JP3091347B2 - 手指消毒器 - Google Patents

手指消毒器

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JP3091347B2
JP3091347B2 JP05101533A JP10153393A JP3091347B2 JP 3091347 B2 JP3091347 B2 JP 3091347B2 JP 05101533 A JP05101533 A JP 05101533A JP 10153393 A JP10153393 A JP 10153393A JP 3091347 B2 JP3091347 B2 JP 3091347B2
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一郎 更家
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浩明 伊藤
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Saraya Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、消毒液貯溜タンクに貯
溜した消毒液を噴射ノズルから手指に噴射して消毒する
手指消毒器に関する。
【0002】なお、ここで、消毒液とは、アルコール
や、界面活性剤等のせっけん液を含む概念である。
【0003】
【従来の技術】従来、病院等の医療施設や食品加工の現
場等において、作業前に手指を消毒する手段として、手
指を装置内に入れるだけで自動的に消毒液が手指に噴射
される手指消毒器が多用されている。また、近年、特
に、病院における院内感染を効果的に防止する手段とし
て、手指消毒器が着目されている。
【0004】そして、かかる手指消毒器の一形態とし
て、特開平3-15472号公報に記載されているものがあ
る。
【0005】この手指消毒器は、消毒液を収容したタン
クと、噴射ノズルと、この噴射ノズルとタンクとを接続
するとともに中途に圧送ポンプを取付けた噴出路とを備
え、噴射ノズルから噴出された消毒液によって手指等を
消毒するものであり、さらに、タンク内の消毒液を二位
置以上で検知する検知器と、この検知器の検知状態を表
示する表示器とを備えたことを特徴とする。
【0006】また、上記した構成によって、この手指消
毒器は、消毒液の液面が低下して検知器に検知されると
表示器にこの液面の低下したこと、即ち、消毒液を補充
しなければならないことを示す表示がなされる。
【0007】さらに、消毒液が無い状態も検知でき、消
毒液の無いことを表示できるとともに、手指消毒器を運
転を停止でき、空運転による機器の損傷を効果的に防ぐ
ことができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した手指
消毒器は、未だ、以下の解決すべき課題を有していた。
【0009】即ち、タンク内の消毒液を二位置で検知す
る検知器は、上下フロートスイッチから構成されている
が、フロートスイッチは機能的に制御精度が悪く、従っ
て、消毒液の交換時期を正確に表示することができない
のみならず、液切れ状態になっても圧送ポンプを停止す
ることなく消毒液と噴射ノズルに供給して、圧送ポンプ
の空打ち状態を生じたり、逆に、液がまだ充分であるに
もかかわらず、圧送ポンプの作動を停止するといった事
故を生じていた。
【0010】また、二位置以上で検知するので検知器を
2個以上必要とし、生産コストを高めることにもなって
いた。
【0011】本発明は、上記した課題を解決することが
できる手指消毒器を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、壁面上に着脱
自在に取付可能としたケーシング内に、上部から下部に
向けて、消毒液カートリッジを交換自在に収納した消毒
液貯溜タンクと、同消毒液貯溜タンクから消毒液を圧送
する圧送ポンプと、同圧送ポンプにより圧送された消毒
液を手指に向けて噴射可能な噴射ノズルとを順に配設す
