JP3091184B2 - 通信システム及び通信装置 - Google Patents

通信システム及び通信装置

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JP3091184B2 JP11055071A JP5507199A JP3091184B2 JP 3091184 B2 JP3091184 B2 JP 3091184B2 JP 11055071 A JP11055071 A JP 11055071A JP 5507199 A JP5507199 A JP 5507199A JP 3091184 B2 JP3091184 B2 JP 3091184B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,通信システムに係
り,詳しくは,例えばコンピュータや,プリンタ,スキ
ャナなどの周辺機器,ディジタルカメラなどの各種家庭
用ディジタル機器を含む通信装置,及びIEEE1394インタ
ーフェースにより互いに接続された上記通信装置の間で
アプリケーションプロトコルにSBP-2 を用いて通信を行
うための通信システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えばパーソナルコンピュータとそれに
接続されるスキャナや外部記憶装置などの周辺機器との
間でデータを転送するためのインターフェースとして,
これまでANSI(American National Standards Institut
e,Inc.)により提唱されたANSI X3.131-1986 Small Comp
uter System Interfaceが広く用いられてきた。しかし
ながら,上記インターフェース規格,いわゆるパラレル
SCSI規格では,コネクタやケーブルの形状,電源未
投入の接続機器の動作など多くの事項が規定されておら
ず,パーソナルコンピュータの普及に伴って互換性や利
便性に問題が生じている。また,上記パラレルSCSI
規格が提唱された時期と較べて,現在では多種の家庭用
ディジタル機器が普及しており,一般家庭においても,
音響や映像などのディジタルデータを転送するのに適し
た高速インターフェースが必要となってきた。このよう
な状況のなか,既に次世代のインターフェース規格が幾
つか提唱されており,コンピュータやその周辺機器だけ
でなく,ディジタルビデオカメラなどの家庭用機器を含
めたディジタル機器間でデータを高速に転送するための
インターフェースに,IEEE1394インターフェースを採用
したディジタル機器が商品化され始めている。このイン
ターフェース規格は,IEEE(The Institute of Electric
al and Electronics Engineers,Inc.;米国電気電子技術
者協会) により提唱され,IEEE Std.1394-1995 IEEE St
andard for a High Performance Serial Busとして規定
されたものであり,数100ビット/秒の高速な転送速
度を有しながら,同期転送や活線挿抜,自由度の高い接
続トポロジをサポートするなど,一般家庭での使用も考
慮した利便性の高いシリアルインターフェース規格であ
る。
【0003】上記のようなIEEE1394インターフェースを
採用した技術は例えば特開平10−93623号公報な
どに記載されている。上記公報にも記載されている通
り,所定のデータブロックに送信先などの情報が付加さ
れたパケットを用いてディジタルデータの伝送を行う場
合,データ伝送の信頼性を高めるために,送信機器から
送出されたパケットが受信機器により受信されると,受
信機器が当該パケットの受信状態を表すアクノリッジ
を,送信元の送信機器へ返送し,必要に応じて当該パケ
ットを送信機器から再送信させるように構成することが
多い。例えばIEEE1394インターフェースを介して互いに
接続された第1の機器と第2の機器との間のパケット通
信においても,図2に示す如く,第1の機器1から,所
定の動作を要求するための要求パケットが第2の機器2
に送出され,第2の機器2により受信されると,第2の
機器2から上記要求パケットの受信状態を表すアクノリ
ッジACKが第1の機器1に返送される。このアクノリ
ッジACKには,再送の必要性や受信の完了などを送信
元に知らせるための情報が含まれており,例えば再送を
要求するアクノリッジACKが上記第1の機器1により
受信された場合には,同じ要求パケットが第1の機器1
から第2の機器2へ再送信される。そして,上記アクノ
リッジACKにより受信完了が第1の機器1に知らされ
た場合には,第2の機器2において所定の動作が行われ
ていることになるから,第1の機器1は上記要求パケッ
トに対応した応答パケットが第2の機器2から送信され
るまで待機状態となる。そして,第2の機器2において
所定の動作が完了すると,上記所定の動作の結果を含む
