路を構成している。なお、前記防湿層4は場合によっては設置されな いこともある。
【0018】 5は、前記防湿層4の上面に適宜の断熱材の帖設により形成された断熱層であ り、2はこの断熱層5の表面を被覆する防水層である。防水層2の裏面と断熱層 5の上面も、前記と同様に点接着されており、接着点以外の部分により断熱層5 方向から蒸散する水蒸気その他のガス体の流路が構成されている。 31は多重脱気装置であり、屋上の下地コンクリート1とこれに接する防湿層 4との間に連通されて水蒸気その他のガス体を排出する第1脱気手段31aと、 この第1脱気手段31aに遊嵌され断熱層5の表面とこれを被覆する防水層2裏 面との間に連通されて水蒸気その他のガス体を排出する第2脱気手段31bと、 第2脱気手段31bの上部開口端に通気性を保持して固定される前記両脱気手段 の雨カバー31cとからなっている。
【0019】 図2は、前記第1脱気手段31aの一部切欠側面図である。 図において、3 2は両端開口する内筒体、33は前記内筒体32の一方開口端の外周縁に固定さ れた方形状の支持基板である。この支持基板33は、図1に示すように屋上の下 地コンクリート1上面に固定され、屋上の下地コンクリート1と断熱層5(又は 防湿層4)との間に発生する水蒸気その他のガス体を内筒体32に誘導して大気 中に排出する。 また、34、34は内筒体32の外周面の2か所に嵌合されたスペーサであり 、これによって後述の第2脱気手段の外筒体の内周面と内筒体32の内周面との 間に所定の間隙を保持できるようになっている。 この第1脱気手段31aは、本願請求項4に係る脱気筒の一実施形態をも表し ている。 すなわち、前記第1脱気手段31aは、請求項4に係る脱気筒に該当 し、内筒体32は筒体に該当する。支持基板、スペーサ等の構成は両者で同一で ある。
【0020】 図3は、前記第2脱気手段31bの一部切欠側面図である。 図において、4 2は両端開口する外筒体、43は前記外筒体42の一方開口端の外周縁に固定さ れた方形状の支持基板である。 この支持基板42は、図1に示すように断熱層 5の上面に載置され防水層2により固定され、断熱層上面と防水層下面との間に 発生する水蒸気その他のガス体を外筒体42に誘導して大気中に放散する。 また、44は外筒体42の内周面上端近傍に形成されたネジ部で、このネジ部 44を介して前記雨カバー31cが外筒体42に螺合固定される。
【0021】 図4は、前記雨カバー31cの縦断面図である。 図において、52は前記外 筒体42の上端開口に所定の間隙を有して被冠される下端が開口する筒状キャッ プ、53は筒状キャップ52の上底面に設けられた連結筒で周面に通気用の孔部 53aを有し、また。外周面には外筒体42の前記ネジ部44と螺合するネジ部 53bが形成されている。そして、54は筒状キャップ52の内周面に固定され た支持リングで、外筒体42の外周面との間に所定の間隙を保持できるようにな っている。 前記内筒体32および外筒体42に誘導された水蒸気その他のガス 体は、筒状キャップ52に集約されその下端開口部から大気中に放出される。
【0022】 図5は、図2に示す内筒体32におけるスペーサ34の平面図である。 リング状のこのスペーサ34の開口部には内筒体32が勘合しその外周面に溶 接固定される。34aはスペーサ34の内周面4か所に形成された凹部で、外筒 体42の内周面と内筒体32外周面との間に水蒸気等の通路を構成する。
【0023】 図6は、図4に示す筒状キャップ52における支持リング54の斜視図であり 、図において、54aは本体部、54bはリング部である。本体部54は下端が 開口する筒状体でその外周は筒状キャップ52の内周にほぼ等しく、上底中心に は外筒体42に嵌合してこれを支持する前記リング部54bが設けられ、リング 部54bの周囲には、水蒸気その他のガス体の通気路としての貫通孔部54cが 複数形成されている。
【0024】 図7は、図4における筒状キャップ52の連結筒53を示す斜視図である。 連結筒53の上部の周面には水蒸気その他のガス体の通気路としての貫通孔部 53aが複数形成されている。また、連結筒53の下部の外周面には、ネジ部5 3bが形成されていて、このネジ部53bは、前記のように外筒体42の前記ネ ジ部44と螺合され、筒状キャップ52を外筒体42に着脱可能に固定するよう なっている。