るとともに、前記圧送ポンプの駆動をオン・オフ制御す
る制御手段を設けた手指消毒器であって、消毒液貯溜タ
ンク内の消毒液が基準レベルまで低下したことを検知す
る液位検知手段と、液位検知手段のオン出力に基づいて
作動し、消毒液交換時期がきたことを表示する補給表示
ランプと、同様に液位検知手段のオン出力に基づいて作
動し、基準レベル以降の消毒液の累積流出量を検出する
累積流出量検出手段と、同累積流出量検出手段の検出値
に基づいて累積流出量を演算する累積流出量演算手段と
を具備し、累積流出量演算手段の累積流量演算値が設定
許容流出量に達した際、圧送ポンプの作動を停止するよ
うにしたことを特徴とする手指消毒器に係るものであ
る。
【0013】本発明は、また、上記した構成において、
累積流出量検出手段は、圧送ポンプの駆動モータの回転
数を検出するモータ回転数検出手段であること、圧送ポ
ンプの駆動時間を検出する駆動時間測定手段であるこ
と、さらに、基準レベル以降の消毒液の累積流出量を検
出する際に、消毒液の外部への蒸発分を補正する機能を
有することにも特長を有する。
【0014】
【実施例】以下、添付図に示す実施例を参照して、本発
明を、具体的に説明する。
【0015】(構成)まず、図1〜図6を参照して、本発
明に係る手指消毒器Aの構成を具体的に説明する。
【0016】図1に上記した手指消毒器Aを、病室10の
壁面11上であって、洗面器12の上方をなす位置に取付け
た状態を示す。
【0017】図2〜図6に手指消毒器Aの構成を詳細に
示すが、まず、同手指消毒器Aの基本構成を説明する。
【0018】図3に示すように、手指消毒器Aの外殻を
なす縦長方形形状のケーシング13が壁面11上に、後述す
る取付手段20によって、着脱自在に取付けられている。
【0019】ケーシング13は、図2〜図4に示すよう
に、それぞれ矩形板状をなす前後壁13a,13b と、左右側
壁13c,13d と、底壁13e と、上部に開閉自在に設けた気
密蓋13f とから形成されている。
【0020】ケーシング13の上部空間には、図3及び図
4から明らかなように、上端開口の矩形箱状の消毒液貯
溜タンク14が配設されており、同タンク14内には、同様
に矩形箱状の消毒液カートリッジ15が交換自在に収納さ
れている。
【0021】また、消毒液貯溜タンク14の下部の一隅に
は、図2及び図3に示すように、同タンク14内の消毒液
の現在残存量を検出するための液位検出部16が取付けら
れている。
【0022】一方、図2〜図4に示すように、ケーシン
グ13の下部空間には、消毒液貯溜タンク14から圧送され
てきた消毒液を洗面器12のボウル内に差し出された手指
に向けて噴出可能な消毒液噴射部17と、同消毒液噴射部
17に消毒液貯溜タンク15から消毒液を消毒液給送配管19
を通して圧送するための圧送ポンプ18とが配設されてい
る。
【0023】また、圧送ポンプ18は消毒液噴射部17の上
方に位置している。
【0024】上記した構成によって、圧送ポンプ18の作
動によって、消毒液貯溜タンク14内の消毒液を、消毒液
給送配管19を通して消毒液噴射部17に圧送でき、その
後、同消毒液噴射部17より手指に噴出して消毒を効果的
に行うことができる。
【0025】さらに、本実施例では、ケーシング13内に
おいて、上部から下部に向けて、順に、消毒液貯溜タン
ク14、圧送ポンプ18、消毒液噴射部17と配設したので、
消毒液給送配管19を殆ど不要となすことができ、流路抵
抗を低減したり、ケーシング13、即ち、手指消毒器Aの
コンパクト化を図ることができる。
【0026】また、消毒液貯溜タンク14の消毒液の残存
量が減ってきても、ケーシング13の下方が重い状態なの
で、設置状態の安定性が向上する。
【0027】次に、上記した基本構成を有する手指消毒
器Aの各構成について詳細に説明する。
【0028】(消毒液貯溜タンク14及び消毒液カートリ
ッジ15)図3に示すように、消毒液貯溜タンク14は、そ
の底板14a の中央部に、平面視で十字形状のカートリッ
ジ支持体21を設けており、同カートリッジ支持体21上に