応答パケットが第2の機器2から第1の機器1へ送信さ
れる。第1の機器1により上記応答パケットが受信され
ると,再送要求又は処理完了を示すアクノリッジACK
が第1の機器1から第2の機器2へ返送される。この場
合にも,上記アクノリッジACKが再送を要求するもの
であれば,第2の機器2から第1の機器1へ同じ応答パ
ケットが再送される。また,上記アクノリッジACKが
処理完了を示すものであれば,第2の機器2は次の処理
に向けて開放された状態に設定される。
【0004】ところで,上記IEEE1394インターフェスに
おけるアプリケーション・プロトコロルの一つに,SBP-
2(Serial Bus Protocol 2)がある。ここで,上記SBP-2
を説明するために,図3にIEEE1394インターフェスのレ
イヤ構造とSBP-2 との関係を示す。上記IEEE1394インタ
ーフェスのレイヤ構造は,図3に示す如く,物理層,リ
ンク層,トランザクション層という3つの層から基本的
になるが,上記SBP-2 は,トランザクション層よりも上
位のトランスポート層に属するものであり,例えばディ
スク,テープ,プリンタ,スキャナ,ディジタルカメラ
などの各種デバイス(以下,ノードという)間で効率的
にコマンドやデータの転送を行ったり,コマンドの動作
状況及びその結果やデータの転送完了可否などの状態を
SBP-2 よりさらに上位のアプリケーションに通知する機
能を有する。上記SBP-2 では,接続要求のログイン,接
続完了のログアウトなどの管理要求コマンドやデータの
読み出し/書き込みなどの実コマンドの発行を行う機能
を担う例えばスキャナやディジタルカメラなどのノード
はイニシエータと呼ばれ,イニシエータからコマンドを
受信して実際に処理を行う機能を担う例えばディスクや
CD−ROM,プリンタなどのノードはターゲットと呼
ばれ,これらイニシエータとターゲットとの間で通信が
行われる。尚,ターゲットについては,厳密にはディス
クやCD−ROM,プリンタといった実デバイスに相当
する論理ユニットが単位として扱われ,ターゲットに少
なくとも一つ備えられた論理ユニットとイニシエータと
が対となって通信が行われる。
【0005】イニシエータとターゲットの論理ユニット
との間で行われる通信の手順は,図4に示す通りであ
る。尚,図5はSBP-2 におけるログイン要求ブロックの
データ構造を示す図,図6はIEEE1394インターフェスに
おける通信パケットのフォーマットを示す図,図7はロ
グイン応答ブロックのデータ構造を示す図,図8はログ
アウト要求ブロックのデータ構造を示す図である。図4
に示す如く,イニシエータ21は,ターゲット22への
全てのコマンドの送信に先立ち,まず通信しようとする
ターゲット22の論理ユニットにログイン要求を発行す
る必要がある。ログイン要求ブロックのデータ構造は,
図5に示す通りである。上記SBP-2 におけるブロックの
データ構造は,ORB(Operation Request Blocks)と
呼ばれ,図5に示す如く,管理ブロックの一種であるロ
グイン要求ブロックのfunctionフィールドには,ログイ
ンを表す「0」が記述される。また,イニシエータ21
がログインしようとするターゲット22の論理ユニット
は,論理ユニット番号を表すlun フィールドにより指定
される。このORBは,図6に示すようなIEEE1394イン
ターフェスにおけるトランザクションパケットのデータ
部に内挿され,上記トランザクションパケットにより運
ばれて,当該パケットのヘッダの送信元IDフィールド
で指定されたイニシエータ21から,当該パケットのヘ
ッダの送信先IDフィールドで指定されたターゲット2
2に送られる。イニシエータ21からのログイン要求パ
ケットが受信されると,ターゲット22の上記lun フィ
ールドにより指定された論理ユニットにおいて,管理ブ
ロックを処理する管理エージェントと呼ばれる機構によ
って受け付けが行われる。この管理エージェントのレジ
スタ(CSR:Control and Status Register)のベース
アドレスに関する情報は,コンフィグレーションROM
と呼ばれるROMに予め格納されており,上記コンフィ
グレーションROMを参照することにより,ログイン要
求パケットに対して管理エージェントに受け付けを行わ
せることができる。そして,上記管理エージェントによ
り,当該ログイン要求に対してログインを許可しても良
い状態(通信が可能な状態)にあるか否かが判断され,
ログインを許可しても良い状態にあれば,ターゲット2
2からイニシエータ21に当該ログイン要求パケットに
対応したログイン応答が返送される。ログイン応答ブロ
ックのデータ構造は,図7に示す通りである。図7に示
す如く,このログイン応答ブロックには,当該ログイン
を識別するためのloginID フィールドと,以後イニシエ
ータ21が,このターゲット22に対して発行するコマ
ンド要求を受け付けてターゲット22内で処理を行うフ