【0025】 図3、4、6、7は、本願請求項5および7に係る雨カバー付き脱気筒の一実 施形態をも示している。 すなわち、図において、筒体は外筒体42として表示 されているほかは、両者全く同一であるので重複説明は省略する。
【0026】 図8は、本願請求項6に係る雨カバー付き脱気筒の調節筒の一実施形態を示す 図である。 図8(a)は、雨カバー付き脱気筒の側面図であり、この雨カバー 付き脱気筒は、前述したように支持基板43に固定された筒体42とこの筒体4 2に被冠固定された筒状キャップ52からなっている。 ところで、筒状キャップ52の下端面と支持基板43との間隙(距離h)には 、露出防水にあっては、断熱層、防水層、各種仕上げ材の順でそれぞれ積層され 、押え防水にあっては、その防水層、断熱層、各種仕上げ材の順序で積層される ことになる。 ここで、仕上げ材とは、例えば軽歩行仕上げ材のような防水層、 断熱層の保護材その他の用途に応じて被覆される材をいう。 したがって、筒状キャップ52の下端面と支持基板43との間隙(距離h)に 位置する断熱層、防水層、各種仕上げ材による厚みは、屋上の用途や特長により 様々に変化することになる。 しかしながら、図8(a)において、筒状キャップ52の下端面と支持基板4 3との間隙(距離h)は固定されており、このままでは、防水層、断熱層、各種 仕上げ材の積層厚さは前記間隙(距離h)により規制されざるを得ず、屋上防水 に対する種々の要求性能に対応できないことがあり、なんらかの対策を講じる必 要がある。
【0027】 図8(b)に示す調節筒42aは、筒体42の上端と連結筒53との間に着脱 自在に取り付けて筒体42の長さをを嵩上げすることにより前述の不都合を解消 しようとするものである。 この調節筒42aは、両端開口し、その下端部の外 周面にはネジ部42bが形成されていて筒体42の上部内周面に形成されたネジ 部44と螺合するようになっている。 また、調節筒42aの上部内周面にもネ ジ部が形成され、連結筒53の下部外周面の前記ネジ部53bに螺合する。 この調節筒42aは、必要に応じて多段に重ねることが可能である。このよう に、筒体42を調節筒42aで嵩上げ可能にしたので、筒状キャップ52の下端 面と支持基板43との間隙(距離H)を必要に応じて自由に設定できることにな る。
【0028】 次に、図1にしたがって、該実施形態に係る外断熱用の屋上防水層多重脱気構 造の施工手順を説明する。 先ず、屋上の下地コンクリート1上面に防湿層4を形成する。この実施形態で は、防湿層4の形成は、防湿性を有する下貼材として多用されている「三星フリ ースベスト」又は「強力スポッター」(いずれも田島ルーフィング株式会社の有 する商標)を絶縁工法により貼りつけた。絶縁工法とは、周知のように接着剤に より散点的に接着して未接着部分により通気路を形成する工法である。
【0029】 次いで、図2に示す第1脱気手段31aを屋上の下地コンクリート1上面に設 置する。 すなわち、防湿層4において、方形状の支持基板33に相当する部分 をカットして、このカット面に第1脱気手段31aを載置し支持基板33の4隅 の釘穴により釘止めにより固定する。 次ぎに、防湿層4上面に断熱層5を形成する。断熱層5は、硬質ポリウレタン フォーム材により形成する。 該実施形態では、耐熱性に優れ高温の溶融アスフ ァルトに接触しても所定の形状、性能を維持でき、透湿抵抗性が大きく内部結露 の抑制機能が良好である「ギルフォーム」(田島ルーフィング株式会社の商標) を使用している。 なお、当然のことながら第1脱気手段31aの内筒体32は 断熱層5を貫通している。
【0030】 断熱層5が形成されたところで、第2脱気手段31bを断熱層5上にセットす る。 この際、第2脱気手段31bの外筒体42に第1脱気手段31aの内筒体 32が嵌合される。外筒体42の内周面と内筒体32の外周面との間には前記ス ペーサ34、34が介在して水蒸気等の通気路となる所定の間隙が形成されるこ とになる。 次いで、断熱層5上に第2脱気手段31bの支持基板43および外 筒体42の根元を包み込むようにして防水層2を形成する。防水層2はアスファ ルト系ルーフィング材を中心に部分接着により断熱層5表面との間に未接着部分 の連通による通気路を形成しつつ施工する。