は、開閉弁22を内蔵する逆様状態の消毒液カートリッジ
15のキャップ23が載置されている。
【0029】そして、この載置状態で、キャップ23内の
開閉弁22は、カートリッジ支持体21の中央部に設けた突
起24によって開口している。従って、同開閉弁22を通し
て、消毒液貯溜タンク14内に消毒液カートリッジ15から
消毒液が流入することになる。なお、消毒液貯溜タンク
14内に流入後の消毒液の液位は、大気圧によって、通常
液位NLに保持されることになる。
【0030】そして、この通常液位NLは、消毒液カート
リッジ14内の消毒液が無くなってから下がり始めること
になる。
【0031】また、消毒液貯溜タンク14の底板14の周縁
部には消毒液流出孔25が設けられており、同流出孔25
は、後述する圧送ポンプ18のインペラ室26と連通連結さ
れている。
【0032】(液位検出部16)液位検出部16は、図2〜図
4に示すように、消毒液貯溜タンク14の下部の一隅を内
側に凹設して形成した空間に配設されている。
【0033】即ち、図4から最も理解できるように、消
毒液貯溜タンク14の下部側壁14b には、上下方向に間隔
を開けて上下液連通孔27,28 が設けられており、両連通
孔27,28 には、側面視でU字形状の透明連通管29の両端
が連通連結されている。
【0034】また、図4及び図6に示すように、平面視
でU字形状をなす液位検出センサ30が消毒液貯溜タンク
14の下部側壁14b に取付ブラケット31を介して取付けら
れており、同液位検出センサ30の両端に埋設した発光素
子32と受光素子33とは、透明連通管29を挟んだ状態で対
峙している。
【0035】さらに、透明連通管29の両素子32,33 で挟
まれた部分は、図7に示すように菱形の断面を有してい
る。
【0036】従って、通常の使用状態において、消毒液
貯溜タンク14内の液面が通常液位NLにあるときは、透明
連通管29内にも同一液面高さで消毒液が充填されること
になる。
【0037】この場合、発光素子32のから光は、水の屈
折率によって、点線aで示すように透明連通管29内を通
過して外部に放出されることになるため、受光素子33は
光を受光することがなく、オフ出力しか出ていない。
【0038】その後、液位が低下し初め、警告液位であ
る基準液位RLに達すると、透明連通孔29内の液位が、発
光素子32と受光素子33とを結ぶ線より下方に位置するこ
とになるので、発光素子32からの光は、空気の屈折率に
よって、点線bで示すように透明連通管29内を通過して
受光素子33によって受信されることになり、オン出力が
発生する。
【0039】なお、本実施例では、透明連通管29の断面
は正菱形としたが円形断面、長菱形等とすることもでき
る。
【0040】(圧送ポンプ18)圧送ポンプ18は、図3に示
すように、実質的に、内部にインペラ室26を設けたイン
ペラケーシング34と、同インペラケーシング34内に回転
自在に配設したインペラ35と、同インペラケーシング34
と一体に形成され、その出力軸37の先端にインペラ35を
固着した回動モータ36とからなる。
【0041】また、圧送ポンプ18は、そのインペラ室26
の中央開口部を上述した消毒液流出孔25を通して消毒液
貯溜タンク14内と連絡している。
【0042】一方、図3及び図4に示すように、インペ
ラ室26の外周縁に設けた消毒液流出孔38は消毒液給送管
19の基端側と連通連結されている。
【0043】かかる構成によって、回動モータ36の駆動
によってインペラ35が回転し、同回転によって、消毒液
貯溜タンク14内の消毒液を、圧送ポンプ18及び消毒液給
送管19を通して、後述する消毒液噴射部17に圧送するこ
とができる。
【0044】(消毒液噴射部17)図2〜図4及び図8に示
すように、壁面11から前方に向けて漸次上向勾配を有す
るケーシング13の底壁13a の前部中央には、同じ勾配を
持つ矩形形状の噴射部取付用開口40が設けられており、
同開口40内に、実質的に矩形箱形形状をなす噴射部ケー
シング41が配設されている。なお、噴射部ケーシング41
の軸線は、実質的に、その下方に位置する洗面器12のボ