ェッチエージェントと呼ばれる機構の上記CSRのベー
スアドレスを記述するためのcommand block agent フィ
ールドとが含まれている。上記管理エージェントと異な
り,上記フェッチエージェントに対しては,レジスタ内
の相対的なアドレス関係は予め定められているものの,
ベースアドレス自体は,ログイン毎に上記IEEE1394イン
ターフェスにおけるアドレス空間に確保されたレジスタ
空間内のいずれかの位置に割り当てられるため,イニシ
エータ21がフェッチエージェントによりコマンドを実
行させるためには,上記ベースアドレスが必要となる。
このようにしてログインが成功すると,次にイニシエー
タ21では,ログイン応答パケットに指定されたフェッ
チエージェントのCSRのベースアドレスが参照され,
当該ベースアドレスを用いてイニシエータ21からコマ
ンド(書き込み,読み出し,ロック)の実行要求がター
ゲット22に送出される。ターゲット22には,各ログ
インそれぞれに対して,論理ユニット番号lun ,ログイ
ンオーナーID,…,ログインID(loginID )を含む
ログイン識別子が保持されており,ターゲット22にお
いてコマンドの実行要求が受信されると,上記ログイン
識別子から上記送信元IDに対応したログインIDが参
照され,これと対応したベースアドレスを用いてフェッ
チエージェントが選択されて当該コマンドが実行され,
コマンドの処理が完了すると,その結果がステータスブ
ロックを用いてイニシエータ21に通知される。そし
て,上記した手順に従って必要なコマンドがターゲット
22において実行されると,イニシエータ21はターゲ
ット22に対してログアウト要求を発行する。ログアウ
ト要求ブロックのデータ構造は,図8に示す通りであ
る。図8に示す如く,上記ログアウト要求ブロックに
は,loginID フィールドが含まれており,この通信で用
いられてきたloginID が記述される。また,functionフ
ィールドには,ログアウトを表す「7」が記述される。
ログアウト要求パケットがターゲット22において受信
されると,当該ターゲット22において,管理エージェ
ントにより受け付けが行われ,上記loginID に基づい
て,今まで使用されていたフェッチエージェントのベー
スアドレスが再利用可能な状態に設定され,ログアウト
処理が終了するとステータスブロックを用いてイニシエ
ータ21に完了通知が行われる。これにより通信が終了
し,上記ターゲット22の指定された論理ユニットが開
放される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記したIEEE1394,及
びSBP-2 を用いた通信方式では,あるイニシエータから
ログイン要求のあったターゲットの論理ユニットに対し
て,既に他のイニシエータによりログインが行われてい
る場合には,上記あるイニシエータからの新たなログイ
ン要求は拒否される。従って,当該論理ユニットのリソ
ースが十分にあり,上記他のイニシエータにより使用さ
れているフェッチエージェント以外のフェッチエージェ
ントに処理を実行させることが可能な場合でも,新たに
ログイン要求を発行したイニシエータは,既にログイン
している上記他のイニシエータがログアウトするまで,
そのユニットと通信を行うことができない。本発明は,
このような従来の技術における課題を解決するために,
通信システム及び通信装置を改良し,所定の処理が実行
可能なターゲットが,該ターゲットIEE1394 インター
フェースにより接続された一つ又は複数のイニシエータ
のいずれかに対して既に通信を許可しているときに,既
に通信を許可しているイニシエータとは別のイニシエー
から通信開始の要求があると,上記既に通信を許可し
ているイニシエータに返送した応答情報に含まれる指定
情報と同じ指定情報を含む応答情報を上記別のイニシエ
ータに返送して上記別のイニシエータにも通信を許可す
るようにした通信システム及び通信装置を提供すること
を目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に,請求項1に係る発明は,所定の処理が実行可能な
ーゲットと,上記ターゲットIEEE1394規格に従ったイ
ンターフェースにより接続された一つ又は複数のイニシ
エータとの間で通信を行うアプリケーションプロトコル
にSBP-2 を用いた通信システムであって,上記ターゲッ
が,上記イニシエータのいずれとも通信を行っていな
いときに,あるイニシエータから通信開始の要求がある
と,上記所定の処理を実行する実行手段を指定するため
の指定情報を決定し,上記決定された指定情報を含む応
答情報を返送して上記あるイニシエータに対して通信を
許可し,上記あるイニシエータは,上記ターゲットから
返送された上記指定情報を用いて上記実行手段に上記所
定の処理の実行を要求してなる通信システムにおいて,
上記ターゲットが,上記決定された指定情報を保持する