【0031】 次いで、防水層により断熱層上に支持基板43を介して固定されたの第2脱気 手段31bの外筒体42に、雨カバー31cを取り付ける。 すなわち、外筒体 42を筒状キャップ52の内周面に固定された支持リング54に貫通させ、筒状 キャップ52における連結筒53のネジ部53bと外筒体42の先端部に形成し たネジ部44と螺合して、雨カバー31cを外筒体42に固定する。
【0032】 以上により構成された屋上防水層多重脱気構造には、第1脱気手段と第2脱気 手段との2系統の通気路が形成される。 すなわち、第1脱気系統は、屋上の下地コンクリート1と防湿層4との間で未 接着部分により構成される通気路、第1脱気手段31aの支持基板33と屋上の 下地コンクリート1との間隙、内筒体32、外筒体42、連結筒53、連結筒5 3の孔部53a、外筒体42の外周面と筒状キャップ52の内周面との間の間隙 、支持リング54の孔部54c、筒状キャップ52の下端開口部とで構成され、 屋上の下地コンクリート1から蒸散した水蒸気等のガス体はこの第1脱気系統を 通過して大気中に放散される。
【0033】 また、第2脱気系統は、防水層2と断熱層5との間で未接着部分により構成 される通気路、第2脱気手段31bの支持基板43と断熱層5との間隙、内筒体 32の外周面と外筒体42の内周面との間隙、外筒体42の外周面と筒状キャッ プ52の内周面との間の間隙、支持リング54の孔部54c、筒状キャップ52 の下端開口部とで構成され、断熱層5から蒸散した水蒸気等のガス体はこの第2 脱気系統を通過して大気中に放散される。
【0034】 前述の実施形態では、外断熱用の屋上防水に関して説明したが、これ以外に本 願発明は、旧防水層を残してその上に更に新規な防水層を構築した屋上防水構造 にも適用できる。その場合、旧防水層が前述の断熱層に該当する。
【0035】
【考案の効果】
本願発明は、以上説明したような構成・作用により、外断熱用の屋上防水構造 において複数層で発生する水蒸気等のガス体を、それぞれに捕収して大気中に放 散するようにしたので、防水層の膨れによる種々の不都合を適正に防止すること ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 外断熱用の屋上防水層多重脱気構造を示す一
部切欠断面図である。
【図2】 第1脱気手段31aの一部切欠側面図であ
る。
【図3】 第2脱気手段31bの一部切欠側面図であ
る。
【図4】 雨カバー31cの縦断面図である。
【図5】 図2に示す内筒体32におけるスペーサ34
の平面図である。
【図6】 図4に示す筒状キャップ52における支持リ
ング54の斜視図である。
【図7】 図4における筒状キャップ52の連結筒53
を示す斜視図である。
【図8】 本願請求項6に係る雨カバー付き脱気筒の調
節筒の一実施形態を示す側面図および断面図である。
【図9】 従来の屋上防水層脱気構造を示す一部切欠断
面図である。
【符号の説明】
1..........屋上の下地コンクリート 2..........防水層 4..........防湿層 5..........断熱層 31.........多重脱気装置 31a........第1脱気手段 31b........第2脱気手段 31c........雨カバー 42a........調節筒

Claims (7)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 屋上の下地コンクリートと、屋上の下地
    コンクリート上に積層される複数の被覆層と、屋上の下
    地コンクリートとこれに接する被覆層との間および互い
    に接する各被覆層の間にそれぞれ連通して水分、ガスそ
    の他を大気中に放散する脱気装置とを具え、前記脱気装
    置は、屋上の下地コンクリートとこれに接する被覆層と
    の間に連通する第1脱気手段と、互いに接する各被覆層
    の間に連通する第2脱気手段と、前記両脱気手段の雨カ
    バーとからなることを特徴とする外断熱用の屋上防水層
    多重脱気構造。
  2. 【請求項2】 請求項1において、屋上の下地コンクリ
    ート上に積層される複数の被覆層は、屋上の下地コンク
    リート上面に設置される断熱層とこの断熱層を被覆する