ウルの中央部に向けて指向している。
【0045】また、開口40の前部及び後部には、ケーシ
ング13の底壁13a と一体をなす軸受ブラケット42,43 が
立設されており、両ブラケット42,43 の上部には軸受4
4,45が形成されている。
【0046】そして、この軸受44,45 には、噴射部ケー
シング41の前後壁の上部に設けた枢軸46,47 が回動自在
に枢支されている。
【0047】かかる構成によって、噴射部ケーシング41
は、図2に示すように、枢軸46,47を回動中心として左
右方向に一定の角度 (例えば、15゜) で首振ないし揺動
することができる。
【0048】次に筒状本体41a と底板41b とからなる噴
射部ケーシング41内の内部構造について説明する。
【0049】図3から明らかなように、噴射部ケーシン
グ41内には、噴射ノズル48と手指感知センサ49とが、噴
射部ケーシング41の軸線と同一方向に並設状態に収納さ
れている。そして、噴射ノズル48の先端は、底板41b に
設けた透孔50を通して下方に突出しており、一方、手指
感知センサ49と対峙する底板41b の部分には透明プラス
チック等からなる透明窓51が形成されている。
【0050】即ち、本実施例では、噴射ノズル48と手指
感知センサ49とは一体的に噴射部ケーシング41内に設置
されており、噴射ノズル48の噴射方向と手指感知センサ
49の発光方向は一致するようになっており、さらに、噴
射部ケーシング41の揺動動作によって、噴射ノズル48の
噴射方向と手指感知センサ49の発光方向とを同時に変更
することができる。
【0051】従って、洗面器12等の受け側の形状、素材
等の相違からくる誤動作を、手指感知センサ49の発光方
向の変更という簡便な方法で解消することができる。
【0052】しかも、手指感知センサ49の発光方向と噴
射ノズル48の噴射方向とは常時一定しているので、使用
時の違和感がなく、使用勝手を著しく向上できる。
【0053】また、図3に示すように、噴射部ケーシン
グ41内において、噴射ノズル本体48の上端には、逆止弁
52が連設されている。一方、逆止弁52は、同逆止弁52と
一体成形された管継手53及びエルボ54を介して、屈曲自
在な消毒液給送配管19の先端と連通連結されている。
【0054】(ケーシング13の壁面11への取付構造)本実
施例では、図3及び図6から明らかなように、ボルト60
によって矩形形状の取付板61を取付け、同取付板61の前
面に設けたケーシング13の後壁13b を嵌合することによ
って、手指消毒器Aを壁面11に容易に取付可能としてい
る。
【0055】(気密蓋13f の開閉構造)さらに、本実施例
では、図3に示すように、ケーシング13の上部に設けた
気密蓋13f は、その基端側をスプリングピン等の枢軸70
によって上下方向に回動自在に枢支されている。
【0056】( ケーシング13の表示構造)図1及び図2
に示すように、ケーシング13の前壁13a の表面には、状
態表示部75が設けられており、同状態表示部75は、電源
表示ランプ76と補給表示ランプ77とを具備している。
【0057】そして、補給表示ランプ77は、後述するよ
うに、消毒液貯溜タンク14内の液位が基準液位RLに達す
ると点滅して、消毒液カートリッジ15の交換時期が迫っ
ていることを使用者に知らせる。
【0058】また、圧送ポンプ18の回動モータ36の駆動
時間を流量に置き換え、基準液位RLから圧送ポンプ18の
空転を生じない程度までの容量を予め設定しておき、こ
の容量が累積流出量となれば、補給表示ランプ77は点灯
状態になる。
【0059】(制御部)本発明に係る手指消毒器Aのケー
シング13の内部には制御部Cが設けられており、その構
成をブロック図によって図9及び図10に示す。
【0060】図示するように、制御部Cは、マイクロコ
ンピュータ80からなり、同マイクロコンピュータ80の入
力側インターフェース81には、液位検出センサ30や手指
感知センサ49が接続されており、出力側インターフェー
ス82には、圧送ポンプ18のモータ駆動回路83や電源表示