と共に通信開始の要求があった上記第2の通信手段に対
応して上記実行手段に上記指定情報に代わる仮想的な代
用指定情報を割り当てる代用指定情報割当手段を具備
し,上記イニシエータのいずれかに対して既に通信を許
可しているときに,既に通信を許可しているイニシエー
とは別のイニシエータから通信開始の要求があると,
上記代用指定情報割当手段が,上記保持した指定情報を
含む応答情報を上記別のイニシエータに返送して上記別
イニシエータにも通信を許可すると共に,既に通信を
許可しているイニシエータに対応して割り当てた上記代
用指定情報とは異なる代用指定情報を上記別のイニシエ
ータに対応して割り当ててなることを特徴とする通信シ
ステムとして構成されている。また,請求項2に係る発
明は,上記請求項1に記載の通信システムにおいて,上
記代用指定情報割当手段が,通信を許可している上記
ニシエータから上記指定情報を用いて上記所定の処理の
実行が要求された場合に,上記代用指定情報を参照し
て,当該イニシエータに対応した上記実行手段を選択し
てなることをその要旨とする
【0008】上記請求項1又は2に記載の通信システム
によれば,アプリケーションプロトコルSBP-2 におけ
る,所定の処理が実行可能なターゲットが,該ターゲッ
IEEE1394規格に従ったインターフェースにより接続
された一つ又は複数のイニシエータのいずれかに対して
既に通信を許可しているときに,既に通信を許可してい
イニシエータとは別のイニシエータから通信開始の要
求があると,代用指定情報割当手段が,上記既に通信を
許可しているイニシエータに返送した応答情報に含まれ
る指定情報と同じ指定情報を含む応答情報を上記別の
ニシエータに返送して上記別のイニシエータにも通信を
許可すると共に,上記既に通信を許可しているイニシエ
ータに対応して割り当てられた代用指定情報とは異なる
代用指定情報を上記別のイニシエータに割り当てること
により,複数のイニシエータの同時ログインを実現し,
処理の効率化を図った通信システムを提供することがで
きる。しかも,上記請求項2に記載の通信システムによ
れば,通信を許可している上記イニシエータから上記指
定情報を用いて上記所定の処理の実行要求があると,上
記代用指定情報割当手段により上記代用指定情報が参照
され,当該イニシエータに対応して上記所定の処理を実
行する実行手段が選択されるため,複数のイニシエータ
が同時ログインをしている間に,いずれかのイニシエー
から上記所定の処理の実行要求があった場合でも,当
イニシエータに対応した上記実行手段を適宜選択する
ことができる。
【0009】また,請求項に係る発明は,アプリケー
ションプロトコルにSBP-2 を用いて,IEEE1394規格に従
ったインターフェースにより接続されたイニシエータ
の間で通信を行い,所定の処理が実行可能な実行手段に
上記イニシエータからの要求に応じて上記所定の処理を
実行させるターゲットとなる通信装置であって,上記
ニシエータのいずれとも通信を行っていないときに,あ
イニシエータから通信開始の要求があると,上記実行
手段を指定するための指定情報を決定し,上記決定され
た指定情報を含む応答情報を返送して上記あるイニシエ
ータに対して通信を許可してなる通信装置において,上
記決定された指定情報を保持すると共に通信開始の要求
があった上記イニシエータに対応して上記実行手段に上
記指定情報に代わる仮想的な代用指定情報を割り当てる
代用指定情報割当手段を具備し,上記イニシエータのい
ずれかに対して既に通信を許可しているときに,既に通
信を許可しているイニシエータとは別のイニシエータ
ら通信開始の要求があると,上記代用指定情報割当手段
が,上記保持した指定情報を含む応答情報を上記別の
ニシエータに返送して上記別のイニシエータにも通信を
許可すると共に,既に通信を許可しているイニシエータ
に対応して割り当てた上記代用指定情報とは異なる代用
指定情報を上記別のイニシエータに対応して割り当てて
なることを特徴とする通信装置として構成されている。
また,請求項に係る発明は,上記請求項に記載の通
信装置において,上記代用指定情報割当手段が,通信を
許可しているイニシエータから上記指定情報を用いて上
記所定の処理の実行が要求された場合に,上記代用指定
情報を参照して,当該イニシエータに対応した上記実行
手段を選択してなることをその要旨とする。
【0010】上記請求項3又は4に記載の通信装置によ
れば,アプリケーションプロトコルにSBP-2 を用いて,
IEEE1394規格に従ったインターフェースにより接続され
イニシエータのいずれかに対して既に通信を許可して
いるときに,既に通信を許可しているイニシエータとは
別のイニシエータから通信開始の要求があると,代用指
定情報割当手段が,上記既に通信を許可しているイニシ
エータに返送した応答情報に含まれる指定情報と同じ指
定情報を含む応答情報を上記別のイニシエータに返送し
て上記別のイニシエータにも通信を許可すると共に,上