    防水層であり、脱気装置の第1脱気手段は両端開口する
    内筒体と前記内筒体の一方開口端の外周縁に形成された
    支持基板とからなり、脱気装置の第2脱気手段は両端開
    口して前記内筒体を遊嵌できる外筒体とこの外筒体の一
    方開口端の外周縁に形成された支持基板とからなり、前
    記両脱気手段の雨カバーは外筒体の上端開口に所定の間
    隙を有して被冠される一端が開口する筒状キャップから
    なり、第1脱気手段はその支持基板を屋上の下地コンク
    リート上面に固定し、下地と断熱層との間に発生する水
    蒸気その他のガスを前記内筒体に誘導して筒状キャップ
    を介して排気するとともに、第2脱気手段はその支持基
    板を防水層下面に固定し、断熱層上面と防水層下面との
    間に発生する水蒸気その他のガスを前記外筒体に誘導し
    て筒状キャップを介して排気するようにしたことを特徴
    とする外断熱用の屋上防水層多重脱気構造。
  3. 【請求項3】 請求項1において、屋上の下地コンクリ
    ート上に積層される複数の被覆層は、屋上の下地コンク
    リート上面に設置される第1および第2の防水層であ
    り、脱気装置の第1脱気手段は両端開口する内筒体と前
    記内筒体の一方開口端の外周縁に形成された支持基板と
    からなり、脱気装置の第2脱気手段は両端開口して前記
    内筒体を遊嵌できる外筒体とこの外筒体の一方開口端の
    外周縁に形成された支持基板とからなり、前記両脱気手
    段の雨カバーは外筒体の上端開口部に所定の間隙を有し
    て被冠される一端が開口する筒状キャップからなり、第
    1脱気手段はその支持基板を屋上の下地コンクリート上
    面に固定し、下地と第1防水層との間に発生する水蒸気
    その他のガスを前記内筒体に誘導して筒状キャップを介
    して排気するとともに、第2脱気手段はその支持基板を
    防水層下面に固定し、第1防水層上面と第2防水層下面
    との間に発生する水蒸気その他のガスを前記外筒体に誘
    導して筒状キャップを介して排気するようにしたことを
    特徴とする外断熱用の屋上防水層多重脱気構造。
  4. 【請求項4】 屋上の下地コンクリートと、この屋上の
    下地コンクリート上に積層される複数の被覆層と、屋上
    の下地コンクリートとこれに接する被覆層との間および
    互いに接する各被覆層の間にそれぞれ連通して水分、ガ
    スその他を大気中に放散するようにした屋上防水層多重
    脱気構造に使用する脱気筒であって、 両端開口する筒体、この筒体の一方開口端の外周縁に固
    定され屋上の下地コンクリートから発生する水蒸気その
    他のガス体を前記内筒体に誘導して最終的に大気中に排
    出する方形状の支持基板、筒体の外周面の複数箇所に嵌
    合され筒体に遊嵌する他の筒体の内周面と筒体の外周面
    との間に所定の間隙を保持するとともに通気路を有する
    スペーサとを具えた脱気筒。
  5. 【請求項5】 屋上の下地コンクリートと、この屋上の
    下地コンクリート上に積層される複数の被覆層と、屋上
    の下地コンクリートとこれに接する被覆層との間および
    互いに接する各被覆層の間にそれぞれ連通して水分、ガ
    スその他を大気中に放散するようにした屋上防水層多重
    脱気構造に使用する雨カバー付き脱気筒であって、両端
    開口して筒体とこの筒体の一方開口端の外周縁に形成さ
    れた支持基板とからなり、前記雨カバーは筒体の上端開
    口に所定の間隙を有して被冠される一端が開口する筒状
    キャップからなる雨カバー付き脱気筒。
  6. 【請求項6】 請求項5において、筒体の開口端には筒
    体高さ調節筒を着脱自在に設けたことを特徴とする雨カ
    バー付き脱気筒。
  7. 【請求項7】 請求項5または6のいずれかにおいて、
    筒状キャップの底面には、壁面に複数の通気口を有する
    とともにその開口端部が筒体の上端開口部に螺合する連
    結筒を設けたことを特徴とする雨カバー付き脱気筒。
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