ランプ76や補給表示ランプ77等が接続されている。
【0061】また、図10に示すように、マイクロコンピ
ュータ80は、手指判断手段90と、液位検出センサ連続時
間カウンタ91、液位検出センサ連続時間判断手段92と、
累積流出量検出手段としての累積時間カウンタ93と、累
積流出量演算手段としての累積時間判断手段94と、噴射
制御手段95と、液位判断手段96と、自然蒸発判断手段97
とを具備しており、手指判断手段90には手指感知センサ
49からの信号が入力され、液位判断手段96には液位検出
センサ30からの信号が入力され、噴射制御手段95からの
出力信号によって圧送ポンプ18が作動制御されることに
なる。
【0062】なお、後述するように、液位検出センサ連
続時間カウンタ91は、液位検出センサ連続オン時間カウ
ンタと液位検出センサ連続オフ時間カウンタの両方とし
て機能するものである。
【0063】(作用)次に、上記した構成を有する手指消
毒器Aの使用方法について、図11〜図13に示すフローチ
ャート参照して説明する。
【0064】まず、図11に示すフローチャートを参照し
て、手指消毒器Aの全体の動作フローを説明する。
【0065】消毒液カートリッジ15内に十分消毒液が充
填されている場合は、手指感知センサ49が洗面器12上に
差し出された手指を感知すると(100) 、液面センサ確定
フラグはオンしていないので(101N)、補給表示ランプ77
は消灯状態にあり(102) 、手指感知センサ49からのオン
出力とオフ出力に基づいて、つまり、手指が差し出され
ている時間だけ(但し、連続的に所定時間(例えば5
秒)を越えない範囲で)、手指に向けて噴射ノズル48が
消毒液を噴射する(103) 。また、噴射累積時間カウンタ
93はクリア状態にあるので(104) 、消毒液噴射ノズル48
の累積噴射時間はカウントされない。
【0066】上記したフローに基づき手指消毒器Aの使
用を継続し、その結果、消毒液カートリッジ15内の消毒
液の残存量が少なくなり、消毒液貯溜タンク14内の消毒
液の液位が低下し、基準液位RLに達すると、液位検出セ
ンサ49が作動し、液面センサ確定フラグがオンになる(1
01Y)。
【0067】このオン出力に基づいて、累積噴射時間カ
ウンタ93が、その後の噴射ノズル48(正確には圧送ポン
プ18の動作時間) の累積作動時間をカウントする。そし
て、累積作動時間判断手段94によって設定累積作動時間
に達したと判断されるまでは(105N)、補給表示ランプ77
が点滅し(106) 、消毒液カートリッジ15の交換時期が迫
っていることを使用者に伝えることになる。
【0068】また、手指感知センサ49のオン出力(100Y)
によって噴射ノズル48が作動して、消毒液を手指に向け
て噴射して消毒し(107) 、累積噴射時間がカウントされ
る(108)。
【0069】その後の手指消毒器Aの使用によって、累
積作動時間判断手段94によって設定累積作動時間に達し
たと判断された場合は(105Y)、補給表示ランプ77が点滅
から点灯に変わり(110) 、手指感知センサ30のオン出力
がある場合であっても(100Y)であっても、噴射ノズル48
は作動しない(111) 。
【0070】このように、噴射ノズル48の作動を、基準
液位RLに達した後の噴射ノズル48の実際の累積作動時間
によって継続・停止するようにしたので、消毒液貯溜タ
ンク14内の消毒液の残存量を正確に把握しながら噴射ノ
ズル48の作動を制御することができ、誤って圧送ポンプ
18内に空気の噛み込みを生じることなく、消毒液を最大
限に使い切ることができ、使用勝手を著しく向上するこ
とができる。
【0071】また、図12に液位検出センサ49の作動フロ
ーを示す。
【0072】まず、図11に示す作動フローと同様に、通
常の作動状態におけるフローでは、液位検出センサ確定
フラグはオンしておらず(200N)、液位検出センサ49は作
動していないので(201N)、液位検出センサ連続オンカウ
ンタ91はクリアされているので(202) 、同カウンタ91は
作動しない。
【0073】その後、液位検出センサ49がオンすると(2