記既に通信を許可しているイニシエータに対応して割り
当てられた代用指定情報とは異なる代用指定情報を上記
別のイニシエータに割り当てることにより,複数のイニ
シエータの同時ログインを実現し,処理の効率化を図っ
た通信装置を提供することができる。しかも,上記請求
に記載の通信装置によれば,通信を許可している上
イニシエータから上記指定情報を用いて上記所定の処
理の実行要求があると,上記代用指定情報割当手段によ
り上記代用指定情報が参照され,当該イニシエータに対
応した上記実行手段が選択されるため,複数のイニシエ
ータが同時ログインしている間に,いずれかのイニシエ
ータから上記所定の処理の実行要求があった場合でも,
当該イニシエータに対応した上記実行手段を適宜選択す
ることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下,添付図面を参照して,本発
明の実施の形態につき説明し,本発明の理解に供する。
尚,以下の実施の形態は,本発明の具体的な一例であっ
て,本発明の技術的範囲を限定する性格のものではな
い。ここに,図1は本発明の一実施の形態に係る通信装
置及びこれを含む通信システムの概略構成を示す図であ
る。図1に示す如く,本発明の一実施の形態に係る通信
装置及びこれを含む通信システムは,例えばIEEE1394,
及びSBP-2 を用いて,スキャナ,ディジタルカメラなど
の複数のイニシエータ21(21a,21b,…)と,
ディスク,CD−ROM,プリンタなどの一つのターゲ
ト22との間で通信を行う通信システムとして具体化
されるものであり,上記ターゲット22はプリンタ機能
など独立した複数の機能をそれぞれ提供する複数の論理
ユニットLU1,LU2(,…)を備える。各論理ユニ
ットLU1,LU2は,さらに各機能に関わる所定の処
理を実行するフェッチエージェントF(F11,F1
2,…,F21,F22,…)と呼ばれる機構を複数管
理しており,上記イニシエータ21が上記ターゲット2
2のいずれかの論理ユニットLU1,LU2に所定の機
能を提供させる場合には,当該論理ユニットLU1,L
U2が管理するフェッチエージェントFにより上記所定
の処理を実行させる。そして,上記ターゲット22のあ
る論理ユニット,例えば論理ユニットLU1が,複数の
イニシエータ21のいずれとも通信を行っていないとき
に,あるイニシエータ21aから上記論理ユニットLU
1に通信開始の要求があると,当該論理ユニットLU1
が管理する複数のフェッチエージェントF11,F12
を指定するためのベースアドレス(指定情報の一例)を
決定し,上記決定されたベースアドレスを含む応答情報
を返送して上記あるイニシエータ21aに対して通信を
許可し,上記あるイニシエータ21aは,上記ターゲッ
ト22から返送された上記ベースアドレスを用いて上記
フェッチエージェントFに所定の処理を実行させる。こ
れらの点では,本実施の形態に係る通信システムも,従
来のものと同様である。
【0012】一方,本実施の形態に係る通信装置及びこ
れを含む通信システムが,従来のものと異なるのは,上
記ターゲット22が,上記決定されたベースアドレスを
保持すると共に通信開始の要求があった上記イニシエー
タ21に対応して上記フェッチエージェントFに上記ベ
ースアドレスに代わる仮想アドレス(代用指定情報の一
例)を割り当てるランナー(代用指定情報割当手段に相
当)221と呼ぶ機構を具備し,上記ターゲット(通信
装置)22の論理ユニットLU1,LU2が,上記イニ
シエータ21のいずれかに対して既に通信を許可してい
るときに,既に通信を許可しているイニシエータ21a
とは別のイニシエータ21bから通信開始の要求がある
と,上記ランナー221が,上記既に通信を許可してい
るイニシエータ21aに返送した応答情報に含まれるベ
ースアドレスと同じ上記保持したベースアドレスを含む
応答情報を上記別のイニシエータ21bに返送して上記
別のイニシエータ21bにも通信を許可すると共に,既
に通信を許可しているイニシエータ21aに対応して割
り当てた上記仮想アドレスとは異なる仮想アドレスを上
記イニシエータ21bに対応して割り当て,通信を許可
しているイニシエータ21から上記ベースアドレス指定
情報を用いて上記所定の処理の実行が要求された場合
に,上記仮想アドレスを参照して,当該イニシエータ2
1に対応したフェッチエージェントFを選択する点であ
る。
【0013】以下,本実施の形態に係る通信装置及びこ
れを含む通信システムの詳細について説明する。尚,イ
ニシエータとターゲットとの間で行われる通信手順は,
図3乃至図8を用いて既に説明した従来のものとほぼ同
様であり,必要がない限り同様の部分についての説明は
省略する。本実施の形態に係る通信装置及びこれを含む
通信システムでは,あるイニシエータ21aからターゲ
ット22の例えば論理ユニットLU1に,はじめて通信
開始の要求があると,フェッチエージェンのCSRのベ
ースアドレスが例えばノードアドレス48ビットのうち