01Y)、液位検出センサ連続オフカウンタ91はクリアした
状態で(203) 、液位検出センサ連続オンカウンタ91を作
動を開始し(204) 、液位検出センサ連続オン時間が設定
時間 (例えば、2秒間) 以上になった場合は(205Y)、液
位検出センサ確定フラグがオンになる(206) 。
【0074】かかる設定時間 (2秒間) を設けたのは、
消毒液貯溜タンク14内の液位が本当に基準液位RLに達し
たことを確認するためである。
【0075】即ち、この2秒間は、消毒液があるにもか
かわらず補給表示ランプ77が点滅するといった誤った表
示を防止するために設けたものである。
【0076】その後、液位検出センサ確定フラグがオン
になり(200Y)、液位検出センサ49がオンする場合(207N)
は、液位検出センサ連続オフカウンタ91をクリアしてお
く(208) 。
【0077】一方、液位検出センサ49がオフの場合は(2
07Y)、液位検出センサ連続オンカウンタ91をクリアする
とともに(209) 、液位検出センサ連続オフカウンタ91の
作動を開始する(210) 。
【0078】液位検出センサ連続オフカウンタ91による
液位検出センサ連続オフ時間が設定時間 (例えば、3秒
間) 以上継続すると(211Y)、液位検出センサ確定フラグ
をオンする(211)。
【0079】かかる設定時間を設けたのは、消毒液カー
トリッジ15が本当に交換され、消毒液が消毒液貯溜タン
ク14内に補充されたかをチェックするためである。
【0080】即ち、3秒間は、流量の累積が途中でクリ
アされるのを防止するためである。
【0081】なお、ステップ(205) と異なり、ステップ
(211) で、設定時間を3秒間としたのは、ステップ(10
5) の場合は、仮に液位検出センサ連続オン時間が2秒
間なくても、図12のフローから明らかなように、誤った
表示が3秒続くのみであるが、ステップ(211) の場合に
は、累積時間のカウンタがクリアされるので、空運転が
生じてしまう。従って、ステップ(205) の場合にはそれ
程問題とならないが、ステップ(211) の場合にはできる
だけ長く設定する必要があるからである。
【0082】また、図13に液位検出センサ49の他の作動
フローを示す。
【0083】この作動フローは、上記した図12に示す作
動フローに、補給表示ランプ77の点灯状態の有無の検出
(207a)と、同補給表示ランプ77の消灯(214) を追加した
点において異なる。
【0084】即ち、この作動フローでは、消毒液カート
リッジ15の交換作業が行われると、補給表示ランプ77の
点灯状態の有無のチェックし(207a)、点灯状態の場合に
は、ただちに補給表示ランプ77が消灯するようになって
いる(214) 。
【0085】一方、点灯していない場合は、そのまま、
ステップ(209) に移行する。
【0086】なお、図12のフローを参照して説明した
が、ステップ(207) における液位検出センサ連続オフ時
間は出来るだけ長い方が望ましい。しかし、あまり長く
設定すると、給液時に補給表示ランプ77が消灯しない状
態が長くなるが、図13のフローにすれがこのような状態
を解決することができる。
【0087】図14に示す作動フローは、図11に示す手指
消毒器Aの基本的作動フローに、消毒液貯溜タンク14か
ら外部への消毒液の外部への蒸発分を補正する機能を付
加したことを特徴とする。
【0088】即ち、図11に示す基本的フローにおいて
は、消毒液貯溜タンク14内の消毒液の液位が基準液位RL
に達すると、液位検出センサ49が作動し、液面センサ確
定フラグがオンになり(101N)、このオン出力に基づい
て、累積噴射時間カウンタ93が、その後の噴射ノズル48
の累積作動時間をカウントし、累積作動時間判断手段94
によって設定累積作動時間に達したか判断するようにし
ている(105) 。
【0089】しかし、本実施例では、消毒液貯溜タンク
14から外部への消毒液の外部への蒸発分を補正するた
め、液面センサ確定フラグがオンになると(101N)、ま
ず、液蒸発累積時間カウンタによって液蒸発累計時間を
カウントし(112) 、液蒸発累計時間が設定値にならない
場合は、図11に示す基本的フローと同様に、直接、累積
作動時間判断手段94によって設定累積作動時間に達した
か判断する(105) 。そして、液蒸発累計時間が設定値に
なった場合は、同液蒸発累計時間を噴射時間に換算して
累積噴射時間に加算し(113) 、その後、液蒸発累計時間
をカウンタ・クリアした後(114) 、基本的フローと同様
に累積作動時間判断手段94によって設定累積作動時間に
達したか判断する(105) 。
【0090】このように、手指消毒器Aの基本的作動フ
ローに、消毒液貯溜タンク14から外部への消毒液の外部
への蒸発分を補正する機能を付加することによって、さ
らに正確に消毒液貯溜タンク14内の消毒液の残存量を把
握でき、消毒液のロスを無くすことができる。
【0091】従って、消毒液を最大限に使い切ることが
でき、かつ、空運転を防止でき、誤って圧送ポンプ18内
に空気の噛み込みを生じることなく、使用勝手を著しく
向上することができる。
【0092】ところで、上記した実施例においては、累
積流出量検出手段として、噴射ノズル48の噴射累積時
間、即ち、圧送ポンプ18の累積駆動時間をカウントする
噴射時間累積時間カウンタを用いたが、本発明は何らか
かる累積流出量検出手段に限定されるものではなく、例
えば、圧送ポンプ18の回動モータ36の回転数を検出する
モータ回転数検出手段や、消毒液貯溜タンク14から噴射
ノズル48への圧送流量を測定する流量計等を用いること
もできる。
【0093】また、本実施例では、圧送ポンプ18の回動
モータ36の駆動時間を流出量とみなしているが、一回当
たりの駆動時間が短い場合が続くと、圧送ポンプ18のポ
ンプ特性により誤差が生じやすい。例えば、一回当た
り、5秒の圧送ポンプ18の駆動の場合と、一回当たり1
秒のポンプ駆動が5回ある場合では、同じポンプ駆動時
間でも流出量が異なることも考えられる。
【0094】従って、ポンプ駆動時間の違いによる誤差
を補正する手段を設け、補正された値を累積するように
して累積ポンプ駆動時間がより正確に累積流出量とみな
させるようにすることもできる。
【0095】
【発明の効果】本発明では、壁面上に着脱自在に取付可
能としたケーシング内に、上部から下部に向けて、消毒
液カートリッジを交換自在に収納した消毒液貯溜タンク
と、同消毒液貯溜タンクから消毒液を圧送する圧送ポン
プと、同圧送ポンプにより圧送された消毒液を手指に向
けて噴射可能な噴射ノズルとを順に配設するとともに、
前記圧送ポンプの駆動をオン・オフ制御する制御手段を
設けた手指消毒器であって、消毒液貯溜タンク内の消毒
液が基準レベルまで低下したことを検知する液位検知手
段と、液位検知手段のオン出力に基づいて作動し、消毒
液交換時期がきたことを表示する補給表示ランプと、同
様に液位検知手段のオン出力に基づいて作動し、基準レ
ベル以降の消毒液の累積流出量を検出する累積流出量検
出手段と、同累積流出量検出手段の検出値に基づいて累
積流出量を演算する累積流出量演算手段とを具備し、累
積流出量演算手段の累積流量演算値が設定許容流出量に
達した際、圧送ポンプの作動を停止するようにしたこと
を特徴とする。
【0096】従って、消毒液の給送配管を殆んど不要と
なすことができ、流路抵抗を低減したり、手指消毒器の
コンパクト化を図ることができるとともに、消毒液貯溜
タンク内の消毒液の残存量を正確に把握しながら消毒液
噴射ノズルの作動を制御することができ、誤って圧送ポ
ンプ内に空気の噛み込みを生じることなく、消毒液を最
大限に使い切ることができ、使い勝手を著しく向上させ
ることができる。
【0097】また、圧送ポンプを使用した回数ではな
く、現実の動作時間等を基にした流出量を累積している
ので、誤差が少ない。さらに、基準レベル以降の消毒液
の累積流出量を検出する際に、消毒液の外部への蒸発分
を補正する機能を有するものでは、より正確に消毒液の
残存量を把握でき、消毒液のロスをなくすことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る手指消毒器を取付けた病室の斜視