FFFF F001 100016より上位に定められるが,これはフェ
ッチエージェントFにではなくランナー221に対応付
けられ,ランナー221により保持される。そして,実
際の処理を行ういずれかのフェッチエージェントF,例
えばフェッチエージェントF1には,ランナー221が
管理する仮想アドレスの一つが割り当てられる。上記ラ
ンナー221は,通信開始の要求を識別するために用い
られるloginIDと,フェッチエージェントF,仮想アド
レス,送信元IDを対応付けて保持するテーブル221
1を備えており,フェッチエージェントFに仮想アドレ
スを割り当てる際には,上記テーブル2211のある仮
想アドレスに対して当該loginIDが記述され,仮想アド
レス,フェッチエージェント,loginID ,送信元IDが
関連付けられる。また,はじめて通信開始の要求を行っ
た上記イニシエータ21aには,送信元IDを参照し
て,当該ログインに関するloginID と,上記ランナー2
21により保持されるフェッチエージェントのCSRの
ベースアドレスとがログイン応答パケットを通じて通知
される。即ち,図7に示したloginID フィールド,及び
command block agent フィールドに,当該ログインに関
するloginID ,及び上記ランナー221により保持され
るフェッチエージェントのCSRのベースアドレスがそ
れぞれ記述されたログイン応答パケットが,上記ターゲ
ット22から上記イニシエータ21aに返送される。上
記イニシエータ21aは,以後,上記ランナー221に
より保持されるフェッチエージェントのCSRのベース
アドレスを用いて上記ランナー221に対して上記所定
の処理の実行を要求することになる。このようにして上
記ターゲット22のある論理ユニットLU1に対して上
記イニシエータ21aによりログインが行われると,従
来のものでは,上記イニシエータ21aの要求によりロ
グアウトが行われるまで,他のイニシエータ21bは論
理ユニットLU1にログインすることができない。これ
に対し,本実施の形態に係る通信装置及びこれを含む通
信システムでは,ある論理ユニットLU1に対して2回
目となるログイン要求が別のイニシエータ21bからあ
った場合には,上記イニシエータ21aに通知したのと
同じベースアドレス,即ち上記ランナー221が保持し
ているベースアドレスをcommand block agent フィール
ドに,上記イニシエータ21aのログイン要求に割り当
てたのとは別のloginID をloginID フィールドにそれぞ
れ記述したログイン応答パケットが上記イニシエータ2
1bに返送され,上記別のイニシエータ21bに対して
もログインが許可される。また,上記ランナー221で
は,上記イニシエータ21bに対応するフェッチエージ
ェントF12に対して,上記テーブル2211を参照し
て割り当て可能な仮想アドレス,即ち上記フェッチエー
ジェントF11に対応する仮想アドレスとは異なる仮想
アドレスが探索され,上記探索された仮想アドレス,及
びフェッチエージェントF12に対して上記別のloginI
D が記述され,上記異なる仮想アドレス,フェッチエー
ジェントF12,別のloginID が関連付けられる。そし
て,通信を許可している各イニシエータ21a,21b
のいずれかから,上記ログイン応答パケットのcommand
block agent フィールドに記述されたベースアドレスを
用いて,フェッチエージェントFに対するコマンドの実
行要求がターゲット22にあった場合には,ランナー2
21により当該コマンドの実行要求が受信される。ラン
ナー221は,コマンド内に記述されているコマンドの
送信元IDから,上記テーブル2211を参照して,ど
のログイン要求(loginID )に対するコマンドかを判断
し,対応するフェッチエージェントとそれに割り振った
仮想アドレスを特定し,当該フェッチエージェントを動
作させる。このように本実施の形態に係る通信装置及び
これを含む通信システムでは,ある論理ユニットに対し
て複数のログインを受け付けながら,各ログインを行っ
たイニシエータが要求するコマンドを対応するフェッチ
エージェントを適正に選択して実行することができる。
【0014】
【実施例】上記実施の形態では,ランナー221が管理
しているフェッチエージェントは2つであったが,これ
に限られるものではなく,3つ以上のフェッチエージェ
ントを管理することももちろん可能である。また,ター
ゲット22が備える論理ユニットLU1,LU2の数も
2つに限定されるものではない。ターゲット22内の論
理ユニットの数は,1以上あればよく,その数は予めタ
ーゲット22に組み込まれたターゲットの属性を表すコ
ンフィグレーションROM内に記述される。また,上記
ターゲット22には2つのイニシエータ21が接続され
ていたが,これに限られるものではなく,3つ以上のイ
ニシエータ21が接続されている場合でも,本発明を適
用することは可能である。尚,一つの論理ユニットに対
して複数の異なるイニシエータ21からログインがなさ
れている状態では,あるイニシエータからのコマンド要
求を論理ユニットが処理している間に,他のイニシエー
タから新たにコマンド要求が発行される可能性がある。
この場合には,例えば新たなコマンド要求はスプールし
ておき,最初のコマンド要求の実行終了後に処理を行う
ようにすればよい。
【0015】
【発明の効果】以上説明した通り,上記請求項1〜3の
いずれか1項に記載の通信システムによれば,アプリケ
ーションプロトコルSBP-2 における,所定の処理が実行
可能なターゲットが,該ターゲットIEEE1394規格に従
ったインターフェースにより接続された一つ又は複数の
イニシエータのいずれかに対して既に通信を許可してい
るときに,既に通信を許可しているイニシエータとは別
イニシエータから通信開始の要求があると,代用指定
情報割当手段が,上記既に通信を許可しているイニシエ
ータに返送した応答情報に含まれる指定情報と同じ指定
情報を含む応答情報を上記別のイニシエータに返送して
上記別のイニシエータにも通信を許可すると共に,上記
既に通信を許可しているイニシエータに対応して割り当
てられた代用指定情報とは異なる代用指定情報を上記別
イニシエータに割り当てることにより,複数のイニシ
エータの同時ログインを実現し,処理の効率化を図った
通信システムを提供することができる。しかも,上記請
求項2に記載の通信システムによれば,通信を許可して
いる上記イニシエータから上記指定情報を用いて上記所
定の処理の実行要求があると,上記代用指定情報割当手
段により上記代用指定情報が参照され,当該イニシエー
に対応して上記所定の処理を実行する実行手段が選択
されるため,複数のイニシエータが同時ログインをして
いる間に,いずれかのイニシエータから上記所定の処理
の実行要求があった場合でも,当該イニシエータに対応
した上記実行手段を適宜選択することができる。また,
上記請求項3又は4に記載の通信装置によれば,アプリ
ケーションプロトコルにSBP-2 を用いて,IEEE1394規格
に従ったインターフェースにより接続されたイニシエー
のいずれかに対して既に通信を許可しているときに,
既に通信を許可しているイニシエータとは別のイニシエ
ータから通信開始の要求があると,代用指定情報割当手
段が,上記既に通信を許可しているイニシエータに返送
した応答情報に含まれる指定情報と同じ指定情報を含む
応答情報を上記別のイニシエータに返送して上記別の
ニシエータにも通信を許可すると共に,上記既に通信を
許可しているイニシエータに対応して割り当てられた代
用指定情報とは異なる代用指定情報を上記別のイニシエ
ータに割り当てることにより,複数のイニシエータの同
時ログインを実現し,処理の効率化を図った通信装置を
提供することができる。しかも,上記請求項に記載の
通信装置によれば,通信を許可している上記イニシエー
から上記指定情報を用いて上記所定の処理の実行要求
があると,上記代用指定情報割当手段により上記代用指
定情報が参照され,当該イニシエータに対応した上記実
行手段が選択されるため,複数のイニシエータが同時ロ
グインしている間に,いずれかのイニシエータから上記
所定の処理の実行要求があった場合でも,当該イニシエ
ータに対応した上記実行手段を適宜選択することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態に係る通信装置及びこ
れを含む通信システムの概略構成を示す図。
【図2】 パケット通信を行う複数の機器間で行われる
通信シーケンスの一例を説明するための図。
【図3】 IEEE1394インターフェスのレイヤ構造とSBP-
2 との関係を説明するための図。
【図4】 イニシエータとターゲットの論理ユニットと
の間で行われる通信手順を説明するための図。
【図5】 SBP-2 におけるログイン要求ブロックのデー
タ構造を示す図。
【図6】 IEEE1394インターフェスにおける通信パケッ
トのフォーマットを示す図。
【図7】 ログイン応答ブロックのデータ構造を示す
図。
【図8】 ログアウト要求ブロックのデータ構造を示す
図。
【符号の説明】
21…イニシエータ 22…ターゲット 221…ランナー F1,F2…フェッチエージェント LU1,LU2…論理ユニット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 赤下 尚司 東京都江東区東陽2丁目3番2号 株式 会社神戸製鋼所内 (72)発明者 冨岡 理 東京都江東区東陽2丁目3番2号 株式 会社神戸製鋼所内 (72)発明者 黒瀬 光一 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイ コーエプソン株式会社内 (56)参考文献 特開2000−181647(JP,A) 特開2000−151664(JP,A) 特開2000−250846(JP,A) 特開 平11−85662(JP,A) 欧州特許出願公開996069(EP,A 1) P1394.3 Draft Stand ard for a High Per formance Serial Bu s Peer−to−Peer Dat a Transport Protoc ol(PPDT),Draft 1. 1,Feb.10,2000(http: //www.pwg.org/p1394) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G06F 3/12 G06F 13/00 H04L 12/28 H04L 29/08