図である。
【図2】同手指消毒器の一部切欠正面図である。
【図3】同手指消毒器の右断面側面図である。
【図4】同手指消毒器の左一部切欠側面図である。
【図5】同手指消毒器の背面図である。
【図6】同手指消毒器の断面平面図である。
【図7】図手指消毒器の手指感知センサの要部詳細図で
ある。
【図8】同手指消毒器の底面図である。
【図9】同手指消毒器の制御部の構成を示すブロック図
である。
【図10】同手指消毒器の制御部の構成を示すブロック
図である。
【図11】同手指感知センサの基本的作動を示すフロー
チャートである。
【図12】同手指感知センサの液面検出センサの作動を
示すフローチャートである。
【図13】同手指感知センサの液面検出センサの作動を
示すフローチャートである。
【図14】蒸発分補正機能を付与した同手指感知センサ
の基本的作動を示すフローチャートである。
【符号の説明】
A 手指感知センサ C 制御部 48 噴射ノズル 49 手指感知センサ 18 圧送ポンプ 14 消毒液貯溜タンク 15 消毒液カートリッジ 77 補給表示ランプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 浩明 福岡県田川郡方城町大字伊方4680番地 九州日立マクセル株式会社内 (72)発明者 安部田 章 福岡県田川郡方城町大字伊方4680番地 九州日立マクセル株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−245980(JP,A) 特開 平3−15472(JP,A) 特開 平4−64668(JP,A) 特開 昭62−72362(JP,A) 実開 昭59−130(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61L 2/00 - 2/26

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】壁面(11)上に着脱自在に取付可能としたケ
    ーシング(13)内に、上部から下部に向けて、消毒液カー
    トリッジ(15)を交換自在に収納した消毒液貯溜タンク(1
    4)と、同消毒液貯溜タンク(14)から消毒液を圧送する圧
    送ポンプ(18)と、同圧送ポンプ(18)により圧送された消
    毒液を手指に向けて噴射可能な噴射ノズル(48)とを順に
    配設するとともに、前記圧送ポンプ(18)の駆動をオン・
    オフ制御する制御手段を設けた手指消毒器であって、 消毒液貯溜タンク(14)内の消毒液が基準レベルまで低下
    したことを検知する液位検知手段と、液位検知手段のオ
    ン出力に基づいて作動し、消毒液交換時期がきたことを
    表示する補給表示ランプと、同様に液位検知手段のオン
    出力に基づいて作動し、基準レベル以降の消毒液の累積
    流出量を検出する累積流出量検出手段と、同累積流出量
    検出手段の検出値に基づいて累積流出量を演算する累積
    流出量演算手段とを具備し、累積流出量演算手段の累積
    流量演算値が設定許容流出量に達した際、圧送ポンプ(1
    8)の作動を停止するようにしたことを特徴とする手指消
    毒器。
  2. 【請求項2】累積流出量検出手段は圧送ポンプ(18)の駆
    動モータの回転数を検出するモータ回転数検出手段であ
    ることを特徴とする請求項1記載の手指消毒器。
  3. 【請求項3】累積流出量検出手段は圧送ポンプ(18)の駆
    動時間を検出する駆動時間測定手段であることを特徴と
    する請求項1記載の手指消毒器。
  4. 【請求項4】基準レベル以降の消毒液の累積流出量を検
    出する際に、消毒液の外部への蒸発分を補正する機能を
    有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に
    記載の手指消毒器。
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