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の処理が実行可能なターゲットと,
    上記ターゲットIEEE1394規格に従ったインターフェー
    スにより接続された一つ又は複数のイニシエータとの間
    で通信を行うアプリケーションプロトコルにSBP-2 を用
    いた通信システムであって,上記ターゲットが,上記
    ニシエータのいずれとも通信を行っていないときに,あ
    イニシエータから通信開始の要求があると,上記所定
    の処理を実行する実行手段を指定するための指定情報を
    決定し,上記決定された指定情報を含む応答情報を返送
    して上記あるイニシエータに対して通信を許可し,上記
    あるイニシエータは,上記ターゲットから返送された上
    記指定情報を用いて上記実行手段に上記所定の処理の実
    行を要求してなる通信システムにおいて, 上記ターゲットが,上記決定された指定情報を保持する
    と共に通信開始の要求があった上記第2の通信手段に対
    応して上記実行手段に上記指定情報に代わる仮想的な代
    用指定情報を割り当てる代用指定情報割当手段を具備
    し, 上記イニシエータのいずれかに対して既に通信を許可し
    ているときに,既に通信を許可しているイニシエータ
    は別のイニシエータから通信開始の要求があると,上記
    代用指定情報割当手段が,上記保持した指定情報を含む
    応答情報を上記別のイニシエータに返送して上記別の
    ニシエータにも通信を許可すると共に,既に通信を許可
    しているイニシエータに対応して割り当てた上記代用指
    定情報とは異なる代用指定情報を上記別のイニシエータ
    に対応して割り当ててなることを特徴とする通信システ
    ム。
  2. 【請求項2】 上記代用指定情報割当手段が,通信を許
    可している上記イニシエータから上記指定情報を用いて
    上記所定の処理の実行が要求された場合に,上記代用指
    定情報を参照して,当該イニシエータに対応した上記実
    行手段を選択してなる請求項1に記載の通信システム。
  3. 【請求項3】 アプリケーションプロトコルにSBP-2 を
    用いて,IEEE1394規格に従ったインターフェースにより
    接続されたイニシエータとの間で通信を行い,所定の処
    理が実行可能な実行手段に上記イニシエータからの要求
    に応じて上記所定の処理を実行させるターゲットとなる
    通信装置であって,上記イニシエータのいずれとも通信
    を行っていないときに,あるイニシエータから通信開始
    の要求があると,上記実行手段を指定するための指定情
    報を決定し,上記決定された指定情報を含む応答情報を
    返送して上記あるイニシエータに対して通信を許可して
    なる通信装置において, 上記決定された指定情報を保持すると共に通信開始の要
    求があった上記イニシエータに対応して上記実行手段に
    上記指定情報に代わる仮想的な代用指定情報を割り当て
    る代用指定情報割当手段を具備し, 上記イニシエータのいずれかに対して既に通信を許可し
    ているときに,既に通信を許可しているイニシエータ
    は別のイニシエータから通信開始の要求があると,上記
    代用指定情報割当手段が,上記保持した指定情報を含む
    応答情報を上記別のイニシエータに返送して上記別の
    ニシエータにも通信を許可すると共に,既に通信を許可
    しているイニシエータに対応して割り当てた上記代用指
    定情報とは異なる代用指定情報を上記別のイニシエータ
    に対応して割り当ててなることを特徴とする通信装置。
  4. 【請求項4】 上記代用指定情報割当手段が,通信を許
    可しているイニシエータから上記指定情報を用いて上記
    所定の処理の実行が要求された場合に,上記代用指定情
    報を参照して,当該イニシエータに対応した上記実行手
    段を選択してなる請求項に記載の通信装置。
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